説明

昇圧コンバータ

【課題】高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることのできる昇圧コンバータを提供する。
【解決手段】第1の期間にスイッチング素子S1のみをオンさせ、第2の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせ、第3の期間にスイッチング素子S2のみをオンさせ、第4の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせる。第1,第2および第4の期間に、トランスT1に励磁電流を生成し、第2,第3および第4の期間に、トランスT2に励磁電流を生成する。そして、第1の期間と第3の期間に、トランスT1,T2に生成した励磁電流を整流素子S3,S4により整流し、直流電圧Vinを昇圧して得た出力電圧Voを負荷20に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧の入力電圧を絶縁することなく高圧の出力に変換し、その出力電圧を負荷に供給する昇圧コンバータにおいて、高効率で高出力の電圧特性を実現する昇圧コンバータに関する。
【背景技術】
【0002】
昇圧型の非絶縁コンバータは、周知のように電圧を昇圧する場合に用いられ、例えば特許文献1などに開示される。図10は、従来の非絶縁昇圧コンバータを示したものであるが、これは入力電源10の両端間にインダクタLとMOS型FETからなるスイッチング素子Sとの直列回路を接続し、スイッチング素子Sの両端間に整流素子としてのダイオードDと出力コンデンサCoとの直列回路を接続して、図示しない制御回路からのパルス駆動信号によりスイッチング素子Sをスイッチング動作させる構成となっている。
【0003】
そして、スイッチング素子Sのオン期間中は、入力電源10からインダクタLに流れる電流によって、当該インダクタLにエネルギーが蓄えられ、スイッチング素子Sのオフ期間中は、それまでインダクタLに蓄えられていたエネルギーが、入力電源10からのエネルギーと共にダイオードDを通して出力側に放出され、入力電源10に発生する直流入力電圧にインダクタLの誘導起電圧を重畳した電圧が、出力コンデンサCoの両端間に接続する負荷20に供給されるようになっている。
【0004】
ここで、前記入力電圧をVin,出力電圧をVo,スイッチング素子の時比率(スイッチング周期に対するオン期間の割合)をDとするならば、入力電圧Vinと出力電圧Voとの比は、次の式であらわせる。
【0005】
【数1】

【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−131983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記数1によれば、スイッチング素子Sの時比率Dをほぼ1に近い状態で動作できるのであれば、出力電圧Voは入力電圧Vinのほぼ無限大倍にまで昇圧することが可能である。しかし、実際にはスイッチング素子Sを制御する制御用ICのデッドタイムや、スイッチング素子S自体の寄生容量などの関係で、時比率Dをほぼ1にしながら高効率を保つことは不可能であり、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの昇圧比は、ある程度のところまでしか変化させることができない。したがって、高効率を保ちつつ、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの昇圧比を大きく取れるような非絶縁昇圧コンバータが求められていた。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることのできる昇圧コンバータを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明における昇圧コンバータは、一次巻線と二次巻線とを磁気結合してなる第1のトランスと、一次巻線と二次巻線とを磁気結合してなる第2のトランスと、分圧用コンデンサと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2の整流素子と、出力コンデンサとを備え、第1の期間に前記第1のスイッチング素子のみをオンさせ、第2の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせ、第3の期間に前記第2のスイッチング素子のみをオンさせ、第4の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、前記第1の期間,前記第2の期間,および前記第4の期間に、前記第1のトランスの一次巻線を入力電源に接続させ、前記第2の期間,前記第3の期間,および前記第4の期間に、前記第2のトランスの一次巻線を前記入力電源に接続させて、前記第1および前記第2のトランスに二相の励磁電流をそれぞれ生成し、前記第1のトランスの二次巻線と前記第2のトランスの二次巻線と前記分圧用コンデンサとからなる直列回路を、前記第1の期間に、前記第2の整流素子を通して入力電源および前記第2のトランスの一次巻線と直列に接続させ、ならびに前記第3の期間に、前記入力電源および前記第1のトランスの一次巻線と、前記第1の整流素子を通して前記出力コンデンサと直列に接続させて、前記第1および前記第2のトランスに生成した励磁電流を、前記第1および前記第2の整流素子により整流することで、前記入力電源からの直流電圧を昇圧して負荷に供給する構成を備えている。
【0010】
また、本発明における昇圧コンバータは、第1および第2のインダクタと、分圧用コンデンサと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2の整流素子と、出力コンデンサとを備え、第1の期間に前記第1のスイッチング素子のみをオンさせ、第2の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせ、第3の期間に前記第2のスイッチング素子のみをオンさせ、第4の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、前記第1の期間,前記第2の期間,および前記第4の期間に、前記第1のインダクタを入力電源に接続させ、前記第2の期間,前記第3の期間,および前記第4の期間に、前記第2のインダクタを入力電源に接続させて、前記第1および前記第2のインダクタに二相の励磁電流をそれぞれ生成し、前記分圧用コンデンサを、前記第1の期間に、前記第2の整流素子を通して入力電源および前記第2のインダクタと直列に接続させ、ならびに前記第3の期間に、前記入力電源および前記第1のインダクタと、前記第1の整流素子を通して前記出力コンデンサと直列に接続させて、前記第1および前記第2のインダクタに生成した励磁電流を、前記第1および前記第2の整流素子により整流することで、前記入力電源からの直流電圧を昇圧して負荷に供給する構成を備えている。
【0011】
上記各構成の昇圧コンバータにおいて、前記第1および前記第2の整流素子は、前記第1および前記第2のスイッチング素子に同期してオン・オフ動作されるFETからなるのが好ましい。
【0012】
さらに、前記負荷側より入力電圧を印加し、前記入力電源側に降圧した電圧を供給する構成とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、第1および第2のトランスの一次巻線と二次巻線との巻数比を大きく取らなくても、既存の非絶縁昇圧コンバータに対して、入力電圧に対する出力電圧の昇圧比を大きくすることが可能になり、非絶縁コンバータとしての電圧変換率を大幅に改善することができる。また、第1および第2のスイッチング素子や第1および第2の整流素子の損失やサージの低減も可能になり、高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることができる。さらに、分圧用コンデンサの両端間は、第1および第2のスイッチング素子の時比率に依存することなく、出力電圧の半分の電圧が発生し、それにより第1および第2のトランスを流れる電流が自動的にバランスされるので、電流バランス回路を別に設ける必要がなく、回路構成を簡単にできる。
【0014】
請求項2の発明によれば、既存の非絶縁昇圧コンバータに対して、第1および第2のスイッチング素子の時比率が同じ条件下で、入力電圧に対する出力電圧の昇圧比を2倍にすることが可能になり、昇圧コンバータとしての電圧変換率を大幅に改善できる。また、第1および第2のスイッチング素子や第1および第2の整流素子の損失やサージの低減も可能になり、高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることができる。さらに、分圧用コンデンサの両端間は、第1および第2のスイッチング素子の時比率に依存することなく、出力電圧の半分の電圧が発生し、それにより第1および第2のインダクタを流れる電流が自動的にバランスされるので、電流バランス回路を別に設ける必要がなく、回路構成を簡単にできる。
【0015】
請求項3の発明によれば、第1および前記第2の整流素子をFETとすることで、これらの整流素子に電流が流れるときの損失を低減でき、より高効率な昇圧コンバータを提供できる。
【0016】
請求項4の発明によれば、昇圧コンバータの入力と出力を入れ替えることで、内部の構成にいっさい手を加えることなく、昇圧コンバータを降圧コンバータとして動作させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例における非絶縁昇圧コンバータの回路図である。
【図2】図1に示す回路の各部の波形図である。
【図3】図1に示す回路の状態1の等価回路図である。
【図4】図1に示す回路の状態2および状態4の等価回路図である。
【図5】図1に示す回路の状態3の等価回路図である。
【図6】本実施例と従来例において、時比率と入力/出力の電圧比との関係を示すグラフである。
【図7】別な変形例を示す非絶縁昇圧コンバータの回路図である。
【図8】図7に示すコンバータ回路の応用例を示す電源システムの回路図である。
【図9】さらに別な変形例を示す非絶縁昇圧コンバータの回路図である。
【図10】従来知られている非絶縁昇圧コンバータの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面に基づいて、本発明における好適な回路例を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施例を示す非絶縁昇圧コンバータの回路図である。同図において、1は入力電圧Vinを出力電圧Voに昇圧する2相式のタップドインダクタ昇圧コンバータ回路(以下、単にコンバータ回路という)、30はコンバータ回路1の動作を制御する制御回路である。ここでの非絶縁昇圧コンバータは、コンバータ回路1と制御回路30で構成される。
【0020】
コンバータ回路1は、入力電源10からの直流入力電圧Vinを昇圧して、負荷20に出力電圧Voを供給するもので、入力コンデンサCと、一次巻線np1と二次巻線ns1とを磁気結合させた第1のインダクタンス素子としてのトランスT1と、一次巻線np2と二次巻線ns2とを磁気結合させた第2のインダクタンス素子としてのトランスT2と、分圧用コンデンサCinと、第1のスイッチング素子S1と、第2のスイッチング素子S2と、ダイオードで構成される第1の整流素子S3と、同じくダイオードで構成される第2の整流素子S4と、出力コンデンサCoとにより構成される。このコンバータ回路1は、第一相の回路として、第1のトランスT1,第1のスイッチング素子S1,第1の整流素子S3を備え、第二相の回路として、第2のトランスT2,第2のスイッチング素子S2,第2の整流素子S4を備えている。また、トランスT1の二次巻線ns1およびトランスT2の二次巻線ns2と直列に分圧用コンデンサCinが接続され、第一相の回路および第二相の回路の入力端に、平滑用の入力コンデンサCが共通して接続され、第一相の回路の出力端と、第二相の回路の出力端に、整流素子S3を通して平滑用の出力コンデンサCoが接続される。
【0021】
スイッチング素子S1,S2は何れもMOS型FETで構成され、これらのスイッチング素子S1,S2のゲートには、制御回路30から好ましくは時比率Dが同じで位相を180°ずらしたパルス駆動信号が与えられる。また、制御回路30は出力電圧Voutを監視して、この出力電圧Voutに応じてパルス駆動信号の導通幅ひいては各スイッチング素子S1,S2の時比率Dを調整する。それにより、スイッチング素子S1,S2は位相差を有してスイッチング動作されるが、各スイッチング素子S1,S2の時比率Dが0.5未満になると、コンバータ回路1の入力と出力が短絡するため、時比率Dは0.5≦D<1の範囲に制限する必要がある。したがってコンバータ回路1は、スイッチング素子S1のみオン(状態1)→両方のスイッチング素子S1,S2がオン(状態2)→スイッチング素子S2のみオン(状態3)→両方のスイッチング素子S1,S2がオン(状態4)の動作を繰り返す。
【0022】
その他、図1に示すLm1はトランスT1の励磁インダクタンスであり、Lm2はトランスT2の励磁インダクタンスである。トランスT1の励磁インダクタンスLm1は一次巻線np1と同極性で並列に接続され、トランスT2の励磁インダクタンスLm2は一次巻線np2と同極性で並列に接続される。また、r1およびr2は、各々第一相の回路および第二相の回路の内部損失に相当する等価抵抗であり、rcは出力コンデンサCoの等価直列抵抗である。
【0023】
次に、コンバータ回路1における各素子間の接続について説明する。但し、上記励磁インダクタンスLm1,Lm2はトランスT1,T2に含まれており、等価抵抗r1,r2,rcは実際の素子として存在しないので、これらの説明については省略する。
【0024】
入力電源10は負極性端子が接地されており、その正極性端子には入力コンデンサCの一端と、トランスT1の一次巻線np1の一端であるドット端子と、トランスT2の一次巻線np2の一端であるドット端子がそれぞれ接続される。トランスT1の一次巻線np1の他端である非ドット端子には、スイッチング素子S1のドレインと、トランスT1の二次巻線ns1の一端であるドット端子がそれぞれ接続され、スイッチング素子S1のソースが前記入力コンデンサCの他端と共に接地される。また、トランスT1の二次巻線ns1の他端である非ドット端子には、トランスT2の二次巻線ns2の他端である非ドット端子が接続され、この二次巻線ns2の一端であるドット端子に、分圧用コンデンサCinの一端が接続される。
【0025】
一方、トランスT2の一次巻線np2の他端である非ドット端子には、スイッチング素子S2のドレインと、整流素子S4のアノードが接続され、スイッチング素子S1のソースが接地される。分圧用コンデンサCinの他端と整流素子S4のカソードは、整流素子S3のアノードに共通して接続され、この整流素子3のカソードが、出力コンデンサCoの一端に接続される。出力コンデンサCoの他端は接地され、この出力コンデンサCoの両端に負荷20を接続することで、コンバータ回路1から負荷20に出力電圧Voを供給する構成となっている。
【0026】
なお、コンバータ回路1の構成として、例えば分圧用コンデンサCinは、トランスT1の二次巻線ns1とトランスT2の二次巻線ns2との間に挿入接続してもよく、二次巻線ns1,ns2と分圧用コンデンサCinとによる直列回路が形成されればよい。また、整流素子S3,S4として、スイッチング素子S1と相補的に動作するMOS型FETなどのスイッチ素子を用いてもよい。具体的な例は、後ほど詳述する。
【0027】
次に、図2における各部の波形図と、図3〜図5における各状態の等価回路図を参照しながら、上記構成における動作の詳細を説明する。なお図2において、Vgs1はスイッチング素子S1のゲート・ソース間電圧,Vgs2はスイッチング素子S2のゲート・ソース間電圧,Vs1はスイッチング素子S1のソースを基準としたドレイン電圧,Vs2はスイッチング素子S2のソースを基準としたドレイン電圧,Is1はスイッチング素子S1のドレイン電流,Is2はスイッチング素子S2のドレイン電流,Vc1は分圧用コンデンサCinの両端間電圧,Ic1は分圧用コンデンサCinを流れる電流,Ilm1は励磁インダクタンスLm1を流れるトランスT1の励磁電流,Ilm2は励磁インダクタンスLm2を流れるトランスT2の励磁電流,Vs3は整流素子S3に印加する電圧,Vs4は整流素子S4に印加する電圧,Is3は整流素子S3を流れる電流,Is4は整流素子S4を流れる電流,Voは出力電圧であり、点線は0V若しくは0Aを示している。
【0028】
制御回路30からスイッチング素子S1,S2のゲートにパルス駆動信号がそれぞれ与えられると、スイッチング素子S1,S2は双方がオンになる期間を有しながら、位相をずらしてオン・オフを繰り返す。このときのスイッチング素子S1,S2と整流素子S3,S4は、次の表に示すように、状態1〜状態4の順に遷移する。
【0029】
【表1】

【0030】
図3に示すように、スイッチング素子S1のみオンする状態1の期間では、入力電源10からトランスT1の一次巻線np1,スイッチング素子S1を順に通して電流i1が流れ、トランスT1の励磁電流は直線的に増加する。また、この状態1の期間には、スイッチング素子S2がオフしており、整流素子S3はオフすると共に、整流素子S4がオンして、トランスT1の二次巻線ns1とトランスT2の二次巻線ns2と分圧用コンデンサCinとからなる直列回路が、順バイアスされた整流素子S4を通して、入力電源10(または入力コンデンサC)とトランスT2の一次巻線np2とからなる直列回路に連結され、これらの各素子による閉回路が形成される。
【0031】
このときトランスT2は、一次巻線np2と二次巻線ns2を直列に接続した単なるインダクタとして機能し、それまで蓄えられていた励磁エネルギーを放出するので、トランスT2の励磁電流は直線的に減少する。また、トランスT1の一次巻線np1を流れる電流i1によって、その二次巻線ns1にも非ドット端子からドット端子に向かう電流が発生し、結果的に入力電源10からトランスT2の一次巻線np2,整流素子S4,分圧用コンデンサCin,トランスT2の二次巻線ns2,トランスT1の二次巻線ns1,スイッチング素子S1を順に通して電流i2が流れる。
【0032】
続いて図4に示すように、両方のスイッチング素子S1,S2がオンする状態2の期間になると、整流素子S3,S4は何れも逆バイアスされ、入力電源10からトランスT1の一次巻線np1,スイッチング素子S1を順に通して電流i1が流れると共に、入力電源10からトランスT2の一次巻線np2,スイッチング素子S2を順に通して電流i2が流れる。したがって、各トランスT1,T2の励磁電流は直線的に増加する。
【0033】
次に図5に示すように、スイッチング素子S2のみオンする状態3の期間になると、入力電源10からトランスT2の一次巻線np2,スイッチング素子S2を順に通して電流i2が流れ、トランスT2の励磁電流は引き続き直線的に増加する。また、この状態3の期間には、スイッチング素子S1がオフしており、整流素子S3はオンすると共に、整流素子S4がオフして、トランスT1の二次巻線ns1とトランスT2の二次巻線ns2と分圧用コンデンサCinとからなる直列回路が、入力電源10と、順バイアスされた整流素子S3を通して出力コンデンサCoに連結され、これらの各素子による閉回路が形成される。
【0034】
このときトランスT1は、一次巻線np1と二次巻線ns1を直列に接続した単なるインダクタとして機能し、それまで蓄えられていた励磁エネルギーを放出するので、トランスT1の励磁電流は直線的に減少する。また、トランスT2の一次巻線np2を流れる電流i2によって、その二次巻線ns2にも非ドット端子からドット端子に向かう電流が発生し、結果的に入力電源10からトランスT1の一次巻線np1,トランスT1の二次巻線ns1,トランスT2の二次巻線ns2,分圧用コンデンサCin,整流素子S3,出力コンデンサCo(および負荷20)を順に通して電流i1が流れる。
【0035】
そして、再度図4に示すように、両方のスイッチング素子S1,S2がオンする状態2の期間になると、整流素子S3,S4は何れも逆バイアスされ、入力電源10からトランスT1の一次巻線np1,スイッチング素子S1を順に通して電流i1が流れると共に、入力電源10からトランスT2の一次巻線np2,スイッチング素子S2を順に通して電流i2が流れる。したがって、各トランスT1,T2の励磁電流は直線的に増加する。
【0036】
上記状態1〜状態4において微分方程式を算出し、理想的なモデルとして前記等価抵抗r1,r2,rcを無視して、状態平均化法によってコンバータ回路1の静特性を算出すると、トランスT1の励磁電流im1と、トランスT2の励磁電流im2と、分圧用コンデンサCinの両端間電圧Vc1と、出力電圧Voは、それぞれ次のようにあらわせる。
【0037】
【数2】

【0038】
なお、上記Rは負荷20の抵抗値であり、またnは、トランスT1,T2において、二次巻線ns1,ns2に対する一次巻線np1,np2の巻数比(n=np1/ns1=np2/ns2)である。
【0039】
上記数2において、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの比は、1/(1−D)にて決められる昇圧型コンバータの特性を示すことがわかる。例えば巻数比n=1の場合、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの比は、4/(1−D)となり、同じ時比率Dで従来の4倍の昇圧比を得ることができる。また、分圧用コンデンサCinの両端間電圧Vc1は、巻数比nや時比率Dに関係なく、出力電圧Voの半分になることがわかる。時比率Dと入力電圧Vinに対する出力電圧Voの比との関係を、本実施例と従来例で比較したグラフを、図6に示す。
【0040】
以上のように本実施例では、一次巻線np1と二次巻線ns1とを磁気結合してなる第1のトランスT1と、一次巻線np2と二次巻線ns2とを磁気結合してなる第2のトランスT2と、分圧用コンデンサCinと、第1のスイッチング素子S1および第2のスイッチング素子S2と、第1の整流素子S3および第2の整流素子S4と、出力コンデンサCoとを備え、第1の期間にスイッチング素子S1のみをオンさせ、第2の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせ、第3の期間にスイッチング素子S2のみをオンさせ、第4の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、第1,第2および第4の期間に、トランスT1の一次巻線np1を入力電源10に接続させ、第2,第3および第4の期間に、トランスT2の一次巻線np2を入力電源10に接続させて、トランスT1,T2に二相の励磁電流をそれぞれ生成し、トランスT1の二次巻線ns1とトランスT2の二次巻線ns2と分圧用コンデンサCinとからなる直列回路を、第1の期間に、整流素子S4を通して入力電源10およびトランスT2の一次巻線np2と直列に接続させ、ならびに第3の期間に、入力電源10およびトランスT1の一次巻線np1と、整流素子S3を通して出力コンデンサCoと直列に接続させて、トランスT1,T2に生成した励磁電流を整流素子S3,S4により整流することで、入力電源10からの直流電圧Vinを昇圧して得た出力電圧Voを、負荷20に供給する構成となっている。
【0041】
この場合、トランスT1の一次巻線np1と二次巻線ns1との巻数比を大きく取らなくても、既存の非絶縁昇圧コンバータに対して、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの昇圧比を大きくすることが可能になり、非絶縁昇圧コンバータとしての電圧変換率を大幅に改善することができる。また、スイッチング素子S1,S2や整流素子S3,S4の損失やサージの低減も可能になり、高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることができる。さらに、分圧用コンデンサCinの両端間は、スイッチング素子S1,S2の時比率に依存することなく、出力電圧Voの半分の電圧が発生し、それにより各トランスT1,T2を流れる電流が自動的にバランスされるので、電流バランス回路を別に設ける必要がなく、回路構成を簡単にできる。
【0042】
次に、上記実施例に関連する種々の変形例について説明する。
【0043】
図7に示すコンバータ回路1’は、図1に示す整流素子S3,S4を、何れもMOS型FETに置き換えたものである。この場合、ダイオードのアノードにFETのソースが対応し、ダイオードのカソードにFETのドレインが対応するように、各々の整流素子S3,S4を接続する。制御回路30は、スイッチング素子S1と相反して整流素子S3がスイッチング動作するように、整流素子S3のゲートにパルス駆動信号を供給すると共に、スイッチング素子S2と相反して整流素子S4がスイッチング動作するように、整流素子S4のゲートにパルス駆動信号を供給する。これにより、スイッチング素子S1がオフする状態3には、整流素子S3がオンし、整流素子S3のドレインからソースを通して電流を流し、スイッチング素子S2がオフする状態1には、整流素子S4がオンし、整流素子S4のドレインからソースを通して電流を流すことで、整流素子S3,S4の導通損を減らして、コンバータ回路1’としての効率をより高めることができる。
【0044】
つまり、ここでの整流素子S3,S4は、スイッチング素子S1,S2に同期してオン・オフ動作されるFETからなるので、これらの整流素子S3,S4に電流が流れるときの損失を低減でき、より高効率な非絶縁昇圧コンバータを提供できる。
【0045】
また、図7に示す変形例では、制御回路30からのパルス駆動信号によって、スイッチング素子S1,S2および整流素子S3,S4の各動作を制御できるので、コンバータ回路1’の入出力を入れ替えることで、コンバータ回路1’を昇圧コンバータとしてだけではなく、降圧コンバータとしても機能させることもできる。
【0046】
こうした双方向コンバータの機能をコンバータ回路1’で実現した回路例を、図8に示す。電源装置50は、コンバータ回路1’および負荷60に入力電圧Vinを供給するもので、前述の入力電源10に相当する。また20は、コンバータ回路1’の負荷としての二次電池である。電源装置50からコンバータ回路1’に入力電圧Vinが供給される正常時に、コンバータ回路1’は制御回路30からのパルス駆動信号を受けて、入力電圧Vinを出力電圧Voに昇圧し、これを二次電池20に出力電圧Voとして供給する。このときの各スイッチング素子S1,S2の時比率Dは、前述したように入出力の短絡を避けるために、0.5≦D<1の範囲に設定される。
【0047】
なおここでは、コンバータ回路1’から二次電池20への出力電流を監視し、この出力電流が所定値以下になって二次電池20が満充電であると判断したら、コンバータ回路1’へのパルス駆動回路の供給を停止するように、制御回路30を構成してもよい。
【0048】
一方、何等かの原因で電源装置50からコンバータ回路1’への入力電圧inが途絶えたのを検知すると、制御回路30は同じく入出力の短絡を避けるために、時比率Dを0.5≦D<1の範囲に設定して、コンバータ回路1’にパルス駆動信号を供給する。これにより、二次電池20からの放電電圧がコンバータ1’への入力電圧となって、この入力電圧を降圧した電圧が、コンバータ回路1’から負荷60に引き続き供給される。なお62は、コンバータ回路1’から電源装置50への電流の流入を阻止する逆流防止用ダイオードである。制御回路30は、コンバータ回路1’から安定した電圧を負荷60に供給できるようにするために、前記降圧した電圧に応じて各スイッチング素子S1,S2の時比率Dを調整する電圧調整回路が組み込まれる。
【0049】
ここでのコンバータ回路1’は、二次電池20を入力電圧として負荷60に降圧した電圧を供給するために、整流素子S3,S4がスイッチング素子として機能し、スイッチング素子S1,S2が整流素子として機能する。また、整流素子S3,S4の時比率Dsは、0<D<0.5の範囲に設定されるので、整流素子S3だけがオンする状態と、整流素子S3,S4が共にオフする状態と、整流素子S4だけがオンする状態と、整流素子S3,S4が共にオフする状態を繰り返しながらスイッチング動作する。このとき、スイッチング素子S1は整流素子S3と相補的に動作し、スイッチング素子S2は整流素子S4と相補的に動作することで、二次電池20からの放電電圧よりも低い電圧を、負荷60に供給することが可能になる。
【0050】
以上のように、図8に示す例では、同一のコンバータ回路1’で負荷20側より入力電圧Vinを印加し、入力電源10側に降圧した電圧を供給する構成となっている。このように、昇圧コンバータの入力と出力を入れ替えることで、内部の構成にいっさい手を加えることなく、昇圧コンバータを降圧コンバータとして動作させることが可能になる。
【0051】
図9は、図1に示す回路の別な変形例であり、ここでのコンバータ回路1’’はトランスT1の二次巻線ns1とトランスT2の二次巻線ns2を何れも削除し、残った一次巻線np1,np2を、それぞれ磁気結合していない第1のインダクタンス素子であるインダクタL1と、第2のインダクタンス素子であるインダクタL2としている。その他の構成および動作は、図1に示したものと共通している。また、整流素子S3,S4はダイオードではなくMOS型FETであってもよく、その場合は図7に示すような双方向コンバータの構成とすることもできる。
【0052】
状態1において、スイッチング素子S1のみオンすると、入力電源10からインダクタL1,スイッチング素子S1を順に通して電流が流れ、インダクタL1の励磁電流は直線的に増加する。また、この状態1ではスイッチング素子S2がオフしており、整流素子S3はオフすると共に、整流素子S4がオンして、分圧用コンデンサCinが、順バイアスされた整流素子S4を通して、入力電源10(または入力コンデンサC)とインダクタL2とからなる直列回路に連結され、これらの各素子による閉回路が形成される。このとき、入力電源10からインダクタL2,整流素子S4,分圧用コンデンサCin,スイッチング素子S1を順に通して電流が流れ、インダクタL2はそれまで蓄えられていた励磁エネルギーを放出して、その励磁電流が直線的に減少する。
【0053】
続いて、両方のスイッチング素子S1,S2がオンする状態2の期間になると、整流素子S3,S4は何れも逆バイアスされ、入力電源10からインダクタL1を通して電流が流れると共に、入力電源10からインダクタL2を通して電流が流れる。したがって、各インダクタL1,L2の励磁電流は直線的に増加する。
【0054】
その後、スイッチング素子S2のみオンする状態3の期間になると、入力電源10からインダクタL2,スイッチング素子S2を順に通して電流が流れ、インダクタL2の励磁電流は引き続き直線的に増加する。また、この状態3の期間には、スイッチング素子S1がオフしており、整流素子S3はオンすると共に、整流素子S4がオフして、分圧用コンデンサCinが、入力電源10と順バイアスされた整流素子S3を通して出力コンデンサCoに連結され、これらの各素子による閉回路が形成される。このとき、入力電源10からインダクタL1,分圧用コンデンサCin,整流素子S3,出力コンデンサCo(および負荷20)を順に通して電流が流れ、インダクタL1はそれまで蓄えられていた励磁エネルギーを放出して、その励磁電流が直線的に減少する。
【0055】
図9に示す回路は、前述したトランスT1,T2において、二次巻線ns1,ns2の巻数が0、すなわち二次巻線ns1,ns2に対する一次巻線np1,np2の巻数比nが無限大であると考えることができる。そのため、ここでの入力電圧Vinに対する出力電圧Voの比は、2/(1−D)となり、同じ時比率Dで従来の2倍の昇圧比を得ることができる。また、分圧用コンデンサCinの両端間電圧Vc1は、ここでも巻数比nや時比率Dに関係なく、出力電圧Voの半分になる。
【0056】
以上のように本例では、第1のインダクタL1および第2のインダクタL2と、分圧用コンデンサCinと、第1のスイッチング素子S1および第2のスイッチング素子S2と、第1の整流素子S3および第2の整流素子S4と、出力コンデンサCoとを備え、第1の期間にスイッチング素子S1のみをオンさせ、第2の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせ、第3の期間にスイッチング素子S2のみをオンさせ、第4の期間にスイッチング素子S1,S2を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、第1,第2および第4の期間に、インダクタL1を入力電源10に接続させ、第2,第3および第4の期間に、インダクタL2を入力電源10に接続させて、インダクタL1,L2に二相の励磁電流をそれぞれ生成し、分圧用コンデンサCinを、第1の期間に、整流素子S4を通して入力電源10およびインダクタL2と直列に接続させ、ならびに第3の期間に、入力電源10およびインダクタL1と、整流素子S3を通して出力コンデンサCoと直列に接続させて、インダクタL1,L2に生成した励磁電流を整流素子S3,S4により整流することで、入力電源10からの直流電圧Vinを昇圧して得た出力電圧Voを、負荷20に供給する構成となっている。
【0057】
この場合も、既存の非絶縁昇圧コンバータに対して、スイッチング素子S1,S2の時比率Dが同じ条件下で、入力電圧Vinに対する出力電圧Voの昇圧比を2倍にすることが可能になり、非絶縁昇圧コンバータとしての電圧変換率を大幅に改善できる。また、スイッチング素子S1,S2や整流素子S3,S4の損失やサージの低減も可能になり、高効率を保ちつつ、昇圧比を大きく取ることができる。さらに、分圧用コンデンサCinの両端間は、スイッチング素子S1,S2の時比率に依存することなく、出力電圧Voの半分の電圧が発生し、それにより各インダクタL1、L2を流れる電流が自動的にバランスされるので、電流バランス回路を別に設ける必要がなく、回路構成を簡単にできる。
【0058】
なお本発明は、本実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、図1や図7に示す回路例では、二次巻線ns1,二次巻線ns2,分圧用コンデンサCinの順に接続した直列回路を示しているが、例えば二次巻線ns1,分圧用コンデンサCin,二次巻線ns2の順に接続してもよい。また、スイッチング素子S1,S2や整流素子S3,S4として、FET以外の各種制御端子付き半導体素子(例えば、パワートランジスタ)を用いることができる。さらに、上記各例におけるNチャネルのMOS型FETに代わり、PチャネルのMOS型FETを用いてもよい。
【符号の説明】
【0059】
10 入力電源
20 負荷
T1 第1のトランス
T2 第2のトランス
np1 (第1のトランスの)一次巻線
np2 (第2のトランスの)一次巻線
ns1 (第1のトランスの)二次巻線
ns2 (第2のトランスの)二次巻線
S1 第1のスイッチング素子
S2 第2のスイッチング素子
S3 第1の整流素子
S4 第2の整流素子
Cin 分圧用コンデンサ
Co 出力コンデンサ
L1 第1のインダクタ
L2 第2のインダクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次巻線と二次巻線とを磁気結合してなる第1のトランスと、一次巻線と二次巻線とを磁気結合してなる第2のトランスと、分圧用コンデンサと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2の整流素子と、出力コンデンサとを備え、
第1の期間に前記第1のスイッチング素子のみをオンさせ、第2の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせ、第3の期間に前記第2のスイッチング素子のみをオンさせ、第4の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、
前記第1の期間,前記第2の期間,および前記第4の期間に、前記第1のトランスの一次巻線を入力電源に接続させ、前記第2の期間,前記第3の期間,および前記第4の期間に、前記第2のトランスの一次巻線を前記入力電源に接続させて、前記第1および前記第2のトランスに二相の励磁電流をそれぞれ生成し、
前記第1のトランスの二次巻線と前記第2のトランスの二次巻線と前記分圧用コンデンサとからなる直列回路を、前記第1の期間に、前記第2の整流素子を通して入力電源および前記第2のトランスの一次巻線と直列に接続させ、ならびに前記第3の期間に、前記入力電源および前記第1のトランスの一次巻線と、前記第1の整流素子を通して前記出力コンデンサと直列に接続させて、前記第1および前記第2のトランスに生成した励磁電流を、前記第1および前記第2の整流素子により整流することで、直流電圧を負荷に供給することを特徴とする昇圧コンバータ。
【請求項2】
第1および第2のインダクタと、分圧用コンデンサと、第1および第2のスイッチング素子と、第1および第2の整流素子と、出力コンデンサとを備え、
第1の期間に前記第1のスイッチング素子のみをオンさせ、第2の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせ、第3の期間に前記第2のスイッチング素子のみをオンさせ、第4の期間に前記第1および前記第2のスイッチング素子を両方ともオンさせる動作を繰り返すことにより、
前記第1の期間,前記第2の期間,および前記第4の期間に、前記第1のインダクタを入力電源に接続させ、前記第2の期間,前記第3の期間,および前記第4の期間に、前記第2のインダクタを入力電源に接続させて、前記第1および前記第2のインダクタに二相の励磁電流をそれぞれ生成し、
前記分圧用コンデンサを、前記第1の期間に、前記第2の整流素子を通して入力電源および前記第2のインダクタと直列に接続させ、ならびに前記第3の期間に、前記入力電源および前記第1のインダクタと、前記第1の整流素子を通して前記出力コンデンサと直列に接続させて、前記第1および前記第2のインダクタに生成した励磁電流を、前記第1および前記第2の整流素子により整流することで、前記入力電源からの直流電圧を昇圧して負荷に供給することを特徴とする昇圧コンバータ。
【請求項3】
前記第1および前記第2の整流素子は、前記第1および前記第2のスイッチング素子に同期してオン・オフ動作されるFETからなることを特徴とする請求項1または2記載の昇圧コンバータ。
【請求項4】
前記負荷側より入力電圧を印加し、前記入力電源側に降圧した電圧を供給する構成としたことを特徴とする請求項3記載の昇圧コンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−217486(P2011−217486A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82187(P2010−82187)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(390013723)TDKラムダ株式会社 (272)
【Fターム(参考)】