説明

易接着性裏面保護シート及びそれを用いた太陽電池モジュール

【課題】太陽電池モジュールにおける裏面封止材との接着性に優れ、特にポリエチレン系の封止材との接着性と耐候性に優れ、更に耐ブロッキング性にも優れる易接着性裏面保護シートを提供する。
【解決手段】この易接着性裏面保護シートは、一又は複数の層からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートの片面に易接着層が形成されており、前記易接着層は、a)架橋性主剤樹脂が、b)ポリイソシアネート化合物、により架橋されている架橋樹脂と、c)シランカップリング剤と、d)有機金属配位化合物と、を含有する。この易接着層は、例えばゲル分率が25%以下である架橋ポリエチレン樹脂のようなポリエチレン系樹脂を含む封止材との接着性に優れる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュールにおいて封止材との接着性、特にポリエチレン系樹脂による封止材との接着性に優れる易接着性裏面保護シート、及び当該裏面保護シートを備えた太陽電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。一般に、太陽電池を構成する太陽電池モジュールは、受光面側から、透明前面基板、表面側封止材、太陽電池セル、裏面側封止材、及び裏面保護シートの各部材が順に積層された構造であり、太陽光が上記太陽電池セルに入射することにより発電する機能を有している。
【0003】
裏面保護シートには、水分(水蒸気)の裏面側封止材への侵入を防止するという役割があり、そのために、積層された裏面保護シートと裏面側封止材との間に高い接着性があること、及びその接着部に高い耐久性があることが求められる。
【0004】
太陽電池モジュールに使用される封止材としては、その加工性、施工性、製造コスト、その他等の観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(EVA)が最も一般的なものとして使用されている。しかしながら、EVA樹脂は、長期間の使用に伴って徐々に分解する傾向があり、太陽電池モジュールの内部で劣化して強度が低下したり、太陽電池素子に影響を与える酢酸ガスを発生させたりする可能性がある。このため、EVA樹脂の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等のポリエチレン系樹脂を使用した太陽電池モジュール用封止材が使われることも増えている。
【0005】
太陽電池モジュールの製造過程における裏面保護シートを含む各部材の一体化の方法として、真空熱ラミネート加工により一体化する方法が挙げられる。このような方法による一体化に際して、裏面保護シートと封止材との接着性を高めるために、一方の面にフッ素ポリマー、なかでもテトラフルオロエチレン系の硬化性官能基を含有するフッ素ポリマー(4フッ素樹脂)による塗膜(プライマー層)を形成することにより接着性を高めた裏面保護シート(特許文献1参照)や、アクリル系等の樹脂とシランカップリング剤とポリイソシアネート硬化剤との混合物からなる塗膜を形成することにより接着性を高めた裏面保護シート(特許文献2参照)が開示されているが、更に高い接着性を有する裏面保護シートが求められている。
【0006】
又、すでに開示されている既存の裏面保護シートは、いずれも封止材としてEVAの使用を前提としており、LLDPE等のポリエチレン系樹脂からなる封止材に対して充分な接着性を有する裏面保護シートは未だ存在しないのが現状であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−45376号公報
【特許文献2】特開2006−332091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
太陽電池モジュールは、長期間にわたって屋外で使用される。そのため、太陽電池モジュールを構成する上記の各部材には長期間にわたって屋外における過酷な環境に耐え得る耐候性が求められる。なかでも太陽電池モジュールの最外層に配置される裏面保護シートと封止材との間の接着性及びそれら接着部の耐久性については、更なる改善が必要とされており、特に、ポリエチレン系樹脂からなる封止材を用いる場合に、封止材との間で充分な接着性及びそれら接着部の充分な耐久性を有する裏面保護シートが求められていた。又、プライマー層は積層前製品として最外面に露出する。このため、通常の接着剤層では要求されない耐ブロッキング性が要求される。
【0009】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、封止材との間に高い接着性を有し、特にポリエチレン系樹脂からなる太陽電池モジュール用裏面側封止材との間で、極めて高い接着性を有することにより、長期にわたる過酷な環境での使用に耐えうることができ、更に耐ブロッキング性にも優れる太陽電池モジュール用易接着性裏面保護シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、裏面保護シートの一方の面に、架橋性主剤樹脂がポリイソシアネート化合物により架橋されている架橋樹脂と、シランカップリング剤と、有機金属配位化合物と、を含有する易接着層(プライマー層)を設けることにより、裏面保護シートと封止材との間の接着性を高めることができ、特にポリエチレン系樹脂からなる封止材との間の接着性を顕著に高めることができるとともに、更に耐ブロッキング性にも優れることを見出し本発明を完成するに至った。
【0011】
(1)すなわち本発明は、一又は複数の層からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートの片面に易接着層が形成されており、前記易接着層は、a)架橋性主剤樹脂が、b)ポリイソシアネート化合物、により架橋されている架橋樹脂と、c)シランカップリング剤と、d)有機金属配位化合物と、を含有することを特徴とする易接着性裏面保護シートである。
【0012】
(2)又、本発明は、前記架橋樹脂がウレタン樹脂であり、前記易接着層は裏面保護シートのポリプロピレン樹脂基材上に形成されている(1)に記載の易接着性裏面保護シートである。
【0013】
(3)又、本発明は、前記a)架橋性主剤樹脂が架橋性置換基含有アクリル樹脂であり、そのガラス転移点(Tg)が25℃以上70℃以下である(1)に記載の易接着性裏面保護シートである。
【0014】
(4)又、本発明は、前記架橋性置換基含有アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)が45℃以上60℃以下である(3)に記載の易接着性裏面保護シートである。
【0015】
(5)又、本発明は、前記a)架橋性主剤樹脂と、前記b)ポリイソシアネート化合物との合計量に対して、前記c)シランカップリング剤を0.1質量%以上10質量%以下含有し、前記d)有機金属配位化合物を0.1質量%以上7質量%以下含有する、(1)から(4)のいずれかに記載の易接着性裏面保護シートである。
【0016】
(6)又、本発明は、(4)に記載の易接着性裏面保護シートの製造方法であって、裏面保護シートの片面に、前記架橋樹脂と、溶剤と、を含むコーティング液を塗布して、コーティング塗膜を形成する工程と、前記コーティング塗膜を加熱して前記溶剤を蒸発させる加熱乾燥工程と、溶剤を蒸発させたコーティング塗膜を養生に付す工程と、を備え、前記加熱乾燥工程における加熱温度が70℃以上100℃未満である易接着性裏面保護シートの製造方法である。
【0017】
(7)又、本発明は、(1)から(5)のいずれかに記載の易接着性裏面保護シートと、封止材と、太陽電池素子とが少なくとも一体化されている太陽電池モジュールにおいて、前記易接着層を介して、前記易接着性裏面保護シートと、ポリエチレン系樹脂を含む前記封止材と、が一体化されている太陽電池モジュールである。
【0018】
(8)又、本発明は、前記封止材が、少なくとも密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、及び又は直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を含んでなるポリエチレン系樹脂を含む封止材である(7)に記載の太陽電池モジュールである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、特にポリエチレン系樹脂からなる太陽電池モジュール用裏面側封止材との間で、極めて高い接着性を発揮し、更に耐ブロッキング性にも優れる太陽電池モジュール用裏面保護シート、及びそのような裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の具体的な実施形態について説明する。本実施形態は、易接着層を有する易接着性裏面保護シート及び該易接着性裏面保護シートが使用された太陽電池モジュールである。本発明の特徴は、易接着性裏面保護シートが該易接着層を介することにより、特に太陽電池モジュールを構成するポリエチレン系樹脂からなる封止材との間に極めて高い接着性を有し、更に耐ブロッキング性にも優れることにある。
【0022】
<易接着性裏面保護シート>
本実施形態である易接着性裏面保護シートについて説明する。本実施形態の易接着性裏面保護シートは、裏面保護シート基材層と、該裏面保護シート基材層の片面側の表面に形成される易接着層とからなる。
【0023】
[易接着層の構成]
易接着層はいわゆるプライマー層であり、裏面保護シートの少なくとも一方の最表面にポリイソシアネート化合物による架橋樹脂として形成されている。この易接着層は、a)架橋性主剤樹脂(以下単に主剤樹脂とも言う)と、b)ポリイソシアネート化合物と、c)シランカップリング剤と、d)有機金属配位化合物とを含む混合物からなるコーティング液を、基材の表面に塗布し、塗布されたコーティング液から被膜を形成させる。
【0024】
コーティング液は、主剤樹脂と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤と、シランカップリング剤と、有機金属配位化合物とを含み、必要に応じて溶剤やその他の各種の添加剤を含む。ここで、主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応することで架橋され高分子量化する。主剤と硬化剤については、使用の直前にこれらを混合する2液タイプであることが好ましい。なお、ポリイソシアネート化合物とは、1分子中に複数のイソシアネート基を含む化合物である。
【0025】
[a)架橋性主剤樹脂]
架橋性主剤樹脂として用いることができるものとして、例えば、架橋性置換基含有アクリル樹脂、或いはポリオール系化合物、架橋性置換基含有ウレタン樹脂、架橋性置換含有フッ素樹脂、架橋性置換基含有ビニル樹脂、架橋性置換基含有オレフィン樹脂等が挙げられる。架橋樹脂が架橋アクリル樹脂の場合、例えば、主剤樹脂が架橋性置換基含有アクリル樹脂であり、これとポリイソシアネート化合物との反応によって架橋アクリル樹脂が得られる。又、架橋樹脂が架橋ウレタン樹脂の場合、例えば、主剤樹脂がポリオールであり、これとポリイソシアネート化合物(概念としてイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーを含む)との反応によって架橋ウレタン樹脂が得られる。本明細書の以下の説明では、ポリイソシアネート化合物で架橋されて硬化する前の樹脂化合物のことを「架橋性主剤樹脂(又は単に主剤樹脂)」と呼び、易接着層に含まれる樹脂、すなわち硬化して易接着層を形成した樹脂と区別する。以下、各構成材料について説明する。
【0026】
[架橋性置換基含有アクリル樹脂]
この場合、主剤樹脂の一例となる架橋性置換基含有アクリル樹脂(以下単に、アクリル樹脂とも言う。)について説明する。主剤樹脂として用いられるアクリル樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための架橋性置換基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。ここで、架橋性置換基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等が挙げられる。主剤樹脂は、溶剤可溶性の樹脂又は溶剤に分散可能な樹脂から選択される。入手性及び架橋反応性の観点から、架橋性置換基は水酸基であることが好ましい。好ましい水酸基価の範囲は5から100である。
【0027】
アクリル樹脂としては、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーとを共重合させたものや、一種又は二種以上のアクリル酸化合物と架橋性置換基を有するモノマーと、一種又は二種以上のエチレン性モノマーとを共重合させたものが使用される。ここで、アクリル酸樹脂を得るために使用するモノマーとして、上記のモノマーに加えて、アクリル酸樹脂に耐光性を付与するための置換基を有するモノマーを使用してもよい。
【0028】
このようなアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル化合物と、(メタ)アクリル酸若しくはアルキル基としてメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等を有するアルキル(メタ)アクリレート系モノマーと、を共重合させたものが挙げられる。又、共重合のために使用されるモノマーとして、更に、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる)、N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルコキシ(メタ)アクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等が挙げられる)、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有モノマー、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、マレイン酸、アルキルマレイン酸モノエステル、フマル酸、アルキルフマル酸モノエステル、イタコン酸、アルキルイタコン酸モノエステル、(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエン等のエチレン性不飽和結合を有する各種の化合物を使用してもよい。これらの中でも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルとの共重合体、少なくとも(メタ)アクリル酸メチルとアクリル酸2−エチルヘキシルと水酸基含有(メタ)アクリレートからなる共重合体が好適に使用される。又、このような樹脂の好ましい質量平均分子量としては、1000〜300000が挙げられる。
【0029】
従来、アクリル樹脂によるプライマー用途においては、耐ブロッキング性の観点から、アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)は50℃以上であることが好ましく、Tgが50℃未満であると接着性はあっても耐ブロッキング性が低下するので好ましくなかった。しかしながら、易接着層の形成に、シランカップリング剤と有機金属配位化合物とを併用する本発明の裏面保護シートにおいては、易接着層の形成に、従来よりも低Tg、例えば、Tgが50℃未満のアクリル樹脂を主剤樹脂として用いた場合であっても、充分な耐ブロッキング性を備える好ましい裏面保護シートを製造することができる。本発明においては、アクリル樹脂のTgは、25℃以上70℃以下が好ましく、より好ましくは、30℃以上70℃以下である。Tgが25℃未満であると、シランカップリング剤と有機金属配位化合物とを併用したとしても、耐ブロッキング性が低下するので好ましくない。一方、Tgが70℃を超えると接着性が低下するので好ましくない。又、後述する通り、
【0030】
[架橋ウレタン樹脂]
この場合の主剤樹脂は、ポリイソシアネート化合物と反応するための水酸基を複数有し、ポリイソシアネート化合物と反応して架橋されることにより、硬化して強固な被膜を形成する。主剤樹脂は、溶剤可溶性の樹脂又は溶剤に分散可能な樹脂から選択される。主剤樹脂としては従来のポリオール系化合物を使用することができる。例えば、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール等が挙げられ、単独若しくは複数種使用される。これらの中でもポリカーボネート系ポリオールが好ましく用いられ、特に常温で液体のポリカーボネート系ポリオールが好ましい。ウレタン結合中に反応性基として活性水素基を有するため、他の樹脂と比較すると低い水酸基価で架橋することができる。好ましい水酸基価の範囲は0から50である。
【0031】
更に、ポリアミン、ポリアミンのアルキレンオキシド付加物、アミド基含有ポリオール、ポリカルボン酸等が、本願発明の趣旨に反しない範囲で含有されていてもよい。上記ポリアミンとしては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン等の脂肪族ポリアミン、1,3−又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン等の脂環族ポリアミン、m−又はp−キシリレンジアミン、1,3−又は1,4−テトラメチルキシリレンジアミン等の芳香脂肪族ポリアミン、2,4−又は2,6−トリレンジアミン、4,4’−、2,4’−又は2,2’−ジアミノジフェニルメタン等の芳香族ポリアミンが例示できる。又、前記アミド基含有ポリオールとしては、ヒドロキシアルキルアミド等が例示できる。前記ポリカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ポリカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ポリカルボン酸が例示できる。
【0032】
ここで、特に裏面保護シートの基材としてポリプロピレン樹脂を用いる場合、易接着層を形成する架橋樹脂が架橋アクリル樹脂であると、充分な接着性を得ることができないが、そのような場合であっても架橋ウレタン樹脂を用いることにより、高い接着性を得ることができる。これにより、ポリプロピレン樹脂を基材とする裏面保護シートと裏面側封止材層との間の接着性を易接着層に付与することができる。
【0033】
[b)ポリイソシアネート化合物]
次に、ポリイソシアネート化合物について説明する。ポリイソシアネート化合物は、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物である。上記のように、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂を架橋して硬化(高分子量化)させ、易接着層に含まれる樹脂を形成させる。このとき、ポリイソシアネート化合物は、主剤樹脂とともに易接着層に含まれる樹脂の一部となる。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系、芳香族−脂肪族系等が挙げられるが、易接着層が長期間に亘って外部環境に曝されることに伴う着色を抑制するという観点からは、脂肪族系、脂環式系のポリイソシアネート化合物が好ましく使用される。
【0034】
ポリイソシアネート化合物の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等といった炭素数3〜12の脂肪族イソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等といった炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ビューレット、イソシアヌレート変性物等)等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。又、架橋樹脂が架橋ウレタン樹脂の場合には末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーであってもよい。
【0035】
[c)シランカップリング剤]
次に、シランカップリング剤について説明する。易接着層には、裏面側封止材との高い接着性が求められるが、上記の主剤樹脂、硬化剤に加えて、更に、シランカップリング剤と有機金属配位化合物とを併用、添加するとこにより、易接着性裏面保護シートと封止材との接着性を高めることができ、特にポリエチレン系樹脂からなる封止材との接着性を顕著に高めることができる。又、併せて、易接着層の耐ブロッキング性を良好なものとすることもできる。
【0036】
シランカップリング剤としては、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルアミノフロピルトリメトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド系シランカップリング剤;ビニルエトキシシラン、ビニルメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニル系シランカップリング剤;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のメタクリレート系シランカップリング剤;3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、等のエポキシ系シランカップリング剤;3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系シランカップリング剤;3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキサトリメトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;メチル基及びフェニル基含有メトキシシランオリゴマー、等のメチル/フェニル系シランカップリング剤;ポリエトキシジメチルシロキサン、ポリエトキシジメチルシロキサン等のポリマー型シランカップリング剤;N−(N−ベンジル−β−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のカチオン型シランカップリング剤等が挙げられる。又、シランカップリング剤をオリゴマー化したアルコキシオリゴマーを用いることもできる。これらの中でも、イソシアネート系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤、及びメチル/フェニル系シランカップリング剤を好ましく用いることができる。
【0037】
[d)有機金属配位化合物]
次に有機金属配位化合物について説明する。有機金属配位化合物はキレート化剤とも呼ばれ架橋剤として硬化に寄与すると推定される。特に上記シランカップリング剤と併用することで接着強度が著しく向上する。又、併せて、易接着層の耐ブロッキング性を良好なものとすることもできる。
【0038】
有機金属配位化合物としては、例えば、チタンアセチルアセトネート、チタンオクチルグリコレート、チタントリエタノールアミネート、テトラ−n−ブチルチタネート、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート、アルミニウムイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムアルキルアセトアセテートジイソプロピレート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート及びアセチルアセトンジルコニウムブチレート等が挙げられる。これらの中でも、アルミニウムトリスアセチルアセトネートを、アンチブロッキング性と封止材との密着性の点から好ましく用いることができる。
【0039】
ここで、易接着層は、太陽電池モジュールにおいて、裏面保護シート基材層の裏面側封止材層と接する側の最外層の表面に位置する。又、易接着性裏面保護シートは、太陽電池モジュールとして一体化される前に、独立して流通する製品でもある。よって、流通、保存を円滑に行う上で、架橋後の易接着性裏面保護シートとしての完成時に、易接着層が耐ブロッキング性を持つことが好ましい。このようにプライマーとなる易接着層に特有の必須要件である耐ブロッキング性の向上に、有機金属配位化合物とシランカップリング剤との併用が効果的であることは従来知られておらず、これが本発明における特徴でもある。
【0040】
[他の添加剤]
その他の添加剤は、易接着層に対して、耐候性、耐光性、耐熱性、耐湿性、難燃性等を付与するために必要に応じて添加される。又、添加剤は、コーティング液の安定性、塗工性、乾燥性、耐ブロッキング性等を向上させるためにも必要に応じて添加される。
【0041】
その他の添加剤としては、分散剤、消泡剤、光安定化剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、酸化防止剤等が例示される。これらは、公知のものを特に制限なく使用することができ、コーティング液や易接着層に求められる性能に応じて、適宜選択される。
【0042】
又、主に太陽電池モジュールの意匠性を高める観点から、各種の顔料を添加する場合も多い。特に白色顔料である酸化チタン、炭酸カルシウムや、黒色顔料であるカーボンブラックの他、チタンブラックやCu−Mn系複合酸化物、Cu−Cr−Mn系複合酸化物等が通常配合される。
【0043】
[裏面保護シート基材層]
次に、易接着性裏面保護シートを構成する裏面保護シート基材層について説明する。裏面保護シート基材層は、その表面に上述の易接着層が形成されることにより、易接着性裏面保護シートとなる。
【0044】
裏面保護シート基材層としては、樹脂をシート状に成型した樹脂シートが使用される。このような樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等、各種の樹脂シートを使用することができる。これらの樹脂シートの中でも、特に、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンナフタレートが好ましく使用される。中でも、例えば、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート又は二軸延伸ポリプロピレン系樹脂のフィルム又はシートが特に好ましい。なお、本明細書では、これらの樹脂をシート状に加工したものの名称として樹脂シートという用語を使用するが、この用語は、樹脂フィルムも含む概念として使用される。これらは単独層であってもよく、従来公知の接着剤等で積層された複数層からなる積層体であってもよい。
【0045】
裏面保護シート基材層の表面のうち、太陽電池モジュールにおいて最外又は全体として外側に配置される層として遮光層を設けることができる。この遮光層を設けることにより、コストの観点から、幾分耐光性の低い樹脂シートを基材として使用することも可能となる。このようなシートとしては、例えばアルミ箔、アルミ蒸着フィルム、黒色や白色に着色されたポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等が例示される。
【0046】
又、裏面保護シートの最外層には、フッ素フィルム等からなる耐候層を設けてもよい。具体例としては、白色フッ素フィルム、或いは、白色ポリエステルフィルム等を基材層の易接着層を設けた面と反対側の面に、ウレタン系接着剤を用いてドライラミネートすることによって耐候層を設けることができる。
【0047】
裏面保護シート基材層の厚さは、易接着性裏面保護シートに要求される厚さを考慮して適宜決定すればよい。一例として、裏面保護シート基材層の厚さとしては、10〜500μmが挙げられるが、特に限定されない。
【0048】
[コーティング液及び易接着層の形成]
易接着層は、上記の裏面保護シート基材上に塗布されたコーティング液から溶剤を乾燥させ、コーティング液に含まれる主剤樹脂がポリイソシアネート化合物によって架橋されて形成される。コーティング液には主剤樹脂を溶解又は分散するための有機系の溶剤が含まれる。そして、塗布されたコーティング液は、溶剤を揮発させるために加熱される。その後、架橋反応を十分に行なわせるための養生期間として、例えば40〜60℃で3〜7日間放置される。
【0049】
コーティング液における主剤樹脂の含有量は、10〜60質量%であることが好ましい。コーティング液における樹脂の含有量が10質量%以上であることにより、コーティング液に含まれる顔料を良好に分散させることができる。又、コーティング液における樹脂の含有量が60質量%以下であることにより、コーティング液の塗布性が良好になる。
【0050】
ポリイソシアネート化合物の使用量は、主剤樹脂100質量部に対して、0.5〜75質量部であることが好ましい。ポリイソシアネート化合物の使用量が、主剤樹脂100質量部に対して0.5質量部以上であることにより、コーティング液から形成された塗膜に良好な硬化性を付与することができ、主剤樹脂100質量部に対して75質量部以下であることにより、塗膜に柔軟性を付与することができる。特に顔料を添加した場合は顔料表面の反応性基や吸着水分との反応により主剤樹脂以外との反応で消費するイソシアネート基を考慮に入れ使用量を多くすることもある。又、NCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が0.1〜10となる量が好ましい。着色するために顔料を転嫁する場合には、イソシアネート化合物の使用量が、主剤樹脂100質量部に対して1〜75質量部であることが好ましく、その場合のNCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が0.1〜10となる量が好ましい。無着色の系で顔料をほとんど入れない場合には、イソシアネート化合物の使用量が、主剤樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましい。その場合のNCO/OH比(硬化剤のNCO価/主剤樹脂のOH価の比)が0.1〜5となる量が好ましい。NCO/OH比が上記の量より多くなると残存したイソシアネート基と空気中の水分の反応による副反応生成物が多くなり、接着性、耐熱性及び耐久性が低下するが、NCO/OH比が上記の範囲であれば、良好な接着性、耐熱性及び耐久性を得ることができるので好ましい。尚、ポリイソシアネート化合物を含む溶液を硬化剤として、2液タイプのコーティング液とする場合、硬化剤には、公知の有機溶剤が適宜選択されて使用される。このような溶剤については、後述する。
【0051】
シランカップリング剤の含有量は、主剤樹脂とポリイソシアネート化合物の合計量に対して、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上8質量%以下、更に好ましくは1.0質量%以上8質量%以下である。特に顔料を添加した場合は顔料表面との反応により主剤樹脂以外との反応で消費するアルコキシ基を考慮に入れ使用量を多くすることもある。シランカップリング剤の含有量が0.1質量%未満であると太陽電池モジュール用の裏面保護シートとして必要な接着性が発現しない。又、シランカップリング剤の含有量が10質量%を超えても、それ以上の接着性の向上はなく、塗膜がもろくなるため好ましくない。
【0052】
有機金属配位化合物の含有量は、主剤樹脂とポリイソシアネート化合物の合計量に対して、0.1質量%以上7質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下である。有機金属配位化合物の含有量が0.1質量%未満であると太陽電池モジュール用の裏面保護シートとして好ましい耐ブロッキング性を得ることができない。又、有機金属配位化合物の含有量が7質量%を超えても、それ以上の耐ブロッキング性の向上や接着性の向上はないため、好ましくない。尚、有機金属配位化合物とシランカップリング剤の含有量の比は、25:75〜75:25であることが好ましい。
【0053】
次に、コーティング液に使用される溶剤について説明する。溶剤は、裏面保護シート基材層に対する塗布性をコーティング液に付与するために添加される。コーティング液が裏面保護シート基材層に塗布された後、塗布されたコーティング液に含まれる溶剤が揮発し、次いで生じる硬化反応により、裏面保護シート基材層の表面に易接着層が形成される。
【0054】
溶剤としては、主剤樹脂、ポリイソシアネート化合物等の成分を溶解又は分散させることができ、コーティング液に含まれるポリイソシアネート化合物と反応するものでなければ、特に制限されない。このような溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸ブチル、酢酸エチル、等のような非水溶性の溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のような水溶性の溶剤等が例示される。溶剤は、コーティング液に使用される樹脂成分に合わせて適宜選択され、単独で又は2種以上を組合せて使用される。又、塗工の際に乾燥速度を調整するため、トリプロピレングリコールジメチルエーテルのような高沸点溶剤を添加してもよい。
【0055】
コーティング液は、主剤樹脂、溶剤、及び必要な添加剤を混合し調整される。なお、コーティング液に含まれる成分のうち、シランカップリング剤、有機金属配位化合物、ポリイソシアネート化合物については、既に述べたように、保存時に主剤樹脂成分と反応することを避けるために、主剤とは別の溶液である添加剤、硬化剤としておくことが好ましい。この場合、主剤と添加剤と硬化剤とは、使用の直前に混合されてコーティング液となる。
【0056】
コーティング液の粘度は、コーティング液の塗布方法に応じて適宜設定すればよい。コーティング液の粘度の一例として、好ましくは10〜100cPs、より好ましくは50〜80cPsが挙げられる。コーティング液の粘度は、コーティング液に添加する溶剤の量を加減することにより調整すればよい。
【0057】
[易接着層の形成]
次に、裏面保護シート基材層の表面に、上記コーティング液を塗布して、易接着層を形成させる方法を説明する。易接着層は、裏面保護シート基材層の表面に上記コーティング液を塗布してコーティング塗膜を形成させ、このコーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発後、コーティング塗膜に含まれる主剤樹脂とポリイソシアネート化合物とを架橋反応させて硬化させることによって形成される。
【0058】
裏面保護シート基材の表面に上記コーティング液を塗布する方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような塗布方法としては、印刷法、グラビアコーターによるコーティング法、ロールコーティング法、スプレーコティング法、ディップコーティング法、ベタコーティング法、はけ塗り法等が例示される。
【0059】
コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる方法としては、従来公知の方法を特に制限なく使用することができる。このような蒸発方法としては、加熱法、減圧乾燥法、熱風乾燥法、自然乾燥法等が例示されるが、特に限定されない。コーティング塗膜に含まれる溶剤を蒸発させる条件は、使用される溶剤に合わせて適宜設定すればよいが、加熱時間及び加熱温度については、ギヤオーブンを使用する場合には15秒〜5分間、60〜200℃の範囲であることが好ましく、30秒〜2分間、70〜120℃であることが更に好ましい。このように加熱することにより、好ましい耐ブロッキング性及び接着性が発現する。
【0060】
更に、この加熱温度については、120℃程度の高温で乾燥処理を行うことが一般的であるが、使用する架橋性主剤樹脂のTgを適切に選択することによって、例えば、70℃以上100℃未満、好ましくは90℃程度の低温で乾燥処理を行ってもよい。このような低温での乾燥処理を行う場合には、より具体的には、Tg45℃以上60℃以下の架橋性主剤樹脂を用いることができる。Tgが上記範囲にある主剤樹脂を選択するにすることによって、低温乾燥での乾燥処理を行う場合であっても、耐ブロッキング性と密着性のバランスを最適化することができる。このような主剤樹脂と製造条件の特定の組合せにより、高温での加熱作業に伴う樹脂シートの収縮、変形を減らして裏面保護シートの品質、生産性の向上に寄与することができる。
【0061】
溶剤を蒸発させたコーティング塗膜は、架橋反応を十分に行わせるための養生に付される。養生の条件は、使用される主剤樹脂及びポリイソシアネート化合物の種類に応じて適宜設定すればよいが、例えば、40〜60℃で3〜7日間放置することが挙げられる。
【0062】
コーティング塗膜から溶剤が蒸発除去されると、主剤樹脂、ポリイソシアネート化合物及びコーティング液に添加した添加剤が基材の表面に残って膜を形成する。この膜が硬化して易接着層となる。易接着層の厚さは、特に限定されず、易接着性裏面保護シートが適用される条件に合わせて適宜決定すればよい。易接着層の厚さとしては、0.1〜30μmが好ましく、0.5〜5μmがより好ましい。易接着層の厚さが0.1μm以上であれば、十分な接着性を付与することができる。易接着層の厚さが30μm以下であれば、耐ブロッキング性が良好な加工性を付与することができ、コストも抑えることがきる。
【0063】
<太陽電池モジュール>
次に、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面側封止材層3、太陽電池素子4、裏面側封止材層5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、裏面側封止材層5に上記の易接着性裏面保護シートを使用する。
【0064】
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面側封止材層3、太陽電池素子4、裏面側封止材層5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。
【0065】
又、太陽電池モジュール1は、通常の熱可塑性樹脂において通常用いられる成形法、例えば、Tダイ押出成形等により、太陽電池素子4の表面側及び裏面側のそれぞれに、前面側封止材層3及び裏面側封止材層5を溶融積層して、太陽電池素子4を前面側封止材層3及び裏面側封止材層5でサンドし、次いで、透明前面基板2及び裏面保護シート6を順次積層し、次いで、これらを真空吸引等により一体化して加熱圧着する方法で製造してもよい。
【0066】
本発明においては、上記の裏面保護シート6における、裏面側封止材層5との接合面側に易接着層が形成される、これにより、裏面側封止材との間の接着性が向上し、特にポリエチレン系樹脂からなる裏面側封止材との間の接着性が顕著に向上する。このため、裏面側封止材としてはEVAのみならず、ポリエチレン系樹脂を好適に用いることができる。すなわち、本発明の易接着性裏面保護シートは、ポリエチレン系樹脂からなる裏面封止材用として特に好ましく、ポリエチレン系樹脂からなる裏面封止材への接着性と耐候性を両立した点に特徴がある。又、この易接着性裏面保護シートは、耐ブロッキング性に優れるために、モジュール化前の裏面保護シートとしてのハンドリング性にも優れる。
【0067】
なお、ポリエチレン系樹脂とは、ポリエチレンを主体としていればよく特に限定されないが、好ましくは低密度ポリエチレン(LDPE)、より好ましくは直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、特に好ましくはメタロセン系直鎖低密度ポリエチレンである。直鎖低密度ポリエチレンはエチレンとα−オレフィンとの共重合体である。本発明において用いるポリエチレン系樹脂の密度は0.900g/cm以下であることが好ましく、0.870〜0.890g/cmの範囲であることがより好ましい。この範囲であれば、シート加工性を維持しつつ良好な透明性と耐熱性を付与することができる。
【0068】
本発明におけるポリエチレン系樹脂には、エチレンを重合して得られる通常のポリエチレンのみならず、α−オレフィン等のようなエチレン性の不飽和結合を有する化合物を重合して得られた樹脂、エチレン性不飽和結合を有する複数の異なる化合物を共重合させた樹脂、及びこれらの樹脂に別の化学種をグラフトして得られる変性樹脂等が含まれる。なかでも、少なくともα−オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を含むポリエチレン系樹脂を好ましく使用することができる。このような樹脂を使用することにより、透明前面基板や太陽電池素子等といった部材と封止材との接着性が得られる。シラン共重合体は、例えば、特開2003−46105号公報に記載されているものが例示できる。
【0069】
なお、ポリエチレン系樹脂組成物中にはt−ブチルパーオキシ2―エチルヘキシルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の重合開始剤を少量含有していてもよく、具体的に0.02質量%以上0.5質量%未満である。これにより、成形中にゲルが発生する等して製膜性が低下し、透明性が低下することなく、耐熱性を付与できる。
【実施例】
【0070】
以下、実施例、比較例、試験例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例等に何ら限定されるものではない。
【0071】
以下のプライマー材料及び溶剤を用いて、各実施例、比較例、試験例の易接着性裏面保護シートに易接着層を形成するコーティング液を調整した。
(架橋性主剤樹脂)
架橋性主剤樹脂1(架橋性置換基含有アクリル樹脂:表1において「アクリル1」と表記):Tg41℃、酸価5.9、水酸基価19、重量平均分子量25000。
架橋性主剤樹脂2(架橋性置換基含有ポリカーボネート骨格ウレタン樹脂:表1において「ウレタン」と表記):Tg約30℃、水酸基価20、数平均分子量15000。
架橋性主剤樹脂3(架橋性置換基含有アクリル樹脂:下記表中において「アクリル2」と表記):Tg50℃、酸価3.5、水酸基価19、重量平均分子量28000。
(架橋剤:ポリイソシアネート化合物)
ポリイソシアネート化合物(表1において「架橋剤」と表記):(製品名「コロネートHX」日本ポリウレタン工業株式会社製)ポリイソシアネート化合物については、いずれも主剤樹脂100質量部対する質量割合が、表1において質量%で表記した割合となり、且つ、NCO/OH比についても、表1において表記した値となるように配合した。
(有機金属配位化合物)
有機金属配位化合物(表1において「キレート剤」と表記):アルミニウムトリスアセチルアセトネート(製品名アルミキレートA(W)、川研ファインケミカル社製):有機金属配位化合物については、架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が表1において質量%で表記した割合となるように配合した。
(シランカップリング剤)
シランカップリング剤1(表1において「イソシア」と表記):3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(製品名KBE−9007、信越シリコーン株式会社製)。
シランカップリング剤2(表1において「メルカプト」と表記):3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(製品名KBM803、信越シリコーン株式会社製)。
シランカップリング剤3(表1において「エポキシ」と表記):3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(製品名KBE−403、信越シリコーン株式会社製)。
シランカップリング剤4(表1において「メチル/フェニル」と表記):メチル及びフェニル基含有メトキシシランオリゴマー(製品名X−40−9227、信越シリコーン株式会社製)
シランカップリング剤5(表1において「混合」と表記):下記シランカップリング剤6とシランカップリング剤7を1:1の割合で混合したもの。
シランカップリング剤6(表1において「メルカプトオリゴマー」と表記):メルカプト基含有メトキシ/エトキシシランオリゴマー:(「製品名X−41−1805」、信越シリコーン株式会社製)。
シランカップリング剤7(エポキシ基含有メトキシ/エトキシシランオリゴマー):(「製品名X−41−1053」、信越シリコーン株式会社製)。
シランカップリング剤1〜6については、架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が、表1において質量%で表記した割合となるように配合した。
(着色剤/マット剤)
着色剤1(表1において「C1」と表記):カーボンブラック(製品名スペシャルブラック4、エボニックデグサジャパン株式会社製):架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が18質量%となるように配合した。
着色剤2(表1において「C2」と表記):酸化チタン(製品名タイピュアR−105、デュポン株式会社製):架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が130質量%となるように配合した。
無機フィラー1(表1において「Si−1」と表記):疎水性シリカ(製品名「サイロホービック100」、富士シリシア株式会社製):架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が7.3質量%となるように配合した。
無機フィラー2(表1において「Si−2」と表記):疎水性シリカ(製品名サイロホービック200、富士シリシア株式会社製):架橋性主剤樹脂とポリイソシアネート化合物との合計量に対する質量割合が6.0質量%となるように配合した。
(溶剤)
トルエン:メチルエチルケトン=1:1の混合液
【0072】
上記プライマー材料を、各実施例、比較例、試験例毎に、表1に表記した通りの配合で調合し、更に、上記溶剤を加えて各実施例、比較例、試験例毎に、それぞれコーティング液を固形分濃度60質量%で調整した。
【0073】
「厚さ188μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)からなるシート(表2において「PET」と表記)」、又は、「厚さ188μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)と、厚さ60μmの無延伸ポリプロピレン系樹脂(CPP)とをウレタン系接着剤を用いてドライラミネートしたシート(表2において「CPP」と表記)」を、それぞれ、裏面保護シート基材とし、これら2種の裏面保護シート基材の表面(後者の裏面保護シート基材についてはCPP側)に、上記のように調整した各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を、それぞれ表1に記載の乾燥温度、乾燥時間で乾燥させた後、表1に記載の条件で養生して易接着層を形成し、実施例1〜12、比較例1〜3、及び試験例の試料とした。各コーティング液の塗工量については表中にg/mで表記した通りとした。
【0074】
作製した実施例1〜12、比較例1〜3、及び試験例のそれぞれの試料について、上記コーティング液を塗工した面に、下記の封止材シート1又は2を下記条件で太陽電池モジュールの製造用の真空ラミネータを用いてラミネートし、接着性及び耐久接着性評価用のサンプルとした。
封止材シート1(表2において「EVA」と表記):EVA高速架橋タイプ、厚さ450μm(商品名S−11、ブリヂストン社製):ラミネート条件150℃で15分間圧着。
封止材シート2(表2において「LL」と表記):下記のシラン変性透明樹脂と耐候性マスターバッチと重合開始剤コンパウンド樹脂の質量比が20:5:80となるようにブレンドした樹脂を押し出し温度210℃で厚さ200μmになるように成膜した弱架橋性を有するLLDPE樹脂:ラミネート条件150℃で15分間圧着。
シラン変性透明樹脂:密度0.881g/cmであり、190℃でのMFRが2g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(M−LLDPE)98質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、190℃でのMFRが1.8g/10分であるシラン変性透明樹脂。
耐候性マスターバッチ:密度0.880g/cmのチーグラー直鎖状低密度ポリエチレンを粉砕したパウダー100質量部に対して、ベンゾフェノール系紫外線吸収剤3.8質量部とヒンダードアミン系光安定化剤5質量部と、リン系熱安定化剤0.5質量部とを混合して溶融、加工し、ペレット化したマスターバッチ。
重合開始剤コンパウンド樹脂:密度0.880g/cm、190℃でのMFRが3.1g/10分のM−LLDPEペレット100質量部に対して、t−アミル−パーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート0.1質量部を含浸させコンパウンドペレットした樹脂。
【0075】
<接着性の評価>
実施例1〜12、比較例1〜3、及び試験例の試料を用いた接着性及び耐久接着性評価用のサンプルについて、接着性及び耐久接着性を評価した。評価は以下の方法で測定した数値に基づいて行った。
(接着性試験)
各評価用のサンプルについて、剥離強度(N)を15mm幅の180度ピールにて接着性について初期値及び各耐久試験実施後の値を測定した。測定には、剥離試験装置(「株式会社エー・アンド・デイ」社製、商品名「TENSILON RTA−1150−H」)を用いて、180度ピールにて剥離条件50mm/minで23℃にて測定を行い、3回の測定の平均値を採用した。結果を表2に示す。
[評価基準]
A:50N/15mm以上
B:26N/15mm以上、50N/15mm未満
C:16N/15mm以上、26N/15mm未満
D:16N/15mm未満
(ダンプヒート(D.H.)試験)
JIS C8917に準拠し、試験槽内温度85℃、湿度85%の条件下で各試料の耐久性試験を1000時間行った。試験後の各試料について接着性試験を実施した。結果を表2に示す。
【0076】
<耐ブロッキング性の評価>
表2に記載の各裏面保護シート基材の表面に、表1に記載の組成からなる各コーティング液をバーコーターにて塗工し、塗工されたコーティング液を、120℃で2分間、又は、90℃で30秒間、それぞれ異なる条件下で乾燥させて、基材表面に易接着層を形成した。そして乾燥直後の易接着層表面に、裏面保護シートの最外層として一般に広く用いられる下記のフィルム1及び2をそれぞれ重ね合わせたものを、耐ブロッキング性評価用サンプルとした。
フィルム1:厚さ25μmの白色フッ素フィルム、:(製品名アフレックス25PW、旭硝子株式会社製):凹凸面を易接着層に重ねあわせた。
フィルム2:厚さ50μmの白色ポリエステルフィルム:(製品名VW、帝人デュポンフィルム株式会社製)
以上の耐ブロッキング性評価用サンプルを、ブロッキングテスター(荷重3kg/cm、40℃)にて72時間静置した。その後、テスターから外した評価用サンプルの重ね合わせた部分を剥がすことでブロッキング状態を評価する方法で耐ブロッキング性の試験を行い評価した。尚、重ね合わせたフィルムが、フィルム1である場合とフィルム2である場合とで評価結果に差異が認められた場合は、ブロッキング性に劣る低い方の評価結果を各サンプルの評価結果とした。
[評価基準]
A:易接着層の転移なく、自然にシート同士が剥離する
B:易接着層の転移なく、シート同士の密着はあるが手ごたえなし
C:易接着層の転移なく、基材同士の剥離時の若干の密着手ごたえあり
D:易接着層の転移あり、及び/又は、基材同士の剥離時に密着手ごたえあり
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
実施例1から12に示す通り、架橋性置換基含有アクリル樹脂からなる主剤樹脂が、ポリイソシアネート化合物、により架橋されている架橋樹脂と、シランカップリング剤と、有機金属配位化合物と、を含有する易接着性裏面保護シートは、EVA封止材及びLLDPE封止材に対して良好な接着性を有し、又、良好な耐ブロッキング性を有することが理解される。尚、シランカップリング剤については、密着性向上剤として従来より広く用いられてきたイソシアネート系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤に加え、メチル/フェニル系シランカップリング剤も充分に好ましく用いることができ、メチル/フェニル系シランカップリング剤については、EVA封止材に対して特に好ましく用いることができることが理解される。又、主剤樹脂のガラス転移点(Tg)については、従来、一般的な下限温度とされてきた50℃よりもTgの低い樹脂であっても、好ましく用いることができることが理解される。
【0080】
実施例10から12に示す通り、本発明の易接着性裏面保護シートは、ガラス転移点(Tg)が50℃程度の架橋性主剤樹脂のTgを選択することによって、溶剤を蒸発させるための加熱乾燥処理を90℃程度の低温で行った場合であっても、良好な耐ブロッキング性と密着性を有することが理解される。
【0081】
実施例13に示す通り、架橋樹脂が、ウレタン架橋樹脂であり、更に、シランカップリング剤と、有機金属配位化合物と、を含有する易接着層が裏面保護シートのポリプロピレン樹脂基材上に形成されている易接着性裏面保護シートは、EVA封止材及びLLDPE封止材に対して良好な接着性を有し、又、良好な耐ブロッキング性を有することが理解される。
【符号の説明】
【0082】
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面側封止材層
4 太陽電池素子
5 裏面側封止材層
6 裏面保護シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一又は複数の層からなる太陽電池モジュール用裏面保護シートの片面に易接着層が形成されており、
前記易接着層は、a)架橋性主剤樹脂が、b)ポリイソシアネート化合物、により架橋されている架橋樹脂と、c)シランカップリング剤と、d)有機金属配位化合物と、を含有することを特徴とする易接着性裏面保護シート。
【請求項2】
前記架橋樹脂がウレタン樹脂であり、前記易接着層は裏面保護シートのポリプロピレン樹脂基材上に形成されている請求項1に記載の易接着性裏面保護シート。
【請求項3】
前記a)架橋性主剤樹脂が架橋性置換基含有アクリル樹脂であり、そのガラス転移点(Tg)が25℃以上70℃以下である請求項1に記載の易接着性裏面保護シート。
【請求項4】
前記架橋性置換基含有アクリル樹脂のガラス転移点(Tg)が45℃以上60℃以下である請求項3に記載の易接着性裏面保護シート。
【請求項5】
前記a)架橋性主剤樹脂と、前記b)ポリイソシアネート化合物との合計量に対して、
前記c)シランカップリング剤を0.1質量%以上10質量%以下含有し、
前記d)有機金属配位化合物を0.1質量%以上7質量%以下含有する、請求項1から4のいずれかに記載の易接着性裏面保護シート。
【請求項6】
請求項4に記載の易接着性裏面保護シートの製造方法であって、
裏面保護シートの片面に、前記架橋樹脂と、溶剤と、を含むコーティング液を塗布して、コーティング塗膜を形成する工程と、
前記コーティング塗膜を加熱して前記溶剤を蒸発させる加熱乾燥工程と、
溶剤を蒸発させたコーティング塗膜を養生に付す工程と、を備え、
前記加熱乾燥工程における加熱温度が70℃以上100℃未満である易接着性裏面保護シートの製造方法。
【請求項7】
請求項1から5のいずれかに記載の易接着性裏面保護シートと、封止材と、太陽電池素子とが少なくとも一体化されている太陽電池モジュールにおいて、
前記易接着層を介して、前記易接着性裏面保護シートと、ポリエチレン系樹脂を含む前記封止材と、が一体化されている太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記封止材が、少なくとも密度が0.900g/cm以下の低密度ポリエチレン(LDPE)、及び又は直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)とエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体を含んでなるポリエチレン系樹脂を含む封止材である請求項7に記載の太陽電池モジュール。

【図1】
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【公開番号】特開2013−75517(P2013−75517A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−198442(P2012−198442)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】