説明

易開封ガゼット袋

【課題】本発明は、単なる易開封性だけでなく、小袋を取り出し易い利便性機能も有する易開封ガゼット袋を提供することを目的とする。
【解決手段】筒状フィルムの胴部(8)の左右両側部中央に折り込み襞(6)を有して、天部に天シール部(2)を有し、底部(7)がシールされた積層フィルム(A)からなる角筒状の易開封ガゼット袋において、前記積層フィルム(A)が、少なくとも該袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層にシール層(11)を含む積層フィルム(A)からなり、前記天部(1)に複数のノッチ(3)を設け、該ガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)のミシン目線(5)を設けたことを特徴とする易開封ガゼット袋である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ふりかけ食品を始めとする各種食品類の小袋を集積包装する易開封ガゼット袋に関するものであり、さらに詳しくは、単なる易開封性だけでなく、小袋を取り出し易い利便性機能も有する易開封ガゼット袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、合成樹脂製のフィルム、或いはシートを使用して種々の包装用袋が提案され、食品、家庭用品、トイレタリー用品、医薬品、雑貨品、その他等の充填包装に使用されている。
【0003】
包装材料も被包装体に対応して、所望の合成樹脂フィルムを積層したラミネートフィルムを製造し、これを使用して、例えば、側面シール、二方シール、三方シール、四方シール、封筒貼りシール、中央合掌シール(ピローシール)、ひだ付きシール(ガゼットシール)、平底シール、または角底シールなどのいずれかのシール形態を使用した包装袋が一般的である。
【0004】
前記のような合成樹脂製のフィルム、或いはシートを使用した種々の包装用袋においては、内容物の保存性、保護のために完全密封されている。
【0005】
そのために内容物を取り出すために開封する際は、該包装袋に設けられている開封用の切れ目、或いはV字型のノッチなどを利用して開封することが一般的である。
【0006】
ところで、各種ある包装袋の形態の中でも、胴部の両側面に襞を入れたガゼット袋は、三方シール袋や四方シール袋などのような扁平な包装袋に比べて多種類の内容物を収納可能であるなどのメリットも多いことから、食品などの包装に多用されている。
【0007】
特に、前記ガゼット袋は、ふりかけ食品を始めとする各種食品類の小袋を集積包装する場合は、最適な包装形態である。
【0008】
ところが、このガゼット袋の場合も、他の包装袋と同様に小袋を取り出すために開封する際は、該ガゼット袋に設けられている開封用の切れ目、或いはV字型のノッチなどを利用して開封することが一般的である。
【0009】
例えば、該袋の上端部にある密封シール部の外端部の一部に一つの切れ目、或いはV字型のノッチからなる切込部を設け、その切込部から袋の上端部を1本の切り裂きライン相当部に沿って切り裂いて開封できるようしている。
【0010】
すなわち、該ガゼット袋の上端部の一つの切込部より、上側と下側のそれぞれ袋部分を手指で摘んで、その切込部を開封開始点として、その切込部より、上側と下側のそれぞれ袋部分を互いに反対方向に引張りながら、1本の切り裂きラインに沿って切り裂いて開封していた。
【0011】
また、該ガゼット袋は、該袋の上端部を切り裂いて開封する形式であるため、切り裂いた該袋の上端部のフィルム片は、廃棄され、開封後の該袋を再封する際には、開口した袋の上端部を折り曲げたり、丸めたりして再封するようにしていた。
【0012】
このように従来の易開封ガゼット袋の開封においては、手指による摘み方や摘まむ方向
や摘む力などの開封条件に個人差があり、この開封条件が微妙にフィルムの開封方向や開封形状に影響して、切り裂き方向が正規の切り裂きライン相当部の方向から外れたり、開封形状が不揃いになり易く、また開封後の該袋を再封する際には、開口した袋の上端部を折り曲げたり、丸めたりして再封するしかなかった。
【0013】
また、その他の例として、例えば、該袋の上端部にある密封シール部の天部の一部に一つの切れ目、或いはV字型のノッチからなる切込部を設け、その切込部から袋の底部方向に1本の切り裂きライン相当部に沿って切り裂いて開封できるようしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、このような易開封ガゼット袋の場合は、上端部の密封シール部を開封すると包装材料がまっすぐ切れないため、開封部の形状が不揃いになってしまい、見栄えが良くなく、また内容物である小袋を取り出しにくかった。
【0015】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決しようとするものであり、単なる易開封性だけでなく、小袋を取り出し易い利便性機能も有する易開封ガゼット袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、本発明の請求項1に係る発明は、筒状フィルムの胴部(8)の左右両側部中央に折り込み襞(6)を有して、天部に天シール部(2)を有し、底部(7)がシールされた積層フィルム(A)からなる角筒状の易開封ガゼット袋において、前記積層フィルム(A)が、少なくとも該袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層にシール層(11)を含む積層フィルム(A)からなり、前記天部(1)に複数のノッチ(3)を設け、該ガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)のミシン目線(5)を設けたことを特徴とする易開封ガゼット袋である。
【0017】
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1記載の易開封ガゼット袋において、前記周方向(横方向)のミシン目線(5)を複数設けることを特徴とする易開封ガゼット袋である。
【0018】
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の易開封ガゼット袋において、前記ノッチ(3)は、該袋の表側の積層フィルム(A)に設けることを特徴とする易開封ガゼット袋である。
【0019】
本発明の請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の易開封ガゼット袋において、前記ノッチ(3)は、天シール部(2)より上方に設けた未シール部(9)に、設けることを特徴とする易開封ガゼット袋である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の易開封ガゼット袋は、筒状フィルムの胴部の左右両側部中央に折り込み襞を有して、天部に天シール部を有し、底部がシールされた積層フィルムからなる角筒状の易開封ガゼット袋において、前記積層フィルムが、少なくとも該袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層と、最内層にシール層を含む積層フィルムからなり、前記天部に複数のノッチを設け、該ガゼット袋の胴部に、周方向(横方向)のミシン目線を設けたことにより、単なる易開封性だけでなく、小袋を取り出し易い利便性機能も有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の実施の形態を図1及び図2に基づいて詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明に係る易開封ガゼット袋の1実施例を示す斜視図であり、図2は本発明に係る易開封ガゼット袋に使用する積層フィルム(A)の層構成の1実施例を示す側断面図である。
【0023】
本発明の1実施例の易開封ガゼット袋は、図1に示すように、筒状フィルムの胴部(8)の左右両側部中央に折り込み襞(6)を有して、天部に天シール部(2)を有し、底部(7)がシールされた積層フィルム(A)からなる角筒状の易開封ガゼット袋である。
【0024】
また、前記積層フィルム(A)が、図2に示すように、少なくとも該袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層にシール層(11)を含む層構成で形成されている。
【0025】
さらに、図1に示すように、天部(1)に複数のノッチ(3)を設け、ガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)のミシン目線(5)を設けた易開封ガゼット袋である。
【0026】
一般的に包装袋を密封する場合、積層フィルム(A)の最内層のシール層(11)に熱可塑性樹脂などを使用するが、シール強度を強くするほど、該密封性は高く保持できる。
【0027】
しかしながら、密封された袋を開封する場合、該袋の上端部にある密封シール部の天部の一部に一つの切れ目、或いはV字型のノッチからなる切込部を設け、その切込部から袋の底部方向に1本の切り裂きライン相当部に沿って切り裂いて開封する場合には、包装材料がまっすぐ切れないため、開封部の形状が不揃いになってしまう。
【0028】
或いは、該袋の上端部にある密封シール部の天部の一部に二つの切れ目、或いはV字型の二つのノッチからなる切込部を所定の間隔に平行に設け、その切込部から袋の底部方向に2本の切り裂きライン相当部に沿って所定の幅を持った帯状に切り裂いて開封する場合には、包装材料がまっすぐ切れないため、開封部の形状が先細り現象になって完全に底部方向にかけて開封できない状態である。
【0029】
この際、天シール部(2)のシール強度によっては、即ち、非常に強い場合には、積層フィルムが該シール部の位置で破れてしまい袋の開封ができない現象が発生する。
【0030】
また、仮に該シール部(2)を越えたとしても、更に先細り現象が生じ、途中で切れてしまう。
【0031】
そこで本発明に係る易開封ガゼット袋は、少なくとも袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層にシール層(11)を含む積層フィルム(A)で構成されているので天部(1)から、底部(7)方向に、カット予想線(4)に沿ってまっすぐに容易にカットすることができる。
【0032】
次に、該袋の天部(1)の未シール部(9)に複数のノッチ(3)を設け、さらにガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)のミシン目線(5)を設けることにより、安定した開封が可能になる。
【0033】
前記複数のノッチ(3)は、袋の表側に設けても良いし、表裏の両側に設けても良い。
【0034】
このようなノッチ(3)部から該袋の胴部(8)の中央部までカット予想線(4)に沿
ってカットし、その後、周方向(横方向)のミシン目線(5)に沿ってカットするので、開封口の形状がまっすぐに切れるので、内容物である小袋を取り出し易い。
【0035】
ここで、該袋の胴部(8)に形成する、周方向(横方向)へのミシン目線(5)の本数は、上部のノッチ(3)部からのカットが周方向(横方向)のミシン目線(5)を通り過ぎないようにするために、複数本入れるのが望ましい。
【0036】
また、該ミシン目線(5)は、積層フィルム(A)の全層に入れる方が、開封口の形状をまっすぐに切るためには、好ましい。
【0037】
尚、前記ノッチ(3)及びミシン目線(5)を施す方法は、レーザー光線を発振する切断装置や切刃を組み込んだロータリーダイカッター装置などを製袋機などに組み込んで行う方法が使用できる。
【0038】
次に、前記積層フィルム(A)を構成している、直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層のシール層(11)について詳細に説明する。
【0039】
前記直線引裂き性を有するフィルム層(10)には、一方向に延伸した一軸延伸フィルムや縦横の延伸倍率を変えた延伸フィルムなどを使用することができるが、本発明では、直線引裂き性があるフィルムであればいずれでもかまわない。
【0040】
尚、巾方向は、収縮しない程度に、或いはわずかに延伸されていても差し支えない。
【0041】
一般的にプラスチックフィルムは、延伸フィルムと無延伸フィルムに大別されるが、延伸フィルムは、プラスチックフィルムを融点以下の温度に加熱しながら縦横二方向、或いはそのいずれか一方向に引き伸ばして配向させたフィルムであり、無延伸フィルムは延伸をしていない未延伸状態のフィルムで分子鎖の配向がなく分子運動が自由なため熱溶融による接着(熱シール)ができる。
【0042】
延伸によるフィルムの分子鎖は、一軸延伸では一方向に、二軸延伸では面方向に配向し、無延伸フィルムの物性改善が可能となる。
【0043】
一般的にプラスチックフィルムは、延伸することにより、腰(剛度)、透明性、引張り強さ、収縮性は増加し、光沢、防湿性、防気性は改善するが、伸び、引裂き強度は減少する。
【0044】
該フィルム層(10)の材質としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレ−ト(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などのポリオレフィン、ナイロン−6、ナイロン−66などのポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などやこれらの共重合体の延伸フィルムを使用することができる。
【0045】
通常、これらの中でも、特に、強度、コストなどの面から、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、及びポリプロピレンフィルム(PP)を使用することが好ましい。
【0046】
該フィルム層(10)の厚さは、加工性を考慮すると、3〜200μmの範囲内であることが好ましく、6〜30μmの範囲内がより好ましい。
【0047】
次に、最内層のシール層(11)には、例えば、低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、中密度ポリエチレン樹脂(MDPE)、高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、ポリプロピレン樹脂(PP)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などからなるフィルムを使用することができる。
【0048】
中でも、積層フィルム(A)の直線引裂き性を考慮して、ヒートシール性を有する延伸ポリプロピレンフィルム(HSOPP)が好ましい。
【0049】
また、該シール層(11)の厚みは、強度、加工性を考慮すると、15〜200μmの範囲内であることが好ましく、30〜60μmの範囲内がより好ましい。
【0050】
次に、直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層のシール層(11)とを積層する方法は、例えば、ドライラミネーション方法、ノンソルベントドライラミネーション方法、ホットメルトラミネーション方法、エクストルージョンラミネーション方法を利用したサンドイッチラミネーション方法などの公知の方法を使用することができる。
【0051】
例えば、前記ドライラミネーション方法は、フィルム上に接着剤を塗布するコーティング部、乾燥装置、ニップローラー部の3つのセクションと、巻き出し、巻き取り、及びテンションコントロールシステムから構成されている。
【0052】
該コーティング部は、一般的にグラビアロールコーティング方式、又はリバースロールコーティング方式を採用している。
【0053】
該ドライラミネーションに使用する接着剤層(図示せず)は、一般的に、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤などを使用することができる。
【0054】
前記ラミネーション用接着剤は、溶剤型接着剤、或いは無溶剤型接着剤が使用されるが、無溶剤型接着剤を使用する場合は、乾燥装置は不要であり、特に、ノンソルベントドライラミネーション方法と呼んでいる。
【0055】
前記ホットメルトラミネーション方法は、加熱溶融したエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などのホットメルト接着剤をフィルム上に塗工し、直ちに、他のフィルムをラミネートする方法である。
【0056】
前記エクストルージョンラミネーション方法は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を加熱し、シリンダーと呼ばれる筒の中で溶解し、スクリューで圧力をかけて押し出し、該シリンダーの先端部にあるTダイスと呼ばれる細いスリットからカーテン状に溶解した樹脂が押し出されフィルム状となってラミネーションされる方法である。
【0057】
この際、該エクストルージョンラミネーション方法を利用して、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂を接着剤の代わりにして、直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、最内層のシール層(11)とをラミネーションするサンドイッチラミネーション方法を使用することもできる。
【0058】
次に、積層フィルム(A)は、直線引裂き性を有するフィルム層(10)の片面または両面にバリアフィルムが積層されている構成でも良い。(図示せず)
前記バリアフィルムとしては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着フィルム、無機酸化物(酸化珪素、酸化アルミニウムなど)の薄膜を有する樹脂フィルムやエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などのフィルム、或いはポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物などにポリ塩化ビニリデンを塗工したフィルム、またこれらフィルムの1種乃至それ以上を組み合わせた積層材料を使用することができるが、好ましくは、ガスバリアー性が良く、易引裂き性を有するアルミニウム箔が好ましい。
【0059】
尚、積層フィルムは上記の構成の他に印刷層(図示せず)、アンカーコーティング層(図示せず)などを含んでいても良い。
【0060】
先ず、直線引裂き性を有するフィルム層(10)やバリアフィルムへの印刷層を設ける場合、該フィルムの印刷面は表裏どちらでも印刷可能であるが、一般的なプラスチックフィルム袋への印刷の場合と同様に、インキの耐摩擦性、耐候性などを考慮してフィルムの内面に商品の販売促進効果を向上させるなどの理由で美麗な絵柄の印刷層を設けることが好ましい。
【0061】
該印刷層を形成する印刷インキとしては、インキに色彩を与える顔料や染料などからなる色材と該色材を微細な粒子に分散・保持しつつ、被印刷体に固着させる樹脂と該樹脂を安定して溶解し、該顔料や染料などの分散性、インキの流動性を保持し、かつ印刷の版からインキの適正量を転移できる溶剤とから構成されるビヒクル、更に色材の分散性、発色性向上や沈殿防止、流動性の改良を目的に界面活性剤などからなる助剤から形成されているが、特に色材は、耐候性の良い顔料が好ましい。
【0062】
該印刷層を設ける印刷方式は、該フィルム層(10)に印刷できる印刷方式ならば、特に制約はないが、鉄製の円筒(シリンダー)表面上に銅メッキを施して下地を形成し、該銅メッキ面上に剥離層を設け、更に銅メッキをして、その表面を鏡面状に研磨した銅面に彫刻方式や腐食方式により、凹部(セル)を作成し、該セル内の印刷インキを該フィルム層(10)に転移させ、調子物でもカラフルに印刷ができ、且つ訴求効果も高いグラビア印刷方式が好ましい。
【0063】
尚、前記フィルム層(10)に印刷する際、該フィルム層(10)と印刷インキとの密着性を向上させるため必要ならば、該フィルム層(10)の印刷層を設ける面にオゾン処理、コロナ処理などの前処理を施すことが好ましく、更に、アンカーコート剤などをコーティングしても良い。
【0064】
前記アンカーコート剤としては、例えばイソシアネート系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系などのアンカーコート剤や、或いはポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロース系、その他などのラミネート用接着剤などを使用することができる。
【0065】
該アンカーコート剤をコーティングする方法は、公知のグラビアロールコーティング方式、バーコーティング方式、滴下方式、リバースロールコーティング方式などを使用することができる。
【0066】
以上のようにして作製した、直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、シール層(
11)からなる積層フィルム(A)を使用して、図1に示すように、背シール、或いは4角柱の1角に縦シール(図示せず)して筒状フィルムを作製した。
【0067】
次に、該筒状フィルムの胴部(8)の左右両側部中央に折り込み襞(6)を設けて、前記積層フィルム(A)の表側天部(1)に2個のノッチ(3)を設け、さらにガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)にミシン目線(5)を3本設け、底部(7)をシールして角筒状の易開封ガゼット袋を作製した。
【0068】
このような易開封ガゼット袋を使用して、ふりかけ食品入りの小袋を集積包装し、該袋の天部(1)をヒートシールして、密封した。
【0069】
次に、このような状態の易開封ガゼット袋を使用して、開封状況と内容物の取り出し具合を確認した。
【0070】
まず、前記袋の2個のノッチ(3)を介して、天部(1)から底部(7)方向に開封したところ、周方向(横方向)の最上段のミシン目線(5)と交わり、次に、左廻りにガゼット袋の胴部(8)の周方向(横方向)にミシン目線(5)に沿って1周して直線的にカットができ、単なる易開封性だけでなく、機能面として一定の開封口が得られ、ふりかけ食品入りの小袋を容易に取り出すことができた。
【0071】
以下に、本発明の易開封ガゼット袋について、具体的に実施例を挙げて、さらに詳しく説明する。
【実施例1】
【0072】
本発明の易開封ガゼット袋に使用する積層フィルム(A)は、図2に示すように、最外面側の直線引裂き性を有するフィルム層(10)には、厚み12μmの縦一軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を使用し、最内面側のシール層(11)には、厚み30μmのヒートシール性延伸ポリプロピレンフィルム(HSOPP)を使用し、接着剤層(図示せず)には、ウレタン系接着剤を使用して、ドライラミネーション方式で作製した。
【0073】
以上のようにして作製した、直線引裂き性を有するフィルム層(10)と、シール層(11)からなる積層フィルム(A)を使用して、図1に示すように、該袋の背面中央に縦シール(図示せず)を設けた筒状フィルムの胴部(8)の左右両側部中央に折り込み襞(6)を設け、さらに前記積層フィルム(A)の表側天部(1)に2個のノッチ(3)をロータリーダイカッター装置が組み込まれた製袋機で設けた。
【0074】
さらにガゼット袋の胴部(8)に、周方向(横方向)にミシン目線(5)を3本設けて、底部(7)をシールして、角筒状の易開封ガゼット袋を作製し、ふりかけ食品入りの小袋を20袋集積包装した。
【0075】
次に、このような状態の易開封ガゼット袋を使用して、開封状況と内容物の取り出し具合を確認した。
【0076】
まず、前記袋の2個のノッチ(3)を介して、天部(1)から底部(7)方向に開封したところ、周方向(横方向)の最上段のミシン目線(5)と交わり、次に、左廻りにガゼット袋の胴部(8)の周方向(横方向)にミシン目線(5)に沿って1周して直線的にカットができ、単なる易開封性だけでなく、機能面として一定の開封口が得られ、ふりかけ食品入りの小袋を容易に取り出すことができた。
【実施例2】
【0077】
実施例1において、最外面側の直線引裂き性を有するフィルム層(10)に、厚み25μmの縦一軸延伸ヒートシール性のポリプロピレンフィルム(OPP)を使用した以外は同様にして、易開封ガゼット袋を作製した。
【0078】
次に、このような状態の易開封ガゼット袋を使用して、開封状況と内容物の取り出し具合を確認した。
【0079】
まず、前記袋の2個のノッチ(3)を介して、天部(1)から底部(7)方向に開封したところ、周方向(横方向)の最上段のミシン目線(5)と交わり、次に、左廻りにガゼット袋の胴部(8)の周方向(横方向)にミシン目線(5)に沿って1周して直線的にカットができ、単なる易開封性だけでなく、機能面として一定の開封口が得られ、ふりかけ食品入りの小袋を容易に取り出すことができた。
【実施例3】
【0080】
実施例1において、最内面側のシール層(11)に、厚み30μmの低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)を使用した以外は同様にして、易開封ガゼット袋を作製した。
【0081】
次に、このような状態の易開封ガゼット袋を使用して、開封状況と内容物の取り出し具合を確認した。
【0082】
まず、前記袋の2個のノッチ(3)を介して、天部(1)から底部(7)方向に開封したところ、周方向(横方向)の最上段のミシン目線(5)と交わり、次に、左廻りにガゼット袋の胴部(8)の周方向(横方向)にミシン目線(5)に沿って1周して直線的にカットができ、単なる易開封性だけでなく、機能面として一定の開封口が得られ、ふりかけ食品入りの小袋を容易に取り出すことができた。
【実施例4】
【0083】
実施例2において、最内面側のシール層(11)に、厚み30μmの低密度ポリエチレンフィルム(LDPE)を使用した以外は同様にして、易開封ガゼット袋を作製した。
【0084】
次に、このような状態の易開封ガゼット袋を使用して、開封状況と内容物の取り出し具合を確認した。
【0085】
まず、前記袋の2個のノッチ(3)を介して、天部(1)から底部(7)方向に開封したところ、周方向(横方向)の最上段のミシン目線(5)と交わり、次に、左廻りにガゼット袋の胴部(8)の周方向(横方向)にミシン目線(5)に沿って1周して直線的にカットができ、単なる易開封性だけでなく、機能面として一定の開封口が得られ、ふりかけ食品入りの小袋を容易に取り出すことができた。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明に係る易開封ガゼット袋の1実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る易開封ガゼット袋に使用する積層フィルムの層構成の1実施例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0087】
1・・・天部
2・・・天シール部
3・・・ノッチ
4・・・カット予想線
5・・・ミシン目線
6・・・折り込み襞
7・・・底部
8・・・胴部
9・・・未シール部
10・・・直線引裂き性を有するフィルム層
11・・・シール層
A・・・積層フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状フィルムの胴部の左右両側部中央に折り込み襞を有して、天部に天シール部を有し、底部がシールされた積層フィルムからなる角筒状の易開封ガゼット袋において、前記積層フィルムが、少なくとも該袋の天地方向に直線引裂き性を有するフィルム層と、最内層にシール層を含む積層フィルムからなり、前記天部に複数のノッチを設け、該ガゼット袋の胴部に、周方向(横方向)のミシン目線を設けたことを特徴とする易開封ガゼット袋。
【請求項2】
前記周方向(横方向)のミシン目線を複数設けることを特徴とする請求項1記載の易開封ガゼット袋。
【請求項3】
前記ノッチは、該袋の表側の積層フィルムに設けることを特徴とする請求項1又は2記載の易開封ガゼット袋。
【請求項4】
前記ノッチは、天シール部より上方に設けた未シール部に、設けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の易開封ガゼット袋。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−27644(P2006−27644A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206879(P2004−206879)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】