説明

映像コンテンツ編集装置,映像コンテンツ編集方法および映像コンテンツ編集プログラム

【課題】編集するシーンの始点と終点を一つ一つ設定しなくても,適切なシーンを編集できるようにする。
【解決手段】編集対象となる映像について,映像インデキシング部12により事前にポイント型アノテーションと区間型アノテーションを検出し,これらをもとに映像を事前セグメントに分割する。映像情報提示部14により映像と事前セグメント,アノテーションを提示するとともに,利用者アノテーション受付部15により,利用者がコメントなどのアノテーションを付与するインタフェースを提供する。映像編集処理部16により編集映像に採用する映像区間を決めるときには,利用者が指定した事前セグメント,アノテーションに対して所定の映像区間設定ルールを適用し,映像区間の始点と終点を自動で決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,映像の一部の区間である映像シーンを選択し,選択したシーンを連続再生できるようにして新しい映像コンテンツを制作する映像コンテンツ編集装置や方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、映像を編集する場合に,何らかの方法で映像シーンを特定し,特定したシーンをつなげることで1本の映像を制作することが行われている。特定された映像シーンをつなげた映像を実際に作成しなくても,URL(Uniform Resource Locator)などで関連付けられた映像シーンを順次参照して再生する方法もある。
【0003】
映像シーンの特定方法として,非特許文献1には,映像を予め事前セグメントに分割しておき,所望の事前セグメントを選択し,選択した事前セグメントを順次再生するプレイリストを用意することで編集映像を生成する方法が示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】嶌田聡, 東正造, 寺中晶郁, 小島明, “映像シーン連動型コミュニケーションからのノウハウ百科事典の生成”,電子情報通信学会 AI研究会,AI2008-70 ,p.35-40 ,2009.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
映像編集を行うには,採用する映像シーンを特定する必要があるが,一般的な映像編集では,編集するシーンの始点と終点とを手動で設定しており,採用するシーンの始点と終点を指定することに手間がかかることが問題である。
【0006】
非特許文献1に記載されている方法は,シーン区間を設定する手間がかからないが,適切なシーンを選定することが困難である。例えば,事前セグメントが1分程度の区間に分割されている場合,採用区間として事前セグメント中の10秒程度の区間を利用したいときには,残りの50秒の不要なシーンが編集映像に含まれてしまう。一方,事前セグメントを10秒程度に分割しておくと,採用区間として1分程度の区間が必要な場合には,多くの事前セグメントを選択しなければならないので手間がかかる。
【0007】
本発明は,これらの問題を解決し,編集するシーンの始点と終点を設定する煩わしさをなくすとともに,適切なシーンを編集できるようにするための技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では,上記目的を達成するために,映像を事前にセグメントに分割しておいた区間と,自動または手動で付与したアノテーションを用いて映像シーンの編集が行えるようにする。
【0009】
このため,本発明は,映像を入力して編集する映像コンテンツ編集装置において,入力した映像を解析し,予め定められた映像または映像に付随する音声の特徴に基づくポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとしてのイベントを検出し,検出したイベントをもとに前記映像を時間的に連続した区間に分割した事前セグメントを定義する映像インデキシング手段と,前記映像と前記事前セグメントと前記ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとを関連付けて記憶装置に記憶し蓄積するデータ蓄積管理手段と,前記映像を再生し,利用者に提示する映像情報提示手段と,前記映像情報提示手段による映像の再生シーンに対して,利用者からのコメント登録または再生時刻へのマークを行うポイント型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースと,映像中の特定イベントに関する区間型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースとを持ち,前記ポイント型アノテーションを受け付けた場合には,該ポイント型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア時刻とを,前記データ蓄積管理手段に登録し,前記区間型アノテーションを受け付けた場合には,該区間型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア区間とを,前記データ蓄積管理手段に登録する利用者アノテーション受付手段と,編集映像の作成時に採用する映像区間を,前記データ蓄積管理手段に登録されている前記事前セグメント,前記ポイント型アノテーションおよび前記区間型アノテーションを用いて利用者に指定させるユーザインタフェースを持ち,利用者に指定された事前セグメント,ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションをもとに,予め定められた映像区間設定ルールに従って編集映像に採用する映像区間を決定して映像を編集する映像編集処理手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の手段を備えることにより,本発明によれば,映像を事前にセグメントに分割しておいた区間と,自動または手動で付与したアノテーションを選定するだけで,編集映像に採用する区間を適切に特定できるので,編集するシーンの始点と終点を設定しなくても容易にシーンを編集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例における装置構成を説明するための図である。
【図2】データ蓄積管理部で管理されているデータの例を示す図である。
【図3】本実施例の全体の処理フローチャートである。
【図4】映像登録の処理手順の例を示す図である。
【図5】利用者によるアノテーション付与の処理手順の例を示す図である。
【図6】映像編集の処理手順の例を示す図である。
【図7】映像情報を提示し,利用者アノテーションを受け付けるユーザインタフェースの例を示す図である。
【図8】編集映像のプレビュー画面の例を示す図である。
【図9】映像コンテンツ生成の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下,図面を用いて,本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は,本発明の一実施例における装置構成を説明するための図である。同図に示す映像コンテンツ編集装置10は,映像取得部11,映像インデキシング部12,データ蓄積管理部13,映像情報提示部14,利用者アノテーション受付部15,映像編集処理部16,映像・事前セグメント・アノテーション・編集映像記憶部17から構成される。
【0014】
映像取得部11は,映像ファイルを読み取り,読み取った映像を映像インデキシング部12に出力する。
【0015】
映像インデキシング部12は,映像取得部11より受け取った映像から予め設定しておいたイベントを検出する。映像から自動的に検出できるイベントとして,突発音などのポイント型アノテーションや,シーンチェンジ,カメラワーク区間,テロップ区間,音声区間,顔出現区間などの区間型アノテーションがある。次に,映像インデキシング部12は,検出したイベントを用いて事前セグメントを定義する。例えば,ポイント型アノテーションの映像メディア時刻,および区間型アノテーションの始点および終点の各映像メディア時刻で映像を小区間に区切り,これらの細分化したイベント区間を映像再生時刻の順に統合していき,予め設定しておいた区間長を越えれば1つの事前セグメント区間とする方法で定義すればよい。また,イベント区間を統合するときに,イベントの種類などによって統合する区間に優先度を設けたり,例えばシーンチェンジなどの特定のイベント区間の始点または終点部分では区間を統合しないというような所定のルールに従って事前セグメントを定めてもよい。検出したポイント型アノテーションや区間型アノテーション,事前セグメント,および映像をデータ蓄積管理部13に出力する。
【0016】
データ蓄積管理部13は,映像・事前セグメント・アノテーション・編集映像記憶部(以下,単に記憶部という)17により,映像インデキシング部12から出力された映像と事前セグメントや自動付与されたアノテーションを管理しておき,これらのデータを映像情報提示部14や映像編集処理部16からの要求に応じて転送する。また,利用者アノテーション受付部15から受け取ったアノテーションを記憶部17で管理しておき,映像編集処理部16からの要求に応じて転送する。映像編集処理部16から編集映像を受け取ると,それを記憶部17に格納し管理しておく。
【0017】
映像情報提示部14は,データ蓄積管理部13に映像と事前セグメントやアノテーションの転送要求を出して受け取ると,利用者に映像の一覧を提示したり,選択された映像を再生したりする。
【0018】
利用者アノテーション受付部15は,映像の再生シーンに対してコメント登録や再生時刻へのマークのポイント型アノテーションの付与を受け付け,付与されたときの映像再生時刻とともに受け付けたアノテーションをデータ蓄積管理部13に出力する。また,映像中の特定イベント区間を表す区間型アノテーションの付与を受け付けた場合には,付与された映像区間とともに受け付けたアノテーションをデータ蓄積管理部13に出力する。
【0019】
映像編集処理部16は,映像編集を行うために採用する映像区間を,事前セグメントやアノテーションを選択することで指定するユーザインタフェースを提供して,指定された事前セグメントやアノテーションから編集映像を生成し,編集映像をデータ蓄積管理部13に出力する。
【0020】
次に,データ蓄積管理部13において,図2に示すデータが管理されている場合を例に各部の動作について説明する。図2は,2つの映像,映像Aと映像Bに対する管理データの例を示す。図2(a)は,映像インデキシング部12で定義された事前セグメントで,映像Aは3つの事前セグメント,映像Bは4つの事前セグメントがそれぞれ定義された場合の例である。
【0021】
図2(b)は,ポイント型アノテーションの例で,映像Aについては3つのコメントと1つのマークが利用者アノテーション受付部15で利用者により登録された場合の例を示している。コメント登録されたときには,コメント内容を「概要」で管理している。また,映像Bについては,3つのコメントが利用者アノテーション受付部15で利用者により登録され,1つの突発音が映像インデキシング部12で検出された場合を示している。
【0022】
図2(c)は,区間型アノテーションの例で,映像Aについては,工程1と工程3という2つのイベントと,映像シーンに対する描画という1つの区間が利用者アノテーション受付部15で利用者により登録され,テロップとナレーションの区間が映像インデキシング部12で検出された場合を示している。テロップ文字認識結果とナレーション認識結果を「概要」で管理している。また,映像Bについては,工程2と工程4という2つのイベントと,映像シーンに対する描画という1つの区間が利用者アノテーション受付部15で利用者により登録され,ズーミングのカメラワークと顔出現区間が映像インデキシング部12で検出された場合を示している。
【0023】
本実施例の全体の処理フローを図3に示す。まず,ステップS1では,映像登録を行う。この登録処理により,映像,事前セグメント,自動付与されるポイント型と区間型のアノテーションがデータ蓄積管理部13で管理される。次のステップS2では,利用者アノテーションの受付および付与を行う。この処理により,利用者が付与するポイント型と区間型のアノテーションがデータ蓄積管理部13で管理される。最後に,ステップS3では,データ蓄積管理部13で管理されている事前セグメント,ポイント型アノテーションと区間型アノテーションを用いて映像編集を行う。
【0024】
ステップS1,S2,S3の各処理の詳細について,図4,図5,図6を用いて説明する。
【0025】
図4は,映像登録の処理手順の例を示している。まず,ステップS11では,映像取得部11により映像を読み取る。次に,ステップS12では,映像インデキシング部12により,例えば図2(a)に示すように,映像Aについてはテロップ提示とナレーションを,映像Bについてはカメラワーク,顔出現と突発音の各イベントを検出する。また,ステップS13では,映像インデキシング部12により事前セグメントを定義する。続いて,ステップS14では,映像インデキシング部12で検出したイベントに関するアノテーションや事前セグメントなどのメタデータ,および,映像をデータ蓄積管理部13に登録する。以上の処理で,映像登録が完了する。
【0026】
図5は,利用者によるアノテーション付与の処理手順の例を示している。ステップS21では,映像情報提示部14は,データ蓄積管理部13で管理している映像の一覧を提示し,利用者が視聴したい映像を選択できるユーザインタフェースを提供する。続いて,ステップS22では,映像情報提示部14は,利用者が選択した映像をデータ蓄積管理部13から受け取り,その映像を再生する。事前セグメントや自動付与アノテーションを図7に示すように提示すると,利用者がアノテーションを付与しやすくなり有効である。なお,図7に示すユーザインタフェースの詳細については後述する。
【0027】
ステップS23では,利用者アノテーション受付部15は,映像再生しながら利用者アノテーションを受け付けられるように図7に示すユーザインタフェースを提供し,利用者からのアノテーションを受け付ける。ステップS24では,利用者アノテーション受付部15は,利用者から受け付けたアノテーションをデータ蓄積管理部13に登録する。
【0028】
次に,ステップS25では,利用者からの映像視聴の終了指示があったかどうかを判定し,映像視聴を終了する場合には,アノテーション付与の処理を終了する。映像視聴を終了しない場合には,ステップS21へ戻り,同様に処理を繰り返す。以上の処理により,アノテーション付与が完了する。
【0029】
図7は,表示装置に映像情報を提示し,利用者アノテーションを受け付けるユーザインタフェースの例を示している。図7において,70は映像を再生して表示する映像提示領域である。71は映像再生制御用のボタン等が配置された操作インタフェース部である。72はポイント型アノテーションや区間型アノテーションの入力を受け付けるためのインタフェース部である。73は自動または手動により設定されたポイント型アノテーションや区間型アノテーションの始点,終点等を提示するマーク提示部である。74は事前セグメント区間提示部である。75はコメントのタイトル入力欄である。76はコメント入力欄である。77は既に登録されている登録コメントの提示部である。78は自動検出したイベントの提示部である。
【0030】
例えば,映像の一覧(図示省略)から利用者が映像を選択すると,映像情報提示部14は,その映像を画面内の映像提示領域70に表示する。また,データ蓄積管理部13から取得した事前セグメント,ポイント型アノテーション,区間型アノテーションに従って,事前セグメント区間提示部74,マーク提示部73等にそれらの情報を表示する。
【0031】
利用者は,操作インタフェース部71に配置されたボタン操作により,編集対象映像の再生開始,停止,早送り,逆戻し等の制御を行うことができる。また,マウス等のポインティングデバイスによるマーク提示部73中のクリック操作やドラッグ操作,もしくはインタフェース部72におけるボタン操作によって,ポイント型アノテーションとしての映像メディア時刻を指定するマークの追加/削除,区間型アノテーションの設定入力を行うことができる。
【0032】
また,タイトル入力欄75,コメント入力欄76にマウスオーバーすると,映像再生が停止するので,ここでタイトルとコメントをこれらの欄に入力し,書込みボタンをクリックすると,再生停止されている映像メディア時刻に対して入力したコメントがポイント型アノテーションの一つとしてデータ蓄積管理部13に登録される。
【0033】
提示部77には,再生している映像メディア時刻に合わせて利用者自身または他の利用者が登録したコメントが提示され,また,提示部78には,テロップ検出などにより自動検出したイベントの情報が提示される。これらの提示部77,78について,意見交換ができるような掲示板機能を持たせるような実施も可能である。
【0034】
図6は,映像編集の処理手順の例を示している。ステップS31では,映像情報提示部14により視聴できる映像の一覧が選択されたときに,利用者が視聴したい編集対象となる映像を選択する。ステップS32では,映像情報提示部14により選択した映像を再生する。このとき,データ蓄積管理部13で管理している事前セグメントやアノテーションを,図7に示すように映像再生と関連付けて提示する。
【0035】
ステップS33では,映像編集処理部16により,編集映像に採用する映像区間を,事前セグメントやアノテーションを選択することで指定する入力を受け付ける。図7の提示例において,例えば,マウスの右ボタンをクリックするなどの操作で編集映像に採用することを指示するインタフェースを設ければよい。選択されたアノテーションなどと,実際に編集映像に採用される映像区間との関係は,次のような映像区間設定ルールを設定しておくことが有効である。
【0036】
[ルール1]:事前セグメントが選択された場合には,選択された事前セグメントを映像区間とする。
【0037】
[ルール2]:区間型アノテーションが選択された場合には,選択された区間型アノテーションの区間を編集映像に採用する映像区間とする。
【0038】
[ルール3]:ポイント型アノテーションが選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻から,選択されたポイント型アノテーションが属する事前セグメント区間の終点までの区間を,編集映像に採用する映像区間とする。
【0039】
[ルール4]:区間型アノテーションまたはポイント型アノテーションが複数選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの始点の時刻の中で最も早い時刻を映像区間の始点とし,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの終点の時刻の中で最も遅い時刻を映像区間の終点とする映像区間を,編集映像に採用する映像区間とする。
【0040】
以上のルールに従って,選択された映像区間のリストを提示する編集映像のプレビュー画面の例を図8に示す。図8では,編集映像への採用区間として,映像Aのユーザコメント1,事前セグメント3が単独で選択され,映像Bのユーザコメント1とユーザコメント2が関連付けられて選択された場合の例を示している。最初の区間1は,映像Aのユーザコメント1の付与時刻から事前セグメント1の終点まで,次の区間2は,映像Aの事前セグメント3の区間,最後の区間3は,映像Bのユーザコメント1の付与時刻からユーザコメント2の付与時刻までの区間である。合計3つの映像区間が選択された順に提示される。各映像区間の再生順を変えたい場合には,シーンのクリックとドラッグで簡単に変更できるようにしておくと効果的である。
【0041】
次に,利用者からの映像編集の終了指示があったかどうかを判定し,映像編集を終了する場合には,処理を終了する。映像編集を終了しない場合には,ステップS31へ戻り,同様に処理を繰り返す。以上の処理により,映像編集が完了する。
【0042】
以上説明したとおり,映像編集の処理が行われるので,編集するシーンの始点と終点を一つ一つ設定しなくても適切なシーンを編集することができる。
【0043】
さらに,本発明をWebアプリケーションとして実現し,複数の利用者がアノテーションを付与したり,他人のアノテーションに対して返信コメントを付与できるようにして議論したりできるようにすれば,映像シーン選択の選択肢が増えることや,複数の利用者間で協調的に映像編集を行ったりすることができる。
【0044】
図9は,映像コンテンツ生成の例を示している。図9に示すように,編集映像に対して,タイトル,概要,まとめなどを記載できるようにテンプレート化し,各区間のコメント内容を編集できるようにすれば,よりわかりやすい映像コンテンツを容易に編集することができる。さらに,図9に示されたような編集映像を表現する形態を定義しておく場合に(以下,トピックと呼ぶ),図6のステップS33において,事前セグメントやアノテーションを選択することで編集映像に採用する映像区間を指定するときに,どのトピックに挿入するのかを同時に指定できるようなインタフェースを提供すれば,効率的に編集できるようになる。
【0045】
以上の映像コンテンツ編集の処理は,コンピュータとソフトウェアプログラムとによっても実現することができ,そのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することも,ネットワークを通して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0046】
10 映像コンテンツ編集装置
11 映像取得部
12 映像インデキシング部
13 データ蓄積管理部
14 映像情報提示部
15 利用者アノテーション受付部
16 映像編集処理部
17 映像・事前セグメント・アノテーション・編集映像記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を入力して編集する映像コンテンツ編集装置において,
入力した映像を解析し,予め定められた映像または映像に付随する音声の特徴に基づくポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとしてのイベントを検出し,検出したイベントをもとに前記映像を時間的に連続した区間に分割した事前セグメントを定義する映像インデキシング手段と,
前記映像と前記事前セグメントと前記ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとを関連付けて記憶装置に記憶し蓄積するデータ蓄積管理手段と,
前記映像を再生し,利用者に提示する映像情報提示手段と,
前記映像情報提示手段による映像の再生シーンに対して,利用者からのコメント登録または再生時刻へのマークを行うポイント型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースと,映像中の特定イベントに関する区間型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースとを持ち,前記ポイント型アノテーションを受け付けた場合には,該ポイント型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア時刻とを,前記データ蓄積管理手段に登録し,前記区間型アノテーションを受け付けた場合には,該区間型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア区間とを,前記データ蓄積管理手段に登録する利用者アノテーション受付手段と,
編集映像の作成時に採用する映像区間を,前記データ蓄積管理手段に登録されている前記事前セグメント,前記ポイント型アノテーションおよび前記区間型アノテーションを用いて利用者に指定させるユーザインタフェースを持ち,利用者に指定された事前セグメント,ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションをもとに,予め定められた映像区間設定ルールに従って編集映像に採用する映像区間を決定して映像を編集する映像編集処理手段とを備える
ことを特徴とする映像コンテンツ編集装置。
【請求項2】
請求項1記載の映像コンテンツ編集装置において,
前記映像編集処理手段が用いる前記映像区間設定ルールは,
前記事前セグメントが選択された場合には,選択された事前セグメントを編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記区間型アノテーションが選択された場合には,選択された区間型アノテーションの区間を編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記ポイント型アノテーションが選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻から,選択されたポイント型アノテーションが属する事前セグメント区間の終点までの区間を,編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記区間型アノテーションまたは前記ポイント型アノテーションが複数選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの始点の時刻の中で最も早い時刻を映像区間の始点とし,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの終点の時刻の中で最も遅い時刻を映像区間の終点とする映像区間を,編集映像に採用する映像区間とするルールの,少なくともいずれか複数のルールを含む
ことを特徴とする映像コンテンツ編集装置。
【請求項3】
映像を入力して編集する映像コンテンツ編集方法において,
入力した映像を解析し,予め定められた映像または映像に付随する音声の特徴に基づくポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとしてのイベントを検出し,検出したイベントをもとに前記映像を時間的に連続した区間に分割した事前セグメントを定義する映像インデキシング過程と,
映像の編集に用いる情報を記憶装置に記憶して管理するデータ蓄積管理手段に,前記映像と前記事前セグメントと前記ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションとを関連付けて登録する過程と,
前記映像を再生し,利用者に提示する映像情報提示過程と,
前記映像情報提示過程による映像の再生シーンに対して,利用者からのコメント登録または再生時刻へのマークを行うポイント型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースと,映像中の特定イベントに関する区間型アノテーションの入力を受け付けるユーザインタフェースとを持ち,前記ポイント型アノテーションを受け付けた場合には,該ポイント型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア時刻とを,前記データ蓄積管理手段に登録し,前記区間型アノテーションを受け付けた場合には,該区間型アノテーションとアノテーションが付与された映像メディア区間とを,前記データ蓄積管理手段に登録する利用者アノテーション受付過程と,
編集映像の作成時に採用する映像区間を,前記データ蓄積管理手段に登録されている前記事前セグメント,前記ポイント型アノテーションおよび前記区間型アノテーションを用いて利用者に指定させるユーザインタフェースを持ち,利用者に指定された事前セグメント,ポイント型アノテーションまたは区間型アノテーションをもとに,予め定められた映像区間設定ルールに従って編集映像に採用する映像区間を決定して映像を編集する映像編集処理過程とを有する
ことを特徴とする映像コンテンツ編集方法。
【請求項4】
請求項3記載の映像コンテンツ編集方法において,
前記映像編集処理過程が用いる前記映像区間設定ルールは,
前記事前セグメントが選択された場合には,選択された事前セグメントを編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記区間型アノテーションが選択された場合には,選択された区間型アノテーションの区間を編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記ポイント型アノテーションが選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻から,選択されたポイント型アノテーションが属する事前セグメント区間の終点までの区間を,編集映像に採用する映像区間とするルールと,
前記区間型アノテーションまたは前記ポイント型アノテーションが複数選択された場合には,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの始点の時刻の中で最も早い時刻を映像区間の始点とし,選択されたポイント型アノテーションが付与された映像メディア時刻と選択された区間型アノテーションの終点の時刻の中で最も遅い時刻を映像区間の終点とする映像区間を,編集映像に採用する映像区間とするルールの,少なくともいずれか複数のルールを含む
ことを特徴とする映像コンテンツ編集方法。
【請求項5】
請求項3または請求項4に記載の映像コンテンツ編集方法を,コンピュータに実行させるための映像コンテンツ編集プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−155329(P2011−155329A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13773(P2010−13773)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】