説明

映像伝送装置

【課題】 映像データ通信に障害が発生しても、リアルタイム性を確保する。
【解決手段】 この発明に係る映像伝送装置は、映像データを撮像する撮像部と、通信データを受信する受信部と、通信データを送信する送信部と、受信部が通信データとして多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置から送信された多重化すべき映像データを受信したとき、撮像部が撮像した映像データと多重化すべき映像データとを多重化し、多重化した映像データを送信部に通信データとして送信させる多重部と、多重部が送出した映像データを送信部に通信データとして送信させ、受信部が通信データとして他の映像伝送装置から映像データの多重化伝送を要求する制御データを受信したとき、映像データの多重化伝送の受け入れが可能であれば、多重化伝送を要求した映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データを生成して送信部に通信データとして送信させる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、撮像した映像データを記録装置にネットワークを介して伝送して記録する映像伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
映像伝送装置としてのカメラ端末で撮像した映像データを記録装置にネットワークを介して伝送し、受信した映像データを記録する映像記録システムが利用されている。この映像記録システムは、常時稼動して映像データを記録することが要求されている。したがって、通信障害などの原因などによって映像データを記録することができなくなった場合の対策案を準備しておくことが重要である。
【0003】
例えば、映像伝送装置と記録装置間のデータ送受信を無線通信で行い、妨害電波により無線通信が妨害された場合の対策として、映像伝送装置内部のフラッシュメモリに撮像した映像データを記録する技術がある(例えば特許文献1)。
【0004】
また、複数の映像伝送装置に内蔵されるバックアップメモリの相互利用を可能とし、通信障害や故障が長時間化したときに十分な容量を確保する技術がある(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−186739号公報
【特許文献2】特開2010−93665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
監視業務では、撮像した映像データをリアルタイムに確認する必要がある。従来の映像伝送装置では、通信障害によって記録装置や映像表示装置に映像データを送信できなくなると、映像データを映像伝送装置側に記録しておき、通信障害から復旧した後に映像データを送信する方法をとるが、監視のリアルタイム性が失われるという問題がある。そのため、監視業務に支障をきたさないようにすることは困難であった。
【0007】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、通信障害で映像データが伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る映像伝送装置は、映像データを撮像する撮像部と、通信データを受信する受信部と、通信データを送信する送信部と、前記受信部が通信データとして多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置から送信された多重化すべき映像データを受信したとき、前記撮像部が撮像した映像データと前記多重化すべき映像データとを多重化し、多重化した映像データを前記送信部に通信データとして送信させる多重部と、前記受信部が通信データとして他の映像伝送装置から多重化伝送を要求する制御データを受信したとき、多重化伝送の受け入れが可能であれば、多重化伝送を要求した映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データを生成して通信データとして前記送信部に送信させる制御部とを備えた。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る映像伝送装置によれば、通信障害で映像データが伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の正常時の動作の一例を示す説明図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害時の動作の一例を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生時における多重化伝送を要求する側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生時における多重化伝送を要求される側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生中における多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生中における多重化伝送を要求された側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る通信障害の回復時における多重化伝送の終了を通知する側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態1に係る通信障害の回復時における多重化伝送の終了を通知される側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の変形例を示す説明図である。
【図13】この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の端末情報テーブルの一例を示す説明図である。
【図15】この発明の実施の形態2に係る端末情報に基づいて伝送レートの配分を設定する映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。
【図17】この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図18】この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の構成の一例を示すブロック構成図である。
【図19】この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の多重部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図21】この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の動作の一例を示すフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の通信障害時の動作の一例を示す説明図である。
【図23】この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。
【図24】この発明の実施の形態4に係る多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態4に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図26】この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置の動作の一例を示す説明図である。
【図27】この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。
【図28】この発明の実施の形態6に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この発明に係る映像伝送装置は、通信障害で映像データが伝送できなくなったときに、複数の映像伝送装置間で連携して伝送可能な通信経路から映像データを伝送することで、リアルタイム性を確保するものである。以下に、この発明に係る映像伝送装置の一例について説明する。
【0012】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1では、通信に障害が発生した際に、他の映像伝送装置に多重化伝送を要求するとともに、通信に障害が発生した他の映像伝送装置からの多重化伝送の要求を受け入れて多重化伝送する映像伝送装置について説明する。
【0013】
図1は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末10aは、レンズ101、撮像部102、アンテナ103、受信部104、送信部105、多重部106、通信状態監視部107、制御部108を備えている。
【0014】
撮像部102は、レンズ101を介して映像データを撮像する。受信部104は、アンテナ103を介して通信データを受信する。送信部105は、アンテナ103を介して通信データを送信する。なお、アンテナ103は、受信部104、送信部105で共通使用しても、受信部104、送信部105ごとに設けても構わない。多重部106は、撮像部102が撮像した映像データ送信部105に送出し、受信部104が通信データとして多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置から送信された多重化すべき映像データを受信したとき、撮像部102が撮像した映像データと多重化すべき映像データとを多重化し、多重化した映像データを送信部105に送出する。通信状態監視部107は、送信部105が送信した通信データの伝送速度等から通信状態を監視する。制御部108は、多重部106が送出した映像データを送信部105に通信データとして送信させ、受信部104が通信データとして他の映像伝送装置から映像データの多重化伝送を要求する制御データを受信したとき、映像データの多重化伝送の受け入れが可能であれば、多重化伝送を要求された映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データを生成して送信部105に通信データとして送信させるとともに、通信状態監視部107が監視した通信データの通信状態に障害が発生したとき、他の映像伝送装置に対して撮像部102が撮像した映像データの多重化伝送を要求する制御データを生成して送信部105に通信データとして送信させ、送信させた映像データの多重化伝送を要求する制御データに対して受信部104が受信した多重化伝送の受け入れを応答する制御データから特定される映像伝送装置を送信先に変更して撮像部102が撮像した映像データを送信部105に通信データとして送信させる。
【0015】
ここで、撮像部102は、撮像設定を切り替えることができる場合、撮像設定に基づいた映像データの伝送レートの制御を行うことができる。撮像設定は、少なくとも映像データの画像サイズ(解像度)、圧縮方式(符号化方式)、圧縮率、フレームレートをパラメータとして設定し、それらの組合せで伝送レートが決定する。撮像設定の各パラメータは、1つ(固定)または複数の候補が用意されている。例えば、撮像する画像サイズ(解像度)は、VGA(Video Graphics Array)、QVGA(Quarter VGA)、SVGA(Super VGA)、XGA(Extended GA)など撮像部が対応しているものから設定してもよいし、大中小(高中低)などの複数段階のカテゴリで分類して設定しても構わない。また、圧縮方式(符号化方式)は、Motion JPEG(Joint Photographic Experts Group)、MPEG(Moving Picture Experts Group)など撮像部が対応しているものから設定するものとする。圧縮率は、高中低などの複数段階のカテゴリで分類して設定してもよいし、数値で設定しても構わない。フレームレートは、30、15、10fps(Frame Per Second)など数値で設定すればよい。また、撮像設定を切り替えることができない場合でも、画像サイズ、圧縮方式(符号化方式)、圧縮率、フレームレートが固定のパラメータで設定されているとみなせる。なお、すべての映像伝送装置の撮像部が、共通のパラメータ群に対応しているとは限らない。
【0016】
次に、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の動作について説明する。
【0017】
図2は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の正常時の動作の一例を示す説明図である。映像伝送装置としてのカメラ端末201、202は、それぞれ撮像した映像データを無線通信によりアクセスポイント21を介してネットワーク22上の記録装置23に伝送して記録する。
【0018】
各カメラ端末201、202とアクセスポイント21との間の無線通信に障害が発生していない場合、カメラ端末201、202の構成を図1のブロック図に対応させて説明すると、各カメラ端末201、202の撮像部102はレンズ101から撮像した映像データを多重部106に送り、多重部106はその映像データをそのままデータ送信部105に送り、データ送信部105は映像データをアクセスポイント21にアンテナ103から送信する。正常に無線通信ができていて、他のカメラ端末から映像データを受信していないときには、多重部106では映像データの多重化は行わず、そのカメラ端末自身が撮像した映像データを単独でアクセスポイント21に送っている。
【0019】
図3は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害時の動作の一例を示す説明図である。映像伝送装置としてのカメラ端末201は、撮像した映像データを無線通信によりアクセスポイント21を介してネットワーク22上の記録装置23に伝送して記録しようとするが、カメラ端末201とアクセスポイント21との間の無線通信に障害(図中、“×”印で示す)が発生した状態を示している。そこで、カメラ端末201は、撮像した映像データを無線通信により映像伝送装置としてのカメラ端末202を経由してアクセスポイント21を介してネットワーク22上の記録装置23に伝送して記録する。このとき、カメラ端末202は、撮像した映像データを無線通信によりアクセスポイント21を介してネットワーク22上の記録装置23に伝送して記録するが、受信したカメラ端末201が撮像した映像データを多重化して伝送する。多重化された映像データを受信した記録装置23は、映像データを分離してカメラ端末201、202が撮像した映像データとしてそれぞれ記録する。
【0020】
カメラ端末201とアクセスポイント21との間の無線通信に障害が発生した場合、カメラ端末201は、通信障害により映像データが送信できなくなったことを検知する。次に、カメラ端末201は、無線通信が可能な周辺のカメラ端末を探索し、この例ではカメラ端末202を見つけると、見つけたカメラ端末202が撮像した映像データがアクセスポイント21を介して記録装置23に正常に記録できていることを確認し、カメラ端末201自身が撮像した映像データをカメラ端末202を経由することでアクセスポイント21まで伝送する通信経路を新しく確保して記録装置23に映像データを記録できるようにする。
【0021】
なお、図3の通信障害時の動作を示す説明図では、カメラ端末201、202が同一のアクセスポイント21を介した後は共通の通信経路で記録装置23に映像データを伝送している場合を説明したが、各カメラ端末201、202が記録装置23まで異なるアクセスポイントを介する場合のように異なる通信経路を確保しているときには、他のカメラ端末が記録装置23に正常に記録できていることを確認することで、新たな通信経路を確保できるか判定しても構わない。
【0022】
図4は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。映像伝送装置としてのカメラ端末201は、当初の撮像設定に基づく伝送レートで映像Aを撮像してアクセスポイント21に送信している。同様に、映像伝送装置としてのカメラ端末202も、当初の撮像設定に基づく伝送レートで映像Bを撮像してアクセスポイント21に送信している。なお、カメラ端末201、202の撮像設定は、同一でなくても構わないものとする。
【0023】
ある時点で、カメラ端末201に通信障害が発生すると、カメラ端末201は他のカメラ端末に多重化伝送を要求する制御データを送信し、この例ではカメラ端末202が多重化伝送の要求に応答したものとし、カメラ端末201がカメラ端末202に映像データAを送信するようになる。
【0024】
カメラ端末202は、カメラ端末201からの多重化伝送の要求を受け入れることを応答する制御データを送信すると、カメラ端末201に伝送レートの一部を利用させるため、カメラ端末202自身が撮像する映像データの伝送レートを減らすように撮像設定を変更する。
【0025】
一方、カメラ端末201は、多重化伝送を受け入れたカメラ端末202から多重化伝送の応答する制御データを受信すると、カメラ端末201自身が撮像する映像データの伝送レートを減らすように撮像設定を変更してカメラ端末202へ映像データを送信する。
【0026】
ここで、カメラ端末201、202ともに、撮像設定を変更して映像データの伝送レートを減らすことになるが、カメラ端末201の撮像した映像データの伝送レートとカメラ端末202が減らした伝送レートとの関係は、例えば次のようにすればよい。
【0027】
第1の例としては、多重化伝送を要求するカメラ端末が送信する映像データの伝送レートを所定のレートで決めておき、多重化伝送を受け入れるカメラ端末が自ら撮像する映像データの伝送レートから所定のレート分だけ減らすことで確保して多重化伝送を可能とする。
【0028】
第2の例としては、多重化伝送を受け入れるカメラ端末から要求するカメラ端末に応答する制御データに、受け入れ可能な映像データの伝送レートを指定し、多重化伝送を受け入れるカメラ端末が自ら撮像する映像データの伝送レートから指定したレート分だけ減らすことで確保して多重化伝送を可能とする。
【0029】
次に、通信障害の発生時における多重化伝送を要求する側の映像伝送装置と多重化伝送を要求される側の映像伝送装置の動作について説明する。
【0030】
図5は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生時における多重化伝送を要求する側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送を要求する側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、アクセスポイントへの映像データの通信障害が発生したかを監視する(ステップST101)。ステップST101で通信障害が発生したとき、さらに他の映像伝送装置への映像データの送信は可能か判定する(ステップST102)。ステップST102で他の映像伝送装置への映像データの送信は可能であるとき、他の映像伝送装置へ多重化伝送を要求する制御データを送信する(ステップST103)。他の映像伝送装置から多重化伝送の要求に対して受け入れを応答する制御データを受信したか待機する(ステップST104)。ステップST104で受け入れを応答する制御データを受信したとき、応答した映像伝送装置を送信先として設定して映像データを送信して(ステップ105)、処理を終了する。一方、ステップST101で通信障害が発生していないとき、ステップST102で他の映像伝送装置への映像データの送信は可能でないとき、およびステップST104で受け入れを応答する制御データが受信されないとき、処理を終了する。
【0031】
図6は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生時における多重化伝送を要求される側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送を要求される側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、他の映像伝送装置から多重化伝送の要求を受信したかを監視する(ステップST201)。ステップST201で多重化伝送の要求を受信したとき、多重化伝送の要求の受け入れが可能か判定する(ステップST202)。ステップST202で多重化伝送の要求の受け入れが可能であるとき、多重化伝送を要求した映像伝送装置に多重化伝送の要求に対して受け入れを応答する制御データを送信して(ステップST203)、処理を終了する。ステップST201で多重化伝送の要求を受信していないとき、およびステップST202で多重化伝送の要求の受け入れが可能でないとき、処理を終了する。
【0032】
ここで説明した通信障害の発生時における多重化伝送を要求する側の映像伝送装置と多重化伝送を要求される側の映像伝送装置の処理は、通信状況に応じて継続して実行される。
【0033】
また、通信障害の発生中における多重化伝送を要求した側の映像伝送装置と多重化伝送を要求された側の映像伝送装置の動作について説明する。
【0034】
図7は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生中における多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送を要求した側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、アクセスポイントへの映像データの通信障害が発生しているか監視する(ステップST301)。ステップST301で通信障害が発生していないとき、撮像した映像データを単独でアクセスポイントへ送信して(ステップST302)、処理を終了する。一方、ステップST301で通信障害が発生していたとき、多重化伝送の要求を受け入れて送信先となる映像伝送装置があるか判定する(ステップST303)。ステップST303で送信先となる映像伝送装置がないとき、ステップST302を処理してアクセスポイントへの送信を試みる。一方、ステップST303で送信先となる映像伝送装置があるとき、撮像した映像データを送信先の映像伝送装置へ送信して(ステップST304)、処理を終了する。
【0035】
なお、図7の処理は、正常通信時の映像データの単独伝送の動作を含んでいるが、例えば図5の処理と並行して動作することで、アクセスポイントへの映像データの通信障害が発生したときに多重化伝送を受け入れてもらい、送信先とする映像伝送装置を見つけることができる。
【0036】
図8は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の発生中における多重化伝送を要求された側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送を要求された側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、送信元の映像伝送装置から多重化伝送の要求を受け入れているか判定する(ステップST401)。ステップST401で多重化伝送の要求を受け入れていないとき、撮像した映像データだけを単独でアクセスポイントへ送信して(ステップST402)、処理を終了する。一方、ステップST401で多重化伝送の要求を受け入れているとき、送信元の映像伝送装置から送信された映像データを受信する(ステップST403)。撮像した映像データと受信した映像データを多重化する(ステップST404)。多重化した映像データをアクセスポイントへ送信して(ステップST405)、処理を終了する。
【0037】
ここで説明した通信障害の発生中における多重化伝送を要求した側の映像伝送装置と多重化伝送を要求された側の映像伝送装置の処理は、通信状況に応じて継続して実行される。
【0038】
なお、図8の処理は、正常通信時の映像データの単独伝送の動作を含んでいるが、例えば図6の処理と並行して動作することで、アクセスポイントへの映像データの通信障害が発生して送信できなくなっている他の映像伝送装置を見つけ、多重化伝送を受け入れることができる。
【0039】
ここで、映像伝送装置から伝送された映像データを記録する記録装置の動作について説明する。アクセスポイントを介し、映像データを受信するものとして説明しているが、必ずしもアクセスポイントを介する必要はなく、記録装置が各映像伝送装置から直接受信してもよく、記録装置に通信障害で直接送信できない場合に他の映像伝送装置を介して送信する形態でも構わない。
【0040】
図9は、この発明の実施の形態1に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、記録装置は、送信されてきた映像データをアクセスポイントを介して受信し、あるいは直接受信し、受信した映像データは多重伝送されたものか判定する(ステップST501)。ステップST501で多重伝送されたものであれば、多重化伝送された映像データを映像伝送装置ごとの映像データに分離する(ステップST502)。ステップST501で多重伝送されたものでないとき、またはステップST502で映像伝送装置ごとに映像データを分離したとき、映像伝送装置と映像データを対応付けて記録する(ステップST503)。
【0041】
また、通信障害の回復時における多重化伝送の終了を通知する側の映像伝送装置と多重化伝送の終了を通知される側の映像伝送装置の動作について説明する。
【0042】
図10は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の回復時における多重化伝送の終了を通知する側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送の終了を通知する側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、アクセスポイントへの映像データの通信が回復したか監視する(ステップST601)。ステップST601で映像データの通信が回復したとき、送信先の映像伝送装置へ多重化伝送の終了通知を送信し(ステップST602)、アクセスポイントを送信先に再設定して(ステップST603)、処理を終了する。一方、ステップST601で映像データの通信が回復していないとき、処理を終了する。
【0043】
図11は、この発明の実施の形態1に係る通信障害の回復時における多重化伝送の終了を通知される側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、多重化伝送の終了を通知される側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、送信元の映像伝送装置から多重化伝送の終了通知を受信したか監視する(ステップST701)。ステップST701で多重化伝送の終了通知を受信したとき、送信元の映像伝送装置へ多重化伝送の終了通知に対する応答を送信して(ステップST702)、処理を終了する。一方、ステップST701で多重化伝送の終了通知を受信していないとき、処理を終了する。
【0044】
ここで説明した多重化伝送の終了を通知する側の映像伝送装置と多重化伝送の終了を通知される側の映像伝送装置の処理は、通信状況に応じて継続して実行される。
【0045】
このように、多重化伝送を要求した映像伝送装置は、通信データの通信状態の回復を検知したとき、多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置に対して多重化伝送の終了を通知する制御データを生成して送信し、多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置は、多重化伝送の終了を通知する制御データを受信して多重化伝送を終了する。また、多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置は、多重化伝送の終了時点で、多重化伝送の終了を通知する制御データへ応答する制御データを生成して送信する。なお、通信データの通信状態は、例えば、通信障害発生後、所定の期間の安定性が確認できた時点で回復と判断するようにしてもよい。
【0046】
ただし、多重化伝送を要求した側の映像伝送装置から多重化伝送すべき映像データが一定時間伝送されなくなったとき、多重化伝送の終了と判断するものとすれば、図10の多重化伝送終了の通知および図11の多重化伝送終了の応答は、不要としてもよい。あるいは、同様の判断のもとで、図10の多重化伝送終了の通知は不要とする一方で、図11の多重化伝送終了の応答については、多重化伝送を要求した側の映像伝送装置へ明示的に受け入れの終了を伝えるようにしてもよい。
【0047】
図12は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の変形例を示す説明図である。先に説明した図4では、映像伝送装置としてのカメラ端末202は、映像伝送装置としてのカメラ端末201からの多重化伝送の要求を受け入れることを応答する制御データを送信すると、カメラ端末201に伝送レートの一部を利用させるため、カメラ端末202自身が撮像する映像データの伝送レートを減らすように撮像設定を変更していた。ここでは、各カメラ端末は、カメラ端末自身が撮像する映像データの送信に所定の伝送レート分の余裕を持たせることで、その所定の伝送レートを使用して、他のカメラ端末からの多重化伝送の要求を受け入れる場合を示している。よって、多重化伝送の要求を受け入れるカメラ端末は、カメラ端末自身の撮像設定を変更することなく、多重化伝送を要求したカメラ端末の映像データの多重化伝送に対応することができる。
【0048】
なお、他のカメラ端末で通信障害が発生し、映像データの多重化伝送を要求された時点で、多重化伝送を受け入れるカメラ端末の帯域利用の状況が図12のように空きがあっても不足する場合は、図4のように空きがない場合と同様に、多重化すべき映像データに対して不足する伝送レート分を確保できるように、多重化伝送を受け入れるカメラ端末自身の撮像設定を変更して撮像する映像データの伝送レートを調整することになる。
【0049】
また、映像データの多重化伝送を要求された時点で、多重化伝送を受け入れる映像伝送装置から多重化伝送を要求した映像伝送装置に応答する制御データに、受け入れ可能な映像データの伝送レートを指定する場合について、映像伝送装置の動作の一例を説明する。
【0050】
多重化伝送を受け入れる映像伝送装置の制御部108は、受け入れ可能な多重化すべき映像データの伝送レートを特定して、生成する多重化伝送を要求された映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データに特定した伝送レートを含めて送信部105に送信させるとともに、撮像部102に撮像設定を変更させて撮像する映像データの伝送レートを調整させる。
【0051】
多重化伝送を要求した映像伝送装置の制御部108は、撮像部102の撮像設定を多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置から受信した応答する制御データに含まれる受け入れ可能な伝送レート以下の映像データとなるように撮像させ、多重化伝送の要求に応答した映像伝送装置に対して送信部105に通信データとして送信させる。
【0052】
このように、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置では、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0053】
また、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置では、映像伝送装置の撮像部の撮像設定を変更して、伝送レートを調整することで、多重化処理の際に再調整を不要とし、負荷を軽減することができる。
【0054】
また、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置では、多重化伝送を要求する映像伝送装置が送信する映像データの伝送レートを所定のレートで決めておくことで、多重化伝送を受け入れる映像伝送装置が自ら撮像する映像データの伝送レートから所定のレート分だけ減らすだけで多重化伝送することができる。
【0055】
また、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置では、多重化伝送を受け入れる映像伝送装置が多重化伝送を要求された映像伝送装置に応答する制御データに、受け入れ可能な映像データの伝送レートを指定することで、多重化伝送を受け入れる映像伝送装置が自ら撮像する映像データの伝送レートから指定したレート分だけ減らすだけで多重化伝送することができる。
【0056】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2では、撮像した映像データと多重化を受け入れて受信した映像データとの伝送レートの多重化する際の比率を各端末情報に基づき設定して調整する映像伝送装置について説明する。
【0057】
図13は、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末10bは、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置としてのカメラ端末10aと同様の構成であるレンズ101、撮像部102、アンテナ103、受信部104、送信部105、多重部106、通信状態監視部107、制御部108に加え、端末情報テーブル109を備えている。ここで、制御部108は、撮像部102が撮像した映像データと多重化伝送を要求された映像伝送装置から受信部104が受信する多重化すべき映像データとに対する端末情報テーブル109に記憶された記録優先度に基づいて、受信部104が受信する多重化すべき映像データの伝送レートを特定して、撮像部に撮像設定を変更させて撮像する映像データの伝送レートを調整させる。
【0058】
図14は、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の端末情報テーブルの一例を示す説明図である。図において、端末情報テーブルは、接続される映像伝送装置が撮像する映像データの記録優先度を記憶しており、映像伝送装置としてのカメラ端末名とその端末情報として記録優先度が対応付けられている。ここでは、カメラ端末201〜204の記録優先度を、例えば高、低、低、中として説明する。
【0059】
図15は、この発明の実施の形態2に係る端末情報に基づいて伝送レートの配分を設定する映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末は、撮像した映像データが受信した映像データより記録優先度が高いか判定する(ステップST801)。ステップST801で撮像した映像データが受信した映像データより記録優先度が高いとき、撮像した映像データに受信した映像データより多く伝送レートを配分し(ステップST802)、処理を終了する。一方、ステップST801で撮像した映像データが受信した映像データより記録優先度が高くないとき、撮像した映像データに受信した映像データより少なく伝送レートを配分し(ステップST803)、処理を終了する。
【0060】
ここで、図15で説明した伝送レートの配分設定に基づいて多重化することを除き、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置、記録装置の動作は、図5から図11を適用したこの発明の実施の形態1に係る映像伝送装置、記録装置と同様に説明することができる。
【0061】
図16は、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。先に説明した図4では、多重化伝送を受け入れた映像伝送装置としてのカメラ端末202自身が撮像した映像データに、多重化伝送を要求した映像伝送装置としてのカメラ端末201が撮像した映像データより多く伝送レートを配分しているのに対し、この図16では、カメラ端末202自身が撮像した映像データに、カメラ端末201が撮像した映像データより少なく伝送レートを配分している。
【0062】
すなわち、カメラ端末202は、カメラ端末201、202が撮像する映像データの記録優先度を端末情報テーブルから参照し、カメラ端末202自身が撮像した映像データがカメラ端末201から受信した映像データより記録優先度が高いとき、撮像した映像データに受信した映像データより多く伝送レートを配分し(図15のステップST802に対応)、一方、撮像した映像データが受信した映像データより記録優先度が高くないとき、撮像した映像データに受信した映像データより少なく伝送レートを配分する(図15のステップST803に対応)。
【0063】
ここで、先に説明した図4と同様に、カメラ端末201、202ともに、撮像設定を変更して映像データの伝送レートを減らすことになるが、カメラ端末201の撮像した映像データの伝送レートとカメラ端末202が減らした伝送レートとの関係は、例えば次のように設定すればよい。
【0064】
例えば、多重化伝送を要求するカメラ端末が送信する映像データの伝送レートを記録優先度の組合せごとに所定のレートを決めておき、多重化伝送を受け入れるカメラ端末が自ら撮像する映像データの伝送レートから所定のレート分だけ減らすことで確保して多重化伝送を可能とする。多重化伝送を要求したカメラ端末、応答したカメラ端末が共通の端末情報テーブルを備えていれば、互いに相手を特定することで所定のレートを一意に設定できる。
【0065】
また、記録優先度以外にも、接続される映像伝送装置としての各カメラ端末が相互の撮像能力のパラメータ群を共有して端末情報テーブルに備えることで、互いに相手を特定することで調整すべき伝送レートをパラメータの組み合わせによってさらに微調整することも可能となる。
【0066】
このように、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置と同様に、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0067】
また、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置では、映像伝送装置の撮像部の撮像設定を記録優先度に基づいて変更して、伝送レートを調整することで、記録優先度が高い映像伝送装置の伝送レートを低い映像伝送装置より多く配分して画質劣化を抑えるとともに、多重化処理の際に再調整を不要とし、負荷を軽減することができる。
【0068】
また、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置では、多重化伝送を要求する映像伝送装置が送信する映像データの伝送レートを記録優先度の組合せごとに所定のレートを決めておき、多重化伝送を受け入れる映像伝送装置は自ら撮像する映像データの伝送レートから所定のレート分だけ減らすだけで多重化伝送することができる。
【0069】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3では、伝送レートを調整しきれていない撮像した映像データと多重化を受け入れて受信した映像データとについて伝送レートの調整を行う調整部を備えた映像伝送装置について説明する。
【0070】
図17は、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末10cは、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置としてのカメラ端末10bと同様の構成であるレンズ101、撮像部102、アンテナ103、受信部104、送信部105、多重部106、通信状態監視部107、制御部108、端末情報テーブル109に加え、映像データの伝送レートを調整する調整部110を備えている。ここで、制御部108は、多重化する撮像部102が撮像した映像データと受信部104が受信する多重化すべき映像データの各伝送レートを特定して多重部106に通知する。多重部106は、多重化する撮像部102が撮像した映像データまたは受信部104が受信した多重化すべき映像データの各伝送レートが制御部108から通知された伝送レートより大きいとき、通知された伝送レートに収まるように調整部110に調整させ、調整された映像データを多重化する。
【0071】
なお、調整部110による映像データの調整は、受信部104が受信した通信データに含まれる多重化すべき映像データに対してではなく、撮像部102が撮像した映像データに適用してもよいし、両方の映像データに適用してもよい。
【0072】
また、多重化伝送を受け入れたカメラ端末の撮像部102が撮像した映像データ、あるいは多重化伝送を要求したカメラ端末の撮像部102が撮像して受信された映像データは、各カメラ端末における撮像設定による最初の伝送レートの調整の有無によらず、その時点で調整が必要であれば、多重部106は制御部108に指定された調整を調整部110に実行させる。すなわち、予め調整された映像データが多重部106に入力された場合に微調整するだけではなく、未調整の映像データがそのまま多重部106に入力されても指定された伝送レートに調整できる。
【0073】
図18は、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の構成の一例を示すブロック構成図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末の調整部110は、伸長部1101、フレーム間引き部1102、解像度変換部1103、再圧縮部1104を備えている。
【0074】
伸長部1101は、多重部106に送られた圧縮された映像データを伸長する。フレーム間引き部1102は、多重部106に送られた映像データのフレームを間引く。解像度変換部1103は、多重部106に送られた映像データの解像度を変換する。再圧縮部1104は、伸長部1101が伸長した映像データを再圧縮する。なお、フレーム間引き部1102は、圧縮された映像データの仕様によって、フレーム間参照があり伸長してからフレームを間引く場合(例えばMPEG)と、フレーム間参照がなく伸長することなくフレームを間引ける場合(例えばMotion−JPEG)とがある。
【0075】
このような調整部110を設けることによって、例えば、多重化伝送を要求する映像伝送装置と受け入れる映像伝送装置の少なくとも一方の撮像部102の撮像設定が変更できないとき、多重部106が多重化する段階で未調整の映像データの伝送レートを調整することに対応する。また、撮像設定が変更できても細かい調整までできないとき、多重部106が多重化する段階で映像データの伝送レートを追加調整することに対応する。
【0076】
この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置、記録装置の動作は、図5から図11および図15を適用したこの発明の実施の形態2に係る映像伝送装置、記録装置と同様に説明することができる。ここで、調整部の動作の一例は、図8のステップST404に示される多重部が撮像した映像データと受信した映像データを多重化する段階で、次のように説明できる。
【0077】
図19は、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の多重部の動作の一例を示すフローチャートである。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末の多重部は、受信した映像データを撮像した映像データに多重化しても伝送レート以内か判定する(ステップST901)。ステップST901で伝送レート以内でないとき、映像データの伝送レートを調整部に調整させる(ステップST902)。ステップST901で伝送レート以内であったとき、およびステップST902で映像データの伝送レートを調整したとき、映像データを多重化する(ステップST903)。
【0078】
図20は、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、フレーム間参照があるため、伸長してからフレームを間引かなければならない映像データの調整について説明する(例えばMPEG形式)。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末の調整部は、受信した映像データを伸長する(ステップST1001a)。伸長した映像データのフレームを間引く(ステップST1002a)。間引いた映像データを解像度変換する(ステップST1003a)。解像度変換した映像データを再圧縮する(ステップST1004)。
【0079】
図21は、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の調整部の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、フレーム間参照がないため、伸長することなくフレームを間引くことのできる映像データの調整について説明する(例えばMotion−JPEG形式)。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末の調整部は、受信した映像データのフレームを間引く(ステップST1002b)。間引いた映像データを伸長する(ステップST1001b)。伸長した映像データを解像度変換する(ステップST1003b)。解像度変換した映像データを再圧縮する(ステップST1004)。
【0080】
なお、映像伝送装置としてのカメラ端末の調整部110が行う調整において、伸長と再圧縮、間引き、解像度変換のうち、一部を適用しない任意の調整を行ってもよい。この場合、伸長部1101、フレーム間引き部1102、解像度変換部1103、再圧縮部1104のうち、適用されないものは休止する。
【0081】
また、映像伝送装置としてのカメラ端末の調整部110が伸長部1101、フレーム間引き部1102、解像度変換部1103、再圧縮部1104を備えるものとして説明したが、機能の対応状況によっては一部の構成を備えない、例えば、次のような調整部110の構成も考えられる。解像度変換を適用した調整に対応しなくてよい場合は、解像度変換部1103を備えない調整部110としてもよく、このとき図20および図21のフローチャートから解像度変換のステップST1003を削除する。また、間引きを適用した調整に対応しなくてよい場合は、フレーム間引き部1102を備えない調整部110としてもよく、このとき図20および図21のフローチャートから間引きのステップST1002を削除する。さらに、フレーム間参照がなく伸長することなくフレームを間引く映像データの調整だけできればよい場合は、伸長部1101、解像度変換部1103、再圧縮部1104を備えず、フレーム間引き部1102のみ備える調整部110としてもよく、このとき図21のフローチャートから伸長、解像度変換、再圧縮のステップST1001b、ST1003b、ST1004bおよび図20を削除する。その他にも、間引きと解像度変換には対応せず、伸長部1101と再圧縮部1104のみ備え、伸長して再圧縮の際に量子化の設定などによりレートを制御する調整部110なども調整部の調整の範囲内である。
【0082】
なお、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置と同様に端末情報テーブルがある構成として説明したが、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置と同様に端末情報テーブルがない構成としても構わない。この構成では、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置としてのカメラ端末、記録装置の動作は、図19から図21で説明した調整部および図5から図11を適用したこの発明の実施の形態1に係る映像伝送装置としてのカメラ端末、記録装置と同様に説明することができる。
【0083】
また、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置では、レンズおよび撮像部を備えたカメラ端末として説明したが、カメラ端末のようなレンズおよび撮像部を備えず、外部から直接受け取った映像データの伝送レートを調整部によって調整し、他の映像伝送装置から受信し、必要ならば伝送レートを調整した映像データと多重化伝送する構成としても構わない。
【0084】
このように、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1および実施の形態2に係る映像伝送装置と同様に、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0085】
また、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置と同様に、映像伝送装置の撮像部の撮像設定を記録優先度に基づいて変更して、伝送レートを調整することで、記録優先度が高い映像伝送装置の伝送レートを低い映像伝送装置より多く配分して画質劣化を抑えることができる。
【0086】
また、この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1および実施の形態2に係る映像伝送装置のように、映像伝送装置の撮像部の撮像設定を変更して伝送レートを調整するだけでは対応しきれない細かい伝送レートの調整をすることができ、伝送レートをより効率的に利用することができる。
【0087】
実施の形態4.
この発明の実施の形態4では、通信に障害が発生して要求した多重化伝送に対し、要求を受け入れた1つ以上の映像伝送装置と連携して映像データを多重化伝送する映像伝送装置について説明する。
【0088】
この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置のブロック図は、図1、図13または図17に示した映像伝送装置のブロック図と同様である。ここで、制御部108は、多重化伝送の要求に受け入れを応答した複数の映像伝送装置を送信先として撮像部102が撮像した映像データを振り分けて送信部105に通信データとして送信させる。すなわち、制御部108は、アクセスポイントへの通信に障害が発生して、映像データの多重化伝送の要求が複数の映像伝送装置に受け入れてもらえた場合に、受け入れた映像伝送装置に送信する映像データの伝送レートを配分して多重部106に指定し、多重部106は、撮像部102自身が撮像した映像データを制御部108が指定した伝送レートに分割し、配分された伝送レートの各映像データを対応する映像伝送装置へ送信部105に送信させる。配分された映像データに対して、さらに伝送レートの調整が必要であれば、送信前に図17に示した映像伝送装置の調整部110により調整を行ってもよい。また、この配分された伝送レートの各映像データを受信した映像伝送装置は、すでに説明したように、映像データを多重化して送信する。なお、多重化伝送の要求を受け入れる映像伝送装置は、3つ以上でも構わない。
【0089】
なお、多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置が複数あるとき、多重部が制御部の指示に従って送信先の映像伝送装置ごとに映像データを分割するものとして説明したが、撮像部が制御部の指示に従って映像データを分割するようにしてもよい。
【0090】
図22は、この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の通信障害時の動作の一例を示す説明図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末201は、アクセスポイント21との通信に障害(図中、“×”印で示す)が発生し、多重化伝送を要求して2つの映像伝送装置としてのカメラ端末202、203に受け入れられたときの通信を示している。記憶装置23は、2つのカメラ端末から受信した多重化された映像データをそれぞれカメラ端末対応に分離し、カメラ端末201の映像は合成することで、3つのカメラ端末の映像データを再生成する。
【0091】
図23は、この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末201は、ある時点でアクセスポイント21への通信に障害が発生し、多重化伝送を要求して受け入れた2つの映像伝送装置としてのカメラ端末202、203にカメラ端末201自身が撮像した映像データを配分して送信する。なお、この図23では、図12に示したように伝送レートに空きがある場合について説明したが、例えば図4のように伝送レートに空きはなく、撮像設定の変更や調整部による伝送レートの調整を行う場合についても同様に適用できることは自明である。
【0092】
この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置、記録装置の動作は、この発明の実施の形態1ないしこの発明の実施の形態3に係る映像伝送装置、記録装置から採用した実施の形態における構成に対応して同様に説明することができるが、図7で説明した多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作、図9で説明した記録装置の動作については、映像データの分割と合成に対応して次のように置き換えて説明できる。
【0093】
図24は、この発明の実施の形態4に係る多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートである。図7に示したこの発明の実施の形態1に係る多重化伝送を要求した側の映像伝送装置の動作の一例を示すフローチャートに対し、ステップST305とステップST306が追加されている。図において、多重化伝送を要求した側の映像伝送装置としてのカメラ端末は、追加した部分について説明すると、ステップST303で送信先となる映像伝送装置があるとき、多重化伝送の要求を受け入れて送信先となる映像伝送装置が複数あるか判定する(ステップST305)。ステップST305で送信先となる映像伝送装置が複数あるとき、送信先の映像伝送装置ごとに映像データを分割する(ステップST306)。ステップST305で送信先となる映像伝送装置が複数はなく1つのみのとき、またはステップST306で複数の送信先の映像伝送装置ごとに映像データを分割したとき、撮像した映像データまたは撮像して複数の送信先の映像伝送装置ごとに分割した映像データを送信先の映像伝送装置へ送信して(ステップST304)、処理を終了する。
【0094】
図25は、この発明の実施の形態4に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートである。図9に示したこの発明の実施の形態1に係る記録装置の動作の一例を示すフローチャートに対し、ステップST504とステップST505が追加されている。図において、追加した部分について説明すると、記録装置は、ステップST501で多重伝送されたものでないとき、またはステップST502で映像伝送装置ごとに映像データを分離したとき、映像データは分割伝送されたものか判定する(ステップST504)。ステップST504で分割伝送されたものであるとき、分割された映像データを映像伝送装置ごとの映像データに合成する(ステップST505)。ステップST504で分割伝送されたものでないとき、またはステップST505で映像伝送装置ごとの映像データに合成したとき、映像伝送装置と映像データを対応付けて記録する(ステップST503)。
【0095】
このように、この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1ないし実施の形態3に係る映像伝送装置と同様に、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0096】
実施の形態5.
この発明の実施の形態5では、通信障害の発生に備えて、複数の映像伝送装置が常時連携して映像データを多重化伝送する映像伝送装置について説明する。
【0097】
この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置のブロック図は、図1、図13または図17に示した映像伝送装置のブロック図と同様であるが、多重部106は、撮像部102自身が撮像した映像データを2つに分割し、一方の映像データを送信部105に他方の映像伝送装置へ送信させ、他方の映像データを他方の映像伝送装置から受信部104が受信した映像データと多重化して送信部105にアクセスポイントへ送信させる。配分された映像データに対して、さらに伝送レートの調整が必要であれば、送信前に図17に示した映像伝送装置の調整部110により調整を行ってもよい。
【0098】
図26は、この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置の動作の一例を示す説明図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末201、202は、撮像した映像データを相互に送信し合って多重化伝送を行うことで、一方のカメラ端末からアクセスポイント21への通信に障害が発生しても、他方のカメラ端末から多重化された映像データが伝送されることでリアルタイム性を確保する。記憶装置23は、2つのカメラ端末から受信した多重化された映像データをそれぞれカメラ端末対応に分離して合成することで元の映像データを再生成する。なお、ここでは二者間のカメラ端末の連携について説明したが、三者以上のカメラ端末で連携しても構わない。
【0099】
図27は、この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置の通信障害前後の帯域利用の一例を示す説明図である。図において、映像伝送装置としてのカメラ端末201、202は、撮像した映像データの伝送レート分の半分を他方のカメラ端末に送信し、その送信された映像データの伝送レート分の半分とカメラ端末自身が撮像した映像データの伝送レート分の半分を多重化した映像データがアクセスポイント21へ送信される。ある時点でカメラ端末201からアクセスポイント21への通信に障害が発生したとしても、カメラ端末201が撮像した半分の伝送レートの映像データは、カメラ端末202を介してアクセスポイント21から記録装置23へ送信されることが保証される。カメラ端末が撮像した映像データの伝送レートの配分は、例えばフレームを交互に配分することで、フレームレートが半分の映像データとして分割してもよい。また、他のカメラ端末に依頼する映像データの伝送レートの配分は半分でなくてもよく、例えば所定の伝送レートを決めておいてもよいし、また映像データの記録優先度により決めてもよい。
【0100】
この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置、記録装置の動作は、この発明の実施の形態1ないしこの発明の実施の形態4に係る映像伝送装置、記録装置から採用した実施の形態における構成に対応して同様に説明することができるが、アクセスポイントへの映像データの伝送に通信障害が発生していないときにも、他の映像伝送装置と常時連携して映像データを多重化伝送する点が異なる。
【0101】
このように、この発明の実施の形態5に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1ないし実施の形態4に係る映像伝送装置と同様に、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0102】
実施の形態6.
この発明の実施の形態6では、通信に障害が発生した際に、他の映像伝送装置に多重化伝送を要求する映像伝送装置について説明する。ここでは、通信に障害が発生した他の映像伝送装置からの多重化伝送の要求を受け入れる機能は備えない映像伝送装置とする。
【0103】
図28は、この発明の実施の形態6に係る映像伝送装置の構成の一例を示すブロック図である。図において、図1に示したこの発明の実施の形態1に係る映像伝送装置としてのカメラ端末の構成に対し、この発明の実施の形態6に係る映像伝送装置としてのカメラ端末は、多重部106を備えない構成を採用している点で異なる。
【0104】
すなわち、映像データを撮像する撮像部102、通信データを受信する受信部104、通信データを送信する送信部105と、送信部が送信した通信データの通信状態を監視する通信状態監視部107は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置と同様に動作する。この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置が、通信に障害が発生した際に、他の映像伝送装置に多重化伝送を要求する映像伝送装置としてのみ動作するように、制御部108は、撮像部102が撮像した映像データを送信部105に通信データとして送信させ、通信状態監視部107が監視した通信データの通信状態に障害が発生したとき、他の映像伝送装置に対して撮像部102が撮像した映像データの多重化伝送を要求する制御データを生成して送信部105に通信データとして送信させ、映像データの多重化伝送を要求する制御データに対して受信部104が受信した多重化伝送の受け入れを応答する制御データから特定される映像伝送装置を送信先に変更して撮像部102が撮像した映像データを送信部105に通信データとして送信させる。
【0105】
よって、この映像伝送装置自体が撮像した映像データがアクセスポイントに送信できないとき、他の映像伝送装置に多重化伝送を要求し、多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置に映像データを送信する一方で、他の映像伝送装置からの映像データの多重化伝送は引き受けることなく運用される映像伝送装置として動作する。
【0106】
このように、この発明の実施の形態6に係る映像伝送装置では、この発明の実施の形態1ないし実施の形態4に係る映像伝送装置と同様に、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して伝送可能な通信経路から映像データを多重化伝送してもらうことで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0107】
なお、この発明の実施の形態に係る映像伝送装置の構成を示すブロック図として示した図1、図13、図17および図28において、レンズ101、撮像部102を映像伝送装置の外部に備えることで、映像伝送装置の制御部から外部の撮像部が撮像設定の変更に対応していれば制御信号を出力し、撮像された映像データを映像伝送装置が受け取るように構成しても同様の効果を得ることができる。
【0108】
以上のように、この発明に係る映像伝送装置によれば、通信障害で映像データが所定の通信経路で伝送できなくなったときに、他の映像伝送装置と連携して映像データを多重化伝送することで、映像データ通信のリアルタイム性を確保することができる。
【0109】
また、この発明に係る映像伝送装置によれば、監視業務に運用した場合に、特定の映像伝送装置とアクセスポイントまたは記録装置の間に通信障害が発生しても、他の映像伝送装置と連携して通信可能な通信経路を確立できるので、映像データ通信のリアルタイム性が確保され、監視業務に支障をきたさないようにすることができる。
【符号の説明】
【0110】
10a、10b、10c、10d 映像伝送装置(カメラ端末)、101 レンズ、102 撮像部、103 アンテナ、104 受信部、105 送信部、106 多重部、107 通信状態監視部、108 制御部、109 端末情報テーブル、110 調整部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データを撮像する撮像部と、
通信データを受信する受信部と、
通信データを送信する送信部と、
前記撮像部が撮像した映像データを前記送信部に送出し、前記受信部が通信データとして多重化伝送の要求を受け入れた映像伝送装置から送信された多重化すべき映像データを受信したとき、前記撮像部が撮像した映像データと前記多重化すべき映像データとを多重化し、多重化した映像データを前記送信部に送出する多重部と、
前記多重部が送出した映像データを前記送信部に通信データとして送信させ、前記受信部が通信データとして他の映像伝送装置から映像データの多重化伝送を要求する制御データを受信したとき、映像データの多重化伝送の受け入れが可能であれば、多重化伝送を要求された映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データを生成して前記送信部に通信データとして送信させる制御部と
を備えた映像伝送装置。
【請求項2】
接続される映像伝送装置が撮像する映像データの記録優先度を記憶する端末情報テーブル
を備え、
前記制御部は、前記撮像部が撮像した映像データと前記多重化伝送を要求された映像伝送装置から前記受信部が受信する前記多重化すべき映像データとに対する前記端末情報テーブルに記憶された記録優先度に基づいて、前記受信部が受信する前記多重化すべき映像データの伝送レートを特定して、前記撮像部に撮像設定を変更させて撮像する映像データの伝送レートを調整させる
ことを特徴とする請求項1に記載の映像伝送装置。
【請求項3】
前記制御部は、受け入れ可能な多重化すべき映像データの伝送レートを特定して、生成する前記多重化伝送を要求された映像伝送装置に対して受け入れを応答する制御データに前記特定した伝送レートを含めて前記送信部に送信させるとともに、前記撮像部に撮像設定を変更させて撮像する映像データの伝送レートを調整させる
ことを特徴とする請求項1に記載の映像伝送装置。
【請求項4】
映像データの伝送レートを調整する調整部
を備え、
前記制御部は、多重化する前記撮像部が撮像した映像データと前記受信部が受信する前記多重化すべき映像データの各伝送レートを特定して前記多重部に通知し、
前記多重部は、多重化する前記撮像部が撮像した映像データまたは前記受信部が受信した前記多重化すべき映像データの各伝送レートが前記通知された伝送レートより大きいとき、前記通知された伝送レートに収まるように前記調整部に調整させ、調整された映像データを多重化する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の映像伝送装置。
【請求項5】
前記送信部が送信した通信データの通信状態を監視する通信状態監視部
を備え、
前記制御部は、前記通信状態監視部が監視した通信データの通信状態に障害が発生したとき、他の映像伝送装置に対して前記撮像部が撮像した映像データの多重化伝送を要求する制御データを生成して前記送信部に通信データとして送信させ、前記映像データの多重化伝送を要求する制御データに対して前記受信部が受信した多重化伝送の受け入れを応答する制御データから特定される映像伝送装置を送信先に変更して前記撮像部が撮像した映像データを前記送信部に通信データとして送信させる
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の映像伝送装置。
【請求項6】
映像データを撮像する撮像部と、
通信データを受信する受信部と、
通信データを送信する送信部と、
前記送信部が送信した通信データの通信状態を監視する通信状態監視部と、
前記撮像部が撮像した映像データを前記送信部に通信データとして送信させ、前記通信状態監視部が監視した通信データの通信状態に障害が発生したとき、他の映像伝送装置に対して前記撮像部が撮像した映像データの多重化伝送を要求する制御データを生成して前記送信部に通信データとして送信させ、前記映像データの多重化伝送を要求する制御データに対して前記受信部が受信した多重化伝送の受け入れを応答する制御データから特定される映像伝送装置を送信先に変更して前記撮像部が撮像した映像データを前記送信部に通信データとして送信させる制御部と
を備えた映像伝送装置。
【請求項7】
前記制御部は、多重化伝送の要求に受け入れを応答した複数の映像伝送装置を送信先として前記撮像部が撮像した映像データを振り分けて前記送信部に通信データとして送信させる
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の映像伝送装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記撮像部の撮像設定を多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置から受信した応答する制御データに含まれる受け入れ可能な伝送レート以下の映像データとなるように撮像させ、前記多重化伝送の要求に応答した映像伝送装置に対して前記送信部に通信データとして送信させる
ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれかに記載の映像伝送装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記通信状態監視部が監視した通信データの通信状態の回復を検知したとき、前記多重化伝送の要求に受け入れを応答した映像伝送装置に対して多重化伝送の終了を通知する制御データを生成して前記送信部に通信データとして送信させる
ことを特徴とする請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の映像伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−175248(P2012−175248A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33201(P2011−33201)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】