説明

映像信号処理装置及び映像信号処理方法

【課題】映像と映像に関するサブ情報を表示する際、縮小した映像の大きさによって、サブ情報の表示方法をユーザが選択することができる映像信号処理装置及び映像信号処理方法を提供する。
【解決手段】映像とこの映像に関するサブ情報を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理装置であって、リモコンから映像の縮小指示があった場合、映像の縮小率を認識する状態管理手段32と、状態管理手段32によって認識された映像の縮小率に基づき受信した映像を縮小表示させる映像処理手段13と、縮小率に応じて映像に関するサブ情報の表示方法を変更する字幕処理手段14とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、映像とこの映像に関するサブ情報を処理する映像信号処理装置及び映像信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主にいくつかのアナログおよびデジタル番組とこの番組に関わるサブ情報を同時に、表示手段上に処理および表示することのできる映像信号処理装置が知られている。このサブ情報は表示される番組に関する情報であって、文字多重データ(closed caption)を含み、一般的には、放送波に重畳されて送られる。
【0003】
このような映像信号処理装置では、多画面表示機能が備えられ、ユーザが親画面で主たる番組を見ている間でもPIP(picture in picture)のような子画面で他のチャンネルの内容をモニターし、その子画面に示される番組に関するサブ情報を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−234587号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多画面表示機能が備えられた映像信号処理装置において、例えば、子画面に示される番組に関するサブ情報(字幕情報等)を、子画面内に最適な表示文字サイズで表示させるためには、画面の空き領域を検出してサブ情報のサイズを変更する必要がある。しかしながら、この場合、空き領域が小さくなるとサブ情報の文字サイズも小さくなり、ユーザにとって読みにくくなるという課題がある。
【0006】
この発明の目的は、映像と映像に関するサブ情報を表示する際、縮小した映像の大きさによって、サブ情報の表示方法をユーザが選択することができる映像信号処理装置及び映像信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る映像信号処理装置は、映像とこの映像に関するサブ情報を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理装置であって、外部から前記映像の縮小指示があった場合、前記映像の縮小率を認識する状態管理手段と、前記状態管理手段によって認識された前記映像の縮小率に基づき受信した前記映像を縮小表示させる映像処理手段と、前記縮小率に応じて前記映像に関する前記サブ情報の表示方法を変更する字幕処理手段とを有する。
【0008】
また、他の実施形態に係る映像信号処理方法は、映像とこの映像に関するサブ情報を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理方法であって、外部から前記映像の縮小指示があった場合、前記映像の縮小率を認識する工程と、認識された前記映像の縮小率に基づき受信した前記映像を縮小表示させる工程と、前記縮小率に応じて前記映像に関する前記サブ情報の表示方法を変更する工程とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態の映像信号処理装置の一例を示すブロック構成図である。
【図2】字幕表示のモードを選択する画面を示す図。
【図3】図2で選択した字幕表示のモードと映像表示の縮小率の組み合わせで、字幕表示の方法の一例を示す図。
【図4】図3の字幕表示方法を判断するフローチャート。
【図5】他の実施形態の映像信号処理装置の一例を示すブロック構成図である。
【図6】図5の映像信号処理装置における画面表示の一例を示す図である。
【図7】他の実施形態として2つの映像両方に字幕を表示する例を示す。
【図8】図6の字幕表示方法を判断するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る映像信号処理装置の一例を示すブロック構成図である。
図1に示す映像信号処理装置には、マイクロコンピュータブロック30と、アンテナから映像・音声信号を受信するチューナ11と、チューナ11で受信された映像信号、音声信号をデコードするデコーダ12と、デコーダ12によってデコード処理された信号に対して映像の表示画格等を処理するとともに、映像を拡大縮小するスケーリング機能を有する映像・音声処理部13と、チューナ11からサブ情報の例として字幕情報を抽出しデコードして字幕表示グラフィックスを生成する字幕処理部14と、字幕処理部14からの出力信号に基づいて字幕プレーンを生成する字幕プレーン生成部15と、映像・音声処理部13からの出力信号に基づいて映像プレーンを生成する映像プレーン生成部16と、GUI制御部33からの出力信号に基づいてGUIプレーンを生成するGUIプレーン生成部17と、それぞれの生成部で生成された字幕プレーン、映像プレーン、GUIプレーンを合成するVミキシング部18と、Vミキシング部18で合成された信号と、映像・音声処理部13で処理された音声信号を合成してモニタするモニタ20とを有する。なお、マイクロコンピュータブロック30は、MPU(マイクロプロセッシングユニット)またはCPU(セントラルプロセッシングユニット)を内蔵しており、リモートコントローラ等からなるキー操作入力部3から送出され図示しない受光モジュールを介して受信した操作情報を受けて、その操作内容が反映されるように各回路をそれぞれ制御する。また、主として、そのCPUが実行する制御プログラムを格納したROM31a(read only memory)と、該CPUに作業エリアを提供するRAM31b(random access memory)とを含み、さらにキー操作入力部3からの信号を受信する状態管理部32と、GUI(グラフィカルユーザインターフェース)を制御するGUI制御部33とを有している。
【0011】
図2は、ユーザが字幕表示のモードを選択する画面の例を示した図である。
図2に示した字幕表示設定画面では、設定1から設定3の3種類が表示されユーザによって選択可能となっている。例えば、ここでの設定1は字幕表示を優先して読みやすくするためのモードである。設定2は字幕以外の情報を優先するためのモードである。設定3は縮小率に応じて字幕表示を自動で切り替えるモードである。図2では設定1が選択されている状態を表している。
【0012】
図3は、図2で選択した字幕表示のモードと映像表示の縮小率の組み合わせで、字幕表示の方法の例を示した図である。
図3には、設定1から設定3のそれぞれのモードに応じて、次に示すような表示形態のときの字幕表示が示されている。表示形態の例として、映像がフル画面で表示される場合と、映像とGUIが組み合わされた場合で映像が(縮小率>x%)で縮小表示される場合と、映像が(縮小率≦x%)で縮小表示される場合が示されている。なお、x%は例えば50%を閾値とし、ここでいう縮小率とは、元の映像のサイズ(フル画面サイズ)に対する割合のことである。例えば、縮小率80%とした場合には、元の映像のサイズに対して20%縮小したサイズとなる。
【0013】
ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定1のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合にはフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像が(縮小率>x%)で縮小表示される場合には、字幕情報を優先して字幕情報がフル画面の時と同じ大きさで表示される。さらに、映像が(縮小率≦x%)で縮小表示される場合には、同様に字幕情報を優先して字幕情報がフル画面の時と同じ大きさで表示される。これにより、縮小された映像に合わせて字幕情報は小さくならず、ユーザにとっては見やすくなる。
【0014】
次に、ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定2のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合には設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像が縮小率>x%で縮小表示される場合には、今度はGUIを優先して字幕情報が映像の縮小と同じ縮小率で表示される。さらに、映像が縮小率≦x%で縮小表示される場合には、字幕情報が表示されない。映像縮小により、映像の縮小率に合わせて字幕を小さくすると、字幕が読めなくなるため字幕を表示しないようにする。
【0015】
次に、ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定3のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合には設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像が縮小率>x%で縮小表示される場合には、設定2と同じようにGUIを優先して字幕情報が映像の縮小と同じ縮小率で表示される。さらに、映像が縮小率≦x%で縮小表示される場合には、設定1と同じように字幕情報を優先して字幕情報がフル画面の時と同じ大きさで表示される。
【0016】
従って、ユーザが図2の字幕表示設定画面から設定1乃至設定3のモードを選択することで、映像の表示サイズに応じて字幕情報を優先して表示させたり、GUIを優先して表示させたりすることが可能となる。
【0017】
図4は、図3の字幕表示方法を判断するフローチャートである。
まず、ユーザは現在の映像の表示サイズから好みの表示サイズに変更するのにキー入力操作部3(リモコン)を介して選択し決定する。この選択によって、状態管理部32はユーザが選択した表示サイズを認識し、映像・音声処理部13に通知する。
【0018】
映像・音声処理部13は、状態管理部32からの通知によって元の映像の表示サイズが変更されたか否かを認識する。表示サイズが変更されていない場合には(ST1のN)、変更されるまで繰り返す。また表示サイズが変更されたと認識した場合には(ST1のY)、自身の持つスケーリング機能でデコーダ12から出力された映像信号から表示サイズ(横幅、高さ)を取得し、縮小率を算出する(ステップST3)。具体的には、横幅の縮小率は、(ユーザが選択した)表示サイズ(横幅)/元の表示サイズ(横幅)として算出され、また高さの縮小率は、(ユーザが選択した)表示サイズ(高さ)/元の表示サイズ(高さ)として算出される。これにより、実際に表示する映像の表示サイズと縮小率を認識することができる。
【0019】
次に、映像・音声処理部13は縮小率50%(閾値)を基準にして表示サイズの縮小率を比較する(ステップST5)。
ステップST5において、映像・音声処理部13は横幅の縮小率=100%、且つ、高さの縮小率=100%と判断した場合、映像が元の表示サイズに合った字幕で表示させる。具体的に、映像・音声処理部13は元の映像が縮小されない場合にはフル画面表示とするように映像プレーン生成部16に指示する。この指示に基づいて、映像プレーン生成部16は元の映像が縮小されない(フル画面表示用の)映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像が元の表示サイズ(フル画面表示)に合った字幕を表示させるよう指示する。この指示に基づいて、字幕処理部14は元の表示サイズに合った字幕プレーンを生成するよう字幕プレーン生成部16に通知し、字幕プレーン生成部16は字幕プレーンを生成させる。生成された映像プレーンと字幕プレーンはVミキシング部18によって合成され、映像が元の表示サイズに合った字幕がモニタ20に表示される(ステップST7)。尚、字幕の文字サイズは映像がフル画面のときと同じである。
【0020】
また、ステップST5において、映像・音声処理部13は横幅の縮小率>x%、且つ、高さの縮小率>x%(縮小率が閾値x%よりも大きく(50%<x<100%))と判断した場合(ステップST5)、次にユーザが選択した字幕表示設定が何であるかを認識する。ユーザの字幕表示設定が設定1であると判断した場合(ステップST9)、映像が元の表示サイズに合った字幕で表示させる。具体的に、映像・音声処理部13は映像プレーン生成部16に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16は映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し字幕をフル画面と同じ大きさで表示するよう指示し、字幕処理部14から字幕プレーン生成部15を介して字幕プレーンを生成させる。さらに、GUI制御部33はキー操作入力部3の操作からGUIの表示サイズを認識し、GUIプレーン生成部17にGUIプレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーン、字幕プレーンとGUIプレーンはVミキシング部18にて合成され、映像が元の表示サイズに合った字幕がモニタ20に表示される(ステップST7)。
【0021】
また、映像・音声処理部13はユーザの字幕表示設定が設定2または設定3であると判断した場合(ステップST9)、映像のサイズに合わせて字幕を縮小表示させる。具体的には、映像・音声処理部13は映像プレーン生成部16に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16は映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像の縮小率に応じて字幕も映像と同じ縮小率で表示するよう指示し、字幕処理部14から字幕プレーン生成部15を介して字幕プレーンを生成させる。さらに、GUI制御部33はキー操作入力部3の操作からGUIの表示サイズを認識し、GUIプレーン生成部17にGUIプレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーン、字幕プレーンとGUIプレーンはVミキシング部18にて合成され、字幕は映像の縮小と同じ縮小率でモニタ20に表示される(ステップST11)。
【0022】
次に、ステップST5において、映像・音声処理部13は横幅の縮小率≦x%、且つ、高さの縮小率≦x%(縮小率が閾値x%以下(x≦50%)と判断した場合(ステップST5)、次にユーザの字幕表示設定が何であるかを認識する。ユーザの字幕表示設定が設定1または設定3であると判断した場合(ステップST13)、映像が元の表示サイズに合った字幕で表示させる。具体的な動作については、上述したステップST7の動作と同じである。
【0023】
また、映像・音声処理部13はユーザの字幕表示設定が設定2であると判断した場合(ステップST13)、字幕を表示させない。具体的には、映像・音声処理部13は映像プレーン生成部16に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16は映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し字幕を表示しないよう指示し、字幕プレーン生成部15で字幕プレーンを生成しない。さらに、GUI制御部33はキー操作入力部3の操作からGUIの表示サイズを認識し、GUIプレーン生成部17にGUIプレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーンとGUIプレーンはVミキシング部18にて合成されモニタ20に表示されるが、字幕は表示されない(ステップST15)。すなわち、映像縮小により映像の縮小率に合わせて字幕を小さくすると、字幕が読めなくなるため字幕をあえて表示しないようにしている。
【0024】
次に、本発明の一実施形態に係る映像信号処理装置の一例を示すブロック構成図を図5に示す。尚、図1と同じ構成箇所には同じ符号を付してあり、説明を省略する。
【0025】
図5に示す映像信号処理装置は、図1と比べてチューナ21、デコーダ22、映像・音声処理部23、字幕プレーン24、映像プレーン25が追加されている。すなわち、チューナ11に入力された映像1、音声1信号はデコーダ12、映像・音声処理部13、字幕処理部14、字幕プレーン15、映像プレーン16、GUIプレーン17を経由して合成され、またチューナ21に入力された映像2、音声2信号はデコーダ22、映像・音声処理部23、字幕処理部14、字幕プレーン24、映像プレーン25を経由して合成され、2つの映像を処理できる仕組みになっている。
【0026】
図6は、図2で選択した字幕表示のモードと映像表示の縮小率の組み合わせで、字幕表示の方法の例を示した図である。図3と異なるところは、GUIではなく映像が2つ表示される点である。
【0027】
図6には、設定1から設定3のそれぞれのモードに応じて、次に示すような表示形態のときの字幕表示が示されている。表示形態の例として、映像がフル画面で表示される場合と、映像1+映像2の2画面表示でフォーカス対象の映像1の映像が(縮小率>x%)で縮小表示される場合と、映像1の映像が(縮小率≦x%)で縮小表示される場合が示されている。なお、x%は例えば50%を閾値とし、ここでいう縮小率とは、元の映像のサイズ(フル画面サイズ)に対する割合のことである。例えば、縮小率80%とした場合には、元の映像のサイズに対して20%縮小したサイズとなる。
【0028】
ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定1のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合にはフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像1が(縮小率>x%)で縮小表示される場合には、映像縮小時は字幕表示を優先して字幕がフル画面と同じ大きさで表示される。さらに、映像1が(縮小率≦x%)で縮小表示される場合には、同様に映像縮小時、字幕表示を優先して字幕がフル画面と同じ大きさで表示される。これにより、縮小された映像に合わせて字幕情報は小さくならず、ユーザにとっては見やすくなる。
【0029】
ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定2のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合には設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像1が縮小率>x%で縮小表示される場合には、映像縮小時は字幕が映像1の縮小と同じ縮小率で表示される。さらに、映像1が縮小率≦x%で縮小表示される場合には、字幕情報が表示されない。すなわち、映像縮小により、映像1の縮小率に合わせて字幕を小さくすると、字幕が読めなくなるため字幕を表示しないようにする。
【0030】
次に、ユーザが図2の字幕表示設定画面で設定3のモードを選択した場合、映像がフル画面で表示される場合には設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像1が縮小率>x%で縮小表示される場合には、設定2と同じように映像縮小時は字幕が映像1の縮小と同じ縮小率で表示される。さらに、映像1が縮小率≦x%で縮小表示される場合には、設定1と同じように字幕情報を優先して字幕情報がフル画面の時と同じ大きさで表示される。
【0031】
従って、2画面表示としたときでもフォーカス対象をどちらかの映像にすれば(ここでは映像1)、映像の表示サイズに応じて字幕情報を優先して表示させたり、字幕を表示させなかったりすることが可能となる。
【0032】
また、図7に他の実施形態として2つの映像両方に字幕を表示する例を示す。
映像がフル画面で表示される場合には、図6の設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。また、映像1が縮小率>x%で縮小表示される場合には、映像1は図6の設定2と同じように字幕を映像1の縮小と同じ縮小率で表示し、映像2は図6の設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示される。さらに、映像1が縮小率≦x%で縮小表示される場合には、映像1は図6の設定1と同じようにフル画面に適した大きさの字幕情報が表示され、映像2は図6の設定2と同じように字幕を映像2の縮小と同じ縮小率で表示される。
【0033】
このように、映像1と映像2ともに字幕表示を表示させたり、縮小率に応じて一方の映像の字幕を表示させなかったりすることが可能となる。
図8は、図6の字幕表示方法を判断するフローチャートである。
まず、ユーザは映像1及び映像2の表示サイズから好みの表示サイズに変更するのにキー入力操作部3(リモコン)を介して選択し決定する。この選択によって、状態管理部32は映像1と映像2の表示サイズを認識し、映像・音声処理部13に通知する。なお、以下記述では映像1をフォーカス対象として説明する。
【0034】
映像・音声処理部13は、状態管理部32からの通知によって元の映像1の表示サイズが変更されたか否かを認識する。表示サイズが変更されていない場合には(ST21のN)、変更されるまで繰り返す。また表示サイズが変更されたと認識した場合には(ST21のY)、自身の持つスケーリング機能でデコーダ12、22から出力された映像信号から表示サイズ(横幅、高さ)を取得し、縮小率を算出する(ステップST23)。具体的には、映像1及び映像2の横幅の縮小率は、表示サイズ(横幅)/元の表示サイズ(横幅)としてそれぞれ算出され、また高さの縮小率は、表示サイズ(高さ)/元の表示サイズ(高さ)としてそれぞれ算出される。これにより、実際に表示する映像1及び映像2の表示サイズと縮小率を認識することができる。
【0035】
次に、映像・音声処理部13は縮小率50%(閾値)を基準にして映像1の表示サイズの縮小率を比較する(ステップST25)。
ステップST25において、映像・音声処理部13は映像1の横幅の縮小率=100%、且つ、映像1の高さの縮小率=100%と判断した場合、映像が元の表示サイズに合った字幕で表示させる。具体的に、映像・音声処理部13は元の映像が縮小されない場合にはフル画面表示となるように映像プレーン生成部16に指示する。この指示に基づいて、映像プレーン生成部16は元の映像が縮小されない(フル画面表示用の)映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像が元の表示サイズ(フル画面表示)に合った字幕を表示させるよう指示する。この指示に基づいて、字幕処理部14は元の表示サイズに合った字幕プレーンを生成するよう字幕プレーン生成部16に通知し、字幕プレーン生成部16は字幕プレーンを生成させる。生成された映像プレーンと字幕プレーンはVミキシング部18によって合成され、映像が元の表示サイズに合った字幕がモニタ20に表示される(ステップST27)。尚、映像1の横幅、高さの縮小率が100%の場合は、映像・音声処理部23は映像2を表示しないように制御し、字幕処理部14は映像2に対応した字幕を表示しないよう制御する。
【0036】
また、ステップST25において、映像・音声処理部13は映像1の横幅の縮小率>x%、且つ、映像1の高さの縮小率>x%(縮小率が閾値x%よりも大きく(50%<x<100%))と判断した場合(ステップST25)、次にユーザが選択した字幕表示設定が何であるかを認識する。ユーザの字幕表示設定が設定1であると判断した場合(ステップST29)、映像が元の表示サイズに合った字幕を表示させる。具体的に、映像・音声処理部13、23は映像プレーン生成部16、25に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16、25は映像1及び映像2の映像プレーンをそれぞれ生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像1に対応した字幕をフル画面と同じ大きさで表示するよう指示すると共に、映像2に対応した字幕は表示させないよう指示する。これにより、字幕処理部14から字幕プレーン生成部15を介して映像1の字幕プレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーン、字幕プレーンはVミキシング部18にて合成され、映像1及び映像2と映像1に対応した字幕が元の表示サイズ(フル画面)に合った文字サイズがモニタ20に表示される(ステップST27)。
【0037】
また、映像・音声処理部13、23はユーザの字幕表示設定が設定2または設定3であると判断した場合(ステップST29)、映像1に対応した字幕を映像1の縮小と同じ縮小率で表示させる。具体的に、映像・音声処理部13は映像プレーン生成部16に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16は映像1の映像プレーンを生成する。また同時に、映像・音声処理部23は映像プレーン生成部25に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部25は映像2の映像プレーンを生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像1に対応した字幕を映像1の縮小と同じ縮小率で表示するよう、また映像2に対応した字幕は表示させないよう指示し、字幕処理部14から字幕プレーン生成部15を介して映像1の字幕プレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーンと字幕プレーンはVミキシング部18にて合成され、映像1、映像2と映像1に対応した元の表示サイズに合った字幕がモニタ20に表示される(ステップST27)。
【0038】
次に、ステップST25において映像・音声処理部13は映像1の横幅の縮小率≦x%、且つ、映像1の高さの縮小率≦x%(縮小率が閾値x%以下(x≦50%)と判断した場合(ステップST25)、次にユーザが選択した字幕表示設定が何であるかを認識する。ユーザの字幕表示設定が設定1または設定3であると判断した場合(ステップST33)、映像が元の表示サイズに合った字幕で表示させる。具体的に、映像・音声処理部13、23は映像プレーン生成部16、25に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16、25は映像1及び映像2の映像プレーンをそれぞれ生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像1に対応した字幕をフル画面と同じ大きさで表示するよう指示すると共に、映像2に対応した字幕は表示させないよう指示する。これにより、字幕処理部14から字幕プレーン生成部15を介して映像1の字幕プレーンを生成させる。そして、生成された映像プレーン、字幕プレーンはVミキシング部18にて合成され、映像1及び映像2と映像1に対応した字幕が元の表示サイズ(フル画面)に合った文字サイズがモニタ20に表示される(ステップST27)。
【0039】
また、映像・音声処理部13、23はユーザの字幕表示設定が設定2であると判断した場合(ステップST33)、字幕を表示させない。具体的には、映像・音声処理部13、23は映像プレーン生成部16、25に縮小率に応じた映像プレーンを生成するよう指示し、映像プレーン生成部16、25は映像1及び映像2の映像プレーンをそれぞれ生成する。また、状態管理部32は字幕処理部14に対し映像1及び映像2にそれぞれ対応した字幕を表示させないよう指示する。これにより、映像・音声処理部13、23によって映像1及び映像2がモニタ20に表示される(ステップST35)。字幕を表示させない理由は、例えば映像1の縮小率に合わせて字幕を小さくすると、字幕が小さくてユーザにとって読みにくくなるためである。
【0040】
以上説明したように、本発明は複数画面でサブ情報(字幕情報)を優先する場合、サブ情報をフル画面表示での字幕表示位置・サイズに固定する設定と、複数画面で映像を優先する場合、サブ情報を本来の映像の字幕表示位置・サイズで表示させる設定とを選択可能にする。そうすることで、例えば、子画面に示される番組に関するサブ情報を、子画面内に最適な表示文字サイズで表示させるために、画面の空き領域を検出してサブ情報のサイズを変更する必要がある。この場合、空き領域が小さくなるとサブ情報の文字サイズも小さくなって読みにくくなるが、本発明ではサブ情報を表示させなかったり、フル画面表示と同じサイズで表示させたりするため、ユーザにとって見やすくなる。
【0041】
以上、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施形態に係る各構成要素は、適宜組み合わせて用いることができる。また、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【符号の説明】
【0042】
3…キー操作入力部、11、21…チューナ、12、22…デコーダ、13、23…映像・音声処理部、14…字幕処理部、15、24…字幕プレーン生成部、16、25…映像プレーン生成部、17…GUIプレーン生成部、18…Vミキシング部、20…モニタ、32…状態管理部、33…GUI制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像とこの映像に関するサブ情報を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理装置であって、
外部から前記映像の縮小指示があった場合、前記映像の縮小率を認識する状態管理手段と、
前記状態管理手段によって認識された前記映像の縮小率に基づき受信した前記映像を縮小表示させる映像処理手段と、
前記縮小率に応じて前記映像に関する前記サブ情報の表示方法を変更する字幕処理手段とを具備することを特徴とする映像信号処理装置。
【請求項2】
前記映像処理手段は、前記縮小率が所定の閾値よりも高い場合は前記映像の縮小率と同じ縮小率で前記サブ情報を表示させるか、あるいは、前記映像がフル画面で表示されたときに表示される前記サブ情報の大きさと同じ大きさで表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項3】
前記映像処理手段は、前記縮小率が所定の閾値以下の場合は前記サブ情報を表示させないか、あるいは、前記映像がフル画面で表示されたときに表示される前記サブ情報の大きさと同じ大きさで表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項4】
前記映像の縮小率に基づき、前記サブ情報の前記表示方法を選択可能とし外部表示装置に表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項5】
前記複数画面には、前記映像とGUI画面を表示可能とすることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項6】
映像とこの映像に関するサブ情報を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理方法であって、
外部から前記映像の縮小指示があった場合、前記映像の縮小率を認識する工程と、
認識された前記映像の縮小率に基づき受信した前記映像を縮小表示させる工程と、
前記縮小率に応じて前記映像に関する前記サブ情報の表示方法を変更する工程とを具備することを特徴とする映像信号処理方法。
【請求項7】
前記縮小率が所定の閾値よりも高い場合は前記映像の縮小率と同じ縮小率で前記サブ情報を表示させるか、あるいは、前記映像がフル画面で表示されたときに表示される前記サブ情報の大きさと同じ大きさで表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項8】
前記縮小率が所定の閾値以下の場合は前記サブ情報を表示させないか、あるいは、前記映像がフル画面で表示されたときに表示される前記サブ情報の大きさと同じ大きさで表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項9】
前記映像の縮小率に基づき、前記サブ情報の前記表示方法を選択可能とし外部表示装置に表示させることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理方法。
【請求項10】
前記複数画面には、前記映像とGUI画面を表示可能とすることを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
【請求項11】
第1の映像と前記第1の映像に関するサブ情報と前記第1の映像とは異なる第2の映像を受信し、複数画面で表示可能な映像信号処理装置であって、
外部から前記第1の映像の縮小指示があった場合、前記第1の映像の縮小率を認識する状態管理手段と、
前記状態管理手段によって認識された前記第1の映像の縮小率に基づき受信した前記第1の映像を縮小表示させる映像処理手段と、
前記縮小率に応じて前記第1の映像に関する前記サブ情報の表示方法を変更する字幕処理手段とを具備することを特徴とする映像信号処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−34037(P2012−34037A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−169637(P2010−169637)
【出願日】平成22年7月28日(2010.7.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】