映像信号出力装置、コード入り映像信号生成方法、映像信号出力プログラム、カメラ駆動装置、カメラ駆動プログラム、幾何学形状コード解読装置、および幾何学形状コード解読プログラム
【課題】 時間的に連続する映像信号に基づいて表示を行う表示装置に、他の情報表示の邪魔にならないように、QRコードを表示させる。また、そのように表示されたQRコードを撮影および解読する。
【解決手段】 映像信号出力装置が、コード化元データからQRコードを生成し、また映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように生成したQRコードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、そのようにQRコードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する。また、カメラを備えた携帯電話機が、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示されたQRコードを、そのカメラに撮影させ、そのカメラが撮影したQRコードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する。
【解決手段】 映像信号出力装置が、コード化元データからQRコードを生成し、また映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように生成したQRコードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、そのようにQRコードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する。また、カメラを備えた携帯電話機が、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示されたQRコードを、そのカメラに撮影させ、そのカメラが撮影したQRコードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、QRコード(登録商標:以下同じ)等の幾何学形状コードが挿入された映像信号を出力するための映像信号出力装置、幾何学形状コードが挿入されたコード入り映像信号の生成方法、および映像信号出力プログラム、ならびに、そのように挿入された幾何学形状コードを撮影するためのカメラ駆動装置およびカメラ駆動プログラム、さらに、そのように挿入された幾何学形状コードを解読するための幾何学形状コード解読装置および幾何学形状コード解読プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ機能を有し、ポスター、パンフレット等に表示された幾何学形状コード(具体的にはQRコード)の撮影を行い、その撮影した幾何学形状コードを解読し、その解読の結果得たデータを表示することができる携帯電話機の技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−126942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明者の検討によれば、テレビ、パーソナルコンピュータのモニタ、カーナビゲーション装置のディスプレイ等、時間的に連続する映像信号に基づいた映像を表示する表示装置に、上記の幾何学形状コードを表示させ、上記のような携帯電話機にその幾何学形状コードの撮影、解読、表示を行わせることが考えられる。
【0004】
しかし、幾何学形状コードが表示画面上に表示されれば、その分他の情報の表示領域が減ってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、時間的に連続する映像信号に基づいて表示を行う表示装置に、他の情報表示の邪魔にならないように、幾何学形状コードを表示させる技術を提供することを第1の目的とし、また、そのように表示された幾何学形状コードを撮影および解読する技術を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記第1の目的を達成するための、本発明の第1の特徴は、映像信号出力装置が、コード化元データから幾何学形状コードを生成し、また時間的に連続する映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように生成した幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、そのように幾何学形状コードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力することである。
【0007】
このような映像信号出力装置が、取得した映像信号に生成した幾何学形状コードを生成することで、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように幾何学形状コードが挿入されたコード入り映像信号が出力される。そして、このコード入り映像信号に基づいた表示が表示装置で行われる際には、その幾何学形状コードを肉眼で認識することが困難であるがゆえ、その表示装置における他の情報表示の邪魔となることがない。
【0008】
なお、ここでいう出力とは、表示装置へ直接出力すること、他の装置で表示させるために無線通信線、有線通信線、を介して送信すること、および、VTR、DVDなどの記録媒体に出力することを含む概念である。
【0009】
また、幾何学形状コードとは、例えばQRコード等、文字ではない幾何学形状を含み、かつその幾何学形状が所定の解読規則によって、文字データ等のデータに解読されるようなものをいう。
【0010】
また、幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように映像信号に挿入する具体的な手法としては、時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に、生成した幾何学形状コードを挿入することが考えられる。
【0011】
また、そのような方法を実現する一態様として、コード生成手段が生成する幾何学形状コードを挿入するタイミング部分を検出する手段を備え、その検出されたタイミング部分に、生成した幾何学形状コードを挿入するようになっていてもよい。
【0012】
また、その幾何学形状コードを挿入する一部時間帯部分は、取得した映像信号中の一箇所ではなく、映像信号中に離散的に複数存在するようになっていてもよい。
【0013】
また、そのように離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ異なる幾何学形状コードを挿入してもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの情報量が高まることになる。
【0014】
また、そのように離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ同一の幾何学形状コードを挿入してもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの冗長性が高まることになる。
【0015】
また、生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときにその表示画面全体に現れるように、取得した映像信号に挿入するようになっていてもよい。このようにすることで、表示装置における幾何学形状コードの大きさが最大化する。また、そのように表示された幾何学形状コードを撮影するときには、撮影範囲を画面全体とすることができるので、撮影範囲の調整が容易である。
【0016】
また、上記の時間的に連続する映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式となっており、また、生成した幾何学形状コードを挿入する当該映像信号の一部時間帯部分は、この一定の時間周期の複数倍の周期で現れる部分であるようになっていてもよい。
【0017】
また、取得した映像信号中の、コード挿入手段が幾何学形状コードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯の近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾何学形状コードが挿入されている旨を示すマークを挿入するようになっていてもよい。
【0018】
また、映像信号出力装置は、コード化元データを暗号化し、この暗号化したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようにすることで、幾何学形状コードを撮影する側は、その暗号化に対応する復号鍵を有している場合に限り、その幾何学形状コードの意味内容を特定することができる。したがって、このようにすることで、映像信号出力装置は、生成する幾何学形状コードの意味内容を伝える先を制限することができる。
【0019】
また、映像信号出力装置は、この場合、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを撮影する側は、復号鍵の取得が容易となる。
【0020】
また、映像信号出力装置は、コード化元データに、読み取り可能条件を課するためのデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを撮影する側に、その読み出し対象を制限するためのデータに基づいて、幾何学形状コードが有する意味内容の抽出の制限を行わせることができる。
【0021】
そして、読み取り可能条件の具体例としては、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータが考えられる。
【0022】
また、コード化元データの具体例としては、ダイアグノーシスデータが考えられる。このようにすることで、ダイアグノーシスデータが、肉眼で認識することが困難なように表示されるので、ダイアグノーシスデータが、他の表示の邪魔にならない。
【0023】
また、コード化元データは、そのコード化元データについての幾何学形状コードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであってもよい。具体的には、映像信号が観光地の映像である場合、その観光地への交通アクセス情報や、その観光地近辺の宿の情報を、コード化元データとすることが考えられる。
【0024】
また、幾何学形状コードは、2次元コードであってもよい。
【0025】
また、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成するようになっているようになっていてもよい。
【0026】
また、上記のような本発明の第1の特徴を、コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手順と、時間的に連続する映像信号を取得する取得手順と、取得手段が取得した映像信号に、コード生成手順によって生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手順とを備えた映像信号生成方法として捉えることも可能である。
【0027】
さらに、本発明は、上記のような第1の特徴をコンピュータに実現させるための映像信号出力プログラムとしても捉えることが可能である。
【0028】
また、上記第2の目的を達成するための、本発明の第2の特徴は、カメラを備えたカメラ駆動装置が、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、そのカメラに撮影させ、そのカメラが撮影した幾何学形状コードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積することである。
【0029】
このようになっていることで、上記のような映像信号出力装置によって表示装置が表示した映像中の幾何学形状コードを、カメラで撮影し、その幾何学形状コードの解読および蓄積を行うことができる。
【0030】
また、このカメラ駆動装置は、カメラが繰り返し撮影した幾何学形状コードを繰り返し解読し、カメラによって繰り返し撮影された幾何学形状コードのそれぞれが異なることを判定し、その異なるという判定に基づいて、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積するようになっていてもよい。
【0031】
このようになっていることで、カメラ駆動装置は、繰り返し撮影した幾何学形状コードが異なっている場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを、1ファイル等、一続きのデータとして扱うことが可能となる。したがって、カメラ駆動装置は、1つの幾何学形状コードが有することのできる情報量を超えた一続きのデータを解読、蓄積することができる。
【0032】
さらに具体的には、カメラ駆動装置が、解読したデータが所定の開始データであることを判定してから、解読したデータが所定の終了データであることを判定するまでに解読したデータを1続きのデータとして蓄積するようになっていてもよい。
【0033】
また、このカメラ駆動装置は、カメラに繰り返し撮影を開始させ、前記カメラによる撮影タイミングが、表示装置における幾何学形状コードの表示タイミングと合致するよう、そのカメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整するようになっていてもよい。
【0034】
このようにすることで、カメラが効率よく幾何学形状コードを撮影できるので、幾何学形状コードでない映像を撮影するためにカメラ駆動装置が費やす処理の負荷を低減することができる。
【0035】
また、このカメラ駆動装置は、解読した結果のデータを復号し、復号した結果のデータを蓄積するようになっていてもよい。このようになっていることで、暗号化されたデータに対応することが可能となる。
【0036】
また、その解読した結果のデータに復号キーが含まれていれば、それを用いて復号を行うようになっていてもよい。
【0037】
また、解読した結果のデータに読み取り可能条件のデータが含まれている場合、これに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えるようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを生成する側の、読み取り可能条件の設定に対応することが可能となる。
【0038】
そして、読み取り可能条件のデータの具体例としては、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータが考えられる。
【0039】
また、カメラ駆動装置は、蓄積したデータを当該カメラ駆動装置外に送信するようになっていてもよいし、表示装置に表示させるようになっていてもよい。
【0040】
また、幾何学形状コードは、2次元コードであってもよい。
【0041】
また、本発明は、上記のような第2の特徴をコンピュータに実現させるためのカメラ駆動プログラムとしても捉えることが可能である。
【0042】
また、上記第2の目的を達成するための、本発明の第3の特徴は、幾何学形状コード解読装置が、カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読し、その解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積することである。
【0043】
このようになっていることで、上記のような映像信号出力装置によって表示装置が表示した映像中の幾何学形状コードのカメラによる撮影映像を用い、当該幾何学形状コードの解読および蓄積を行うことができる。
【0044】
また、その解読は、カメラによって撮影された映像信号から、幾何学形状部分を抽出し、その抽出した幾何学形状コードに対して行うようになっていてもよい。
【0045】
また、本発明は、上記のような第3の特徴をコンピュータに実現させるための幾何学形状コード解読プログラムとしても捉えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る映像信号出力装置1のハードウェア構成をブロック図で示す。この映像信号出力装置1は、テキストデータ等のコード化元データからQRコードを生成し、取得した映像信号にそのQRコードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、その結果の映像信号を外部に出力するための装置である。この映像信号出力装置1は、入出力インターフェース2、操作装置3、HDD4、RAM5、ROM6、CPU(コンピュータに相当する)7等を有している。
【0047】
入出力インターフェース2は、カメラ等の外部からデジタルまたはアナログの映像信号の入力を受け、その受けた映像信号をデジタルデータとしてCPU7に出力する。また入出力インターフェース2は、CPU7から受けた映像のデジタルデータを、アナログまたはデジタル信号として外部に出力する。なお、ここでいう映像信号とは、テレビ放送映像の表示のための映像信号、パーソナルコンピュータにおける表示のための映像信号、カーナビゲーション装置における表示のための映像信号等、時間的に連続する映像信号をいう。より具体的には、映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式(例えばリフレッシュレート50Hz)となっている。映像信号が動画のための信号である場合、その映像信号は、このリフレッシュの度に表示映像が変化するようになっている。以下、このリフレッシュ毎の映像の1つ1つをコマと記す。
【0048】
操作装置3は、ユーザの操作を受けることで、その操作に基づく信号をCPU7に出力する装置である。
【0049】
CPU7は、不揮発性の大容量記憶媒体であるHDD4、不揮発性の記憶媒体であるROM6からプログラムを読み出して実行し、その実行における必要に応じて、揮発性の記憶媒体であるRAM5、およびHDD4に対してデータの書き込みを行い、HDD4、RAM5、およびROM6からデータの読み出しを行い、また操作装置3からの信号を受け付け、また入出力インターフェース2からの映像データを受け付け、入出力インターフェース2に映像データを出力する。
【0050】
以上のようなハードウェア構成の映像信号出力装置1は、例えば映像信号の入出力機能を有するパーソナルコンピュータを用いることで実現される。
【0051】
図2に、このCPU7がプログラムを実行することで行う処理を概略的に示す。この図に示す通り、CPU7は、所定のプログラムを実行することで、映像取得処理71、ロゴ合成処理72、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、QRコード生成処理75、QRコード挿入処理76、出力処理77を行う。
【0052】
映像取得処理71において、CPU7は、入出力インターフェース2からの映像データを、時系列順に受け付ける。
【0053】
また、ロゴ合成処理72において、CPU7は、受け付けた映像データの各コマにロゴマークを上書きする。このロゴマークは、映像信号の、そのロゴマークが表示される時間帯、またはその時間帯の近傍時間帯に、肉眼で認識することができないようにQRコードが挿入されている旨をユーザに伝えるための表示マークである。CPU7は、このロゴマークを、例えば表示画面の右下隅等に、ユーザが容易に肉眼で認識できるように現れるよう、上書きするようになっている。
【0054】
また、テキスト切り取り処理73において、CPU7は、ユーザが操作装置3を用いて読み出し対象として選択したテキストデータをHDD4から読み取り、それを1つのQRコードに変換できるサイズに細分化する。
【0055】
また、暗号化処理74において、CPU7は、テキスト切り取り処理73によって細分化されたデータを暗号化する。
【0056】
また、QRコード生成処理75において、CPU7は、暗号化処理74によって暗号化されたデータからQRコードを生成する。
【0057】
またQRコード挿入処理76において、CPU7は、QRコード生成処理75で生成されたQRコードを、ロゴ合成処理72でロゴが上書きされた映像データに、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入する。
【0058】
また出力処理77において、CPU7は、QRコードが挿入された映像データ、すなわち、コード入り映像データを出力する。出力先は、例えばテレビ受像器、カーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ(図2においてはPCと記す)等が考えられる。出力方法としては、テレビ放送のための電波送出や、インターネット等の有線回線を介した送信等が考えられる。また、出力は、HDD4にコード入り映像データを記憶させることで実現してもよい。
【0059】
ここで、このテキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75について詳述する。CPU7は、これらテキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75の処理を、図3に示すQRコード出力プログラム100を実行することで実現する。CPU7は、このQRコード出力プログラム100を、後述するテキストデータ取り込み同期信号が発生する度に実行するようになっている。
【0060】
このQRコード出力プログラム100の実行において、CPU7は、まずステップ105で、変数Nにゼロ値を代入する。
【0061】
続いてステップ110で、HDD4に記憶されているテキストデータの一文字分を読み出す。この一文字は、ステップ110を実行するのが、操作装置3によって読み出し対象のテキストデータが特定されて以降初めての場合、対象となるテキストデータの先頭の文字であり、ステップ110を実行するのが、操作装置3によって読み出し対象のテキストデータが特定されて以降、整数k回目のステップ110の場合は、対象となるテキストデータのk番目の文字である。
【0062】
続いてステップ115で、読み出した一文字分のデータがあらかじめ定められた開始用の特殊文字、すなわち開始コードであるか否かを判定する。開始コードである場合、続いてステップ110を実行し、開始コードでなければ、続いてステップ118を実行する。
【0063】
なお、テキストデータの先頭には、開始コードが通常入っており、テキストデータの終端には、後述する終了コードが通常入っているものとする。
【0064】
ステップ118では、読み出した一文字分のデータがあらかじめ定められた終了用の特殊文字、すなわち終了コードであるか否かを判定する。終了コードである場合、続いてステップ135を実行し、終了コードでない場合、続いてステップ120を実行する。
【0065】
ステップ120では、直前のステップ110で読み出した文字のデータを、RAM5中の読み出しデータ用の所定の領域に蓄積する。
【0066】
続いてステップ125では、変数Nの値を1だけインクリメントする。
【0067】
続いてステップ130では、変数Nの値が所定の基準文字数であるか否かを判定する。ここで、所定の基準文字数とは、まとめて1つのQRコードに変換できる文字数の最大値(具体的には、その文字数の文字データに後述する暗号化、復号キー付加、読み出し対象を制限するためのデータ付加を施した結果のデータが1つのQRコードに変換できるサイズとなるような文字数)であり、本実施形態においては具体的には1400、1000、800等である。所定の基準文字数である場合、続いてステップ140を実行し、所定の基準文字数未満である場合、続いてステップ110を実行する。
【0068】
ステップ135では、QRコード出力プログラム100の開始以降ステップ118で蓄積したデータに、所定のダミーデータ(例えば値がすべてゼロのデータ)を付加する。ここで、ダミーデータのサイズは、それをQRコード出力プログラム100の開始以降ステップ118で蓄積したデータに付加した結果のデータの文字数が、所定の基準文字数になるようになるように決められる。ステップ135の後、続いてステップ140を実行する。
【0069】
以上のようなステップ105〜135をCPU7が実行することで、CPU7は、対象となるテキストデータから一文字ずつ順に読み出し、読み出した開始コードおよび終了コード以外の文字データをまとめて蓄積する。そしてCPU7は、終了コードを読み出すか、あるいはその回に読み出した開始コードおよび終了コード以外の文字データの総数が基準文字数に達した場合、その読み出しを終了し、その読み出したデータが終了コードの場合は、蓄積した文字データにダミーデータを付加する。
【0070】
ステップ140では、蓄積した文字データを暗号化する。このステップ140の処理が、図2における暗号化処理74に相当する。
【0071】
続いてステップ145では、その暗号を解読するための解読キーを、暗号化したデータに付加する。
【0072】
続いてステップ150では、有効時間情報を付加する。有効時間情報は、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効時間情報は、その有効時間情報の示す期間でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。
【0073】
続いてステップ155では、有効地域情報を付加する。有効地域情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効地域情報は、その有効地域情報の示す地理的範囲内でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。
【0074】
続いてステップ160では、有効車種情報を付加する。有効車種情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効車種情報は、その有効車種情報の示す車種に関連する装置でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。なお、有効車種情報は、有効車両ID情報であってもよい。有効車両ID情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効車両ID情報は、その有効車両ID情報の示す1つまたは複数の車両IDに関連する装置でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。なお、車両IDとは、車両を一意に特定するための識別データである。
【0075】
続いてステップ165では、QRコードの生成を行う。具体的には、ステップ105〜135で蓄積し、ステップ140で暗号化し、ステップ145で復号キーを付加し、ステップ150〜160でテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータを付加した結果のデータを、1コマ分のQRコードの映像データに変換する。更に、RAM5中の読み出しデータ用の所定の領域に蓄積されたデータをクリアする。ステップ165の後、QRコード出力プログラム100の実行が終了する。なお、ステップ145〜165に示された処理が、QRコード生成処理75に相当する。
【0076】
このようなQRコード出力プログラム100を実行することで、CPU7は、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75を実現することができる。そしてCPU7は、QRコード出力プログラム100を繰り返し実行することで、当該テキストデータを細分化し、その細分化されたそれぞれ毎に1つのQRコードの映像データを生成する。この際、テキストデータの全内容が生成されてしまった場合は、またそのテキストデータの先頭にテキスト読み出し位置を戻すものとする。したがって、CPU7は、あるテキストデータがj個に細分化された場合、QRコード出力プログラム100を繰り返すことで、1番目からj番目までのデータを、巡回的に何度も送信し続けることになる。
【0077】
また、CPU7は、図4に示すQRコード挿入プログラム200を、繰り返し実行するようになっている。このQRコード挿入プログラム200の実行においは、まずステップ210で、映像取得処理71によって順次取得している時間的に連続した映像の、現在取得した映像データに当たるタイミングが、QRコードの挿入タイミングであるか否かを判定し、QRコードの挿入タイミングを検出するまで、この判定を繰り返す。その映像データのタイミングが、QRコードの挿入タイミングであるか否かは、あらかじめ定められた挿入タイミングに付いての基準によって特定する。挿入タイミングとしては、例えば映像データの複数コマ(例えば30コマ)に1コマ、等の繰り返しタイミングが考えられる。ただしこのタイミングは、例えば10コマに8コマ等、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが容易となるような高頻度のタイミングではなく、肉眼で認識することが困難である程度に短い期間表示装置に表示されるような低頻度のタイミングである必要がある。
【0078】
そして、QRコードの挿入タイミングになると、続いてステップ210で、テキスト取り込み同期信号を発生させる。上述のQRコード出力プログラム100は、このテキスト取り込み同期信号の発生毎に実行されるので、QRコードは、QRコード挿入タイミング毎に1つ生成されることになる。したがって、QRコード挿入プログラム200の繰り返し実行が続いている限り、CPU7は、QRコードを順次生成し続ける。
【0079】
続いてステップ220では、QRコード出力プログラム100によって生成されたQRコードを、取得した映像データの当該挿入タイミング部分に挿入する。このとき、そのタイミングにおける映像データ中の元の映像は、破棄するものとする。すなわち、QRコードは、映像信号の一部時間帯部分のデータと差し替えることで、当該映像信号の当該一部時間帯部分に挿入される。また、挿入するQRコードは、表示画面いっぱいに1つ表示されるような形式で挿入してもよいし、表示画面の一部(例えば左下隅)に表示されるような形式で挿入してもよいし、表示画面いっぱいに小さいQRコードが敷き詰められるような形式で挿入してもよい。ステップ220の後、QRコード挿入プログラム200の1回分の実行は終了する。
【0080】
このようなQRコード挿入プログラム200を実行することで、CPU7はQRコード挿入処理76を実現することができる。
【0081】
以上のような処理をCPU7が実行することで、映像信号出力装置1は、テキストデータからQRコードを生成し、また映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように複数生成したQRコードのそれぞれを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難である程度に短い一定周期で繰り返す一部時間帯部分にそれぞれ挿入し、そのようにQRコードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する。
【0082】
このような映像信号出力装置1が、取得した映像信号に生成したQRコードを生成することで、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なようにQRコードが挿入されたコード入り映像信号が出力される。
【0083】
図5に、このようなコード入り映像信号を受けて、その映像信号に基づく映像表示を行う表示装置10による、QRコードの表示例を示す。なお、QRコードが表示されるのは実際には非常に短い時間であるので、肉眼では事実上確認できないようになっている。この表示例においては、表示部外周11内の表示領域全体に1つのQRコードが現れている。このようになっていれば、そのQRコードを肉眼で確認することができなくとも、撮影領域12、すなわち、表示部外周11の内部全体をカメラ機能付き携帯電話等でタイミングよく撮影することで、後述のようにQRコードを撮影することができるので、撮影範囲の調整が容易である。また、このように画面いっぱいにQRコードが大きく表示できれば、離れた位置からカメラ機能付き携帯電話等でQRコードを撮影することがユーザにとって容易となる。また、画面のフレームが入る様に撮影する事でQRコードの書かれている範囲の認識が容易に可能となる。これには2つのメリットがある、ユーザがQRコードのある範囲を特定しやすいことと、画像のフレームは通常四角形状をしているので携帯電話がQRコードのエリアを画像認識する際のエッジ情報としても役立つ。
【0084】
そして、このコード入り映像信号に基づいた表示が表示装置で行われる際には、そのQRコードを肉眼で認識することが困難であるがゆえ、その表示装置における他の情報表示の邪魔となることがない。
【0085】
また、各タイミングで挿入されるQRコードは異なっているので、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの情報量が高まることになる。
【0086】
なお映像信号出力装置1は、各タイミングに同一のQRコードを挿入するようになっていてもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入されるQRコードの冗長性が高まることになる。
【0087】
また映像信号出力装置1は、ロゴ合成処理72によって取得した映像信号中の、コード挿入手段がQRコードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯を除く近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾QRコードが挿入されている旨を示すロゴマークを挿入するようになっているので、ユーザは、肉眼では認識できないものの、現在QRコードの表示が行われていることを認識することが可能となる。
【0088】
また、映像信号出力装置1は、読み出したテキストデータを暗号化し、この暗号化したデータからQRコードを生成するようになっていてもよい。このようにすることで、QRコードを撮影する側は、その暗号化に対応する復号鍵を利用できる場合に限り、その幾何学形状コードの意味内容を特定することができる。したがって、このようにすることで、映像信号出力装置は、生成する幾何学形状コードの意味内容を伝える先を制限することができる。
【0089】
また、映像信号出力装置1は、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっているので、幾何学形状コードを撮影する側は、復号鍵の取得が容易となる。
【0090】
また、映像信号出力装置は、テキストデータに、復号および読み取り可能条件を課するためのデータとして、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータを付加し、その結果のデータからQRコードを生成するようになっているので、QRコードを撮影する側に、その復号および読み取り可能条件のデータに基づいて、QRコードが有する意味内容の抽出の制限を行わせることができる。
【0091】
なお、QRコードの生成の元となるテキストデータは、そのテキストデータについてのQRコードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであってもよい。具体的には、映像信号が観光地の案内映像である場合、その観光地への交通アクセス情報や、その観光地近辺の宿の情報を、コード化元データとすることが考えられる。
【0092】
次に、本実施形態に係る携帯電話機20のハードウェア構成を図6に示す。この携帯電話機20は、カメラ機能付きの携帯電話であり、映像信号出力装置1が出力するコード入り映像信号に基づいて表示された映像に含まれるQRコードを内蔵カメラに撮影させ、そのカメラが撮影したQRコードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積し、あるいは電子メールとして送信するためのものである。この携帯電話機20は、カメラ21、操作装置22、無線回路23、アンテナ24、RAM25、ROM26、フラッシュメモリ27、液晶ディスプレイ28、およびCPU(コンピュータに相当する)29を有している。
【0093】
カメラ21は、CPU29の制御によって、数ミリ秒単位で撮影タイミングを調整することができるようになっており、撮影したコマ映像をCPU29に出力する。
【0094】
操作装置22は、番号ボタン、機能ボタン等、ユーザの電話発信、電子メール送信、カメラ撮影開始等の旨の操作を受けることで、その操作に基づく信号をCPU29に出力する装置である。
【0095】
無線回路23は、電話通話、電子メール送受信等のために無線信号の送受信を行う回路である。この無線回路23は、CPU29から受信したデータに対して所定のD/A変換、増幅、周波数変換、変調等を施し、その結果の信号をアンテナ24に無線電波として出力させる。また無線回路23は、アンテナ24が受けた無線電波の信号に対して所定の増幅、周波数変換、復調、A/D変換等を施し、その結果のデータをCPU29に出力する。
【0096】
液晶ディスプレイ28は、CPU29から受けたデータに基づく映像を、ユーザに見えるように表示する。
【0097】
CPU29は、ROM26、書き換え可能な不揮発性記憶媒体であるフラッシュメモリ27からプログラムを読み出して実行し、その実行時に、必要に応じてカメラ21を制御し、またカメラ21から映像データを受け、操作装置22からの信号を受け付け、無線回路23に送話、電子メール送信等のためのデータを出力し、無線回路23からの受信データを受け付け、RAM25、フラッシュメモリ27にデータを書き込み、RAM25、ROM26、フラッシュメモリ27からデータを読み出し、液晶ディスプレイ28に表示映像用のデータを出力する。
【0098】
具体的には、例えばCPU29は、電話通話時には、図示しないマイクから受けた音声信号に基づいて、送話データを無線回路23に出力し、また無線回路23から受けた相手からの音声データに基づく音声信号を図示しないスピーカに出力する。
【0099】
またCPU29は、プログラムを実行することで、QRコードを撮影するための処理として、図7に概略的に示すようなカメラ駆動処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、蓄積・送信処理35等を行う。
【0100】
カメラ駆動処理31において、CPU29は、上述の表示装置10に表示された映像中のQRコードの撮影のためにカメラを駆動させ、そのカメラが撮影したコマ映像データを取得する。
【0101】
また、動画・静止画判定処理32において、CPU29は、取得したQRコードが動画コードであるか静止画コードであるかを判定する。なお、表示装置10において表示される映像中の複数タイミングにおいて出現するQRコードが、それぞれ異なっている(ただし一部重複していてもよい)場合に、それらのQRコードを動画コードと呼ぶ。また、表示装置10において表示される映像中の複数タイミングにおいて出現するQRコードが、すべて同じである場合に、それらのQRコードを静止画コードと呼ぶ。
【0102】
また、解読処理33において、CPU29は、動画・静止画判定処理32の判定結果に基づいて、撮影したQRコードの解読を行う。
【0103】
また、復号処理34において、CPU29は、解読処理33によって解読されたQRコードの復号を行う。
【0104】
また、蓄積・送信処理35において、CPU29は、復号処理34によって復号されたテキストデータをRAM25またはフラッシュメモリ27に記憶させ、また電子メール送信のために無線回路23に出力する。
【0105】
ここで、図8に、これらカメラ駆動処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、および蓄積・送信処理35の処理を実現するための、図8にフローチャートとして示すQRコード取得・解読プログラム300プログラムについて説明する。なお、液晶ディスプレイ28は、無線回路23等を用いて、このQRコード取得・解読プログラム300を有線ネットワーク、無線ネットワーク等を介してダウンロードするようになっていてもよい。またそのダウンロードの際、携帯電話機20の機種情報をサーバに送信することで、サーバはその機種に対応したQRコード取得・解読プログラム300を送信し、CPU29はその送信されたQRコード取得・解読プログラム300を受信して液晶ディスプレイ28に記憶させるようになっていてもよい。
【0106】
CPU29は、繰り返しこのプログラムを実行し、まずステップ310で、ユーザによるQRコード撮影開始の旨の操作装置22に対する操作としての、開始スイッチ押下を待ち、押下があると判定すると、続いてステップ320で、カメラ21に繰り返し撮影を開始させる。
【0107】
続いてステップ330ー370では、このカメラ21による撮影タイミングが、表示装置10におけるQRコードの表示タイミングと合致するよう、カメラ21による繰り返し撮影のタイミングを調整する。具体的には、ステップ330で、カウントをリセットする。すなわちRAM中の所定のカウント用変数をゼロにする。
【0108】
続いてステップ340で、撮影タイミングの調整を行う。具体的には、繰り返し撮影の繰り返し間隔の増減、各撮影タイミングの全体的なシフト等のためにカメラ21を制御する。
【0109】
続いてステップ340では、カウントをアップする、すなわち上記カウント用変数の値をインクリメントする。
【0110】
続いてステップ360では、タイムオーバーか否かを、上記カウント用変数の値が所定のしきい値を超えたか否かで判定する。タイムオーバーである場合、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なおこの場合、エラーメッセージを液晶ディスプレイ28に出力するようになっていてもよい。タイムオーバーでない場合、続いてステップ370を実行する。
【0111】
ステップ370では、QRコードの認識ができたか否かを判定する。すなわち、カメラ21からのコマ映像が、QRコードであるか否かを判定する。QRコードの認識ができた場合、すなわちカメラ21の撮影タイミングが適切な場合、続いてステップ380を実行し、QRコードの認識ができない場合、すなわちカメラ21の撮影タイミングが不適切な場合、続いてステップ340を実行する。
【0112】
これらステップ330〜370によって、カメラ21による撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。このようなステップ330〜370の実行によって撮影映像取得処理31が実現する。なお、CPU29のROM26、フラッシュメモリ27には、QRコードの出現周期の情報があらかじめ含まれていてもよい。その場合であっても、撮影タイミングの調整は行うが、撮影の周期については、そのあらかじめ記憶された出現周期から、わずかに変化させるような調整を行う。
【0113】
ステップ380では、上記のように調整されたカメラ21によって繰り返し撮影されたQRコードのそれぞれが異なるか、あるいはすべて同じかを判定する。すなわちカメラ21が撮影したQRコードが動画コードであるか静止画コードであるかを判定する。そして、動画コードであれば、続いてステップ400を実行し、静止がコードであれば、続いてステップ500を実行する。このステップ380の実行によって、動画・静止画判定処理32が実現する。
【0114】
ステップ400においては、動画コード処理のための、QRコード取得・解読プログラム300の一部としての、図9に示す動画コード処理ルーチン400を実行する。CPU29は、動画コード処理ルーチン400の実行において、まずステップ405で、カウントリセットを行い、ステップ410で撮影タイミングの微調整を行い、ステップ415でカウントアップを行い、ステップ420でタイムオーバーか否かを判定し、ステップ425でQRコード認識を行う。これらステップ405、410、415、420、および425の処理内容は、それぞれQRコード取得・解読プログラム300のステップ330、340、350、360、および370の処理と同等である。ただし、既にステップ330〜370の処理によって撮影タイミングはほぼ合っているので、ステップ410における微調整の幅は、ステップ340における調整の幅よりも小さくなっている。
【0115】
このように、ステップ405〜425によってカメラ21に撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。そしてCPU29は、撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致すると、続いてステップ430を実行し、時間切れとなると、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なお、この終了の前に、液晶ディスプレイ28にタイムアウトの旨のエラーメッセージを出力させるようになっていてもよい。このようなステップ405〜425の実行によっても、撮影映像取得処理31が実現する。
【0116】
ステップ430では、繰り返し撮影されるQRコードの、撮影された順序に沿った1つについての解読を行う。
【0117】
続いてステップ435で、解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細については後述する。
【0118】
続いてステップ440で、復号した結果のデータが開始データであるか否かを判定し、開始データであれば続いてステップ445を実行し、開始データでなければステップ430の実行に戻る。
【0119】
ステップ445では、繰り返し撮影されるQRコードのうち、撮影された順序に沿った次のものについての解読を行う。
【0120】
続いてステップ450で、その解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細についても後述する。
【0121】
続いてステップ455で、復号した結果のデータが終了データであるか否かを判定し、終了データであれば続いてステップ465を実行し、終了データでなければ続いてステップ460を実行する。
【0122】
ステップ460では、直前のステップ445、450で解読、復号したデータを、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積する。ステップ460に続いては、ステップ445の実行に戻る。
【0123】
ステップ465では、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積されているデータを、電子メール送信するため、無線回路23に出力する。なお、電子メールの宛先は、その送信するデータの情報を利用する装置の電子メールアドレスが考えられる。例えば、送信するデータが特定の施設の位置情報等であれば、携帯電話機20のユーザが有するカーナビゲーション装置の電子メールアドレスに送信すればよい。送信後、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域のデータはクリアする。ステップ465の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行が終了する。
【0124】
このように、CPU29は、ステップ430〜465を実行することで、開始データが出現するまで撮影されたQRコードを順次解読・復号し(ステップ430〜440参照)、開始データが出現すると、その後に撮影されたQRコードから順次、終了データが出現するまで、解読・復号を行ってその結果のデータを解読・復号後データ用の所定の領域に順次追加蓄積していく(ステップ455〜460参照)。そして、終了データが出現すると、その蓄積したデータの電子メール送信を行う(ステップ465参照)。したがって、CPU29は、開始データと終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積・送信することになる。
【0125】
なお、CPU29は、ステップ445を実行することで、解読処理33を実現し、ステップ460、465を実行することで、蓄積・送信処理35を実現している。
【0126】
ステップ500においては、静止画コード処理のための、QRコード取得・解読プログラム300の一部としての、図10に示す静止画コード処理ルーチン500を実行する。CPU29は、静止画コード処理ルーチン500の実行において、まずステップ510で、カウントリセットを行い、ステップ515で撮影タイミングの微調整を行い、ステップ520でカウントアップを行い、ステップ525でタイムオーバーか否かを判定し、ステップ530でQRコード認識を行う。これらステップ510、515、520、525、および530の処理内容は、それぞれQRコード取得・解読プログラム300のステップ330、340、350、360、および370の処理と同等である。ただし、既にステップ330〜370の処理によって撮影タイミングはほぼ合っているので、ステップ515における微調整の幅は、ステップ340における調整の幅よりも小さくなっている。
【0127】
このように、ステップ510〜530によってカメラ21に撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。そしてCPU29は、撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致すると、続いてステップ535を実行し、時間切れとなると、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なお、この終了の前に、液晶ディスプレイ28にタイムアウトの旨のエラーメッセージを出力させるようになっていてもよい。このようなステップ510〜530の実行によっても、撮影映像取得処理31が実現する。
【0128】
ステップ535では、繰り返し撮影されるQRコードのうち任意の1つ、または任意の複数のコマ映像を平均化することでノイズ除去を行ったもの解読を行う。
【0129】
続いてステップ540で、解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細については後述する。
【0130】
続いてステップ545で、ステップ535、540で解読、復号したデータを、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積する。
【0131】
続いてステップ550で、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積されているデータを、電子メール送信するため、無線回路23に出力する。電子メールの宛先については動画コード処理ルーチン400ステップ465と同様である。送信後、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域のデータはクリアする。ステップ465の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行が終了する。
【0132】
このように、CPU29は、ステップ535〜550を実行することで、QRコードを解読・復号し(ステップ535〜540参照)、その結果のデータを解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積し(ステップ545参照)、その蓄積したデータの電子メール送信を行う(ステップ550参照)。
【0133】
なお、CPU29は、ステップ535を実行することで、解読処理33を実現し、ステップ545、550を実行することで、蓄積・送信処理35を実現している。
【0134】
続いて、動画コード処理ルーチン400のステップ435、450、および静止画コード処理ルーチン500のステップ540における復号処理について説明する。図11に、上記各ステップにおいてこの復号処理のためにCPU29が実行する復号ルーチン600のフローチャートを示す。CPU29は、このプログラムの実行において、まずステップ610で、有効時間が合致するか否かを判定する。有効時間が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効時間情報が示す期間に、現在が入っているか否かで判定する。有効時間が合致する場合、続いてステップ620に進み、有効時間が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0135】
ステップ620では、有効地域が合致するか否かを判定する。有効地域が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効地域情報が示す地理的範囲に、現在位置が入っているか否かで判定する。なお、携帯電話機20の現在位置は、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が図示しないGPS(GlobalPositioning System)受信器を有し、そのGPS受信機を用いて現在位置を特定してもよい。有効地域が合致する場合、続いてステップ630に進み、有効地域が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0136】
ステップ630では、有効車種が合致するか否かを判定する。有効車種が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効車種情報が示す車種に、携帯電話機20のユーザの所有車両の車種等、特定の車種が該当するか否かで判定する。なお、特定の車種は、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置と通信して車種情報を取得するようになっていてもよい。有効車種が合致する場合、続いてステップ640に進み、有効車種が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0137】
なお、ステップ640では、有効車種が合致するか否かに代えて、有効車両IDが合致するか否かの判定を行ってもよい。有効車種が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効車両ID情報が示す1つまたは複数の車両IDに、携帯電話機20のユーザの所有車両の車両ID等、特定の車両IDが該当するか否かで判定する。なお、特定の車両IDは、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置と通信して車両ID情報を取得するようになっていてもよい。
【0138】
ステップ640では、QRコードの解読結果のデータ中から復号キーを読み出す。
【0139】
続いてステップ650では、当該復号キーを用いて、QRコードの解読結果のデータのうち、テキストデータを暗号化した部分を復号する。そして、復号結果として、元のテキストデータを取得する。ステップ650の後、復号ルーチン600の実行が終了し、QRコード取得・解読プログラム300の実行は、その復号ルーチン600の呼び出し元の位置の次の処理に進む。
【0140】
ステップ660では、復号および読み取り可能条件に合致しなかったためテキストデータの復号・読み取りが行えなかった旨のエラーメッセージを液晶ディスプレイ28に出力させる。ステップ660の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行は終了する。
【0141】
以上のような復号ルーチン600を実行することで、CPU29は、撮影されたQRコードの有効時間、有効地域、有効車種(または有効車両ID)という復号および読み取り可能条件のすべてに携帯電話機20が適合する場合(ステップ610〜630参照)、QRコード中に含まれていた復号キーを用いて復号することで、テキストデータを読み取る(ステップ640、650参照)。また、CPU29は、撮影されたQRコードの有効時間、有効地域、有効車種(または有効車両ID)という復号および読み取り可能条件の少なくともいずれか1つに携帯電話機20が適合しない場合(ステップ610〜630参照)、その旨のエラーメッセージを出力する(ステップ660参照)。このようにして、CPU29は、復号処理34を実現する。
【0142】
以上のような処理をCPU29が実行することで、携帯電話機20は、肉眼で認識することが困難なような短い一定周期で繰り返す一部時間帯部分にそれぞれ挿入されたQRコードの、表示装置10における表示を、カメラ21に撮影させ、そのカメラ21が撮影したQRコードを解読、復号し、解読、復号した結果のデータを記憶媒体に蓄積し、送信する。
【0143】
このようになっていることで、携帯電話機20は、上記のような映像信号出力装置1によって表示装置10が表示した映像中のQRコードを撮影し、そのQRコードの解読、復号および蓄積を行うことができる。
【0144】
また、この携帯電話機20は、カメラが繰り返し撮影したQRコードを繰り返し解読し、カメラ21によって繰り返し撮影されたQRコードのそれぞれが異なることを判定した場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積する。このようになっていることで、携帯電話機20は、繰り返し撮影したQRコードが異なっている場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを、1ファイル等、一続きのデータとして扱うことが可能となる。したがって、携帯電話機20は、1つのQRコードが有することのできる情報量を超えた一続きのデータを解読、蓄積することができる。
【0145】
また、この携帯電話機20は、カメラ21に繰り返し撮影を開始させ、カメラ21による撮影タイミングが、表示装置におけるQRコードの表示タイミングと合致するよう、そのカメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整するようになっている。したがって、カメラ21が効率よくQRコードを撮影できるので、QRコードでない映像を撮影するために携帯電話機20が費やす処理の負荷を低減することができる。
【0146】
また、解読した結果のデータに読み取り可能条件のデータが含まれており、携帯電話機20はこれに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えるようになっている。したがって、QRコードを生成する映像信号出力装置1の、読み取り可能条件の設定に対応することが可能となる。
【0147】
なお、上記の実施形態において、携帯電話機20が、カメラ駆動装置および幾何学形状コード解読装置に相当する。
【0148】
また、映像信号出力装置1のCPU7が、QRコード出力プログラム100を実行することで、コード生成手段として機能する。またCPU7が、映像取得処理71のためのプログラムを実行することで、取得手段として機能する。またCPU7が、QRコード挿入プログラム200を実行することで、コード挿入手段として機能する。またCPU7が、出力処理77のためのプログラムを実行することで、出力手段として機能する。またCPU7が、QRコード挿入プログラム200のステップ210を実行することで、タイミング検出手段として機能する。またCPU7が、ロゴ合成処理72のためのプログラムを実行することで、マーク挿入手段として機能する。
【0149】
また、携帯電話機20のCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ320〜370、動画コード処理ルーチン400のステップ405〜425、静止画コード処理ルーチン500の510〜530を実行することで、カメラ駆動手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ445、静止画コード処理ルーチン500のステップ535を実行することで、解読手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ460および静止画コード処理ルーチン500のステップ545を実行することで、蓄積手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ380を実行することで、判定手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ320を実行することで、カメラ駆動開始手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ330〜370、動画コード処理ルーチン400のステップ405〜425、静止画コード処理ルーチン500の510〜530を実行することで、調整手段として機能する。またCPU29が、復号ルーチン600を実行することで、復号手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ465、静止画コード処理ルーチン500のステップ550を実行することで、送信手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ440を実行することで開始判定手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ455を実行することで、終了判定手段として機能する。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1は、映像信号にQRコードを挿入し、携帯電話機20は、そのQRコードを撮影するようになっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、QRコードに代えて、スタック型2次元コード、マトリックス型2次元コード等の他の2次元コードを挿入、撮影するようになっていてもよい。あるいは、JAN、標準ITF等の1次元コードを挿入、撮影するようになっていてもよい。すなわち、映像信号出力装置1は、映像信号に幾何学形状コードを挿入し、携帯電話機20は、その幾何学形状コードを撮影するようになっていれば足りる。
【0150】
また、上記の実施形態において、幾何学形状コードは、時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に挿入されるようになっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、映像信号のすべてのコマに、透かしのように幾何学形状コードが薄く肉眼では認識できないように挿入してもよい。すなわち、映像信号出力装置1は、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように幾何学形状コードを挿入すれば足りる。
【0151】
また、上記の実施形態においてはQRコードの生成の元となるコード化元データの具体例としてテキストデータを用いているが、必ずしもテキストデータでなくともよく、例えばプログラムデータであってもよいし、画像データであってもよい。すなわち、どのようなデータであってもよい。
【0152】
また、上記の実施形態においては、カメラ21は、動画を連続的に録画するムービーカメラであってもよい。この場合は、CPU29は、受けた映像データから幾何学形状コードを選び出すようになっていればよい。
【0153】
また、映像信号出力装置1におけるコード化元データの暗号化は、幾何学形状コード1個分に細分化されたコード化元データに対して行われているが、必ずしもこのようになっておらずともよく、まず映像信号に挿入したいコード化元データ全体を暗号化し、その結果のデータを幾何学形状コード1個分に細分化するようになっていてもよい。この場合、復号キーは、1つのコード化元データに対して1つで済むので、すべての幾何学形状コードに復号キーを付加せず、それらのうちの1つ、例えば最初または最後の1つ,だけに付加するようになっていてもよい。この場合、携帯電話機20は、当該コード化元データに対応するQRコードの解読結果を1まとめにし、その後当該復号キーで復号すればよい。
【0154】
また、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1のCPU7は、QRコード出力プログラム100を、QRコード挿入プログラム200においてテキスト取り込み同期信号が生成される毎に実行しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、QRコード出力プログラム100を、QRコード挿入プログラム200の実行前にあらかじめ実行することで、挿入したいQRコードをすべてあらかじめ生成しておいてもよい。
【0155】
また、携帯電話機20のCPU29は、動画コード処理ルーチン400のステップ440および455で、開始データが出現したかについて、および、終了データが出現したかについて、QRコードを解読・復号したデータに基づいて判定しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、この判定を、QRコードそのものに対して行ってもよい。このためには、映像信号出力装置1は、あらかじめ開始データに相当するQRコードであると定められたQRコードを挿入し、あらかじめ終了データに相当するQRコードであると定められたQRコードを挿入するようになっていればよい。
【0156】
また、映像信号出力装置1が、カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータとして実現されており、生成したコード入り映像信号を出力する対象が、当該カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに付属の表示装置である場合、テキストデータとして、ダイアグノーシスデータ、すなわち映像信号出力装置1の故障情報、作動情報を含むデータであってもよい。このようこのようにすることで、ダイアグノーシスデータが、肉眼で認識することが困難なように表示されるので、ダイアグノーシスデータが、他の表示の邪魔にならない。そして、映像信号出力装置1のユーザは、このコード入り映像信号に基づく映像表示をカメラで撮影してメンテナンス業者に渡すことで、メンテナンス業者は, 携帯電話機20におけるカメラ21、無線回路23、アンテナ24以外の構成要素を有し、QRコード取得・解読プログラム300の実行においてカメラ駆動の代わりに、渡された映像信号から幾何学形状部分を抽出することで、その抽出した幾何学形状コードを解読するような幾何学形状コード解読装置を用いることで、その映像信号出力装置1の故障状況、作動状況を把握することができるようになる。
【0157】
また、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1は、図2に示す映像取得処理71、ロゴ合成処理72、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、QRコード生成処理75、QRコード挿入処理76を、汎用のCPU7がプログラムを実行することで実現しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、映像信号出力装置1は、上記の各処理71〜76毎に専用のハードウェア(例えば回路構成がプログラム可能なFPGA)を有することで、各処理を実現するようになっていてもよい。
【0158】
また、上記の実施形態においては、携帯電話機20は、図7に示す撮影映像取得処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、蓄積・送信処理35を、汎用のCPU29がプログラムを実行することで実現しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、携帯電話機20は、上記の各処理31〜35毎に専用の回路(例えば回路構成がプログラム可能なFPGA)を有することで、各処理を実現するようになっていてもよい。
【0159】
また、映像信号出力装置1は、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。この場合、映像信号出力装置1が、放送局側の装置であれば、文字放送データのテキストデータから、QRコード出力プログラム100において示した通りに幾何学形状コードを生成すればよい。また、映像信号出力装置1が、受信した放送用の映像信号に幾何学形状データを挿入し、その結果の映像信号を表示するテレビ受像器であれば、受信した文字放送データの信号から文字データを復元し、その復元した文字データを、QRコード出力プログラム100において示した通りに幾何学形状コードを生成するようになっていればよい。また、映像信号出力装置1がテレビ受像器である場合には、文字放送データを幾何学形状コードとして出力するか否かを、操作装置3を用いてユーザが選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態に係る映像信号出力装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】映像信号出力装置1のCPU7が行う処理の構成を概略的に示す図である。
【図3】QRコード出力プログラム100のフローチャートである。
【図4】QRコード挿入プログラム200のフローチャートである。
【図5】表示装置10におけるQRコードの表示態様を示す図である。
【図6】携帯電話機20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】携帯電話機20のCPU29が行う処理の構成を概略的に示す図である。
【図8】QRコード取得・解読プログラム300のフローチャートである。
【図9】動画コード処理ルーチン400のフローチャートである。
【図10】静止画コード処理ルーチン500のフローチャートである。
【図11】復号ルーチン600のフローチャートである。
【符号の説明】
【0161】
1…映像信号出力装置、2…入出力インターフェース、3…操作装置、4…HDD、
5…RAM、6…ROM、7…CPU、10…表示装置、11…表示部外周、
12…撮影領域、20…携帯電話機、21…カメラ、22…操作装置、
23…無線回路、24…アンテナ、25…RAM、26…ROM、
27…フラッシュメモリ、28…液晶ディスプレイ、29…CPU、
31…カメラ駆動処理、32…動画・静止画判定処理、33…解読処理、
34…復号処理、35…蓄積・送信処理、71…映像取得処理、72…ロゴ合成処理、
73…テキスト切り取り処理、74…暗号化処理、75…QRコード生成処理、
76…QRコード挿入処理、77…出力処理、100…QRコード出力プログラム、
200…QRコード挿入プログラム、300…QRコード取得・解読プログラム、
400…動画コード処理ルーチン、500…静止画コード処理ルーチン、
600…復号ルーチン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、QRコード(登録商標:以下同じ)等の幾何学形状コードが挿入された映像信号を出力するための映像信号出力装置、幾何学形状コードが挿入されたコード入り映像信号の生成方法、および映像信号出力プログラム、ならびに、そのように挿入された幾何学形状コードを撮影するためのカメラ駆動装置およびカメラ駆動プログラム、さらに、そのように挿入された幾何学形状コードを解読するための幾何学形状コード解読装置および幾何学形状コード解読プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ機能を有し、ポスター、パンフレット等に表示された幾何学形状コード(具体的にはQRコード)の撮影を行い、その撮影した幾何学形状コードを解読し、その解読の結果得たデータを表示することができる携帯電話機の技術が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−126942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発明者の検討によれば、テレビ、パーソナルコンピュータのモニタ、カーナビゲーション装置のディスプレイ等、時間的に連続する映像信号に基づいた映像を表示する表示装置に、上記の幾何学形状コードを表示させ、上記のような携帯電話機にその幾何学形状コードの撮影、解読、表示を行わせることが考えられる。
【0004】
しかし、幾何学形状コードが表示画面上に表示されれば、その分他の情報の表示領域が減ってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記点に鑑み、時間的に連続する映像信号に基づいて表示を行う表示装置に、他の情報表示の邪魔にならないように、幾何学形状コードを表示させる技術を提供することを第1の目的とし、また、そのように表示された幾何学形状コードを撮影および解読する技術を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記第1の目的を達成するための、本発明の第1の特徴は、映像信号出力装置が、コード化元データから幾何学形状コードを生成し、また時間的に連続する映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように生成した幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、そのように幾何学形状コードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力することである。
【0007】
このような映像信号出力装置が、取得した映像信号に生成した幾何学形状コードを生成することで、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように幾何学形状コードが挿入されたコード入り映像信号が出力される。そして、このコード入り映像信号に基づいた表示が表示装置で行われる際には、その幾何学形状コードを肉眼で認識することが困難であるがゆえ、その表示装置における他の情報表示の邪魔となることがない。
【0008】
なお、ここでいう出力とは、表示装置へ直接出力すること、他の装置で表示させるために無線通信線、有線通信線、を介して送信すること、および、VTR、DVDなどの記録媒体に出力することを含む概念である。
【0009】
また、幾何学形状コードとは、例えばQRコード等、文字ではない幾何学形状を含み、かつその幾何学形状が所定の解読規則によって、文字データ等のデータに解読されるようなものをいう。
【0010】
また、幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように映像信号に挿入する具体的な手法としては、時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に、生成した幾何学形状コードを挿入することが考えられる。
【0011】
また、そのような方法を実現する一態様として、コード生成手段が生成する幾何学形状コードを挿入するタイミング部分を検出する手段を備え、その検出されたタイミング部分に、生成した幾何学形状コードを挿入するようになっていてもよい。
【0012】
また、その幾何学形状コードを挿入する一部時間帯部分は、取得した映像信号中の一箇所ではなく、映像信号中に離散的に複数存在するようになっていてもよい。
【0013】
また、そのように離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ異なる幾何学形状コードを挿入してもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの情報量が高まることになる。
【0014】
また、そのように離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ同一の幾何学形状コードを挿入してもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの冗長性が高まることになる。
【0015】
また、生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときにその表示画面全体に現れるように、取得した映像信号に挿入するようになっていてもよい。このようにすることで、表示装置における幾何学形状コードの大きさが最大化する。また、そのように表示された幾何学形状コードを撮影するときには、撮影範囲を画面全体とすることができるので、撮影範囲の調整が容易である。
【0016】
また、上記の時間的に連続する映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式となっており、また、生成した幾何学形状コードを挿入する当該映像信号の一部時間帯部分は、この一定の時間周期の複数倍の周期で現れる部分であるようになっていてもよい。
【0017】
また、取得した映像信号中の、コード挿入手段が幾何学形状コードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯の近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾何学形状コードが挿入されている旨を示すマークを挿入するようになっていてもよい。
【0018】
また、映像信号出力装置は、コード化元データを暗号化し、この暗号化したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようにすることで、幾何学形状コードを撮影する側は、その暗号化に対応する復号鍵を有している場合に限り、その幾何学形状コードの意味内容を特定することができる。したがって、このようにすることで、映像信号出力装置は、生成する幾何学形状コードの意味内容を伝える先を制限することができる。
【0019】
また、映像信号出力装置は、この場合、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを撮影する側は、復号鍵の取得が容易となる。
【0020】
また、映像信号出力装置は、コード化元データに、読み取り可能条件を課するためのデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを撮影する側に、その読み出し対象を制限するためのデータに基づいて、幾何学形状コードが有する意味内容の抽出の制限を行わせることができる。
【0021】
そして、読み取り可能条件の具体例としては、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータが考えられる。
【0022】
また、コード化元データの具体例としては、ダイアグノーシスデータが考えられる。このようにすることで、ダイアグノーシスデータが、肉眼で認識することが困難なように表示されるので、ダイアグノーシスデータが、他の表示の邪魔にならない。
【0023】
また、コード化元データは、そのコード化元データについての幾何学形状コードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであってもよい。具体的には、映像信号が観光地の映像である場合、その観光地への交通アクセス情報や、その観光地近辺の宿の情報を、コード化元データとすることが考えられる。
【0024】
また、幾何学形状コードは、2次元コードであってもよい。
【0025】
また、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成するようになっているようになっていてもよい。
【0026】
また、上記のような本発明の第1の特徴を、コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手順と、時間的に連続する映像信号を取得する取得手順と、取得手段が取得した映像信号に、コード生成手順によって生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手順とを備えた映像信号生成方法として捉えることも可能である。
【0027】
さらに、本発明は、上記のような第1の特徴をコンピュータに実現させるための映像信号出力プログラムとしても捉えることが可能である。
【0028】
また、上記第2の目的を達成するための、本発明の第2の特徴は、カメラを備えたカメラ駆動装置が、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、そのカメラに撮影させ、そのカメラが撮影した幾何学形状コードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積することである。
【0029】
このようになっていることで、上記のような映像信号出力装置によって表示装置が表示した映像中の幾何学形状コードを、カメラで撮影し、その幾何学形状コードの解読および蓄積を行うことができる。
【0030】
また、このカメラ駆動装置は、カメラが繰り返し撮影した幾何学形状コードを繰り返し解読し、カメラによって繰り返し撮影された幾何学形状コードのそれぞれが異なることを判定し、その異なるという判定に基づいて、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積するようになっていてもよい。
【0031】
このようになっていることで、カメラ駆動装置は、繰り返し撮影した幾何学形状コードが異なっている場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを、1ファイル等、一続きのデータとして扱うことが可能となる。したがって、カメラ駆動装置は、1つの幾何学形状コードが有することのできる情報量を超えた一続きのデータを解読、蓄積することができる。
【0032】
さらに具体的には、カメラ駆動装置が、解読したデータが所定の開始データであることを判定してから、解読したデータが所定の終了データであることを判定するまでに解読したデータを1続きのデータとして蓄積するようになっていてもよい。
【0033】
また、このカメラ駆動装置は、カメラに繰り返し撮影を開始させ、前記カメラによる撮影タイミングが、表示装置における幾何学形状コードの表示タイミングと合致するよう、そのカメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整するようになっていてもよい。
【0034】
このようにすることで、カメラが効率よく幾何学形状コードを撮影できるので、幾何学形状コードでない映像を撮影するためにカメラ駆動装置が費やす処理の負荷を低減することができる。
【0035】
また、このカメラ駆動装置は、解読した結果のデータを復号し、復号した結果のデータを蓄積するようになっていてもよい。このようになっていることで、暗号化されたデータに対応することが可能となる。
【0036】
また、その解読した結果のデータに復号キーが含まれていれば、それを用いて復号を行うようになっていてもよい。
【0037】
また、解読した結果のデータに読み取り可能条件のデータが含まれている場合、これに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えるようになっていてもよい。このようになっていることで、幾何学形状コードを生成する側の、読み取り可能条件の設定に対応することが可能となる。
【0038】
そして、読み取り可能条件のデータの具体例としては、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータが考えられる。
【0039】
また、カメラ駆動装置は、蓄積したデータを当該カメラ駆動装置外に送信するようになっていてもよいし、表示装置に表示させるようになっていてもよい。
【0040】
また、幾何学形状コードは、2次元コードであってもよい。
【0041】
また、本発明は、上記のような第2の特徴をコンピュータに実現させるためのカメラ駆動プログラムとしても捉えることが可能である。
【0042】
また、上記第2の目的を達成するための、本発明の第3の特徴は、幾何学形状コード解読装置が、カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読し、その解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積することである。
【0043】
このようになっていることで、上記のような映像信号出力装置によって表示装置が表示した映像中の幾何学形状コードのカメラによる撮影映像を用い、当該幾何学形状コードの解読および蓄積を行うことができる。
【0044】
また、その解読は、カメラによって撮影された映像信号から、幾何学形状部分を抽出し、その抽出した幾何学形状コードに対して行うようになっていてもよい。
【0045】
また、本発明は、上記のような第3の特徴をコンピュータに実現させるための幾何学形状コード解読プログラムとしても捉えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1に、本実施形態に係る映像信号出力装置1のハードウェア構成をブロック図で示す。この映像信号出力装置1は、テキストデータ等のコード化元データからQRコードを生成し、取得した映像信号にそのQRコードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入し、その結果の映像信号を外部に出力するための装置である。この映像信号出力装置1は、入出力インターフェース2、操作装置3、HDD4、RAM5、ROM6、CPU(コンピュータに相当する)7等を有している。
【0047】
入出力インターフェース2は、カメラ等の外部からデジタルまたはアナログの映像信号の入力を受け、その受けた映像信号をデジタルデータとしてCPU7に出力する。また入出力インターフェース2は、CPU7から受けた映像のデジタルデータを、アナログまたはデジタル信号として外部に出力する。なお、ここでいう映像信号とは、テレビ放送映像の表示のための映像信号、パーソナルコンピュータにおける表示のための映像信号、カーナビゲーション装置における表示のための映像信号等、時間的に連続する映像信号をいう。より具体的には、映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式(例えばリフレッシュレート50Hz)となっている。映像信号が動画のための信号である場合、その映像信号は、このリフレッシュの度に表示映像が変化するようになっている。以下、このリフレッシュ毎の映像の1つ1つをコマと記す。
【0048】
操作装置3は、ユーザの操作を受けることで、その操作に基づく信号をCPU7に出力する装置である。
【0049】
CPU7は、不揮発性の大容量記憶媒体であるHDD4、不揮発性の記憶媒体であるROM6からプログラムを読み出して実行し、その実行における必要に応じて、揮発性の記憶媒体であるRAM5、およびHDD4に対してデータの書き込みを行い、HDD4、RAM5、およびROM6からデータの読み出しを行い、また操作装置3からの信号を受け付け、また入出力インターフェース2からの映像データを受け付け、入出力インターフェース2に映像データを出力する。
【0050】
以上のようなハードウェア構成の映像信号出力装置1は、例えば映像信号の入出力機能を有するパーソナルコンピュータを用いることで実現される。
【0051】
図2に、このCPU7がプログラムを実行することで行う処理を概略的に示す。この図に示す通り、CPU7は、所定のプログラムを実行することで、映像取得処理71、ロゴ合成処理72、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、QRコード生成処理75、QRコード挿入処理76、出力処理77を行う。
【0052】
映像取得処理71において、CPU7は、入出力インターフェース2からの映像データを、時系列順に受け付ける。
【0053】
また、ロゴ合成処理72において、CPU7は、受け付けた映像データの各コマにロゴマークを上書きする。このロゴマークは、映像信号の、そのロゴマークが表示される時間帯、またはその時間帯の近傍時間帯に、肉眼で認識することができないようにQRコードが挿入されている旨をユーザに伝えるための表示マークである。CPU7は、このロゴマークを、例えば表示画面の右下隅等に、ユーザが容易に肉眼で認識できるように現れるよう、上書きするようになっている。
【0054】
また、テキスト切り取り処理73において、CPU7は、ユーザが操作装置3を用いて読み出し対象として選択したテキストデータをHDD4から読み取り、それを1つのQRコードに変換できるサイズに細分化する。
【0055】
また、暗号化処理74において、CPU7は、テキスト切り取り処理73によって細分化されたデータを暗号化する。
【0056】
また、QRコード生成処理75において、CPU7は、暗号化処理74によって暗号化されたデータからQRコードを生成する。
【0057】
またQRコード挿入処理76において、CPU7は、QRコード生成処理75で生成されたQRコードを、ロゴ合成処理72でロゴが上書きされた映像データに、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入する。
【0058】
また出力処理77において、CPU7は、QRコードが挿入された映像データ、すなわち、コード入り映像データを出力する。出力先は、例えばテレビ受像器、カーナビゲーション装置、パーソナルコンピュータ(図2においてはPCと記す)等が考えられる。出力方法としては、テレビ放送のための電波送出や、インターネット等の有線回線を介した送信等が考えられる。また、出力は、HDD4にコード入り映像データを記憶させることで実現してもよい。
【0059】
ここで、このテキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75について詳述する。CPU7は、これらテキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75の処理を、図3に示すQRコード出力プログラム100を実行することで実現する。CPU7は、このQRコード出力プログラム100を、後述するテキストデータ取り込み同期信号が発生する度に実行するようになっている。
【0060】
このQRコード出力プログラム100の実行において、CPU7は、まずステップ105で、変数Nにゼロ値を代入する。
【0061】
続いてステップ110で、HDD4に記憶されているテキストデータの一文字分を読み出す。この一文字は、ステップ110を実行するのが、操作装置3によって読み出し対象のテキストデータが特定されて以降初めての場合、対象となるテキストデータの先頭の文字であり、ステップ110を実行するのが、操作装置3によって読み出し対象のテキストデータが特定されて以降、整数k回目のステップ110の場合は、対象となるテキストデータのk番目の文字である。
【0062】
続いてステップ115で、読み出した一文字分のデータがあらかじめ定められた開始用の特殊文字、すなわち開始コードであるか否かを判定する。開始コードである場合、続いてステップ110を実行し、開始コードでなければ、続いてステップ118を実行する。
【0063】
なお、テキストデータの先頭には、開始コードが通常入っており、テキストデータの終端には、後述する終了コードが通常入っているものとする。
【0064】
ステップ118では、読み出した一文字分のデータがあらかじめ定められた終了用の特殊文字、すなわち終了コードであるか否かを判定する。終了コードである場合、続いてステップ135を実行し、終了コードでない場合、続いてステップ120を実行する。
【0065】
ステップ120では、直前のステップ110で読み出した文字のデータを、RAM5中の読み出しデータ用の所定の領域に蓄積する。
【0066】
続いてステップ125では、変数Nの値を1だけインクリメントする。
【0067】
続いてステップ130では、変数Nの値が所定の基準文字数であるか否かを判定する。ここで、所定の基準文字数とは、まとめて1つのQRコードに変換できる文字数の最大値(具体的には、その文字数の文字データに後述する暗号化、復号キー付加、読み出し対象を制限するためのデータ付加を施した結果のデータが1つのQRコードに変換できるサイズとなるような文字数)であり、本実施形態においては具体的には1400、1000、800等である。所定の基準文字数である場合、続いてステップ140を実行し、所定の基準文字数未満である場合、続いてステップ110を実行する。
【0068】
ステップ135では、QRコード出力プログラム100の開始以降ステップ118で蓄積したデータに、所定のダミーデータ(例えば値がすべてゼロのデータ)を付加する。ここで、ダミーデータのサイズは、それをQRコード出力プログラム100の開始以降ステップ118で蓄積したデータに付加した結果のデータの文字数が、所定の基準文字数になるようになるように決められる。ステップ135の後、続いてステップ140を実行する。
【0069】
以上のようなステップ105〜135をCPU7が実行することで、CPU7は、対象となるテキストデータから一文字ずつ順に読み出し、読み出した開始コードおよび終了コード以外の文字データをまとめて蓄積する。そしてCPU7は、終了コードを読み出すか、あるいはその回に読み出した開始コードおよび終了コード以外の文字データの総数が基準文字数に達した場合、その読み出しを終了し、その読み出したデータが終了コードの場合は、蓄積した文字データにダミーデータを付加する。
【0070】
ステップ140では、蓄積した文字データを暗号化する。このステップ140の処理が、図2における暗号化処理74に相当する。
【0071】
続いてステップ145では、その暗号を解読するための解読キーを、暗号化したデータに付加する。
【0072】
続いてステップ150では、有効時間情報を付加する。有効時間情報は、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効時間情報は、その有効時間情報の示す期間でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。
【0073】
続いてステップ155では、有効地域情報を付加する。有効地域情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効地域情報は、その有効地域情報の示す地理的範囲内でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。
【0074】
続いてステップ160では、有効車種情報を付加する。有効車種情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効車種情報は、その有効車種情報の示す車種に関連する装置でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。なお、有効車種情報は、有効車両ID情報であってもよい。有効車両ID情報も、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータの一種である。具体的には、有効車両ID情報は、その有効車両ID情報の示す1つまたは複数の車両IDに関連する装置でのみ、この暗号化されたデータを復号してテキストデータを読み取ることができることを示すデータである。なお、車両IDとは、車両を一意に特定するための識別データである。
【0075】
続いてステップ165では、QRコードの生成を行う。具体的には、ステップ105〜135で蓄積し、ステップ140で暗号化し、ステップ145で復号キーを付加し、ステップ150〜160でテキストデータを読み取ることができる条件を課すためのデータを付加した結果のデータを、1コマ分のQRコードの映像データに変換する。更に、RAM5中の読み出しデータ用の所定の領域に蓄積されたデータをクリアする。ステップ165の後、QRコード出力プログラム100の実行が終了する。なお、ステップ145〜165に示された処理が、QRコード生成処理75に相当する。
【0076】
このようなQRコード出力プログラム100を実行することで、CPU7は、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、およびQRコード生成処理75を実現することができる。そしてCPU7は、QRコード出力プログラム100を繰り返し実行することで、当該テキストデータを細分化し、その細分化されたそれぞれ毎に1つのQRコードの映像データを生成する。この際、テキストデータの全内容が生成されてしまった場合は、またそのテキストデータの先頭にテキスト読み出し位置を戻すものとする。したがって、CPU7は、あるテキストデータがj個に細分化された場合、QRコード出力プログラム100を繰り返すことで、1番目からj番目までのデータを、巡回的に何度も送信し続けることになる。
【0077】
また、CPU7は、図4に示すQRコード挿入プログラム200を、繰り返し実行するようになっている。このQRコード挿入プログラム200の実行においは、まずステップ210で、映像取得処理71によって順次取得している時間的に連続した映像の、現在取得した映像データに当たるタイミングが、QRコードの挿入タイミングであるか否かを判定し、QRコードの挿入タイミングを検出するまで、この判定を繰り返す。その映像データのタイミングが、QRコードの挿入タイミングであるか否かは、あらかじめ定められた挿入タイミングに付いての基準によって特定する。挿入タイミングとしては、例えば映像データの複数コマ(例えば30コマ)に1コマ、等の繰り返しタイミングが考えられる。ただしこのタイミングは、例えば10コマに8コマ等、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが容易となるような高頻度のタイミングではなく、肉眼で認識することが困難である程度に短い期間表示装置に表示されるような低頻度のタイミングである必要がある。
【0078】
そして、QRコードの挿入タイミングになると、続いてステップ210で、テキスト取り込み同期信号を発生させる。上述のQRコード出力プログラム100は、このテキスト取り込み同期信号の発生毎に実行されるので、QRコードは、QRコード挿入タイミング毎に1つ生成されることになる。したがって、QRコード挿入プログラム200の繰り返し実行が続いている限り、CPU7は、QRコードを順次生成し続ける。
【0079】
続いてステップ220では、QRコード出力プログラム100によって生成されたQRコードを、取得した映像データの当該挿入タイミング部分に挿入する。このとき、そのタイミングにおける映像データ中の元の映像は、破棄するものとする。すなわち、QRコードは、映像信号の一部時間帯部分のデータと差し替えることで、当該映像信号の当該一部時間帯部分に挿入される。また、挿入するQRコードは、表示画面いっぱいに1つ表示されるような形式で挿入してもよいし、表示画面の一部(例えば左下隅)に表示されるような形式で挿入してもよいし、表示画面いっぱいに小さいQRコードが敷き詰められるような形式で挿入してもよい。ステップ220の後、QRコード挿入プログラム200の1回分の実行は終了する。
【0080】
このようなQRコード挿入プログラム200を実行することで、CPU7はQRコード挿入処理76を実現することができる。
【0081】
以上のような処理をCPU7が実行することで、映像信号出力装置1は、テキストデータからQRコードを生成し、また映像信号を取得し、その取得した映像信号に、上記のように複数生成したQRコードのそれぞれを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難である程度に短い一定周期で繰り返す一部時間帯部分にそれぞれ挿入し、そのようにQRコードが挿入されることで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する。
【0082】
このような映像信号出力装置1が、取得した映像信号に生成したQRコードを生成することで、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なようにQRコードが挿入されたコード入り映像信号が出力される。
【0083】
図5に、このようなコード入り映像信号を受けて、その映像信号に基づく映像表示を行う表示装置10による、QRコードの表示例を示す。なお、QRコードが表示されるのは実際には非常に短い時間であるので、肉眼では事実上確認できないようになっている。この表示例においては、表示部外周11内の表示領域全体に1つのQRコードが現れている。このようになっていれば、そのQRコードを肉眼で確認することができなくとも、撮影領域12、すなわち、表示部外周11の内部全体をカメラ機能付き携帯電話等でタイミングよく撮影することで、後述のようにQRコードを撮影することができるので、撮影範囲の調整が容易である。また、このように画面いっぱいにQRコードが大きく表示できれば、離れた位置からカメラ機能付き携帯電話等でQRコードを撮影することがユーザにとって容易となる。また、画面のフレームが入る様に撮影する事でQRコードの書かれている範囲の認識が容易に可能となる。これには2つのメリットがある、ユーザがQRコードのある範囲を特定しやすいことと、画像のフレームは通常四角形状をしているので携帯電話がQRコードのエリアを画像認識する際のエッジ情報としても役立つ。
【0084】
そして、このコード入り映像信号に基づいた表示が表示装置で行われる際には、そのQRコードを肉眼で認識することが困難であるがゆえ、その表示装置における他の情報表示の邪魔となることがない。
【0085】
また、各タイミングで挿入されるQRコードは異なっているので、コード入り映像信号に挿入される幾何学コードの情報量が高まることになる。
【0086】
なお映像信号出力装置1は、各タイミングに同一のQRコードを挿入するようになっていてもよい。このようになっていることで、コード入り映像信号に挿入されるQRコードの冗長性が高まることになる。
【0087】
また映像信号出力装置1は、ロゴ合成処理72によって取得した映像信号中の、コード挿入手段がQRコードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯を除く近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾QRコードが挿入されている旨を示すロゴマークを挿入するようになっているので、ユーザは、肉眼では認識できないものの、現在QRコードの表示が行われていることを認識することが可能となる。
【0088】
また、映像信号出力装置1は、読み出したテキストデータを暗号化し、この暗号化したデータからQRコードを生成するようになっていてもよい。このようにすることで、QRコードを撮影する側は、その暗号化に対応する復号鍵を利用できる場合に限り、その幾何学形状コードの意味内容を特定することができる。したがって、このようにすることで、映像信号出力装置は、生成する幾何学形状コードの意味内容を伝える先を制限することができる。
【0089】
また、映像信号出力装置1は、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成するようになっているので、幾何学形状コードを撮影する側は、復号鍵の取得が容易となる。
【0090】
また、映像信号出力装置は、テキストデータに、復号および読み取り可能条件を課するためのデータとして、有効時間データ、有効地域データ、有効車種データ、有効車両IDデータを付加し、その結果のデータからQRコードを生成するようになっているので、QRコードを撮影する側に、その復号および読み取り可能条件のデータに基づいて、QRコードが有する意味内容の抽出の制限を行わせることができる。
【0091】
なお、QRコードの生成の元となるテキストデータは、そのテキストデータについてのQRコードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであってもよい。具体的には、映像信号が観光地の案内映像である場合、その観光地への交通アクセス情報や、その観光地近辺の宿の情報を、コード化元データとすることが考えられる。
【0092】
次に、本実施形態に係る携帯電話機20のハードウェア構成を図6に示す。この携帯電話機20は、カメラ機能付きの携帯電話であり、映像信号出力装置1が出力するコード入り映像信号に基づいて表示された映像に含まれるQRコードを内蔵カメラに撮影させ、そのカメラが撮影したQRコードを解読し、解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積し、あるいは電子メールとして送信するためのものである。この携帯電話機20は、カメラ21、操作装置22、無線回路23、アンテナ24、RAM25、ROM26、フラッシュメモリ27、液晶ディスプレイ28、およびCPU(コンピュータに相当する)29を有している。
【0093】
カメラ21は、CPU29の制御によって、数ミリ秒単位で撮影タイミングを調整することができるようになっており、撮影したコマ映像をCPU29に出力する。
【0094】
操作装置22は、番号ボタン、機能ボタン等、ユーザの電話発信、電子メール送信、カメラ撮影開始等の旨の操作を受けることで、その操作に基づく信号をCPU29に出力する装置である。
【0095】
無線回路23は、電話通話、電子メール送受信等のために無線信号の送受信を行う回路である。この無線回路23は、CPU29から受信したデータに対して所定のD/A変換、増幅、周波数変換、変調等を施し、その結果の信号をアンテナ24に無線電波として出力させる。また無線回路23は、アンテナ24が受けた無線電波の信号に対して所定の増幅、周波数変換、復調、A/D変換等を施し、その結果のデータをCPU29に出力する。
【0096】
液晶ディスプレイ28は、CPU29から受けたデータに基づく映像を、ユーザに見えるように表示する。
【0097】
CPU29は、ROM26、書き換え可能な不揮発性記憶媒体であるフラッシュメモリ27からプログラムを読み出して実行し、その実行時に、必要に応じてカメラ21を制御し、またカメラ21から映像データを受け、操作装置22からの信号を受け付け、無線回路23に送話、電子メール送信等のためのデータを出力し、無線回路23からの受信データを受け付け、RAM25、フラッシュメモリ27にデータを書き込み、RAM25、ROM26、フラッシュメモリ27からデータを読み出し、液晶ディスプレイ28に表示映像用のデータを出力する。
【0098】
具体的には、例えばCPU29は、電話通話時には、図示しないマイクから受けた音声信号に基づいて、送話データを無線回路23に出力し、また無線回路23から受けた相手からの音声データに基づく音声信号を図示しないスピーカに出力する。
【0099】
またCPU29は、プログラムを実行することで、QRコードを撮影するための処理として、図7に概略的に示すようなカメラ駆動処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、蓄積・送信処理35等を行う。
【0100】
カメラ駆動処理31において、CPU29は、上述の表示装置10に表示された映像中のQRコードの撮影のためにカメラを駆動させ、そのカメラが撮影したコマ映像データを取得する。
【0101】
また、動画・静止画判定処理32において、CPU29は、取得したQRコードが動画コードであるか静止画コードであるかを判定する。なお、表示装置10において表示される映像中の複数タイミングにおいて出現するQRコードが、それぞれ異なっている(ただし一部重複していてもよい)場合に、それらのQRコードを動画コードと呼ぶ。また、表示装置10において表示される映像中の複数タイミングにおいて出現するQRコードが、すべて同じである場合に、それらのQRコードを静止画コードと呼ぶ。
【0102】
また、解読処理33において、CPU29は、動画・静止画判定処理32の判定結果に基づいて、撮影したQRコードの解読を行う。
【0103】
また、復号処理34において、CPU29は、解読処理33によって解読されたQRコードの復号を行う。
【0104】
また、蓄積・送信処理35において、CPU29は、復号処理34によって復号されたテキストデータをRAM25またはフラッシュメモリ27に記憶させ、また電子メール送信のために無線回路23に出力する。
【0105】
ここで、図8に、これらカメラ駆動処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、および蓄積・送信処理35の処理を実現するための、図8にフローチャートとして示すQRコード取得・解読プログラム300プログラムについて説明する。なお、液晶ディスプレイ28は、無線回路23等を用いて、このQRコード取得・解読プログラム300を有線ネットワーク、無線ネットワーク等を介してダウンロードするようになっていてもよい。またそのダウンロードの際、携帯電話機20の機種情報をサーバに送信することで、サーバはその機種に対応したQRコード取得・解読プログラム300を送信し、CPU29はその送信されたQRコード取得・解読プログラム300を受信して液晶ディスプレイ28に記憶させるようになっていてもよい。
【0106】
CPU29は、繰り返しこのプログラムを実行し、まずステップ310で、ユーザによるQRコード撮影開始の旨の操作装置22に対する操作としての、開始スイッチ押下を待ち、押下があると判定すると、続いてステップ320で、カメラ21に繰り返し撮影を開始させる。
【0107】
続いてステップ330ー370では、このカメラ21による撮影タイミングが、表示装置10におけるQRコードの表示タイミングと合致するよう、カメラ21による繰り返し撮影のタイミングを調整する。具体的には、ステップ330で、カウントをリセットする。すなわちRAM中の所定のカウント用変数をゼロにする。
【0108】
続いてステップ340で、撮影タイミングの調整を行う。具体的には、繰り返し撮影の繰り返し間隔の増減、各撮影タイミングの全体的なシフト等のためにカメラ21を制御する。
【0109】
続いてステップ340では、カウントをアップする、すなわち上記カウント用変数の値をインクリメントする。
【0110】
続いてステップ360では、タイムオーバーか否かを、上記カウント用変数の値が所定のしきい値を超えたか否かで判定する。タイムオーバーである場合、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なおこの場合、エラーメッセージを液晶ディスプレイ28に出力するようになっていてもよい。タイムオーバーでない場合、続いてステップ370を実行する。
【0111】
ステップ370では、QRコードの認識ができたか否かを判定する。すなわち、カメラ21からのコマ映像が、QRコードであるか否かを判定する。QRコードの認識ができた場合、すなわちカメラ21の撮影タイミングが適切な場合、続いてステップ380を実行し、QRコードの認識ができない場合、すなわちカメラ21の撮影タイミングが不適切な場合、続いてステップ340を実行する。
【0112】
これらステップ330〜370によって、カメラ21による撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。このようなステップ330〜370の実行によって撮影映像取得処理31が実現する。なお、CPU29のROM26、フラッシュメモリ27には、QRコードの出現周期の情報があらかじめ含まれていてもよい。その場合であっても、撮影タイミングの調整は行うが、撮影の周期については、そのあらかじめ記憶された出現周期から、わずかに変化させるような調整を行う。
【0113】
ステップ380では、上記のように調整されたカメラ21によって繰り返し撮影されたQRコードのそれぞれが異なるか、あるいはすべて同じかを判定する。すなわちカメラ21が撮影したQRコードが動画コードであるか静止画コードであるかを判定する。そして、動画コードであれば、続いてステップ400を実行し、静止がコードであれば、続いてステップ500を実行する。このステップ380の実行によって、動画・静止画判定処理32が実現する。
【0114】
ステップ400においては、動画コード処理のための、QRコード取得・解読プログラム300の一部としての、図9に示す動画コード処理ルーチン400を実行する。CPU29は、動画コード処理ルーチン400の実行において、まずステップ405で、カウントリセットを行い、ステップ410で撮影タイミングの微調整を行い、ステップ415でカウントアップを行い、ステップ420でタイムオーバーか否かを判定し、ステップ425でQRコード認識を行う。これらステップ405、410、415、420、および425の処理内容は、それぞれQRコード取得・解読プログラム300のステップ330、340、350、360、および370の処理と同等である。ただし、既にステップ330〜370の処理によって撮影タイミングはほぼ合っているので、ステップ410における微調整の幅は、ステップ340における調整の幅よりも小さくなっている。
【0115】
このように、ステップ405〜425によってカメラ21に撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。そしてCPU29は、撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致すると、続いてステップ430を実行し、時間切れとなると、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なお、この終了の前に、液晶ディスプレイ28にタイムアウトの旨のエラーメッセージを出力させるようになっていてもよい。このようなステップ405〜425の実行によっても、撮影映像取得処理31が実現する。
【0116】
ステップ430では、繰り返し撮影されるQRコードの、撮影された順序に沿った1つについての解読を行う。
【0117】
続いてステップ435で、解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細については後述する。
【0118】
続いてステップ440で、復号した結果のデータが開始データであるか否かを判定し、開始データであれば続いてステップ445を実行し、開始データでなければステップ430の実行に戻る。
【0119】
ステップ445では、繰り返し撮影されるQRコードのうち、撮影された順序に沿った次のものについての解読を行う。
【0120】
続いてステップ450で、その解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細についても後述する。
【0121】
続いてステップ455で、復号した結果のデータが終了データであるか否かを判定し、終了データであれば続いてステップ465を実行し、終了データでなければ続いてステップ460を実行する。
【0122】
ステップ460では、直前のステップ445、450で解読、復号したデータを、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積する。ステップ460に続いては、ステップ445の実行に戻る。
【0123】
ステップ465では、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積されているデータを、電子メール送信するため、無線回路23に出力する。なお、電子メールの宛先は、その送信するデータの情報を利用する装置の電子メールアドレスが考えられる。例えば、送信するデータが特定の施設の位置情報等であれば、携帯電話機20のユーザが有するカーナビゲーション装置の電子メールアドレスに送信すればよい。送信後、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域のデータはクリアする。ステップ465の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行が終了する。
【0124】
このように、CPU29は、ステップ430〜465を実行することで、開始データが出現するまで撮影されたQRコードを順次解読・復号し(ステップ430〜440参照)、開始データが出現すると、その後に撮影されたQRコードから順次、終了データが出現するまで、解読・復号を行ってその結果のデータを解読・復号後データ用の所定の領域に順次追加蓄積していく(ステップ455〜460参照)。そして、終了データが出現すると、その蓄積したデータの電子メール送信を行う(ステップ465参照)。したがって、CPU29は、開始データと終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積・送信することになる。
【0125】
なお、CPU29は、ステップ445を実行することで、解読処理33を実現し、ステップ460、465を実行することで、蓄積・送信処理35を実現している。
【0126】
ステップ500においては、静止画コード処理のための、QRコード取得・解読プログラム300の一部としての、図10に示す静止画コード処理ルーチン500を実行する。CPU29は、静止画コード処理ルーチン500の実行において、まずステップ510で、カウントリセットを行い、ステップ515で撮影タイミングの微調整を行い、ステップ520でカウントアップを行い、ステップ525でタイムオーバーか否かを判定し、ステップ530でQRコード認識を行う。これらステップ510、515、520、525、および530の処理内容は、それぞれQRコード取得・解読プログラム300のステップ330、340、350、360、および370の処理と同等である。ただし、既にステップ330〜370の処理によって撮影タイミングはほぼ合っているので、ステップ515における微調整の幅は、ステップ340における調整の幅よりも小さくなっている。
【0127】
このように、ステップ510〜530によってカメラ21に撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致するか、時間切れとなるまで、続けられる。そしてCPU29は、撮影タイミングが、QRコードの撮影タイミングと一致すると、続いてステップ535を実行し、時間切れとなると、QRコード取得・解読プログラム300の実行を終了する。なお、この終了の前に、液晶ディスプレイ28にタイムアウトの旨のエラーメッセージを出力させるようになっていてもよい。このようなステップ510〜530の実行によっても、撮影映像取得処理31が実現する。
【0128】
ステップ535では、繰り返し撮影されるQRコードのうち任意の1つ、または任意の複数のコマ映像を平均化することでノイズ除去を行ったもの解読を行う。
【0129】
続いてステップ540で、解読したデータについての復号を行う。この復号の詳細については後述する。
【0130】
続いてステップ545で、ステップ535、540で解読、復号したデータを、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積する。
【0131】
続いてステップ550で、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積されているデータを、電子メール送信するため、無線回路23に出力する。電子メールの宛先については動画コード処理ルーチン400ステップ465と同様である。送信後、RAM25中の解読・復号後データ用の所定の領域のデータはクリアする。ステップ465の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行が終了する。
【0132】
このように、CPU29は、ステップ535〜550を実行することで、QRコードを解読・復号し(ステップ535〜540参照)、その結果のデータを解読・復号後データ用の所定の領域に蓄積し(ステップ545参照)、その蓄積したデータの電子メール送信を行う(ステップ550参照)。
【0133】
なお、CPU29は、ステップ535を実行することで、解読処理33を実現し、ステップ545、550を実行することで、蓄積・送信処理35を実現している。
【0134】
続いて、動画コード処理ルーチン400のステップ435、450、および静止画コード処理ルーチン500のステップ540における復号処理について説明する。図11に、上記各ステップにおいてこの復号処理のためにCPU29が実行する復号ルーチン600のフローチャートを示す。CPU29は、このプログラムの実行において、まずステップ610で、有効時間が合致するか否かを判定する。有効時間が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効時間情報が示す期間に、現在が入っているか否かで判定する。有効時間が合致する場合、続いてステップ620に進み、有効時間が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0135】
ステップ620では、有効地域が合致するか否かを判定する。有効地域が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効地域情報が示す地理的範囲に、現在位置が入っているか否かで判定する。なお、携帯電話機20の現在位置は、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が図示しないGPS(GlobalPositioning System)受信器を有し、そのGPS受信機を用いて現在位置を特定してもよい。有効地域が合致する場合、続いてステップ630に進み、有効地域が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0136】
ステップ630では、有効車種が合致するか否かを判定する。有効車種が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効車種情報が示す車種に、携帯電話機20のユーザの所有車両の車種等、特定の車種が該当するか否かで判定する。なお、特定の車種は、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置と通信して車種情報を取得するようになっていてもよい。有効車種が合致する場合、続いてステップ640に進み、有効車種が合致しない場合、続いてステップ660を実行する。
【0137】
なお、ステップ640では、有効車種が合致するか否かに代えて、有効車両IDが合致するか否かの判定を行ってもよい。有効車種が合致するか否かは、具体的には、QRコードを解読した結果のデータに含まれる有効車両ID情報が示す1つまたは複数の車両IDに、携帯電話機20のユーザの所有車両の車両ID等、特定の車両IDが該当するか否かで判定する。なお、特定の車両IDは、ユーザが操作装置3を用いてあらかじめ入力していてもよいし、携帯電話機20が、当該車両に搭載された車両用ナビゲーション装置と通信して車両ID情報を取得するようになっていてもよい。
【0138】
ステップ640では、QRコードの解読結果のデータ中から復号キーを読み出す。
【0139】
続いてステップ650では、当該復号キーを用いて、QRコードの解読結果のデータのうち、テキストデータを暗号化した部分を復号する。そして、復号結果として、元のテキストデータを取得する。ステップ650の後、復号ルーチン600の実行が終了し、QRコード取得・解読プログラム300の実行は、その復号ルーチン600の呼び出し元の位置の次の処理に進む。
【0140】
ステップ660では、復号および読み取り可能条件に合致しなかったためテキストデータの復号・読み取りが行えなかった旨のエラーメッセージを液晶ディスプレイ28に出力させる。ステップ660の後、QRコード取得・解読プログラム300の実行は終了する。
【0141】
以上のような復号ルーチン600を実行することで、CPU29は、撮影されたQRコードの有効時間、有効地域、有効車種(または有効車両ID)という復号および読み取り可能条件のすべてに携帯電話機20が適合する場合(ステップ610〜630参照)、QRコード中に含まれていた復号キーを用いて復号することで、テキストデータを読み取る(ステップ640、650参照)。また、CPU29は、撮影されたQRコードの有効時間、有効地域、有効車種(または有効車両ID)という復号および読み取り可能条件の少なくともいずれか1つに携帯電話機20が適合しない場合(ステップ610〜630参照)、その旨のエラーメッセージを出力する(ステップ660参照)。このようにして、CPU29は、復号処理34を実現する。
【0142】
以上のような処理をCPU29が実行することで、携帯電話機20は、肉眼で認識することが困難なような短い一定周期で繰り返す一部時間帯部分にそれぞれ挿入されたQRコードの、表示装置10における表示を、カメラ21に撮影させ、そのカメラ21が撮影したQRコードを解読、復号し、解読、復号した結果のデータを記憶媒体に蓄積し、送信する。
【0143】
このようになっていることで、携帯電話機20は、上記のような映像信号出力装置1によって表示装置10が表示した映像中のQRコードを撮影し、そのQRコードの解読、復号および蓄積を行うことができる。
【0144】
また、この携帯電話機20は、カメラが繰り返し撮影したQRコードを繰り返し解読し、カメラ21によって繰り返し撮影されたQRコードのそれぞれが異なることを判定した場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積する。このようになっていることで、携帯電話機20は、繰り返し撮影したQRコードが異なっている場合、繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを、1ファイル等、一続きのデータとして扱うことが可能となる。したがって、携帯電話機20は、1つのQRコードが有することのできる情報量を超えた一続きのデータを解読、蓄積することができる。
【0145】
また、この携帯電話機20は、カメラ21に繰り返し撮影を開始させ、カメラ21による撮影タイミングが、表示装置におけるQRコードの表示タイミングと合致するよう、そのカメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整するようになっている。したがって、カメラ21が効率よくQRコードを撮影できるので、QRコードでない映像を撮影するために携帯電話機20が費やす処理の負荷を低減することができる。
【0146】
また、解読した結果のデータに読み取り可能条件のデータが含まれており、携帯電話機20はこれに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えるようになっている。したがって、QRコードを生成する映像信号出力装置1の、読み取り可能条件の設定に対応することが可能となる。
【0147】
なお、上記の実施形態において、携帯電話機20が、カメラ駆動装置および幾何学形状コード解読装置に相当する。
【0148】
また、映像信号出力装置1のCPU7が、QRコード出力プログラム100を実行することで、コード生成手段として機能する。またCPU7が、映像取得処理71のためのプログラムを実行することで、取得手段として機能する。またCPU7が、QRコード挿入プログラム200を実行することで、コード挿入手段として機能する。またCPU7が、出力処理77のためのプログラムを実行することで、出力手段として機能する。またCPU7が、QRコード挿入プログラム200のステップ210を実行することで、タイミング検出手段として機能する。またCPU7が、ロゴ合成処理72のためのプログラムを実行することで、マーク挿入手段として機能する。
【0149】
また、携帯電話機20のCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ320〜370、動画コード処理ルーチン400のステップ405〜425、静止画コード処理ルーチン500の510〜530を実行することで、カメラ駆動手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ445、静止画コード処理ルーチン500のステップ535を実行することで、解読手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ460および静止画コード処理ルーチン500のステップ545を実行することで、蓄積手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ380を実行することで、判定手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ320を実行することで、カメラ駆動開始手段として機能する。またCPU29が、QRコード取得・解読プログラム300のステップ330〜370、動画コード処理ルーチン400のステップ405〜425、静止画コード処理ルーチン500の510〜530を実行することで、調整手段として機能する。またCPU29が、復号ルーチン600を実行することで、復号手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ465、静止画コード処理ルーチン500のステップ550を実行することで、送信手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ440を実行することで開始判定手段として機能する。またCPU29が、動画コード処理ルーチン400のステップ455を実行することで、終了判定手段として機能する。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1は、映像信号にQRコードを挿入し、携帯電話機20は、そのQRコードを撮影するようになっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、QRコードに代えて、スタック型2次元コード、マトリックス型2次元コード等の他の2次元コードを挿入、撮影するようになっていてもよい。あるいは、JAN、標準ITF等の1次元コードを挿入、撮影するようになっていてもよい。すなわち、映像信号出力装置1は、映像信号に幾何学形状コードを挿入し、携帯電話機20は、その幾何学形状コードを撮影するようになっていれば足りる。
【0150】
また、上記の実施形態において、幾何学形状コードは、時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に挿入されるようになっているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、映像信号のすべてのコマに、透かしのように幾何学形状コードが薄く肉眼では認識できないように挿入してもよい。すなわち、映像信号出力装置1は、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように幾何学形状コードを挿入すれば足りる。
【0151】
また、上記の実施形態においてはQRコードの生成の元となるコード化元データの具体例としてテキストデータを用いているが、必ずしもテキストデータでなくともよく、例えばプログラムデータであってもよいし、画像データであってもよい。すなわち、どのようなデータであってもよい。
【0152】
また、上記の実施形態においては、カメラ21は、動画を連続的に録画するムービーカメラであってもよい。この場合は、CPU29は、受けた映像データから幾何学形状コードを選び出すようになっていればよい。
【0153】
また、映像信号出力装置1におけるコード化元データの暗号化は、幾何学形状コード1個分に細分化されたコード化元データに対して行われているが、必ずしもこのようになっておらずともよく、まず映像信号に挿入したいコード化元データ全体を暗号化し、その結果のデータを幾何学形状コード1個分に細分化するようになっていてもよい。この場合、復号キーは、1つのコード化元データに対して1つで済むので、すべての幾何学形状コードに復号キーを付加せず、それらのうちの1つ、例えば最初または最後の1つ,だけに付加するようになっていてもよい。この場合、携帯電話機20は、当該コード化元データに対応するQRコードの解読結果を1まとめにし、その後当該復号キーで復号すればよい。
【0154】
また、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1のCPU7は、QRコード出力プログラム100を、QRコード挿入プログラム200においてテキスト取り込み同期信号が生成される毎に実行しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、QRコード出力プログラム100を、QRコード挿入プログラム200の実行前にあらかじめ実行することで、挿入したいQRコードをすべてあらかじめ生成しておいてもよい。
【0155】
また、携帯電話機20のCPU29は、動画コード処理ルーチン400のステップ440および455で、開始データが出現したかについて、および、終了データが出現したかについて、QRコードを解読・復号したデータに基づいて判定しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、この判定を、QRコードそのものに対して行ってもよい。このためには、映像信号出力装置1は、あらかじめ開始データに相当するQRコードであると定められたQRコードを挿入し、あらかじめ終了データに相当するQRコードであると定められたQRコードを挿入するようになっていればよい。
【0156】
また、映像信号出力装置1が、カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータとして実現されており、生成したコード入り映像信号を出力する対象が、当該カーナビゲーション装置やパーソナルコンピュータに付属の表示装置である場合、テキストデータとして、ダイアグノーシスデータ、すなわち映像信号出力装置1の故障情報、作動情報を含むデータであってもよい。このようこのようにすることで、ダイアグノーシスデータが、肉眼で認識することが困難なように表示されるので、ダイアグノーシスデータが、他の表示の邪魔にならない。そして、映像信号出力装置1のユーザは、このコード入り映像信号に基づく映像表示をカメラで撮影してメンテナンス業者に渡すことで、メンテナンス業者は, 携帯電話機20におけるカメラ21、無線回路23、アンテナ24以外の構成要素を有し、QRコード取得・解読プログラム300の実行においてカメラ駆動の代わりに、渡された映像信号から幾何学形状部分を抽出することで、その抽出した幾何学形状コードを解読するような幾何学形状コード解読装置を用いることで、その映像信号出力装置1の故障状況、作動状況を把握することができるようになる。
【0157】
また、上記の実施形態においては、映像信号出力装置1は、図2に示す映像取得処理71、ロゴ合成処理72、テキスト切り取り処理73、暗号化処理74、QRコード生成処理75、QRコード挿入処理76を、汎用のCPU7がプログラムを実行することで実現しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、映像信号出力装置1は、上記の各処理71〜76毎に専用のハードウェア(例えば回路構成がプログラム可能なFPGA)を有することで、各処理を実現するようになっていてもよい。
【0158】
また、上記の実施形態においては、携帯電話機20は、図7に示す撮影映像取得処理31、動画・静止画判定処理32、解読処理33、復号処理34、蓄積・送信処理35を、汎用のCPU29がプログラムを実行することで実現しているが、必ずしもこのようになっている必要はない。例えば、携帯電話機20は、上記の各処理31〜35毎に専用の回路(例えば回路構成がプログラム可能なFPGA)を有することで、各処理を実現するようになっていてもよい。
【0159】
また、映像信号出力装置1は、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成するようになっていてもよい。この場合、映像信号出力装置1が、放送局側の装置であれば、文字放送データのテキストデータから、QRコード出力プログラム100において示した通りに幾何学形状コードを生成すればよい。また、映像信号出力装置1が、受信した放送用の映像信号に幾何学形状データを挿入し、その結果の映像信号を表示するテレビ受像器であれば、受信した文字放送データの信号から文字データを復元し、その復元した文字データを、QRコード出力プログラム100において示した通りに幾何学形状コードを生成するようになっていればよい。また、映像信号出力装置1がテレビ受像器である場合には、文字放送データを幾何学形状コードとして出力するか否かを、操作装置3を用いてユーザが選択できるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1】本発明の実施形態に係る映像信号出力装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】映像信号出力装置1のCPU7が行う処理の構成を概略的に示す図である。
【図3】QRコード出力プログラム100のフローチャートである。
【図4】QRコード挿入プログラム200のフローチャートである。
【図5】表示装置10におけるQRコードの表示態様を示す図である。
【図6】携帯電話機20のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】携帯電話機20のCPU29が行う処理の構成を概略的に示す図である。
【図8】QRコード取得・解読プログラム300のフローチャートである。
【図9】動画コード処理ルーチン400のフローチャートである。
【図10】静止画コード処理ルーチン500のフローチャートである。
【図11】復号ルーチン600のフローチャートである。
【符号の説明】
【0161】
1…映像信号出力装置、2…入出力インターフェース、3…操作装置、4…HDD、
5…RAM、6…ROM、7…CPU、10…表示装置、11…表示部外周、
12…撮影領域、20…携帯電話機、21…カメラ、22…操作装置、
23…無線回路、24…アンテナ、25…RAM、26…ROM、
27…フラッシュメモリ、28…液晶ディスプレイ、29…CPU、
31…カメラ駆動処理、32…動画・静止画判定処理、33…解読処理、
34…復号処理、35…蓄積・送信処理、71…映像取得処理、72…ロゴ合成処理、
73…テキスト切り取り処理、74…暗号化処理、75…QRコード生成処理、
76…QRコード挿入処理、77…出力処理、100…QRコード出力プログラム、
200…QRコード挿入プログラム、300…QRコード取得・解読プログラム、
400…動画コード処理ルーチン、500…静止画コード処理ルーチン、
600…復号ルーチン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手段と、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手段と、
前記コード挿入手段が前記映像信号に前記幾何学形状コードを挿入することで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する出力手段と、を備えた映像信号出力装置。
【請求項2】
前記コード挿入手段は、前記時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項3】
前記コード挿入手段は、前記取得手段が取得した時間的に連続する映像信号中の、前記コード生成手段が生成する幾何学形状コードを挿入するタイミング部分を検出するタイミング検出手段を備え、前記タイミング検出手段が検出したタイミング部分に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項2に記載の映像出力手段。
【請求項4】
前記コード挿入手段が前記幾何学形状コードを挿入する前記映像信号の一部時間帯部分は、前記映像信号中に離散的に複数存在することを特徴とする請求項2または3に記載の映像信号出力装置。
【請求項5】
前記コード挿入手段は、前記映像信号の前記離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ異なる幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項4に記載の映像信号出力装置。
【請求項6】
前記コード挿入手段は、前記映像信号の前記離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ同一の幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項4に記載の映像信号出力装置。
【請求項7】
前記コード挿入手段は、前記幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときにその表示画面全体に現れるように挿入することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項8】
前記時間的に連続する映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式となっており、前記コード挿入手段が前記幾何学形状コードを挿入する前記映像信号の一部時間帯部分は、この一定の時間周期の複数倍の周期で現れる部分であることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項9】
前記映像信号中の、前記コード挿入手段が幾何学形状コードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯の近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾何学形状コードが挿入されている旨を示すマークを挿入するマーク挿入手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項10】
前記コード生成手段は、前記コード化元データを暗号化し、この暗号化したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項11】
前記コード生成手段は、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項10に記載の映像信号出力装置。
【請求項12】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに、読み取り可能条件を課すためのデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項13】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに、読み取り可能条件として有効時間データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項12に記載の映像信号出力装置。
【請求項14】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効地域データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11または13に記載の映像信号出力装置。
【請求項15】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効車種データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項16】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効車両IDデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11ないし15のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項17】
前記コート化元データは、ダイアグノーシスデータであることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項18】
前記コード化元データは、そのコード化元データについての幾何学形状コードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであることを特徴とする請求項17に記載の映像信号出力装置。
【請求項19】
前記幾何学形状コードは、2次元コードであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項20】
前記コード生成手段は、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項21】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手順と、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手順と、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手順によって生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手順と、を備えたコード入り映像信号生成方法。
【請求項22】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手段、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手段、および
前記コード挿入手段が前記映像信号に前記幾何学形状コードを挿入することで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する出力手段として、コンピュータを機能させる映像信号出力プログラム。
【請求項23】
カメラと、
表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、前記カメラに撮影させるカメラ駆動手段と、
前記カメラが撮影した幾何学形状コードを解読する解読手段と、
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段と、を備えたカメラ駆動装置。
【請求項24】
前記カメラによって繰り返し撮影された幾何学形状コードのそれぞれが異なることを判定する判定手段を備え、
前記解読手段は、前記カメラが繰り返し撮影した幾何学形状コードを繰り返し解読し、
前記蓄積手段は、前記判定手段の判定に基づいて、前記解読手段が繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積することを特徴とする請求項23に記載のカメラ駆動装置。
【請求項25】
前記解読手段が解読したデータが所定の開始データであることを判定する開始判定手段と、
前記解読手段が解読したデータが所定の終了データであることを判定する終了判定手段と、を備え、
前記蓄積手段は、前記開始判定手段の判定があってから前記終了判定手段の判定があるまでに前記解読手段が解読したデータを1続きのデータとして蓄積することを特徴とする請求項24に記載のカメラ駆動装置。
【請求項26】
前記カメラ駆動手段は、前記カメラに繰り返し撮影を開始させるカメラ駆動開始手段と、
前記カメラによる撮影タイミングが、表示装置における幾何学形状コードの表示タイミングと合致するよう、前記カメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項23ないし25のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項27】
前記解読手段が解読した結果のデータを復号する復号手段を備え、
前記蓄積手段は、前記復号手段が復号した結果のデータを蓄積することを特徴とする請求項23ないし26のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項28】
前記復号手段は、前記解読手段が解読した結果のデータに含まれる復号キーを用いて復号を行うことを特徴とする請求項27に記載のカメラ駆動装置。
【請求項29】
前記復号手段は、前記解読手段が解読した結果のデータに含まれる読み取り可能条件のデータに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えることを特徴とする請求項27または28に記載のカメラ駆動装置。
【請求項30】
前記読み出し対象を制限するためのデータとは、有効時間データであり、前記復号手段は、この有効期間データと、現在時刻データとに基づいて、現在時刻が有効期間内であるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29に記載のカメラ駆動装置。
【請求項31】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効地域データであり、前記復号手段は、この有効地域データと、現在位置データとに基づいて、現在位置が有効地域内であるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29または30に記載のカメラ駆動装置。
【請求項32】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効車種データであり、前記復号手段は、この有効車種データと、自車種データとに基づいて、自車種が有効車種に含まれるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29ないし31のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項33】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効車両IDデータであり、前記復号手段は、この有効車両IDデータと、自車IDデータとに基づいて、自車IDが有効車両IDに適合するとき、復号を実行することを特徴とする請求項29ないし32のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項34】
前記蓄積手段が蓄積したデータを当該カメラ駆動装置外に送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項23ないし33のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項35】
前記幾何学形状コードは、2次元コードであることを特徴とする請求項23ないし34のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項36】
表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、カメラに撮影させるカメラ駆動手段、
前記カメラが撮影した幾何学形状コードを解読する解読手段、および
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段として、コンピュータを機能させるカメラ駆動プログラム。
【請求項37】
カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読する解読手段と、
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段と、を備えた幾何学形状コード解読装置。
【請求項38】
前記解読手段は、カメラによって撮影された映像信号から、幾何学形状部分を抽出し、その抽出した幾何学形状コードを解読することを特徴とする請求項35に記載の幾何学形状コード解読装置。
【請求項39】
カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読する解読手段、および
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段として、コンピュータを機能させる幾何学形状コード解読プログラム。
【請求項1】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手段と、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを、それが表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手段と、
前記コード挿入手段が前記映像信号に前記幾何学形状コードを挿入することで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する出力手段と、を備えた映像信号出力装置。
【請求項2】
前記コード挿入手段は、前記時間的に連続する映像信号の、肉眼で認識することが困難である程度に短い一部時間帯部分に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項1に記載の映像信号出力装置。
【請求項3】
前記コード挿入手段は、前記取得手段が取得した時間的に連続する映像信号中の、前記コード生成手段が生成する幾何学形状コードを挿入するタイミング部分を検出するタイミング検出手段を備え、前記タイミング検出手段が検出したタイミング部分に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項2に記載の映像出力手段。
【請求項4】
前記コード挿入手段が前記幾何学形状コードを挿入する前記映像信号の一部時間帯部分は、前記映像信号中に離散的に複数存在することを特徴とする請求項2または3に記載の映像信号出力装置。
【請求項5】
前記コード挿入手段は、前記映像信号の前記離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ異なる幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項4に記載の映像信号出力装置。
【請求項6】
前記コード挿入手段は、前記映像信号の前記離散的に複数存在する一部時間帯部分に、それぞれ同一の幾何学形状コードを挿入することを特徴とする請求項4に記載の映像信号出力装置。
【請求項7】
前記コード挿入手段は、前記幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときにその表示画面全体に現れるように挿入することを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項8】
前記時間的に連続する映像信号は、一定の時間周期で表示映像をリフレッシュさせるような形式となっており、前記コード挿入手段が前記幾何学形状コードを挿入する前記映像信号の一部時間帯部分は、この一定の時間周期の複数倍の周期で現れる部分であることを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項9】
前記映像信号中の、前記コード挿入手段が幾何学形状コードを挿入した時間帯の部分、またはその時間帯の近傍時間帯の部分に、肉眼で認識することが容易なように、当該幾何学形状コードが挿入されている旨を示すマークを挿入するマーク挿入手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項10】
前記コード生成手段は、前記コード化元データを暗号化し、この暗号化したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項11】
前記コード生成手段は、暗号化したデータにこの暗号化したデータを復号する復号キーを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項10に記載の映像信号出力装置。
【請求項12】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに、読み取り可能条件を課すためのデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項13】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに、読み取り可能条件として有効時間データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項12に記載の映像信号出力装置。
【請求項14】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効地域データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11または13に記載の映像信号出力装置。
【請求項15】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効車種データを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項16】
前記コード生成手段は、前記コード化元データに読み取り可能条件として有効車両IDデータを付加したデータから幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項11ないし15のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項17】
前記コート化元データは、ダイアグノーシスデータであることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項18】
前記コード化元データは、そのコード化元データについての幾何学形状コードが挿入される映像信号の内容に関連したデータであることを特徴とする請求項17に記載の映像信号出力装置。
【請求項19】
前記幾何学形状コードは、2次元コードであることを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項20】
前記コード生成手段は、コード化元データとして、テレビ映像信号に含まれる文字放送データから、幾何学形状コードを生成することを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1つに記載の映像信号出力装置。
【請求項21】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手順と、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手順と、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手順によって生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手順と、を備えたコード入り映像信号生成方法。
【請求項22】
コード化元データから幾何学形状コードを生成するコード生成手段、
時間的に連続する映像信号を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した映像信号に、前記コード生成手段が生成した幾何学形状コードを、表示装置に表示されたときに肉眼で認識することが困難なように挿入するコード挿入手段、および
前記コード挿入手段が前記映像信号に前記幾何学形状コードを挿入することで生成されたコード入り映像信号を、表示装置に表示させるために出力する出力手段として、コンピュータを機能させる映像信号出力プログラム。
【請求項23】
カメラと、
表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、前記カメラに撮影させるカメラ駆動手段と、
前記カメラが撮影した幾何学形状コードを解読する解読手段と、
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段と、を備えたカメラ駆動装置。
【請求項24】
前記カメラによって繰り返し撮影された幾何学形状コードのそれぞれが異なることを判定する判定手段を備え、
前記解読手段は、前記カメラが繰り返し撮影した幾何学形状コードを繰り返し解読し、
前記蓄積手段は、前記判定手段の判定に基づいて、前記解読手段が繰り返し解読した結果の複数のデータのうち、所定の開始データと所定の終了データの間のデータを一続きのデータとして蓄積することを特徴とする請求項23に記載のカメラ駆動装置。
【請求項25】
前記解読手段が解読したデータが所定の開始データであることを判定する開始判定手段と、
前記解読手段が解読したデータが所定の終了データであることを判定する終了判定手段と、を備え、
前記蓄積手段は、前記開始判定手段の判定があってから前記終了判定手段の判定があるまでに前記解読手段が解読したデータを1続きのデータとして蓄積することを特徴とする請求項24に記載のカメラ駆動装置。
【請求項26】
前記カメラ駆動手段は、前記カメラに繰り返し撮影を開始させるカメラ駆動開始手段と、
前記カメラによる撮影タイミングが、表示装置における幾何学形状コードの表示タイミングと合致するよう、前記カメラによる繰り返し撮影のタイミングを調整する調整手段と、を備えたことを特徴とする請求項23ないし25のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項27】
前記解読手段が解読した結果のデータを復号する復号手段を備え、
前記蓄積手段は、前記復号手段が復号した結果のデータを蓄積することを特徴とする請求項23ないし26のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項28】
前記復号手段は、前記解読手段が解読した結果のデータに含まれる復号キーを用いて復号を行うことを特徴とする請求項27に記載のカメラ駆動装置。
【請求項29】
前記復号手段は、前記解読手段が解読した結果のデータに含まれる読み取り可能条件のデータに基づいて、復号の実行、非実行を切り替えることを特徴とする請求項27または28に記載のカメラ駆動装置。
【請求項30】
前記読み出し対象を制限するためのデータとは、有効時間データであり、前記復号手段は、この有効期間データと、現在時刻データとに基づいて、現在時刻が有効期間内であるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29に記載のカメラ駆動装置。
【請求項31】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効地域データであり、前記復号手段は、この有効地域データと、現在位置データとに基づいて、現在位置が有効地域内であるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29または30に記載のカメラ駆動装置。
【請求項32】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効車種データであり、前記復号手段は、この有効車種データと、自車種データとに基づいて、自車種が有効車種に含まれるとき、復号を実行することを特徴とする請求項29ないし31のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項33】
前記読み取り可能条件のデータとは、有効車両IDデータであり、前記復号手段は、この有効車両IDデータと、自車IDデータとに基づいて、自車IDが有効車両IDに適合するとき、復号を実行することを特徴とする請求項29ないし32のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項34】
前記蓄積手段が蓄積したデータを当該カメラ駆動装置外に送信する送信手段を備えたことを特徴とする請求項23ないし33のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項35】
前記幾何学形状コードは、2次元コードであることを特徴とする請求項23ないし34のいずれか1つに記載のカメラ駆動装置。
【請求項36】
表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを、カメラに撮影させるカメラ駆動手段、
前記カメラが撮影した幾何学形状コードを解読する解読手段、および
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段として、コンピュータを機能させるカメラ駆動プログラム。
【請求項37】
カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読する解読手段と、
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段と、を備えた幾何学形状コード解読装置。
【請求項38】
前記解読手段は、カメラによって撮影された映像信号から、幾何学形状部分を抽出し、その抽出した幾何学形状コードを解読することを特徴とする請求項35に記載の幾何学形状コード解読装置。
【請求項39】
カメラによって撮影された、表示装置に肉眼で認識することが困難なように表示された幾何学形状コードを解読する解読手段、および
前記解読手段が解読した結果のデータを記憶媒体に蓄積する蓄積手段として、コンピュータを機能させる幾何学形状コード解読プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−128900(P2006−128900A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−312409(P2004−312409)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]