説明

映像信号斜め補間装置

【課題】斜めエッジを有する映像信号でも、斜め和と上下間和とがばたばたと切り替わらないようにし、映像の品位が低下しないようにする。
【解決手段】映像信号斜め補間装置100は、高相関斜め方向の補間位置に配置される補間画素について、その上側に位置する上側画素の高相関斜め方向に沿った上側斜め相関と、補間画素の下側に位置する下側画素の下側斜め相関とをそれぞれ検出する上下斜め相関検出手段を有する。また、映像信号斜め補間装置100は、映像信号と遅延信号とにおける高相関斜め方向の斜め和および上下間和を、上下斜め相関検出手段の検出結果に応じて混合した補間信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像信号に対して水平または垂直方向に画素数の圧縮または伸張処理を行う映像信号スケーリング装置に適用される映像信号斜め補間装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在実用化されている映像信号には、例えば、NTSC(National Television System Committee)、PAL(Phase Alternation by Line color television)、ハイビジョン及びパーソナルコンピュータ用等、多種多様なフォーマットが存在している。
【0003】
このような多種多様なフォーマットの映像信号を用いて、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイといった表示装置に映像を表示させるときは、表示装置の表示画素数に合わせるようにして、映像信号の水平または垂直方向の画素数を圧縮または伸張する必要があった。
【0004】
このような映像信号に対する圧縮または伸張処理を施す装置は、映像信号スケーリング装置とよばれている。
【0005】
また、映像信号スケーリング装置により、映像信号に対して伸張処理を施す場合、水平または垂直方向の差分をみて画素を増やすだけでは、斜め方向の端部(斜めエッジともいう)を有する映像信号を表示したときに、斜めエッジに段差があるようなぎざぎざの表示がされてしまう。
【0006】
そのため、映像信号スケーリング装置では、このような斜めエッジにおけるぎざぎざの表示を解消するため、斜め方向の画素の相関をみた上で適切な画素を補間する斜め補間装置が設けられていた。
【0007】
そして、斜め補間を行う装置に関して、従来例えば、特許文献1に開示されている走査線補間装置があった。この走査線補間装置では、次のようにして斜め補間が行なわれている。すなわち、この走査線補間装置では、映像信号およびその映像信号を1水平期間遅延させた遅延信号を入力して、上下方向に配置される画素間の差分絶対値と、斜め方向に配置される画素間の絶対差分値とが算出され、各絶対値から、斜め方向判定回路によって相関の最も強い画素が判定される。そして、判定された画素を用いて斜め和回路によって補間画素が生成され、その生成された補間画素によって、斜め補間が行なわれていた。なお、この特許文献1のほかにも、特許文献2、特許文献3、特許文献4などにも斜め補間について開示されていた。
【特許文献1】特開平4−364685公報
【特許文献2】WO2004−17634公報
【特許文献3】特開2002−1859346公報
【特許文献4】特開2001−94951公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記した特許文献1に開示されている走査線補間装置では、斜め方向判定回路と斜め和回路との間に強制上下間和回路を設け、斜め補間を行なう両方のラインの画素にエッジが検出されないときは、斜め方向判定信号を強制的に上下間和に切り替えて補間画素が生成されている。
【0009】
しかし、特許文献1に開示されている走査線補間装置では、斜めエッジを有する映像信号についての斜めエッジの有無が二値的に判定され、その判定結果に基づいて、斜め和が強制的に上下間和に切り替えられるようになっている。そのため、この走査線補間装置では、映像信号が判定の閾値ぎりぎりであるときに、斜め和と上下間和とが続けざまにばたばたと切り替わってしまい、表示される映像の品位が落ちてしまうことがあった。
【0010】
そこで、本発明は上記課題を解決するためになされたもので、映像信号スケーリング装置に適用される映像信号斜め補間装置において、斜めエッジを有する映像信号でも、斜め和と上下間和とがばたばたと切り替わらないようにし、映像の品位が低下しないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、映像信号と、その映像信号を遅延させた遅延信号とにおける最も相関の高い高相関斜め方向への斜め補間を行う映像信号斜め補間装置であって、高相関斜め方向の補間位置に配置される補間画素について、その補間画素の上側に位置する上側画素の高相関斜め方向に沿った上側斜め相関と、補間画素の下側に位置する下側画素の高相関斜め方向に沿った下側斜め相関とをそれぞれ検出する上下斜め相関検出手段と、映像信号と遅延信号とにおける高相関斜め方向の斜め和および上下間和を、上下斜め相関検出手段の検出結果に応じて混合した補間信号を出力する補間信号出力手段とを有する映像信号斜め補間装置を特徴とする。
【0012】
この映像信号斜め補間装置は、映像信号と前記遅延信号との上下相関を検出する上下相関検出手段を更に有し、補間信号出力手段は、上下斜め相関検出手段により検出された上側斜め相関および下側斜め相関と、上下相関検出手段により検出された上下相関との比較結果に応じて、斜め和と上下間和との混合比率を変更するようにすることができる。
【0013】
また、補間信号出力手段は、上側斜め相関および下側斜め相関が上下相関よりも高くなるにしたがい、斜め和が上下間和よりも優先されるようにして、補間信号を出力するようにすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述したように、本発明によれば、映像信号スケーリング装置に適用される映像信号斜め補間装置において、斜めエッジを有する映像信号でも、斜め和と上下間和とがばたばたと切り替わらないようにし、映像の品位が低下しないようにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
【0016】
(映像信号斜め補間装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る映像信号斜め補間装置100の構成を示すブロック図である。映像信号斜め補間装置100は図示しない映像信号スケーリング装置に組み込まれていて、その映像信号スケーリング装置に入力される映像信号S101と、映像信号S101を1H遅延させた1H遅延信号S103とが入力される。また映像信号斜め補間装置100は映像信号S101と1H遅延信号S103とを用いて補間信号S121を生成して出力するようになっている。
【0017】
そして、映像信号斜め補間装置100は、第1の遅延信号列生成回路102と、第2の遅延信号列生成回路104と、斜め差分回路106と、斜め方向判定回路108とを有している。また、映像信号斜め補間装置100は、斜め和回路110と、上下間和回路112と、上下画素斜め相関検出回路114と、上下相関検出回路116および混合回路118とを有している。
【0018】
第1、第2の遅延信号列生成回路102,104は、それぞれ映像信号S101、1H遅延信号S103が入力される。また、第1、第2の遅延信号列生成回路102,104は、それぞれ複数の遅延タップを有し、その各遅延タップを用いて、それぞれ第1の遅延信号列S105、第2の遅延信号列S107を出力する。第1の遅延信号列S105、第2の遅延信号列S107は、双方ともに斜め差分回路106、斜め和回路110、上下間和回路112、上下画素斜め相関検出回路114および上下相関検出回路116に入力される。
【0019】
斜め差分回路106は第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107とを入力して、その双方についての斜め方向の相関(斜め相関)を検出するため、複数の斜め方向の差分絶対値を算出する。そして、斜め差分回路106はその算出した差分絶対値を示すデータを斜め差分絶対値データS109として、斜め方向判定回路108に出力する。
【0020】
斜め方向判定回路108は、斜め差分絶対値データS109を入力し、その斜め差分絶対値データS109に基づき、第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107との斜め相関を求める。また、斜め方向判定回路108は、求めた斜め相関に基づいて、最も相関の高い方向を高相関斜め方向として検出する斜め方向検出手段としての機能を有し、その検出結果を示す斜め方向判定信号S111を出力する。この斜め方向判定信号S111は、斜め和回路110と、上下画素斜め相関検出回路114とに入力される。
【0021】
斜め和回路110は、第1の遅延信号列S105と第2の遅延信号列S107とから、斜め方向判定信号S111に従い、最も相関が高いと判定された高相関斜め方向に沿った各画素の斜め和を算出し、その算出した斜め和を斜め和信号S113として出力する。
【0022】
上下間和回路112は、第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107とを用いて、各画素の上下間和を算出し、その算出した上下間和を上下間和信号S115として出力する。
【0023】
上下画素斜め相関検出回路114は、本発明における上下斜め相関検出手段であって、斜め方向判定回路108の検出結果(すなわち、斜め方向判定信号S111)に基づき、高相関斜め方向に沿った後述する上側斜め相関および下側斜め相関を検出して、その検出結果に応じた上下画素斜め相関信号S117を出力する。なお、上下画素斜め相関検出回路114によって行なわれる上側斜め相関と下側斜め相関の検出を「上下斜め相関検出」といい、詳しくは後述する。
【0024】
上下相関検出回路116は、第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107とを用いて、各画素の上下方向の差分を算出する一方、算出した差分から上下相関を検出し、その検出した上下相関を示す上下相関検出信号S119を出力する。
【0025】
混合回路118は、本発明における補間信号出力手段であって、斜め和信号S113、上下間和信号S115、上下画素斜め相関信号S117および上下相関検出信号S119を入力して補間信号S121を出力する。この補間信号S121は、斜め和信号S113と上下間和信号S115とが、上下画素斜め相関信号S117および上下相関検出信号S119に応じて混合されたものである。
【0026】
(映像信号斜め補間装置の動作内容)
次に、映像信号斜め補間装置100の動作内容について説明する。ここでは、斜めエッジを有する図3に示すような映像信号S101と、1H遅延信号S103とが映像信号斜め補間装置100に入力された場合を例にとって説明する。このとき、映像信号斜め補間装置100は次のように作動することによって、補間信号S121を生成する。
【0027】
ここで、映像信号S101と1H遅延信号S103とは図3に示すような画素で構成されている。映像信号S101は、S11aからS11kまでの間で11個の画素を有している。これらのうち、S11a,S11b,S11c,S11d,S11eの5つの画素は同じ明るさの例えば白色、S11fは薄い灰色、S11gは灰色、S11hは濃い灰色、S11i,S11j,S11kの3つは同じ明るさの黒色となっている。
【0028】
また、1H遅延信号S103は、S13aからS13kまでの間で画素の明るさが変化し、S13aは白色、S13bは薄い灰色、S13cは灰色、S13dは濃い灰色、S13e,S13f,S13g,S13h,S13i,S13j,S13kの7つは同じ明るさの黒色となっている。このような映像信号S101と1H遅延信号S103とを用いて映像が表示されると、画素S11fと画素S13bとが境目になった斜めエッジを有する映像が表示される。
【0029】
そして、映像信号S101と、1H遅延信号S103とがそれぞれ第1、第2の遅延信号列生成回路102,104に入力されると、第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107が生成されて斜め差分回路106に入力される。
【0030】
斜め差分回路106は、入力される第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107から複数の斜め方向に配置される画素についての差分絶対値を算出して斜め差分絶対値データS109を出力する。
【0031】
ここで、斜め差分回路106は、図2に示すように、映像信号S101を構成する複数の画素S11a〜S11kと、1H遅延信号S103を構成する複数の画素S13a〜S13kとについて、S11aとS13k、S11bとS13j、S11cとS13i・・・のように位置関係が互いに斜め方向(または上下方向)となるように配置される画素同士の差分絶対値を算出する。
【0032】
したがって、斜め差分回路106は、図2に示すように、“−5”から“+5”までの11通りの方向に配置される画素同士の差分絶対値を算出している。
【0033】
斜め方向判定回路108は、斜め差分絶対値データS109を入力して、斜め差分回路106が算出した差分絶対値に基づき、図2に示した11通りの斜め方向から最も相関の高い方向を高相関斜め方向として検出して、斜め方向判定信号S111を出力する。
【0034】
ここでは、映像信号S101と1H遅延信号S103とが図3に示すような画素で構成されているので、画素S11hと画素S13dとの相関が高い。そのため、斜め方向判定回路108は、斜め方向d2を高相関斜め方向と判定して斜め方向判定信号S111を出力する。
【0035】
斜め和回路110は、斜め方向判定信号S111にしたがい斜め和を算出するから、斜め方向d2の各画素、すなわち、画素S11hと画素S13dの斜め和を含む各画素の斜め方向d2に沿った斜め和を算出して斜め和信号S113を出力する。
【0036】
また、上下間和回路112は、第1の遅延信号列S105と、第2の遅延信号列S107を用いて、各画素の上下間和を算出するから、画素S11aとS13a,S11bとS13b、S11cとS13c・・・といったように、映像信号S101と1H遅延信号S103との上下間和を算出して上下間和信号S115を出力する。
【0037】
上下画素斜め相関検出回路114は、次のようにして上下斜め相関検出を行なう。この場合、斜め方向判定回路108で高相関斜め方向と判定された方向は斜め方向d2なので、画素S11hとS13dとの補間位置に配置される画素を補間画素とすると、画素S19fが補間画素となる。
【0038】
そして、上下画素斜め相関検出回路114は、補間画素S19fの上側に位置する画素S11fと、下側に位置する画素S13fのそれぞれからみた斜め方向d2と同じ斜め方向の相関を検出する(補間画素の上側に位置する画素を「上側画素」、下側に位置する画素を「下側画素」という)。
【0039】
この場合、斜め方向d2の補間画素は画素S19fなので、上側画素はS11f、下側画素はS13fである。したがって、上側画素S11fからみた斜め方向d2と同じ斜め方向は斜め方向d3、下側画素S13fからみた斜め方向d2と同じ斜め方向は斜め方向d4となる。なお、以下の説明では、上側画素からみた高相関斜め方向(以上の説明では斜め方向d2)と同じ斜め方向を上側斜め方向、下側画素からみた斜め方向d2と同じ斜め方向を下側斜め方向とする。また、上側斜め方向の相関を上側斜め相関、下側斜め方向の相関を下側斜め相関という。
【0040】
すると、図3から、上側斜め相関は斜め方向d3に配置される上側画素S11fと下側画素S13bの相関となり、下側斜め相関は斜め方向d4に配置される上側画素S11jと下側画素S13fの相関となるが、いずれの相関も高いと判定される。
【0041】
上下画素斜め相関検出回路114は、このような斜め方向d3、d4についての上側斜め相関および下側斜め相関を検出して、その検出結果に応じた上下画素斜め相関信号S117を出力する。ただし、映像信号S101の画素と1H遅延信号S103の画素とによって、上側斜め相関および下側斜め相関が変動するため、上下画素斜め相関信号S117は、上側斜め相関および下側斜め相関(双方をまとめて、以下「上下斜め相関」という)を示すデータとなっている。
【0042】
そして、混合回路118は、上下画素斜め相関信号S117と上下相関検出信号S119とに応じ、斜め和信号S113と上下間和信号S115との混合する割合を変更して補間信号S121を生成する。この場合、混合回路118は、上下画素斜め相関信号S117が示す上下斜め相関と、上下相関検出信号S119が示す上下相関とを比較する比較手段としての動作を行い、その比較結果に応じて、斜め和信号S113と上下間和信号S115とが混合される割合を変更している。
【0043】
すなわち、混合回路118は、上下斜め相関が上下相関よりも高くなるにしたがい、斜め和が出力されやすくなるようにしている。具体的には、混合回路118は、上下斜め相関が上下相関よりも高いときは斜め和信号S113が上下間和信号S115よりも優先して出力されるようにしている。また、混合回路118は、上下斜め相関が低くなるにしたがい斜め和信号S113のほかに徐々に上下間和信号S115が出力されるようにし、上下斜め相関が上下相関以下になると、上下間和信号S115が斜め和信号S113よりも優先して出力されるようにしている。
【0044】
上記実施の形態では、上下斜め相関と上下相関とを比較すると、斜め方向d2のほか、斜め方向d3、d4についても相関が高い。これに対し、上側画素S11fと下側画素S13fとの相関は無いから、上下相関は低い。したがって、斜め和信号S113が上下間和信号S115よりも優先され、斜め和信号S113が補間信号S121として出力されることになる(画素S19fは、画素S11hと画素S13dの斜め和から生成されている)。
【0045】
図4は、四角い物体の角などの切れ目にラインの境目が来た場合を想定した映像信号S101と1H遅延信号S103とを示す図である。この場合、斜め方向判定回路108によって判定される高相関斜め方向は斜め方向d12を示している。
【0046】
しかし、図4に示すように、1H遅延信号S103は物体が表示されない画素となっているため、映像信号S101と、1H遅延信号S103とはどの斜め方向にも相関がないはずである。ところが、高相関斜め方向が斜め方向d12であるからといって、補間信号S121として斜め和を出力してしまうと、切れ目付近に不適切な補間画素が生成されるため、角が欠けてしまったような映像になってしまう。
【0047】
また、一方、斜めエッジが緩やかな場合は、その斜めエッジが検出されない場合があるが、特許文献1に開示されている従来の走査線補間装置では、エッジが検出されるか否かによって、斜め和と上下間和とが続けざまにばたばた切り替わることがあった。
【0048】
しかし、本発明における映像信号斜め補間装置100では、図4に示した映像信号S101と、1H遅延信号S103についても次のようになる。
【0049】
図4において、高相関斜め方向が斜め方向d12であるから、補間画素はS19f、上側画素はS11f、下側画素はS13fである。したがって、上側画素S11fからみた斜め方向d12と同じ斜め方向は斜め方向d13、下側画素S13fからみた斜め方向d12と同じ斜め方向は斜め方向d14となる。
【0050】
また、斜め方向d14の相関は高く下側斜め相関があるといえるが、斜め方向d13は相関が低く上側斜め相関があるとはいえない。その一方、上側画素S11fと下側画素S13fとについても相関が低いので、この上側画素S11fと下側画素S13fとの上下相関は上側斜め相関と同等であり、差がないと考えられる。
【0051】
つまり、上側斜め相関と上下相関とは、いずれも低く、双方の間に優劣は認められないから、混合回路118は、斜め相関はないとして上下間和を優先し、上下間和信号S115を補間信号S121として出力する。
【0052】
以上のように、映像信号斜め補間装置100では、混合回路118により、斜め和信号S113と上下間和信号S115とが混合された補間信号S121が生成され、その補間信号S121が出力されている。そのため、映像信号斜め補間装置100では、斜め和信号S113と上下間和信号S115とが続けざまにばたばたと切り替わって出力されるようなことはなく、表示される映像の品位が低下しないようになっている。
【0053】
また、混合回路118では、上下画素斜め相関信号S117と上下相関検出信号S119とに応じ、斜め和信号S113と上下間和信号S115との混合する割合を変更して補間信号S121を生成している。そのため、補間信号S121が斜め相関と上下相関のうちの強い方に即したものとなり、この点でも、映像の品位が高められるようになっている。
【0054】
さらに、混合回路118は、上下斜め相関が上下相関よりも高くなるにしたがい、斜め和が出力されやすくなるようにしているから、斜め相関が高いときは斜め和によって補間画素が生成されるようになっており、この点でも映像の品位が高められるようになっている。
【0055】
以上の説明は、本発明の実施の形態についての説明であって、この発明の装置及び方法を限定するものではなく、様々な変形例を容易に実施することができる。又、各実施形態における構成要素、機能、特徴あるいは方法ステップを適宜組み合わせて構成される装置又は方法も本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像信号斜め補間装置の構成を示すブロック図である。
【図2】映像信号斜め補間装置による斜め相関の検出方向を示す図である。
【図3】映像信号、1H遅延信号および補間信号の一例を示す図である。
【図4】映像信号、1H遅延信号および補間信号の他例を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
100…映像信号斜め補間装置、102…第1の遅延信号生成回路
104…第1の遅延信号生成回路、106…斜め差分回路
108…斜め方向判定回路、110…斜め和回路
112…上下間和回路、114…上下画素斜め相関検出回路
116…上下相関検出回路、118…混合回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像信号と、該映像信号を遅延させた遅延信号とにおける最も相関の高い高相関斜め方向への斜め補間を行う映像信号斜め補間装置であって、
前記高相関斜め方向の補間位置に配置される補間画素について、該補間画素の上側に位置する上側画素の前記高相関斜め方向に沿った上側斜め相関と、前記補間画素の下側に位置する下側画素の前記高相関斜め方向に沿った下側斜め相関とをそれぞれ検出する上下斜め相関検出手段と、
前記映像信号と前記遅延信号とにおける前記高相関斜め方向の斜め和および上下間和を、前記上下斜め相関検出手段の検出結果に応じて混合した補間信号を出力する補間信号出力手段とを有することを特徴とする映像信号斜め補間装置。
【請求項2】
前記映像信号と前記遅延信号との上下相関を検出する上下相関検出手段を更に有し、
前記補間信号出力手段は、前記上下斜め相関検出手段により検出された前記上側斜め相関および前記下側斜め相関と、前記上下相関検出手段により検出された前記上下相関との比較結果に応じて、前記斜め和と前記上下間和との混合比率を変更することを特徴とする請求項1記載の映像信号斜め補間装置。
【請求項3】
前記補間信号出力手段は、前記上側斜め相関および前記下側斜め相関が前記上下相関よりも高くなるにしたがい、前記斜め和が前記上下間和よりも優先されるようにして、前記補間信号を出力することを特徴とする請求項1または2記載の映像信号斜め補間装置。
【請求項4】
前記高相関斜め方向を検出する斜め方向検出手段を更に有し、
前記上下斜め相関検出手段は、前記斜め方向検出手段の検出結果に基づいて、前記上側斜め相関と前記下側斜め相関とをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の映像信号斜め補間装置。
【請求項5】
前記映像信号および遅延信号に基づいて遅延信号列を生成する遅延信号列生成手段を更に有し、
前記上下斜め相関検出手段は、前記遅延信号列生成手段により生成された前記遅延信号列に基づいて、前記上側斜め相関と、前記下側斜め相関とをそれぞれ検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の映像信号斜め補間装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−11390(P2008−11390A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181967(P2006−181967)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】