説明

映像再生装置、映像再生装置の制御方法及びプログラム

【課題】ソフトウェアの負荷を軽減し得る。
【解決手段】実施形態によれば、映像再生装置は、再生部と、制御部とを備える。制御部は、第1の時間を示す情報と、第1の映像素材データの画面と、記録媒体のアドレスとを対応付けた第1のテーブルと、第1の時間を示す情報と、第2の映像素材データの整数枚の画面と、記録媒体のアドレスとを対応付けた第2のテーブルとを記憶し、第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、1枚の画面を示す情報を再生部に出力し、第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、整数枚の画面を示す情報を再生部に出力する。再生部は、制御クロック信号に基づいて、記録媒体から第1の映像素材データの1枚の画面を読み出し、制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから第2レベルへの変化点または第2レベルから第1レベルへの変化点で記録媒体から第2の映像素材データの画面を読み出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、例えば放送局内で使用される映像再生装置、映像再生装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、放送局内では、多種の映像信号を取り扱うようになってきた。この異なる映像信号としては、33msで画面を切り替えるインタレース形式の映像信号、16.5msで画面を切り替えるプログレッシブ形式の映像信号がある。
【0003】
また、放送局内では、回線を介して送られてくる映像信号や監視カメラによる映像などの収録映像信号が映像再生装置に一旦蓄積される。映像再生装置に蓄積された映像信号は、映像再生装置から適宜送出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−112259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
インタレース形式で収録された映像は、33msで1枚の絵を形成するが、プログレッシブ形式で収録された映像は半分の16.5msで1枚の絵を形成する。符号化された映像・音声の再生を管理するソフトウェアでプログレッシブ素材を再生制御する場合、16.5msの間隔で制御を行う必要がある。しかし、インタレース素材再生に比べて制御の間隔が半分になることで、処理負荷が倍になり他の処理に影響を与える可能性がある。また、インタレース素材の再生と、プログレッシブ素材の再生が混在するようなケースにおいて、制御の間隔が異なる状態で混在することはソフトウェアに対しての負荷が高くなり、開発量が非常に大きくなる。
【0006】
本発明の目的は、互いに画面の切り替え間隔が異なる複数形式の映像信号を同じタイミングで再生制御できるようにし、ソフトウェアの負荷を軽減し得る映像再生装置、映像再生装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、映像再生装置は、記録部と、再生部と、制御部とを備える。記録部は、所定の第1の時間間隔で画面を切り替える第1の映像素材データと、この第1の映像素材データに比して整数倍短い第2の時間間隔で画面を切り替える第2の映像素材データとを記録媒体に記録する。再生部は、記録媒体に記録された第1の映像素材データ及び第2の映像素材データを選択的に再生する。制御部は、記録部及び再生部それぞれの処理を統括的に制御する。また制御部は、記憶手段と、再生制御手段とを備える。記憶手段は、第1の映像素材データ及び第2の映像素材データが記録媒体に記録される場合、第1の時間を示す情報と、第1の時間内で再生すべく第1の映像素材データの画面と、当該画面の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第1のテーブルと、第1の時間を示す情報と、第1の時間内で再生すべく第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルとを記憶する。再生制御手段は、第1の映像素材データの再生指示を受信した場合、第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、記録媒体から読み出す1枚の画面を示す情報を再生部に出力し、第2の映像素材データの再生指示を受信した場合、第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、記録媒体から読み出す整数枚の画面を示す情報を再生部に出力する。再生部は、再生処理手段を備える。再生処理手段は、記録媒体の任意のアドレスから第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出すための制御クロック信号を受信し、再生制御手段から1枚の画面を示す情報を受信した場合、制御クロック信号に基づいて、記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出し、制御クロック信号を受信し、再生制御手段から整数枚の画面を示す情報を受信した場合、制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから当該第1レベルに比して大きい第2レベルへの変化点または第2レベルから第1レベルへの変化点で記録媒体の任意のアドレスから第2の映像素材データの画面を読み出す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る映像再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】インタレース素材用のメモリ情報テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図3】プログレッシブ素材用のメモリ情報テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図4】制御クロック信号によるインタレース素材及びプログレッシブ素材の読み出し動作を示すタイミング図。
【図5】比較例としてインタレース素材の読み出し動作を示すタイミング図。
【図6】比較例としてプログレッシブ素材の読み出し動作を示すタイミング図。
【図7】CPUの制御処理手順を示すフローチャート
【図8】再生部の制御処理手順を示すフローチャート。
【図9】第2の実施形態において、GOP構造を示す図。
【図10】第2の実施形態において、GOP構造のプログレッシブ素材用のメモリ情報テーブルの記憶内容の一例を示す図。
【図11】第2の実施形態において、GOP構造のプログレッシブ素材の再生タイミングを示す図。
【図12】第3の実施形態に係る映像再生装置の構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る映像再生装置の構成を示すブロック図である。
【0011】
図1において、入力端子11に入力される符号化インタレース信号は、デコーダ12に出力される。デコーダ12は、符号化インタレース信号をインタレース形式の映像素材信号(以下、インタレース素材と称する)にデコードしてメモリ13の然るべき領域(アドレス)に転送し、その転送終了後にメモリ13上のインタレース素材の存在領域をCPU14に通知する。
【0012】
CPU14はデコーダ12からの通知に基づいて、メモリ情報テーブル141を生成する。メモリ情報テーブル141は、図2に示すように、インタレース素材を1画面読み出すタイミング情報と、画面を識別する画面情報と、メモリ13上の格納場所を示すメモリアドレスとの対応関係を表すデータが記憶されている。
【0013】
また、CPU14は、上位システムからの再生指示に従い、再生部15の再生制御を行うものである。再生部15は、CPU14からの制御に基づき、メモリ13の該当するメモリアドレスからインタレース素材を読み出し再生して出力端子16へ出力する。
【0014】
ところで、第1の実施形態では、CPU14に、メモリ情報テーブル142と、再生制御部143とを備えている。
【0015】
入力端子11に入力される符号化プログレッシブ信号は、デコーダ12に出力される。デコーダ12は、符号化プログレッシブ信号をプログレッシブ形式の映像素材信号(以下、プログレッシブ素材と称する)にデコードしてメモリ13の然るべき領域(アドレス)に転送し、その転送終了後にメモリ13上のインタレース素材の存在領域をCPU14に通知する。
【0016】
CPU14はデコーダ12からの通知に基づいて、メモリ情報テーブル142を生成する。メモリ情報テーブル142は、図3に示すように、プログレッシブ素材を2画面読み出すタイミング情報と、画面を識別する画面情報と、メモリ13上の格納場所を示すメモリアドレスとの対応関係を表すデータが記憶されている。
【0017】
再生制御部143は、上位システムからインタレース素材の再生指示を受信した場合、メモリ情報テーブル141を参照し、この参照結果に基づいて、インタレース素材を識別するフラグとともにメモリ13から読み出す1枚の画面情報を再生部15に出力する。また、33msの制御クロック信号を再生部15に出力する。
【0018】
一方、上位システムからプログレッシブ素材の再生指示を受信した場合、再生制御部143は、メモリ情報テーブル142を参照し、この参照結果に基づいて、プログレッシブ素材を識別するフラグとともにメモリ13から読み出す2枚の画面情報を再生部15に出力する。また、33msの制御クロック信号を再生部15に出力する。
【0019】
一方、再生部15には、再生処理部151が備えられる。再生処理部151は、インタレース素材を識別するフラグを受信した場合、上記1枚の画面情報及び33msの制御クロック信号に基づいて、メモリ13の0…010のアドレスから図4(b)に示すインタレース素材の1枚の画面を33ms間隔で読み出す。再生処理部151は、プログレッシブ素材を識別するフラグを受信し、続いて2枚の画面情報及び33msの制御クロック信号を受信した場合、制御クロック信号の33ms内のローレベルからハイレベルの変化点でメモリ13の0……010のアドレスから図4(c)に示す画面(2−1)を読み出し、ハイレベルからローレベルの変化点で0……011のアドレスから画面(2−2)を読み出す。すなわち、プログレッシブ素材を再生する場合は、制御クロックの半周期毎に画面を読み出す。
【0020】
次に、上記構成における動作について説明する。
(インタレース素材を再生する場合)
図5に示すように、インタレース素材は33msで1枚の画面を形成するため、再生を制御するCPU14は、33ms毎に再生部15の制御を行えばよい。
【0021】
(プログレッシブ素材を再生する場合)
図6に示すように、プログレッシブ素材はインタレースの半分の16.5msで1枚の画面を形成するため、再生を制御するCPU14は16.5ms毎に制御を行う必要がある。インタレース再生時と比べて処理量が倍になり、ソフトウェアの負荷が高くなる。また、一つのソフトウェアで複数の再生を同時に管理するようなシステムにおいては、インタレース素材の再生と、プログレッシブ素材の再生が混在した場合にそれぞれのタイミングを管理して再生の制御を行うことは非常に困難で複雑な処理が必要となる。
【0022】
(本第1の実施形態の動作)
図7は、上記CPU14の制御処理手順を示すフローチャートである。
【0023】
まず、CPU14は、デコーダ12からの通知があるか否かを監視し(ステップST7a)、通知があると(Yes)、CPU14は通知の内容を解析してインタレース素材であるか否かの判断を行う(ステップST7b)。ここで、インタレース素材であれば(Yes)、CPU14はインタレース素材のメモリ13への記録時に33msと1枚の画面とメモリアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル141を作成する(ステップST7c)。一方、プログレッシブ素材であれば(No)、CPU14はプログレッシブ素材のメモリ13への記録時に33msと2枚の画面とメモリアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル142を作成する(ステップST7d)。
【0024】
そして、CPU14は、上位システムから再生指示を受信したか否かを監視しており(ステップST7e)、再生指示を受信した場合に(Yes)、再生指示の内容がインタレース素材であるか否かの判断を行う(ステップST7f)。ここで、インタレース素材である場合(Yes)、CPU14はインタレース素材を識別するためのフラグ及び1枚の画面情報を再生部15に出力し(ステップST7g)、続いてメモリ13上の格納場所を示す33msの制御クロック信号を再生部15に出力する(ステップST7h)。
【0025】
一方、再生指示の内容がプログレッシブ素材である場合(No)、CPU14はプログレッシブ素材を識別するためのフラグ及び2枚の画面情報を再生部15に出力し(ステップST7i)、続いてメモリ13上の格納場所を示す33msの制御クロック信号を再生部15に出力する(ステップST7j)。
【0026】
図8は、上記再生部15の制御処理手順を示すフローチャートである。
【0027】
再生部15は、上記CPU14からプログレッシブ素材かインタレース素材かを示すフラグを受信するか否かを監視しており(ステップST8a)、フラグを受信すると(Yes)、フラグの内容からインタレース素材であるか否かの判断を行う(ステップST8b)。ここで、インタレース素材である場合(Yes)、再生部15は1枚の画面情報及び制御クロック信号に従って、33msでメモリ13の任意のアドレスから画面を1枚づつ読み出して再生出力する(ステップST8c)。
【0028】
一方、プログレッシブ素材である場合(No)、再生部15はCPU14からの2枚の画面情報に基づき制御クロック信号の立ち上がりがあるか否かを検出し(ステップST8d)、立ち上がりが検出された場合に(Yes)、メモリ13の例えば0…010のアドレスから1枚の画面(2−1)を読み出し(ステップST8e)、続いて制御クロック信号の立下りの検出を行う(ステップST8f)。
【0029】
ここで、立下りが検出されると、再生部15はメモリ13の例えば0…0101アドレスから1枚の画面(2−2)を読み出す(ステップST8g)。
【0030】
そして、再生部15は、CPU14から制御クロック信号が送られる限り、上記ステップST8d乃至ステップST8hの処理を繰り返し実行し、制御クロック信号が停止した時点で処理を終了する(No)。
【0031】
以上のように上記第1の実施形態では、インタレース素材及びプログレッシブ素材がメモリ13に記録される場合、CPU14において、33msを示す情報と、33ms内で再生すべくインタレース素材の画面と、当該画面のメモリ13上の格納場所を示すアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル141と、33msを示す情報と、33ms内で再生すべくプログレッシブ素材の2枚の画面と、当該2枚の画面のメモリ13上の格納場所を示すアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル142とを記憶し管理しておき、インタレース素材の再生指示を上位システムから受信した場合、メモリ情報テーブル141を参照して、メモリ13の任意のアドレスからインタレース素材の1枚の画面を33msで読み出すための制御クロック信号を再生部15に出力し、プログレッシブ素材の再生指示を上位システムから受信したとき、メモリ情報テーブル142を参照して、33msの時間間隔の制御クロック信号を再生部15に出力しメモリ13の任意のアドレスからプログレッシブ素材の2枚の画面を33ms内で同時に読み出させるようにしている。
【0032】
一方、再生部15では、インタレース素材のフラグ及び制御クロック信号を受信した場合、メモリ13の任意のアドレスからインタレース素材の1枚の画面を33msで読み出し、プログレッシブ素材のフラグ及び制御クロック信号を受信した場合、制御クロック信号の33ms内の立ち上がりでメモリ13の任意のアドレスからプログレッシブ素材の1枚の画面(2−1)を読み出し、立下りでメモリ13の任意のアドレスからプログレッシブ素材の1枚の画面(2−2)を読み出すようにしている。
【0033】
したがって、インタレース素材及びプログレッシブ素材が混在する再生制御を、CPU14に頼らず再生部15で分担して実行することが可能となり、これによりCPU14ではプログレッシブ素材の再生制御をインタレース素材と同じ33ms間隔で行えばいいためソフトウェアの負荷が軽減される。また、再生制御を33ms間隔で統一されるため、容易に実現できる。
【0034】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、プログレッシブ素材がGOP構造を有している場合について説明する。
【0035】
参考に、GOP構造を図9に示す。このGOP構造ではフレーム内符号化によるI(Intra)ピクチャ、フレーム間順方向予測符号化によるP(Predictive)ピクチャ、双方向予測符号化によるB(Bidirectionally Predictive)ピクチャの3タイプのピクチャを有する。その配列順序はIBBPBBP…となっており、一つのGOP期間では通常15フレーム程度に設定されている。このGOP構造がくずれると、映像再生時に画面が乱れたり、再生が途絶える等の不具合を生じる。このため、ストリーム切替の際にはGOP構造のパターンを崩さないようにする必要がある。
【0036】
上記CPU14では、GOP単位で再生の管理を行っていた。GOP単位で管理するとGOPを構成する画面(フレーム)が奇数だった場合に、本第2の実施形態を使用して2枚同時に設定することが困難となる。
【0037】
そこで、CPU14では、デコーダ12からの通知内容がプログレッシブ素材である場合に、メモリ13へのプログレッシブ素材の記録時に、図10に示すように、33msと2枚の画面(Iフレーム、Bフレーム、Pフレーム)とメモリアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル142を作成する。また、CPU14は、GOPをまたぐ場合に、33msを示す情報と、GOP最後の画面(Pフレーム)及び次のGOPの画面(Iフレーム)と、当該画面(Pフレーム、Iフレーム)のメモリ13上の格納場所を示すアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル142を作成する。
【0038】
そして、CPU14は、上位システムから再生指示を受信したか否かを監視しており、再生指示を受信した場合に、再生指示の内容がインタレース素材であるか否かの判断を行う。
【0039】
ここで、再生指示の内容がプログレッシブ素材である場合、CPU14はプログレッシブ素材を識別するためのフラグを再生部15に出力し、続いてメモリ13上の格納場所を示す33msの制御クロック信号を再生部15に出力する。
【0040】
再生部15は、上記CPU14からフラグを受信するか否かを監視しており、フラグを受信すると、フラグの内容からインタレース素材であるか否かの判断を行う。ここで、インタレース素材である場合、再生部15は1枚の画面情報及び制御クロック信号に従って、33msでメモリ13の任意のアドレスから画面を1枚づつ読み出して再生出力する。
【0041】
一方、プログレッシブ素材である場合、再生部15は図11に示すように制御クロック信号の立ち上がりがあるか否かを検出し、立ち上がりが検出された場合に、メモリ13の例えば0…010のアドレスから1枚の画面(3−1)(Iフレーム)を読み出し、続いて制御クロック信号の立下りの検出を行う。
【0042】
ここで、立下りが検出されると、再生部15はメモリ13の例えば0…0101アドレスから1枚の画面(3−2)(Bフレーム)を読み出す。
【0043】
そして、再生部15は、GOPをまたがる場合でも、制御クロック信号の立ち上がりがあるか否かを検出し、立ち上がりが検出された場合に、メモリ13の任意のアドレスからGOP最後の1枚の画面(3−p)(Pフレーム)を読み出し、続いて制御クロック信号の立下りの検出を行う。
【0044】
ここで、立下りが検出されると、再生部15はメモリ13の任意のアドレスから次のGOP構造の1枚の画面(4−1)(Iフレーム)を読み出す。
【0045】
以上のように上記第2の実施形態によれば、GOP単位で管理すると、GOPを構成する画面数が奇数となる場合があるので、GOPを構成する画面に、次に再生する画面を紐付けてリンク形式で管理を行うことで、例えば2枚同時に再生制御を行う場合に、1枚目の画面と、1枚目の画面に紐付けられた次の画面を再生制御することで、GOPを意識することなくプログレッシブ素材の再生を行うことができる。
【0046】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、インタレース素材とプログレッシブ素材とを別々の系統に分けて再生処理するようにしたものである。
【0047】
図12は、第3の実施形態に係る映像再生装置の構成を示すブロック図である。図12において、上記図1と同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0048】
図12において、入力端子21に入力される符号化インタレース信号は、デコーダ22に出力される。デコーダ22は、符号化インタレース信号をインタレース素材にデコードしてメモリ23の然るべき領域(アドレス)に転送し、その転送終了後にメモリ23上のインタレース素材の存在領域をCPU14に通知する。
【0049】
CPU14はデコーダ22からの通知に基づいて、メモリ情報テーブル141を生成する。メモリ情報テーブル141は、インタレース素材を1画面読み出すタイミング情報と、画面を識別する画面情報と、メモリ13上の格納場所を示すメモリアドレスとの対応関係を表すデータが記憶されている。
【0050】
また、CPU14は、上位システムからの再生指示に従い、再生部24の再生制御を行うものである。再生部24は、CPU14からの制御に基づき、メモリ23の該当するメモリアドレスからインタレース素材を読み出し再生して出力端子25へ出力する。
【0051】
次に、上記構成における動作について説明する。
まず、CPU14は、デコーダ12またはデコーダ22からの通知があるか否かを監視し、通知があると、CPU14は通知の内容を解析してインタレース素材であるか否かの判断を行う。ここで、インタレース素材であれば、CPU14はメモリ23へのインタレース素材の記録時に33msと1枚の画面とメモリアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル141を作成する。一方、プログレッシブ素材であれば、CPU14はメモリ13へのプログレッシブ素材の記録時に33msと2枚の画面とメモリアドレスとを対応付けたメモリ情報テーブル142を作成する。
【0052】
そして、CPU14は、上位システムから再生指示を受信したか否かを監視しており、再生指示を受信した場合に、再生指示の内容がインタレース素材であるか否かの判断を行う。ここで、インタレース素材である場合、CPU14はインタレース素材を識別するためのフラグ及び1枚の画面情報を再生部24に出力し、続いてメモリ23上の格納場所を示す33msの制御クロック信号を再生部24に出力する。
【0053】
一方、再生指示の内容がプログレッシブ素材である場合、CPU14はプログレッシブ素材を識別するためのフラグ及び2枚の画面情報を再生部15に出力し、続いてメモリ13上の格納場所を示す33msの制御クロック信号を再生部15に出力する。
【0054】
再生部24は、上記CPU14からフラグを受信するか否かを監視しており、フラグ及び1枚の画面情報を受信すると、制御クロック信号に従って、33msでメモリ23の任意のアドレスから画面を1枚づつ読み出して再生出力する。
【0055】
一方、プログレッシブ素材である場合、再生部15は制御クロック信号の立ち上がりがあるか否かを検出し、立ち上がりが検出された場合に、メモリ13の例えば0…010のアドレスから1枚の画面(2−1)を読み出し、続いて制御クロック信号の立下りの検出を行う。
【0056】
ここで、立下りが検出されると、再生部15はメモリ13の例えば0…0101アドレスから1枚の画面(2−2)を読み出す。
【0057】
以上のように上記第3の実施形態であっても、上記第1の実施形態と同様な作用効果が得られる。また、再生部15にプログレッシブ素材の処理に対応するプログラムをセットすればよいので、プログラムをセットする保守者の負担も軽減できる。
【0058】
(その他の実施形態)
上記各実施形態では、制御クロック信号がCPUから再生部へ供給される例について説明したが、これに限ることなく、他の機器から再生部へ制御クロック信号が供給されるものであってもよい。
【0059】
その他、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0060】
11…入力端子、12,22…デコーダ、13,23…メモリ、14…CPU、141,142…メモリ情報テーブル、143…再生制御部、15,24…再生部、16…出力端子、151…再生処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1の時間間隔で画面を切り替える第1の映像素材データと、この第1の映像素材データに比して整数倍短い第2の時間間隔で画面を切り替える第2の映像素材データとを記録媒体に記録する記録部と、
前記記録媒体に記録された前記第1の映像素材データ及び前記第2の映像素材データを選択的に再生する再生部と、
前記記録部及び前記再生部それぞれの処理を統括的に制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、
前記第1の映像素材データ及び前記第2の映像素材データが前記記録媒体に記録される場合、第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第1の映像素材データの画面と、当該画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第1のテーブルと、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルとを記憶する記憶手段と、
前記第1の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す1枚の画面を示す情報を前記再生部に出力し、前記第2の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す整数枚の画面を示す情報を前記再生部に出力する再生制御手段とを備え、
前記再生部は、
前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出すための制御クロック信号を受信し、前記再生制御手段から前記1枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号に基づいて、前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出し、前記制御クロック信号を受信し、前記再生制御手段から前記整数枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから当該第1レベルに比して大きい第2レベルへの変化点または前記第2レベルから第1レベルへの変化点で前記記録媒体の任意のアドレスから前記第2の映像素材データの画面を読み出す再生処理手段を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記第1の映像素材データは、33msで画面を切り替えるインタレース形式の映像素材データであり、前記第2の映像素材データは、16.5msで画面を切り替えるプログレッシブ形式の映像素材データであることを特徴とする請求項1記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記第2の映像素材データが少なくとも1つのフレーム内符号化画面とこの画面を基に作成した複数の予測画面とから成る画面群構造(GOP:Group Of Pictures)を有する場合、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付け、さらにGOPをまたぐ場合に、前記第1の時間を示す情報と、GOP最後の画面及び次のGOPの画面と、当該画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルを記憶することを特徴とする請求項1記載の映像再生装置。
【請求項4】
所定の第1の時間間隔で画面を切り替える第1の映像素材データを第1の記録媒体に記録する第1の記録部と、
この第1の映像素材データに比して整数倍短い第2の時間間隔で画面を切り替える第2の映像素材データを第2の記録媒体に記録する第2の記録部と、
前記第1の記録媒体に記録された前記第1の映像素材データを再生する第1の再生部と、
前記第2の記録媒体に記録された前記第2の映像素材データを再生する第2の再生部と、
前記第1及び第2の記録部、前記第1及び第2の再生部それぞれの処理を統括的に制御する制御部とを具備し、
前記制御部は、
前記第1の映像素材データが前記第1の記録媒体に記録される場合、第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第1の映像素材データの画面と、当該画面の前記第1の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第1のテーブルを記憶し、前記第2の映像素材データが前記第2の記録媒体に記録される場合、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記第2の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルを記憶する記憶手段と、
前記第1の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記第1の記録媒体から読み出す1枚の画面を示す情報を前記第1の再生部に出力し、前記第2の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記第2の記録媒体から読み出す整数枚の画面を示す情報を前記第2の再生部に出力する再生制御手段とを備え、
前記第2の再生部は、
前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出すための制御クロック信号を受信し、前記再生制御手段から前記情報を受信した場合、前記制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから当該第1レベルに比して大きい第2レベルへの変化点または前記第2レベルから前記第1レベルへの変化点で前記第2の記録媒体の任意のアドレスから前記第2の映像素材データの画面を読み出す再生処理手段を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項5】
前記第1の映像素材データは、33msで画面を切り替えるインタレース形式の映像素材データであり、前記第2の映像素材データは、16.5msで画面を切り替えるプログレッシブ形式の映像素材データであることを特徴とする請求項4記載の映像再生装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記第2の映像素材データが少なくとも1つのフレーム内符号化画面とこの画面を基に作成した複数の予測画面とから成る画面群構造(GOP:Group Of Pictures)を有する場合、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記第2の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付け、さらにGOPをまたぐ場合に、前記第1の時間を示す情報と、さらにGOPをまたぐ場合に、前記第1の時間を示す情報と、GOP最後の画面及び次のGOPの画面と、当該画面の前記第2の記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルを記憶することを特徴とする請求項1記載の映像再生装置。
【請求項7】
所定の第1の時間間隔で画面を切り替える第1の映像素材データと、この第1の映像素材データに比して整数倍短い第2の時間間隔で画面を切り替える第2の映像素材データとを記録媒体に記録する記録部と、前記記録媒体に記録された前記第1の映像素材データ及び前記第2の映像素材データを選択的に再生する再生部と、前記記録部及び前記再生部それぞれの処理を統括的に制御する制御部とを備える映像再生装置で使用される制御方法において、
前記制御部にて、前記第1の映像素材データ及び前記第2の映像素材データが前記記録媒体に記録される場合、第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第1の映像素材データの画面と、当該画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第1のテーブルと、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルとをメモリに記憶し、
前記第1の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す1枚の画面を示す情報を前記再生部に出力し、前記第2の映像素材データの再生指示を受信した場合、記第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す整数枚の画面を示す情報を前記再生部に出力し、
前記再生部にて、前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出すための制御クロック信号を受信し、前記制御部から前記1枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号に基づいて、前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出し、前記制御クロック信号を受信し、前記制御部から前記整数枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから当該第1レベルに比して大きい第2レベルへの変化点または前記第2レベルから第1レベルへの変化点で前記記録媒体の任意のアドレスから前記第2の映像素材データの画面を読み出すことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
映像再生装置の制御部により実行されるプログラムであって、前記制御部を、
前記第1の映像素材データ及び前記第2の映像素材データが前記記録媒体に記録される場合、第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第1の映像素材データの画面と、当該画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第1のテーブルと、前記第1の時間を示す情報と、前記第1の時間内で再生すべく前記第2の映像素材データの整数枚の画面と、当該整数枚の画面の前記記録媒体上の格納場所を示すアドレスとを対応付けた第2のテーブルとを記憶する記憶手段と、
前記第1の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第1のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す1枚の画面を示す情報を前記再生部に出力し、前記第2の映像素材データの再生指示を受信した場合、前記第2のテーブルを参照し、この参照結果に基づいて、前記記録媒体から読み出す整数枚の画面を示す情報を前記再生部に出力する再生制御手段と、
して動作させるプログラム。
【請求項9】
映像再生装置の再生部により実行されるプログラムであって、前記再生部を、
前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出すための制御クロック信号を受信し、前記1枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号に基づいて、前記記録媒体の任意のアドレスから前記第1の映像素材データの1枚の画面を第1の時間間隔で読み出し、前記制御クロック信号を受信し、前記再生制御手段から前記整数枚の画面を示す情報を受信した場合、前記制御クロック信号の第1の時間内の第1レベルから当該第1レベルに比して大きい第2レベルへの変化点または前記第2レベルから第1レベルへの変化点で前記記録媒体の任意のアドレスから前記第2の映像素材データの画面を読み出す再生処理手段と
して動作させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−65988(P2013−65988A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202512(P2011−202512)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】