説明

映像再生装置および映像再生システム

【課題】増大・複雑化する設定項目の設定を、まとめて簡単に行えるようにする。
【解決手段】映像データに基づいて映像信号を再生するBDプレーヤー10において、外部メモリー20を着脱可能な着脱口13と、着脱口13に装着された外部メモリー20に記憶された設定ファイルSFに登録されている映像再生に関する複数の設定値をBDプレーヤー10に設定する設定適用部M2と、上記設定値に基づいてBDプレーヤー10の映像再生を制御する制御部11と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置および映像再生システムに関し、特に、映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置および映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置に対してネットワーク端末を用いて映像再生に関する複数の設定項目の設定を行う映像再生システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像機器の多機能化に伴って設定項目数は増大する傾向にあり、ユーザーの行う設定を容易にするための様々な工夫が行われている(例えば特許文献1〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−281428号公報
【特許文献2】特開2001−197384号公報
【特許文献3】特開2000−123558号公報
【特許文献4】実開昭62−201859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デジタルテレビ放送やオンデマンド放送の登場に伴ってインターネット等のネットワークとの連携が開始され、またブルーレイディスクやハードディスクなどの大容量記憶媒体を利用した映像再生機器が登場したことにより、映像機器はさらに多機能かつ高機能化しつつある。多機能化すると設定項目数は増加するし、高機能化すると新たな設定項目が追加される。
【0005】
例えば、従来であれば、複数の選択肢の中から所望の設定値を選択することにより大方の設定値の設定が可能であったが、ネットワーク機能が追加されたことによりIPアドレスやドメインネームの入力を行わなければならなくなったため、図5に示すように文字列や数字の入力が必要になってきた。このような数字や文字列を、矢印キーと決定キーのみで設定するのは煩雑であり、ユーザーの混乱を招き、サポートセンターに対するクレーム数の増大にも繋がる。従って、複数の設定項目をまとめて設定できるようにしたり、設定項目を取捨選択して減少させたりするだけでは、設定におけるユーザーの負担を減少することが出来なくなってきている。
【0006】
その一方で、リモコンなどの操作入力機器のキー数を少なくして欲しいという要望や、各映像機器のリモコンの操作性を統一して欲しいという要望もある。従って、設定項目を設定するために操作入力機器に特殊なキーを追加することも難しい。
以上のような状況において、設定項目を容易且つ迅速に設定するための画期的な手法が待ち望まれていた。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、増大・複雑化する設定項目の設定を、まとめて簡単に行える映像再生装置および映像再生システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明にかかる映像再生装置では、映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置において、外部メモリーを着脱可能な着脱口と、該着脱口に装着された上記外部メモリーに記憶された設定ファイルに登録されている映像再生に関する複数の設定値を該映像再生装置に設定する設定適用部と、上記設定値に基づいて該映像再生装置の映像再生を制御する制御部と、を備える構成としてある。該構成によれば、外部メモリーを着脱口に接続し、外部メモリーに記憶された設定ファイルに登録されている設定値を適用するだけで、設定を完了することが可能になる。よって、増大・複雑化する設定項目の設定をまとめて簡単に行えるようになる。
【0009】
また、本発明の選択的な一態様として、上記映像再生装置は、ネットワーク上のコンテンツサーバーからコンテンツデータを取得するコンテンツ取得部を備えており、上記複数の設定値は、上記ネットワークにおける上記コンテンツサーバーの所在を示す情報を含んで構成されるようにしてもよい。該構成によれば、入力が特に煩雑なネットワーク設定に関する設定値の設定を、容易かつ迅速に行えるようになる。
【0010】
また、本発明の選択的な一態様として、上記映像再生装置は、文字や数字を入力するための操作入力部として、カーソル移動キーとカーソル決定キーのみを備えているようにしてもよい。該構成によれば、操作入力手段が低機能な映像再生機器に対しても簡単かつ迅速に設定値の設定が行えるようになる。
【0011】
さらに、本発明を、上記映像再生装置を含む映像再生システムとして構成した場合の一態様として、入力される映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置に対し、ネットワーク端末を用いて映像再生に関する複数の設定項目の設定を行う映像再生システムにおいて、上記ネットワーク端末は、外部メモリーを着脱可能な着脱口と、上記複数の設定項目のテンプレートを表示する表示部と、上記テンプレートの各設定項目に所望の設定値を設定する操作を受付ける操作入力部と、上記テンプレートに設定された複数の設定値を含む設定ファイルを作成して上記外部メモリーに記憶させる設定ファイル作成部と、を備え、上記映像再生装置は、上記外部メモリーを着脱可能な着脱口と、該着脱口に装着された外部メモリーに記憶された設定ファイルに登録されている映像再生に関する複数の設定値を該映像再生装置に設定する設定適用部と、上記設定値に基づいて該映像再生装置の映像再生を制御する制御部と、を備える構成としてもよい。
【0012】
また、本発明の選択的な一態様として、上記ネットワーク端末は、ネットワーク上でテンプレートを記憶しているテンプレートサーバーから上記テンプレートを取得するテンプレート取得部を備えている構成としてもよい。該構成によれば、テンプレートサーバー上のテンプレートを管理することで、最新のテンプレートを常に供給できるようになる。
【0013】
また、本発明の選択的な一態様として、上記映像再生装置は、上記テンプレートを記憶している記憶媒体と上記第二着脱口に装着された外部メモリーに対して上記記憶媒体に記憶されているテンプレートを記憶させるテンプレート保存部とを備えており、上記情報処理端末は、上記第一着脱口に装着された外部メモリーから上記テンプレートを取得するテンプレート取得部を備えており、該テンプレート取得部の取得したテンプレートを上記表示部が表示する構成としてもよい。該構成におけるこのテンプレート取得部は、テンプレートサーバーから上記テンプレートを取得する上記テンプレート取得部と共通の構成であってもよいし異なる構成であってもよい。このような構成によれば、ネットワーク端末がテンプレートサーバーに接続可能でなくても、テンプレートを利用した設定値の設定が行えるようになる。
【0014】
本発明は、他の機器に上記映像再生装置が組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明によれば、増大・複雑化する設定項目の設定を、まとめて簡単に行える映像再生装置を提供することができる。
また請求項2にかかる発明によれば、設定値の中でも入力が特に煩雑なネットワーク設定に関する設定値の設定を、容易かつ迅速に行えるようになる。
また請求項3にかかる発明によれば、操作入力手段が低機能な映像再生機器に対しても簡単かつ迅速に設定値の設定が行えるようになる。
また請求項4にかかる発明によれば、増大・複雑化する設定項目の設定を、まとめて簡単に行える映像再生システムを提供することができる。
また請求項5にかかる発明によれば、テンプレートサーバー上のテンプレートを管理することで、最新のテンプレートを常に供給できるようになる。
また請求項6にかかる発明によれば、ネットワーク端末がテンプレートサーバーに接続可能でなくても、テンプレートを利用した設定値の設定が行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】映像再生システムの構成を示すブロック図である。
【図2】映像再生システムを構成するBDプレーヤーの構成を示すブロック図である
【図3】映像再生システムを構成するネットワーク端末の構成を示すブロック図である。
【図4】設定値の設定作業の流れを示すフローチャートである。
【図5】来の映像再生機器における設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本実施形態の構成:
(2)設定値の設定作業:
(3)変形例:
(4)まとめ:
【0018】
(1)本実施形態の構成:
図1は本実施形態にかかる映像再生システムの構成を示すブロック図であり、図2は映像再生システムを構成するブルーレイディスクプレーヤー10(BDプレーヤー10)の構成を示すブロック図であり、図3は映像再生システムを構成するネットワーク端末40の構成を示すブロック図である。なお、これらの図においてはBDプレーヤー10とコンテンツサーバー50とを接続するネットワークNTと、ネットワーク端末40とテンプレートサーバー30とを接続するネットワークNTとを、同じネットワークとして記載してあるが、これらネットワークは同じネットワークであってもよいし、異なるネットワークであってもよい。
【0019】
図1において、映像再生システム100は、映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置であるBDプレーヤー10と、着脱可能な外部記憶媒体である外部メモリー20と、BDプレーヤー10の各種設定に関する設定項目のテンプレートを供給するテンプレートサーバー30と、テンプレートサーバー30と通信可能なネットワーク端末40と、所定の通信回線を通じてBDプレーヤー10に映像データを供給するコンテンツサーバー50と、を備えている。なお、本実施形態ではBDプレーヤーを例にとって説明するが、映像再生装置はこれに限るものではなく、記録機能を備えたレコーダーであってもよいし、DVDやCDやハードディスクが記録媒体であってもよいし、テレビジョン装置であってもよい。むろん、これらのコンボ機であってもよい。
【0020】
コンテンツサーバー50は、インターネットやイントラネット等で構成されるネットワークNTを介してテレビ番組やビデオ作品や音楽データ等のコンテンツ(映像データや音声データ)の配信サービスを提供するサーバーであり、複数のコンテンツデータを蓄積した記憶媒体51と、コンテンツデータを配信するコンテンツ配信部52とを備えている。コンテンツ配信部52は、ネットワークNTに接続された他のネットワーク機器からコンテンツデータを要求されると、要求されたコンテンツデータを記憶媒体51から読み出して要求元に送信する。なお、コンテンツ配信部52は、コンテンツサーバー50の備えるCPUやRAMやROMで構成される制御部において実行されるプログラムによって実現することができる。むろん、カスタムICで実現しても構わない。
【0021】
テンプレートサーバー30は、インターネットやイントラネット等で構成されるネットワークNTを介して設定項目テンプレートを配信するサービスを提供するサーバーであり、複数の設定項目テンプレートTPを記憶する記憶媒体31と、設定項目テンプレートTPを配信するテンプレート配信部32とを備えている。設定項目テンプレートTPは、映像再生装置の各種設定値を一覧にしたデータであり、それぞれの設定テンプレートTPは異なる映像再生装置に対応している。また、設定項目テンプレートTPは、例えばHTML(HyperText Markup Language)データのフォームやテキストデータで構成することが出来る。HTMLで構成する場合は、チェックボックスやインプットボックスやフォーム等により各設定項目の設定値を複数の選択肢のなかから選択形式で選択できるようにすることができる。むろんテンプレート配信部32は、設定項目テンプレートの表示とテンプレートに対する設定を受付ける専用のアプリケーションを配信してもよい。なお、テンプレート配信部32は、テンプレートサーバー30の備えるCPUやRAMやROMで構成される制御部において実行されるプログラムによって実現することができる。むろん、カスタムICで実現しても構わない。
【0022】
図2に示すように、BDプレーヤー10は、BDプレーヤー10の全体を制御する制御部11と、BDプレーヤー10の各種設定値を格納する記憶媒体である設定値格納部12と、外部メモリー20の着脱口13と、他の外部映像再生機器と接続するための外部機器インターフェース14(外部機器I/F14)と、第一ディスク読取部15と、第二ディスク読取部16と、映像データにもとづいて映像信号を作成して映像表示装置に出力する映像再生部17と、BDプレーヤー10に対する各種の操作入力をユーザーから受付ける操作入力部18と、を備えている。なお、着脱口13は本実施形態において第二着脱口を構成する。
【0023】
第一ディスク読取部15と第二ディスク読取部16は、ディスクトレイに載置されたりディスクスロットに挿入されたDVDやCDから映像データや音声データを読取る。第一ディスク読取部15は、赤色レーザーを用いてDVDやCDに記録された映像データや音声データを読取り、第二ディスク読取部16は、青色レーザーを用いてDVDやCDに記録された映像データや音声データを読取る。再生された映像データは映像再生部17に出力され、音声データは不図示の音声再生部に出力されて音声信号が再生される。すなわち、BDプレーヤー10は、異なる波長の2種類の光源と、これら光源のディスク面での反射光を検出するピックアップ装置とを備えている。その他、該反射光の読取エラー信号に基づいて駆動信号を生成するサーボ回路や、該駆動信号に基づいて光ディスクの回転やピックアップ装置の駆動を行うドライバー回路等も備えている。なお、これらのディスク読取部の構成要素は、光源を除いて第一ディスク読取部15と第二ディスク読取部16とで共通化してもよいし、それぞれに用意されてもよい。
【0024】
制御部11は、CPUとRAMとROMとを備えており、RAMをワークエリアとして利用しつつROMに記憶されたプログラムをCPUが実行することにより、コンテンツ取得部M1、設定適用部M2、ディスクドライブ制御部M3、パレンタルロック部M4、外部機器制御部M5、音声制御部M6、OSD部M7等の機能を実現する。むろん、制御部11は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用のカスタムICで実現することもできる。
【0025】
コンテンツ取得部M1は、ユーザーが操作入力部18を介して行うコンテンツデータの取得指示や再生指示に基づいて、コンテンツサーバー50と通信を行ってコンテンツデータを取得する。そして、取得したコンテンツデータの映像データは映像再生部17に出力し、音声データは不図示の音声再生部に出力されて音声信号が再生される。コンテンツ取得部M1は、コンテンツサーバー50との通信を行うにあたり、設定値格納部12からコンテンツサーバー50や所定のプロキシサーバーのIPアドレスもしくはドメイン名に関する設定値を取得し、設定値に基づいてコンテンツサーバー50との通信を行う。このIPアドレスやドメイン名が本実施形態においてコンテンツサーバー50の所在を示す情報を構成する。
【0026】
設定適用部M2は、着脱口13に接続されている外部メモリー20から設定ファイルSFを読取って取得し、設定ファイルSFに登録されている各種設定値を設定値格納部12の所定の記憶領域にそれぞれ格納する。
このとき使用される外部メモリー20は、データを読書き可能な記憶媒体を備えたUSBメモリーやメモリーカード等で構成することができる。外部メモリー20をBDプレーヤー10やネットワーク端末40等の機器の着脱口に接続すると、例えばUSBマスストレージクラスなど所定のプロトコルに従って機器と外部メモリー20との間に接続が確立され、これらの機器は外部メモリー20の記憶媒体に対する読書きができるようになる。むろん、外部メモリー20は外付けのハードディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスクなどで構成することもできる。なお、外部メモリー20として光ディスクを利用する場合は、第一ディスク読取部15や第二ディスク読取部16介して読書きを行ってもよい。
【0027】
ディスクドライブ制御部M3は、操作入力部18に対してユーザーが行うディスク挿入/排出やディスク再生/早送り/巻き戻し等の操作入力に基づいて各ディスク読取部を制御することにより、DVDやCDに記録されている映像データや音声データを取得し、映像データを映像再生部17に出力し、音声データを不図示の音声再生部に出力する。
【0028】
パレンタルロック部M4は、映像データの視聴制限の度合を示す視聴ランクを該映像データから取得し、この視聴ランクに基づいて映像や音声の視聴制限を実行する。このとき、パレンタルロック部M4は、設定値格納部12からパレンタルロックに関する設定値を取得し、該設定値の示す視聴制限の度合が映像データから取得された視聴ランクの視聴を許容する場合は映像や音声の出力を許可し、該設定値の示す視聴制限の度合が映像データから取得された視聴ランクの視聴を禁止もしくは制限している場合は映像や音声の出力を禁止もしくは制限する。
【0029】
外部機器制御部M5は、操作入力部18に対してユーザーが行う外部映像再生機器からの映像データや音声データの取得や外部機器との連携を指示する操作入力に基づいて外部映像再生機器と通信することにより、外部映像再生機器から映像データや音声データを取得し、映像再生部17に出力する。外部映像再生機器は、例えばHDMI(High Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Visual Interface)等のように相互通信可能なインターフェースで接続されているものとする。外部機器制御部M5は、外部映像再生機器と通信するにあたり、設定値格納部12から外部映像再生機器から取得する映像の解像度に関する設定値を取得し、設定値に対応する映像を出力するように外部映像再生機器に要求する。
【0030】
音声制御部M6は、不図示の音声再生部におけるトーン調整等の音質やスピーカ出力の設定、音量などを制御する。音声制御部M6は、これらの制御を行うに当り、設定値格納部12から音声に関する設定値を取得し、設定値に基づいてこれらの制御を行う。
【0031】
OSD部M7は、映像再生部17の再生した映像信号にオンスクリーンディスプレイ信号を重畳する。このとき、OSD部M7は設定値格納部12からOSDの表示言語に関する設定値を取得し、設定値に応じた言語のオンスクリーンディスプレイ信号を映像信号に重畳する。
【0032】
図3において、ネットワーク端末40は、例えばパーソナルコンピューターや携帯通信端末(携帯電話、PHS、PDA等)で構成されており、ネットワーク端末40に対する各種操作入力をユーザーから受付ける操作入力部45と、テンプレートサーバー30から設定項目テンプレートTPを取得するテンプレート取得部41と、設定項目テンプレートTPの設定画面を表示する表示部44と、設定ファイルSFを作成する設定ファイル作成部42と、外部メモリー20の着脱口43と、を備えている。テンプレート取得部41と設定ファイル作成部42は、ネットワーク端末40の備えるCPUやRAMやROMで構成される制御部において実行されるプログラムによって実現することができる。むろん、カスタムIC等で実現しても構わない。なお、ネットワーク端末40が本実施形態において情報処理端末を構成し、着脱口43が本実施形態において第一着脱口を構成する。
【0033】
テンプレート取得部41は、操作入力部45に対してユーザーが行う設定項目テンプレートTPの取得指示に基づいて、テンプレートサーバー30から設定項目テンプレートTPを取得する。
【0034】
設定ファイル作成部42は、設定項目テンプレートTPを表示部44に表示しつつ設定項目テンプレートTPに対する設定変更を行うユーザーの操作入力を操作入力部45から受付けるとともに、ユーザーが設定変更を完了して設定ファイルSFの作成を指示する操作入力を行うと、設定ファイルSFを作成して外部メモリー20に記憶させる。設定ファイルSFは、設定項目テンプレートTPに設定された各種設定項目に関する設定値の一覧が所定のフォーマットで記憶されたファイルである。また、設定ファイルSFは、特定の拡張子などの識別子を有している。
【0035】
なお、ネットワーク端末40における操作入力部45は、BDプレーヤー10の操作入力部18に比べて多様な数字や文字の入力ができるようになっている。例えば、BDプレーヤー10は、接続された表示装置の画面に数字や文字の一覧を表示し、操作入力部18のカーソル移動キー及びカーソル決定キーを駆使して数字や文字入力を行うようになっているのに対し、ネットワーク端末40は、操作入力部45がフルキーボードで構成されていたり、ユーザーの入力する文字列や数字列の予測変換機能や予測補完機能などを備えていたりする。したがって、BDプレーヤー10の操作入力部18を介して数字や文字を入力するのに比べて、ネットワーク端末40の操作入力部18を介した入力は、はるかに快適な入力環境が整っている。
【0036】
(2)設定値の設定作業:
以上の構成において、外部メモリー20とネットワーク端末40とテンプレートサーバー30とを利用して実行されるBDプレーヤー10の設定値の設定作業について、図4を参照して説明する。図4は、設定値の設定作業の流れを示すフローチャートである。同図に示す作業は、BDプレーヤー10のユーザーやメンテナンス等を行う作業員によって実行される。以下の説明では、ユーザーが設定値の設定作業を実行する場合を例にとって説明する。
【0037】
作業が開始されると、ユーザーは外部メモリー20をネットワーク端末40の着脱口43に接続する(S100)。すると、ネットワーク端末40から外部メモリー20に対するデータの読書きが出来るようになる。次に、ユーザーは、操作入力部45に所定の操作を行うことにより、テンプレート取得部41にテンプレートサーバー30から設定項目テンプレートTPを取得させる(S110)。すると、設定ファイル作成部42が設定項目テンプレートTPを取得し、設定項目テンプレートTPの設定画面を表示部44に表示する。
【0038】
ユーザーは設定項目テンプレートTPの設定画面を見ながら操作入力部45を操作して、設定ファイルSFを作成する作業を行う(S120)。この間、設定ファイル作成部42は、ユーザーの操作に伴って設定項目テンプレートTPの設定画面を変更して表示する。ユーザーは設定項目テンプレートTPの各設定項目に関する設定値を設定して行き、設定が終了すると設定ファイルSFの作成を指示する操作入力を操作入力部45に行う。すると、設定ファイル作成部42は、設定項目テンプレートTPの各設定項目に対して設定された設定値を取得し、取得した設定値を書込んだ設定ファイルSFを作成して外部メモリー20に書きこむ(S130)。
【0039】
書込みが終了すると、ユーザーは外部メモリー20をネットワーク端末40から取り外し、BDプレーヤー10の着脱口13に接続する(S140)。すると、BDプレーヤー10の設定適用部M2が外部メモリー20の接続を検出し、拡張子などに基づいて外部メモリー20に設定ファイルSFが記憶されているかを確認する。設定ファイルSFが記憶されていれば、設定適用部M2は設定ファイルを取得し、設定ファイルに記録されている各種設定値を取得して設定値格納部12の所定のエリアに書きこむ。すると、BDプレーヤー10は、設定値格納部12に更新された設定値に基づいて以降の動作を行うことになる。すなわち、煩雑な操作をBDプレーヤー10で行うことなく、BDプレーヤーの設定値の設定が完了する。
【0040】
むろん、外部メモリー20に記憶された設定ファイルSFに基づいて行う設定値の更新は、BDプレーヤー10で設定ファイルSFの適用を指示する所定の操作が行われてから実行されてもよい。例えば、BDプレーヤー10の設定を行うメニュー画面に、外部メモリー20に記憶された設定ファイルSFに基づいて設定値を適用させるための設定項目を設けて、操作入力部18を介してこの設定項目の実行が指示されてから設定値の更新を行うようにしてもよい。このようにすると、誤って古い設定ファイルSFで設定値を更新してしまったりするミスを防止できる。むろん、いったん設定が完了した設定ファイルは、BDプレーヤー10の制御部11が外部メモリー20から削除するようにしてもよい。
【0041】
(3)変形例:
上述した実施形態では、ネットワーク端末40がテンプレートサーバー30に記憶されている設定項目テンプレートTPを取得する場合を例にとって説明したが、設定項目テンプレートTPは他の機器や記憶媒体に記憶されているものを利用しても構わない。例えば、BDプレーヤー10の記憶媒体に出荷時に予め記憶されていてもよい。
【0042】
この場合、BDプレーヤー10の制御部11は、記憶媒体に記憶されている設定項目テンプレートTPを外部メモリー20に記憶させる不図示のテンプレート保存部M8を備える。テンプレート保存部M8は、BDプレーヤー10の設定メニュー画面等でテンプレート保存などの設定項目が選択されたときに、記憶媒体に記憶されている設定項目テンプレートTPを取得して外部メモリー20に記憶させる。そして、ユーザーは外部メモリー20をネットワーク端末40に接続し、図4のステップS120〜S140の作業を実行する。
【0043】
このとき、テンプレート取得部41は着脱口43に装着された外部メモリー20に記憶されている設定項目テンプレートTPを取得し、設定ファイル作成部42は外部メモリー20から取得した設定項目テンプレートTPを表示部44に表示する。そして、各設定項目に対する設定が完了すると、設定ファイル作成部設定ファイルSFを外部メモリー20に記憶させ、再び外部メモリー20をBDプレーヤー10に接続し、設定適用部M2に設定値の設定を行わせることになる。
【0044】
この他、他の着脱式の記憶媒体に記憶されている設定項目テンプレートTPをネットワーク端末40の読取装置で読取って、この設定項目テンプレートTPを利用して図4のステップS120〜S140の設定作成作業を行うようにしても構わない。このようにすると、予めネットワーク端末40に設定項目テンプレートTPが記憶されている状態で、設定値の設定作業を開始することができる。
【0045】
(4)まとめ:
以上説明した実施形態によれば、映像データに基づいて映像信号を再生するBDプレーヤー10において、外部メモリー20を着脱可能な着脱口13と、着脱口13に装着された外部メモリー20に記憶された設定ファイルSFに登録されている映像再生に関する複数の設定値をBDプレーヤー10に設定する設定適用部M2と、上記設定値に基づいてBDプレーヤー10の映像再生を制御する制御部11と、を備えるようにしてある。よって、増大・複雑化する設定項目の設定を、まとめて簡単に行えるようになる。
【0046】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0047】
10…ブルーレイディスクプレーヤー(BDプレーヤー)、11…制御部、12…設定値格納部、13…着脱口、14…外部機器インターフェース(外部機器I/F)、15…第一ディスク読取部、16…第二ディスク読取部、17…映像再生部、18…操作入力部、20…外部メモリー、30…テンプレートサーバー、31…記憶媒体、32…テンプレート配信部、40…ネットワーク端末、41…テンプレート取得部、42…設定ファイル作成部、43…着脱口、44…表示部、45…操作入力部、50…コンテンツサーバー、51…記憶媒体、52…コンテンツ配信部、100…映像再生システム、M1…コンテンツ取得部、M2…設定適用部、M3…ディスクドライブ制御部、M4…パレンタルロック部、M5…外部機器制御部、M6…音声制御部、M7…OSD部、NT…ネットワーク、SF…設定ファイル、TP…設定項目テンプレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置において、
外部メモリーを着脱可能な着脱口と、
該着脱口に装着された上記外部メモリーに記憶された設定ファイルに登録されている映像再生に関する複数の設定値を該映像再生装置に設定する設定適用部と、
上記設定値に基づいて該映像再生装置の映像再生を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
上記映像再生装置は、ネットワーク上のコンテンツサーバーからコンテンツデータを取得するコンテンツ取得部を備えており、
上記複数の設定値は、上記ネットワークにおける上記コンテンツサーバーの所在を示す情報を含んで構成される請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
上記映像再生装置は、文字や数字を入力するための操作入力部として、カーソル移動キーとカーソル決定キーのみを備えている請求項1または請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
映像データに基づいて映像信号を再生する映像再生装置に対してネットワーク端末を用いて映像再生に関する複数の設定項目の設定を行う映像再生システムにおいて、
上記情報処理端末は、外部メモリーを着脱可能な第一着脱口と、上記複数の設定項目のテンプレートを表示する表示部と、上記テンプレートの各設定項目に所望の設定値を設定する操作を受付ける操作入力部と、上記テンプレートに設定された複数の設定値を含む設定ファイルを作成して上記外部メモリーに記憶させる設定ファイル作成部と、を備え、
上記映像再生装置は、上記外部メモリーを着脱可能な第二着脱口と、該第二着脱口に装着された外部メモリーに記憶された設定ファイルに登録されている映像再生に関する複数の設定値を該映像再生装置に設定する設定適用部と、上記設定値に基づいて該映像再生装置の映像再生を制御する制御部と、を備えることを特徴とする映像再生システム。
【請求項5】
上記情報処理端末は、ネットワーク上でテンプレートを記憶しているテンプレートサーバーから上記テンプレートを取得するテンプレート取得部を備えている請求項4に記載の映像再生システム。
【請求項6】
上記映像再生装置は、上記テンプレートを記憶している記憶媒体と上記第二着脱口に装着された外部メモリーに対して上記記憶媒体に記憶されているテンプレートを記憶させるテンプレート保存部とを備えており、
上記情報処理端末は、上記第一着脱口に装着された外部メモリーから上記テンプレートを取得するテンプレート取得部を備えており、該テンプレート取得部の取得したテンプレートを上記表示部が表示する請求項4または請求項5に記載の映像再生システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−114412(P2011−114412A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266761(P2009−266761)
【出願日】平成21年11月24日(2009.11.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】