説明

映像再生装置

【課題】マーカーサーチを行うにあたって、視聴したい場面を容易に選択することができる映像再生装置を提供する。
【解決手段】映像を再生中に、ユーザによってマーカーサーチ機能が選択されると、制御部は、マーカーの一覧表を表示させ、いずれかのマーカーが選択されると、選択されたマーカー101a及びその再生開始位置の時間情報102aをハイライト表示させ、映像を再生中の親画面103に、選択されたマーカーの映像の子画面104を重畳して表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーカーサーチ機能を有する映像再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から光ディスク装置においては、光ディスクに記録されたビデオタイトルの任意の位置から再生を開始可能にするため、マーカーサーチの機能が設けられている。例えば、特許文献1には、再生中の画面の上部にマーカーに対応づけて記憶する文字情報の一覧を重畳表示する光ディスク装置が開示されている。
【0003】
なお、特許文献2には、映像を視聴するための映像表示領域と、映像のインデクス情報を表示するインデクス表示領域とを有する映像表示装置が開示されている。また、特許文献3には、複数の動画シーケンスのうちの1つの動画シーケンスの複数の部分を静止画として取り出して、複数に分割したテレビジョン画面に各々表示する情報再生装置が開示されている。
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に示された光ディスク装置においては、ユーザがマーカーサーチを実行する際に参考になる情報として時間情報等の文字情報のみとなるため、複数個のマーカーを登録している場合等には、実際にサーチしてみないと自身が視聴したい場面か否かの判断ができず、使い勝手が悪いという問題があった。また、上記特許文献2又は特許文献3に示された技術においては、マーカーサーチ機能に関する上述した課題を解決できず、また、再生中の映像の表示が中断されるという問題が生ずる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−116002号公報
【特許文献2】特開2004−127311号公報
【特許文献3】特開平8−18923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、マーカーサーチを行うにあたって、視聴したい場面を容易に選択することができる映像再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、記録媒体に記録されている映像データを読み出すデータ読み出し手段と、このデータ読み出し手段によって読み出された映像データを処理する信号処理手段と、この信号処理手段によって処理された映像データを記憶する記憶手段と、前記データ読み出し手段、信号処理手段及び記憶手段を制御する制御手段と、この制御手段に指令を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段とを備え、前記制御手段は、前記指令入力手段を介して入力されたマーキング指令に応じて前記映像データの再生開始位置を前記記憶手段に記憶させ、前記指令入力手段を介して入力されたマーカーサーチ指令に応じて前記記憶手段に記憶させた再生開始位置から前記映像データを再生させる映像再生装置において、前記映像データを再生中に前記マーカーサーチ指令が入力されたとき、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶させた再生開始位置に関する情報と、この再生開始位置のうちユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、映像表示画面の一部に出力させることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の映像再生装置において、前記制御手段は、映像表示画面の一部に重畳させて出力させる再生開始位置に関する情報のうち、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置に関する情報をハイライト表示させることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の映像再生装置において、前記制御手段は、マーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、再生中の映像に重畳させて出力させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項3に記載の映像再生装置において、前記制御手段は、マーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、透過させながら再生中の映像に重畳させて出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明によれば、マーカーサーチを実行する際、再生開始位置に関する情報とユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像が、映像表示画面の一部に出力されるので、ユーザは自ら選択したマーカーの場面の映像を確認することができる。これにより、複数個のマーカーが登録されている場合であっても、ユーザは視聴したい場面を容易に選択することができるようになり、映像再生装置の使い勝手が高められる。
【0012】
請求項2の発明によれば、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置に関する情報がハイライト表示されるので、視認性が高められ、視聴したい場面の選択がより一層容易なものとなる。
【0013】
請求項3の発明によれば、マーカーサーチの実行時に表示される情報及び映像が再生中の映像に重畳されて出力されるので、ユーザは再生中の映像を視聴しながらマーカーサーチを行うことができ、映像再生装置の使い勝手が高められる。
【0014】
請求項4の発明によれば、マーカーサーチの実行時に表示される情報及び映像が再生中の映像に透過させながら重畳されて出力されるので、ユーザは再生中の映像の全体を視聴しながらマーカーサーチを行うことができ、映像再生装置の使い勝手がより一層高められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態による光ディスク装置のブロック図。
【図2】リモートコントローラの平面図。
【図3】マーカーサーチ機能を実行させているときの表示装置の画面を示す図。
【図4】図3に続けて表示装置の画面の推移を示す図。
【図5】図4に続けて表示装置の画面の推移を示す図。
【図6】マーカーサーチ機能を実行させているときの光ディスク装置の動作を示すフローチャート。
【図7】表示装置の画面の別な例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る映像再生装置の一実施形態である光ディスク装置について図面を参照して説明する。図1は光ディスク装置の概略構成を示している。光ディスク装置1は、光ピックアップ(データ読み出し手段)2と、信号処理部(信号処理手段)3と、メモリ(記憶手段)4と、映像出力部5と、音声出力部6と、リモートコントローラ(指令入力手段)7と、受信部8と、制御部(制御手段)9等によって構成されている。
【0017】
光ピックアップ2は、光ディスク装置1に装填された光ディスク(記録媒体)の記録面にレーザ光を照射し、その反射光を光電変換することにより光ディスクに記録されているデータを読み出す。光ディスクには、映像データ、音声データの他、各種の制御データ等が記録されている。信号処理部3は、光ピックアップ2によって読み出されたデータを処理する。信号処理部3が行う処理としては、例えば光ピックアップ2から出力された信号の復調や、復号等が挙げられる。メモリ4は、信号処理部3によって処理された映像データ及び音声データ等を一時的に記憶する。メモリ4としては、フラッシュメモリを適用することができる。
【0018】
映像出力部5は、メモリ4に記憶されている映像信号をモニタ装置等の映像表示装置が処理可能な信号に変換して出力する。音声出力部6は、メモリ4に記憶されている音声信号をスピーカ等の音声出力装置が処理可能な信号に変換して出力する。リモートコントローラ7は、光ディスク装置1に指令を遠隔的に入力するために、ユーザによって操作され、その操作に応じた赤外線信号を出力する。受信部8は、リモートコントローラ7から出力された赤外線信号を受信して、それに応じた電気信号を制御部9に転送する。制御部9は、上記各部の制御を司る。例えば、制御部9は、受信部8から転送された電気信号に応じて、光ピックアップ2、信号処理部3、メモリ4、映像出力部5及び音声出力部6等を制御して、光ディスクに記録されている映像データ及び音声データを再生させる。
【0019】
図2は、リモートコントローラ7を示している。リモートコントローラ7は、メニューキー71、カーソルキー72及び決定キー73等を有している。
【0020】
本実施形態の光ディスク装置1は、ユーザによってマーキングされた再生開始位置から映像信号及び音声信号の再生を開始するマーカーサーチ機能を有している。このマーカーサーチ機能は、ユーザが、リモートコントローラ7のメニューキー71、カーソルキー72及び決定キー73等を操作することにより利用可能となる。なお、マーカーは、ユーザがリモートコントローラ7を操作して入力したマーキング指令に応じて新規に登録され、 又は予め登録されている。ユーザによって新規に登録されたマーカーとその再生開始位置は、メモリ4に記憶される。メモリ4の記憶容量は有限であるので、所定枚数分の光ディスクについてのマーカーと再生開始位置が記憶される。
【0021】
図3乃至図5は、マーカーサーチ機能を実行させているときの表示装置の画面の推移を、図6は、光ディスク装置1の動作をそれぞれ示している。映像を再生中に、ユーザによってマーカーサーチ機能が選択され、マーカーサーチ指令が入力されると(#1)、制御部9は、メモリ4を参照して表示装置にマーカーの一覧表を表示させる(#2)。図3においては、4つのマーカー101が登録されており、それぞれの再生開始位置の時間情報102が並べて表示されている。
【0022】
その後、ユーザがカーソルキー72を操作することにより、いずれかのマーカーが選択されると(#3)、図4、5に示すように、制御部9は、選択されたマーカー101a及びその再生開始位置の時間情報102aをハイライト表示させ(#4)、そのマーカーの映像をピクチャーインピクチャーで表示させる(#5)。すなわち、再生中の映像を親画面103に、選択されたマーカーの映像の子画面104を重畳して表示させる。このとき表示させるマーカーの映像は、再生開始位置を確認するための静止画又は動画とする。
【0023】
そして、リモートコントローラ7の決定キー73がユーザーによって操作されると(#6においてYES)、選択されているマーカーの再生開始位置から映像及び音声を再生し、親画面に表示させる(#7)。一方、さらにカーソルキー72が操作された場合は(#6においてNO)、#3に戻る。
【0024】
以上のように、本実施形態の光ディスク装置1によれば、マーカーサーチを実行する際、再生開始位置に関する時間情報とユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像が、映像装置の表示画面の一部に出力されるので、ユーザは自ら選択したマーカーの場面の映像を確認することができる。これにより、複数個のマーカーが登録されている場合であっても、ユーザは視聴したい場面を容易に選択することができるようになり、光ディスク装置の使い勝手が高められる。
【0025】
また、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置に関する情報がハイライト表示されるので、視認性が高められ、視聴したい場面の選択がより一層容易なものとなる。また、マーカーサーチの実行時に表示される情報及び映像が再生中の映像に重畳されて出力されるので、ユーザは再生中の映像を視聴しながらマーカーサーチを行うことができ、光ディスク装置の使い勝手が高められる。
【0026】
なお、本発明は上記実施形態の構成に限られることなく、少なくともマーカーサーチを実行する際、制御部9が、マーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、光ディスク装置の画面の一部に出力させるように構成されていればよい。
【0027】
また、本発明は種々の変形が可能であり、例えば、マーカーサーチの実行時に表示される情報及び映像が再生中の映像に透過させながら重畳されて出力されるように構成されていてもよい。この場合において、その透過率はユーザによって設定可能なように構成されていてもよい。
【0028】
また、図7に示すように、マーカーサーチを実行する際、再生中の映像の親画面103を縮小して表示し、その外側にマーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像の子画面104を表示させるようにしてもよい。この場合、各表示が重畳されないので、視認性が高められる。また、映像データが記録される媒体は、光ディスクに限られることなく、カード型メモリや、ハードディスク等であっても構わない。
【符号の説明】
【0029】
1 光ディスク装置
2 光ピックアップ(データ読み出し手段)
3 信号処理部(信号処理手段)
4 メモリ(記憶手段)
7 リモートコントローラ(指令入力手段)
9 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されている映像データを読み出すデータ読み出し手段と、このデータ読み出し手段によって読み出された映像データを処理する信号処理手段と、この信号処理手段によって処理された映像データを記憶する記憶手段と、前記データ読み出し手段、信号処理手段及び記憶手段を制御する制御手段と、この制御手段に指令を入力するためにユーザによって操作される指令入力手段とを備え、
前記制御手段は、前記指令入力手段を介して入力されたマーキング指令に応じて前記映像データの再生開始位置を前記記憶手段に記憶させ、前記指令入力手段を介して入力されたマーカーサーチ指令に応じて前記記憶手段に記憶させた再生開始位置から前記映像データを再生させる映像再生装置において、
前記映像データを再生中に前記マーカーサーチ指令が入力されたとき、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶させた再生開始位置に関する情報と、この再生開始位置のうちユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、映像表示画面の一部に出力させることを特徴とする映像再生装置。
【請求項2】
前記制御手段は、映像表示画面の一部に重畳させて出力させる再生開始位置に関する情報のうち、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置に関する情報をハイライト表示させることを特徴とする請求項1に記載の映像再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、マーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、再生中の映像に重畳させて出力させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の映像再生装置。
【請求項4】
前記制御手段は、マーカーの再生開始位置に関する情報と、ユーザによって選択されたマーカーの再生開始位置の映像を、透過させながら再生中の映像に重畳させて出力させることを特徴とする請求項3に記載の映像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−272192(P2010−272192A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−125290(P2009−125290)
【出願日】平成21年5月25日(2009.5.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】