説明

映像再生装置

【課題】三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって違和感の無い特殊再生を行うことが可能な映像再生装置を得る。
【解決手段】STB4は、左視用映像と右視用映像とをテレビ5に交互に表示し、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡7の左眼8Lを透光状態、右眼8Rを遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡7の右眼8Rを透光状態、左眼8Lを遮光状態とすることにより、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、テレビ5における映像の再生を制御する映像制御部13と、眼鏡7の両眼の透光状態及び遮光状態を制御する眼鏡制御部15と、を備え、映像の特殊再生を受け付けた場合、映像制御部13は右視用映像及び左視用映像の一方を他方の映像の表示タイミングでもテレビ5に表示し、眼鏡制御部15は眼鏡7の両眼を透光状態とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置に関し、特に、三次元映像を再生可能な映像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、両眼に液晶シャッタを備える専用の眼鏡をユーザが着用することによって、表示画面上で三次元映像を視聴可能な映像表示装置が開示されている。当該映像表示装置においては、左視用映像と右視用映像とを所定の周期で表示画面に交互に表示する。そして、液晶シャッタを制御することによって、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、表示画面に三次元映像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3273074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような三次元映像を表示する映像表示装置において、早送り再生や巻き戻し再生等の特殊再生(「トリックプレイ」とも称される)を行う場合には、左視用映像と右視用映像とのペアを維持するのが難しく、ペアがずれた場合には違和感のある映像が表示されることとなるため、三次元映像を表示しながら特殊再生を行うことが困難である。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって違和感の無い特殊再生を行うことが可能な映像再生装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様に係る映像再生装置は、左視用映像と右視用映像とを表示画面に交互に表示し、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して前記眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、前記表示画面における映像の再生を制御する映像制御部と、前記眼鏡の両眼の透光状態及び遮光状態を制御する眼鏡制御部と、を備え、映像の特殊再生を受け付けた場合、前記映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方を他方の映像の表示タイミングでも前記表示画面に表示し、前記眼鏡制御部は前記眼鏡の両眼を透光状態とすることを特徴とするものである。
【0007】
第1の態様に係る映像再生装置によれば、映像の特殊再生を受け付けた場合、映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方を他方の映像の表示タイミングでも表示画面に表示し、眼鏡制御部は眼鏡の両眼を透光状態とする。このように、右視用映像及び左視用映像の一方を表示画面に表示することで、二次元映像を表示しながら早送り再生や巻き戻し再生等の特殊再生を行う。これにより、左視用映像と右視用映像とのペアがずれることに起因する映像の違和感を回避できるため、簡易な処理によって違和感の無い特殊再生を行うことが可能となる。また、特殊再生を行う場合には、眼鏡制御部は眼鏡の両眼を透光状態とするため、左眼及び右眼の一方が遮光状態とされることに起因する輝度の低下を防止することが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様に係る映像再生装置は、第1の態様に係る映像再生装置において特に、映像再生の一時停止を受け付けた場合、前記映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像を他方のフレームでも前記表示画面に表示し、前記眼鏡制御部は前記眼鏡の両眼を透光状態とすることを特徴とするものである。
【0009】
第2の態様に係る映像再生装置によれば、映像再生の一時停止を受け付けた場合、映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像を他方のフレームでも表示画面に表示し、眼鏡制御部は眼鏡の両眼を透光状態とする。このように、映像再生の一時停止を受け付けた場合には、映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像を表示画面に表示することで、二次元映像を表示しながら映像再生の一時停止を行う。これにより、左視用映像と右視用映像とのペアがずれることに起因する映像の違和感を回避できるため、簡易な処理によって違和感の無い一時停止を行うことが可能となる。また、映像再生の一時停止を受け付けた場合には、眼鏡制御部は眼鏡の両眼を透光状態とするため、左眼及び右眼の一方が遮光状態とされることに起因する輝度の低下を防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、三次元映像を再生可能な映像再生装置において、簡易な処理によって違和感の無い特殊再生を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態に係る映像配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】STBの構成を簡略化して示すブロック図である。
【図3】テレビにおいて三次元映像のコンテンツをノーマル再生する場合のSTBの処理を示す図である。
【図4】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを特殊再生する場合のSTBの処理を示す図である。
【図5】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを特殊再生する場合のSTBの処理を示す図である。
【図6】テレビにおいて映像再生の一時停止を行う場合のSTBの処理を示す図である。
【図7】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを特殊再生する場合のSTBの処理の変形例を示す図である。
【図8】テレビにおいて三次元映像のコンテンツを特殊再生する場合のSTBの処理の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る映像配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すように映像配信システム1は、映像配信装置としてのサーバ2と、当該サーバ2とIP(Internet Protocol)ネットワーク等の通信ネットワーク3を介して接続される、映像再生装置としてのSTB(Set Top Box)4と、液晶表示装置等のテレビ5と、ハードディスク等の記憶部6と、三次元映像を視聴するためにユーザが着用する眼鏡7とを備えて構成されている。眼鏡7は、左眼8L及び右眼8Rを有している。なお、記憶部6はSTB4に内蔵されていてもよい。また、STB4の機能がテレビ5に内蔵されていてもよい。
【0014】
サーバ2は、通信ネットワーク3を介してSTB4にコンテンツの映像信号を送信する。STB4は、受信した映像信号に対してデコード等の処理を行って、当該処理後の映像信号を記憶部6に記憶する。また、STB4は、記憶部6から読み出した映像信号をテレビ5に送信することにより、テレビ5において映像を再生する。STB4は、テレビ5において二次元映像を再生可能であるとともに、三次元映像を再生することも可能である。三次元映像を視聴する場合には、ユーザは眼鏡7を着用することができる。
【0015】
図2は、STB4の構成を簡略化して示すブロック図である。図2の接続関係で示すように、STB4は、命令受信部11、命令処理部12、映像制御部13、映像送信部14、眼鏡制御部15、及び制御信号送信部16を備えて構成されている。
【0016】
図3は、テレビ5において三次元映像のコンテンツをノーマル再生(特殊再生ではない通常の再生。つまり1倍速再生)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、ノーマル再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信することにより、ノーマル再生の実行命令を受け付ける。命令受信部11は、受信した命令信号S1を命令処理部12に入力する。命令処理部12は、ノーマル再生を指定する制御信号S2及び制御信号S4を、映像制御部13及び眼鏡制御部15にそれぞれ入力する。
【0017】
映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3を記憶部6から読み出して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。三次元映像のノーマル再生を行う場合には、人間の両眼視差を反映した左視用映像と右視用映像とが所定の周期(例えば1/60秒周期)で交互に表示される。図3に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、第0フレームの右視用映像F0R、第1フレームの左視用映像F1L、第1フレームの右視用映像F1R、第2フレームの左視用映像F2L、第2フレームの右視用映像F2R、第3フレームの左視用映像F3L、第3フレームの右視用映像F3R、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。
【0018】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S5を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S5を眼鏡7に向けて無線送信する。図3に示すように、三次元映像のノーマル再生を行う場合には、各フレームの左視用映像F0L,F1L,F2L,F3L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8Lが透光状態(ON)、右眼8Rが遮光状態(OFF)とされ、各フレームの右視用映像F0R,F1R,F2R,F3R,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の右眼8Rが透光状態(ON)、左眼8Lが遮光状態(OFF)とされる。
【0019】
図4は、テレビ5において三次元映像のコンテンツを特殊再生(この例では2倍速の早送り再生)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、2倍速の早送り再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信することにより、2倍速の早送り再生の実行命令を受け付ける。命令受信部11は、受信した命令信号S1を命令処理部12に入力する。命令処理部12は、2倍速の早送り再生を指定する制御信号S2及び制御信号S4を、映像制御部13及び眼鏡制御部15にそれぞれ入力する。
【0020】
映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3のうち、左視用映像及び右視用映像の一方(この例では左視用映像)の映像信号S3Aを記憶部6から読み出す。そして、映像信号S3Aに含まれる複数のフレームの中から、早送りの再生速度に応じてフレームを間引いて、早送り再生用の映像信号を生成することにより、当該処理後の映像信号S3Aを映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3Aをテレビ5に向けて送信する。図4に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、第1フレームの左視用映像F1L、第2フレームの左視用映像F2L、第3フレームの左視用映像F3L、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。つまり、早送り再生を行う場合には、左視用映像が、三次元映像の再生時に右視用映像を表示するタイミングでも表示画面に表示される。
【0021】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S5を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S5を眼鏡7に向けて無線送信する。図4に示すように、早送り再生を行う場合には、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rはいずれも透光状態(ON)とされる。
【0022】
図5は、テレビ5において三次元映像のコンテンツを特殊再生(この例では2倍速の巻き戻し再生)する場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、2倍速の巻き戻し再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信することにより、2倍速の巻き戻し再生の実行命令を受け付ける。命令受信部11は、受信した命令信号S1を命令処理部12に入力する。命令処理部12は、2倍速の巻き戻し再生を指定する制御信号S2及び制御信号S4を、映像制御部13及び眼鏡制御部15にそれぞれ入力する。
【0023】
映像制御部13は、上記コンテンツの映像信号S3のうち、左視用映像及び右視用映像の一方(この例では左視用映像)の映像信号S3Aを記憶部6から読み出す。そして、映像信号S3Aに含まれる複数のフレームの中から、巻き戻しの再生速度に応じてフレームを間引いて、巻き戻し再生用の映像信号を生成することにより、当該処理後の映像信号S3Aを映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3Aをテレビ5に向けて送信する。図5に示した例では、第20フレームの左視用映像F20L、第19フレームの左視用映像F19L、第18フレームの左視用映像F18L、第17フレームの左視用映像F17L、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。つまり、巻き戻し再生を行う場合には、左視用映像が、三次元映像の再生時に右視用映像を表示するタイミングでも表示画面に表示される。
【0024】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S5を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S5を眼鏡7に向けて無線送信する。図5に示すように、巻き戻し再生を行う場合には、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rはいずれも透光状態(ON)とされる。
【0025】
図6は、テレビ5において映像再生の一時停止を行う場合のSTB4の処理を示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、映像再生の一時停止を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信することにより、映像再生の一時停止の実行命令を受け付ける。命令受信部11は、受信した命令信号S1を命令処理部12に入力する。命令処理部12は、映像再生の一時停止を指定する制御信号S2及び制御信号S4を、映像制御部13及び眼鏡制御部15にそれぞれ入力する。
【0026】
映像制御部13は、制御信号S2が入力された時点で映像送信部14に最後に入力したフレームを特定し、当該フレームの映像信号S3Aをその後も継続して映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3Aをテレビ5に向けて送信する。図6に示した例では、第5フレームの左視用映像F5Lがテレビ5に表示された時刻T1に映像再生の一時停止が指定されており、時刻T1以降は左視用映像F5Lが継続してテレビ5の表示画面に表示される。つまり、映像再生の一時停止を行う場合には、左視用映像及び右視用映像の一方の停止フレームの映像(この例では左視用映像)が、三次元映像の再生時に他方のフレーム(この例では右視用映像)を表示するタイミングでも表示画面に表示される。
【0027】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S5を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S5を眼鏡7に向けて無線送信する。図5に示すように、時刻T1以降において映像再生の一時停止を行う場合には、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rはいずれも透光状態(ON)とされる。
【0028】
<変形例>
図7及び図8は、テレビ5において三次元映像のコンテンツを特殊再生(この例では2倍速の早送り再生)する場合のSTB4の処理の変形例をそれぞれ示す図である。図2を参照して、命令受信部11は、2倍速の早送り再生を指定する命令信号S1を、例えばリモコン(図示しない)から受信することにより、2倍速の早送り再生の実行命令を受け付ける。命令受信部11は、受信した命令信号S1を命令処理部12に入力する。命令処理部12は、2倍速の早送り再生を指定する制御信号S2及び制御信号S4を、映像制御部13及び眼鏡制御部15にそれぞれ入力する。
【0029】
映像制御部13は、上記コンテンツの左視用映像及び右視用映像の映像信号S3を記憶部6から読み出す。そして、映像信号S3に含まれる複数のフレームの中から、早送りの再生速度に応じてフレームを間引いて、早送り再生用の映像信号を生成することにより、当該処理後の映像信号S3を映像送信部14に入力する。映像送信部14は、入力された映像信号S3をテレビ5に向けて送信する。図7に示した例では、第0フレームの左視用映像F0L、第0フレームの右視用映像F0R、第2フレームの左視用映像F2L、第2フレームの右視用映像F2R、第4フレームの左視用映像F4L、第4フレームの右視用映像F4R、第6フレームの左視用映像F6L、第6フレームの右視用映像F6R、・・・が、この順にテレビ5の表示画面に表示される。つまり、本変形例では、左視用映像と右視用映像とのペアが表示画面に表示される。
【0030】
眼鏡制御部15は、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rの各々に組み込まれた液晶シャッタを制御するための制御信号S5を、制御信号送信部16に入力する。制御信号送信部16は、制御信号S5を眼鏡7に向けて無線送信する。
【0031】
図7に示した例では、各フレームの左視用映像F0L,F4L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8Lが透光状態(ON)、右眼8Rが遮光状態(OFF)とされ、各フレームの左視用映像F2L,F6L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の右眼8Rが透光状態(ON)、左眼8Lが遮光状態(OFF)とされ、各フレームの右視用映像F0R,F2R,F4R,F6R,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rがいずれも遮光状態(OFF)とされる。
【0032】
図8に示した例では、各フレームの左視用映像F0L,F2L,F4L,F6L,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rがいずれも透光状態(ON)とされ、各フレームの右視用映像F0R,F2R,F4R,F6R,・・・をテレビ5に表示するタイミングに同期して、眼鏡7の左眼8L及び右眼8Rがいずれも遮光状態(OFF)とされる。
【0033】
本変形例によれば、左視用映像及び右視用映像のペアをテレビ5に表示しつつも、右視用映像の表示タイミングにおいて眼鏡7の両眼を遮光状態とすることにより、二次元映像によって早送り再生が行われる。従って、STB4によって二次元映像の映像信号S3Aを生成する処理が不要となる。また、早送り再生において左視用映像と右視用映像とのペアがずれた場合、例えば右視用映像F6Rの代わりに右視用映像F5Rが挿入された場合であっても、右視用映像F5Rの表示タイミングでは眼鏡7の両眼が遮光状態とされるため、ペアがずれることに起因する映像の違和感を回避できる。なお、早送り再生のみならず巻き戻し再生においても、本変形例を適用することが可能である。
【0034】
このように本実施の形態に係るSTB4によれば、映像の特殊再生(早送り再生及び巻き戻し再生の双方を含む)を受け付けた場合には、映像制御部13は右視用映像及び左視用映像の一方を他方の映像の表示タイミングでもテレビ5に表示し、眼鏡制御部15は眼鏡7の両眼を透光状態とする。このように、右視用映像及び左視用映像の一方をテレビ5に表示することで、二次元映像を表示しながら早送り再生や巻き戻し再生等の特殊再生を行う。これにより、左視用映像と右視用映像とのペアがずれることに起因する映像の違和感を回避できるため、簡易な処理によって違和感の無い特殊再生を行うことが可能となる。また、特殊再生を行う場合には、眼鏡制御部15は眼鏡7の両眼を透光状態とするため、左眼8L及び右眼8Rの一方が遮光状態とされることに起因する輝度の低下を防止することが可能となる。
【0035】
なお、上述の実施の形態では、2倍速の早送り再生及び2倍速の巻き戻し再生を特殊再生の例として説明したが、これに限られるものではない。1倍速を超える、例えば1.5倍速や3倍速の再生速度で早送り再生又は巻き戻し再生を行う場合に本発明を適用してもよい。さらに、1倍速未満の再生速度で早送り再生又は巻き戻し再生を行う場合にも本発明を適用してもよい。
【0036】
また、本実施の形態に係るSTB4によれば、映像再生の一時停止を受け付けた場合には、映像制御部13は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像(上記の例では左視用映像F5L)を他方のフレームでも(再生時に右視用映像F5Rを表示するタイミングでも)テレビ5に表示し、眼鏡制御部15は眼鏡7の両眼を透光状態とする。このように、映像再生の一時停止を行う際には、映像制御部13は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像を他方のフレームでもテレビ5に表示することで、二次元映像を表示しながら映像再生の一時停止を行う。これにより、左視用映像と右視用映像とのペアがずれることに起因する映像の違和感を回避できるため、簡易な処理によって違和感の無い一時停止を行うことが可能となる。また、映像再生の一時停止を行う場合には、眼鏡制御部15は眼鏡の両眼を透光状態とするため、左眼8L及び右眼8Rの一方が遮光状態とされることに起因する輝度の低下を防止することが可能となる。
【0037】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0038】
4 STB
5 テレビ
7 眼鏡
8L 左眼
8R 右眼
13 映像制御部
15 眼鏡制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左視用映像と右視用映像とを表示画面に交互に表示し、左視用映像の表示タイミングに同期して眼鏡の左眼を透光状態、右眼を遮光状態とし、右視用映像の表示タイミングに同期して前記眼鏡の右眼を透光状態、左眼を遮光状態とすることにより、三次元映像を再生可能な映像再生装置であって、
前記表示画面における映像の再生を制御する映像制御部と、
前記眼鏡の両眼の透光状態及び遮光状態を制御する眼鏡制御部と、
を備え、
映像の特殊再生を受け付けた場合、前記映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方を他方の映像の表示タイミングでも前記表示画面に表示し、前記眼鏡制御部は前記眼鏡の両眼を透光状態とする、映像再生装置。
【請求項2】
映像再生の一時停止を受け付けた場合、前記映像制御部は右視用映像及び左視用映像の一方の停止フレームの映像を他方のフレームでも前記表示画面に表示し、前記眼鏡制御部は前記眼鏡の両眼を透光状態とする、請求項1に記載の映像再生装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−222424(P2012−222424A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83395(P2011−83395)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】