説明

映像出力装置

【課題】 この発明は、映像出力装置に接続されたTVの環境に適合しない映像出力方式に、映像出力方式を設定変更してしまった場合に、映像出力方式の設定のみを簡単に初期状態に戻すことができる映像出力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 映像出力方式の設定を、映像出力装置に接続されたTVに表示される設定画面を利用して、ユーザに行わせるための設定手段、映像出力装置本体に設けられた操作部上および/または映像出力装置に操作信号を入力させるためのリモコン送信機上に設けられかつ映像出力方式初期化指令を入力させるための映像出力方式初期化キー、ならびに映像出力方式初期化キーが操作されることによって、映像出力方式初期化指令が入力されたときに、映像出力方式の設定のみを初期状態に戻す手段を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、DVDプレーヤ等の映像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
DVDプレーヤ等の映像出力装置において、複数の方式で映像(ビデオ)信号を出力する機能と、映像出力装置に接続されたTV(テレビジョン受像機)に表示される設定画面上でユーザに映像出力方式を設定させる機能とを備えたものが知られている。
【0003】
しかしながら、映像出力装置に接続されたTVの環境に適合しない映像出力方式に、映像出力方式を誤って設定変更してしまった場合には、TVに設定画面が表示されなくなるため、映像出力方式を初期状態に戻すことが困難になるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、映像出力装置に接続されたTVの環境に適合しない映像出力方式に、映像出力方式を設定変更してしまった場合に、映像出力方式の設定のみを簡単に初期状態に戻すことができる映像出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、映像出力方式の設定を、映像出力装置に接続されたTVに表示される設定画面を利用して、ユーザに行わせるための設定手段、映像出力装置本体に設けられた操作部上および/または映像出力装置に操作信号を入力させるためのリモコン送信機上に設けられかつ映像出力方式初期化指令を入力させるための映像出力方式初期化キー、ならびに映像出力方式初期化キーが操作されることによって、映像出力方式初期化指令が入力されたときに、映像出力方式の設定のみを初期状態に戻す手段を備えていることを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の映像出力装置において、映像出力方式の設定には、テレビジョン方式の設定、走査方式の設定および映像出力端子の種類の設定があることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、映像出力装置に接続されたTVの環境に適合しない映像出力方式に、映像出力方式を設定変更してしまった場合に、映像出力方式の設定のみを簡単に初期状態に戻すことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して、この発明をDVDプレーヤに適用した場合の実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、DVDプレーヤの電気的構成を示している。
【0010】
図1において、1はデータ取得部、2はストリームパーサ、3はオーディオ処理部、4はビデオ処理部、5はコントローラ、6はユーザインタフェイスである。ユーザインタフェイス6には、リモコン送信機またはDVDプレーヤ本体に設けられた操作部が含まれる。
【0011】
データ取得部1によって図示しないDVDから映像情報および音声情報を含むストリームが取得され、ストリームパーサ2によってストリームから映像情報および音声情報が抽出される。ストリームパーサ2によって抽出された映像情報はビデオ処理部4に送られ、所定のビデオ処理が施された後、ビデオ信号として出力される。ストリームパーサ2によって抽出された音声情報はオーディオ処理部3に送られ、所定のオディオ処理が施されることによって、各スピーカ(例えば、FL,C,FR,SL,SR)に対応するオーディオ信号が出力される。
【0012】
コントローラ5は、データ取得部1、ストリームパーサ2、オーディオ処理部3、ビデオ処理部4を制御する。コントローラ5には、ユーザインタフェイス6が接続されている。ユーザインタフェイス6(リモコン送信機および/またはDVDプレーヤ本体に設けられた操作部)には、映像出力方式初期化キー6aが設けられている。
【0013】
なお、ビデオ処理部4は、現在設定されている映像出力方式に応じたビデオ信号を現在設定されている映像出力方式に応じた映像出力端子に出力する。映像出力方式の設定は、ユーザインタフェイス6からコントローラ5に所定の指示を入力することにより、DVDプレーヤに接続されたTV(テレビジョン受像機)のモニタに映像出力方式の設定画面を表示させた後、その設定画面を利用して、ユーザインタフェイス6を操作することにより行われる。
【0014】
映像出力方式の設定には、テレビジョン方式(この例では、NTSCまたはPAL)の設定、走査方式(この例では、プログレッシブ方式またはインターレース方式)の設定および映像出力端子の種類(この例では、コンポーネント端子またはSビデオ端子)の設定がある。この実施例では、映像出力方式の初期状態(初期値)は、PAL、インターレース方式およびSビデオ端子を選択した状態となっている。
【0015】
また、オーディオ処理部3は、現在設定されている音声出力方式に応じたオーディオ信号を出力する。音声出力方式の設定は、ユーザインタフェイス6からコントローラ5に所定の指示を入力することにより、DVDプレーヤに接続されたTVのモニタにオーディオ出力方式の設定画面を表示させた後、その設定画面を利用して、ユーザインタフェイス6を操作することにより行われる。
【0016】
音声出力方式の設定には、各スピーカの出力比を調整するためのスピーカバランスの設定と、各スピーカからユーザ(視聴者)に聞こえてくる音のタイミングのズレを補正する目的で、各スピーカに対する音の遅延時間差(ディレイタイム)の調整を行うためのスピーカディレイの設定とがある。
【0017】
図2は、映像出力方式の設定処理手順を示している。
映像出力端子の設定変更が行われると(ステップS1)、コンポーネント端子またはSビデオ端子の間で、映像出力端子を切り替える(ステップS2)。テレビジョン方式の設定変更が行われると(ステップS3)、NTSCとPALとの間で、テレビジョン方式を切り替える(ステップS4)。走査方式の設定変更が行われると(ステップS5)、プログレッシブ方式またはインターレース方式の間で、走査方式を切り替える(ステップS6 )。設定終了指令が入力されると(ステップS7でYES)、今回の設定処理を終了する。
【0018】
図3は、音声出力方式の設定処理手順を示している。
スピーカバランスの設定変更が行われると(ステップS11)、各スピーカの音声信号の出力比を調整する(ステップS12)。スピーカディレイの設定変更が行われると(ステップS13)、各スピーカに対する音声信号のディレイタイムを調整する(ステップS14)。設定終了指令が入力されると(ステップS15でYES)、今回の設定処理を終了する。
【0019】
ところで、DVDプレーヤに接続されたTVの環境に合わない映像出力方式に、映像出力方式を誤って設定変更してしまった場合には、当該TVには設定画面等のDVDプレーヤから出力される映像が表示されなくなり、各種設定を行うことが困難になる。このため、設定画面上で、映像出力方式を初期状態に戻すことが困難になる。
【0020】
例えば、DVDプレーヤのSビデオ端子に、テレビジョン方式がPALで、走査方式がインターレース方式のTVが接続されている場合に、接続端子、テレビジョン方式または走査方式が、初期状態と異なる設定が行われた場合には、設定画面等が当該TVに表示されなくなる。このような場合には、ユーザは、ユーザインタフェイス6(リモコン送信機および/またはDVDプレーヤ本体に設けられた操作部)に設けられた映像出力方式初期化キー6aを押し下げる。映像出力方式初期化キー6aが押し下げられると、映像出力方式初期化指令がコントローラ5に入力される。
【0021】
図4は、映像出力方式初期化指令がコントローラ5に入力されたときにコントローラ5によって行われる処理手順を示している。
映像出力方式初期化指令が入力されると(ステップS21)、映像出力方式の設定のみを初期状態に戻す(ステップS22)。これにより、設定画面がTVに表示されるようになる。なお、このように、映像出力方式初期化キーを押し下げても、映像出力方式以外の設定内容、例えば、オーディオ出力方式の設定内容は、変更されないので、映像出力方式以外の設定値であって、既に設定を行っている設定値を再設定する必要がない。
【0022】
なお、映像出力方式初期化キーとして、上記のように専用のキーを設けてもよいし、ユーザインタフェイス6に従来から設けられている1つのキーを映像出力方式初期化キーとして割り当て、このキーが所定時間以上継続して押し下げられたときに、映像出力方式初期化指令がコントローラ5に入力されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】DVDプレーヤの電気的構成を示すブロック図である。
【図2】映像出力方式の設定処理手順を示すフローチャートである。
【図3】オーディオ出力方式の設定処理手順を示すフローチャートである。
【図4】映像出力方式初期化指令がコントローラ5に入力されたときにコントローラ5によって行われる処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0024】
1 データ取得部
2 ストリームパーサ
3 オーディオ処理部
4 ビデオ処理部
5 コントローラ
6 ユーザインタフェイス
6a 映像出力方式初期化キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像出力方式の設定を、映像出力装置に接続されたTVに表示される設定画面を利用して、ユーザに行わせるための設定手段、
映像出力装置本体に設けられた操作部上および/または映像出力装置に操作信号を入力させるためのリモコン送信機上に設けられかつ映像出力方式初期化指令を入力させるための映像出力方式初期化キー、ならびに
映像出力方式初期化キーが操作されることによって、映像出力方式初期化指令が入力されたときに、映像出力方式の設定のみを初期状態に戻す手段、
を備えていることを特徴とする映像出力装置。
【請求項2】
映像出力方式の設定には、テレビジョン方式の設定、走査方式の設定および映像出力端子の種類の設定があることを特徴とする請求項1に記載の映像出力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−60750(P2006−60750A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−243446(P2004−243446)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(397016699)三洋テクノ・サウンド株式会社 (16)
【Fターム(参考)】