説明

映像情報再生装置、画像表示装置、プロジェクタ、映像情報再生装置の制御方法

【課題】所定の認証を行わないと映像再生ができない映像情報再生装置を得る。
【解決手段】映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する映像情報再生部13と、第1認証情報を格納した記憶部16と、映像情報再生部13の動作を制御する制御部15と、を備え、映像情報再生部13は、所定の認証情報格納媒体に格納された第2認証情報を読み取り、制御部15は、第1認証情報と第2認証情報が合致した場合に限り、映像情報再生部13が映像情報を再生することを許可する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報を再生する装置、その装置を備えた画像表示装置およびプロジェクタ、並びに映像情報再生装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プロジェクタに関し、特許文献1に、「スクリーン等に投写された投写形状の形状歪を簡単に補正することができるプロジェクタを提供する」ことを目的とした技術として「台部4の一部としてDVD再生部3の上方に連結部50が配設されている。連結部50の上方には凹状の球面体4aが設けられ、投射部2の下方に設けられている凸状の球面体2aと係合して、X軸−Y軸面内において、投射部2が台部4に対して傾動可能に構成されている。同図は、DVD再生部3と連結部50からなる台部4に対して、投射部2が傾動して下ケース10の当たり部10bが連結部50の穴部50aに当接した状態を示す。このように、台部4に対して投射部2は、穴部50aと当たり部10bが当接するまでの範囲の中を任意に傾動することができ、前記範囲の中の任意の箇所で台部4に対して投射部2はZ軸の回りを回転することができるようになっている。」というものが提案されている(要約)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−99617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のような従来のプロジェクタでは、例えば学校などの公的施設で用いる場合、外部から持ち込まれたDVD(Digital Versatile Disk)を無許可で再生されると困る場合がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、所定の認証を行わないと映像再生ができない映像情報再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る映像情報再生装置は、映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する映像情報再生部と、第1認証情報を格納した記憶部と、前記映像情報再生部の動作を制御する制御部と、を備え、前記映像情報再生部は、所定の認証情報格納媒体に格納された第2認証情報を読み取り、前記制御部は、前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可する。
そのため、認証情報格納媒体を用いて認証しない限り、映像情報を再生することができないので、無許可で任意の映像情報格納媒体を再生されるようなことがなくなり、当該映像情報再生装置の使用を適切に管理することができる。
【0006】
また、本発明に係る映像情報再生装置において、前記制御部は、前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可した後、前記映像情報再生部から映像情報格納媒体が取り出されたことを検知すると、前記映像情報再生部が映像情報を再生することを禁止する。
そのため、映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する毎に、認証情報格納媒体を用いて認証することが求められるので、当該映像情報再生装置の使用管理を厳密に行うことができる。
【0007】
また、本発明に係る映像情報再生装置において、前記制御部は、前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致したことを確認した後は、前記映像情報再生部が映像情報を再生することを常時許可する。
そのため、例えば映像情報再生装置の使用を簡易に管理すれば十分であるような環境下において、管理者の負担を最小限に抑えることができる。
【0008】
また、本発明に係る映像情報再生装置において、前記制御部は、前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致したことを確認した後、前記第1認証情報を書き換え、以後は、書き換え後の前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可する。
そのため、記憶部に格納されている第1認証情報を更新することができるので、例えば定期的に第1認証情報を更新するなどにより、映像情報再生装置の使用に際しての認証を強固にすることができる。
【0009】
また、本発明に係る画像表示装置は、上記のいずれかに記載の映像情報再生装置と、前記映像情報に基づき画像を表示する画像表示部と、を備えている。
そのため、上記に記載の映像情報再生装置と同様に、映像情報を再生するに際して認証を行うことができ、上記の映像情報再生装置と同様の効果を発揮することができる。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクタは、上記のいずれかに記載の映像情報再生装置と、前記映像情報に基づき映像を投射する投射部と、を備えている。
そのため、上記に記載の映像情報再生装置と同様に、映像情報を再生するに際して認証を行うことができ、上記の映像情報再生装置と同様の効果を発揮することができる。
【0011】
また、本発明に係る映像情報再生装置の制御方法は、第1認証情報を格納した記憶手段を備えた映像情報再生装置の映像再生動作を制御する方法であって、所定の認証情報格納媒体に格納された第2認証情報を読み取るステップと、前記記憶手段から前記第1認証情報を読み取るステップと、前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致するか否かを判断するステップと、を有し、前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、当該映像情報再生装置が映像情報を再生することを許可する。
そのため、認証情報格納媒体を用いて認証しない限り、映像情報を再生することができないように、映像情報再生装置の映像再生動作を制御することができる。
これにより、無許可で任意の映像情報格納媒体を再生されるようなことがなくなり、当該映像情報再生装置の使用を適切に管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像情報再生装置10の機能ブロック図である。
映像情報再生装置10は、DVDを再生するための装置である。映像情報再生装置10は、再生する映像をディスプレイ20に出力し、ユーザはディスプレイ20で再生映像を視聴する。
映像情報再生装置10は、操作パネル11、操作信号処理部12、DVD再生部13、映像信号処理部14、制御部15、記憶部16を備える。
【0013】
操作パネル11は、映像情報再生装置10の本体筐体の外面に設けられ、ユーザの操作情報を受け付けるためのものである。
ユーザが操作パネル11に配置されたキーを押下等すると、それに対応した操作信号が操作信号処理部12に出力される。
操作信号処理部12は、操作パネル11が出力した操作信号を受け取り、デジタル信号に変換するなどの処理を施して、制御部15に出力する。
【0014】
DVD再生部13は、DVDをセットするトレーや光学ヘッドなどを適宜備え、DVDに格納されている映像情報を読み取って、映像信号として再生する。再生された映像信号は、映像信号処理部14に出力される。
特許請求の範囲における「映像情報再生部」は、本実施の形態1ではDVD再生部13がこれに相当し、「映像情報格納媒体」は、DVDがこれに相当する。実施の形態2〜7においても同様である。
【0015】
映像信号処理部14は、DVD再生部13から受け取った映像信号と制御部15の指示に基づいてデジタルの出力映像信号を生成し、ディスプレイ20に出力する。
映像信号処理部14は、マイクロプロセッサ等により構成され、内蔵したプログラムを実行することにより、上記の処理を行う。
映像信号処理部14とディスプレイ20は、適当な映像信号ケーブルなどにより接続される。
【0016】
制御部15は、DVD再生部13および映像信号処理部14の動作を制御する。
また、記憶部16に格納されている後述の暗号化された認証パスワードを読み取り、DVD再生部13がDVDを再生する際に、所定の動作制限を行う。
制御部15は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置とその動作を規定する制御プログラムで構成することもできる。
【0017】
記憶部16は、後述する認証パスワードを暗号化したものを格納している。暗号化キーは、映像情報再生装置10に固有の秘密鍵である。
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュROM(Read Only Memory)のような書き込み可能な記憶装置で構成することができる。
【0018】
以上、図1の各機能ブロックについて説明した。
次に、本発明の背景として、映像情報再生装置10のDVD再生動作を制限する必要がある場合について説明する。
【0019】
DVDを再生する映像情報再生装置10は、家庭で個人的に用いられる他、学校や公民館などの公的施設において貸し出される場合もある。
公的施設で映像情報再生装置10を使用する場合、その使用目的も、公序良俗に反しないものであることが想定されているのが通常であると考えられる。そのため、ユーザが外部から任意のDVDを持ち込んで公的施設内で再生するのは、好ましくない場合があり得る。
また、家庭内で映像情報再生装置10を使用する場合でも、同様に再生するDVDを制限したい場合もある。
【0020】
上記のような場合の対策として、映像情報再生装置10を使用する際にパスワードの入力を求める手法や、映像情報再生装置10の電源をONした時に所定のキー操作によって認証を行う手法などが考えられる。
しかし、パスワードやキー操作は、一旦覚えられてしまうと以後は自由に映像情報再生装置10を使用することができるため、十分な対策とならない可能性がある。また、頻繁にパスワード等を変更するとなると、管理者の負担が増大してしまう。
【0021】
そこで、本実施の形態1では、所定の認証用ディスクに認証情報を格納しておき、これをDVD再生部13にセットして読み込ませないと、DVDを再生することができないようにするものである。
この手法によれば、映像情報再生装置10を使用する際には必ず認証用ディスクを読み込ませる必要があるため、認証用ディスクを適切に管理している限り、無許可で任意のDVDを再生されるということがなくなる。
また、パスワードの変更のような手間が不要であり、管理者の負担も軽減される。
【0022】
以上、映像情報再生装置10のDVD再生動作を制限する必要がある場合について説明した。
次に、認証用ディスクを用いてDVD再生動作を制限する具体的な手順について説明する。
【0023】
図2は、認証用ディスクと記憶部16それぞれに格納されている情報の1例である。
認証用ディスクは、DVD再生部13で読み取り可能な形式でフォーマットされた情報記憶媒体であり、映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可するために必要なパスワードが格納されている。
DVD再生部13に認証用ディスクがセットされると、DVD再生部13はそのパスワードを読み取り、制御部15はそのパスワードを取得する。
【0024】
また、記憶部16は、映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可するために必要なパスワードを暗号化したものと、現在映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可されているか否かを表す再生可能フラグと、を格納している。
再生可能フラグは、ONであれば映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可されていることを表し、OFFであれば許可されていないことを表す。
制御部15は、記憶部16が格納している暗号化されたパスワードを読み取り、DVD再生部13が認証用ディスクから読み取ったパスワードと合致判定を行う。
【0025】
なお、制御部15は、合致判定を行う際、記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードを所定の秘密鍵で復号し、復号後のパスワードが一致するか否かにより合致判定を行う。
認証用ディスクは、例えば映像情報再生装置10の製造時等に、記憶部16に格納する暗号化されたパスワードに合わせて作成しておく。
【0026】
特許請求の範囲における「認証情報格納媒体」は、本実施の形態1では認証用ディスクがこれに相当し、「第1認証情報」は、記憶部16が格納している暗号化されたパスワードがこれに相当し、「第2認証情報」は、認証用ディスクに格納されているパスワードがこれに相当する。実施の形態2〜7でも同様である。
【0027】
図3は、認証用ディスクを用いて、映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可する際の処理フロー例である。以下、図3の各ステップについて説明する。
【0028】
(S301)
ユーザは、映像情報再生装置10の電源をONする。
制御部15は、所定の初期化処理を実行する。
(S302)
制御部15は、記憶部16が格納している再生可能フラグを、OFFに設定する。
(S303)
制御部15は、DVD再生部13にディスクがセットされているか否かを確認する。
セットされていればステップS304へ進み、セットされていなければステップS308へ進む。
(S304)
制御部15は、DVD再生部13にセットされているディスクが認証用ディスクであるか否かを確認する。
認証用ディスクであればステップS305へ進み、認証用ディスクでなければステップS308へ進む。
【0029】
(S305)
DVD再生部13は、認証用ディスクに格納されているパスワードを読み取る。
制御部15は、記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードを読み取り、所定の秘密鍵で復号する。
次に、制御部15は、認証用ディスクに格納されているパスワードと、記憶部16より取得した復号後のパスワードとが一致するか否かを判定する。
一致すればステップS306へ進み、一致しなければステップS308へ進む。
【0030】
(S306)
制御部15は、記憶部16に格納されている再生可能フラグをONにセットする。
(S307)
制御部15は、DVD再生部13にセットされている認証用ディスクが取り出されたか否かを判定する。
取り出されていなければ本ステップの処理を継続し、取り出されていれば本処理フローを終了する。
(S308)
制御部15は、DVDを再生することができない旨の映像信号を出力するよう、映像信号処理部14に指示する。映像信号処理部14は、その旨の映像信号を出力する。
このとき、認証用ディスクをセットするよう求めるメッセージを併せて表示するようにしてもよい。
【0031】
図4は、映像情報再生装置10がDVDを再生する際の処理フロー例である。以下、図4の各ステップについて説明する。
【0032】
(S401)
DVD再生部13にディスクがセットされると、本処理フローがスタートする。
(S402)
制御部15は、DVD再生部13にセットされているディスクがDVDであるか否かを判定する。DVDであればステップS403へ進み、DVDでなければ図3のステップS304へ進む。
(S403)
制御部15は、記憶部16に格納されている再生可能フラグがONであるか否かを確認する。ONであればステップS404へ進み、ONでなければステップS407へ進む。
(S404)
制御部15は、DVDを再生するようDVD再生部13に指示を出す。
DVD再生部13は、DVDに格納されている映像情報を再生して映像信号を出力し、映像信号処理部14はその映像信号を処理してディスプレイ20に出力する。
【0033】
(S405)
制御部15は、DVD再生部13にセットされているDVDが取り出されたか否かを判定する。取り出されていなければ本ステップの処理を継続し、取り出されていればステップS406へ進む。
(S406)
制御部15は、記憶部16に格納されている再生可能フラグをOFFにする。
(S407)
制御部15は、DVDを再生することができない旨の映像信号を出力するよう、映像信号処理部14に指示する。映像信号処理部14は、その旨の映像信号を出力する。
このとき、認証用ディスクをセットするよう求めるメッセージを併せて表示するようにしてもよい。
【0034】
以上、図3〜図4を用いて、認証用ディスクを用いたDVD再生許可の手順と、DVDがセットされた際の再生処理について説明した。
【0035】
以上のように、本実施の形態1によれば、制御部15は、認証用ディスクに格納されたパスワードと記憶部16に格納されたパスワードが合致した場合に限り、DVD再生部13がDVDを再生することを許可する。
即ち、映像情報再生装置10は、認証用ディスクがセットされない限りDVDを再生することができないため、認証用ディスクを管理者が適切に管理することにより、無断で任意のDVDを再生されるようなことがなくなる。
【0036】
また、本実施の形態1によれば、制御部15は、認証用ディスクを用いてDVD再生部13がDVD再生をすることを許可した後、DVDがDVD再生部13から取り出される際に、図4のステップ406にて再生可能フラグを再度OFFにセットし、DVDの再生を再度禁止する。
これにより、DVD再生部13がDVDを再生する毎に認証用ディスクによる認証が求められるので、映像情報再生装置10を用いてDVDを再生する際には、常に認証用ディスクの管理者に許可を求める必要があり、映像情報再生装置10の管理を厳密に行うことができる。
例えば、公的施設において映像情報再生装置10を貸し出すような場合には、管理者がその使用を管理する必要があるため、本実施の形態1のように厳密な管理を行うことができる手法が好ましい。
【0037】
また、本実施の形態1によれば、パスワードの入力や所定のキー操作による認証ではなく、認証用ディスクという物理的な媒体を用いて認証を行うので、認証用ディスクを適切に管理している限り、パスワードが破られて映像情報再生装置10を無許可で任意に使用されるということがない。
【0038】
また、認証用ディスクを用いて認証する場合、DVDを再生する前に認証用ディスクをDVD再生部13から取り出さなければならないので、認証用ディスクをDVD再生部13の中に置き忘れることを防止できる。
【0039】
また、映像情報再生装置10がネットワークに接続されている場合、コンピュータウイルスやワームに感染したDVDをセットして、ネットワークに被害が及ぶ可能性がある。
この場合、認証用ディスクを用いて認証を行う際に、再生しようとしているDVDが不審なものであれば認証用ディスクを渡さないようにする。
このような運用上の対応により、ネットワークセキュリティの観点からも、好ましい効果を発揮することができる。
【0040】
実施の形態2.
実施の形態1では、DVDを再生する毎に認証用ディスクによる認証を求める構成と動作例を説明したが、映像情報再生装置10の使用環境によっては、初回使用時のみ認証用ディスクで認証を行えば十分である場合も考えられる。
そこで、本発明の実施の形態2では、一度認証用ディスクを用いて認証を行った後はDVDの再生を常時許可する動作例を説明する。
なお、映像情報再生装置10の機能ブロック図は、実施の形態1で説明した図1と同様であるため、説明を省略する。
【0041】
図5は、本実施の形態2に係る映像情報再生装置10がDVDを再生する際の処理フロー例である。以下、図5の各ステップについて説明する。
なお、認証用ディスクを用いて、映像情報再生装置10がDVDを再生することを許可する際の処理フローは、実施の形態1で説明した図3と同様であるため、本実施の形態2では説明を省略する。
【0042】
(S501)〜(S505)
これらの処理は、原則として図4のステップS401〜S404、およびS407と同様である。
ただし、図4の処理フローでは、制御部15は、DVDが取り出される際に記憶部16に格納されている再生可能フラグをOFFにセットしているが、本実施の形態2ではこれらの処理は省略する。
そのため、認証用ディスクで認証してDVDを再生することを許可した後は、DVDの再生は常時許可されることになる。
【0043】
以上のように、本実施の形態2によれば、一度認証用ディスクでDVDの再生を許可した後は、DVDの再生を常時許可するので、DVDを再生する毎に認証用ディスクを用いて認証を行う手間を省略することができる。
そのため、映像情報再生装置10の使用を簡易に管理すればよい程度の環境下においては、管理者の負担を最小限に抑えることができる。
【0044】
実施の形態3.
以上の実施の形態1〜2では、認証用ディスクに格納されているパスワード、および記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードは、固定的であるものとして各構成や動作を説明した。
本発明の実施の形態3では、これらの情報を更新することのできる動作例について説明する。
なお、映像情報再生装置10の機能ブロック図は、実施の形態1で説明した図1と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
本実施の形態3において、パスワードの更新には、下記(1)〜(2)の2種類がある。以下、それぞれについて説明する。
(1)新たなパスワードを格納した認証用ディスクの新規作成
(2)記憶部16に格納している暗号化されたパスワードの更新
【0046】
(1)新たなパスワードを格納した認証用ディスクの新規作成
ユーザは、新しい空の認証用ディスクを準備し、例えばPC上のアプリケーションなどを用いて、その空の認証用ディスクに新たなパスワードを格納する。
パスワードを格納するファイル名やパスワード長などのパスワード仕様は、現在の認証用ディスクの仕様に合わせる。
【0047】
(2)記憶部16に格納している暗号化されたパスワードの更新
ユーザは、現在の認証用ディスクを用いて認証を行う。その後、新たに作成した第2認証用ディスクをDVD再生部13にセットし、記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードを書き換える。
本手続きについては、次の図6で詳細を説明する。
【0048】
図6は、新たに作成した認証用ディスクを用いて、記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードを書き換える際の処理フロー例である。以下、図6の各ステップについて説明する。
【0049】
(S601)〜(S608)
実施の形態1の図3で説明したステップS301〜S308と同様であるため、説明を省略する。
【0050】
(S609)
ユーザは、新たに作成した第2認証用ディスクを、DVD再生部13にセットする。
制御部15は、セットされたディスクが第2認証用ディスクであるか否かを判定する。判定方法は、ステップS604と同様にすればよい。
第2認証用ディスクであればステップS610に進み、第2認証用ディスクでなければ第2認証用ディスクのセットを促すメッセージを表示するなどしてユーザにディスクのセットを促し、本ステップを継続する。
【0051】
(S610)
DVD再生部13は、第2認証用ディスクに格納されている新たなパスワードを読み取る。
制御部15は、DVD再生部13が読み取った新たなパスワードを取得し、所定の秘密鍵で暗号化して、その内容で記憶部16に格納されている現在の暗号化されたパスワードを書き換える。なお、再生許可フラグの値は、OFFに初期化する。
【0052】
各パスワードの更新が完了した後の動作は、実施の形態1〜2で説明したものと同様であるため、説明を省略する。
【0053】
以上のように、本実施の形態3によれば、認証用ディスクに格納されているパスワードと、記憶部16に格納されている暗号化されたパスワードとを、新たなものに変更することができる。
これにより、例えばパスワードを定期的に変更するなどして、映像情報再生装置10の使用に際する認証の強化を図ることができる。
【0054】
また、本実施の形態3では、記憶部16に格納されたパスワードを更新する際に、あらかじめ現在の認証用ディスクを用いて認証を行うことを求めるため、勝手に記憶部16に格納されているパスワードを書き換えられるようなことはない。
これにより、認証の安全性を確保しつつ、パスワードを書き換えることができる。
【0055】
実施の形態4.
以上の実施の形態1〜3では、映像情報再生装置10は、DVDを再生することを説明した。しかし、本発明の適用対象は、DVDを再生するものに限られず、任意の映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する装置に適用することができる。
また、映像情報の種類も、DVDおよびその対応形式に限られるものではなく、任意の種類の映像情報を再生する映像情報再生装置について、本発明を適用することができる。
【0056】
実施の形態5.
以上の実施の形態1〜4では、記憶部16は所定の秘密鍵で暗号化されたパスワードを格納していることを説明した。しかし、必ずしも秘密鍵で暗号化されたパスワードとする必要はなく、その他の暗号方式を用いることもできるし、パスワード以外の認証方式を用いることもできる。
【0057】
即ち、認証用ディスクに格納された第1認証情報と、記憶部16に格納された第2認証情報とを、何らかの手法をもって対応付けを行うことができれば、認証を行うことができるので、具体的な認証方式や認証情報の形式は、任意のものを用いることができる。
【0058】
また、DVD再生部13にセット可能な認証用ディスクを用いて認証を行うこととしたが、第2認証情報を格納する媒体は任意のものでよい。
即ち、最終的に映像情報再生装置10が、第1認証情報と第2認証情報の対応付けが行われたことを確認できるものであれば、任意の認証情報格納媒体を用いることができる。
【0059】
なお、図3〜図7で説明した各処理フローは、記憶部16に格納しているパスワードが秘密鍵で暗号化されている場合の1例であり、認証方式が変わればこれらの処理フローも必要に応じて適宜変更してよい。
【0060】
実施の形態6.
図7は、本発明の実施の形態6に係る画像表示装置30の機能ブロック図と外観イメージを示すものである。図7(a)は機能ブロック図、(b)は外観イメージである。
画像表示装置30は、映像(画像を含む)を再生して画面表示し、ユーザに視聴画像を提供するものである。
【0061】
画像表示装置30は、実施の形態1〜5のいずれかで説明した映像情報再生装置10と同様の構成(図7の操作パネル11〜記憶部16)を備えるとともに、画像表示部31を備える。なお、図7では、実施の形態1と同様の構成を備えた例を図示した。
【0062】
画像表示部31は、例えば液晶ディスプレイ装置などで構成され、映像信号処理部14より映像信号を受け取り、その映像を画面表示するものである。
図7において、画像表示部31の下部には、画像表示部31を支持する台座が備えられており、この台座の内部または表面に操作パネル11〜記憶部16が備えられている。
【0063】
上記の説明では、画像表示部31は液晶ディスプレイ装置などの自ら画像表示を行うことができるものとしたが、これに限るものではなく、最終的にユーザが画像を視ることができるものであれば、任意の構成を用いることができる。
【0064】
以上のように、本実施の形態6によれば、画像表示装置30は、実施の形態1〜5で説明した映像情報再生装置10と同等の機能を備えることができる。
【0065】
例えば、DVD再生機能を備えたテレビやディスプレイ装置などにおいて、本実施の形態6と同様の構成を適用することにより、これらの装置がDVDを再生するに際して認証を求めるようにすることができる。
一例として、家庭内でのテレビの使用において、DVDの再生を制限したい場合に、本実施の形態6と同様の構成を適用することにより、認証用ディスクを用いた認証機能が奏効する。
【0066】
実施の形態7.
図8は、本発明の実施の形態7に係るプロジェクタ40の機能ブロック図である。
プロジェクタ40は、映像をスクリーン50に投射し、ユーザに視聴画像を提供するものである。
プロジェクタ40は、実施の形態1〜5のいずれかで説明した映像情報再生装置10と同様の構成(図8の操作パネル11〜記憶部16)を備えるとともに、投射部41を備える。なお、図8では、実施の形態1と同様の構成を備えた例を図示した。
【0067】
投射部41は、光源、光変調素子、投射光学系などの映像投射に必要な構成を適宜備え、映像信号処理部14より映像信号を受け取り、その映像を投射するものである。光変調素子としては、液晶ライトバルブや微小ミラーアレイデバイス等が用いられる。
【0068】
以上のように、本実施の形態7によれば、プロジェクタ40は、実施の形態1〜5で説明した映像情報再生装置10と同等の機能を備えることができる。これにより、映像情報再生装置10と同等の効果を発揮することができる。
【0069】
特に、プロジェクタの中には、単に映像を投射するのみならず、DVD等の再生機能を備えたものがあり、映像情報再生装置10と同様の用途で、公共施設などにおいて貸し出される場合もある。
このような場合に、本実施の形態7に係る構成を適用することにより、無許可で任意のDVDを再生されるようなことがなくなり、プロジェクタ40の使用を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態1に係る映像情報再生装置10の機能ブロック図である。
【図2】認証用ディスクと記憶部16それぞれに格納されている情報の1例である。
【図3】DVDを再生することを許可する際の処理フロー例である。
【図4】映像情報再生装置10がDVDを再生する際の処理フロー例である。
【図5】実施の形態2におけるDVD再生処理フロー例である。
【図6】記憶部16に格納されているパスワードを書き換える処理フロー例である。
【図7】実施の形態6に係る画像表示装置30の機能ブロック図である。
【図8】実施の形態7に係るプロジェクタ40の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0071】
10 映像情報再生装置、11 操作パネル、12 操作信号処理部、13 DVD再生部、14 映像信号処理部、15 制御部、16 記憶部、20 ディスプレイ、30 画像表示装置、31 画像表示部、40 プロジェクタ、41 投射部、50 スクリーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する映像情報再生部と、
第1認証情報を格納した記憶部と、
前記映像情報再生部の動作を制御する制御部と、
を備え、
前記映像情報再生部は、
所定の認証情報格納媒体に格納された第2認証情報を読み取り、
前記制御部は、
前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、
前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可する
ことを特徴とする映像情報再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可した後、
前記映像情報再生部から映像情報格納媒体が取り出されたことを検知すると、
前記映像情報再生部が映像情報を再生することを禁止する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像情報再生装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致したことを確認した後は、
前記映像情報再生部が映像情報を再生することを常時許可する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像情報再生装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致したことを確認した後、
前記第1認証情報を書き換え、
以後は、
書き換え後の前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、
前記映像情報再生部が映像情報を再生することを許可する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の映像情報再生装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の映像情報再生装置と、
前記映像情報に基づき画像を表示する画像表示部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の映像情報再生装置と、
前記映像情報に基づき映像を投射する投射部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項7】
第1認証情報を格納した記憶手段を備えた映像情報再生装置の映像再生動作を制御する方法であって、
所定の認証情報格納媒体に格納された第2認証情報を読み取るステップと、
前記記憶手段から前記第1認証情報を読み取るステップと、
前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致するか否かを判断するステップと、
を有し、
前記第1認証情報と前記第2認証情報が合致した場合に限り、
当該映像情報再生装置が映像情報を再生することを許可する
ことを特徴とする映像情報再生装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−118078(P2009−118078A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287598(P2007−287598)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】