説明

映像情報再生装置、画像表示装置、プロジェクタ、映像情報再生装置の制御方法

【課題】映像情報格納媒体に格納されている情報を別途記憶させておくことなく、スキップ不可の再生箇所を早く終了させることのできる映像情報再生装置を得る。
【解決手段】映像情報再生部13は、再生箇所のスキップおよび早送りの可否を取得し、制御部15は、映像情報再生部13が取得したスキップおよび早送りの可否を取得し、操作入力部よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取った際、その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合には、記憶部16より所定の画像データを読み出し、その再生箇所を早送りするよう映像情報再生部13に指示するとともに、映像信号処理部14に所定の画像データの内容の映像信号を出力させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像情報を再生する装置、その装置を備えた画像表示装置およびプロジェクタ、並びに映像情報再生装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DVDビデオプレーヤに関し、特許文献1に、「DVDビデオディスクをプレーヤに装填すると、自動的に宣伝映像が再生されるものが多く、同じDVDを再生するたびに同じ宣伝映像を見ることは苦痛であり、ディスク製造会社等にとっても逆に会社のイメージを損ねる。」ことを課題とした技術として、「装填されたディスクがこのプレーヤで初回再生の時には、DVDビデオデータ中からディスク識別記号と、宣伝映像等の自動再生不要な付属映像のデータ部分に記録されている、Stop操作とFF操作が可能か否かのユーザ操作制御情報を取込み、メモリテーブル19にディスク識別記号毎に記録する。2回目以降の再生時にはメモリテーブルのデータから、Stop操作が可能のディスクでは直ちにStop操作を行い続いてPlay操作を行う。それにより、プレーヤの特性により本編の映像の最初の部分にスキップする。Stop操作が無効でFF操作が可能の時にはタイトルが変更されるまでFF操作を行う。」というものが提案されている(要約)。
【0003】
【特許文献1】特開2001−291377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の技術では、DVDビデオプレーヤで同じDVDを複数回再生する場合を前提としている。
しかし、例えばレンタルDVDの場合は、1回視聴するとそのDVDは返却することが多く、1回の視聴のためにユーザ操作制御情報等のための記憶容量を必要とすることになるので、コストの観点から課題がある。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、映像情報格納媒体に格納されている情報を別途記憶させておくことなく、スキップ不可の再生箇所を早く終了させることのできる映像情報再生装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る映像情報再生装置は、映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する映像情報再生部と、前記映像情報再生部が再生する映像信号を処理する映像信号処理部と、所定の画像データを格納した記憶部と、前記映像情報再生部および前記映像信号処理部の動作を制御する制御部と、操作入力を受け付けて前記制御部にその操作信号を出力する操作入力部と、を備え、前記映像情報再生部は、再生箇所のスキップおよび早送りの可否を取得し、前記制御部は、前記映像情報再生部が取得したスキップおよび早送りの可否を取得し、前記操作入力部よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取った際、その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合には、前記記憶部より前記所定の画像データを読み出し、その再生箇所を早送りするよう前記映像情報再生部に指示するとともに、前記映像信号処理部に前記所定の画像データの内容の映像信号を出力させる。
そのため、スキップ不可かつ早送り可の映像に対してスキップを指示した際には、早送りを実行し、ユーザの体感上スキップと類似した動作を行うことができる。これにより、視たくない映像にスキップ不可が設定されている場合でも、その映像を早く終了させることができる。
【0007】
また、上述の早送りを行っている際は、前記所定の画像データの内容が画面表示されるので、早送り中の目まぐるしく変わる画面をユーザに見せることがなく、ユーザの目にかける負担を軽減することができる。
【0008】
また、本発明に係る映像情報再生装置において、前記制御部は、前記操作入力部よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取り、 その再生箇所を早送りしている場合において、早送りをしている再生箇所の終了を検知すると、早送りを終了するよう前記映像情報再生部に指示するとともに、前記所定の画像データの内容の映像信号出力を停止するよう前記映像信号処理部に指示する。
そのため、スキップ操作と同様に、一度操作入力を行うだけで次の再生箇所まで再生位置を飛ばすことができるので、実質的にスキップと同様の動作となり、ユーザにとって便宜である。
【0009】
また、本発明に係る画像表示装置は、上記のいずれかに記載の映像情報再生装置と、前記出力映像信号に基づき画像を表示する画像表示部と、を備える。
そのため、上記に記載の映像情報再生装置と同様に、視たくない映像を飛ばすことができ、上記の映像情報再生装置と同様の効果を発揮することができる。
【0010】
また、本発明に係るプロジェクタは、上記のいずれかに記載の映像情報再生装置と、前記出力映像信号に基づき映像を投射する投射部と、を備える。
そのため、上記に記載の映像情報再生装置と同様に、視たくない映像を飛ばすことができ、上記の映像情報再生装置と同様の効果を発揮することができる。
【0011】
また、本発明に係る映像情報再生装置の制御方法は、所定の画像データを格納した記憶手段と、操作入力を受け付けてその操作信号を出力する操作入力手段と、を備えた映像情報再生装置の映像再生動作を制御する方法であって、映像再生箇所のスキップおよび早送りの可否を取得するステップを有し、前記操作入力手段よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取った際、その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合には、前記記憶手段より前記所定の画像データを読み出し、その再生箇所を早送りさせるとともに、前記所定の画像データの内容の映像信号を出力させる。
そのため、スキップ不可かつ早送り可の映像に対してスキップを指示した際には、早送りを実行し、ユーザの体感上スキップと類似した動作を行うように、映像情報再生装置の映像再生動作を制御することができる。
これにより、視たくない映像にスキップ不可が設定されている場合でも、その映像を早く終了させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る映像情報再生装置10の機能ブロック図である。
映像情報再生装置10は、DVDを再生するための装置である。映像情報再生装置10は、再生する映像をディスプレイ20に出力し、ユーザはディスプレイ20で再生映像を視聴する。
映像情報再生装置10は、操作パネル11、操作信号処理部12、DVD再生部13、映像信号処理部14、制御部15、記憶部16を備える。
【0013】
操作パネル11は、映像情報再生装置10の本体筐体の外面に設けられ、ユーザの操作情報を受け付けるためのものである。
ユーザが操作パネル11に配置されたキーを押下等すると、それに対応した操作信号が操作信号処理部12に出力される。
操作信号処理部12は、操作パネル11が出力した操作信号を受け取り、デジタル信号に変換するなどの処理を施して、制御部15に出力する。
特許請求の範囲における「操作入力部」は、操作パネル11と操作信号処理部12がこれに相当する。
【0014】
DVD再生部13は、DVDをセットするトレーや光学ヘッドなどを適宜備え、DVDに格納されている映像情報を読み取って、映像信号として再生する。再生された映像信号は、映像信号処理部14に出力される。
特許請求の範囲における「映像情報再生部」は、DVD再生部13がこれに相当する。
また、「映像情報格納媒体」は、DVDがこれに相当する。
【0015】
映像信号処理部14は、DVD再生部13から受け取った映像信号と制御部15の指示に基づいてデジタルの出力映像信号を生成し、ディスプレイ20に出力する。
映像信号処理部14は、マイクロプロセッサ等により構成され、内蔵したプログラムを実行することにより、上記の処理を行う。
映像信号処理部14とディスプレイ20は、適当な映像信号ケーブルなどにより接続される。
【0016】
制御部15は、DVD再生部13および映像信号処理部14の動作を制御する。
また、記憶部16に格納されている後述の画像データを読み取り、DVDの再生箇所がスキップ不可である場合に、後述のような早送り動作と画像データ表示をするよう各部に指示する。
制御部15は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置とその動作を規定する制御プログラムで構成することもできる。
【0017】
記憶部16は、後述する画像データを格納している。画像データの形式は、制御部15が解釈できるものであれば、任意のものでよい。例えば、JPEGやBMPのような標準的な画像形式であれば、処理の上で便宜である。
記憶部16は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュROMのような記憶装置で構成することができる。
【0018】
以上、図1の各機能ブロックについて説明した。
次に、本発明の背景として、DVDの再生をスキップ(または停止)したいケースについて説明する。
【0019】
例えばレンタルDVDの場合、本編を再生する前の段階で、予告編や広告の映像が挿入されている場合がある。これらの映像は、ユーザが確実に視聴するように、スキップや停止ができないよう設定されていることがある。
この場合、ユーザはこれらの映像を視ることを強制され、またこれらの映像は、DVDによっては例えば10分以上におよぶこともある。
【0020】
ユーザは、これらの映像を見たくない場合は、スキップまたは早送りをする。
スキップを行う場合、ユーザはスキップキーを一度押下するだけで、再生位置を次の再生箇所(例えば次のTITLEやCHAPTER)まで飛ばすことができるので便利であるが、上述のようにこれらの映像はスキップができないよう設定されている。
そこでユーザは、これらの映像を早送りして、早く本編の映像を視聴しようとする。
【0021】
しかし、早送りの場合は、スキップと異なり早送りを解除しない限り映像の早送りが継続されるので、本編の再生が始まった時点で早送りを解除するよう、早送り再生される画面を注視しなければならず、ユーザにとって不便であった。
また、早送り再生している画面は映像が目まぐるしく変わるため、ユーザの目に負担をかけてしまう。
【0022】
一方、上記特許文献1に記載の技術は、DVDの初回再生時に、DVDに格納されている情報をDVDビデオプレーヤに一旦格納しておき、2回目以降の再生時にその情報を利用して、本編の映像に早く到達する、というものである。
しかし、レンタルDVDのように、1回視聴すると返却することが多いDVDの場合には、このような方式は用いることができない。また、DVDに格納されている情報を格納する記憶領域をDVDビデオプレーヤ(または周辺機器)内に必要とするため、一定のコストが発生してしまう。
【0023】
そこで、本実施の形態1では、DVDに格納されている情報を格納する記憶領域を、映像情報再生装置10(または周辺機器)内に設けることなく、スキップが禁止されている映像を早く終了させる手法を提案する。
また、本実施の形態1では、早送り再生している画面によりユーザの目にかける負担を軽減することを併せて図る。
【0024】
以上、DVDの再生をスキップしたいケースについて説明した。
次に、早く本編映像に到達する具体的な手順について説明する。
【0025】
図2は、予告編や広告などの映像を早く終了して本編映像に到達する際の画面表示の遷移を示す例である。以下、図2の各ステップについて説明する。
【0026】
(a)DVD挿入時
ユーザは、映像情報再生装置10のDVD再生部13に、DVDをセットする。
DVDの最初の方では、予告編や広告などの映像が挿入されており、これらの映像が再生される。
(b)スキップキー押下
ユーザは、早く本編映像を視たいため、操作パネル11に備えられているスキップキーを押下する。しかし、予告編や広告などの映像は、スキップができないよう設定されている。
【0027】
(c1)早送り中の画面表示
映像情報再生装置10は、予告編や広告などの映像のスキップに代えて、これらの映像を最速で早送りする。このとき、画面上では、ユーザに待機を促す画像が表示されており、ユーザに早送り中の目まぐるしく変わる画面を見せないようにする。
(c2)バックグラウンドでの処理
映像情報再生装置10は、待機を促す画像を表示している裏側で、DVDを最速で早送りする。
【0028】
(d)早送り終了
映像情報再生装置10は、予告編や広告などの映像の終了を検知すると、表示していた待機を促す画像を画面から消し、通常のDVD再生動作に戻る。以後、本編映像が再生される。
【0029】
以上、早く本編映像に到達する際の画面遷移について、図2を用いて説明した。
次に、映像情報再生装置10が図2の動作を行う際の内部的な処理を説明する。
【0030】
図3は、映像情報再生装置10が操作パネルよりスキップ操作入力を受け付けた際の処理フローである。以下、各ステップについて説明する。
【0031】
(S301)
ユーザは、操作パネル11に設けられているスキップキーを押下する。
スキップをすべき旨の操作信号が、操作パネル11、操作信号処理部12を介して制御部15に出力される。制御部15はその信号を受け取り、本処理フローが開始される。
(S302)
DVD再生部13は、現在の再生箇所のUOP(ユーザ・オペレーション・コントロール)情報を取得する。取得のタイミングは、当該DVDを再生開始したときでもよいし、制御部15に指示されたときでもよい。
制御部15は、DVD再生部13が取得したUOP情報を受け取る。
【0032】
(S303)
制御部15は、ステップS302で取得したUOP情報に基づき、現在の再生箇所がスキップ可であるか否かを判定する。
スキップ可であればステップS310へ進み、スキップ不可であればS304へ進む。
(S304)
制御部15は、ステップS302で取得したUOP情報に基づき、現在の再生箇所が早送り可であるか否かを判定する。
早送り可であればステップS305へ進み、早送り不可であればS311へ進む。
【0033】
(S305)
制御部15は、記憶部16に格納されている画像データを読み出す。
次に、制御部15は、読み出した画像データの内容を映像信号処理部14に引渡し、その画像の内容の映像信号を出力するように指示する。ここでいう画像とは、図2の(c1)に示しているような、ユーザに待機を促す画像である。
映像信号処理部14は、受け取った画像データの内容の映像信号を出力する。ディスプレイ20には、その画像が画面表示される。
(S306)
制御部15は、DVDを最高速で早送りするよう、DVD再生部13に指示を出す。
DVD再生部13は、DVDを最高速で早送りする。
この間、ディスプレイ20には、画像データの内容が表示されている。
【0034】
(S307)
制御部15は、現在の再生箇所が終了したか否かを判定する。
ここでいう「再生箇所が終了したか否か」の判定とは、仮に現在の再生箇所でスキップを行ったとした場合の飛び先の再生箇所まで、早送り再生が到達したか否かを判定するものである。
判定の手法は、例えばDVD再生部13より再生箇所の終了の旨を受け取るようにしてもよいし、再生箇所の終了位置のポインタをあらかじめ取得しておき、早送りの位置がそのポインタに達した時点で早送り終了とするようにしてもよい。その他、これら以外の手法でもよい。
現在の再生箇所が終了したことを検知していなければ本ステップを継続し、終了したことを検知すればステップS308へ進む。
【0035】
(S308)
制御部15は、画像データの内容の映像信号を出力することを停止するよう、映像信号処理部14に指示を出す。
映像信号処理部14は、通常の映像再生状態に戻り、DVD再生部13が再生する映像信号の出力を行う。
(S309)
DVD再生部13は、早送り動作を終了して次の再生箇所を再生する。以後は通常のDVD再生動作となる。
【0036】
(S310)
制御部15は、現在の再生箇所をスキップするよう、DVD再生部13に指示する。
DVD再生部13は、現在の再生箇所をスキップする。
(S311)
制御部15は、スキップ不可の旨のメッセージを表す映像信号を出力するよう、映像信号処理部14に指示する。映像信号処理部14は、その旨の映像信号を出力する。
【0037】
以上、スキップ操作入力を受け付けた際の処理フローを説明した。
なお、「再生箇所」とは、例えば以下の(1)〜(2)のようなものが相当する。
【0038】
(1)予告編や広告の映像は、本編映像とは独立し、DVD−VIDEO規格上の1つの「TITLE」を構成している場合がある。この場合、「再生箇所」とは、1つの「TITLE」に相当する。
【0039】
(2)「TITLE」の他、「CHAPTER」などの映像ブロックを構成している場合もあり得る。この場合、「再生箇所」とは、1つの「CHAPTER」に相当する。
もっとも、実際上は、「CHAPTER」がスキップ不可に設定されていることは少ないであろう。
【0040】
即ち、本実施の形態1における「再生箇所」とは、換言すると、スキップを実行した場合に再生が飛ばされる映像単位のことである。具体的には、再生するDVDの仕様や映像ブロックの構成によって、上記(1)〜(2)に例示したようにそれぞれ異なる。
【0041】
以上のように、本実施の形態1に係る映像情報再生装置10は、スキップをすべき旨の操作入力を受け取り、その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合は、その再生箇所を最高速で早送りする。
これにより、スキップができないよう設定されている再生箇所でユーザがスキップを指示した場合は、スキップに代えて最高速早送りが行われるので、スキップに類似した動作を行うことができる。
特に、予告編や広告の映像のように、ユーザが早く終了させたい映像がスキップ不可である場合には、ユーザにとって便宜である。
【0042】
また、本実施の形態1に係る映像情報再生装置10は、上述の最高速早送りを行っている際に、記憶部16に格納されている画像を表示させるように動作するので、早送りを行っている際にユーザの目にかける負担を軽減することができる。
【0043】
また、本実施の形態1に係る映像情報再生装置10は、上述の早送りをしている再生箇所が終了したことを検知すると、早送りを終了するとともに画像の表示を停止して通常のDVD再生動作に戻る。
そのため、1度操作入力を行うだけで次の再生箇所まで再生位置を飛ばすことができ、実質的にはスキップ動作とほぼ同様の動作となる。
そのため、ユーザにとっては視たくない再生箇所をスキップしたものとほぼ同様の動作となるので、ユーザにとって便宜である。
【0044】
実施の形態2.
実施の形態1では、ユーザがスキップキーを押下した際に、その時点での再生箇所がスキップ可であるか否かを判定し、早送りなどを行う構成と動作例を説明した。
本発明の実施の形態2では、キーに関し実施の形態1と異なる構成例を説明する。
【0045】
本実施の形態2において、操作パネル11に、新たに第2スキップキーを設ける。
第2スキップキーは、再生箇所のスキップが不可で早送りが可である場合のみ動作するキーである。第2スキップキー押下時の動作は、実施の形態1におけるスキップキーと同様である。
また、新たに第2スキップキーを設けることに限らず、既存のその他のキーで同等の機能を実現するように構成してもよい。
【0046】
いずれのキー構成で実施の形態1の機能を実現するにしても、そのキーを押下した際、映像情報再生装置10は「スキップ」をすべき旨の操作信号を受け取り、図3で説明した処理フローを実行する。
なお、通常のスキップキーを押下した場合は「スキップ」すべき旨の操作信号、新たに構成したキーを押下した場合は「スキップ可である場合はスキップし、不可の場合は早送りをする」べき旨の操作信号、というように、「スキップ」の具体的内容をキーによって詳細に区別してもよい。
どのような操作信号を構成するかは、適宜設計すればよい。
【0047】
また、以上の説明では、映像情報再生装置10の操作パネル11上に各キーを備える例を説明したが、リモコンに同様のキーを備える構成でも効果は同様である。
【0048】
以上のように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果を発揮することができる。
また、スキップキーとは別に第2スキップキーを設けたので、通常のスキップ動作と本発明に係るスキップ動作を明示的に区別することができる。
【0049】
実施の形態3.
以上の実施の形態1〜2では、映像情報再生装置10は、DVDを再生することを説明した。しかし、本発明の適用対象は、DVDを再生するものに限られず、任意の映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する装置に適用することができる。
また、映像情報の種類も、DVDおよびその対応形式に限られるものではなく、任意の種類の映像情報を再生する映像情報再生装置について、本発明を適用することができる。
【0050】
また、実施の形態1では、再生箇所のスキップ可否や早送り可否はUOP情報から取得することとしたが、DVD以外の映像情報格納媒体を用いる場合は、その形式に合わせて適宜必要な情報を取得すればよい。
なお、UOP情報に相当する情報が存在しない場合は、スキップや早送りの可否は問題とならないため、通常の再生動作を行えばよい。即ち、スキップや早送りができないように設定されていないため、通常の再生動作で足りる。
【0051】
同様に、DVD以外の映像情報格納媒体を用いる場合において、「再生箇所」は必ずしも「TITLE」や「CHAPTER」などの映像ブロックであるとは限らないため、これらと同等の単位に相当する映像ブロックを、早送りの対象とする「再生箇所」として取り扱えばよい。
即ち、スキップを実行した場合に再生が飛ばされる映像単位を、「再生箇所」として取り扱えばよい。
【0052】
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4に係る画像表示装置30の機能ブロック図と外観イメージを示すものである。図4(a)は機能ブロック図、(b)は外観イメージである。
画像表示装置30は、映像(画像を含む)を再生して画面表示し、ユーザに視聴画像を提供するものである。
【0053】
画像表示装置30は、実施の形態1〜3のいずれかで説明した映像情報再生装置10と同様の構成(図4の操作パネル11〜記憶部16)を備えるとともに、画像表示部31を備える。なお、図4では、実施の形態1と同様の構成を備えた例を図示した。
【0054】
画像表示部31は、例えば液晶ディスプレイ装置などで構成され、映像信号処理部14より映像信号を受け取り、その映像を画面表示するものである。
図4において、画像表示部31の下部には、画像表示部31を支持する台座が備えられており、この台座の内部または表面に操作パネル11〜記憶部16が備えられている。
【0055】
上記の説明では、画像表示部31は液晶ディスプレイ装置などの自ら画像表示を行うことができるものとしたが、これに限るものではなく、最終的にユーザが画像を視ることができるものであれば、任意の構成を用いることができる。
【0056】
以上のように、本実施の形態4によれば、画像表示装置30は、実施の形態1〜3で説明した映像情報再生装置10と同等の機能を備えることができる。
例えば、DVD再生機能を備えたテレビやディスプレイ装置などにおいて、本実施の形態4と同様の構成を適用することにより、これらの装置がDVDを再生するに際して、予告編や広告などの映像を早送りで飛ばすことができる。
【0057】
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5に係るプロジェクタ40の機能ブロック図である。
プロジェクタ40は、映像をスクリーン50に投射し、ユーザに視聴画像を提供するものである。
プロジェクタ40は、実施の形態1〜3のいずれかで説明した映像情報再生装置10と同様の構成(図5の操作パネル11〜記憶部16)を備えるとともに、投射部41を備える。なお、図5では、実施の形態1と同様の構成を備えた例を図示した。
【0058】
投射部41は、光源、投射光学系などの映像投射に必要な構成を適宜備え、映像信号処理部14より映像信号を受け取り、その映像を投射するものである。
【0059】
以上のように、本実施の形態5によれば、プロジェクタ40は、実施の形態1〜3で説明した映像情報再生装置10と同等の機能を備えることができる。これにより、映像情報再生装置10と同等の効果を発揮することができる。
なお、本発明は、ライトバルブとして液晶ライトバルブを用いたプロジェクタばかりでなくDMD(Digital Micromirror Device)を用いたプロジェクタにも適用できる。DMDは米国テキサスインスツルメンツ社の商標である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態1に係る映像情報再生装置10の機能ブロック図である。
【図2】予告編や広告などの映像を早く終了する際の画面表示の遷移例である。
【図3】スキップ操作入力を受け付けた際の処理フローである。
【図4】実施の形態4に係る画像表示装置30の機能ブロック図である。
【図5】実施の形態5に係るプロジェクタ40の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0061】
10 映像情報再生装置、11 操作パネル、12 操作信号処理部、13 DVD再生部、14 映像信号処理部、15 制御部、16 記憶部、20 ディスプレイ、30 画像表示装置、31 画像表示部、40 プロジェクタ、41 投射部、50 スクリーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像情報格納媒体に格納された映像情報を再生する映像情報再生部と、
前記映像情報再生部が再生する映像情報に基づき出力映像信号を生成する映像信号処理部と、
所定の画像データを格納した記憶部と、
前記映像情報再生部および前記映像信号処理部の動作を制御する制御部と、
操作入力を受け付けて前記制御部にその操作信号を出力する操作入力部と、
を備え、
前記映像情報再生部は、
再生箇所のスキップおよび早送りの可否を取得し、
前記制御部は、
前記映像情報再生部が取得したスキップおよび早送りの可否を取得し、
前記操作入力部よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取った際、
その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合には、
前記記憶部より前記所定の画像データを読み出し、
その再生箇所を早送りするよう前記映像情報再生部に指示するとともに、
前記映像信号処理部に前記所定の画像データの内容の映像信号を出力させる
ことを特徴とする映像情報再生装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記操作入力部よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取り、
その再生箇所を早送りしている場合において、
早送りをしている再生箇所の終了を検知すると、
早送りを終了するよう前記映像情報再生部に指示するとともに、
前記所定の画像データの内容の映像信号出力を停止するよう前記映像信号処理部に指示する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像情報再生装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の映像情報再生装置と、
前記出力映像信号に基づき画像を表示する画像表示部と、
を備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の映像情報再生装置と、
前記出力映像信号に基づき映像を投射する投射部と、
を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項5】
所定の画像データを格納した記憶手段と、
操作入力を受け付けてその操作信号を出力する操作入力手段と、
を備えた映像情報再生装置の映像再生動作を制御する方法であって、
映像再生箇所のスキップおよび早送りの可否を取得するステップを有し、
前記操作入力手段よりスキップをすべき旨の操作信号を受け取った際、
その時点での再生箇所がスキップ不可かつ早送り可である場合には、
前記記憶手段より前記所定の画像データを読み出し、
その再生箇所を早送りさせるとともに、
前記所定の画像データの内容の映像信号を出力させる
ことを特徴とする映像情報再生装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−118387(P2009−118387A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291918(P2007−291918)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】