説明

映像生成装置、映像表示装置、テレビ受像装置、映像生成方法及びコンピュータプログラム

【課題】2次元映像に基づいて自然な3次元映像を生成する映像生成装置、映像表示装置、テレビ受像装置、映像生成方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 複数の画素によって構成される2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成する映像生成装置において、2次元映像を構成する各画素の画素値と各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出部、第1差分算出部で算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出部、2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出部、第2差分算出部で算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出部及び第1抽出部及び第2抽出部の抽出結果に基づいて2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元映像から3次元映像を生成する映像生成装置、映像表示装置、テレビ受像装置、映像生成方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元映像を表示する表示装置が普及しつつあるが、3次元映像の量はまだ少なく、また、2次元で収録した映像を3次元映像として視聴したいという要望もある。
【0003】
そこで2次元映像から疑似的な3次元映像を生成することが考えられるが、そのためには2次元映像に適切な奥行の情報を与えなければならない。例えば特許文献1には、2次元映像全体の構図から、画面全体について設定されている所定の3種類の基本奥行モデルを合成する比率を算出し、合成された基本奥行モデルに基づいて3次元映像の奥行値を2次元映像に与え、3次元映像を生成する映像生成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−44722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1における映像生成装置では画面全体に予め設定された基本奥行モデルを2次元映像に当てはめるのみであるため、奥行値が不適切なことがあり、不自然な3次元映像を生成することがあった。
【0006】
本発明は係る事情によりなされたものであり、自然な3次元映像の生成を目的とする映像生成装置、映像表示装置、テレビ受像装置、映像生成方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における映像生成装置は、複数の画素によって構成される2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成する映像生成装置において、前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出部、該第1差分算出部で算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出部、前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出部、該第2差分算出部で算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出部及び前記第1抽出部及び第2抽出部の抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、2次元映像の一部の画素を抽出し、抽出結果に基づいて奥行値を算出するので、自然な3次元映像を生成することができる。
【0009】
本発明における映像生成装置は、前記第1差分算出部で算出した差分が前記第1閾値より大きい所定の第3閾値以上である画素を抽出する第3抽出部及び該第3抽出部で抽出した各画素が存在する位置の分散の程度を示す位置の分散値を算出する分散値算出部をさらに備え、前記奥行算出部は、前記分散値算出部で算出した位置の分散値と、前記第1抽出部又は第2抽出部で抽出された画素の総数とに基づいて前記奥行値を算出するよう構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、画素の位置の分散値に基づいて奥行値を算出するので、さらに2次元映像に応じた自然な3次元映像を生成することができる。
【0011】
本発明における映像生成装置は、前記第1差分算出部で算出した差分の分散値を算出する第2分散値算出部をさらに備え、前記奥行算出部は、前記第2分散値算出部で算出した各画素の差分の分散値と、前記第1抽出部又は第2抽出部で抽出された画素の総数とに基づいて前記奥行値を算出するよう構成してあることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、各画素の差分の分散値に基づいて奥行値を算出するので、さらに2次元映像に応じた自然な3次元映像を生成することができる。
【0013】
本発明における映像表示装置は、上述の映像生成装置及び該映像生成装置により生成された前記3次元映像を表示する表示部を備えることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、前述した効果を映像表示装置にて実現することができる。
【0015】
本発明におけるテレビ受像装置は、2次元映像を含むテレビ放送波を受信するチューナ部、該チューナ部により受信した2次元映像に基づき3次元映像を生成する請求項1から3のいずれか1つに記載の映像生成装置及び該映像生成装置により生成された前記3次元映像を表示する表示部を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、前述した効果をテレビ受像装置にて実現することができる。
【0017】
本発明における映像生成方法は、複数の画素によって構成される2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成する映像生成方法において、前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出ステップ、該第1差分算出ステップで算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出ステップ、前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出ステップ、該第2差分算出ステップで算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出ステップ及び前記第1抽出ステップ及び第2抽出ステップの抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出ステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、2次元映像の一部の画素を抽出し、抽出結果に基づいて奥行値を算出するので、自然な3次元映像を生成することができる。
【0019】
本発明におけるコンピュータプログラムは、複数の画素によって構成される該2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成させるコンピュータプログラムにおいて、前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出ステップ、該第1差分算出ステップで算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出ステップ、前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出ステップ、該第2差分算出ステップで算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出ステップ及び前記第1抽出ステップ及び第2抽出ステップの抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出ステップを含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、2次元映像の一部の画素を抽出し、抽出結果に基づいて奥行値を算出するので、自然な3次元映像を生成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、算出した2次元映像の各画素のエッジ強度が所定の閾値以上である画素を抽出し、また算出した2次元映像の1のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分が所定の閾値以上である画素を抽出し、それらの抽出結果に基づいて奥行値を算出するので、自然な3次元映像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施の形態における映像生成装置により生成される映像を説明するための説明図である。
【図2】第1の実施の形態におけるテレビ受像装置の一構成例を示すブロック図である。
【図3】制御部1が処理を行う2次元映像を示す概念図である。
【図4】ラプラシアンフィルタを表す説明図である。
【図5】エッジ強度平均及び強エッジ画素情報を示す模式図である。
【図6】高差分情報に基づく2値映像を示す模式図である。
【図7】第nフレームの映像を領域ごとに区分した映像を示す模式図である。
【図8】モフォロジー処理を示す説明図である。
【図9】各構図における前景と背景とを示す説明図である。
【図10】3次元映像を表示部で表示するための所定の方式の例を示す模式図である。
【図11】第1の実施の形態における制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】制御部が強エッジ画素情報を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【図13】制御部が動物体構成画素情報を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【図14】制御部が2次元映像の構図を判別する処理手順を示すフローチャートである。
【図15】制御部が奥行値を再設定する処理手順を示すフローチャートである。
【図16】制御部が3次元映像を生成する処理手順を示すフローチャートである。
【図17】第2の実施の形態における制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図18】第2の実施の形態における制御部が奥行値を設定する処理手順を示したフローチャートである。
【図19】第3の実施の形態における制御部が構図を判別する処理手順を示すフローチャートである。
【図20】第4の実施の形態におけるテレビ受像装置のハードウェア各部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1の実施の形態
以下、第1の実施の形態を図を用いて説明する。図1は第1の実施の形態における映像生成装置により生成される映像を説明するための説明図である。
【0024】
本実施の形態における映像生成装置は、図1Aに示す鳥、木、太陽、空、雲、地面等の被写体により構成された2次元映像から3次元映像を生成するにあたり、一旦、2次元映像のエッジ強度及び動きの大きさに基づいて前景とその他の背景とを区分する。ここで前景とは、映像中で人が注目しやすい特徴量が高い領域と定義し、背景とは入力映像中の前景以外の領域と定義する。
【0025】
本実施の形態では、人が注目しやすい特徴量として、エッジの強度及び動きの大小を示す数値を用い、その数値が一定値以上か否かで前景か背景かを判定する。判定を行うことにより、図1Bに示すようにエッジが強い又は動きが大きい領域である鳥、及びエッジが強い領域である木が前景となり、背景と区分される。
【0026】
次に2次元映像の奥行値を設定する。まず2次元映像の全ての画素について、所定の計算により算出した基本奥行値を設定する。続いて、被写体の形状、大きさ又は動き等に合わせて設定された所定の奥行パタンに基づいて前景の奥行値を別途算出し、算出した奥行値を再設定する。設定及び再設定した奥行値に基づいて、視差の付いた3次元映像である左目用映像L及び右目用映像Rを生成する。
【0027】
また、図1Cに示すように動きの大きい領域である鳥を表す前景とその他の領域とを区分し、動きの強い領域について奥行値を再設定して3次元映像を生成する。
【0028】
奥行値の再設定の方法は、エッジ強度の強い画素の位置の分散値及び前景を構成する画素数等によって判別する。
【0029】
本実施の形態における映像生成装置、映像表示装置及びテレビ受像装置の構成について説明する。本実施の形態におけるテレビ受像装置及び映像表示装置は映像生成装置を含む。図2は、第1の実施の形態におけるテレビ受像装置の一構成例を示すブロック図である。
【0030】
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)等で構成され、映像のデータを処理できる演算回路を備え、ROM2に予め格納されている制御プログラムを適宜RAM3に読み出して実行する。その他、制御部1は、ROM2、RAM3、映像記憶部4、入力部5及び出力部6の動作を制御する。なおこれらは、それぞれバスを介して相互に接続されている。
【0031】
ROM2は、書き込み及び消去可能なEPROM(Erasable Programmable ROM)又はフラッシュメモリ等で構成され、映像生成装置が動作するために必要な種々の制御プログラムを予め格納してある。
【0032】
RAM3はSRAM又はフラッシュメモリ等であり、制御部1による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
【0033】
制御部1は、放送波の2次元映像が図示しない放送波受信アンテナから、放送波受信用のチューナ7に接続された入力部5を介して入力された場合、2次元映像のデータをRAM又はフラッシュメモリ等で構成される映像記憶部4に記憶する。2次元映像は、記録メディアを再生する再生装置から入力される映像でもよく、通信装置から入力される通信波の映像等でもよい。また、MPEG−2(Moving Picture Expert Group phase2)、MPEG−4(Moving Picture Expert Group phase4) 又はH.264等の圧縮された形式でもよく、非圧縮の形式でもよい。
【0034】
制御部1は、映像記憶部4に記憶された2次元映像のデータを順次読み出す。2次元映像が地上デジタル放送又はBSデジタル放送等の映像である場合は限定受信方式(B-CAS : BS Conditional Access System)の標準暗号であるMULTI2を復号する。2次元映像が圧縮された映像である場合は伸長し、アナログ映像である場合には、例えばMPEG−2TSのデジタル映像に変換する。
【0035】
制御部1は、後述する処理を行って3次元映像を生成する。また、3次元映像を表示部10で表示するための所定の方式に変換し、出力部6を介して、映像を表示する表示部10へ出力する。
【0036】
表示部10は、テレビ、情報処理端末のモニタの他、携帯電話機、PDA、ブックリーダ、ゲーム機又は音楽プレーヤのディスプレイ等であり、後述する処理により生成された映像を含む3次元映像を表示する。表示部10は、3次元映像の他に2次元映像も表示することができ、この場合は2次元映像又は3次元映像を表示するよう映像を切り替える図示しない映像切替部を備える。
【0037】
制御部1について説明する。図3は制御部1が処理を行う2次元映像を示す概念図であり、時系列の第(n−1)フレーム、第nフレーム及び第(n+1)フレームの映像を含む。
【0038】
各フレームの画素数は例えば1920×1080である。フレームの左上の点を原点とし、x列y行の位置における画素を(x,y)で表す。制御部1は2次元映像の各画素から、隣接する画素の濃淡の差が急激である画素を示す強エッジ画素を抽出する。
【0039】
第nフレームにおける画素(x,y)の画素値のRGB成分のうち、R成分をSnR(x,y)、G成分をSnG(x,y)、B成分をSnB(x,y)とする。制御部1は式(1)に示すように、SnR(x,y)、SnG(x,y)、SnB(x,y)にデジタル放送におけるISDB−T方式の輝度信号と同様の重み付けをした加重平均を取ることにより、グレースケール値Gn(x,y)を算出する。
【0040】
【数1】

【0041】
制御部1は、Gn(x,y)についてラプラシアンフィルタによる処理を行う。図4はラプラシアンフィルタを表す説明図である。ラプラシアンフィルタはグレースケール値Gn(x,y)にGn(x,y)を2次微分した値G”n(x,y)を加えることにより映像のエッジを先鋭にする処理である。
【0042】
図4Aに示すように例えば注目画素とその8近傍の画素からなる3×3の画素を考え、注目画素のグレースケール値Gn(x,y)をα0、8近傍の画素値をα1からα8とする。この画素に対し図4Bに示すように8方向のラプラシアンフィルタで処理を行う場合、2次微分値G”n(x,y)は式(2)で示される。
【0043】
【数2】

【0044】
制御部1は、ラプラシアンフィルタで処理を行うと、行方向及び列方向に隣接する画素の差分を各々算出し、各々の差分の2乗の和の平方根を算出する。このエッジ強度En(x,y)を全ての画素について算出する。
【0045】
【数3】

【0046】
画素(x,y)が列方向にj番目で行方向にk番目の5×5のブロックに属する場合、ブロックを構成する25画素のエッジ強度En(x,y)の平均値をEave(j,k)で表す。なお、xは5j−4から5j列までの画素に属し、yは5k−4から5k行までの画素に属するので、xとj、yとkには(4)及び(5)式が成り立つ。但し、jは0から384までの整数、kは0から216までの整数である。
【0047】
【数4】

【0048】
制御部1は、フレーム全体を5×5画素のブロックに分割し、Eave(j,k)を算出する。このように5×5画素のブロックに分割する理由は処理を簡易にし、また、ノイズを低減させるためである。
【0049】
図5はエッジ強度平均Eave(j,k)及び強エッジ画素情報Hn(x,y)を示す模式図である。図5Aはブロック単位に分割した2次元映像を示した模式図である。ブロックa1は鳥を表す映像を構成するブロックであり隣接する画素との画素値の差分が大きいので、エッジ強度平均Eave(j,k)の値が大きい。一方、ブロックa2は空を構成するブロックであり、隣接する画素との画素値の差分が小さいのでエッジ強度平均Eave(j,k)の値は小さい。
【0050】
制御部1は、(6)及び(7)式に示すようにエッジ強度平均Eave(j,k)が予め設定された閾値Th0以上である画素は強エッジ画素情報Hn(x,y)を1とし、閾値Th0未満である画素は強エッジ画素情報Hn(x,y)を0とする。
【0051】
強エッジ画素情報Hn(x,y)は後述する前景と背景との区分において用いられる。従って閾値Th0はエッジの強さの観点から2次元映像を前景と背景とに区分するのに適した値に設定してある。
【0052】
【数5】

【0053】
これにより、強エッジ画素情報Hn(x,y)の値からエッジの強い画素である強エッジ画素を抽出することができる。図5Bでは強エッジ画素情報Hn(x,y)が1である画素を白色、0である画素を黒色で示してある。
【0054】
なお、強エッジ画素情報Hn(x,y)を算出する手順は上述した手順に限らない。例えば、ブロック中の全画素のうち、閾値Th0以上のエッジ強度を持つ画素数が予め定められた数以上あるか否かによって強エッジ画素情報Hn(x,y)を算出してもよい。
【0055】
続いて、制御部1は、動きが大きい2次元映像を示す画素である動物体構成画素を抽出する。動きが大きい2次元映像は、画素値の変化が大きいと考えられる。従って、前後のフレームの画素値と比較して画素値の変化が大きい画素を、動きの大きい画素と考える。
【0056】
動物体構成画素情報Mn(x,y)を算出する手順について説明する。まず、(8)式に示すように、既に算出したグレースケール値Gn(x,y)及び第(n−1)フレームの画素の画素値をグレースケール変換したGn−1(x,y)の差分の絶対値である絶対差分情報Dn(x,y)を算出する。
【0057】
【数6】

【0058】
続いて絶対差分情報Dn(x,y)が予め設定された閾値Th1以上か否かを判定し、差分の絶対値が大きい画素であるか否かを示す高差分情報Bn(x,y)を算出する。(9)及び(10)式に示すように閾値Th1以上である画素は高差分情報Bn(x,y)を1とし、閾値Th1未満である画素は高差分情報Bn(x,y)を0とする。高差分情報Bn(x,y)は後述する前景と背景との区分において用いられる。従って閾値Th1は2次元映像における動きの大きさの観点から前景と背景とに区分するのに適した値に設定してある。
【0059】
【数7】

【0060】
図6は高差分情報Bn(x,y)及びBn+1(x,y)に基づく2値映像を示す模式図であり、図6Aは高差分情報Bn(x,y)が1である画素を白色、0である画素を黒色で示してある。
【0061】
次に、第(n+1)フレームについても前述した(8)(9)及び(10)式と同様の演算を行い、絶対差分情報Dn+1(x,y)を算出する。また、絶対差分情報Dn+1(x,y)に基づいて高差分情報Bn+1(x,y)を算出する。図6Bは高差分情報Bn+1(x,y)が1である画素を白色、0である画素を黒色で示してある。
【0062】
最後に(11)式に示すとおり、高差分領域Bn(x,y)及びBn+1(x,y)の論理積である動物体構成画素情報Mn(x,y)を算出する。
【0063】
【数8】

【0064】
動物体構成画素情報Mn(x,y)が1となる画素は画素値の変化が大きく、動物体構成画素情報Mn(x,y)が0となる画素は画素値の変化が小さい。従って動物体構成画素情報Mn(x,y)の値から動物体構成画素を抽出することができる。
【0065】
図6Cは動物体構成画素情報Mn(x,y)が1である領域を白色、0である領域を黒色で示してある。
【0066】
2次元映像における動きの大きい画素又はエッジの強い画素は、2次元映像を視る者が注目する被写体を示す画素であり、前景を構成すると考えられる。一方、その他の画素は背景を構成すると考えられる。
【0067】
制御部1は、動物体構成画素情報Mn(x,y)を求めた後、前景と背景とを区分し、前景を抽出するために、ラベリング処理を行う。制御部1は強エッジ領域情報Hn(x,y)が1である画素が連なった群に同じラベルを付ける。動物体構成画素情報Mn(x,y)が1である画素が連なった群にも同様の処理を行う。これにより前景を構成する画素を領域として抽出することができる。
【0068】
図7は第nフレームの映像を領域ごとに区分した映像を示す模式図である。制御部1は図7Aに示すように強エッジ領域情報Hn(x,y)が1となる領域b1からb4と、強エッジ領域情報En(x,y)が0となる領域b5とに区分し、図7Bは動物体構成画素情報Mn(x,y)の値が1となる領域b6と強エッジ領域情報Hn(x,y)が0となる領域b7とに区分する。
【0069】
次に、(12)式に示すとおり、強エッジ領域情報Hn(x,y)及び動物体構成画素情報Mn(x,y)の論理和を取ることにより、前景情報Pn(x,y)を算出する。
【0070】
前景情報Pn(x,y)が1である画素は、強エッジ領域情報Hn(x,y)が1となるb1からb4を構成する画素又は動物体構成画素情報Mn(x,y)が1となるb6を構成する画素であり、図7Cにて、前景情報Pn(x,y)が1である領域を白色、0である領域を黒色で示してある。
【0071】
【数9】

【0072】
なお、上記処理を行う際、所望の前景すべてが抽出されない場合がある。例えば、被写体である「人の顔」にピントがあっている顔のアップが撮影されている場合、人が注目しやすい領域は、ピントが合った「人の顔」全体であり、これを前景として抽出するのが望ましい。しかし、エッジがはっきりしている輪郭は前景として検出されやすいが、一方でエッジが比較的弱い頬や額等の一部は、背景と判断されやすい。従って本来前景であると判定されるべき「人の顔」を構成する画素であるにもかかわらず、一部背景と判定された領域が穴のように存在する場合がある。
【0073】
こうした場合に対処するため、制御部1は、適時モフォロジー処理(Morphological Operations)を行う。図8はモフォロジー処理を示す説明図である。説明のため、0または1の2値で表される7×7の画素を考える。
【0074】
図8Aのように画素値が1である画素の中に画素値0の画素がある場合、図8Bのように、一旦画素値が1である画素の4近傍にある画素の画素値を1に変更する膨張(Dilate)処理を行う。すると画素値が1である画素の群の中に存在した画素の画素値が0から1へと変更される。その後、図8Cに示すように、膨張させた画素値が1である画素の群における周辺を構成する画素の画素値を1から0へと変更する収縮(Erode)処理を行う。
【0075】
このモフォロジー処理により、穴のように存在する背景と判定された箇所を適切に前景とすることができる。なお、穴のように存在する背景と判定された箇所が大きい場合は、複数回膨張処理及び収縮処理を行うことにより前景とすることができる。
【0076】
続いて、制御部1は、2次元映像の構図を判別する。エッジの強い画素又は動きが大きい画素からなる領域は、映像の視聴者が注目する被写体が映っている領域であると考えてよい。制御部1は、エッジの強い画素又は動きが大きい画素の数または配置から、2次元映像における各被写体の大きさ、動き又は配置を判定し、映像の構図が複数のタイプのいずれであるかを判別する。
【0077】
本実施の形態では、構図には俯瞰から風景全体を被写体として収めた「俯瞰」タイプ、特定の被写体をクローズアップした「アップ」タイプ、及び前記「俯瞰」と「アップ」の中間であり、前景と背景をバランスよく収めた「バランス」タイプの3タイプがあると考える。
【0078】
「バランス」タイプは、人や動物又は建物等の主要な被写体が前景とそれ以外の背景が同程度存在している映像のタイプを指し、前景の画素数は比較的少ない。図9は各構図における前景と背景とを示す説明図である。図9Aは「バランス」タイプの映像を示す説明図であり、前景情報Pn(x,y)が1となる画素を白色、0となる画素を黒色で示している。
【0079】
一方、「アップ」タイプにおける被写体(例えば、人や動物の顔のアップ)は映像全体に占める割合が非常に大きいので、前景の画素数は比較的多い。図9Bは「アップ」タイプの映像を示す説明図であり、前景情報Pn(x,y)が1となる画素を白色、0となる画素を黒色で示している。
【0080】
また、「俯瞰」タイプにおける前景(例えば、街並み等の風景)の画素数も、「アップ」タイプ同様に比較的多いと判断される。図9Cは「俯瞰」タイプの映像を示す説明図であり、前景情報Pn(x,y)が1となる画素を白色、0となる画素を黒色で示している。
【0081】
そして、映像の構図が被写体のアップである場合は、被写体のアップが映る領域にエッジの強い画素が集中する。一方、映像の構図が俯瞰である場合は、多数の被写体が点在しているので、エッジの強い画素はフレーム全体に点在している。従って、エッジの強い画素の位置は「俯瞰」タイプの方が「アップ」タイプより分散している傾向が強い。
【0082】
制御部1が構図を判別する手順について説明する。制御部1は前景の画素を計数する。計数した結果、前景の画素数が予め設定された閾値Th2未満である場合は、構図は「バランス」タイプであると判別する。閾値Th2は前景を構成する画素の総数が、「アップ」タイプ及び「俯瞰」タイプの二者と、「バランス」タイプとを判別するのに適した値に設定してある。
【0083】
前景の画素数が閾値Th2以上である場合は、エッジ強度En(x,y)の値が予め設定された閾値Th3以上である画素を抽出する。閾値Th3(>Th0)は、映像の特徴的な被写体を構成する画素とその他の画素とを判別するのに適した値に設定してある。
【0084】
抽出したエッジ強度En(x,y)の値が閾値Th3以上である画素の座標の位置についての分散値σ1を算出する。
エッジ強度En(x,y)の値が閾値Th3以上である画素が(x1,y1)、(x2,y2)、…、(xm,ym)のm個ある場合、分散値σ1を以下の(13)式によって算出する。
【0085】
【数10】

【0086】
制御部1は、分散値σ1が閾値Th4以上か否かを判定する。制御部1は、分散値σ1が予め設定された閾値Th4以上である場合は、構図が「アップ」タイプであると判別する。分散値σ1が閾値Th4未満である場合は、構図が「俯瞰」タイプであると判別する。
【0087】
閾値Th4は、映像の構図が「アップ」タイプか「俯瞰」タイプかを判別するために適切な値に設定してある。
【0088】
制御部1は、2次元映像の構図を判別した後、消失点及び消失線を算出し、算出した消失点及び消失線に基づいて、さらに2次元映像の基本奥行値を算出する。
【0089】
まず、消失点及び消失線を算出する手順について説明する。制御部1は、エッジ強度En(x,y)の大きい画素を抽出する。エッジ強度En(x,y)の大きい画素は前述したエッジ強度En(x,y)の値が閾値Th3以上である画素と同じ画素である。
【0090】
制御部1は、エッジ強度En(x,y)の大きい画素のうち任意の1画素を選択して、その8近傍に在るエッジ強度En(x,y)の大きい画素を選択する。続いて、直近に選択した画素の8近傍にエッジ強度En(x,y)の大きい画素がある場合は、そのエッジ強度En(x,y)の大きい画素を選択する。8近傍にエッジ強度En(x,y)の大きい画素が複数ある場合は、最初に選択した1画素と最も遠い画素を選択する、という手順を繰り返す。
【0091】
このような手順により、選択した画素が線分状に並んだ群となった場合は、制御部1は画素の群の回帰直線を算出する。画素の群が2つ以上ある場合は、それら全ての回帰直線を算出する。
【0092】
算出した回帰直線のうち、任意の2本の回帰直線がなす角度が所定の角度以下の組み合わせがある場合は、2本の回帰直線は消失線であり、算出した複数の回帰直線の交点は消失点である。消失点及び消失線を算出した場合、制御部1は、基本奥行値を算出する。基本奥行値は0からdの値であり、消失点にあたる画素の奥行値をdとする。
【0093】
消失点はフレーム内に限らず、フレーム外に存在する場合もある。また、消失点から最も遠い位置にある画素(x,y)の奥行値が最も小さい。基本奥行値は各画素(x,y)の消失点からの距離を算出し、基本奥行値は消失点からの距離に反比例するように設定する。
【0094】
基本奥行値は他にも、構図やグレースケール値Gn(x,y)等に基づいて算出するようにしてもよい。例えば、水平線を境に海と空が映っている映像であれば、海と空とを構成する空間毎に異なる設定方法で奥行値を算出することが望ましく、一方、室内の映像であれば、映像全体について一律の設定方法でよい。従って、映像に応じて異なる基本奥行値の設定方法を行うことが望ましい。
【0095】
この場合、消失点以外の画素(x,y)の奥行値を算出するため、制御部1は、予めROM2に記憶させてあるテンプレートを読み出す。テンプレートは消失点の奥行値をdとし、また、消失点以外の2次元映像全体の各画素(x,y)における奥行値が設定されている。また、テンプレートは構図や、2次元映像の各画素のグレースケール値Gn(x,y)のヒストグラム等に関連付けられている。
【0096】
制御部1は、ROM2から読み出したテンプレートのうち、構図やグレースケール値Gn(x,y)等を用いて最適なテンプレートを選択し、消失点の位置を選択したテンプレートに一致させ、消失点以外の画素(x,y)の奥行値を算出する。
【0097】
制御部1は、基本奥行値を設定すると、構図に基づいて奥行値を再設定する。以下、奥行値を再設定する手順について説明する。
制御部1は、判別した結果、構図が「バランス」タイプである場合は、各前景b1からb4及びb6にて、各前景を構成する画素(x,y)のうち、yの値が最も大きい1画素の基本奥行値及び予め設定された奥行値のパタンに従って前景の奥行値を再設定する。
【0098】
ROM2には諸々の2次元の形状に奥行値が設定されてある複数のパタンのデータが記録されている。パタンの形状は、鳥、木、雲、人等を模した形状や、球形又は直方体等を2次元に投影した形状等があり、形状に合わせた奥行値が設定されている。
【0099】
再設定にあたって、制御部1は、ROM2よりパタンを読み出し、各前景b1からb4及びb6毎にそれぞれの形状、大きさ又は動き等に基づいてパタンとのマッチングを行い、適切なパタンを選択する。
【0100】
ここで、パタンに設定されてある奥行値はパタン内の相対的な奥行値を示すだけであるので、2次元映像に奥行値を再設定するにあたっては、各前景の基準となる2次元映像の奥行値が必要になる。そこで、各前景b1からb4及びb6毎に前景を構成する画素(x,y)のうちyの値が最も大きい1画素の基本奥行値を基準値とし、各前景b1からb4及びb6を構成する画素(x,y)の奥行値をパタンの奥行値を用いて再設定する。
【0101】
制御部1は、判別した結果、構図が「アップ」タイプである場合は、前景を構成する画素(x,y)の奥行値を第1奥行値DPfに再設定し、背景を構成する画素(x,y)は奥行値を第2奥行値DPgに再設定する。
【0102】
前景を構成する各画素の基本奥行値の平均値を第1奥行値DPf、背景を構成する各画素の基本奥行値の平均値を第2奥行値DPgとする。
【0103】
ここで、第1奥行値DPf及び第2奥行値DPgは、各前景の画素数又は分散値σ1に基づいて重みづけをした、基本奥行値の加重平均によって算出した値を用いてもよい。この場合は、前景を構成する画素数が多い場合は前景が全体的に手前側にあるとして、第1奥行値DPfが小さい値となるように設定する。また、分散値σ1が大きい場合は被写体を遠くから撮影していると考え、第1奥行値DPfと第2奥行値DPgとの差が小さくなるように設定する。
【0104】
「アップ」タイプの映像では、前景に焦点が合っており、背景は焦点の合っていない映像となることが多い。このような奥行感及び立体感をもたせた映像を生成するためには、前景の奥行と背景の奥行値に大きな差を付ける必要があるため、「バランス」タイプとは奥行値の設定方法が異なるように設定してある。
【0105】
制御部1は、判別した結果、構図が「俯瞰」タイプである場合は、動物体構成画素からなる前景b6のうち、例えばyの値が最も大きい1画素の基本奥行値を基準値とし、基本奥行値及び予め設定された奥行値のパタンに従って前景の奥行値を再設定する。
【0106】
「俯瞰」タイプの映像では、フレーム全体に焦点が合ったいわゆる全焦点と呼ばれる映像が多い。この場合、木や建物などの被写体は、前景を構成していても背景と大きく異ならない奥行値をとると考えられる。従って、前景のうち動物体構成画素のみ奥行値を再設定すればよい。
【0107】
前景における奥行値の再設定にて、3次元映像では動きの速い領域は手前にある領域であると考えられるので、動物体構成画素は、動きの速い領域ほど手前の奥行値となるように奥行値を算出し、再設定してもよい。
【0108】
また、複数の前景が重なる領域については処理の複雑さを回避するため、これら重なりのある各前景の奥行値のうち、最も手前側の奥行値を再設定してもよい。
【0109】
制御部1は、設定および再設定した奥行値に基づき、視差のある左目用映像L及び右目用映像Rの3次元映像を生成する。
【0110】
制御部1は、2次元映像の第nフレームにおける各画素について算出した奥行値に基づいて、視差の大きさを示すシフト量SFTn(x,y)を算出する。シフト量をSFTn(x,y)とし奥行値をDPn(x,y)とすると、制御部1は、奥行値とシフト量との関係を表す(14)式によりシフト量を算出する。シフト量SFTn(x,y)は−sからsまでの値に設定されている。
【0111】
【数11】

【0112】
なお、ここでは説明の為、奥行値とシフト量の対応付けに(14)式に示すような線形的変化を伴う式を用いたが、用いる式が非線形式であっても問題が無いことは言うまでも無い。また、予め0からdの各奥行値に対応するシフト量を記したルックアップテーブルを作成し、これを用いることとしても良い。
【0113】
次に、算出したシフト量SFTn(x,y)に応じて左目用映像L及び右目用映像Rを生成する。シフトについて、左目用映像Lは、SFTn(x,y)の値が正の場合は右方向に画素のシフトを行い、負の場合は左方向に画素のシフトを行う。一方、右目用映像Rについては、SFTn(x,y)の値が正の場合は左方向に画素のシフトを行い、負の場合は右方向に画素のシフトを行う。
【0114】
映像によって映像の一部分に有効な画素値が得られなくなる画素が発生する場合があるが、この画素については周囲の画素から補間を行い、有効な画素値を設定する。
【0115】
制御部1は、3次元映像を表示部10で表示するための所定の方式に変換し、出力部6を介して表示部10に出力する。
【0116】
図10は3次元映像を表示部10で表示するための所定の方式の例を示す模式図である。図10Aは左目用映像L及び右目用映像Rを示す模式図である。所定の方式には図10Bに示すように行方向の解像度を半分にした左目用映像L及び右目用映像Rを1つのフレームに収めたトップアンドボトム方式、図10Cに示すように列方向の解像度を半分にした左目用映像L及び右目用映像Rを1つのフレームに収めたサイドバイサイド方式、図10Dに示すように時間軸方向に左目用映像L及び右目用映像Rを重畳したフレームシーケンシャル方式等がある。
【0117】
第1の実施の形態における処理手順について説明する。図11は第1の実施の形態における制御部1の処理手順を示すフローチャートである。
【0118】
図示しない放送波受信アンテナから2次元映像が入力されると(ステップS10)、制御部1は、映像記憶部4に2次元映像のデータを記憶させる(ステップS12)。制御部1は、記憶させた2次元映像のデータを順次読み出す(ステップS14)。
【0119】
制御部1は、2次元映像の各画素について強エッジ画素を抽出し(ステップS16)、続いて、動物体構成画素を抽出する(ステップS18)。
【0120】
制御部1は、2次元映像の前景にラベリング処理を行い、前景と背景とを区分する(ステップS20)。
【0121】
制御部1は、2次元映像の構図を判別し(ステップS22)、各画素(x,y)の基本奥行値を算出し、設定する(ステップS24)。制御部1は構図に基づいて奥行値を再設定する(ステップS26)。
【0122】
制御部1は、奥行値に基づき、左目用映像L及び右目用映像Rの3次元映像を生成する(ステップS28)。
【0123】
制御部1は、生成した左目用映像L及び右目用映像Rを所定の方式に変換し(ステップS30)、出力部6を介して表示部10へ出力する(ステップS32)。
【0124】
こうした制御部1の処理手順のうち、一部の処理手順についてさらに説明する。まず、制御部1が強エッジ画素を抽出する処理手順(ステップS16)について説明する。図12は制御部1が強エッジ画素情報Hn(x,y)を算出する処理手順を示すフローチャートである。
【0125】
制御部1は、画素(x,y)のR成分SnR(x,y)、G成分SnG(x,y)、B成分SnB(x,y)に(1)式で示すように一定の重み付けをして加重平均をとり、グレースケール値Gn(x,y)を算出する(ステップS161)。
【0126】
さらに(2)式で示すラプラシアンフィルタによる処理を行い(ステップS162)、2次元映像のエッジを強調する。制御部1は、(3)式で示すエッジ強度En(x,y)を全ての画素について算出する(ステップS163)。
【0127】
制御部1は、フレーム全体を所定数のブロックに分割し(ステップS164)、画素(x,y)が属するブロックのエッジ強度En(x,y)の平均値であるEave(j,k)を算出する(ステップS165)。
【0128】
制御部1は、エッジ強度平均Eave(j,k)が予め設定された閾値Th0以上か否かを判定し、強エッジ画素情報Hn(x,y)を算出し、強エッジ画素情報Hn(x,y)が1である強エッジ画素を抽出する(ステップS166)。
【0129】
次に、制御部1が動物体構成画素情報Mn(x,y)を算出する処理手順(ステップS18)について説明する。図13は制御部1が動物体構成画素情報Mn(x,y)を算出する処理手順を示すフローチャートである。制御部1は、(8)式に示すようにグレースケール値Gn(x,y)及びGn−1(x,y)の差分の絶対値を取り、絶対差分情報Dn(x,y)を算出する(ステップS181)。
【0130】
続いて絶対差分情報Dn(x,y)が予め設定された閾値Th1以上か否かを判定し、差分の絶対値が大きい画素であるか否かを示す高差分情報Bn(x,y)を算出する(ステップS182)。
【0131】
制御部1は、同様の演算を行って、絶対差分情報Dn+1(x,y)を算出し(ステップS183)、高差分情報Bn+1(x,y)を算出し(ステップS184)、高差分領域Bn(x,y)及びBn+1(x,y)の論理積である動物体構成画素情報Mn(x,y)を算出し、動物体構成画素情報Mn(x,y)が1である動物体構成画素を抽出する(ステップS185)。
【0132】
また、制御部1が2次元映像の構図を判別する処理手順(ステップS22)について説明する。図14は制御部1が2次元映像の構図を判別する処理手順を示すフローチャートである。
【0133】
制御部1は、前景を構成する画素を計数し(ステップS221)、画素数が予め設定された閾値Th2以上か否かを判定する(ステップS222)。前景の画素数が閾値Th2未満である場合は(ステップS222でNO)、第nフレームの構図は「バランス」タイプであると判別する(ステップS223)。
【0134】
前景を構成する画素数が閾値Th2以上である場合は(ステップS222でYES)、エッジ強度En(x,y)の値が予め設定された閾値Th3以上である画素を抽出し(ステップS224)、(13)式で示す画素の位置についての分散値σ1を算出する(ステップS225)。
【0135】
制御部1は、分散値σ1が閾値Th4以上であるか否かを判定し(ステップS226)、分散値σ1が閾値Th4未満である場合は(ステップS226でNO)、構図が「アップ」タイプであると判別する(ステップS227)。分散値σ1が閾値Th4以上である場合は(ステップS226でYES)、構図が「俯瞰」タイプであると判別する(ステップS228)。
【0136】
続いて、制御部1が奥行値を再設定する処理手順(ステップS26)について説明する。図15は制御部1が奥行値を再設定する処理手順を示すフローチャートである。
【0137】
制御部1は前述した手順により決定した構図が「バランス」タイプか否かを判定する(ステップS261)。バランスタイプである場合は(ステップS261でYES)、各前景b1からb4及びb6毎にyの値が最も大きい1画素を選択し(ステップS262)、選択した1画素の基本奥行値を基準として用い、各前景b1からb4及びb6を構成する画素(x,y)の奥行値を再設定する(ステップS263)。
【0138】
構図が「バランス」タイプでない場合は(ステップS261でNO)、構図が「アップ」タイプであるか否かを判定する(ステップS264)。
【0139】
構図が「アップ」タイプの場合は(ステップS264でYES)、前景を構成する画素は奥行値を第1奥行値DPfに再設定し(ステップS265)、背景を構成する画素は奥行値を第2奥行値DPgに再設定する(ステップS266)。
【0140】
構図が「アップ」タイプでない場合は(ステップS264でNO)、「俯瞰」タイプであり、この場合はb6を構成する動物体構成画素のyの値が最も大きい1画素を選択し(ステップS267)、選択した1画素における基本奥行値及び予め設定された奥行値のパタンに従って、動物体構成画素の奥行値を再設定する(ステップS268)。
【0141】
制御部1が3次元映像を生成する処理手順(ステップS28)について説明する。図16は制御部1が3次元映像を生成する処理手順を示すフローチャートである。
【0142】
制御部1は、(14)式に示すように奥行値DPn(x,y)に対応する2次元映像のシフト量SFTn(x,y)を算出する(ステップS281)。次に、制御部1は、算出したシフト量SFTn(x,y)に応じて、2次元映像をシフトする(ステップS282)。ここで、画素のシフトによって映像の一部分に有効な画素値が得られなくなる画素を周囲の画素から補間を行い(ステップS283)、有効な画素値を設定する。
【0143】
本実施の形態における映像生成装置は、画面の構図、動きの大きさ、前景か背景かなどの要素を考慮して奥行値を算出するので、自然な3次元映像を生成することができる。
【0144】
第2の実施の形態
第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は構図が「アップ」タイプの場合、第1奥行値及び第2奥行値をそれぞれ常に一定の値に設定する。
【0145】
「アップ」タイプの映像では、前景を構成する画素における奥行値及び背景を構成する画素における奥行値に予め定められた一定の値を常に用いることで、奥行感及び立体感をもたせた映像を生成することができる場合がある。また、奥行値に常に一定値を用いることで制御部1の処理を簡易にすることができる。
【0146】
従って本実施の形態における制御部1は、構図が「アップ」タイプの場合は基本奥行値の設定を行わず、前景及び背景の奥行値をそれぞれ一定値に設定する。
【0147】
本実施の形態における制御部1について説明する。放送波受信アンテナから2次元映像が入力されると、制御部1は、映像記憶部4に2次元映像のデータを記憶させる。制御部1は記録させた2次元映像のデータを順次読み出す。
【0148】
制御部1は、強エッジ画素及び動物体構成画素を抽出し、2次元映像の前景にラベリング処理を行い、前景と背景とを区分する。制御部1は、前景情報Pn(x,y)及びエッジ強度En(x,y)に基づき、奥行値を設定する。
【0149】
制御部1は、前景の画素を計数し、画素数が予め設定された閾値Th2以上か否かを判定する。前景の画素数が閾値Th2未満である場合は、構図は「バランス」タイプであるので、制御部1は、基本奥行値を生成し、さらに前景の奥行値を再設定する。
【0150】
前景の画素数が閾値Th2以上である場合は、エッジ強度En(x,y)の値が閾値Th3以上である画素を抽出し、これらの画素の位置についての分散値σ1を算出する。
【0151】
制御部1は、分散値σ1が閾値Th4以上であるか否かを判定し、分散値σ1が閾値Th4以上である場合は、構図が「アップ」タイプであるので、前景を構成する画素には一定値である第1奥行値DPfを設定し、背景を構成する画素には一定値である第2奥行値DPgを設定する。
【0152】
分散値σ1が閾値Th4未満である場合は、構図が「俯瞰」タイプであるので、基本奥行値を算出して設定し、さらに動物体構成画素の奥行値を再設定する。
【0153】
制御部1は、奥行値DPn(x,y)に基づき、左目用映像L及び右目用映像Rの3次元映像を生成し、生成した左目用映像L及び右目用映像Rを適式な方式に変換し、出力部6を介して表示部に送信する。表示部10は3次元映像を表示する。
【0154】
本実施の形態における制御部1の処理手順について説明する。図17は第2の実施の形態における制御部1の処理手順を示すフローチャートである。放送波受信アンテナから2次元映像が入力されると(ステップS40)、制御部1は、映像記憶部4に2次元映像のデータを記憶させる(ステップS42)。制御部1は記憶させた2次元映像のデータを順次読み出す(ステップS44)。
【0155】
制御部1は、2次元映像の各フレームの各画素について強エッジ画素を抽出する(ステップS46)。また、動物体構成画素を抽出する(ステップS48)。
【0156】
制御部1は、2次元映像の前景にラベリング処理を行う。また、強エッジ領域情報Hn(x,y)及び動物体構成画素情報Mn(x,y)の論理和を取ることにより、前景情報Pn(x,y)を算出し、前景と背景とを区分する(ステップS50)。
【0157】
制御部1は、構図を判別し、判別した構図に基づいて奥行値を算出し、設定する(ステップS52)。
【0158】
制御部1は、奥行値に基づき、左目用映像L及び右目用映像Rの3次元映像を生成する(ステップS54)。制御部1は、生成した左目用映像L及び右目用映像Rを所定の方式に変換し(ステップS56)、出力部6を介して表示部10へ出力する(ステップS58)。
【0159】
制御部1が奥行値を設定する処理手順(ステップS52)についてさらに説明する。図18は第2の実施の形態における制御部1が奥行値を設定する処理手順を示したフローチャートである。
【0160】
制御部1は、前景を構成する画素を計数し(ステップS521)、画素数が予め設定された閾値Th2以上か否かを判定する(ステップS522)。
【0161】
前景の画素数が閾値Th2未満である場合は(ステップS522でNO)、構図は「バランス」タイプであるので、制御部1は基本奥行値を設定し(ステップS523)、前景を構成する画素(x,y)のうち、yの値が最も大きい画素である1画素を選択し(ステップS524)、さらに前景の奥行値を再設定する(ステップS525)。
【0162】
前景の画素数が閾値Th2以上である場合は(ステップS522でYES)、エッジ強度En(x,y)の値が閾値Th3以上である画素を抽出し(ステップS526)、これらの画素の位置についての分散値σ1を算出する(ステップS527)。
【0163】
制御部1は、分散値σ1が閾値Th4以上であるか否かを判定し(ステップS528)、分散値σ1が閾値Th4以上である場合は(ステップS528でYES)、構図が「アップ」タイプであるので、前景情報には奥行値DPfを設定し(ステップS529)、背景情報には奥行値DPgを設定する(ステップS530)。
【0164】
分散値σ1が閾値Th4未満である場合は(ステップS528でNO)、構図は「俯瞰」タイプであるので、基本奥行値を設定し(ステップS531)、動物体構成画素のうち、yの値が最も大きい画素である1画素を選択し(ステップS532)、さらに動物体構成画素の奥行値を再設定する(ステップS533)。
【0165】
本実施の形態は、「アップ」タイプの映像では、前景の奥行値及び背景の奥行値にそれぞれ一定の値を用いることで奥行感及び立体感をもたせた映像を生成することができ、また、制御部1の処理を簡易にすることができる。
【0166】
第3の実施の形態
第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態は、制御部1が行う構図を判別する処理手順が第1の実施の形態における処理手順(ステップS22)と異なる。本実施の形態は、映像の構図を判別するにあたり、全画素のエッジ強度の分散値を用いるので、映像の構図を正確に判別することができる。
【0167】
本実施における制御部1は、2次元映像の構図を判別するにあたり、まず、前景を構成する画素の画素を計数する。計数した画素数が予め設定された閾値Th2以上か否かを判定する。前景の画素数が閾値Th2未満である場合は、構図は「バランス」タイプであると判別する。
【0168】
前景の画素数が閾値Th2以上である場合は、(15)式に従い、全画素のエッジ強度En(x,y)の値の分散値σ2を算出する。
【0169】
【数12】

【0170】
映像が被写体のアップである場合は、被写体が移っている領域にエッジの強い画素が集中する。一方、映像が俯瞰の映像である場合は、多数の被写体が点在しているので、エッジの強い画素はフレーム全体に点在している。
【0171】
従って、被写体のアップの映像は俯瞰の映像よりもエッジ強度En(x,y)の分散値σ2が一般的に大きいと考えられる。
【0172】
分散値σ2が閾値Th5以上であるか否かを判定し、分散値σ2が閾値Th5以上である場合は、構図が「アップ」タイプであると判別する。分散値σ2が閾値Th5未満である場合は、構図が「俯瞰」タイプであると判別する。
【0173】
次に、本実施の形態における、制御部1が構図を判別する処理手順について説明する。図19は第3の実施の形態における制御部1が構図を判別する処理手順を示すフローチャートである。
【0174】
制御部1は、前景の画素を計数し(ステップS621)、画素数が予め設定された閾値Th2以上か否かを判定する(ステップS622)。前景の画素数が閾値Th2未満である場合は(ステップS622でNO)、第nフレームの構図は「バランス」タイプであると判別する(ステップS623)。
【0175】
前景の画素数が閾値Th2以上である場合は(ステップS622でYES)、全画素のエッジ強度En(x,y)の分散値σ2を算出する(ステップS624)。
【0176】
分散値σ2が閾値Th5以上であるか否かを判定し(ステップS625)、分散値σ2が閾値Th5未満である場合は(ステップS625でNO)、構図が「アップ」タイプであると判別する(ステップS626)。分散値σ2が閾値Th5以上である場合は(ステップS625でYES)、構図が「俯瞰」タイプであると判別する(ステップS627)。
【0177】
本実施の形態によれば、映像の構図を判別するにあたり、全画素のエッジ強度の分散値を用いるので、映像の構図を正確に判別することができる。
【0178】
第4の実施の形態
図20は第4の実施の形態におけるテレビ受像装置のハードウェア各部を示すブロック図である。制御部1を動作させるためのプログラムは、ディスクドライブ等の読取部9に、CD−ROM、DVDディスクまたはUSBメモリ等の可搬型記録媒体20Aを読み取らせてROM2に記憶する。
【0179】
ここで、当該プログラムは、当該プログラムを記憶したフラッシュメモリ等の半導体メモリ20Bを制御部1内に実装してもよく、インターネット等の通信網Nを介して通信部8と接続される図示しない他のサーバコンピュータからダウンロードしてもよい。
【0180】
図20に示す制御部1は、上述した各種ソフトウェア処理を実行するプログラムを可搬型記録媒体又は半導体メモリから読み取り、或いは、通信網Nを介して図示しない他のサーバコンピュータからダウンロードする。当該プログラムは制御プログラムとしてインストールされ、ROM2にロードして実行される。これにより、上述した制御部1として機能する。
【0181】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0182】
例えば、本発明における構図は、前述した3つのタイプに限らず、被写体の大きさ、動き又は配置等に基づいて他の構図を設けてもよい。
【0183】
一方、制御部1は構図の判別を行わなくてもよい。この場合制御部1は、強エッジ領域情報Hn(x,y)及び動物体構成画素情報Mn(x,y)により前景を構成する画素を抽出し、抽出した画素の奥行値を前述した方法により再設定して、3次元映像を生成するようにしてもよい。
【0184】
また、強エッジ領域情報Hn(x,y)及び動物体構成画素情報Mn(x,y)は、グレースケール値Gn(x,y)の代わりに画素値SnR(x,y)、SnG(x,y)、SnB(x,y)の一若しくは複数を用い、この画素値が所定の閾値以上か否かの判定を行うことにより算出してもよい。絶対差分情報Dn(x,y)は、3以上のフレームにおける画素(x,y)のグレースケール値に基づいて算出してもよいし、3以上のフレームにおけるR、G、B成分の画素値の一若しくは複数を用いて算出してもよい。勿論、SnR(x,y)、SnG(x,y)、SnB(x,y)に示されるRGB色空間情報を、HSVやYUVなどに代表される他の色空間に変換した上で用いることが可能なことは言うまでも無い。
【符号の説明】
【0185】
1 制御部
2 ROM
3 RAM
4 映像記憶部
5 入力部
6 出力部
7 チューナ
8 通信部
9 読取部
10 表示部
20A 可搬型記録媒体
20B 半導体メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素によって構成される2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成する映像生成装置において、
前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出部、
該第1差分算出部で算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出部、
前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出部、
該第2差分算出部で算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出部及び
前記第1抽出部及び第2抽出部の抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出部
を備えることを特徴とする映像生成装置。
【請求項2】
前記第1差分算出部で算出した差分が前記第1閾値より大きい所定の第3閾値以上である画素を抽出する第3抽出部及び
該第3抽出部で抽出した各画素が存在する位置の分散の程度を示す位置の分散値を算出する分散値算出部をさらに備え、
前記奥行算出部は、前記分散値算出部で算出した位置の分散値と、前記第1抽出部又は第2抽出部で抽出された画素の総数とに基づいて前記奥行値を算出するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の映像生成装置。
【請求項3】
前記第1差分算出部で算出した差分の分散値を算出する第2分散値算出部をさらに備え、
前記奥行算出部は、前記第2分散値算出部で算出した各画素の差分の分散値と、前記第1抽出部又は第2抽出部で抽出された画素の総数とに基づいて前記奥行値を算出するよう構成してある
ことを特徴とする請求項1に記載の映像生成装置。
【請求項4】
前記1から3のいずれか1つに記載の映像生成装置及び
該映像生成装置により生成された前記3次元映像を表示する表示部を備える
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項5】
2次元映像を含むテレビ放送波を受信するチューナ部、
該チューナ部により受信した2次元映像に基づき3次元映像を生成する請求項1から3のいずれか1つに記載の映像生成装置及び
該映像生成装置により生成された前記3次元映像を表示する表示部
を備えることを特徴とするテレビ受像装置。
【請求項6】
複数の画素によって構成される2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成する映像生成方法において、
前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出ステップ、
該第1差分算出ステップで算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出ステップ、
前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出ステップ、
該第2差分算出ステップで算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出ステップ及び
前記第1抽出ステップ及び第2抽出ステップの抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出ステップ
を備えることを特徴とする映像生成方法。
【請求項7】
複数の画素によって構成される該2次元映像の各画素に対応する奥行を示す奥行値を算出して3次元映像を生成させるコンピュータプログラムにおいて、
前記2次元映像を構成する各画素の画素値と該各画素に隣接する画素の画素値との差分を算出する第1差分算出ステップ、
該第1差分算出ステップで算出した差分が所定の第1閾値以上である画素を抽出する第1抽出ステップ、
前記2次元映像を構成する各画素の一のフレームにおける画素値と他のフレームにおける画素値との差分を算出する第2差分算出ステップ、
該第2差分算出ステップで算出した差分が所定の第2閾値以上である画素を抽出する第2抽出ステップ及び
前記第1抽出ステップ及び第2抽出ステップの抽出結果に基づいて前記2次元映像の各画素に対応する奥行値を算出する奥行算出ステップ
を含む処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−4989(P2013−4989A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−130600(P2011−130600)
【出願日】平成23年6月10日(2011.6.10)
【特許番号】特許第5047381号(P5047381)
【特許公報発行日】平成24年10月10日(2012.10.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】