映像編集装置およびその制御方法
【課題】 映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像とする。
【解決手段】 映像編集装置であって、編集対象映像から不要区間の映像を抽出(203)し、抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を決定(206)し、決定された映像を前記不要区間に挿入する(207)。
【解決手段】 映像編集装置であって、編集対象映像から不要区間の映像を抽出(203)し、抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を決定(206)し、決定された映像を前記不要区間に挿入する(207)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を編集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影に熟練していない人が撮影を行う際、手ブレなどの失敗映像が多々記録される。そのため映像編集時に、失敗映像部分をカットまたは修正する編集がよく行われている。不要区間を削除する処理として、手ブレの量が所定の値より大きい動画像は記録しない又は削除するという処理が行われている。(特許文献1参照)
しかし、失敗映像部分をカットし、そのまま繋げる編集を行うと、オブジェクトが瞬間的に移動してしまったように感じるジャンプカットのような違和感が生じてしまう場合がある。そのため映像編集において時間的に不連続な映像を違和感なく繋げるために、インサートカットと呼ばれる前後の映像とは異なる映像を挿入する手法が、一般的に良く行われている。映像の一部を挿入する処理として、ユーザが選んだ映像から挿入する映像を決定するという処理が行われている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−160637号公報
【特許文献2】特開2008−22519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2の場合、ユーザが選んだ映像によっては、不要区間前後の映像との繋がりが不自然になってしまうことがある。例えば、挿入した映像に、不要区間前後に存在していたオブジェクトが存在していると、映像の繋ぎ目の部分で、オブジェクトが瞬間的に移動したように見えてしまい、不自然である。
そこで本発明では、上記問題を解決し、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
編集対象映像から不要区間の映像を抽出する抽出手段と、前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定手段と、前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】映像編集装置のハードウェア構成図
【図2】映像編集装置の概略を示した機能ブロック図
【図3】オブジェクト情報の一例を表した表
【図4】背景情報の一例を表した表
【図5】背景の類似判定の処理を説明する図
【図6】映像編集装置の映像編集処理の概要を説明する図
【図7】映像編集処理の一連の処理の詳細を説明するフローチャート
【図8】挿入映像決定処理の詳細を説明するフローチャート
【図9】映像編集装置の映像編集処理の概要を説明する図
【図10】挿入映像決定処理の一連の処理の詳細説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
(実施形態1)
実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の映像編集装置のハードウェア構成例である。ハードディスクドライブ101は、映像データやオブジェクト情報、背景情報などのデータを蓄積する。ROM102は、プログラム格納用として用いられる。後述するフローの処理プログラムもここに格納される。RAM103は、プログラム実行時に用いられる。CPU104は、映像編集装置を統括する制御部である。後述するフローの処理もCPU104で制御される。入力機器105は、映像編集装置がユーザーからの入力を受け付ける際に用いられる。ディスプレイ106は、映像編集装置からの出力結果を表示するのに用いられる。バス107は、上記ハードディスクドライブ101、ROM102、RAM103、CPU104、入力機器105、ディスプレイ106を接続するデータ線である。
【0010】
尚、以降では、動画像のことを映像と呼び、静止画像のことを画像と呼ぶ。途中、図3および図4を用いて、オブジェクト情報および背景情報について説明し、図5を用いて本実施形態における背景の類似判定処理について説明する。
【0011】
図2は本実施形態の映像編集装置の概略を示した機能ブロック図である。記憶媒体201は、データを蓄積するハードディスク101などから成り、映像データ、オブジェクト情報、背景情報などを蓄積する。
【0012】
図3にオブジェクト情報の一例を示す。ID301は、オブジェクトを検出した映像を特定するための情報である。タイムスタンプ302は、オブジェクトを検出したフレームの時間情報で、単位はミリ秒である。303と304はオブジェクトの画面上の位置のx座標とy座標で、単位はピクセルである。305は検出したオブジェクトの領域の面積で、ピクセル数で表す。
【0013】
306は、オブジェクトの色相の情報である。例えばオブジェクト領域のRGBの色分布情報などが上げられる。エッジ情報307は、オブジェクトのエッジの情報を示す画像データである。例えば、この画像307は、フレーム画像のオブジェクト領域を二値化し細線化した画像データである。ただし、上記エッジの情報を示すものであれば、他の方法でエッジ情報を取得しても構わない。
【0014】
図4に背景情報の一例を示す。ID401は、背景を検出した映像を特定するための情報である。タイムスタンプ402は、背景を検出したフレームの時間情報で、単位はミリ秒である。403は、背景の色相の情報である。エッジ情報404は、上記エッジ情報307と同様のエッジの情報である。これも、上記エッジの情報を示すものであれば、種々の方法でエッジ情報を取得して構わない。
【0015】
引き続き図2に基づいて本実施形態の映像編集装置の概略を説明する。映像編集装置202は、映像の不要区間を削除し、削除した区間に他のデータを挿入する映像編集を行う。不要区間抽出部203は、編集対象映像の不要区間を抽出する。不要区間抽出部203では、手ブレの激しい区間、明る過ぎる区間、または暗過ぎる区間などを不要区間として抽出する。例えば、手ブレの激しい区間は、各フレームの動きベクトルの平均と頻度分布の分散値から検出する。また、明る過ぎる区間と暗過ぎる区間は、フレーム画像の輝度の平均値があらかじめ定めた上限値以上または下限値以下かどうかで判定する。また、ユーザーが不要区間を抽出しても良い。尚、これらは一例でありこれらに限るものではない。
【0016】
オブジェクト判定部204は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間の直前および直後の映像に存在するオブジェクトと同一のオブジェクトが存在する映像か判定する。オブジェクトの弁別は、オブジェクトの色相情報306またはエッジ情報307をパターンマッチングすることによって行う。例えば、オブジェクトの領域を予め定めた規定数のブロックに分割し、分割したブロックごとに色の分布が一致するか判定する。一致したブロックが、予め定めた規定値以上の割合の場合同一オブジェクトと判定する。尚、これはオブジェクト弁別の方法の一例であり、これに限るものではない。
【0017】
尚、不要区間直前および直後の映像のオブジェクトとして、不要区間直前および直後のフレーム1枚だけに存在するオブジェクトだけを用いても良いし、不要区間直前および直後のフレームから規定フレーム数前およびフレーム数後に存在するオブジェクトを用いても良い。また、不要区間内であってもオブジェクトが特定できれば、不要区間内のオブジェクトを用いてもよく、要は不要区間のオブジェクトに対応するオブジェクトであればよい。
【0018】
背景判定部205は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間の直前または直後の映像の背景と類似する背景の映像か判定する。背景の弁別は、背景の色相情報403またはエッジ情報404をパターンマッチングすることにより行う。例えば、背景領域を予め定めた規定数のブロックに分割し、分割したブロックごとに色の分布が一致するか判定する。一致したブロックが、予め定めた規定値以上の割合の場合同一オブジェクトと判定する。尚、これは背景弁別の方法の一例であり、これに限るものではない。
【0019】
尚、不要区間直前および直後の映像の背景として、不要区間直前および直後のフレーム1枚だけに存在する背景だけを用いても良いし、不要区間直前および直後のフレームから予め定めた規定フレーム数前およびフレーム数後の背景を用いても良い。また、不要区間内であっても背景が特定できれば、不要区間内のオブジェクトを用いてもよく、要は不要区間の背景に対応する背景であればよい。
【0020】
図5に基づいて、背景の類似判定処理を説明する。フレーム画像502、503は、フレーム画像501の時より少しズームインして撮影して得られた画像である。領域504は、フレーム画像502とフレーム画像503の重なり部分を示す。フレーム画像502とフレーム画像503を用いて、部分的にパターンマッチングを行うと、重なり部分504の領域がマッチする。このマッチした領域が予め定めた規定値以上の場合、フレーム画像502とフレーム画像503を類似した背景と判定する。
【0021】
また、フレーム画像511は、フレーム画像502よりズームインして撮影したフレーム画像となる。フレーム画像502とフレーム画像511のどちらか一方を拡大または縮小しパターンマッチングを行う。一致した際の拡大率または縮小率が予め定めた規定値未満の場合、フレーム画像502とフレーム画像511は類似した背景の映像と判定する。
【0022】
挿入映像決定部206は、オブジェクト判定部204および背景判定部205によって、同一オブジェクトが存在せず、かつ類似する背景ではないと判定された素材映像を、不要映像を削除した区間へ挿入する映像と決定する。尚、オブジェクト判定部204か背景判定部205の一方のみの構成で、一方の判定によって決定させてもよい。
【0023】
尚、挿入する映像として、映像ファイル単位で決定しても良いし、映像を時間的に区切った映像区間で決定しても良い。
【0024】
また、挿入する映像を決定する素材映像の範囲を限定してもよい。例えば、編集対象映像の撮影時刻から、予め定めた規定値だけ前後させた撮影時刻内の映像に限定してもよい。このように限定することにより、不要区間直前および直後の映像と時間的に近く、関連の強い映像から挿入する映像が可能となる。検討
また、背景の判断を行わず、不要区間直前または直後に存在するオブジェクトと同一オブジェクトが存在する映像や、類似した背景の映像に限定したり、同一オブジェクトが存在しない画像に限定してもよいし、さらに背景の判断と組み合わせてもよい。
【0025】
例えば、同一の背景で、オブジェクトが存在しない画像に限定することは有効である。これによって、風景のみの画像が選択されるようにすることもできる。
【0026】
また、オブジェクトを認識するようにして、挿入する画像のオブジェクトは人以外にするようにし、背景は同じ画像に限定してもよい。
【0027】
ここでは、挿入する映像を不要区間の映像と類似しない映像にすることにより、上述したような違和感を感じないようすることが有効である。
【0028】
このように限定することにより、不要区間直前および直後の映像と時間的に離れていても、関連のある映像から、挿入する映像を決定することが可能となる。
【0029】
尚、単一の機器で撮影した映像だけではなく、複数の機器で再生した映像や、ネットワーク上の映像を挿入する映像の素材映像としてもよい。
【0030】
引き続き図2に基づいて本実施形態の映像編集装置の概略を説明する。映像削除挿入部207は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間を削除し、削除した区間に、挿入映像決定部206によって決定された映像を挿入する編集を行う。表示部208は、映像削除挿入部207で映像編集された映像データを表示する。
【0031】
本実施形態における処理例を、図6を用いて説明する。
【0032】
本件を用いて映像編集を行う前後の映像のスクリーンショットを示す。オブジェクトA601は映像内で検出されたオブジェクトである。602〜604は、映像編集前の映像のスクリーンショットである。605は不要区間直前のフレームである。606は不要区間直後のフレームである。607は挿入映像決定部206によって決定された挿入映像のスクリーンショットである。オブジェクトB608は映像内で検出されたオブジェクトである。不要区間抽出部203によって、スクリーンショット603の部分が激しい手ブレのため不要区間として抽出される。オブジェクト判定部204によって、不要区間直前のオブジェクトをフレーム605から、不要区間直後のオブジェクトをフレーム606から検出し、映像607に同一のオブジェクトが存在するか判定する。
【0033】
尚、不要区間直前および直後のオブジェクトを、フレーム605およびフレーム606から検出したが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、不要区間直前のオブジェクトを、フレーム605から規定フレーム数遡ったフレームまでの間の複数のフレームから検出しても良い。
【0034】
背景判定部205によって、フレーム605から不要区間直前の背景を、フレーム606から不要区間直後の背景を検出し、映像607が類似した背景の映像かを判定する。尚、不要区間直前および直後の背景を、フレーム605およびフレーム606から検出したが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、不要区間直前の背景を、フレーム605から規定フレーム数遡ったフレームまでの間の複数のフレームから検出しても良い。
【0035】
挿入映像決定部206は、オブジェクト判定部204および背景判定部205の判定結果に基づき、映像602と映像604のオブジェクト及び背景とは異なる映像607を、挿入する映像として決定する。映像削除挿入部207は、不要区間603を削除し、削除した区間に、映像607を挿入する映像編集を行う。
【0036】
このように挿入する映像を決定し挿入することにより、編集後も自然な繋がりの映像にすることが可能となる。
【0037】
図7に、本実施形態における映像編集装置202の映像編集処理のフローチャートを示す。
【0038】
映像編集処理を開始すると、編集対象映像を記録媒体201から読み出し、手ブレの激しい区間を不要区間として抽出する(S701)。尚、本実施形態では、手ぶれの激しい区間を不要区間として抽出したが、明る過ぎる区間、暗すぎる区間を抽出しても良い。また、ユーザーが抽出しても良い。
【0039】
映像削除挿入部207は、挿入する映像として用いる素材映像の範囲を、編集対象映像の撮影時刻から規定時間前後させた撮影時刻内の素材映像とする(S702)。尚、本実施形態では、挿入する映像を編集対象映像の撮影時刻から規定時間前後させた撮影時刻内の素材映像としたが、同一オブジェクトが存在する素材映像や、類似した背景の素材映像を挿入する映像としても良い。また、ユーザーが決定しても良い。
【0040】
撮影挿入映像決定部206は、決定した範囲の素材映像内から、挿入する映像を決定する挿入映像決定処理を行う(S703)。挿入映像決定処理の詳細は、図8を用いて後で説明する。
【0041】
映像削除挿入部207は、不要区間を削除し、不要区間を削除した区間に、挿入映像決定部206で決定した映像を挿入する映像編集を行い(S704)、映像編集処理を終了する。図8に、実施形態1の挿入映像決定処理のフローチャートを示す。挿入映像決定処理を開始する。ステップS702で決定した範囲内の素材映像で、撮影時刻が最も編集対象映像に近い映像を候補映像とする(S801)。
【0042】
オブジェクト判定部204は、不要区間抽出部203によって抽出された不要区間の直前および直後の映像に存在するオブジェクトと、候補映像に存在するオブジェクトが同一のオブジェクトかを判定する(S802)。
【0043】
ステップS802において同一のオブジェクトが存在した場合、ステップS702において決定した範囲内に、撮影時刻が、現候補映像の次に編集対象に近い素材映像があるか判定する(S803)。撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が存在する場合(S803)、候補映像を現候補映像の次に、撮影時刻が、編集対象の撮影時刻に近い素材映像にし(S804)、ステップS802へ移行する。
【0044】
撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が存在しない場合(S803)、ステップS702において決定した範囲内の素材映像で、編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像を(S805)、挿入映像決定処理を終了する。
【0045】
尚、ここで挿入する映像を、ステップS702で決定した範囲内の素材映像で、編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像としたが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、撮影時刻が、編集対象に最も近い素材映像としても良い。
【0046】
同一のオブジェクトが存在しなかった場合(S802)、背景判定部205で、不要区間抽出部203によって抽出された不要区間直前および直後の映像の背景と、候補映像の背景が類似するか判定する(S806)。もし類似する背景だった場合(S806)、ステップS803へ移行する。類似しない背景だった場合(S806)、候補映像を挿入する映像と決定し(S807)、挿入映像決定処理を終了する。
【0047】
尚、素材映像を撮影映像が編集対象に次に近いものから候補映像としているが、候補映像を選ぶ方法はこれに限るものではない。例えば、撮影時間が新しい素材映像から候補映像として選択しても良い。
【0048】
以上説明したように、実施形態1によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【0049】
(実施形態2)
実施形態2を図面に基づいて説明する。基本的な構成は図1〜図4で説明した実施形態1と同じである。以降、実施形態1に準ずる箇所は、説明を割愛する。
【0050】
実施形態2では、実施形態1の挿入映像決定処理で挿入する映像が素材映像内に存在しなかった場合、映像のフレーム内を空間的に切り取る加工処理を行うことによって挿入映像を生成する処理を行う。
【0051】
図9を用いて、映像の加工処理例を説明する。
【0052】
映像901は、挿入する映像の加工前の映像である。背景902は、不要区間前後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景である。領域903は、切り出し範囲である。スクリーンショット904は、映像901に加工処理を行った後の映像のスクリーンショットである。
【0053】
挿入映像決定部206によって、挿入する映像を、映像901の背景のうち、不要区間前後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景ではない領域903の部分を切り出した映像に決定する。映像削除挿入部207では、挿入映像決定部206によって決定された切り出し範囲903を、映像901からを切り出し拡大する加工処理を行うことにより、挿入する映像703を生成し、挿入する。
【0054】
このように挿入する映像を決定し、映像を挿入することにより、編集後も自然な繋がりの映像にすることが可能となる。
【0055】
尚、この処理は一例である。加工後の挿入する映像が、不要区間の直前および直後に存在するオブジェクトが存在せず、背景が類似していない映像に加工されていれば、この例に限られない。
【0056】
図10に実施形態2における挿入映像決定処理のフローチャートを示す。
【0057】
実施形態2では、撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が無いと判定した場合(S803)、ステップS702において決定した範囲内の素材映像のなかで、不要区間直前および直後の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像を加工対象映像とする(S1001)。
【0058】
尚、ここで加工対象映像を編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像としたが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、撮影時刻が編集対象に最も近い素材映像を加工対象映像としても良い。
【0059】
不要区間直前および直後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景ではない、加工対象映像の背景の一部を切り出し拡大した部分を挿入する映像とし(S1002)、挿入映像決定処理を終了する。
【0060】
尚、本実施形態では、加工処理として、映像の領域を切り出し拡大する処理を行っているが、これは一例であり、これに限るものではない。
【0061】
以上実施形態2で説明したように、このように構成し処理することにより、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を加工して挿入することにより、編集後の映像が自然な映像となる効果を得られる。
【0062】
以上、実施形態1、2によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【0063】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【技術分野】
【0001】
本発明は映像を編集する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影に熟練していない人が撮影を行う際、手ブレなどの失敗映像が多々記録される。そのため映像編集時に、失敗映像部分をカットまたは修正する編集がよく行われている。不要区間を削除する処理として、手ブレの量が所定の値より大きい動画像は記録しない又は削除するという処理が行われている。(特許文献1参照)
しかし、失敗映像部分をカットし、そのまま繋げる編集を行うと、オブジェクトが瞬間的に移動してしまったように感じるジャンプカットのような違和感が生じてしまう場合がある。そのため映像編集において時間的に不連続な映像を違和感なく繋げるために、インサートカットと呼ばれる前後の映像とは異なる映像を挿入する手法が、一般的に良く行われている。映像の一部を挿入する処理として、ユーザが選んだ映像から挿入する映像を決定するという処理が行われている。(特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−160637号公報
【特許文献2】特開2008−22519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献2の場合、ユーザが選んだ映像によっては、不要区間前後の映像との繋がりが不自然になってしまうことがある。例えば、挿入した映像に、不要区間前後に存在していたオブジェクトが存在していると、映像の繋ぎ目の部分で、オブジェクトが瞬間的に移動したように見えてしまい、不自然である。
そこで本発明では、上記問題を解決し、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
編集対象映像から不要区間の映像を抽出する抽出手段と、前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定手段と、前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】映像編集装置のハードウェア構成図
【図2】映像編集装置の概略を示した機能ブロック図
【図3】オブジェクト情報の一例を表した表
【図4】背景情報の一例を表した表
【図5】背景の類似判定の処理を説明する図
【図6】映像編集装置の映像編集処理の概要を説明する図
【図7】映像編集処理の一連の処理の詳細を説明するフローチャート
【図8】挿入映像決定処理の詳細を説明するフローチャート
【図9】映像編集装置の映像編集処理の概要を説明する図
【図10】挿入映像決定処理の一連の処理の詳細説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
(実施形態1)
実施形態1を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の映像編集装置のハードウェア構成例である。ハードディスクドライブ101は、映像データやオブジェクト情報、背景情報などのデータを蓄積する。ROM102は、プログラム格納用として用いられる。後述するフローの処理プログラムもここに格納される。RAM103は、プログラム実行時に用いられる。CPU104は、映像編集装置を統括する制御部である。後述するフローの処理もCPU104で制御される。入力機器105は、映像編集装置がユーザーからの入力を受け付ける際に用いられる。ディスプレイ106は、映像編集装置からの出力結果を表示するのに用いられる。バス107は、上記ハードディスクドライブ101、ROM102、RAM103、CPU104、入力機器105、ディスプレイ106を接続するデータ線である。
【0010】
尚、以降では、動画像のことを映像と呼び、静止画像のことを画像と呼ぶ。途中、図3および図4を用いて、オブジェクト情報および背景情報について説明し、図5を用いて本実施形態における背景の類似判定処理について説明する。
【0011】
図2は本実施形態の映像編集装置の概略を示した機能ブロック図である。記憶媒体201は、データを蓄積するハードディスク101などから成り、映像データ、オブジェクト情報、背景情報などを蓄積する。
【0012】
図3にオブジェクト情報の一例を示す。ID301は、オブジェクトを検出した映像を特定するための情報である。タイムスタンプ302は、オブジェクトを検出したフレームの時間情報で、単位はミリ秒である。303と304はオブジェクトの画面上の位置のx座標とy座標で、単位はピクセルである。305は検出したオブジェクトの領域の面積で、ピクセル数で表す。
【0013】
306は、オブジェクトの色相の情報である。例えばオブジェクト領域のRGBの色分布情報などが上げられる。エッジ情報307は、オブジェクトのエッジの情報を示す画像データである。例えば、この画像307は、フレーム画像のオブジェクト領域を二値化し細線化した画像データである。ただし、上記エッジの情報を示すものであれば、他の方法でエッジ情報を取得しても構わない。
【0014】
図4に背景情報の一例を示す。ID401は、背景を検出した映像を特定するための情報である。タイムスタンプ402は、背景を検出したフレームの時間情報で、単位はミリ秒である。403は、背景の色相の情報である。エッジ情報404は、上記エッジ情報307と同様のエッジの情報である。これも、上記エッジの情報を示すものであれば、種々の方法でエッジ情報を取得して構わない。
【0015】
引き続き図2に基づいて本実施形態の映像編集装置の概略を説明する。映像編集装置202は、映像の不要区間を削除し、削除した区間に他のデータを挿入する映像編集を行う。不要区間抽出部203は、編集対象映像の不要区間を抽出する。不要区間抽出部203では、手ブレの激しい区間、明る過ぎる区間、または暗過ぎる区間などを不要区間として抽出する。例えば、手ブレの激しい区間は、各フレームの動きベクトルの平均と頻度分布の分散値から検出する。また、明る過ぎる区間と暗過ぎる区間は、フレーム画像の輝度の平均値があらかじめ定めた上限値以上または下限値以下かどうかで判定する。また、ユーザーが不要区間を抽出しても良い。尚、これらは一例でありこれらに限るものではない。
【0016】
オブジェクト判定部204は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間の直前および直後の映像に存在するオブジェクトと同一のオブジェクトが存在する映像か判定する。オブジェクトの弁別は、オブジェクトの色相情報306またはエッジ情報307をパターンマッチングすることによって行う。例えば、オブジェクトの領域を予め定めた規定数のブロックに分割し、分割したブロックごとに色の分布が一致するか判定する。一致したブロックが、予め定めた規定値以上の割合の場合同一オブジェクトと判定する。尚、これはオブジェクト弁別の方法の一例であり、これに限るものではない。
【0017】
尚、不要区間直前および直後の映像のオブジェクトとして、不要区間直前および直後のフレーム1枚だけに存在するオブジェクトだけを用いても良いし、不要区間直前および直後のフレームから規定フレーム数前およびフレーム数後に存在するオブジェクトを用いても良い。また、不要区間内であってもオブジェクトが特定できれば、不要区間内のオブジェクトを用いてもよく、要は不要区間のオブジェクトに対応するオブジェクトであればよい。
【0018】
背景判定部205は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間の直前または直後の映像の背景と類似する背景の映像か判定する。背景の弁別は、背景の色相情報403またはエッジ情報404をパターンマッチングすることにより行う。例えば、背景領域を予め定めた規定数のブロックに分割し、分割したブロックごとに色の分布が一致するか判定する。一致したブロックが、予め定めた規定値以上の割合の場合同一オブジェクトと判定する。尚、これは背景弁別の方法の一例であり、これに限るものではない。
【0019】
尚、不要区間直前および直後の映像の背景として、不要区間直前および直後のフレーム1枚だけに存在する背景だけを用いても良いし、不要区間直前および直後のフレームから予め定めた規定フレーム数前およびフレーム数後の背景を用いても良い。また、不要区間内であっても背景が特定できれば、不要区間内のオブジェクトを用いてもよく、要は不要区間の背景に対応する背景であればよい。
【0020】
図5に基づいて、背景の類似判定処理を説明する。フレーム画像502、503は、フレーム画像501の時より少しズームインして撮影して得られた画像である。領域504は、フレーム画像502とフレーム画像503の重なり部分を示す。フレーム画像502とフレーム画像503を用いて、部分的にパターンマッチングを行うと、重なり部分504の領域がマッチする。このマッチした領域が予め定めた規定値以上の場合、フレーム画像502とフレーム画像503を類似した背景と判定する。
【0021】
また、フレーム画像511は、フレーム画像502よりズームインして撮影したフレーム画像となる。フレーム画像502とフレーム画像511のどちらか一方を拡大または縮小しパターンマッチングを行う。一致した際の拡大率または縮小率が予め定めた規定値未満の場合、フレーム画像502とフレーム画像511は類似した背景の映像と判定する。
【0022】
挿入映像決定部206は、オブジェクト判定部204および背景判定部205によって、同一オブジェクトが存在せず、かつ類似する背景ではないと判定された素材映像を、不要映像を削除した区間へ挿入する映像と決定する。尚、オブジェクト判定部204か背景判定部205の一方のみの構成で、一方の判定によって決定させてもよい。
【0023】
尚、挿入する映像として、映像ファイル単位で決定しても良いし、映像を時間的に区切った映像区間で決定しても良い。
【0024】
また、挿入する映像を決定する素材映像の範囲を限定してもよい。例えば、編集対象映像の撮影時刻から、予め定めた規定値だけ前後させた撮影時刻内の映像に限定してもよい。このように限定することにより、不要区間直前および直後の映像と時間的に近く、関連の強い映像から挿入する映像が可能となる。検討
また、背景の判断を行わず、不要区間直前または直後に存在するオブジェクトと同一オブジェクトが存在する映像や、類似した背景の映像に限定したり、同一オブジェクトが存在しない画像に限定してもよいし、さらに背景の判断と組み合わせてもよい。
【0025】
例えば、同一の背景で、オブジェクトが存在しない画像に限定することは有効である。これによって、風景のみの画像が選択されるようにすることもできる。
【0026】
また、オブジェクトを認識するようにして、挿入する画像のオブジェクトは人以外にするようにし、背景は同じ画像に限定してもよい。
【0027】
ここでは、挿入する映像を不要区間の映像と類似しない映像にすることにより、上述したような違和感を感じないようすることが有効である。
【0028】
このように限定することにより、不要区間直前および直後の映像と時間的に離れていても、関連のある映像から、挿入する映像を決定することが可能となる。
【0029】
尚、単一の機器で撮影した映像だけではなく、複数の機器で再生した映像や、ネットワーク上の映像を挿入する映像の素材映像としてもよい。
【0030】
引き続き図2に基づいて本実施形態の映像編集装置の概略を説明する。映像削除挿入部207は、不要区間抽出部203で抽出した不要区間を削除し、削除した区間に、挿入映像決定部206によって決定された映像を挿入する編集を行う。表示部208は、映像削除挿入部207で映像編集された映像データを表示する。
【0031】
本実施形態における処理例を、図6を用いて説明する。
【0032】
本件を用いて映像編集を行う前後の映像のスクリーンショットを示す。オブジェクトA601は映像内で検出されたオブジェクトである。602〜604は、映像編集前の映像のスクリーンショットである。605は不要区間直前のフレームである。606は不要区間直後のフレームである。607は挿入映像決定部206によって決定された挿入映像のスクリーンショットである。オブジェクトB608は映像内で検出されたオブジェクトである。不要区間抽出部203によって、スクリーンショット603の部分が激しい手ブレのため不要区間として抽出される。オブジェクト判定部204によって、不要区間直前のオブジェクトをフレーム605から、不要区間直後のオブジェクトをフレーム606から検出し、映像607に同一のオブジェクトが存在するか判定する。
【0033】
尚、不要区間直前および直後のオブジェクトを、フレーム605およびフレーム606から検出したが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、不要区間直前のオブジェクトを、フレーム605から規定フレーム数遡ったフレームまでの間の複数のフレームから検出しても良い。
【0034】
背景判定部205によって、フレーム605から不要区間直前の背景を、フレーム606から不要区間直後の背景を検出し、映像607が類似した背景の映像かを判定する。尚、不要区間直前および直後の背景を、フレーム605およびフレーム606から検出したが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、不要区間直前の背景を、フレーム605から規定フレーム数遡ったフレームまでの間の複数のフレームから検出しても良い。
【0035】
挿入映像決定部206は、オブジェクト判定部204および背景判定部205の判定結果に基づき、映像602と映像604のオブジェクト及び背景とは異なる映像607を、挿入する映像として決定する。映像削除挿入部207は、不要区間603を削除し、削除した区間に、映像607を挿入する映像編集を行う。
【0036】
このように挿入する映像を決定し挿入することにより、編集後も自然な繋がりの映像にすることが可能となる。
【0037】
図7に、本実施形態における映像編集装置202の映像編集処理のフローチャートを示す。
【0038】
映像編集処理を開始すると、編集対象映像を記録媒体201から読み出し、手ブレの激しい区間を不要区間として抽出する(S701)。尚、本実施形態では、手ぶれの激しい区間を不要区間として抽出したが、明る過ぎる区間、暗すぎる区間を抽出しても良い。また、ユーザーが抽出しても良い。
【0039】
映像削除挿入部207は、挿入する映像として用いる素材映像の範囲を、編集対象映像の撮影時刻から規定時間前後させた撮影時刻内の素材映像とする(S702)。尚、本実施形態では、挿入する映像を編集対象映像の撮影時刻から規定時間前後させた撮影時刻内の素材映像としたが、同一オブジェクトが存在する素材映像や、類似した背景の素材映像を挿入する映像としても良い。また、ユーザーが決定しても良い。
【0040】
撮影挿入映像決定部206は、決定した範囲の素材映像内から、挿入する映像を決定する挿入映像決定処理を行う(S703)。挿入映像決定処理の詳細は、図8を用いて後で説明する。
【0041】
映像削除挿入部207は、不要区間を削除し、不要区間を削除した区間に、挿入映像決定部206で決定した映像を挿入する映像編集を行い(S704)、映像編集処理を終了する。図8に、実施形態1の挿入映像決定処理のフローチャートを示す。挿入映像決定処理を開始する。ステップS702で決定した範囲内の素材映像で、撮影時刻が最も編集対象映像に近い映像を候補映像とする(S801)。
【0042】
オブジェクト判定部204は、不要区間抽出部203によって抽出された不要区間の直前および直後の映像に存在するオブジェクトと、候補映像に存在するオブジェクトが同一のオブジェクトかを判定する(S802)。
【0043】
ステップS802において同一のオブジェクトが存在した場合、ステップS702において決定した範囲内に、撮影時刻が、現候補映像の次に編集対象に近い素材映像があるか判定する(S803)。撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が存在する場合(S803)、候補映像を現候補映像の次に、撮影時刻が、編集対象の撮影時刻に近い素材映像にし(S804)、ステップS802へ移行する。
【0044】
撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が存在しない場合(S803)、ステップS702において決定した範囲内の素材映像で、編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像を(S805)、挿入映像決定処理を終了する。
【0045】
尚、ここで挿入する映像を、ステップS702で決定した範囲内の素材映像で、編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像としたが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、撮影時刻が、編集対象に最も近い素材映像としても良い。
【0046】
同一のオブジェクトが存在しなかった場合(S802)、背景判定部205で、不要区間抽出部203によって抽出された不要区間直前および直後の映像の背景と、候補映像の背景が類似するか判定する(S806)。もし類似する背景だった場合(S806)、ステップS803へ移行する。類似しない背景だった場合(S806)、候補映像を挿入する映像と決定し(S807)、挿入映像決定処理を終了する。
【0047】
尚、素材映像を撮影映像が編集対象に次に近いものから候補映像としているが、候補映像を選ぶ方法はこれに限るものではない。例えば、撮影時間が新しい素材映像から候補映像として選択しても良い。
【0048】
以上説明したように、実施形態1によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【0049】
(実施形態2)
実施形態2を図面に基づいて説明する。基本的な構成は図1〜図4で説明した実施形態1と同じである。以降、実施形態1に準ずる箇所は、説明を割愛する。
【0050】
実施形態2では、実施形態1の挿入映像決定処理で挿入する映像が素材映像内に存在しなかった場合、映像のフレーム内を空間的に切り取る加工処理を行うことによって挿入映像を生成する処理を行う。
【0051】
図9を用いて、映像の加工処理例を説明する。
【0052】
映像901は、挿入する映像の加工前の映像である。背景902は、不要区間前後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景である。領域903は、切り出し範囲である。スクリーンショット904は、映像901に加工処理を行った後の映像のスクリーンショットである。
【0053】
挿入映像決定部206によって、挿入する映像を、映像901の背景のうち、不要区間前後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景ではない領域903の部分を切り出した映像に決定する。映像削除挿入部207では、挿入映像決定部206によって決定された切り出し範囲903を、映像901からを切り出し拡大する加工処理を行うことにより、挿入する映像703を生成し、挿入する。
【0054】
このように挿入する映像を決定し、映像を挿入することにより、編集後も自然な繋がりの映像にすることが可能となる。
【0055】
尚、この処理は一例である。加工後の挿入する映像が、不要区間の直前および直後に存在するオブジェクトが存在せず、背景が類似していない映像に加工されていれば、この例に限られない。
【0056】
図10に実施形態2における挿入映像決定処理のフローチャートを示す。
【0057】
実施形態2では、撮影時刻が次に編集対象に近い素材映像が無いと判定した場合(S803)、ステップS702において決定した範囲内の素材映像のなかで、不要区間直前および直後の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像を加工対象映像とする(S1001)。
【0058】
尚、ここで加工対象映像を編集対象の背景と最も類似していない背景を持つ素材映像としたが、これは一例であり、これに限るものではない。例えば、撮影時刻が編集対象に最も近い素材映像を加工対象映像としても良い。
【0059】
不要区間直前および直後の映像に存在するオブジェクトの近傍の背景ではない、加工対象映像の背景の一部を切り出し拡大した部分を挿入する映像とし(S1002)、挿入映像決定処理を終了する。
【0060】
尚、本実施形態では、加工処理として、映像の領域を切り出し拡大する処理を行っているが、これは一例であり、これに限るものではない。
【0061】
以上実施形態2で説明したように、このように構成し処理することにより、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を加工して挿入することにより、編集後の映像が自然な映像となる効果を得られる。
【0062】
以上、実施形態1、2によれば、映像の不要区間を削除した区間に他の映像を挿入する映像編集を行う際、編集後の映像が自然な映像となるような編集を可能とする効果を得られる。
【0063】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
編集対象映像から不要区間の映像を抽出する抽出手段と、
前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定手段と、
前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入手段と
を備えることを特徴とする映像編集装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記挿入する映像を、前記不要区間の映像と類似しない映像に決定することを特徴とする請求項1に記載の映像編集装置。
【請求項3】
前記不要区間の映像に対応する画像に存在するオブジェクトが存在する映像かを判定するオブジェクト判定手段と、
前記不要区間の映像に対応する画像の背景と類似する背景を有する映像かを判定する背景判定手段とを更に有し、
前記決定手段は、少なくとも前記オブジェクト判定手段と、前記背景判定手段の一方による判定結果に基づいて映像を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の映像編集装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記オブジェクト判定手段によって前記不要区間の映像に対応する画像に存在するオブジェクトが存在しないと判定され、かつ、前記背景判定手段によって前記不要区間の映像に対応する画像の背景と類似する背景を有する映像でないと判定された映像を挿入する映像と決定することを特徴とする請求項3に記載の映像編集装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記編集対象映像のうち、前記不要区間の映像に時間的に近い映像を前記挿入する映像と決定することを特徴とする請求項1から4に記載の映像編集装置。
【請求項6】
前記不要区間の映像に対応する画像とは、前記編集対象映像の前記不要区間の映像の直前と直後のフレーム画像であることを特徴とする請求項1から5に記載の映像編集装置。
【請求項7】
前記不要区間の映像とは、少なくとも手ブレの激しい区間、明るすぎる区間、暗すぎる区間のいずれかであることを特徴とする請求項1から6に記載の映像編集装置。
【請求項8】
映像の一部を切り出す加工手段をさらに有し、
前記決定手段は、加工手段によって加工された映像を挿入する映像として決定することを特徴とする請求項1から7に記載の映像編集装置。
【請求項9】
映像から不要区間の映像を抽出する抽出工程と、
前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定工程と、
前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入工程と
を備えることを特徴とする映像編集装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の映像編集装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項1】
編集対象映像から不要区間の映像を抽出する抽出手段と、
前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定手段と、
前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入手段と
を備えることを特徴とする映像編集装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記挿入する映像を、前記不要区間の映像と類似しない映像に決定することを特徴とする請求項1に記載の映像編集装置。
【請求項3】
前記不要区間の映像に対応する画像に存在するオブジェクトが存在する映像かを判定するオブジェクト判定手段と、
前記不要区間の映像に対応する画像の背景と類似する背景を有する映像かを判定する背景判定手段とを更に有し、
前記決定手段は、少なくとも前記オブジェクト判定手段と、前記背景判定手段の一方による判定結果に基づいて映像を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の映像編集装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記オブジェクト判定手段によって前記不要区間の映像に対応する画像に存在するオブジェクトが存在しないと判定され、かつ、前記背景判定手段によって前記不要区間の映像に対応する画像の背景と類似する背景を有する映像でないと判定された映像を挿入する映像と決定することを特徴とする請求項3に記載の映像編集装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記編集対象映像のうち、前記不要区間の映像に時間的に近い映像を前記挿入する映像と決定することを特徴とする請求項1から4に記載の映像編集装置。
【請求項6】
前記不要区間の映像に対応する画像とは、前記編集対象映像の前記不要区間の映像の直前と直後のフレーム画像であることを特徴とする請求項1から5に記載の映像編集装置。
【請求項7】
前記不要区間の映像とは、少なくとも手ブレの激しい区間、明るすぎる区間、暗すぎる区間のいずれかであることを特徴とする請求項1から6に記載の映像編集装置。
【請求項8】
映像の一部を切り出す加工手段をさらに有し、
前記決定手段は、加工手段によって加工された映像を挿入する映像として決定することを特徴とする請求項1から7に記載の映像編集装置。
【請求項9】
映像から不要区間の映像を抽出する抽出工程と、
前記抽出された不要区間の映像に対応する画像に基づいて、前記不要区間に挿入する映像を前記編集対象映像から決定する決定工程と、
前記決定された映像を前記不要区間に挿入する挿入工程と
を備えることを特徴とする映像編集装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の映像編集装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のコンピュータプログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−55409(P2013−55409A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190685(P2011−190685)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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