映像蓄積視聴システム、装置、映像の蓄積・再生方法およびプログラム
【課題】 快適に映像データを視聴できるよう、使用する映像視聴端末に応じて映像蓄積装置を切り換えることのできる構成・方法の提供。
【解決手段】 映像蓄積視聴システムは、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含む。前記ユーザからの蓄積指示は、前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達される。ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴する。
【解決手段】 映像蓄積視聴システムは、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含む。前記ユーザからの蓄積指示は、前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達される。ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像蓄積視聴システム、映像の蓄積・再生方法およびプログラムに関し、特に、複数の映像視聴端末のいずれかを選択して、録画した映像データを視聴できる映像蓄積視聴システム、映像の蓄積・再生方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像を記録する手段としてPVR(パーソナルビデオレコーダ)やDVDビデオレコーダが知られている。このPVRは、一般的には自宅内のテレビ受信装置に接続して設置されることが多く、放送装置または映像配信サーバから送出された映像データを視聴者の操作または録画予約手続きに従い蓄積する(図14のステップS901、S902)。視聴者は、テレビ受信装置などの映像視聴端末(図13の第1の映像視聴端末902)で、PVR(第1の映像蓄積装置903)に蓄積された映像データを再生できる(図14のステップS903、S904)。ここで、視聴者が蓄積された映像データを別の映像視聴端末、例えば、携帯端末に持ち出して自宅の外で視聴したい場合、PVRから携帯端末(第2の映像視聴端末904)に前記蓄積された映像データを移動させる必要がある(図14のステップS906)。また、上記のように予め映像データの移動をしていない場合、ネットワークを介して携帯端末から自宅のPVRにアクセスし、視聴したい映像データを配信してもらうことも考えられるが、視聴者の自宅からネットワークへのアップリンク回線のデータ伝送能力には一般に限界があり、視聴者の期待通りに円滑に視聴することは困難である。
【0003】
特許文献1には、自宅内に設置された複数の受信機と映像録画装置とを屋内配線された高速デジタル伝送路で接続し、映像録画装置での録画の際に、視聴制御用の付加情報を追加して映像データを録画する構成が開示されている。特許文献1によると、視聴者は、高速デジタル伝送路を介して付加情報の追加された映像データの移動を行うことで、ある部屋に設置された受信機で、別の部屋の映像録画装置に録画された映像データを視聴することが可能になる。また特許文献1では、このような構成を持つことで、屋内に設置されたいずれの受信機でも途切れのない視聴を実現できるとされている。
【0004】
特許文献2〜4には、ネットワーク上に映像データの蓄積を行う映像蓄積装置を配置した構成が開示されている。図15と図16は、特許文献2〜4の共通の構成と動作を説明する図である。この構成では、例えば自宅内に設置した第1の映像視聴端末902と屋外に持ち出した第2の映像視聴端末904のいずれから視聴する場合でも必ず第2のネットワーク107経由で映像データを転送することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−224794号公報
【特許文献2】特許第3551921号公報
【特許文献3】特許第4024215号公報
【特許文献4】特開2004−80190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜4の技術を用いれば、ユーザは、映像蓄積装置の物理的な位置に捉われることなく、録画した映像を視聴することが可能になるが、映像視聴端末の場所により、映像品質や応答性能を保証できない状況が生じるという問題点がある。
【0007】
例えば、特許文献1の受信機と映像録画装置の組を自宅外に設置すれば、理論上、自宅外でも映像データを視聴することは可能であるが、特許文献1にいうような高速デジタル伝送路が利用できる保証はなく映像データの移動のために応答性能に影響が出ることは免れない。また、特許文献4には、コンテンツ蓄積センターを複数配置した構成やコンテンツ蓄積サーバや受信機の組み合わせを変えた種々の実施形態が開示されているが、いずれの実施形態であっても、必ずネットワークを経由して映像データを伝送するため、ネットワークの帯域や伝送遅延などの影響を受けてしまう。
【0008】
本発明は、上記した各事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、快適に映像データを視聴できるよう、使用する映像視聴端末に応じて映像蓄積装置を切り換えることのできる映像蓄積視聴システム、映像視聴端末、映像蓄積装置、映像の蓄積・再生方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含み、前記ユーザからの蓄積指示が前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達され、ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴可能である映像蓄積視聴システムが提供される。
【0010】
また、本発明の第2の視点によれば、ユーザからの蓄積指示を前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達する映像視聴端末または映像蓄積装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の視点によれば、前記ユーザからの蓄積指示が、ユーザの管理下にある第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置された第2の映像蓄積装置との双方に伝達され、前記第1、第2の映像蓄積装置が、前記蓄積指示にて指定された映像データをそれぞれ蓄積し、前記ユーザが第1の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置が前記第1の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力し、また前記ユーザが第2の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置が前記第2の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力する映像の蓄積および再生方法が提供される。本方法は、上記した第1、第2の映像蓄積装置および視聴端末という、特定の機械に結びつけられている。
【0012】
本発明の第4の視点によれば、上記した第1、第2の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、種々の映像視聴端末を使用して、それぞれ快適に映像データを視聴することが可能となる。その理由は、ユーザからの蓄積指示をネットワーク経由で映像データを配信する映像蓄積装置とは別に、ネットワークを経由せずに視聴端末に映像データを出力できる映像蓄積装置を用意し、それぞれ映像蓄積装置に蓄積指示を与え、いずれからでも視聴できる構成を採用したことにある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の構成を表した図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の構成を表した図である。
【図9】本発明の第5の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図10】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の例を表した図である。
【図11】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の別の例を表した図である。
【図12】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の別の例を表した図である。
【図13】一台の映像蓄積装置(パーソナルビデオレコーダ)に対し、2台の映像視聴端末がある構成を表した図である。
【図14】図13の構成の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図15】特許文献2〜4に共通する構成を表した図である。
【図16】図15の構成の動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに本発明の概要について説明する。本発明は、図1に示すように、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末102からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置103と、第2のネットワーク107経由でユーザの第2の映像視聴端末104からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末104からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置105と、を含む構成にて実現することができる。ユーザからの蓄積指示は、前記第1、第2の映像蓄積装置103、105の双方に伝達される。ユーザが第1の映像視聴端末102から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置103が前記第1の映像視聴端末102に前記蓄積した映像データを出力する。一方、ユーザが第2の映像視聴端末104から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置105が前記第2の映像視聴端末104に前記蓄積した映像データを出力する。
【0016】
これにより、ユーザが、その管理下にある第1の映像蓄積装置103に蓄積された映像データについては、第1の映像視聴端末102にてネットワークの影響を受けずに快適に視聴することが可能になる。また、ユーザは、第2の映像視聴端末104を用いて、同一の蓄積指示にて蓄積された映像データを視聴することも可能である。前記第2の映像視聴端末104は、第2のネットワーク107を介して第2の映像蓄積装置105に接続可能であるので、第1の映像視聴端末102よりも地理的な制約を受けずに映像データを視聴することが可能である。
【0017】
また、ある視聴者がある映像データを視聴した時の視聴制御情報を、第1、第2の映像蓄積装置103、105間または第1、第2の映像視聴端末102、104間で共有することも望ましい。これら視聴制御情報の共有により、同じ視聴者が時間や場所を隔てて同じ映像データを視聴する際に、前回までに視聴した部分の続きから視聴を再開するなどの便利な視聴機能を提供することが可能になる。さらには、視聴者単位または視聴者グループ単位でこの視聴制御情報を管理してもよい。また、視聴制御情報の内容としては、映像データ毎の視聴履歴のみならず、視聴者が付与したブックマーク、映像蓄積装置や映像視聴端末において生成されたインデックスデータやダイジェスト視聴用制御データ等を含めてもよい。
【0018】
また、複数の視聴者がそれぞれ前記第2の映像蓄積装置105を利用できるようにする場合、これら複数の視聴者に、それぞれの蓄積指示に応じて映像データへのアクセス権を付与することで、第2の映像蓄積装置105における映像データの蓄積に要する容量を節約することができる。
【0019】
また、前記第1、第2の映像蓄積装置103、105のうちの一方を、他方のバックアップとして用いることも可能である。例えば、各人が利用可能な容量などの関係から、前記第2の映像蓄積装置105に蓄積した映像データの削除操作を行った後、再度、当該映像データを第2の映像視聴端末104で視聴したいというような場合、第1の映像蓄積装置103に同一映像データが蓄積されていることを条件に、当該視聴者に第2の映像蓄積装置105の該当映像データへのアクセス権を付与するといったことも可能である。
【0020】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。図1を参照すると、第1のネットワーク106を介して映像配信装置101と接続された第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105と、第1の映像蓄積装置103と接続された第1の映像視聴端末102と、第2のネットワーク107を介して第2の映像蓄積装置105と接続可能な第2の映像視聴端末104とが示されている。
【0021】
映像配信装置101は、第1のネットワーク106を経由して第1の映像蓄積装置103と第2の映像蓄積装置105に複数の映像データを供給する。複数の映像データとしては、例えば、各チャンネルの映像が該当する。
【0022】
以下の説明では、第1の映像視聴端末102は、デジタルテレビジョン装置であるものとし、第2の映像視聴端末104は、第2のネットワーク107を介して動画データを受信し、再生する機能を備えた携帯端末であるものとする。
【0023】
第1の映像蓄積装置103と第2の映像蓄積装置105はそれぞれ異なる場所に設置される。第1の映像蓄積装置103は、ユーザの自宅等、ユーザの管理下に設置され、ネットワークの状況に関係なく速やかに蓄積した映像データを第1の映像視聴端末102に転送できるよう接続される。例えば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)にて両者を接続する構成を採用することができる。
【0024】
一方、第2の映像蓄積装置105は、第2の映像視聴端末104からのアクセス容易性を担保できるよう第2のネットワーク107上に設置される。第2のネットワークとしては、各種のモバイルネットワークが選択される。
【0025】
なお映像配信装置101からの映像の供給の仕組みは、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。第1のネットワーク106における映像伝送の仕組みも当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
【0026】
第1の映像視聴端末102は、視聴者から映像データの蓄積要求を受け付けると、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、映像データの蓄積を指示する(図1の破線参照)。なお、第1の映像蓄積装置103に供給された複数の映像データの中からどの映像データを蓄積するかの選択は、映像配信装置101または第1の映像視聴端末102から提供される電子番組表(EPG)等から選択する方法などを採用すればよい。
【0027】
同様に第2の映像視聴端末104も、視聴者から映像データの蓄積要求を受け付けると、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、映像データの蓄積を指示する(図1の破線参照)。
【0028】
第1の映像蓄積装置103は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、前記第1の映像視聴端末102または第2の映像視聴端末104から蓄積指示された映像データを蓄積する。ある映像データが前記蓄積された後に、第1の映像視聴端末102から第1の映像蓄積装置103に該映像データの視聴要求の指示を与えると、第1の映像蓄積装置103は、該映像データを第1の映像視聴端末102に転送し、第1の映像視聴端末102で該映像データを再生表示する。
【0029】
同様に第2の映像蓄積装置105も、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、前記第1の映像視聴端末102または第2の映像視聴端末104から蓄積指示された映像データを蓄積する。また第2の映像視聴端末104において該映像データを視聴する場合には、第2の映像視聴端末104に接続する第2のネットワーク経由で第2の映像蓄積装置105に該映像データの視聴要求の指示を与える。第2の映像蓄積装置105は該映像データを第2の映像視聴端末104に第2のネットワーク経由で転送し、第2の映像視聴端末104で該映像データを再生表示する。
【0030】
なお、本実施形態では、第1の映像視聴端末102と第2の映像視聴端末104とを同一の視聴者が利用していることを保証するために視聴者認証の仕組みを取り入れているものとする。視聴者認証は、それぞれの映像視聴端末に予め視聴者認証コードを登録しておく方法や、視聴の度に視聴者認証コードを入力する方法などにより実現できる。なお、それぞれの映像視聴端末を利用できる視聴者は、個人に限定する必要はなく、予め許可を与えられた視聴者グループに属する任意の視聴者としてもよい。
【0031】
第2の映像蓄積装置105は、上記視聴者認証を用いて、ある映像視聴端末からの視聴要求に対して応じるか否かを制御するものとする。従って、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に映像データを蓄積する行為は、いずれも私的使用のための複製であると考えることができる。
【0032】
第1の映像視聴端末102、第2の映像視聴端末104および第1の映像蓄積装置103は、視聴者個人あるいは家族等の予め定めた視聴者グループ単位で保有と管理を行うものとする。一方、第2の映像蓄積装置105は、複数の視聴者あるいは視聴者グループがそれぞれ利用可能となっている。第2の映像蓄積装置105における映像データの共有の態様としては、各視聴者からの蓄積指示に従い別々に映像データを蓄積しても良いし、あるいは複数の異なる視聴者から同じ映像データの蓄積指示を受けた場合にはその映像データを1つだけ蓄積し、蓄積指示を受けた複数の視聴者で視聴できるようにしても良い。前者の場合には同じ映像データが視聴者からの蓄積指示の数だけ複数蓄積されるのに対し、後者の場合には同じ映像データは1つだけ蓄積される点が異なるが、蓄積指示した視聴者のみがこの蓄積された映像データにアクセスできる点は同じである。
【0033】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、映像配信装置101から第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105へは、複数の映像データが適宜供給されているものとする。
【0034】
図2に示すように、視聴者から、ある映像データの蓄積の指示を受け付けると、第1の映像視聴端末102は、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、蓄積指示を送信する(ステップS001)。
【0035】
第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、蓄積指示された映像データを蓄積する(ステップS002)。この一連の動作により、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105にそれぞれ同一の映像データが蓄積される。
【0036】
ある映像データが前記蓄積された後に、第1の映像視聴端末102から第1の映像蓄積装置103に対し該映像データの視聴要求の指示を与えると(ステップS003)、第1の映像蓄積装置103は該映像データを第1の映像視聴端末102に転送し、第1の映像視聴端末102で該映像データの再生表示が行われる(ステップS004)。
【0037】
また第2の映像視聴端末104において該映像データを視聴する場合には、第2の映像視聴端末104から第2の映像蓄積装置105に対し該映像データの視聴要求の指示を与える(ステップS005)。第2の映像蓄積装置105は該映像データを第2の映像視聴端末104に転送し、第2の映像視聴端末で該映像データの再生表示が行われる(ステップS006)。
【0038】
以上のように本実施形態によれば、映像データを視聴する映像視聴端末に応じて最適な映像蓄積装置を選択して映像データの転送を受けることが可能になる。その理由は、複数の映像蓄積装置にあえて重複して映像データを蓄積する構成とし、視聴に用いる映像視聴端末に応じ、その利点が発揮されるよう、いずれか一方の映像蓄積装置から映像データの転送を受けることができるように構成したことにある。
【0039】
また本実施形態によれば、上記のように、一の蓄積指示にて複数の映像蓄積装置に映像データの蓄積指示を伝達することとしたため、映像データの移動、媒体から媒体への複製が不要となり、視聴者は、自身の管理下にある任意の映像視聴端末を用いて蓄積指示をした映像をただちに視聴することが可能になる。
【0040】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態と同等の構成にて実現可能であり、相違点は蓄積指示の伝達フローに変更を加えた点である。
【0041】
以下、図3を参照してその違いを説明する。図3は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。本実施形態では、第2の映像視聴端末104は、第2の映像蓄積装置105に対して、映像配信装置101から供給された映像データの蓄積を指示する(ステップS011)。その後、第2の映像蓄積装置105が、第1の映像蓄積装置103に対して、蓄積指示を伝達する(ステップS012)。前記各蓄積指示に基づいて、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105で映像データの蓄積が行われ、視聴者からの視聴要求に応じて映像データが送信される。なお、上記の例では、第2の映像視聴端末104からの蓄積指示を第2の映像蓄積装置105が第1の映像蓄積装置103に転送するものとして説明したが、第1の映像視聴端末102からの蓄積指示を第1の映像蓄積装置103が第2の映像蓄積装置105に転送するものとしてもよい。
【0042】
以上のように、本発明は、第1の映像蓄積装置103または第2の映像蓄積装置105のいずれか一方にしか蓄積指示を与えることのできない映像視聴端末を用いても実現することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第3の実施形態は、一方の映像蓄積装置が映像データの供給を受けることが可能であり、他方の映像蓄積装置が映像データの供給を受けることができない場合の実施形態である。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0044】
図4は、本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第2の映像蓄積装置105が、映像配信装置101ではなく、第1の映像蓄積装置103と接続され、第1の映像蓄積装置103を介して蓄積すべき映像データを受け取る点である。
【0045】
図5は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。本実施形態では、第1の映像蓄積装置103は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、蓄積指示された映像データを蓄積すると(ステップS102)、前記蓄積した映像データを第2の映像蓄積装置105に転送する(ステップS102)。第2の映像蓄積装置105は、前記転送された映像データを蓄積する。以降の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
以上のように、本発明は、一方の映像蓄積装置が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができない構成においても実現することができる。なお、上記の例では、第2の映像蓄積装置105が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができないものとして説明したが、第1の映像蓄積装置103が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができない場合には、第2の映像蓄積装置105が第1の映像蓄積装置103に対して映像データを転送する構成とすればよい。
【0047】
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第4の実施形態は、2つの映像視聴端末同士が視聴履歴を含む視聴制御情報を共有する機能を追加したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
図6は、本発明の第4の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104同士が、互いの視聴履歴を含む視聴制御情報を交換する構成とした点である(図6の映像視聴端末102、104間の破線矢線参照)。
【0049】
図7は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図2に示した第1の実施形態との相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104で視聴が行われる度に、2つの映像視聴端末同士で視聴履歴(視聴制御情報)の共有が行われる点である。なお、視聴制御情報は、映像データ本体に比べると十分少ないデータ量であるため、簡単な通信の仕組みで短時間に転送、共有することが可能である。
【0050】
第1の映像視聴端末102および第2の映像視聴端末104はそれぞれ、第1の映像蓄積装置103、第2の映像蓄積装置105に蓄積された映像データを再生するに際し、前記共有した視聴制御情報を参照する。例えば、前回第1の映像視聴端末102で途中まで視聴して一時停止していた場合、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、第2の映像視聴端末104でもその一時停止位置から続けて再生することが可能になる。また第2の映像視聴端末104で映像データを視聴して一時停止した場合には、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、再び第1の映像視聴端末102で前記一時停止位置から再生するといったことが可能になる。
【0051】
[第5の実施形態]
続いて、本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第5の実施形態は、映像視聴端末ではなく、2つの映像蓄積装置同士が視聴履歴を含む視聴制御情報を共有するよう構成したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0052】
図8は、本発明の第5の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第1、第2の映像蓄積装置103、105同士が、視聴要求を受けた際に、該当ユーザの視聴履歴を含む視聴制御情報を他方に通知する構成とした点である(図8の映像蓄積装置103、105間の破線矢線参照)。
【0053】
図9は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図2に示した第1の実施形態との相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104で視聴が行われる度に、2つの映像蓄積装置同士で視聴履歴(視聴制御情報)の共有が行われる点である。
【0054】
本実施形態においても、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105はそれぞれ蓄積した映像データを転送するに際し、前記共有した視聴制御情報を参照する。本実施形態においても第4の実施形態と同様に、例えば、前回第1の映像視聴端末102で途中まで視聴して一時停止していた場合、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、第2の映像視聴端末104でもその一時停止位置から続けて再生することが可能になる。また第2の映像視聴端末104で映像データを視聴して一時停止した場合には、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、再び第1の映像視聴端末102で前記一時停止位置から再生するといったことが可能になる。
【0055】
[第6の実施形態]
続いて、本発明の第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第6の実施形態は、第2の映像蓄積装置から第2のネットワーク経由で映像データを配信する際に、第2の映像視聴端末での視聴に適した映像フォーマットに変換してから転送する変換装置108を追加したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
図10は、本発明の第6の実施形態の構成を表した図であり、第2の映像蓄積装置105と第2のネットワーク107との間に変換装置108が配設されている。例えば、映像配信装置101から第1のネットワーク106経由で配信される映像データが高精細フォーマットであるにも関わらず、第2の映像視聴端末104が高精細な映像を表示する性能を有しない場合は、第2の映像蓄積装置105から映像データを配信する際に、変換装置108で第2の映像視聴端末104での視聴に適した映像フォーマットに変換してから配信する。同様の変換処理は、映像データが高精細フォーマットである場合のほか、第2のネットワーク107のデータ伝送速度に制約がある場合にも実行することとしてもよい。また、映像配信装置101から供給される映像データが、第1の映像視聴端末102に適合しない場合には、第1の映像蓄積装置103と第1の映像視聴端末102との間や第1のネットワーク106と第1の映像蓄積装置103との間に変換装置108を配設してもよい。
【0057】
この変換処理を施すことで、第2のネットワークの状態や各映像視聴端末の能力によらず円滑な映像視聴サービスを提供できる。
【0058】
なお、変換装置108の配置位置は、図10に示した位置に限られず、図11に示すように、第1のネットワーク106と第2の映像蓄積装置105との間に配設することとしてもよい。図11のような構成とすることで、映像フォーマットの変換により映像データのデータ量を圧縮できるため、第2の映像蓄積装置105における映像データの蓄積容量を節約することができる。
【0059】
また上記した変換装置108は、図4に示した第3の実施形態の構成にも追加することができる。図12は、第1の映像蓄積装置103と、第1の映像蓄積装置105との間に、変換装置108を配設した例である。本構成によれば、図11に示した構成と同様に蓄積容量の節約が可能となる。
【0060】
図12における変換装置108の配設位置は、第1のネットワーク106と第1の映像蓄積装置103との間とすることも可能である。このようにすれば、第1、第2の映像蓄積装置103、105における映像データの蓄積容量の節約および映像データの転送コストを節約することが可能になる。
【0061】
また、図12における変換装置108の配設位置は、第2の映像蓄積装置105と第2のネットワーク107との間とすることも可能である。このようにすれば、映像フォーマットの変換に必要とされる重たい演算処理を第2のネットワーク107側に負わせることができ、視聴者側の負担を軽くできる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した実施形態では、2つの映像蓄積装置に蓄積指示を与え、映像視聴端末にて視聴する例を挙げて説明したが、ユーザからの蓄積指示を第3、第4の映像蓄積装置に伝達して、同一の映像データを蓄積させることも可能である。そして、これら第3、第4の映像蓄積装置に対して映像視聴端末を対応付けることで、よりきめ細かくサービスを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0063】
101 映像配信装置
102 第1の映像視聴端末
103 第1の映像蓄積装置
104 第2の映像視聴端末
105 第2の映像蓄積装置
106 第1のネットワーク
107 第2のネットワーク
108 変換装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像蓄積視聴システム、映像の蓄積・再生方法およびプログラムに関し、特に、複数の映像視聴端末のいずれかを選択して、録画した映像データを視聴できる映像蓄積視聴システム、映像の蓄積・再生方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像を記録する手段としてPVR(パーソナルビデオレコーダ)やDVDビデオレコーダが知られている。このPVRは、一般的には自宅内のテレビ受信装置に接続して設置されることが多く、放送装置または映像配信サーバから送出された映像データを視聴者の操作または録画予約手続きに従い蓄積する(図14のステップS901、S902)。視聴者は、テレビ受信装置などの映像視聴端末(図13の第1の映像視聴端末902)で、PVR(第1の映像蓄積装置903)に蓄積された映像データを再生できる(図14のステップS903、S904)。ここで、視聴者が蓄積された映像データを別の映像視聴端末、例えば、携帯端末に持ち出して自宅の外で視聴したい場合、PVRから携帯端末(第2の映像視聴端末904)に前記蓄積された映像データを移動させる必要がある(図14のステップS906)。また、上記のように予め映像データの移動をしていない場合、ネットワークを介して携帯端末から自宅のPVRにアクセスし、視聴したい映像データを配信してもらうことも考えられるが、視聴者の自宅からネットワークへのアップリンク回線のデータ伝送能力には一般に限界があり、視聴者の期待通りに円滑に視聴することは困難である。
【0003】
特許文献1には、自宅内に設置された複数の受信機と映像録画装置とを屋内配線された高速デジタル伝送路で接続し、映像録画装置での録画の際に、視聴制御用の付加情報を追加して映像データを録画する構成が開示されている。特許文献1によると、視聴者は、高速デジタル伝送路を介して付加情報の追加された映像データの移動を行うことで、ある部屋に設置された受信機で、別の部屋の映像録画装置に録画された映像データを視聴することが可能になる。また特許文献1では、このような構成を持つことで、屋内に設置されたいずれの受信機でも途切れのない視聴を実現できるとされている。
【0004】
特許文献2〜4には、ネットワーク上に映像データの蓄積を行う映像蓄積装置を配置した構成が開示されている。図15と図16は、特許文献2〜4の共通の構成と動作を説明する図である。この構成では、例えば自宅内に設置した第1の映像視聴端末902と屋外に持ち出した第2の映像視聴端末904のいずれから視聴する場合でも必ず第2のネットワーク107経由で映像データを転送することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−224794号公報
【特許文献2】特許第3551921号公報
【特許文献3】特許第4024215号公報
【特許文献4】特開2004−80190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜4の技術を用いれば、ユーザは、映像蓄積装置の物理的な位置に捉われることなく、録画した映像を視聴することが可能になるが、映像視聴端末の場所により、映像品質や応答性能を保証できない状況が生じるという問題点がある。
【0007】
例えば、特許文献1の受信機と映像録画装置の組を自宅外に設置すれば、理論上、自宅外でも映像データを視聴することは可能であるが、特許文献1にいうような高速デジタル伝送路が利用できる保証はなく映像データの移動のために応答性能に影響が出ることは免れない。また、特許文献4には、コンテンツ蓄積センターを複数配置した構成やコンテンツ蓄積サーバや受信機の組み合わせを変えた種々の実施形態が開示されているが、いずれの実施形態であっても、必ずネットワークを経由して映像データを伝送するため、ネットワークの帯域や伝送遅延などの影響を受けてしまう。
【0008】
本発明は、上記した各事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、快適に映像データを視聴できるよう、使用する映像視聴端末に応じて映像蓄積装置を切り換えることのできる映像蓄積視聴システム、映像視聴端末、映像蓄積装置、映像の蓄積・再生方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の視点によれば、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含み、前記ユーザからの蓄積指示が前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達され、ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴可能である映像蓄積視聴システムが提供される。
【0010】
また、本発明の第2の視点によれば、ユーザからの蓄積指示を前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達する映像視聴端末または映像蓄積装置が提供される。
【0011】
本発明の第3の視点によれば、前記ユーザからの蓄積指示が、ユーザの管理下にある第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置された第2の映像蓄積装置との双方に伝達され、前記第1、第2の映像蓄積装置が、前記蓄積指示にて指定された映像データをそれぞれ蓄積し、前記ユーザが第1の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置が前記第1の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力し、また前記ユーザが第2の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置が前記第2の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力する映像の蓄積および再生方法が提供される。本方法は、上記した第1、第2の映像蓄積装置および視聴端末という、特定の機械に結びつけられている。
【0012】
本発明の第4の視点によれば、上記した第1、第2の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムが提供される。なお、このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。即ち、本発明は、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、種々の映像視聴端末を使用して、それぞれ快適に映像データを視聴することが可能となる。その理由は、ユーザからの蓄積指示をネットワーク経由で映像データを配信する映像蓄積装置とは別に、ネットワークを経由せずに視聴端末に映像データを出力できる映像蓄積装置を用意し、それぞれ映像蓄積装置に蓄積指示を与え、いずれからでも視聴できる構成を採用したことにある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図4】本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の構成を表した図である。
【図7】本発明の第4の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図8】本発明の第5の実施形態の構成を表した図である。
【図9】本発明の第5の実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図10】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の例を表した図である。
【図11】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の別の例を表した図である。
【図12】変換装置を追加した本発明の変形実施形態の別の例を表した図である。
【図13】一台の映像蓄積装置(パーソナルビデオレコーダ)に対し、2台の映像視聴端末がある構成を表した図である。
【図14】図13の構成の動作を説明するためのシーケンス図である。
【図15】特許文献2〜4に共通する構成を表した図である。
【図16】図15の構成の動作を説明するためのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
はじめに本発明の概要について説明する。本発明は、図1に示すように、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末102からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置103と、第2のネットワーク107経由でユーザの第2の映像視聴端末104からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末104からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置105と、を含む構成にて実現することができる。ユーザからの蓄積指示は、前記第1、第2の映像蓄積装置103、105の双方に伝達される。ユーザが第1の映像視聴端末102から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置103が前記第1の映像視聴端末102に前記蓄積した映像データを出力する。一方、ユーザが第2の映像視聴端末104から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置105が前記第2の映像視聴端末104に前記蓄積した映像データを出力する。
【0016】
これにより、ユーザが、その管理下にある第1の映像蓄積装置103に蓄積された映像データについては、第1の映像視聴端末102にてネットワークの影響を受けずに快適に視聴することが可能になる。また、ユーザは、第2の映像視聴端末104を用いて、同一の蓄積指示にて蓄積された映像データを視聴することも可能である。前記第2の映像視聴端末104は、第2のネットワーク107を介して第2の映像蓄積装置105に接続可能であるので、第1の映像視聴端末102よりも地理的な制約を受けずに映像データを視聴することが可能である。
【0017】
また、ある視聴者がある映像データを視聴した時の視聴制御情報を、第1、第2の映像蓄積装置103、105間または第1、第2の映像視聴端末102、104間で共有することも望ましい。これら視聴制御情報の共有により、同じ視聴者が時間や場所を隔てて同じ映像データを視聴する際に、前回までに視聴した部分の続きから視聴を再開するなどの便利な視聴機能を提供することが可能になる。さらには、視聴者単位または視聴者グループ単位でこの視聴制御情報を管理してもよい。また、視聴制御情報の内容としては、映像データ毎の視聴履歴のみならず、視聴者が付与したブックマーク、映像蓄積装置や映像視聴端末において生成されたインデックスデータやダイジェスト視聴用制御データ等を含めてもよい。
【0018】
また、複数の視聴者がそれぞれ前記第2の映像蓄積装置105を利用できるようにする場合、これら複数の視聴者に、それぞれの蓄積指示に応じて映像データへのアクセス権を付与することで、第2の映像蓄積装置105における映像データの蓄積に要する容量を節約することができる。
【0019】
また、前記第1、第2の映像蓄積装置103、105のうちの一方を、他方のバックアップとして用いることも可能である。例えば、各人が利用可能な容量などの関係から、前記第2の映像蓄積装置105に蓄積した映像データの削除操作を行った後、再度、当該映像データを第2の映像視聴端末104で視聴したいというような場合、第1の映像蓄積装置103に同一映像データが蓄積されていることを条件に、当該視聴者に第2の映像蓄積装置105の該当映像データへのアクセス権を付与するといったことも可能である。
【0020】
[第1の実施形態]
続いて、本発明の第1の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の構成を表した図である。図1を参照すると、第1のネットワーク106を介して映像配信装置101と接続された第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105と、第1の映像蓄積装置103と接続された第1の映像視聴端末102と、第2のネットワーク107を介して第2の映像蓄積装置105と接続可能な第2の映像視聴端末104とが示されている。
【0021】
映像配信装置101は、第1のネットワーク106を経由して第1の映像蓄積装置103と第2の映像蓄積装置105に複数の映像データを供給する。複数の映像データとしては、例えば、各チャンネルの映像が該当する。
【0022】
以下の説明では、第1の映像視聴端末102は、デジタルテレビジョン装置であるものとし、第2の映像視聴端末104は、第2のネットワーク107を介して動画データを受信し、再生する機能を備えた携帯端末であるものとする。
【0023】
第1の映像蓄積装置103と第2の映像蓄積装置105はそれぞれ異なる場所に設置される。第1の映像蓄積装置103は、ユーザの自宅等、ユーザの管理下に設置され、ネットワークの状況に関係なく速やかに蓄積した映像データを第1の映像視聴端末102に転送できるよう接続される。例えば、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)にて両者を接続する構成を採用することができる。
【0024】
一方、第2の映像蓄積装置105は、第2の映像視聴端末104からのアクセス容易性を担保できるよう第2のネットワーク107上に設置される。第2のネットワークとしては、各種のモバイルネットワークが選択される。
【0025】
なお映像配信装置101からの映像の供給の仕組みは、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。第1のネットワーク106における映像伝送の仕組みも当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な構成は省略する。
【0026】
第1の映像視聴端末102は、視聴者から映像データの蓄積要求を受け付けると、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、映像データの蓄積を指示する(図1の破線参照)。なお、第1の映像蓄積装置103に供給された複数の映像データの中からどの映像データを蓄積するかの選択は、映像配信装置101または第1の映像視聴端末102から提供される電子番組表(EPG)等から選択する方法などを採用すればよい。
【0027】
同様に第2の映像視聴端末104も、視聴者から映像データの蓄積要求を受け付けると、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、映像データの蓄積を指示する(図1の破線参照)。
【0028】
第1の映像蓄積装置103は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、前記第1の映像視聴端末102または第2の映像視聴端末104から蓄積指示された映像データを蓄積する。ある映像データが前記蓄積された後に、第1の映像視聴端末102から第1の映像蓄積装置103に該映像データの視聴要求の指示を与えると、第1の映像蓄積装置103は、該映像データを第1の映像視聴端末102に転送し、第1の映像視聴端末102で該映像データを再生表示する。
【0029】
同様に第2の映像蓄積装置105も、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、前記第1の映像視聴端末102または第2の映像視聴端末104から蓄積指示された映像データを蓄積する。また第2の映像視聴端末104において該映像データを視聴する場合には、第2の映像視聴端末104に接続する第2のネットワーク経由で第2の映像蓄積装置105に該映像データの視聴要求の指示を与える。第2の映像蓄積装置105は該映像データを第2の映像視聴端末104に第2のネットワーク経由で転送し、第2の映像視聴端末104で該映像データを再生表示する。
【0030】
なお、本実施形態では、第1の映像視聴端末102と第2の映像視聴端末104とを同一の視聴者が利用していることを保証するために視聴者認証の仕組みを取り入れているものとする。視聴者認証は、それぞれの映像視聴端末に予め視聴者認証コードを登録しておく方法や、視聴の度に視聴者認証コードを入力する方法などにより実現できる。なお、それぞれの映像視聴端末を利用できる視聴者は、個人に限定する必要はなく、予め許可を与えられた視聴者グループに属する任意の視聴者としてもよい。
【0031】
第2の映像蓄積装置105は、上記視聴者認証を用いて、ある映像視聴端末からの視聴要求に対して応じるか否かを制御するものとする。従って、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に映像データを蓄積する行為は、いずれも私的使用のための複製であると考えることができる。
【0032】
第1の映像視聴端末102、第2の映像視聴端末104および第1の映像蓄積装置103は、視聴者個人あるいは家族等の予め定めた視聴者グループ単位で保有と管理を行うものとする。一方、第2の映像蓄積装置105は、複数の視聴者あるいは視聴者グループがそれぞれ利用可能となっている。第2の映像蓄積装置105における映像データの共有の態様としては、各視聴者からの蓄積指示に従い別々に映像データを蓄積しても良いし、あるいは複数の異なる視聴者から同じ映像データの蓄積指示を受けた場合にはその映像データを1つだけ蓄積し、蓄積指示を受けた複数の視聴者で視聴できるようにしても良い。前者の場合には同じ映像データが視聴者からの蓄積指示の数だけ複数蓄積されるのに対し、後者の場合には同じ映像データは1つだけ蓄積される点が異なるが、蓄積指示した視聴者のみがこの蓄積された映像データにアクセスできる点は同じである。
【0033】
続いて、本実施形態の動作について図面を参照して詳細に説明する。図2は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。ここで、映像配信装置101から第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105へは、複数の映像データが適宜供給されているものとする。
【0034】
図2に示すように、視聴者から、ある映像データの蓄積の指示を受け付けると、第1の映像視聴端末102は、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105に対し、蓄積指示を送信する(ステップS001)。
【0035】
第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、蓄積指示された映像データを蓄積する(ステップS002)。この一連の動作により、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105にそれぞれ同一の映像データが蓄積される。
【0036】
ある映像データが前記蓄積された後に、第1の映像視聴端末102から第1の映像蓄積装置103に対し該映像データの視聴要求の指示を与えると(ステップS003)、第1の映像蓄積装置103は該映像データを第1の映像視聴端末102に転送し、第1の映像視聴端末102で該映像データの再生表示が行われる(ステップS004)。
【0037】
また第2の映像視聴端末104において該映像データを視聴する場合には、第2の映像視聴端末104から第2の映像蓄積装置105に対し該映像データの視聴要求の指示を与える(ステップS005)。第2の映像蓄積装置105は該映像データを第2の映像視聴端末104に転送し、第2の映像視聴端末で該映像データの再生表示が行われる(ステップS006)。
【0038】
以上のように本実施形態によれば、映像データを視聴する映像視聴端末に応じて最適な映像蓄積装置を選択して映像データの転送を受けることが可能になる。その理由は、複数の映像蓄積装置にあえて重複して映像データを蓄積する構成とし、視聴に用いる映像視聴端末に応じ、その利点が発揮されるよう、いずれか一方の映像蓄積装置から映像データの転送を受けることができるように構成したことにある。
【0039】
また本実施形態によれば、上記のように、一の蓄積指示にて複数の映像蓄積装置に映像データの蓄積指示を伝達することとしたため、映像データの移動、媒体から媒体への複製が不要となり、視聴者は、自身の管理下にある任意の映像視聴端末を用いて蓄積指示をした映像をただちに視聴することが可能になる。
【0040】
[第2の実施形態]
続いて、本発明の第2の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第2の実施形態は、第1の実施形態と同等の構成にて実現可能であり、相違点は蓄積指示の伝達フローに変更を加えた点である。
【0041】
以下、図3を参照してその違いを説明する。図3は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。本実施形態では、第2の映像視聴端末104は、第2の映像蓄積装置105に対して、映像配信装置101から供給された映像データの蓄積を指示する(ステップS011)。その後、第2の映像蓄積装置105が、第1の映像蓄積装置103に対して、蓄積指示を伝達する(ステップS012)。前記各蓄積指示に基づいて、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105で映像データの蓄積が行われ、視聴者からの視聴要求に応じて映像データが送信される。なお、上記の例では、第2の映像視聴端末104からの蓄積指示を第2の映像蓄積装置105が第1の映像蓄積装置103に転送するものとして説明したが、第1の映像視聴端末102からの蓄積指示を第1の映像蓄積装置103が第2の映像蓄積装置105に転送するものとしてもよい。
【0042】
以上のように、本発明は、第1の映像蓄積装置103または第2の映像蓄積装置105のいずれか一方にしか蓄積指示を与えることのできない映像視聴端末を用いても実現することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
続いて、本発明の第3の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第3の実施形態は、一方の映像蓄積装置が映像データの供給を受けることが可能であり、他方の映像蓄積装置が映像データの供給を受けることができない場合の実施形態である。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0044】
図4は、本発明の第3の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第2の映像蓄積装置105が、映像配信装置101ではなく、第1の映像蓄積装置103と接続され、第1の映像蓄積装置103を介して蓄積すべき映像データを受け取る点である。
【0045】
図5は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。本実施形態では、第1の映像蓄積装置103は、映像配信装置101から供給された複数の映像データの中から、蓄積指示された映像データを蓄積すると(ステップS102)、前記蓄積した映像データを第2の映像蓄積装置105に転送する(ステップS102)。第2の映像蓄積装置105は、前記転送された映像データを蓄積する。以降の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0046】
以上のように、本発明は、一方の映像蓄積装置が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができない構成においても実現することができる。なお、上記の例では、第2の映像蓄積装置105が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができないものとして説明したが、第1の映像蓄積装置103が映像配信装置101から直接映像データの供給を受けることができない場合には、第2の映像蓄積装置105が第1の映像蓄積装置103に対して映像データを転送する構成とすればよい。
【0047】
[第4の実施形態]
続いて、本発明の第4の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第4の実施形態は、2つの映像視聴端末同士が視聴履歴を含む視聴制御情報を共有する機能を追加したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
図6は、本発明の第4の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104同士が、互いの視聴履歴を含む視聴制御情報を交換する構成とした点である(図6の映像視聴端末102、104間の破線矢線参照)。
【0049】
図7は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図2に示した第1の実施形態との相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104で視聴が行われる度に、2つの映像視聴端末同士で視聴履歴(視聴制御情報)の共有が行われる点である。なお、視聴制御情報は、映像データ本体に比べると十分少ないデータ量であるため、簡単な通信の仕組みで短時間に転送、共有することが可能である。
【0050】
第1の映像視聴端末102および第2の映像視聴端末104はそれぞれ、第1の映像蓄積装置103、第2の映像蓄積装置105に蓄積された映像データを再生するに際し、前記共有した視聴制御情報を参照する。例えば、前回第1の映像視聴端末102で途中まで視聴して一時停止していた場合、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、第2の映像視聴端末104でもその一時停止位置から続けて再生することが可能になる。また第2の映像視聴端末104で映像データを視聴して一時停止した場合には、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、再び第1の映像視聴端末102で前記一時停止位置から再生するといったことが可能になる。
【0051】
[第5の実施形態]
続いて、本発明の第5の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第5の実施形態は、映像視聴端末ではなく、2つの映像蓄積装置同士が視聴履歴を含む視聴制御情報を共有するよう構成したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0052】
図8は、本発明の第5の実施形態の構成を表した図である。図1に示した第1の実施形態との構成上の相違点は、第1、第2の映像蓄積装置103、105同士が、視聴要求を受けた際に、該当ユーザの視聴履歴を含む視聴制御情報を他方に通知する構成とした点である(図8の映像蓄積装置103、105間の破線矢線参照)。
【0053】
図9は、本実施形態の動作を説明するためのシーケンス図である。図2に示した第1の実施形態との相違点は、第1、第2の映像視聴端末102、104で視聴が行われる度に、2つの映像蓄積装置同士で視聴履歴(視聴制御情報)の共有が行われる点である。
【0054】
本実施形態においても、第1の映像蓄積装置103および第2の映像蓄積装置105はそれぞれ蓄積した映像データを転送するに際し、前記共有した視聴制御情報を参照する。本実施形態においても第4の実施形態と同様に、例えば、前回第1の映像視聴端末102で途中まで視聴して一時停止していた場合、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、第2の映像視聴端末104でもその一時停止位置から続けて再生することが可能になる。また第2の映像視聴端末104で映像データを視聴して一時停止した場合には、当該視聴履歴を含む視聴制御情報を用いて、再び第1の映像視聴端末102で前記一時停止位置から再生するといったことが可能になる。
【0055】
[第6の実施形態]
続いて、本発明の第6の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。本発明の第6の実施形態は、第2の映像蓄積装置から第2のネットワーク経由で映像データを配信する際に、第2の映像視聴端末での視聴に適した映像フォーマットに変換してから転送する変換装置108を追加したものである。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0056】
図10は、本発明の第6の実施形態の構成を表した図であり、第2の映像蓄積装置105と第2のネットワーク107との間に変換装置108が配設されている。例えば、映像配信装置101から第1のネットワーク106経由で配信される映像データが高精細フォーマットであるにも関わらず、第2の映像視聴端末104が高精細な映像を表示する性能を有しない場合は、第2の映像蓄積装置105から映像データを配信する際に、変換装置108で第2の映像視聴端末104での視聴に適した映像フォーマットに変換してから配信する。同様の変換処理は、映像データが高精細フォーマットである場合のほか、第2のネットワーク107のデータ伝送速度に制約がある場合にも実行することとしてもよい。また、映像配信装置101から供給される映像データが、第1の映像視聴端末102に適合しない場合には、第1の映像蓄積装置103と第1の映像視聴端末102との間や第1のネットワーク106と第1の映像蓄積装置103との間に変換装置108を配設してもよい。
【0057】
この変換処理を施すことで、第2のネットワークの状態や各映像視聴端末の能力によらず円滑な映像視聴サービスを提供できる。
【0058】
なお、変換装置108の配置位置は、図10に示した位置に限られず、図11に示すように、第1のネットワーク106と第2の映像蓄積装置105との間に配設することとしてもよい。図11のような構成とすることで、映像フォーマットの変換により映像データのデータ量を圧縮できるため、第2の映像蓄積装置105における映像データの蓄積容量を節約することができる。
【0059】
また上記した変換装置108は、図4に示した第3の実施形態の構成にも追加することができる。図12は、第1の映像蓄積装置103と、第1の映像蓄積装置105との間に、変換装置108を配設した例である。本構成によれば、図11に示した構成と同様に蓄積容量の節約が可能となる。
【0060】
図12における変換装置108の配設位置は、第1のネットワーク106と第1の映像蓄積装置103との間とすることも可能である。このようにすれば、第1、第2の映像蓄積装置103、105における映像データの蓄積容量の節約および映像データの転送コストを節約することが可能になる。
【0061】
また、図12における変換装置108の配設位置は、第2の映像蓄積装置105と第2のネットワーク107との間とすることも可能である。このようにすれば、映像フォーマットの変換に必要とされる重たい演算処理を第2のネットワーク107側に負わせることができ、視聴者側の負担を軽くできる。
【0062】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の基本的技術的思想を逸脱しない範囲で、更なる変形・置換・調整を加えることができる。例えば、上記した実施形態では、2つの映像蓄積装置に蓄積指示を与え、映像視聴端末にて視聴する例を挙げて説明したが、ユーザからの蓄積指示を第3、第4の映像蓄積装置に伝達して、同一の映像データを蓄積させることも可能である。そして、これら第3、第4の映像蓄積装置に対して映像視聴端末を対応付けることで、よりきめ細かくサービスを提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0063】
101 映像配信装置
102 第1の映像視聴端末
103 第1の映像蓄積装置
104 第2の映像視聴端末
105 第2の映像蓄積装置
106 第1のネットワーク
107 第2のネットワーク
108 変換装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含み、
前記ユーザからの蓄積指示が前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達され、ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴可能である映像蓄積視聴システム。
【請求項2】
前記第1、第2の映像視聴端末との間、または、前記第1、第2の映像蓄積装置との間で、視聴履歴を含む視聴制御情報を共有する請求項1の映像蓄積視聴システム。
【請求項3】
前記第2の映像蓄積装置は、複数のユーザからの蓄積指示に従って動作する請求項1または2の映像蓄積視聴システム。
【請求項4】
前記第1、第2の映像蓄積装置のうちのいずれか一方が、他方の映像蓄積装置から映像データを受信して蓄積する請求項1から3いずれか一の映像蓄積視聴システム。
【請求項5】
さらに、前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積する映像データまたは前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積された映像データを前記第1、第2の映像視聴端末の能力に適合するよう変換する変換処理装置を含む請求項1から4いずれか一の映像蓄積視聴システム。
【請求項6】
前記ユーザからの蓄積指示が、ユーザの管理下にある第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置された第2の映像蓄積装置との双方に伝達され、前記第1、第2の映像蓄積装置が、前記蓄積指示にて指定された映像データをそれぞれ蓄積し、
前記ユーザが第1の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置が前記第1の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力し、
また前記ユーザが第2の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置が前記第2の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力する映像の蓄積および再生方法。
【請求項7】
前記第1、第2の映像視聴端末との間、または、前記第1、第2の映像蓄積装置との間で、前記視聴要求を行った方または前記視聴要求を受けた方から、他方に対し、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する請求項6の映像の蓄積および再生方法。
【請求項8】
前記第2の映像蓄積装置は、複数のユーザからの蓄積指示に従って動作する請求項6または7の映像の蓄積および再生方法。
【請求項9】
前記第1、第2の映像蓄積装置のうちのいずれか一方が、他方の映像蓄積装置から映像データを受信して蓄積する請求項6から8いずれか一の映像の蓄積および再生方法。
【請求項10】
さらに、前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積する映像データまたは前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積された映像データを前記第1、第2の映像視聴端末の能力に適合するよう変換する変換処理ステップを含む請求項6から9いずれか一の映像の蓄積および再生方法。
【請求項11】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、のそれぞれに対して、前記ユーザから受け付けた蓄積指示を伝達する映像視聴端末。
【請求項12】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力するとともに、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に対し、自装置が受け付けた蓄積指示を伝達する映像蓄積装置。
【請求項13】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に対し、自装置が受け付けた蓄積指示を伝達するとともに、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する映像蓄積装置。
【請求項14】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
ユーザからの蓄積指示に基づいて指定された映像データを蓄積する処理と、
前記ユーザからの視聴要求に応じて映像データを出力する処理と、
前記ユーザからの視聴要求受けた場合、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に対して、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する処理と、を実行させるプログラム。
【請求項15】
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
ユーザからの蓄積指示に基づいて指定された映像データを蓄積する処理と、
前記ユーザからの視聴要求に応じて映像データを出力する処理と、
前記ユーザからの視聴要求受けた場合、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に対して、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する処理と、を実行させるプログラム。
【請求項1】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、を含み、
前記ユーザからの蓄積指示が前記第1、第2の映像蓄積装置の双方に伝達され、ユーザは、前記第1、第2の映像視聴端末のいずれかを用いて前記蓄積指示にて指定した映像データを視聴可能である映像蓄積視聴システム。
【請求項2】
前記第1、第2の映像視聴端末との間、または、前記第1、第2の映像蓄積装置との間で、視聴履歴を含む視聴制御情報を共有する請求項1の映像蓄積視聴システム。
【請求項3】
前記第2の映像蓄積装置は、複数のユーザからの蓄積指示に従って動作する請求項1または2の映像蓄積視聴システム。
【請求項4】
前記第1、第2の映像蓄積装置のうちのいずれか一方が、他方の映像蓄積装置から映像データを受信して蓄積する請求項1から3いずれか一の映像蓄積視聴システム。
【請求項5】
さらに、前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積する映像データまたは前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積された映像データを前記第1、第2の映像視聴端末の能力に適合するよう変換する変換処理装置を含む請求項1から4いずれか一の映像蓄積視聴システム。
【請求項6】
前記ユーザからの蓄積指示が、ユーザの管理下にある第1の映像蓄積装置と、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置された第2の映像蓄積装置との双方に伝達され、前記第1、第2の映像蓄積装置が、前記蓄積指示にて指定された映像データをそれぞれ蓄積し、
前記ユーザが第1の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第1の映像蓄積装置が前記第1の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力し、
また前記ユーザが第2の映像視聴端末から視聴要求を行うと、前記第2の映像蓄積装置が前記第2の映像視聴端末に前記蓄積した映像データを出力する映像の蓄積および再生方法。
【請求項7】
前記第1、第2の映像視聴端末との間、または、前記第1、第2の映像蓄積装置との間で、前記視聴要求を行った方または前記視聴要求を受けた方から、他方に対し、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する請求項6の映像の蓄積および再生方法。
【請求項8】
前記第2の映像蓄積装置は、複数のユーザからの蓄積指示に従って動作する請求項6または7の映像の蓄積および再生方法。
【請求項9】
前記第1、第2の映像蓄積装置のうちのいずれか一方が、他方の映像蓄積装置から映像データを受信して蓄積する請求項6から8いずれか一の映像の蓄積および再生方法。
【請求項10】
さらに、前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積する映像データまたは前記第1、第2の映像蓄積装置に蓄積された映像データを前記第1、第2の映像視聴端末の能力に適合するよう変換する変換処理ステップを含む請求項6から9いずれか一の映像の蓄積および再生方法。
【請求項11】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置と、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置と、のそれぞれに対して、前記ユーザから受け付けた蓄積指示を伝達する映像視聴端末。
【請求項12】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力するとともに、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に対し、自装置が受け付けた蓄積指示を伝達する映像蓄積装置。
【請求項13】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に対し、自装置が受け付けた蓄積指示を伝達するとともに、
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する映像蓄積装置。
【請求項14】
ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
ユーザからの蓄積指示に基づいて指定された映像データを蓄積する処理と、
前記ユーザからの視聴要求に応じて映像データを出力する処理と、
前記ユーザからの視聴要求受けた場合、ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に対して、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する処理と、を実行させるプログラム。
【請求項15】
ネットワーク経由でユーザの第2の映像視聴端末からアクセス可能な位置に配置され、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、前記ユーザの第2の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第2の映像蓄積装置に搭載されたコンピュータに実行させるプログラムであって、
ユーザからの蓄積指示に基づいて指定された映像データを蓄積する処理と、
前記ユーザからの視聴要求に応じて映像データを出力する処理と、
前記ユーザからの視聴要求受けた場合、ユーザの管理下にあり、当該ユーザからの映像データの蓄積指示にて指定された映像データを蓄積し、ユーザの第1の映像視聴端末からの視聴要求に応じて映像データを出力する第1の映像蓄積装置に対して、視聴履歴を含む視聴制御情報を送信する処理と、を実行させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−114421(P2011−114421A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266923(P2009−266923)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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