説明

映像表示システム

【課題】ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上する「映像表示システム」を提供する。
【解決手段】制御部13は、ユーザの手のタッチパネル9への接近が接近センサ10によって検出されたならば、接近が検出されなくなるまで、画像加工部6に、主映像320全体の輝度を減少させる。これにより、標示装置8に標示される表示映像330は、輝度を減少を行わないときの表示映像330(a)に比べ、主映像320と当該主映像320に重ねて表示するボタン301との輝度差が大きな表示映像330(b1)となり、ボタン301の視認性が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を表示する映像表示システムにおいて、映像に重畳して表示する、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
映像を表示する映像表示システムにおいて、映像に重畳して表示する、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上する技術としては、映像の平均輝度や最頻発現色に応じて、映像に重畳して表示するユーザ操作受付用のボタンの表示輝度や表示色を変化させることにより、映像に如何によらずにボタンの視認性を確保する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2000-350115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記特許文献1記載の技術によれば、映像に重畳して表示するユーザ操作受付用のボタンの表示輝度や表示色が、その時々に表示されている映像によって変化することになるため、統一されたデザインによるボタンの表示は行えなくなる。また、表示輝度や表示色の異同などによって各ボタンの意味合いや種別をユーザに提示することが困難となる。
【0004】
そして、これらのために、かえって、ボタンの操作性を劣化させてしまう場合がある。
そこで、本発明は、映像を表示する映像表示システムにおいて、映像に重畳して表示する、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題達成のために、本発明は、ユーザ操作受け付け用の表示オブジェクトを含む映像を、表示装置に表示する映像表示システムを、入力装置と、画像を出力する画像出力装置と、前記画像出力装置が出力した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力する画像処理手段と、前記入力装置に対するユーザの手の接近を検出する接近検出センサとを含めて構成し、前記画像処理手段において、前記接近検出センサが前記接近を検出した場合に、前記画像出力装置が出力した画像に代えて、当該画像に前記表示オブジェクトとの対照性を高める所定の加工を施した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力するようにしたものである。
【0006】
また、前記課題達成のために、本発明は、ユーザ操作受け付け用の表示オブジェクトを含む映像を、表示装置に表示する映像表示システムを、入力装置と、画像を出力する画像出力装置と、前記画像出力装置が出力した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力する画像処理手段とを含めて構成し、前記画像処理手段において、前記入力装置に対する操作が発生した場合に、前記画像出力装置が出力した画像に代えて、当該画像に前記表示オブジェクトとの対照性を高める所定の加工を施した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力するようにしたものである。
【0007】
これらの映像表示システムによれば、ユーザの手が入力装置に接近した場合や、入力装置の操作が発生した場合などの、以降にユーザの表示オブジェクトに対する操作が発生する蓋然性が大きいと推定される場合に、表示オブジェクトをその上に合成する画像出力装置の出力画像に、表示オブジェクトとの対照性を高める所定の加工を施す。したがって、ユーザが表示オブジェクトの操作を行う期間中、表示オブジェクトを当該表示オブジェクトが合成される画像に対して際だたせて表示することができ、その視認性を向上することができる。
【0008】
また、その他のユーザの表示オブジェクトに対する操作が発生する蓋然性が小さい期間中には、画像出力装置の出力画像を、そのまま加工を施すことなく、表示オブジェクトを合成して表示するようにできるので、これらの期間における画像出力装置の出力画像の視認性や再現性を確保することができる。
【0009】
また、表示オブジェクトの表示輝度や表示色が、表示オブジェクトをその上に合成する画像出力装置の出力画像に依存して変化することもないので、表示輝度や表示色の異同などによって各表示オブジェクトの意味合いや種別をユーザに提示することも支障無く行えるようになる。
【0010】
よって、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上することができるようになる。
ここで、以上の映像表示システムにおいて、前記画像出力装置は、カメラやビデオプレイヤなどの動画を出力する装置であってよい。
また、以上の映像表示システムにおいて、前記所定の加工は、前記画像出力装置が出力した画像の輝度を増加、もしくは、減少させる加工としてもよいし、前記画像出力装置が出力した画像の彩度またはコントラストを減少させる加工としてもよいし、前記画像出力装置が出力した画像をぼかす加工としてもよい。また、前記所定の加工として、前記画像出力装置が出力した動画の静止画への変換を行うようにしてもよい。
【0011】
また、以上の映像表示システムにおいて、前記画像処理部を、前記所定の加工を、前記画像出力装置が出力した画像の前記表示オブジェクトが配置される領域周辺の部分に対してのみ行うように構成してもよい。
また、当該映像表示システムは、自動車に搭載されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明によれば、映像を表示する映像表示システムにおいて、映像に重畳して表示する、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトの操作性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を自動車に搭載される映像システムへの適用を例にとり説明する。
図1に本実施形態に係る映像システムの構成を示す。
映像システムは、自動車に搭載されたシステムであり、図示するように、カメラ1、DVDビデオプレイヤやデジタルTV受信機などのビデオを出力する装置であるビデオ出力装置2、地図上で現在位置や目的地までの経路を表した案内映像を出力するナビゲーション装置3、ビデオセレクタ4、画像解析部5、画像加工部6、合成部7、LCDなどである表示装置8、タッチパネル9、接近センサ10、音声処理部11、スピーカ12、以上各部を制御する制御部13とを有している。
【0014】
なお、ビデオセレクタ4、画像解析部5、画像加工部6、合成部7、音声処理部11、制御部13は、マイクロプロセッサや、メモリや、その他の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたコンピュータによって、予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現されるものであって良い。
【0015】
さて、このような構成において、カメラ1は、図2aに示すように車両後部に装着され、車両後方を撮影する。
また、タッチパネル9は、透明なパネル状の座標入力装置であり、表示装置8の表示画面上に重ねて設置してある。
また、接近センサ10は、図2bに示すように、タッチパネル9の近傍に配置された、タッチパネル9へのユーザの手の接近を検出するセンサであり、このような接近センサ10としては、超音波や赤外線などを用いた接近センサ10を用いることができる。
そして、ビデオセレクタ4は、制御部13の制御に従って、カメラ1の出力映像と、ビデオ出力装置2の出力映像と、ナビゲーション装置3の出力映像とのうちの一つを選択し、主映像として、画像加工部6に出力する。画像加工部6は、制御部13の制御に従って、ビデオセレクタ4から入力する主映像に対して画像加工を行って、画像加工後の主映像を合成部7に出力する。
【0016】
一方、制御部13は、ユーザから映像表示システムの各種操作を受け付けるために表示する表示オブジェクト(アイコンやボタンやその他の画像/図形)の画像であるUI用画像を生成し合成部7に出力する。以下では、一例として、制御部13が、ユーザから映像表示システムの各種操作を受け付けるための表示オブジェクトとして、ボタンを表示する場合を例にとり説明する。
【0017】
次に、合成部7は、たとえば、図3に示すように、制御部13から入力するボタン301を表すUI用画像310を、画像加工部6から入力する主映像320に合成して、主映像320の上にボタン301が表された表示映像330を生成し、表示映像330を表示装置8に表示する。
【0018】
そして、制御部13は、表示映像330上で、ボタン301を表示している領域内の座標のユーザによるタッチパネル9のタッチが発生したならば、そのボタン301に対応する操作を受け付け、映像表示システムの動作を制御する。
一方、音声出力部は、制御部13の制御に従って、ビデオ出力装置2の出力音声と、ナビゲーション装置3の出力音声の一方をスピーカ12に出力したり、両音声を合成してスピーカ12に出力する処理を行う。
そして、このような構成において、制御部13は、図4aに手順を示す、ボタン操作支援処理を行う。
図示するように、この処理では、まず、現在、表示装置8にカメラ1またはビデオ出力装置2の出力映像を主映像320とする表示映像330が表示されているかどうかを調べる(ステップ402)。そして、表示されていなければ、そのまま、カメラ1またはビデオ出力装置2の出力映像を主映像320とする表示映像330が表示されるのを待つ。
【0019】
一方、表示装置8にカメラ1またはビデオ出力装置2の出力映像を主映像320とする表示映像330が表示されていれば、ユーザの手のタッチパネル9への接近の発生の有無を調べ(ステップ404)、発生していなければステップ402の処理に戻る。なお、ユーザの手のタッチパネル9への接近は、接近センサ10を用いて検出する。
【0020】
一方、ユーザの手のタッチパネル9への接近が発生していれば(ステップ404)、画像加工部6に、主映像320に対するボタン操作支援用の画像加工の開始を指示する(ステップ406)。このボタン操作支援用の画像加工の内容については後に詳述する。ここで、初期状態からボタン操作用の画像加工の開始を指示されるまで、画像加工部6は、ビデオセレクタ4から入力する主映像320をそのまま合成部7に出力する。
【0021】
そして、ユーザの手のタッチパネル9への接近が接近センサ10によって検出されなくなるのを待って(ステップ408)、画像加工部6に、主映像部に対するボタン操作用の画像加工の終了を指示し(ステップ410)、ステップ402からの処理に戻る。
ここで、画像加工部6は、主映像320に対するボタン操作支援用の画像加工の終了を指示されると、以降、次にボタン操作支援用の画像加工の開始を指示されるまで、ビデオセレクタ4から入力する主映像320をそのまま合成部7に出力する。
以上、制御部13が行うボタン操作支援処理について説明した。
このようなボタン操作支援処理によれば、表示映像330に主映像320として表示されるカメラ1やビデオ出力装置2の出力映像は、ユーザの手がタッチパネル9に接近している期間中のみ、ボタン操作用の画像加工が施されたものとなり、他の期間は、カメラ1やビデオ出力装置2の出力映像そのものとなる。
【0022】
なお、このボタン操作支援処理は、映像表示システムから接近センサ10を排して、図4bに示すように行うようにしてもよい。
すなわち、表示装置8にカメラ1またはビデオ出力装置2の出力映像を主映像320とする表示映像330が表示されている状態において(ステップ452)、ユーザのタッチパネル9のタッチが発生(ステップ454)するのを待つ。
そして、ユーザのタッチパネル9のタッチが発生したならば(ステップ454)、画像加工部6に、主映像320に対するボタン操作支援用の画像加工の開始を指示する(ステップ456)。
そして、所定のタイムアウト時間(たとえば、3秒)を持つタイマをスタートし(ステップ458)、ユーザのタッチパネル9へのタッチの発生(ステップ460)と、タイマのタイムアウトの発生(ステップ462)とを監視する。
そして、ユーザのタッチパネル9へのタッチが発生したならば(ステップ460)、ステップ458に戻ってタイマを再セットした上で、ユーザのタッチパネル9へのタッチの発生(ステップ460)と、タイマのタイムアウトの発生(ステップ462)との監視に戻る。
【0023】
一方、タイムアウトが発生した場合には(ステップ462)、画像加工部6に、主映像部に対するボタン操作用の画像加工の終了を指示し(ステップ464)、ステップ452からの処理に戻る。
このようなボタン操作支援処理によれば、表示映像330に主映像320として表示されるカメラ1やビデオ出力装置2の出力映像は、ユーザがタッチパネル9にタッチしてから所定期間のみ、ボタン操作用の画像加工が施されたものとなり、他の期間は、カメラ1やビデオ出力装置2の出力映像そのものとなる。
【0024】
次に、上述のように、画像加工部6において主映像320に対して行うボタン操作支援用の画像加工の内容について説明する。
このボタン操作支援用の画像加工では、主映像320をボタン301との対照性が高まるように加工する。このようにすることにより、表示映像330において、主映像320の上に表示されるボタン301が、主映像320に対して際だち、その視認性が向上することになる。
【0025】
すなわち、このボタン操作支援用の画像加工では、たとえば、主映像320全体の輝度を低下させる画像加工を行う。
比較的輝度の大きいボタン301を用いる場合に、このような画像加工を行うことにより、たとえば、図5aに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330は、図5b1に示すようにボタン301と主映像320との輝度差が大きな表示映像330となり、ボタン301の視認性が向上する。
【0026】
または、このボタン操作支援用の画像加工では、たとえば、主映像320の、ボタン301がその上に配置される領域周辺の輝度を低下させる。
比較的輝度の大きいボタン301を用いる場合に、このような画像加工を行うことにより、たとえば、図5aに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330は、図5b2に示すようにボタン301と主映像320のボタン301周辺の部分との輝度差が大きな表示映像330となり、ボタン301の視認性が向上する。
【0027】
または、このボタン操作支援用の画像加工では、たとえば、主映像320全体の輝度を増加させる画像加工を行う。
比較的輝度の小さなボタン301を用いる場合に、このような画像加工を行うことにより、たとえば、図5cに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330は、図5d1に示すようにボタン301と主映像320との輝度差が大きな表示映像330となり、ボタン301の視認性が向上する。
【0028】
または、このボタン操作支援用の画像加工では、たとえば、主映像320の、ボタン301がその上に配置される領域周辺の輝度を増加させる。
比較的輝度の小さなボタン301を用いる場合に、このような画像加工を行うことにより、たとえば、図5cに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330は、図5d2に示すようにボタン301と主映像320のボタン301周辺の部分との輝度差が大きな表示映像330となり、ボタン301の視認性が向上する。
【0029】
なお、制御部13の上述したボタン操作支援処理では、その時点で出力しているUI画像に含めているボタン301の輝度に応じて、加工部に行わせるボタン操作支援用の画像加工を切り替えるようにしてもよい。
すなわち、ボタン301の輝度が比較的大きい場合には、図5b1、2に示すように主映像320全体またはボタン301周辺の輝度を低下させる画像加工をボタン操作支援用の画像加工として画像加工部6に行わせ、ボタン301の輝度が比較的小さい場合には、図5d1、2に示すように主映像320全体またはボタン301周辺の輝度を増加させる画像加工をボタン操作支援用の画像加工として画像加工部6に行わせるようにしてもよい。
【0030】
また、制御部13の上述したボタン操作支援処理では、その時点の主映像320の輝度に応じて、加工部に行わせるボタン操作支援用の画像加工を切り替えるようにしてもよい。
すなわち、画像解析部5において、ビデオセレクタ4から出力される主映像320の平均的な輝度を求め、制御部13において、主映像320の平均的な輝度が所定のしきい値より大きい場合には、図5d1、2に示すように主映像320全体またはボタン301周辺の輝度を増加させる画像加工をボタン操作支援用の画像加工として画像加工部6に行わせ、主映像320の平均的な輝度が所定のしきい値より小さい場合には、図5b1、2に示すように主映像320全体またはボタン301周辺の輝度を減少させる画像加工をボタン操作支援用の画像加工として画像加工部6に行わせるようにしてもよい。ここで、所定のしきい値は、たとえば、ボタン301の平均輝度とするようにしてもよい。
【0031】
中間的な輝度を有するボタン301を用いる場合に、このようにボタン操作支援用の画像加工を切り替えることにより、たとえば、主映像320の平均的な輝度が比較的大きい場合には、図6aに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330を、図6bに示すようにボタン301と主映像320との輝度差が大きな表示映像330とすることができ、ボタン301の視認性を向上することができる。また、主映像320の平均的な輝度が比較的小さな場合にも、図6cに示すボタン操作支援用の画像加工を行わないときの表示映像330に比べ、ボタン操作支援用の画像加工を行ったときの表示映像330を、図6dに示すようにボタン301と主映像320との輝度差が大きな表示映像330とすることができ、ボタン301の視認性を向上することができる。
【0032】
また、ボタン操作支援用の画像加工としては、以上に示したような画像加工の他、図7bに示すように主映像320をぼかす加工を行ったり、図7cに示すようにカラーの主映像320の彩度を低下させて白黒の映像に加工したり、図7dに示すように主映像320の輝度コントラストを低下させる加工を行ったりしてもよい。また、動画である主映像320のボタン操作支援用の画像加工開始時の画像フレームを連続的に出力することにより、図7eに示すように主映像320が静止画を表すようにする加工を行ったりするようにしてもよい。また、これらの画像加工は、主映像320の全体に対してではなく、図7fに示すように、主映像320のボタン配置領域の周辺領域701に対してのみ行うようにしてもよい。これらの主映像320に対する加工によっても、主映像320に対してボタン301を際だたせ、その視認性を向上することができうる。
【0033】
なお、図7b、c、d、eは、ボタン操作支援用の画像加工を行わないときに表示映像330が図7aのように表示される主映像320とボタン301を表示する場合についてのものである。
以上、本発明の実施形態について説明した。
以上のように、本実施形態によれば、ユーザの手がタッチパネル9に接近している期間や、タッチパネル9のタッチが発生した後の所定期間などの、ユーザのボタン301に対する操作が発生する蓋然性が大きい期間中、ボタン301が当該ボタン301が合成される主映像320上で際だつような加工を施して、ユーザのボタン301の視認性を向上することができる。
【0034】
また、その他の期間中には、主映像320を、そのまま加工を施すことなく、ボタン301を合成して表示するので、これらの期間における主映像320の視認性や再現性を確保することができる。
また、ボタン301の表示輝度や表示色が、主映像に依存して変化することもないので、表示輝度や表示色の異同などによって各ボタン301の意味合や種別をユーザに提示することも支障無く行えるようになる。
なお、本実施形態で示した映像表示システムの技術は、車載ではない映像表示システムにも同様に適用することができる。また、前述のように、本実施形態で示した映像表示システムの技術は、ユーザ操作受付用の表示オブジェクトとして、ボタン301以外のアイコンやその他の画像/図形などの任意の種類の表示オブジェクトを表示する場合にも同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施形態に係る映像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る映像表示システムの配置を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る映像表示システムの合成動作を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係るボタン操作支援処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る映像表示システムの処理例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る映像表示システムの処理例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係る映像表示システムの処理例を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
1…カメラ、2…ビデオ出力装置、3…ナビゲーション装置、4…ビデオセレクタ、5…画像解析部、6…画像加工部、7…合成部、8…表示装置、9…タッチパネル、10…接近センサ、11…音声処理部、12…スピーカ、13…制御部、301…ボタン、310…UI用画像、320…主映像、330…表示映像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ操作受け付け用の表示オブジェクトを含む映像を、表示装置に表示する映像表示システムであって、
入力装置と、
画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置が出力した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力する画像処理手段と、
前記入力装置に対するユーザの手の接近を検出する接近検出センサとを有し、
前記画像処理手段は、前記接近検出センサが前記接近を検出した場合に、前記画像出力装置が出力した画像に代えて、当該画像に前記表示オブジェクトとの対照性を高める所定の加工を施した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力することを特徴とする映像表示システム。
【請求項2】
ユーザ操作受け付け用の表示オブジェクトを含む映像を、表示装置に表示する映像表示システムであって、
入力装置と、
画像を出力する画像出力装置と、
前記画像出力装置が出力した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力する画像処理手段とを有し、
前記画像処理手段は、前記入力装置に対する操作が発生した場合に、前記画像出力装置が出力した画像に代えて、当該画像に前記表示オブジェクトとの対照性を高める所定の加工を施した画像上に、前記表示オブジェクトを合成し、前記表示装置に表示する映像として出力することを特徴とする映像表示システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の映像表示システムであって、
前記画像出力装置が出力する画像は動画であることを特徴とする映像表示システム。
【請求項4】
請求項3記載の映像表示システムであって、
前記画像出力装置は、カメラであることを特徴とする映像表示システム。
【請求項5】
請求項1、2、3または4記載の映像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記所定の加工として、前記画像出力装置が出力した画像の輝度を増加、もしくは、減少させる加工を行うことを特徴とする映像表示システム。
【請求項6】
請求項1、2、3または4記載の映像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記所定の加工として、前記画像出力装置が出力した画像の彩度またはコントラストを減少させる加工を行うことを特徴とする映像表示システム。
【請求項7】
請求項1、2、3または4記載の映像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記所定の加工として、前記画像出力装置が出力した画像をぼかす加工を行うことを特徴とする映像表示システム。
【請求項8】
請求項3または4記載の映像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記所定の加工として、前記画像出力装置が出力した動画の静止画への変換を行うことを特徴とする映像表示システム。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の映像表示システムであって、
前記画像処理部は、前記所定の加工を、前記画像出力装置が出力した画像の前記表示オブジェクトが配置される領域周辺の部分に対してのみ行うことを特徴とする映像表示システム。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の映像表示システムであって、
当該映像表示システムは、自動車に搭載されるものであることを特徴とする映像表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−134508(P2009−134508A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−310032(P2007−310032)
【出願日】平成19年11月30日(2007.11.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】