説明

映像表示装置及びその動作方法

【課題】電源の必要とされる分解能が著しく低減された映像表示装置を提供する。
【解決手段】複数の発光素子(1−1,1−2,...,1−n)と、発光素子の1つへ夫々結合された複数の第1の電流変調器(2−1,2−2,...,2−n)と、発光素子の少なくとも1つの所望の明度を表す強さを有する第1の電流を供給する電流源(11)と、特定の電圧レベルを有し、電流源からの第1の電流を第1の電流変調器によって取り出される回路ノード(3)とを有する映像表示装置であって、回路ノード(3)へ第2の電流を供給する第2の電流変調器(10)と、回路ノード(3)へ接続された入力部、基準端子へ接続された入力部、及び第2の電流変調器(10)の制御入力部へ接続された出力部を有する比較器(7)とを有し、第2の電流は回路ノードで特定の電圧レベルを得るように制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、行及び列を有するマトリクスに配置された複数の発光素子を有する映像表示装置と、そのような表示装置を動作させる方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
このような形式の表示装置は、その発光素子の夫々の明度を制御するためのドライバ回路を必要とする。パッシブマトリクス技術では、1つのドライバ回路は、複数の発光素子へ結合されており、それらに、時分割方式に従って、即ち、所定の時点で、動作電流パルスを供給する。所与のドライバ回路へ結合された発光素子の1つだけが、ドライバ回路から動作電流を受け取って、光を放射する。一方、残りの発光素子は、電流を受け取らず、暗状態のままである。パッシブマトリクス技術は、簡単且つ安価な回路を有するが、表示装置の適度な全体明度を達成するために、個々の発光素子へ供給されるパルスの強さは高くなければならず、これにより、発光素子の早期のエージング及び表示装置の低い信頼性といった問題が引き起こされる。
【0003】
アクティブマトリクス技術では、夫々の発光素子は、その発光素子へ結合された電流変調器を有する。電流変調器は、それが結合された発光素子に連続的な動作電流を供給するようプログラム可能である。供給される動作電流の強さは、新しい画像が表示されるべき場合に更新される。
【0004】
EP1622120A1は、このような形式の表示装置を開示する。この表示装置の発光素子の夫々は、第1の電流変調器を有する。第1の電流変調器は、発光素子へ結合され、マトリクス列の夫々へ結合された回路ノードから、結合された発光素子のために、プログラム可能な強さの供給電流を取り出す。更に、夫々の列は、その列へ結合された電流源を有する。電流源は、その列の発光素子の所望の明度を表すビデオデータによって制御され、前出の回路ノードへ第1の電流を供給する。第1の電流の強さは、その列の全ての発光素子の総体的な所望の明度を表す。即ち、電流源からの第1の電流は、電流源によって受け取られたビデオデータによって決定される夫々の発光素子の目的とする明度に比例して、列の発光素子へ分配され、供給される。
【0005】
例えばTV画像などの可変な画像を表示する場合に、発光素子の明度は、素子ごとに、連続して更新されるべきである。簡単に述べると、1つの素子の明度は、その1つの素子の更新された明度及び残りの素子の現在の明度の合計に比例する第1の電流を前出の回路ノードへ出力する電流源を有することによって、及び、素子が第1の電流のその部分を回路ノードから取り込むように、更新されるべき素子へ結合された第1の電流変調器をプログラミングすることによって、更新されると言える。第1の電流は、残り全ての素子の第1の電流変調器によっては取り込まれない。明らかなように、このような動作方式のために、電流源は、nが列に存在する発光素子の数であって、mが、これらの素子が表示することができる明度レベルの数であるならば、n×mの分解能で第1の電流強さを制御することができなければならない。実施例として、nがTV画像では標準的な約1000の数を有し、mが例えば256である場合に、必要とされる分解能は約256,000である。このような分解能は、電流源に精巧且つ高価な回路を必要とする。
【特許文献1】EP1622120A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、簡単且つ安価な回路が使用可能であるように、電源の必要とされる分解能が著しく低減された映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、行及び列を有するマトリクスに配置された複数の発光素子と、前記発光素子の1つへ夫々結合され、前記列の夫々へ結合された回路ノードから前記結合された発光素子のためにプログラム可能な強さの供給電流を取り出す複数の第1の電流変調器と、前記発光素子の所望の明度を表すビデオデータによって制御され、前記回路ノードへ、前記発光素子の少なくとも1つの所望の明度を表す強さを有する第1の電流を供給する電流源とを有し、前記回路ノードは、前記電流源によって供給される前記第1の電流が前記少なくとも1つの発光素子へ結合された前記第1の電流変調器によって前記回路ノードから取り出される場合に、特定の電圧レベルを有する、映像表示装置であって、前記回路ノードへ第2の電流を供給する第2の電流変調器と、前記回路ノードへ接続された入力部、常に前記特定の電圧レベルに保持された基準端子へ接続された入力部、並びに、前記第2の電流変調器の制御入力部へ接続された出力部を有する比較器とを有し、前記第2の電流変調器からの前記第2の電流は、前記回路ノードで前記特定の電圧レベルを得るように制御される、ことを特徴とする映像表示装置によって達成される。
【0008】
前記電流源からの前記第1の電流により前記少なくとも1つの発光素子をプログラミングした後、前記電流源は、前記回路ノードでの電圧を一時的に前記特定の電圧レベルから逸脱させるよう、オフに切り換えられても良い。その場合に、前記比較器は、前記特定の電圧レベルが回復するように前記第2の電流変調器を制御し、これによって、前記電流源によって予め出力されている前記第1の電流は、前記第2の変調器からの同じ強さの電流によって置き換えられる。次に、前記電流源は、同じ発光素子の少なくとも他の1つの発光素子の所望の明度を表す第1の電流を供給するよう、再び利用可能になる。
【0009】
望ましくは、所与の時点での前記電流源からの前記第1の電流の強さは、ただ1つの発光素子の所望の明度を表す。その場合に、前記電流源の必要とされる分解能は、明度レベルの数mまで減少する。
【0010】
望ましくは、当該表示装置の前記比較器は、スイッチによって前記第2の電流変調器の制御入力部へ接続された出力部を有し、蓄積コンデンサは、前記スイッチが開かれる場合に前記制御入力部を一定電圧に保つために前記制御入力部へ接続される。これにより、前記第2の電流変調器によって前記回路ノードへ供給される前記第2の電流は、スイッチが開かれようとも一定となる。
【0011】
望ましくは、前記比較器は、前記回路ノードへ接続された反転入力部と、前記基準端子へ接続された非反転入力部とを有する演算増幅器である。
【0012】
更に、前記回路ノードへ接続された入力部、及び前記基準端子へ接続された入力部を有する第2の比較器と、前記第1の電流変調器の1つの制御入力部へ前記第2の比較器の出力部を選択的に接続する複数のスイッチとが設けられても良い。
【0013】
また、上記目的は、行及び列を有するマトリクスに配置された複数の発光素子と、前記発光素子の1つへ夫々結合され、前記列の夫々へ結合された回路ノードから前記結合された発光素子のためにプログラム可能な強さの供給電流を取り出す複数の第1の電流変調器と、前記発光素子の所望の明度を表すビデオデータによって制御される電流源と、前記回路ノードへ第2の電流を供給する第2の電流変調器とを有する表示装置を動作させる方法であって、
a) 前記電流源から前記回路ノードへ前記発光素子のうちの少なくとも第1の発光素子の所望の明度を表す第1の電流を供給するステップと、
b) 前記回路ノードが特定の電圧レベルに達するように、前記発光素子のうちの前記少なくとも第1の発光素子へ結合された前記第1の電流変調器をプログラミングして、前記回路ノードから前記第1の電流を取り出すステップと、
c) 前記電流源から前記第1の電流を供給することを中止するステップと、
d) 前記回路ノードで前記特定の電圧レベルを回復するように前記第2の電流の強さを制御するステップと、
を有する方法によって達成される。
【0014】
望ましくは、この方法は、前記発光素子のうちの少なくとも第2の発光素子に関して繰り返される。その場合に、望ましくは、前記ステップa)及びb)を繰り返している間に、前記第2の電流の強さは、前のステップd)で設定された値に保たれる。その場合に、ステップd)が繰り返された場合に、前記第1及び第2の発光素子の前記第1の電流変調器は、両方とも、それらの発光素子の所望の明度のために適切な強さの電流を前記回路ノードから受け取ることができる。これにより、当該方法は、前記発光素子のうちの第3の発光素子に関して繰り返され、その後も、その列の全ての発光素子がそれらの夫々の所望の強さで動作するまで、同様に繰り返され得る。
【0015】
例えばTV画像などの可変な画像を表示する場合に、前記ステップa)からd)は、また、前記発光素子のうちの少なくとも1つに関して繰り返される。前記ステップa)からd)が繰り返される前に、前記発光素子のうちの前記少なくとも1つへ結合された前記第1の電流変調器は、その明度の好ましくないドリフトを回避するために、望ましくは、前記回路ノードから電流を取り出さないようプログラミングされるべきである。
【発明の効果】
【0016】
本発明により、簡単且つ安価な回路が使用可能であるように、電源の必要とされる分解能が著しく低減された映像表示装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付の図面に関する本発明の実施例の以下の記載から、本発明は更に容易に理解され、更なる特徴及び利点が明らかとなるであろう。
【0018】
本発明の表示装置は、n行及びl列のマトリクスで基板上に配置された、例えばOLED(有機発光素子)などの、多数(n×l個)の発光素子を有する。列は設計及び動作に関して同一であるので、図1はそれらの列の1つのみを表す。列は、割り当てられた電流変調器2−1,2−2,...,2−nへ直列に接続されたOLED1−1,1−2,...,1−nを有する。OLED及び電流変調器は、回路ノード3と、負の供給電位V−との間に並列に接続されている。
【0019】
電流変調器2−1,2−2,...,2−nは、夫々、一方は回路ノード3へ、他方はOLED1−1,1−2,...,1−nへ接続されている2つの電流電極と、スイッチ4−1,4−2,...,4−n及び蓄積コンデンサ5−1,5−2,...,5−nの夫々の第1の側へ接続された制御電極とを有するFETによって形成され得る。なお、蓄積コンデンサは、その第2の側を接地へ接続されているが、それらは、同様に、前出の負の供給電圧V−へ、正の供給電圧V+へ、又は、如何なる他の適切な一定電位へ接続されても良い。スイッチ4−1,4−2,...,4−nは、その第2の側を演算増幅器6の出力部へ接続されている。演算増幅器6の非反転入力部は回路ノード3へ接続され、その反転入力部は接地へ接続されている。
【0020】
演算増幅器7は、接地へ接続された非反転入力部と、回路ノードへ接続された反転入力部と、スイッチ8の第1の側へ接続された出力部とを有する。スイッチ8の第2の側は、蓄積コンデンサ9へ、及び電流変調器10の制御端子へ接続されている。電流変調器10は、電流変調器2−1,2−2,...,2−nと同じ形式から成っても良い。電流変調器10は、その電流端子を正の供給電圧V+へ、及び回路ノード3へ接続されている。
【0021】
例となる電流源11は、制御ブロック12と、トランジスタ13と、抵抗14とを有する。トランジスタ13及び抵抗14は、正の供給電圧V+と回路ノード3との間に直列に接続されている。制御ブロック12は、OLED1−1,1−2,...,1−nの所望の明度を表すデジタルデータを受け取る入力部15と、抵抗14の両端の電圧降下を検出する入力部16と、トランジスタ13の制御電極へ接続された出力部とを有する。トランジスタ13はバイポーラ又はMOS−FETトランジスタであっても良い。
【0022】
図1の回路の動作を説明するために、表示装置はまさに動作を開始しており、最初に、全ての電流変調器2−1,2−2,...,2−n及び10並びに電流源11は、全てのOLEDが暗状態となるように、遮断状態にあるとする。更に、便宜上、入力部15で受け取られる第1のデジタル明度は、OLED1−1に対応する値D1であるとする。図2及び3を参照する。図2及び3は、電流源11の出力電流IDATA及び電流変調器10のI10の波形を表す。
【0023】
制御ブロック12は、スイッチ4−1を閉じて、トランジスタ13を導通させることによって、入力されている明度D1に反応するので、(図2の)時間t1cでは、正の電流IDATAが、電流源11から回路ノード3へ流れ始める。従って、回路ノード3の電位は正となる。これにより、演算増幅器6は、蓄積コンデンサ5−1を充電する正の電圧を出力し、電流変調器2−1は、導通して、電流が抵抗14及び回路ノード3を連続的に流れることを可能にする。制御ブロック12は、入力部16で検出される電圧降下が入力明度D1に対して所定の相対関係となるまで、引き続き、トランジスタ13の制御電極へ印加する電圧を適応させる。所定の相対関係とは、所望の明度D1を発生させるための必要な強さを有する電流IDATA=ID1=c×D1が、電流源11から電流変調器2−1及びOLED1−1を通って流れていることを示す。
【0024】
これが起こる場合に、回路3は最初に正の電位を有することができると考えられる。この正の電位により、演算増幅器6は、蓄積コンデンサ2−1を充電し続けて、電流変調器2−1の制御電極での電位を徐々に増大させ、その導通率を高めることができる。制御ブロック12は、回路ノード3を流れる電流がID1で一定に保たれるように、トランジスタ13へ印加される制御電圧を引き続き調整する。間もなく、定常状態が達成され、回路ノード3は接地電位を有することとなる。この状態で、制御ブロック12はスイッチ4−1を再び開く。
【0025】
時間t1dにおける次のステップで、制御ブロック12は、電流源11が非導通となるようにトランジスタ13を遮断し、スイッチ8を閉じる。電流変調器2−1は導通状態のままであるので、回路ノード3の電位は減少する。これにより、演算増幅器7は、蓄積コンデンサ9及び電流変調器10の制御電極へ正の電流を出力することができる。先と同じく、定常状態は、回路ノード3が接地電位へ戻されると直ぐに達成される。これが起こる場合に、OLED1−1を流れる電流は厳密にID1に等しいが、電流はこれ以上電流源11によっては供給されず、電流変調器10によって供給される。
【0026】
時間t2aからt2cまでのその後のステップで、制御ブロック12は、リセット手順を実行する。これについては、より良い理解のために、後に説明する。
【0027】
時間t2cまでに、制御ブロック12は、OLED1−2の所望の明度D2を指示する第2のデジタルデータを受け取っている。t2cで、制御ブロック12は、スイッチ4−2を閉じ、前出の所望の明度D2に対応する電流IDATA=ID2を電流源11に流させるように制御トランジスタ13を制御し始める。再び、回路ノード3の電位は僅かに正となり、これにより、この時間に、増幅器6は、コンデンサ5−2を充電し、電流変調器2−2を導通させることができる。定常状態が達成され、回路ノード3は接地電位を有することとなる。電流源11からの電流IDATA=ID2はOLED2−2によって取り込まれ、一方、電流変調器10からの電流I10はOLED1−1を流れる。次に、制御ブロック12はスイッチ4−2を開き、時間t2dで、制御ブロック12は、再び、トラジスタ13を遮断し、スイッチ8を閉じる。回路ノード3での電位の減少により、増幅器7は、電流変調器10からの電流I10がID1+ID2に等しくなるまで、コンデンサ9を充電し続ける。
【0028】
手順は、列の残り全てのOLEDに関して繰り返され、夫々の繰り返しの終わりに、電流変調器10からの電流は、OLEDの夫々に関して、所望の強さIDi(i=3,...,n)だけ増大して、最終的にIΣ=ID1+ID2+...+IDnに達する。この段階で、画像全体が表示装置に現れる。
【0029】
制御ブロック12によって受け取られる次のデジタルデータは、その後のピクチャにおいてOLED1−1の所望の明度D1′を指示するデータである。OLED1−1の明度をこの新しい値に適合させるために、時間t1a′(図3参照)で、制御ブロック12は、スイッチ4−1を閉じることによってリセット手順を開始し、これによって、蓄積コンデンサ5−1は放電され、電流変調器2−1は非導通状態となる。次に、スイッチ4−1は再び開かれる。回路ノード3での電位は、僅かに正となる。時間t1b′でスイッチ8を閉じることによって、電流変調器10はこの新しい状態に適応させられ、その電流はIΣ−ID1まで減少する。OLED1−1をリセットするこの手順は、制御ブロック12が、図2に関して先に記載されたのと同じように、このOLEDの新しい明度D1′を設定することを可能にする。即ち、時間t1c′で、これにより、電流源11は、IDATA=ID1′を出力し、スイッチ4−1を閉じることができるので、電流変調器2−1は、回路ノード3が接地電位にある場合に、回路ノード3から電流ID1′を正確に取り出すことができる。スイッチ4−2は再び開かれ、t1d′で、変調器10によって供給される電流I10はIΣ−ID1+ID1′まで増大するように、電流源11は遮断し、スイッチ8は閉じられる。手順は、他の全てのOLED1−2,...1−nに関して同様の方法で続けられる。
【0030】
制御ブロック12は、OLEDの明度を1つずつプログラミングするために使用されるので、電流源11の分解能は、列にあるOLEDの数には無関係に、制御ブロック12によって受け取られる単一の明度データの分解能よりも高い必要はない。
【0031】
EP162120A1の記載を参照すると、当業者には明らかなように、図1の回路の動作手順は、以下のように変更され得る。最初に、制御ブロック12は、前出の先行技術文献に記載されるように、例えばOLED1−1、1−2といった、少数のOLEDの明度を連続的にプログラミングする。このプログラミングの終わりに、電流源11によって出力される電流IDATAは、ID1、ID2がOLED1−1、1−2の所望の明度D1、D2に対応する電流強さであるとするならば、ID1+ID2に達する。次に、制御ブロック12は、図2又は3に関して先に記載されたように、電流源11を非導通状態にし、更に、電流源11によって予め供給された電流ID1+ID2が電流変調器10へ「コピー」されるように、スイッチ8を閉じる。明らかなように、完全な画像の構成に必要とされるコピーステップの数は、2つのコピーステップの間で連続的にプログラミングされるOLEDの数が大きくなればなるほど小さくなる。他方で、電流源11の必要とされる分解能は、連続的にプログラミングされるOLEDの数に比例して増大する。
【0032】
他の実施例に従って、画像構成速度は、電流変調器2をプログラミングする前にそれらをリセットしないことによって増大しうる。表示装置がまさに作動しており、第1の画像が形成される場合に、リセットステップは必要とされないことは、容易に理解される。第2の画像を形成する場合に、例えばOLED1−1の明度は、電流源11に電流IDATA=ID1′−ID1′を出力させることによってプログラミングされる。ここで、ID1′は、第2の画像においてOLE1−1の所望のD1′に対応する電流強さである。この実施例で、IDATAは負である場合があるので、電流源11は、例えば、トランジスタ13とV−との間に直列に接続され、制御ブロック12によって制御される第2のトランジスタ(図示せず。)を用いて、負の電流を発生させるよう構成されるべきである。
【0033】
この実施例で、不正確なIDATAにより、OLEDの明度はドリフトすることがある。このようなドリフトを制限するために、夫々のOLEDが、所定の回数リセットされることなく再プログラミングされる場合に、夫々のOLEDへリセットを適用することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例に従う表示装置の例となる一部の回路図である。
【図2】第1の表示画像を構成中の図1の表示装置における電流を表す波形である。
【図3】次の画像の構成中の電流を表す波形である。
【符号の説明】
【0035】
1−1,1−2,...,1−n 発光素子(OLED)
2−1,2−2,...,2−n 電流変調器
3 回路ノード
4−1,4−2,...,4−n スイッチ
5−1,5−2,...,5−n 蓄積コンデンサ
6,7 演算増幅器
8 スイッチ
9 蓄積コンデンサ
10 電流変調器
11 電流源
V−,V+ 供給電位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
行及び列を有するマトリクスに配置された複数の発光素子と、
前記発光素子の1つへ夫々結合され、前記列の夫々へ結合された回路ノードから前記結合された発光素子のためにプログラム可能な強さの供給電流を取り出す複数の第1の電流変調器と、
前記発光素子の所望の明度を表すビデオデータによって制御され、前記回路ノードへ、前記発光素子の少なくとも1つの所望の明度を表す強さを有する第1の電流を供給する電流源とを有し、
前記回路ノードは、前記電流源によって供給される前記第1の電流が前記少なくとも1つの発光素子へ結合された前記第1の電流変調器によって前記回路ノードから取り出される場合に、特定の電圧レベルを有する、映像表示装置であって、
前記回路ノードへ第2の電流を供給する第2の電流変調器と、
前記回路ノードへ接続された入力部と、常に前記特定の電圧レベルに保持された基準端子へ接続された入力部と、前記第2の電流変調器の制御入力部へ接続された出力部とを有する比較器とを有し、
前記第2の電流変調器からの前記第2の電流は、前記回路ノードで前記特定の電圧レベルを得るように制御される、ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記比較器は、スイッチによって前記第2の電流変調器の制御入力部へ接続された出力部を有し、
蓄積コンデンサは、前記スイッチが開かれる場合に前記制御入力部を一定電圧に保つために前記制御入力部へ接続される、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記比較器は、前記回路ノードへ接続された反転入力部と、前記基準端子へ接続された非反転入力部とを有する演算増幅器である、請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
前記回路ノードへ接続された入力部と、前記基準端子へ接続された入力部とを有する第2の比較器と、
前記第1の電流変調器の1つの制御入力部へ前記第2の比較器の出力部を選択的に接続する複数のスイッチとを更に有する、請求項1乃至3のうちいずれか一項記載の表示装置。
【請求項5】
行及び列を有するマトリクスに配置された複数の発光素子と、
前記発光素子の1つへ夫々結合され、前記列の夫々へ結合された回路ノードから前記結合された発光素子のためにプログラム可能な強さの供給電流を取り出す複数の第1の電流変調器と、
前記発光素子の所望の明度を表すビデオデータによって制御される電流源と、
前記回路ノードへ第2の電流を供給する第2の電流変調器とを有する表示装置を動作させる方法であって、
a) 前記電流源から前記回路ノードへ前記発光素子のうちの少なくとも第1の発光素子の所望の明度を表す第1の電流を供給するステップと、
b) 前記回路ノードが特定の電圧レベルに達するように、前記発光素子のうちの前記少なくとも第1の発光素子へ結合された前記第1の電流変調器をプログラミングして、前記回路ノードから前記第1の電流を取り出すステップと、
c) 前記電流源から前記第1の電流を供給することを中止するステップと、
d) 前記回路ノードで前記特定の電圧レベルを回復するように前記第2の電流の強さを制御するステップとを有する方法。
【請求項6】
前記ステップa)からd)は、前記発光素子のうちの少なくとも第2の発光素子に関して繰り返され、
前記ステップa)及びb)を繰り返している間に、前記第2の電流の強さは、前のステップd)で設定された値に保たれる、請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ステップa)からd)は、前記発光素子のうちの少なくとも1つに関して繰り返され、
前記ステップa)からd)が繰り返される前に、前記発光素子のうちの前記少なくとも1つへ結合された前記第1の電流変調器は、前記回路ノードから電流を取り出さないようプログラミングされる、請求項5又は6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−323072(P2007−323072A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145640(P2007−145640)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】