説明

時間間隔計測装置及び時間間隔計測方法

【課題】時間間隔の計測精度を向上させる。
【解決手段】開始時点から各クロック信号の直近の立ち上がり時点までの時間間隔及び各クロック信号の直近の立ち上がり時点から終了時点までの時間間隔を計測する細時間測定手段(20)と、第1クロック信号を利用して開始時点から終了時点までの周期をカウントする第1カウンタ(12a)と、第2クロック信号を利用して開始時点から終了時点までの周期をカウントする第2カウンタ(12b)と、第3クロック信号を利用して開始時点から終了時点までの周期をカウントする第3カウンタ(12c)と、細時間および粗時間を選択する選択手段(31)と、選択手段で選択された粗時間と細時間とから開始時点から終了時点までの時間間隔を演算する演算手段(32)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時間間隔を計測する時間間隔計測装置及び時間間隔計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時間間隔の計測には、TDC回路を利用する方法がある。TDC回路を利用した時間間隔の計測は、粗時間を計測するカウンタと、粗時間より短い細時間を計測するTDC回路を組み合わせて実現される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
カウンタとTDC回路とは、時間分解能が異なり、TDC回路はカウンタより小さい時間分解能で時間間隔を計測することができる。したがって、TDC回路を使用することで、高精度な時間間隔の計測が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−014182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、時間間隔を利用する場合、計測する時間間隔の開始タイミングや終了タイミングは、クロック信号の立ち上がり時点を基準に判断される。このような場合、時間間隔の開始タイミングや終了タイミングがクロック信号の立ち上がりと一致するとき、計測される時間間隔の信頼性が低下する。また、TDC回路とカウンタを利用した時間間隔の計測では、計測する時間間隔の開始タイミングや終了タイミングが、粗時間を計測するカウンタのクロック信号の立ち上がりと重なった場合、粗時間を計測するカウンタと細時間を計測するTDC回路とにおける時間関係が1クロック分ずれる可能性がある。
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、時間間隔の計測精度を向上した時間間隔計測装置及び時間間隔計測方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、入力信号により特定される開始時点から終了時点までの時間間隔を測定する時間間隔計測装置であって、同一周期かつ位相の異なる複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で前記開始時点から各クロック信号の直近の立ち上がり時点までの時間間隔及び各クロック信号の直近の立ち上がり時点から前記終了時点までの時間間隔を計測する細時間測定手段と、前記複数のクロック信号から選択されたクロック信号である第1クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第1カウンタと、前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号と位相が異なるクロック信号である第2クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第2カウンタと、前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号及び第2クロック信号と位相が異なるクロック信号である第3クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第3カウンタと、クロック信号の立ち上がりを含む所定の範囲内に前記開始時点及び前記終了時点が含まれる場合、当該クロック信号以外のクロック信号を利用して計測された時間間隔を細時間として選択するとともに、前記第1カウンタ、前記第2カウンタ又は前記第3カウンタにおいて当該クロック信号以外のクロック信号を利用してカウントされた値を粗時間として選択する選択手段と、選択手段で選択された粗時間と、前記選択手段で選択された細時間とから前記開始時点から前記終了時点までの時間間隔を演算する演算手段とを備える。
【0008】
また、請求項2の発明は、入力信号により特定される開始時点から終了時点までの時間間隔を測定する時間間隔計測方法であって、同一周期かつ位相の異なる複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で前記開始時点から各クロック信号の直近の立ち上がり時点までの時間間隔を計測するステップと、同一周期かつ位相の異なる前記複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で各クロック信号の直近の立ち上がり時点から前記終了時点までの時間間隔を計測するステップと、前記複数のクロック信号から選択されたクロック信号である第1クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号と位相が異なるクロック信号である第2クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号及び第2クロック信号と位相が異なるクロック信号である第3クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、クロック信号の立ち上がりを含む所定の範囲内に前記開始時点及び前記終了時点が含まれる場合、当該クロック信号以外のクロック信号を利用して計測された時間間隔を細時間として選択するステップと、当該クロック信号以外のクロック信号を利用してカウントされた値を粗時間として選択するステップと、選択された粗時間と細時間とから前記開始時点から前記終了時点までの時間間隔を演算するステップとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、時間間隔の計測誤りを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る時間間隔計測装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1の時間間隔計測装置における粗時間の計測の一例を説明するタイミングチャートである。
【図3】図1の時間間隔計測装置における粗時間の計測の他の例を説明するタイミングチャートである。
【図4】図1の時間間隔計測装置における粗時間の計測の他の例を説明するタイミングチャートである。
【図5】図1の時間間隔計測装置における細時間の計測の一例を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面を参照して、本発明の各実施形態に係る時間間隔計測装置について説明する。本発明に係る時間間隔計測装置は、時間間隔を計測する装置であって、たとえば、パルス信号の立ち上がりから次のパルス信号の立ち上がりまでの時間間隔を計測する。図1に示すように、時間間隔計測装置1は、粗時間を計測する粗時間計測手段10、細時間を計測する細時間計測手段20、粗時間計測手段10と細時間計測手段20の計測結果から計測対象の時間間隔を求める処理回路30とを備えている。
【0012】
粗時間計測手段10で計測可能な時間分解能と、細時間計測手段20で計測可能な時間分解能とは異なる。具体的には、細時間計測手段20は、粗時間計測手段10で計測するよりも細かい時間分解能で時間間隔を計測する。時間間隔計測装置1では、処理回路30粗時間計測手段10と細時間計測手段20とによって異なる時間分解能で計測された各時間(粗時間及び細時間)を演算処理して正確な時間間隔を計測する。
【0013】
時間間隔計測装置1は、計測する時間間隔の開始と終了のタイミングを特定するパルス信号(PULSE)を入力する。このパルス信号は、粗時間計測手段10及び細時間計測手段20に入力される。
【0014】
粗時間計測手段10は、複数の同期化回路11a〜11cと、複数のカウンタ12a〜12cと、複数のレジスタ13a〜13cとを備え、これらを利用して粗時間を計測する。同期化回路11a〜11cは、各カウンタ12a〜12c及びレジスタ13a〜13cを同期させる。
【0015】
第1同期化回路11aは、第1クロック信号CLK0とパルス信号を入力するD−フリップフロップである。第1同期化回路11aからの出力信号Q(図2〜図4では、Q0)は、第1カウンタ12aと第1レジスタ13aへ入力する。第1カウンタ12aは、第1同期化回路11aから入力する信号が0から1に変化した時点から次に0から1に変化する時点までの期間のクロック数をカウントし、カウンタ値を第1レジスタ13aに出力する。また、第1カウンタ12aは、第1同期化回路11aからの入力信号が0から1になると、カウンタ値をリセットする。第1レジスタ13aは、第1同期化回路11aから入力する値が変化すると、第1カウンタ12aから入力したカウンタ値を処理回路30に出力する。
【0016】
第2同期化回路11bは、第2クロック信号CLK1とパルス信号を入力するD−フリップフロップである。第2クロック信号CLK1は、第1クロック信号CLK0と同一周期であるが、位相の異なるクロック信号である。図2〜図4では、第2クロック信号CLK1が第1クロック信号CLK0から1/4クロック分ずれている例を示している。第2同期化回路11bからの出力信号Q(図2〜図4では、Q1)は、第2カウンタ12bへ入力する。第2カウンタ12bは、第2同期化回路11bから入力する信号が0から1に変化した時点から次に0から1に変化する時点までの期間のクロック数をカウントし、カウンタ値を第2レジスタ13bに出力する。また、第2カウンタ12bは、第2同期化回路11bから入力する信号が0から1になると、カウンタ値をリセットする。第2レジスタ13bは、第2同期化回路11bから入力する値が変化すると、第2カウンタ12bから入力したカウンタ値を処理回路30に出力する。
【0017】
第3同期化回路11cは、第3クロック信号CLK2とパルス信号を入力するD−フリップフロップである。第3クロック信号CLK2は、第1クロック信号CLK0及び第2クロック信号CLK1と同一周期であるが位相の異なるクロック信号である。図2〜図4では、第3クロック信号CLK2が第1クロック信号CLK0から1/2クロック分ずれている例を示している。第3同期化回路11cからの出力信号Q(図2〜図4では、Q2)は、第3カウンタ12cに入力する。第3カウンタ12cは、第3同期化回路11cから入力する信号が0から1に変化した時点から次に0から1に変化する時点までの期間のクロック数をカウントし、カウンタ値を第3レジスタ13cに出力する。また、第3カウンタ12cは、第3同期化回路11cから入力する信号が0から1になると、カウンタ値をリセットする。第3レジスタ13cは、第3同期化回路11cから入力する値が変化すると、第3カウンタ12cから入力したカウンタ値を処理回路30に出力する。
【0018】
処理回路30における処理については、後に詳述するが、処理回路30では、粗時間計測手段10の各レジスタ13a〜13cから入力する値から、適切な値を粗時間として選択し、選択した値を対象の時間間隔の演算に利用する。このように第1クロック信号CLK0、第2クロック信号CLK1及び第3クロック信号CLK2をそれぞれ利用する粗時間計測手段10における時間分解能は、粗時間計測手段10で使用するクロック信号の1クロック分の時間となる。
【0019】
細時間計測手段20は、同一周期であるが位相の異なる複数のクロック信号を利用して、細時間を計測する。ここで、複数のクロック信号の立ち上がりの間隔は等分されるように設定されている。図5では、細時間計測手段20で位相が1/8クロック分ずつずれている8のクロック信号CLK00〜CLK07を利用する一例を示している。
【0020】
粗時間計測手段10で利用する複数のクロック信号は、細時間計測手段20で利用する複数のクロック信号から選択されたクロック信号である。例えば、時間間隔計測装置1では、クロック信号CLK00を粗時間計測手段10の第1クロック信号CLK0、クロック信号CLK02を粗時間計測手段10の第2クロック信号CLK1、クロック信号CLK04を粗時間計測手段10の第3クロック信号CLK3として選択して利用する。
【0021】
細時間計測手段20では、粗時間計測手段10よりも多数のクロック信号を利用し、各クロック信号の立ち上がりから立ち上がりまでの区間を基準に時間間隔を計測できるため、粗時間計測手段10よりも細かい時間分解能で時間を計測することができる。すなわち、粗時間計測手段10における時間分解能は1クロック分の時間であるため、粗時間計測手段10ではパルス信号の立ち上がりからクロック信号立ち上がりまでの時間を計測することはできない。これに対し、細時間計測手段20における時間分解能は1クロックより細かい時間(図5の例では、1クロックの1/8)であるため、細時間計測手段20では、予め設定した区間を利用して、パルス信号の立ち上がりからクロック信号の立ち上がりまでの時間も計測することができる。
【0022】
具体的には、細時間計測手段20は、入力するパルス信号が0から1に変化すると、変化した時点から、この変化と最も近い各クロック信号CLK00〜CLK07の立ち上がり時点までの時間を計測する。すなわち、細時間計測手段20は、複数のクロック信号CLK00〜CLK07の立ち上がりを基準として等分される区間の何区間分であるかを計測することで、パルス信号の立ち上がり時点から各クロック信号CLK00〜CLK07の立ち上がりまでの時間を計測することができる。仮に、使用するクロック信号の数を増加させれば、細時間計測手段20で計測可能な時間分解能を細かくすることができる。
【0023】
細時間計測手段20は、パルス信号の立ち上がりから各クロック信号CLK00〜CLK07の立ち上がりまでの時間を計測すると、計測した時間を処理回路30に出力する。
【0024】
図5の例では、クロック信号CLK00の立ち上がりからクロック信号CLK02の立ち上がりまでの間にパルス信号の立ち上がりが存在する場合にはクロック信号CLK01を使用して計測された時間は使用せず、クロック信号CLK01の立ち上がりからクロック信号CLK03の立ち上がりまでの間にパルス信号の立ち上がりが存在する場合にはクロック信号CLK02を使用して計測された時間は使用せず、クロック信号CLK02の立ち上がりからクロック信号CLK04の立ち上がりまでの間にパルス信号の立ち上がりが存在する場合にはクロック信号CLK03を使用して計測された時間は使用せず、クロック信号CLK03の立ち上がりからクロック信号CLK05の立ち上がりまでの間にパルス信号の立ち上がりが存在する場合にはクロック信号CLK04を使用して計測された時間は使用しない等のように定められている。
【0025】
処理回路30は、粗時間計測手段10から入力する複数の値から適切な値を選択するとともに、細時間計測手段20から入力する複数の時間から適切な時間を選択する選択手段31と、選択手段31で選択された値から対象の時間間隔を演算する演算手段32とを備えている。
【0026】
具体的には、選択手段31では、粗時間計測手段10で使用している各クロック信号CLK0〜CLK2が細時間計測手段20で使用するクロック信号CLK00〜CLK07のいずれに対応するかを把握している。また、選択手段31では、パルス信号の変化の位置と使用に適さないクロック信号との関係を把握している。したがって、選択手段31は、細時間計測手段20から入力するパルス信号の立ち上がりの位置を利用して、各レジスタ13a〜13cから入力した粗時間から、使用に適切な粗時間を選択する。また、選択手段31は、選択した粗時間の計測に使用したクロック信号を使用して計測された第1細時間及び第2細時間を適切な細時間として選択する。
【0027】
例えば、図2に示す例の場合、パルス信号の立ち上がりは、第1クロック信号CLK0の立ち上がりと一致しており、第2クロック信号CLK1及び第3クロック信号CLK2の立ち上がりとは一致していない。この場合、第1クロック信号CLK0を利用して得られたカウンタ値は、適切でない可能性がある。したがって、時間間隔計測装置1では、第1レジスタ13aから出力される第1クロック信号CLK0を利用して得られたカウンタ値は信頼性がないため使用せず、選択手段31は、第2クロック信号CLK1又は第3クロック信号CLK2を利用して得られたカウンタ値を粗時間と選択して使用する必要がある。また、選択手段31は、選択した粗時間の計測に使用したクロック信号を使用して細時間計測手段20で計測された時間を細時間として選択する。すなわち、図2の例では、選択手段31は、第2クロック信号CLK1又は第2クロック信号CLK2に対応するクロック信号を利用して細時間計測手段で計測された時間を選択する。
【0028】
また、図3に示す例の場合、パルス信号の立ち上がりは各クロック信号CLK0〜CLK2の立ち上がりとは一致していないが、パルス信号の立下りが第1クロック信号CLK0の立下りと一致している。この場合、第1クロック信号CLK0を利用して得られたカウンタ値は、適切でない可能性がある。したがって、時間間隔計測装置1では、第1レジスタ13aから出力される第1クロック信号CLK0を利用して得られたカウンタ値は信頼性がないため使用せず、第2クロック信号CLK1又は第3クロック信号CLK2を利用して得られたカウンタ値を選択して使用する必要がある。また、選択手段31は、選択した粗時間の計測に使用したクロック信号を使用して細時間計測手段20で計測された時間を細時間として選択する。
【0029】
さらに、図4に示す例の場合、パルスの立ち上がりが第1クロック信号CLK0の立ち上がりと一致し、パルス信号の立下りが第2クロック信号CLK1の立ち上がりと一致している。この場合、第1クロック信号CLK0を利用して得られたカウンタ値と第2クロック信号CLK1を利用して得られたカウンタ値は、適切でない可能性がある。したがって、時間間隔計測装置1では、第1クロック信号CLK0又は第2クロック信号CLK1を利用して得られたカウンタ値は信頼性がないため使用せず、第3レジスタ13cから出力される第3クロック信号CLK2を利用して得られたカウンタ値を選択して使用する必要がある。また、選択手段31は、選択した粗時間の計測に使用したクロック信号を使用して細時間計測手段20で計測された時間を細時間として選択する。
【0030】
なお、使用可能なクロック信号が複数ある場合には、予め定めるクロック信号を使用して計測した時間を選択するように設定していてもよい。例えば、第1クロック信号CLK0及び第2クロック信号CLK1や、第1クロック信号CLK0及び第3クロック信号CLK2が使用可能な場合は第1クロック信号CLK0を選択するように定め、第2クロック信号CLK1及び第3クロック信号CLK2が使用可能な場合は第2クロック信号を選択するように定めることができる。
【0031】
選択手段31で適切な粗時間及び細時間が選択されると、演算手段32は、選択手段31で選択された粗時間及び細時間を使用して対象の時間間隔を演算する。具体的には、演算手段32は、粗時間と第1細時間を加算し、第2細時間を減算して細時間を求める。
【0032】
上述したように、本発明の実施形態に係る時間間隔計測装置1では、粗時間計測手段10においても複数のクロック信号を使用し、各クロック信号で得られた複数の値から最適な値を選択して時間間隔を計測する。これにより、時間間隔計測装置1では、パルスの変化がクロック信号の立ち上がりと一致した場合であっても、他のクロック信号を利用して得られた値を利用することができるため、求められる時間間隔に生じる誤差を防止することができる。
【0033】
以上、各実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。
【符号の説明】
【0034】
1…時間間隔計測装置
10…粗時間計測手段
11a…第1同期化回路
11b…第2同期化回路
11c…第3同期化回路
12a…第1カウンタ
12b…第2カウンタ
12c…第3カウンタ
13a…第1レジスタ
13b…第2レジスタ
13c…第3レジスタ
20…細時間計測手段
21…選択手段
30…処理回路
31…選択手段
32…演算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号により特定される開始時点から終了時点までの時間間隔を測定する時間間隔計測装置であって、
同一周期かつ位相の異なる複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で前記開始時点から各クロック信号の直近の立ち上がり時点までの時間間隔及び各クロック信号の直近の立ち上がり時点から前記終了時点までの時間間隔を計測する細時間測定手段と、
前記複数のクロック信号から選択されたクロック信号である第1クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第1カウンタと、
前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号と位相が異なるクロック信号である第2クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第2カウンタと、
前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号及び第2クロック信号と位相が異なるクロック信号である第3クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントする第3カウンタと、
クロック信号の立ち上がりを含む所定の範囲内に前記開始時点及び前記終了時点が含まれる場合、当該クロック信号以外のクロック信号を利用して計測された時間間隔を細時間として選択するとともに、前記第1カウンタ、前記第2カウンタ又は前記第3カウンタにおいて当該クロック信号以外のクロック信号を利用してカウントされた値を粗時間として選択する選択手段と、
選択手段で選択された粗時間と、前記選択手段で選択された細時間とから前記開始時点から前記終了時点までの時間間隔を演算する演算手段と、
を備える時間間隔計測装置。
【請求項2】
入力信号により特定される開始時点から終了時点までの時間間隔を測定する時間間隔計測方法であって、
同一周期かつ位相の異なる複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で前記開始時点から各クロック信号の直近の立ち上がり時点までの時間間隔を計測するステップと、
同一周期かつ位相の異なる前記複数のクロック信号を利用して当該クロック信号の周期を細分化した時間分解能で各クロック信号の直近の立ち上がり時点から前記終了時点までの時間間隔を計測するステップと、
前記複数のクロック信号から選択されたクロック信号である第1クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、
前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号と位相が異なるクロック信号である第2クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、
前記複数のクロック信号から選択され、第1クロック信号及び第2クロック信号と位相が異なるクロック信号である第3クロック信号を利用して前記開始時点から前記終了時点までの周期をカウントするステップと、
クロック信号の立ち上がりを含む所定の範囲内に前記開始時点及び前記終了時点が含まれる場合、当該クロック信号以外のクロック信号を利用して計測された時間間隔を細時間として選択するステップと、
当該クロック信号以外のクロック信号を利用してカウントされた値を粗時間として選択するステップと、
選択された粗時間と細時間とから前記開始時点から前記終了時点までの時間間隔を演算するステップと、
を備える時間間隔計測方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−229986(P2012−229986A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98228(P2011−98228)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】