普通型コンバイン
【課題】夜間運転における普通型コンバインの作業性をさらに向上させること。
【解決手段】右及び左のデバイダ33a,33bと、作物を掻き込むリール16と、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダ6の入口6aに集めるオーガとを備えて刈取部7を構成し、刈取部7をフィーダ6を介して機体の前部に支持して、オーガにより集められた作物が、フィーダ6の入口6aに送り込まれ、フィーダ6により脱穀装置3に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、フィーダ6の右又は左の横側に運転部を備え、運転部を覆うキャビン又はキャノピー28を備えて、フィーダ6の入口6aを照らす照明装置40a,40bを、キャビンの天井部の前部又はキャノピー28の前部に備えてある。
【解決手段】右及び左のデバイダ33a,33bと、作物を掻き込むリール16と、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダ6の入口6aに集めるオーガとを備えて刈取部7を構成し、刈取部7をフィーダ6を介して機体の前部に支持して、オーガにより集められた作物が、フィーダ6の入口6aに送り込まれ、フィーダ6により脱穀装置3に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、フィーダ6の右又は左の横側に運転部を備え、運転部を覆うキャビン又はキャノピー28を備えて、フィーダ6の入口6aを照らす照明装置40a,40bを、キャビンの天井部の前部又はキャノピー28の前部に備えてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
タイやインド等のアジアの熱帯地域で使用されるコンバインは普通型コンバインが主流であり、このようなアジアの熱帯地域では、稼働効率を高めるために昼間だけでなく夜間もコンバインを運転することがある。
このような地域で使用されるコンバインには、運転席、キャビンの本体、又はアンローダ等に照明装置が設けられており、涼しい薄暮や夜間において、機体前方の刈取部の作業域とその周辺とを照明装置で照らしながら刈取作業が実施される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来型の普通型コンバインの照明装置は、単に前方を照らすものであり、また照射範囲もそれほど広い範囲ではないので、夜間作業をより効率的に実施するという点において改善する余地があった。
【0005】
本発明の目的は、夜間における普通型コンバインの刈取作業の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1特徴構成は、
右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、
前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、
前記フィーダの右又は左の横側に運転部を備え、前記運転部を覆うキャビン又はキャノピーを備えて、
前記フィーダの入口を照らす照明装置を、前記キャビンの天井部の前部又は前記キャノピーの前部に備えてある点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
普通型コンバインでは、幅広の刈取部で刈り取られた作物が、オーガより集められてフィーダの入口に送り込まれるので、刈り取られた作物がフィーダの入口で詰まる可能性がある。そこで、刈り取られた作物がフィーダの入口で詰まりそうになると、運転者はコンバインの走行速度を落として、フィーダの入口に送り込まれる作物量を減少させる必要がある。そのため、普通型コンバインを運転する運転者はフィーダの入口付近に常に注意を払う必要がある。
本構成によれば、照明装置がフィーダの入口を照らすため、刈り取られた作物が滞りなくフィーダに送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダの入口で詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
さらに、キャビンの天井部の前部又はキャノピーの前部の真下付近に、フィーダの入口が位置することになるので、キャビンの天井部の前部又はキャノピーの前部に照明装置を設けることによって、照明装置により真下を照らすようになって、フィーダ入口付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部の掻き込みリールよりも高い位置から光が照射されるため、フィーダの入口付近だけでなく刈取部の全体に光が照射され易い。
以上より、本構成によれば、夜間における普通型コンバインの刈取作業の効率化を図ることができる。
【0008】
本発明に係る第2特徴構成は、前記照明装置が、前記フィーダ側のデバイダを照らすように構成してある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
普通型コンバインでは、運転部が既刈側に位置し、フィーダが未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、本構成によれば、照明装置がフィーダ側のデバイダを照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ側のデバイダとの位置関係を把握し易い。また機体の旋回時において、フィーダ側のデバイダと障害物との接触を回避し易くなる。
【0010】
本発明に係る第3特徴構成は、前記照明装置が、前記運転部側のデバイダを照らすように構成してある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
前述のように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部側のデバイダが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、本構成によれば、照明装置が運転部側のデバイダを照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダとの位置関係を把握し易い。また機体の旋回時において、運転部側のデバイダと障害物との接触を回避し易くなる。
【0012】
本発明に係る第4特徴構成は、前記照明装置が、前記リールの前方を照らすように構成してある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、照明装置が、掻き込みリールの前方を照らすため、夜間の前方視界性がさらに良くなる。尚、キャビン又はキャノピーは通常、掻き込みリールよりも高い位置にあるので、掻き込みリールを越えて前方を照らすことも容易である。
【0014】
本発明に係る第5特徴構成は、前記照明装置が、前記刈取部における運転部側の横外側を照らすように構成してある点にある。
【0015】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、刈取部における運転部側のデバイダの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0016】
本発明に係る第6特徴構成は、前記照明装置が、機体の右側及び左側を照らすように構成してある点にある。
【0017】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、機体の右側方と左側方の視界性がさらに良くなるため、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0018】
本発明に係る第7特徴構成は、前記照明装置が複数の作業灯を備えて構成される点にある。
【0019】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、複数の作業灯でフィーダの入口付近を照らすことができるので、フィーダの入口付近がより明るく照らされて視認性が良くなる。
【0020】
本発明に係る第8特徴構成は、
機体の全周囲を照射する周囲照明装置を、前記キャビンの天井部の上部又は前記キャノピーの上部に備えてある点にある。
【0021】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、周囲照明装置によって機体の全周囲が照らされて機体の全方位の視界性が良くなるため、夜間における機体の前進、後進、右折、左折等の運転操作を実施し易くなる。
【0022】
本発明に係る第9特徴構成は、前記周囲照明装置が、機体の後方に紫外線を照射し、機体の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成してある点にある。
【0023】
〔作用及び効果〕
本構成は、昆虫が可視光線よりも紫外線に集まり易いという性質を利用するものである。
本構成によれば、夜間運転中に照明装置及び周囲照明装置からの光でコンバインに集まってくる昆虫を、機体の後方に誘引することができるので、機体の前方と左右両側方の視界性がさらに良くなると共に、作業の邪魔となる運転部への昆虫飛来を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る普通型のコンバインの全体右側面図である。
【図2】第1実施形態に係るコンバインの全体平面図である。
【図3】第1実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図4】第2実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図5】第3実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図6】第4実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図7】第5実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図8】第6実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図9】第7実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図10】第8実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図11】第8実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図12】第9実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図13】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図14】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図15】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図16】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図17】別実施形態に係る普通型のコンバインの全体右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
(コンバインの構成)
図1及び図2に基づいて、本発明に係る照明装置を備えた普通型コンバインの全体構成について説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1を備えた機体2の上部に、普通型(全稈投入型)の脱穀装置3、脱穀装置3から供給される穀粒を貯留するグレンタンク17、及び運転部5等が配備されている。機体2の前部の右横側(フィーダ6の右横側)に運転部5が配設されており、機体2の後部で運転部5の後側にグレンタンク17が配設されている。機体2の後部でグレンタンク17の左側に脱穀装置3がグレンタンク17と左右に並べて配備されている。尚、図示しないが、機体2の前部の左横側に運転部5を配設して、機体2の前部の右横側にフィーダ6を配設する構成としても良い。
【0027】
グレンタンク17の後部には、このグレンタンク17から機外に穀粒を排出する穀粒排出装置としてのアンローダ18が装備されている。
【0028】
アンローダ18は、グレンタンク17の底に配設された底スクリュー31の後端に連通接続されスクリュー式の縦搬送機構18aと、この縦搬送機構18aの上端に連通接続されて昇降自在なスクリュー式の横搬送機構18bとから構成されている。このアンローダ18が全体的に、旋回モータ(図示せず)の作動によって縦搬送機構18aのスクリュー軸心である縦軸心Pを中心にして旋回可能となっており、縦搬送機構18aに対して横搬送機構18bが昇降可能に構成されている。
【0029】
図2の実線部分に示すように、不使用時におけるアンローダ18は、グレンタンク17の後部(機体2の後部右側部)から機体2の前部左側部に向かって、平面視で対角状に配設されるように受け台35に固定されている(格納位置P1)。図2の矢印に示すように、アンローダ18は、格納位置P1から機体2の後方を旋回して、グレンタンク17の略真横の方向である右限界位置P2まで旋回可能である。アンローダ18は格納位置P1から機体2の前方には旋回せず、また右限界位置P2から機体2の前方にも旋回しない(格納位置P1と右限界位置P2とに亘る旋回範囲P12においてのみ、アンローダ18は旋回可能となっている)。
【0030】
脱穀装置3の前部には、刈取り穀稈搬送用のフィーダ6が連結されており、このフィーダ6の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取部7が連結されている。
【0031】
刈取部7は、フィーダ6を介して機体2の前部に支持される。刈取部7は、右及び左のデバイダ33a,33bと、作物を後方に掻き込んで引き上げる掻き込みリール16(リールに相当)と、左右一対の分草フレーム11に亘って設けられたバリカン型の刈取装置12と、左右一対の分草フレーム11に亘って架設されたオーガ13と、を備えて構成されている。
【0032】
オーガ13は、刈取装置12によって刈取った作物を左右側部から左右中央側(フィーダ6の入口6a)に寄せ集める左右スパイラ13a,13bと、作物を後方のフィーダ6の入口6aに送り込む掻込フィンガー13cとをドラム13dの外周に備えて構成されている。
【0033】
刈取装置12によってその株元が切断されて刈り取られた作物は、オーガ13の左右スパイラ13a,13bにより横送りされてフィーダ6の入口6a付近に寄せ集められる。寄せ集められた作物は、ドラム13dの回転に伴ってドラム13dの外周面に対してその先端が進退する掻込フィンガー13cによってフィーダ6の入口6aに送り込まれ、フィーダ6を介して脱穀装置3に搬送される。
【0034】
フィーダ6には、巻回張設された左右のチェーン14aに亘って搬送バー14bを横架連結した掻き揚げコンベア14が内装されており、オーガ13から供給された作物をフィーダ6の底面に沿って搬送して、脱穀装置3に供給できるように構成されている。脱穀装置3により脱穀された穀粒は、脱穀装置3とグレンタンク17とに亘って設けられた穀粒搬送機構(図示せず)を介して、グレンタンク17に供給されるように構成されている。
【0035】
グレンタンク17の中に貯留された穀粒は、底スクリュー31によって縦搬送機構18aに搬出され、続いて縦搬送機構18aから横搬送機構18bに揚送された後、横搬送機構18bによって横搬送されて吐出口18cから排出される。
【0036】
運転部5は、グレンタンク17の上面よりも上方に突出するキャノピー28を備え、キャノピー28は運転席5aの後部に立設する支柱29によって支持されている。
【0037】
第1実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bのそれぞれがキャノピー28の前部の右端及び左端に配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0038】
(照明装置の照射範囲)
図3に示すように、右の作業灯40aは照射範囲A1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、掻き込みリール16の左先端から右のデバイダ33aの右横側方までの範囲を照らす。
左の作業灯40bは照射範囲A2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、掻き込みリール16の右先端から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
【0039】
右の作業灯40aの照射範囲A1の水平方向の開き角度は、左の作業灯40bの照射範囲A2の水平方向の開き角度と略同じであり、照射範囲A1の一部と照射範囲A2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の前方に向かってクロスライティング領域が形成される。
【0040】
普通型コンバインでは、幅広の刈取部7で刈り取られた作物が、オーガ13より集められてフィーダ6の入口6aに送り込まれるので、刈り取られた作物がフィーダ6の入口6aで詰まる可能性がある。そこで、刈り取られた作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになると、運転者はコンバインの走行速度を落として、フィーダ6の入口6aに送り込まれる作物量を減少させる必要がある。そのため、普通型コンバインを運転する運転者はフィーダ6の入口6a付近に常に注意を払う必要がある。
【0041】
上記構成によれば、左の作業灯40bがフィーダ6の入口6aを照らすため、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0042】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0043】
右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0044】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0045】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0046】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0047】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席5aに着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0048】
以下、本発明の第2〜第9実施形態について説明するが、重複説明を避けるため、先の実施形態で説明した構成部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、先の第1実施形態とは異なる構成と照明装置40の照射範囲について説明する。
【0049】
〔第2実施形態〕
図4に示すように、右の作業灯40aは照射範囲B1を照射するのであり、刈取部7のほぼ全域と、掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。左の作業灯40bは照射範囲B2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、掻き込みリール16の右先端から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
【0050】
照射範囲B1の一部と照射範囲B2の一部とが互いに重なり合うことによって、刈取部7の約80%の領域でクロスライティング領域が形成される。
【0051】
上記構成によれば、クロスライティング領域が上記第1実施形態よりも広く、右の作業灯40a及び左の作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが上記第1実施形態の場合よりも明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかをより一層確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0052】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0053】
右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0054】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0055】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0056】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0057】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席36に着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0058】
〔第3実施形態〕
図5に示すように、右の作業灯40aは照射範囲C1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、右のデバイダ33a付近から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
左の作業灯40bは照射範囲C2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、左のデバイダ33b付近から右のデバイダ33aの右横側方までの範囲を照らす。
【0059】
照射範囲C1の一部と照射範囲C2の一部とが互いに重なり合うことによって、刈取部7のほぼ全域でクロスライティング領域が形成される。
【0060】
上記構成によれば、クロスライティング領域が上記第2実施形態よりも広く、右の作業灯40a及び左の作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが上記第2実施形態の場合よりも明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかをより一層確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作をより的確に実施することができる。
【0061】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0062】
右の作業灯40a及び左の作業灯40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0063】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0064】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0065】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0066】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席5aに着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0067】
〔第4実施形態〕
図6に示すように、第4実施形態においては、照明装置40として3つの作業灯40a,40c,40bのそれぞれがキャノピー28の前部の右端、中央、左端に配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0068】
右の作業灯40aは照射範囲D1を照射するのであり、右のデバイダ33aとその右横側方を含む範囲を照らす。中央の作業灯40cは照射範囲D2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む掻き込みリール16の左先端から右のデバイダ33aまでの範囲を照らす。左の作業灯40bは照射範囲D3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
【0069】
照射範囲D2の一部が、照射範囲D1の一部と照射範囲D3の一部とそれぞれ互いに重なり合うことによって、オーガ13から右のデバイダ33aの前方に向かう右側クロスライティング領域と、オーガ13から掻き込みリール16の左前方に向かう左側クロスライティング領域とが形成される。
【0070】
上記構成によれば、左の作業灯40b及び中央の作業灯40cによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0071】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜cを設けることによって、作業灯40a〜cにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0072】
右の作業灯40aと中央の作業灯40cが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40bと中央の作業灯40cがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0073】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40bと中央の作業灯40cがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0074】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aと中央の作業灯40cが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0075】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0076】
右の作業灯40aと中央の作業灯40cとのクロスライティング、及び左の作業灯40bと中央の作業灯40cとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の左前方と右のデバイダ33aの前方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0077】
〔第5実施形態〕
図7に示すように、第5実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置される。これらの作業灯40a〜dは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0078】
右の作業灯40aは照射範囲E1を照射するのであり、右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲E2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲E3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲E4を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bと左の作業灯40cによって刈取部7の先端付近が集中的に照射されると共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40dのそれぞれによって、運転者の右手前及び左手前が集中的に照射される。
【0079】
照射範囲E2の一部と照射範囲E3の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。
照射範囲E1の一部と照射範囲E2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13の右端付近から右のデバイダ33aの右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲E3の一部と照射範囲E4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から左のデバイダ33bの前方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
【0080】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0081】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜dを設けることによって、作業灯40a〜dにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0082】
右の作業灯40a,40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0083】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0084】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0085】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0086】
右の作業灯40a,40bのクロスライティング、右の作業灯40bと左の作業灯40cとのクロスライティング、及び左の作業灯40c,40dのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0087】
〔第6実施形態〕
図8に示すように、第6実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置される。これらの作業灯40a〜dは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0088】
また左のデバイダ33bの上方に、縦刈取装置34が備えられている。図17に示すように、縦刈取装置34は、バリカン型の刈取装置12を上下向きにしたような形状をして、左のデバイダ33bの上方に配置されており、地上の茎や葉等が互いに絡み易い作物を上下方向に切断して分離して刈取り易くするものである。
【0089】
右の作業灯40aは照射範囲F1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲F2を照射するのであり、右のデバイダ33a及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲F3を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、縦刈取装置34、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲F4を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dによって刈取部7の右前部分が集中的に照射されると共に、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aと縦刈取装置34付近が集中的に照射される。
【0090】
照射範囲F1の一部と照射範囲F4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。この中央クロスライティング領域には、照射範囲F1の一部と、照射範囲F4の一部と、照射範囲F2の一部とが互いに重なり合うことによって、特に右のデバイダ33aの前方を明るく照らす3重クロスライティング領域が形成される。
照射範囲F1の一部と照射範囲F2の一部とが互いに重なり合うことによって、キャノピー28の右端から右のデバイダ33aの前方と右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲F3の一部と照射範囲F4の一部とが互いに重なり合うことによって、キャノピー28の左端から左のデバイダ33bの左横側方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
【0091】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。また、左の作業灯40c,40dによって、左のデバイダ33bの縦刈取装置34が明るく照らされるため、その作動状態を確認し易い。
【0092】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜dを設けることによって、作業灯40a〜dにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0093】
右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40dがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0094】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0095】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0096】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0097】
右の作業灯40aと40bとのクロスライティング、右の作業灯40aと左の作業灯40dとのクロスライティング、左の作業灯40cと40dとのクロスライティング、及び右の作業灯40aと40bと左の作業灯40dとのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0098】
〔第7実施形態〕
図9に示すように、第7実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置され、作業灯40eがキャノピー28の前部の中央に配置される。これらの作業灯40a〜eは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。また左のデバイダ33bは、縦刈取装置34を備える。
【0099】
右の作業灯40aは照射範囲G1を照射するのであり、右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲G2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲G3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲G4を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方の縦刈取装置34を含む範囲を照らす。
中央の作業灯40eは照射範囲G5を照射するのであり、左側の一部分を除いて刈取部7の大部分を照らす。
右の作業灯40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eによって刈取部7の先端付近が集中的に照射され、右の作業灯40a,40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eによって刈取部7の右前部分が集中的に照射され、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aと縦刈取装置34付近が集中的に照射される。
【0100】
照射範囲G2の一部と照射範囲G3の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G1の一部と照射範囲G2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13の右端付近から右のデバイダ33aの右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G3の一部と照射範囲G4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から左のデバイダ33bの前方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G5は、照射範囲G1〜G4のそれぞれの一部と重なり合っており、特に上記中央、右側、左側のクロスライティング領域において3重クロスライティング領域が形成される。
【0101】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0102】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜eを設けることによって、作業灯40a〜eにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0103】
右の作業灯40a,40b,40eが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40d,40eがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0104】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40d,40eがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0105】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40b,40eが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0106】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0107】
右の作業灯40a,40bと中央の作業灯40eとのクロスライティング、右の作業灯40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eとのクロスライティング、及び左の作業灯40c,40dと中央の作業灯40eとのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0108】
〔第8実施形態〕
第8実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bがキャノピー28の前部に横方向に並べて配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
図10及び図11に示すように、右の作業灯40aは照射範囲H1を照射するのであり、運転部5付近及び運転部5の右横側方(機体2の右側)を集中的に照らす。尚、図10においては、運転部5の前方を集中的に照らす形態が示されており、図11においては、運転部5の右横側方の少し後方から運転部5の右横側方の前方まで照らす形態が示されている。
左の作業灯40bは照射範囲H2を照射するのであり、機体2の左側と、フィーダ6の入口6aと、掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。
【0109】
上記構成によれば、作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0110】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0111】
右及び左の作業灯40a,40bによって運転部5の右及び左の側方が照らされるため、夜間の右及び左の側方視界性がさらに良くなり、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0112】
左の作業灯40bによって、掻き込みリール16の前方が照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0113】
〔第9実施形態〕
第9実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bがキャノピー28の前部に横方向に並べて配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
図12に示すように、右の作業灯40aは照射範囲J1を照射するのであり、運転部5の右横側方及び左横側方のやや後方から掻き込みリール16の前方まで幅広く照らす。
左の作業灯40bは照射範囲J2を照射するのであり、フィーダ6の入口6aと掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。
照射範囲J1は、平面視で照射範囲J2を含んでおり、照射範囲J2にクロスライティング領域が形成される。
【0114】
上記構成によれば、作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0115】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0116】
右及び左の作業灯40a,40bによって運転部5の右及び左の側方(機体2の右側及び左側)が照らされるため、夜間の右及び左の側方視界性がさらに良くなり、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0117】
左の作業灯40bによって、掻き込みリール16の前方が照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0118】
〔別実施形態〕
(1)図13〜16に示すように、前述の第1〜9実施形態におけるキャノピー28の上部、好ましくは上部中央に、機体2の全周囲を照射する周囲照明装置50を備える構成としても良い。
【0119】
周囲照明装置50としては、例えば、図13に示すように上方に突出するドーム状のケーシング51内に一つの光源50aを備えるもの、図14に示すように上方に突出するドーム状のケーシング51の内部を3等分又は4等分(図示せず)して各分画のそれぞれに一つずつ光源50a〜50cを設置したもの、あるいは、図15に示すように上方に突出する台形の横断面を有するケーシング51に、前方を照射する2つの光源50a,50bと、後方を照射する光源50cとを設置したもの等が挙げられる。尚、図15に示す構成においては、光源50a,50b,50cのそれぞれは、照射範囲K1,K2,K3を照射し、機体2の右側、左側、及び後方を照らす。照射範囲K1の一部と照射範囲K2の一部とが互いに重なり合うことによって、機体2の前方にクロスライティング領域が形成される。
【0120】
本構成によれば、周囲照明装置50によって機体2の全周囲が照らされて機体2の全方位の視界性が良くなるため、夜間における機体2の前進、後進、右折、左折等の運転操作を実施し易くなる。
【0121】
また、図14及び図15に示す周囲照明装置50において、可視光線を照射する光源50a,50bを前方側に設置して、紫外線を照射する光源50cを後方側に設置する構成としたり、あるいは図16に示すように、脱穀装置3の排藁の排出口3a近傍に紫外線を照射する光源60を別途設置する等して、機体2の後方に紫外線を照射し、機体2の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成しても良い。
【0122】
本構成は、昆虫が可視光線よりも紫外線に集まり易いという性質を利用するものである。
本構成によれば、夜間運転中に照明装置40及び周囲照明装置50からの光でコンバインに集まってくる昆虫を、機体2の後方に誘引することができるので、機体2の前方と左右両側方の視界性がさらに良くなると共に、作業の邪魔となる運転部5への昆虫飛来を抑えられる。
【0123】
(2)図17に示すように、前述の実施形態における運転部5がキャビン52を備え、照明装置40をキャビン52の天井部の前部に設け、図13〜図16に示す周囲照明装置50をキャビン52の天井部の上部、好ましくは上部中央に設ける構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、普通型コンバインだけでなく自脱型コンバインにも適用可能であり、グレンタンクではなく穀粒回収ホッパーを備えるコンバインにも適用可能であり、これらのコンバインの夜間運転時の作業性をさらに向上させる場合に適している。
【符号の説明】
【0125】
2 機体
3 脱穀装置
5 運転部
6 フィーダ
6a フィーダの入り口
7 刈取部
12 刈取装置
13 オーガ
16 掻き込みリール
28 キャノピー
33a,33b デバイダ
40 照明装置
50 周囲照明装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
タイやインド等のアジアの熱帯地域で使用されるコンバインは普通型コンバインが主流であり、このようなアジアの熱帯地域では、稼働効率を高めるために昼間だけでなく夜間もコンバインを運転することがある。
このような地域で使用されるコンバインには、運転席、キャビンの本体、又はアンローダ等に照明装置が設けられており、涼しい薄暮や夜間において、機体前方の刈取部の作業域とその周辺とを照明装置で照らしながら刈取作業が実施される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来型の普通型コンバインの照明装置は、単に前方を照らすものであり、また照射範囲もそれほど広い範囲ではないので、夜間作業をより効率的に実施するという点において改善する余地があった。
【0005】
本発明の目的は、夜間における普通型コンバインの刈取作業の効率化を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1特徴構成は、
右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、
前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、
前記フィーダの右又は左の横側に運転部を備え、前記運転部を覆うキャビン又はキャノピーを備えて、
前記フィーダの入口を照らす照明装置を、前記キャビンの天井部の前部又は前記キャノピーの前部に備えてある点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
普通型コンバインでは、幅広の刈取部で刈り取られた作物が、オーガより集められてフィーダの入口に送り込まれるので、刈り取られた作物がフィーダの入口で詰まる可能性がある。そこで、刈り取られた作物がフィーダの入口で詰まりそうになると、運転者はコンバインの走行速度を落として、フィーダの入口に送り込まれる作物量を減少させる必要がある。そのため、普通型コンバインを運転する運転者はフィーダの入口付近に常に注意を払う必要がある。
本構成によれば、照明装置がフィーダの入口を照らすため、刈り取られた作物が滞りなくフィーダに送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダの入口で詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
さらに、キャビンの天井部の前部又はキャノピーの前部の真下付近に、フィーダの入口が位置することになるので、キャビンの天井部の前部又はキャノピーの前部に照明装置を設けることによって、照明装置により真下を照らすようになって、フィーダ入口付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部の掻き込みリールよりも高い位置から光が照射されるため、フィーダの入口付近だけでなく刈取部の全体に光が照射され易い。
以上より、本構成によれば、夜間における普通型コンバインの刈取作業の効率化を図ることができる。
【0008】
本発明に係る第2特徴構成は、前記照明装置が、前記フィーダ側のデバイダを照らすように構成してある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
普通型コンバインでは、運転部が既刈側に位置し、フィーダが未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、本構成によれば、照明装置がフィーダ側のデバイダを照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ側のデバイダとの位置関係を把握し易い。また機体の旋回時において、フィーダ側のデバイダと障害物との接触を回避し易くなる。
【0010】
本発明に係る第3特徴構成は、前記照明装置が、前記運転部側のデバイダを照らすように構成してある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
前述のように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部側のデバイダが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、本構成によれば、照明装置が運転部側のデバイダを照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダとの位置関係を把握し易い。また機体の旋回時において、運転部側のデバイダと障害物との接触を回避し易くなる。
【0012】
本発明に係る第4特徴構成は、前記照明装置が、前記リールの前方を照らすように構成してある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、照明装置が、掻き込みリールの前方を照らすため、夜間の前方視界性がさらに良くなる。尚、キャビン又はキャノピーは通常、掻き込みリールよりも高い位置にあるので、掻き込みリールを越えて前方を照らすことも容易である。
【0014】
本発明に係る第5特徴構成は、前記照明装置が、前記刈取部における運転部側の横外側を照らすように構成してある点にある。
【0015】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、刈取部における運転部側のデバイダの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0016】
本発明に係る第6特徴構成は、前記照明装置が、機体の右側及び左側を照らすように構成してある点にある。
【0017】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、機体の右側方と左側方の視界性がさらに良くなるため、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0018】
本発明に係る第7特徴構成は、前記照明装置が複数の作業灯を備えて構成される点にある。
【0019】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、複数の作業灯でフィーダの入口付近を照らすことができるので、フィーダの入口付近がより明るく照らされて視認性が良くなる。
【0020】
本発明に係る第8特徴構成は、
機体の全周囲を照射する周囲照明装置を、前記キャビンの天井部の上部又は前記キャノピーの上部に備えてある点にある。
【0021】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、周囲照明装置によって機体の全周囲が照らされて機体の全方位の視界性が良くなるため、夜間における機体の前進、後進、右折、左折等の運転操作を実施し易くなる。
【0022】
本発明に係る第9特徴構成は、前記周囲照明装置が、機体の後方に紫外線を照射し、機体の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成してある点にある。
【0023】
〔作用及び効果〕
本構成は、昆虫が可視光線よりも紫外線に集まり易いという性質を利用するものである。
本構成によれば、夜間運転中に照明装置及び周囲照明装置からの光でコンバインに集まってくる昆虫を、機体の後方に誘引することができるので、機体の前方と左右両側方の視界性がさらに良くなると共に、作業の邪魔となる運転部への昆虫飛来を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態に係る普通型のコンバインの全体右側面図である。
【図2】第1実施形態に係るコンバインの全体平面図である。
【図3】第1実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図4】第2実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図5】第3実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図6】第4実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図7】第5実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図8】第6実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図9】第7実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図10】第8実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図11】第8実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図12】第9実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図13】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図14】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図15】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図16】別実施形態における照明装置の照射範囲を示す平面図である。
【図17】別実施形態に係る普通型のコンバインの全体右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜図3に基づいて説明する。
(コンバインの構成)
図1及び図2に基づいて、本発明に係る照明装置を備えた普通型コンバインの全体構成について説明する。
【0026】
図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ走行装置1を備えた機体2の上部に、普通型(全稈投入型)の脱穀装置3、脱穀装置3から供給される穀粒を貯留するグレンタンク17、及び運転部5等が配備されている。機体2の前部の右横側(フィーダ6の右横側)に運転部5が配設されており、機体2の後部で運転部5の後側にグレンタンク17が配設されている。機体2の後部でグレンタンク17の左側に脱穀装置3がグレンタンク17と左右に並べて配備されている。尚、図示しないが、機体2の前部の左横側に運転部5を配設して、機体2の前部の右横側にフィーダ6を配設する構成としても良い。
【0027】
グレンタンク17の後部には、このグレンタンク17から機外に穀粒を排出する穀粒排出装置としてのアンローダ18が装備されている。
【0028】
アンローダ18は、グレンタンク17の底に配設された底スクリュー31の後端に連通接続されスクリュー式の縦搬送機構18aと、この縦搬送機構18aの上端に連通接続されて昇降自在なスクリュー式の横搬送機構18bとから構成されている。このアンローダ18が全体的に、旋回モータ(図示せず)の作動によって縦搬送機構18aのスクリュー軸心である縦軸心Pを中心にして旋回可能となっており、縦搬送機構18aに対して横搬送機構18bが昇降可能に構成されている。
【0029】
図2の実線部分に示すように、不使用時におけるアンローダ18は、グレンタンク17の後部(機体2の後部右側部)から機体2の前部左側部に向かって、平面視で対角状に配設されるように受け台35に固定されている(格納位置P1)。図2の矢印に示すように、アンローダ18は、格納位置P1から機体2の後方を旋回して、グレンタンク17の略真横の方向である右限界位置P2まで旋回可能である。アンローダ18は格納位置P1から機体2の前方には旋回せず、また右限界位置P2から機体2の前方にも旋回しない(格納位置P1と右限界位置P2とに亘る旋回範囲P12においてのみ、アンローダ18は旋回可能となっている)。
【0030】
脱穀装置3の前部には、刈取り穀稈搬送用のフィーダ6が連結されており、このフィーダ6の前端に略機体横幅に相当する刈幅を有する刈取部7が連結されている。
【0031】
刈取部7は、フィーダ6を介して機体2の前部に支持される。刈取部7は、右及び左のデバイダ33a,33bと、作物を後方に掻き込んで引き上げる掻き込みリール16(リールに相当)と、左右一対の分草フレーム11に亘って設けられたバリカン型の刈取装置12と、左右一対の分草フレーム11に亘って架設されたオーガ13と、を備えて構成されている。
【0032】
オーガ13は、刈取装置12によって刈取った作物を左右側部から左右中央側(フィーダ6の入口6a)に寄せ集める左右スパイラ13a,13bと、作物を後方のフィーダ6の入口6aに送り込む掻込フィンガー13cとをドラム13dの外周に備えて構成されている。
【0033】
刈取装置12によってその株元が切断されて刈り取られた作物は、オーガ13の左右スパイラ13a,13bにより横送りされてフィーダ6の入口6a付近に寄せ集められる。寄せ集められた作物は、ドラム13dの回転に伴ってドラム13dの外周面に対してその先端が進退する掻込フィンガー13cによってフィーダ6の入口6aに送り込まれ、フィーダ6を介して脱穀装置3に搬送される。
【0034】
フィーダ6には、巻回張設された左右のチェーン14aに亘って搬送バー14bを横架連結した掻き揚げコンベア14が内装されており、オーガ13から供給された作物をフィーダ6の底面に沿って搬送して、脱穀装置3に供給できるように構成されている。脱穀装置3により脱穀された穀粒は、脱穀装置3とグレンタンク17とに亘って設けられた穀粒搬送機構(図示せず)を介して、グレンタンク17に供給されるように構成されている。
【0035】
グレンタンク17の中に貯留された穀粒は、底スクリュー31によって縦搬送機構18aに搬出され、続いて縦搬送機構18aから横搬送機構18bに揚送された後、横搬送機構18bによって横搬送されて吐出口18cから排出される。
【0036】
運転部5は、グレンタンク17の上面よりも上方に突出するキャノピー28を備え、キャノピー28は運転席5aの後部に立設する支柱29によって支持されている。
【0037】
第1実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bのそれぞれがキャノピー28の前部の右端及び左端に配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0038】
(照明装置の照射範囲)
図3に示すように、右の作業灯40aは照射範囲A1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、掻き込みリール16の左先端から右のデバイダ33aの右横側方までの範囲を照らす。
左の作業灯40bは照射範囲A2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、掻き込みリール16の右先端から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
【0039】
右の作業灯40aの照射範囲A1の水平方向の開き角度は、左の作業灯40bの照射範囲A2の水平方向の開き角度と略同じであり、照射範囲A1の一部と照射範囲A2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の前方に向かってクロスライティング領域が形成される。
【0040】
普通型コンバインでは、幅広の刈取部7で刈り取られた作物が、オーガ13より集められてフィーダ6の入口6aに送り込まれるので、刈り取られた作物がフィーダ6の入口6aで詰まる可能性がある。そこで、刈り取られた作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになると、運転者はコンバインの走行速度を落として、フィーダ6の入口6aに送り込まれる作物量を減少させる必要がある。そのため、普通型コンバインを運転する運転者はフィーダ6の入口6a付近に常に注意を払う必要がある。
【0041】
上記構成によれば、左の作業灯40bがフィーダ6の入口6aを照らすため、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0042】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0043】
右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0044】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0045】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0046】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0047】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席5aに着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0048】
以下、本発明の第2〜第9実施形態について説明するが、重複説明を避けるため、先の実施形態で説明した構成部品については、同じ符号を付すことにより説明を省略し、先の第1実施形態とは異なる構成と照明装置40の照射範囲について説明する。
【0049】
〔第2実施形態〕
図4に示すように、右の作業灯40aは照射範囲B1を照射するのであり、刈取部7のほぼ全域と、掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。左の作業灯40bは照射範囲B2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、掻き込みリール16の右先端から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
【0050】
照射範囲B1の一部と照射範囲B2の一部とが互いに重なり合うことによって、刈取部7の約80%の領域でクロスライティング領域が形成される。
【0051】
上記構成によれば、クロスライティング領域が上記第1実施形態よりも広く、右の作業灯40a及び左の作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが上記第1実施形態の場合よりも明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかをより一層確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0052】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0053】
右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0054】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0055】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0056】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0057】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席36に着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0058】
〔第3実施形態〕
図5に示すように、右の作業灯40aは照射範囲C1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、右のデバイダ33a付近から左のデバイダ33bの左横側方までの範囲を照らす。
左の作業灯40bは照射範囲C2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方とフィーダ6の入口6aとを含む、左のデバイダ33b付近から右のデバイダ33aの右横側方までの範囲を照らす。
【0059】
照射範囲C1の一部と照射範囲C2の一部とが互いに重なり合うことによって、刈取部7のほぼ全域でクロスライティング領域が形成される。
【0060】
上記構成によれば、クロスライティング領域が上記第2実施形態よりも広く、右の作業灯40a及び左の作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが上記第2実施形態の場合よりも明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかをより一層確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作をより的確に実施することができる。
【0061】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0062】
右の作業灯40a及び左の作業灯40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0063】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0064】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a及び左の作業灯40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0065】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0066】
右の作業灯40aと左の作業灯40bとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の先端付近から前方がより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。尚、クロスライティング領域は、運転席5aに着座した運転手の目線の前方付近の領域を含むものである。
【0067】
〔第4実施形態〕
図6に示すように、第4実施形態においては、照明装置40として3つの作業灯40a,40c,40bのそれぞれがキャノピー28の前部の右端、中央、左端に配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0068】
右の作業灯40aは照射範囲D1を照射するのであり、右のデバイダ33aとその右横側方を含む範囲を照らす。中央の作業灯40cは照射範囲D2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む掻き込みリール16の左先端から右のデバイダ33aまでの範囲を照らす。左の作業灯40bは照射範囲D3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
【0069】
照射範囲D2の一部が、照射範囲D1の一部と照射範囲D3の一部とそれぞれ互いに重なり合うことによって、オーガ13から右のデバイダ33aの前方に向かう右側クロスライティング領域と、オーガ13から掻き込みリール16の左前方に向かう左側クロスライティング領域とが形成される。
【0070】
上記構成によれば、左の作業灯40b及び中央の作業灯40cによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0071】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜cを設けることによって、作業灯40a〜cにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0072】
右の作業灯40aと中央の作業灯40cが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40bと中央の作業灯40cがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0073】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40bと中央の作業灯40cがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0074】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40aと中央の作業灯40cが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0075】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0076】
右の作業灯40aと中央の作業灯40cとのクロスライティング、及び左の作業灯40bと中央の作業灯40cとのクロスライティングによって、掻き込みリール16の左前方と右のデバイダ33aの前方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0077】
〔第5実施形態〕
図7に示すように、第5実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置される。これらの作業灯40a〜dは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0078】
右の作業灯40aは照射範囲E1を照射するのであり、右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲E2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲E3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲E4を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bと左の作業灯40cによって刈取部7の先端付近が集中的に照射されると共に、右の作業灯40a及び左の作業灯40dのそれぞれによって、運転者の右手前及び左手前が集中的に照射される。
【0079】
照射範囲E2の一部と照射範囲E3の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。
照射範囲E1の一部と照射範囲E2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13の右端付近から右のデバイダ33aの右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲E3の一部と照射範囲E4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から左のデバイダ33bの前方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
【0080】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0081】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜dを設けることによって、作業灯40a〜dにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0082】
右の作業灯40a,40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0083】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0084】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40bが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0085】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0086】
右の作業灯40a,40bのクロスライティング、右の作業灯40bと左の作業灯40cとのクロスライティング、及び左の作業灯40c,40dのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0087】
〔第6実施形態〕
図8に示すように、第6実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置される。これらの作業灯40a〜dは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。
【0088】
また左のデバイダ33bの上方に、縦刈取装置34が備えられている。図17に示すように、縦刈取装置34は、バリカン型の刈取装置12を上下向きにしたような形状をして、左のデバイダ33bの上方に配置されており、地上の茎や葉等が互いに絡み易い作物を上下方向に切断して分離して刈取り易くするものである。
【0089】
右の作業灯40aは照射範囲F1を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲F2を照射するのであり、右のデバイダ33a及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲F3を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、縦刈取装置34、及び左のデバイダ33bの左横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲F4を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dによって刈取部7の右前部分が集中的に照射されると共に、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aと縦刈取装置34付近が集中的に照射される。
【0090】
照射範囲F1の一部と照射範囲F4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。この中央クロスライティング領域には、照射範囲F1の一部と、照射範囲F4の一部と、照射範囲F2の一部とが互いに重なり合うことによって、特に右のデバイダ33aの前方を明るく照らす3重クロスライティング領域が形成される。
照射範囲F1の一部と照射範囲F2の一部とが互いに重なり合うことによって、キャノピー28の右端から右のデバイダ33aの前方と右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲F3の一部と照射範囲F4の一部とが互いに重なり合うことによって、キャノピー28の左端から左のデバイダ33bの左横側方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
【0091】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。また、左の作業灯40c,40dによって、左のデバイダ33bの縦刈取装置34が明るく照らされるため、その作動状態を確認し易い。
【0092】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜dを設けることによって、作業灯40a〜dにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0093】
右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40dがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0094】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40dがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0095】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40bと左の作業灯40dが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0096】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0097】
右の作業灯40aと40bとのクロスライティング、右の作業灯40aと左の作業灯40dとのクロスライティング、左の作業灯40cと40dとのクロスライティング、及び右の作業灯40aと40bと左の作業灯40dとのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0098】
〔第7実施形態〕
図9に示すように、第7実施形態においては、照明装置40として、作業灯40a,40bがキャノピー28の前部の右端に横方向に並べて配置され、作業灯40c,40dがキャノピー28の前部の左端に横方向に並べて配置され、作業灯40eがキャノピー28の前部の中央に配置される。これらの作業灯40a〜eは、キャノピー28から突出しない位置に設けられる。また左のデバイダ33bは、縦刈取装置34を備える。
【0099】
右の作業灯40aは照射範囲G1を照射するのであり、右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
右の作業灯40bは照射範囲G2を照射するのであり、掻き込みリール16の前方、右のデバイダ33a、及び右のデバイダ33aの右横側方を含む範囲を照らす。
左の作業灯40cは照射範囲G3を照射するのであり、掻き込みリール16の前方を含む、右のデバイダ33aから左のデバイダ33bまでの範囲を照らす。
左の作業灯40dは照射範囲G4を照射するのであり、フィーダ6の入口6a、左のデバイダ33b、及び左のデバイダ33bの左横側方の縦刈取装置34を含む範囲を照らす。
中央の作業灯40eは照射範囲G5を照射するのであり、左側の一部分を除いて刈取部7の大部分を照らす。
右の作業灯40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eによって刈取部7の先端付近が集中的に照射され、右の作業灯40a,40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eによって刈取部7の右前部分が集中的に照射され、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aと縦刈取装置34付近が集中的に照射される。
【0100】
照射範囲G2の一部と照射範囲G3の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から掻き込みリール16の右前方に向かう中央クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G1の一部と照射範囲G2の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13の右端付近から右のデバイダ33aの右横側方に向かう右側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G3の一部と照射範囲G4の一部とが互いに重なり合うことによって、オーガ13から左のデバイダ33bの前方に向かう左側クロスライティング領域が形成される。
照射範囲G5は、照射範囲G1〜G4のそれぞれの一部と重なり合っており、特に上記中央、右側、左側のクロスライティング領域において3重クロスライティング領域が形成される。
【0101】
上記構成によれば、左の作業灯40c,40dによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0102】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a〜eを設けることによって、作業灯40a〜eにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0103】
右の作業灯40a,40b,40eが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすと共に、左の作業灯40c,40d,40eがフィーダ側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、夜間の右及び左の側方視界性が良い。
【0104】
また普通型コンバインでは、運転部5が既刈側に位置し、フィーダ6が未刈側に位置するように圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行うことがある。この状態において、左の作業灯40c,40d,40eがフィーダ6側の左のデバイダ33bとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物とフィーダ6側のデバイダ33bとの位置関係を把握し易い。
【0105】
前述のように、圃場の一辺に沿って走行しながら刈り取りを行う場合、圃場の未刈側作物と既刈地との境界に、運転部5側のデバイダ33aが沿って行くように、運転者は機体の運転を行うことがある。この状態において、右の作業灯40a,40b,40eが運転部5側の右のデバイダ33aとその付近を照らすため、圃場の未刈側の作物と既刈地との境界と、運転部側のデバイダ33aとの位置関係を把握し易い。また機体2の右及び左の旋回時において、右及び左のデバイダ33a,33bと障害物との接触を回避し易くなる。
【0106】
刈取部7における運転部5側の右のデバイダ33aの横外側の視界性が良くなるので、例えば、圃場の端部から刈取作業を実施する際に、圃場を区画する畦等を確認し易い。そのため、畦等をコンバインのクローラ走行装置1等で踏み壊すことなく、刈取作業を実施することができる。
【0107】
右の作業灯40a,40bと中央の作業灯40eとのクロスライティング、右の作業灯40bと左の作業灯40cと中央の作業灯40eとのクロスライティング、及び左の作業灯40c,40dと中央の作業灯40eとのクロスライティングによって、左のデバイダ33bの前方と、掻き込みリール16の右前方と、右のデバイダ33aの右横側方とがより明るく照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0108】
〔第8実施形態〕
第8実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bがキャノピー28の前部に横方向に並べて配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
図10及び図11に示すように、右の作業灯40aは照射範囲H1を照射するのであり、運転部5付近及び運転部5の右横側方(機体2の右側)を集中的に照らす。尚、図10においては、運転部5の前方を集中的に照らす形態が示されており、図11においては、運転部5の右横側方の少し後方から運転部5の右横側方の前方まで照らす形態が示されている。
左の作業灯40bは照射範囲H2を照射するのであり、機体2の左側と、フィーダ6の入口6aと、掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。
【0109】
上記構成によれば、作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0110】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0111】
右及び左の作業灯40a,40bによって運転部5の右及び左の側方が照らされるため、夜間の右及び左の側方視界性がさらに良くなり、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0112】
左の作業灯40bによって、掻き込みリール16の前方が照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0113】
〔第9実施形態〕
第9実施形態においては、照明装置40として、2つの作業灯40a,40bがキャノピー28の前部に横方向に並べて配置されてキャノピー28から突出しない位置に設けられる。
図12に示すように、右の作業灯40aは照射範囲J1を照射するのであり、運転部5の右横側方及び左横側方のやや後方から掻き込みリール16の前方まで幅広く照らす。
左の作業灯40bは照射範囲J2を照射するのであり、フィーダ6の入口6aと掻き込みリール16の前方とを含む範囲を照らす。
照射範囲J1は、平面視で照射範囲J2を含んでおり、照射範囲J2にクロスライティング領域が形成される。
【0114】
上記構成によれば、作業灯40bによって、フィーダ6の入口6aが明るく照らされており、刈り取られた作物が滞りなくフィーダ6に送り込まれているかを確認し易く、作物がフィーダ6の入口6aで詰まりそうになったときのコンバインの減速操作を的確に実施することができる。
【0115】
キャノピー28の前部の真下付近に、フィーダ6の入口6aが位置することになるので、キャノピー28の前部に作業灯40a,40bを設けることによって、作業灯40a,40bにより真下を照らすようになって、フィーダ6の入口6a付近に影が生じ難くて確認し易い。また少なくとも刈取部7の掻き込みリール16よりも高い位置から光が照射されるため、フィーダ6の入口6a付近だけでなく刈取部7の全体に光が照射され易く、掻き込みリール16を越えて前方を照らすことも容易である。
【0116】
右及び左の作業灯40a,40bによって運転部5の右及び左の側方(機体2の右側及び左側)が照らされるため、夜間の右及び左の側方視界性がさらに良くなり、圃場を区画する畦等をより一層確認し易くなる。
【0117】
左の作業灯40bによって、掻き込みリール16の前方が照らされるため、夜間の前方視界性も良い。
【0118】
〔別実施形態〕
(1)図13〜16に示すように、前述の第1〜9実施形態におけるキャノピー28の上部、好ましくは上部中央に、機体2の全周囲を照射する周囲照明装置50を備える構成としても良い。
【0119】
周囲照明装置50としては、例えば、図13に示すように上方に突出するドーム状のケーシング51内に一つの光源50aを備えるもの、図14に示すように上方に突出するドーム状のケーシング51の内部を3等分又は4等分(図示せず)して各分画のそれぞれに一つずつ光源50a〜50cを設置したもの、あるいは、図15に示すように上方に突出する台形の横断面を有するケーシング51に、前方を照射する2つの光源50a,50bと、後方を照射する光源50cとを設置したもの等が挙げられる。尚、図15に示す構成においては、光源50a,50b,50cのそれぞれは、照射範囲K1,K2,K3を照射し、機体2の右側、左側、及び後方を照らす。照射範囲K1の一部と照射範囲K2の一部とが互いに重なり合うことによって、機体2の前方にクロスライティング領域が形成される。
【0120】
本構成によれば、周囲照明装置50によって機体2の全周囲が照らされて機体2の全方位の視界性が良くなるため、夜間における機体2の前進、後進、右折、左折等の運転操作を実施し易くなる。
【0121】
また、図14及び図15に示す周囲照明装置50において、可視光線を照射する光源50a,50bを前方側に設置して、紫外線を照射する光源50cを後方側に設置する構成としたり、あるいは図16に示すように、脱穀装置3の排藁の排出口3a近傍に紫外線を照射する光源60を別途設置する等して、機体2の後方に紫外線を照射し、機体2の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成しても良い。
【0122】
本構成は、昆虫が可視光線よりも紫外線に集まり易いという性質を利用するものである。
本構成によれば、夜間運転中に照明装置40及び周囲照明装置50からの光でコンバインに集まってくる昆虫を、機体2の後方に誘引することができるので、機体2の前方と左右両側方の視界性がさらに良くなると共に、作業の邪魔となる運転部5への昆虫飛来を抑えられる。
【0123】
(2)図17に示すように、前述の実施形態における運転部5がキャビン52を備え、照明装置40をキャビン52の天井部の前部に設け、図13〜図16に示す周囲照明装置50をキャビン52の天井部の上部、好ましくは上部中央に設ける構成としても良い。
【産業上の利用可能性】
【0124】
本発明は、普通型コンバインだけでなく自脱型コンバインにも適用可能であり、グレンタンクではなく穀粒回収ホッパーを備えるコンバインにも適用可能であり、これらのコンバインの夜間運転時の作業性をさらに向上させる場合に適している。
【符号の説明】
【0125】
2 機体
3 脱穀装置
5 運転部
6 フィーダ
6a フィーダの入り口
7 刈取部
12 刈取装置
13 オーガ
16 掻き込みリール
28 キャノピー
33a,33b デバイダ
40 照明装置
50 周囲照明装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、
前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、
前記フィーダの右又は左の横側に運転部を備え、前記運転部を覆うキャビン又はキャノピーを備えて、
前記フィーダの入口を照らす照明装置を、前記キャビンの天井部の前部又は前記キャノピーの前部に備えてある普通型コンバイン。
【請求項2】
前記照明装置が、前記フィーダ側のデバイダを照らすように構成してある請求項1に記載の普通型コンバイン。
【請求項3】
前記照明装置が、前記運転部側のデバイダを照らすように構成してある請求項1又は2に記載の普通型コンバイン。
【請求項4】
前記照明装置が、前記リールの前方を照らすように構成してある請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項5】
前記照明装置が、前記刈取部における運転部側のデバイダの横外側を照らすように構成してある請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項6】
前記照明装置が、機体の右側及び左側を照らすように構成してある請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項7】
前記照明装置が複数の作業灯を備えて構成される請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項8】
機体の全周囲を照射する周囲照明装置を、前記キャビンの天井部の上部又は前記キャノピーの上部に備えてある請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項9】
前記周囲照明装置が、機体の後方に紫外線を照射し、機体の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成してある請求項8に記載の普通型コンバイン。
【請求項1】
右及び左のデバイダと、作物を掻き込むリールと、作物の株元を切断する刈取装置と、刈り取られた作物をフィーダの入口に集めるオーガとを備えて刈取部を構成し、
前記刈取部を前記フィーダを介して機体の前部に支持して、前記オーガにより集められた作物が、前記フィーダの入口に送り込まれ、前記フィーダにより脱穀装置に搬送されるように構成した普通型コンバインにおいて、
前記フィーダの右又は左の横側に運転部を備え、前記運転部を覆うキャビン又はキャノピーを備えて、
前記フィーダの入口を照らす照明装置を、前記キャビンの天井部の前部又は前記キャノピーの前部に備えてある普通型コンバイン。
【請求項2】
前記照明装置が、前記フィーダ側のデバイダを照らすように構成してある請求項1に記載の普通型コンバイン。
【請求項3】
前記照明装置が、前記運転部側のデバイダを照らすように構成してある請求項1又は2に記載の普通型コンバイン。
【請求項4】
前記照明装置が、前記リールの前方を照らすように構成してある請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項5】
前記照明装置が、前記刈取部における運転部側のデバイダの横外側を照らすように構成してある請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項6】
前記照明装置が、機体の右側及び左側を照らすように構成してある請求項1〜5のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項7】
前記照明装置が複数の作業灯を備えて構成される請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項8】
機体の全周囲を照射する周囲照明装置を、前記キャビンの天井部の上部又は前記キャノピーの上部に備えてある請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の普通型コンバイン。
【請求項9】
前記周囲照明装置が、機体の後方に紫外線を照射し、機体の後方以外の方向に可視光線を照らすように構成してある請求項8に記載の普通型コンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−62120(P2011−62120A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214827(P2009−214827)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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