説明

景品交換システム、景品交換管理方法及び景品交換管理プログラム

【課題】 会員カード利用時の利便性の向上、暗証番号の盗視・漏洩・悪用の抑制、会員カードのセキュリティ向上、会員カードの盗難時の被害抑制及び会員の利益保護を可能とする。
【解決手段】 管理コンピュータ30の記憶手段33には、予め、暗証番号非照合景品と限度数量が登録されている。会員カードの認証後、景品自動販売機40で指定された交換景品と入力された交換景品の数量が景品交換装置10へ送信される。景品交換装置10の制御手段19における判断で、交換景品が暗証番号非照合景品に含まれており、かつ、交換景品の数量が限度数量以下であるときは、暗証番号の入力なしに景品の払い出しを景品自動販売機40に行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯玉からの景品交換が可能な景品交換システム、景品交換管理方法及び景品交換管理プログラムに関し、特に、景品交換に関する処理を行う景品交換装置で会員カードの挿入や暗証番号の入力などが行われる景品交換システム、景品交換管理方法及び景品交換管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技ホール(遊技場)に来店した遊技者は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機で遊技を行い、パチンコ玉やメダルなどの遊技媒体を賞球として獲得した場合、その獲得した遊技媒体をその数量に応じた景品に交換できる。また、会員登録を受けている遊技者(会員)は、その獲得した遊技媒体を貯玉として貯めておくこともできる。
さらに、会員は、後日来店時に貯玉の範囲内で遊技媒体を借り受けて遊技(再プレイ)を行うことができる。しかも、その貯玉の範囲内でタバコや飲料などの通常の景品(一般景品)に交換することもでき、また、換金所で換金可能な特殊景品に交換することもできる。
【0003】
それら再プレイや景品交換などを行う場合、会員は、会員カードを利用する。
例えば、再プレイを行う場合、会員は、会員カードを遊技媒体貸出機(例えば、台間機など)に挿入し、暗証番号や遊技媒体の貸し出し数量などを入力する。これにより、会員は、遊技媒体貸出機を介して遊技媒体を借り受けて再プレイを行うことができる。
また、貯玉から一般景品に交換するときは、例えば、景品自動販売機に併設された景品交換装置に会員カードを挿入し、暗証番号を入力して、景品選択ボタンを押す。これにより、会員は、その選択した景品を受け取ることができる。
【0004】
ここで、会員は、会員カードを利用する場合には、暗証番号を入力することになっている。これは、その会員カードの挿入者がその会員カードを所持すべき正当な会員本人であるか否かを確認するために行われるものである。
ところが、会員カードを利用するたびに暗証番号の入力操作を行わなければならないのは、会員にとって煩わしいことである。また、暗証番号の入力が何度も行われると、その入力しているところが他人に見られて暗証番号が盗視され漏洩することがあり、この漏洩した暗証番号が悪用されることもある。
【0005】
そこで、暗証番号の入力回数を減らすことで会員カード利用時の利便性を高める技術や、暗証番号が盗視・漏洩・悪用される可能性を低減させる技術が、従来から提案されている。
例えば、遊技ホールに設置された各種装置で取引が行われ一度暗証番号が入力されると、その後一定時間内は、取引における暗証番号の入力が免除されるという技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
さらに、同文献には、取引額(金額又は遊技媒体の数量)の上限値を設け、その上限値に達するまでは暗証番号の入力を免除できることが開示されている。
これらによれば、暗証番号の入力回数が減るため、会員カード利用時の利便性を向上でき、しかも、暗証番号が漏洩・盗視・悪用される可能性を低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−088675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術においては、暗証番号の入力を免除する範囲を時間、金額、遊技媒体の数量により設定していたため、以下のような問題が発生していた。
例えば、会員カードが盗難に遭った場合、盗取した者は、その暗証番号を知らずとも、設定された時間、金額、遊技媒体の数量の範囲内で、自由に貯玉を景品(特に特殊景品)に交換することができた。しかも、暗証番号の入力を免除する範囲を時間のみで設定した場合は、金額については無制限となるため、その被害が高額になっていた。
【0008】
このような事態は、他人による会員カードの悪用を阻止するために設けられていた暗証番号を免除したことに起因するものであり、その暗証番号に代わる新たな対策を何ら講じなかった結果であった。このため、他人にとっては、誰か別の者の会員カードを入手できればそこから簡単に貯玉を景品に交換できるのであり、一方、会員からすれば、会員カードが盗難に遭うと、その被害が簡単に貯玉にまで及んでしまい被害が大きくなることを意味していた。
このように、上記従来技術においては、会員の利便性向上及び暗証番号の盗視・漏洩・悪用の抑制のために暗証番号の入力を免除したにもかかわらず、却ってセキュリティを低下させ、被害が増大して、会員の利益を十分保護できなくなるという結果となっていた。
【0009】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、暗証番号の入力を免除して会員の利便性向上及び暗証番号の盗視・漏洩・悪用の抑制を図りながら、しかも、会員カードのセキュリティの向上を可能とするとともに、会員カードの盗難時の被害を抑えて会員の利益を十分に保護可能とする景品交換システム、景品交換管理方法及び景品交換管理プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するため、本発明の景品交換システムは、遊技場での景品交換に関する処理を行う景品交換装置と、この景品交換装置における景品交換処理を管理する管理コンピュータとを備えた景品交換システムであって、管理コンピュータは、暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶しておき、景品交換装置は、交換される景品が暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、交換される景品の数量が限度数量以下であるときに、暗証番号の入力なしに景品を交換可能とする構成としてある。
【0011】
景品交換システムをこのような構成とすると、暗証番号非照合景品と同一の景品、あるいは、限度数量以下の交換数量については、暗証番号の入力が不要(免除)となるため、会員カードを利用する際の利便性を向上でき、かつ、暗証番号が盗視され悪用される可能性を低く抑えることができる。
さらに、管理コンピュータには、暗証番号非照合景品が記憶(登録)される。つまり、暗証番号の入力免除の対象(範囲)を景品単位で設定することができる。このため、景品の中には、交換に際して暗証番号の入力が必要なものと不要なものとが存在することになる。これにより、会員カードを盗取した者は、その暗証番号の入力が不要となる景品を知らなければ暗証番号の入力なしに景品を交換することができなくなる。したがって、会員カードが盗難に遭った際の被害を抑えることができ、ひいては、会員の利益を十分に保護できる。
【0012】
しかも、管理コンピュータには、暗証番号の入力なしに交換可能な景品の限度数量が記憶(登録)される。このため、会員カードを盗取した者は、その限度数量を越える数量の景品を、暗証番号の入力なしに交換することができなくなる。したがって、このことからも、会員カードが盗難に遭った際の被害を抑えることができ、会員の利益を十分に保護できる。
【0013】
このように、本発明では、暗証番号の入力を免除しつつ、その免除の範囲を景品自体とその数量とで設定することとしており、換言すれば、暗証番号に代えて、景品やその数量を特定することを悪用対策として新たに講じたため、会員カードを盗取した者により自由に貯玉が景品に交換されることを阻止でき、したがって会員の利益を保護できる。
【0014】
さらに、暗証番号の入力を免除する範囲を景品自体とその数量で設定することにより、次の効果が得られる。
例えば、暗証番号非照合景品を小額の一般景品(例えば、銘柄Aのタバコなど)とし、限度数量を数個(例えば、2個など)に設定することも可能となり、この場合は、被害額を少なくできる。
また、遊技ホールが扱う景品の種類は多いことから、会員カードを盗取した者は交換する景品を適当に選択しても、暗証番号非照合景品と一致させることは困難となる。この場合、その盗取した者は、暗証番号の入力が必要となるため、景品交換を断念せざるを得なくなる。これにより、被害を抑制することができる。
【0015】
さらに、上記従来技術(特許文献1)においては、いずれかの取引で一旦暗証番号の入力を行う必要があるため、この入力の際に盗視される可能性があり、この点からもセキュリティが十分であるとはいえなかった。
これに対し、本発明においては、一旦暗証番号を入力しておくといったことが必要ないため、暗証番号が盗視される可能性を低減でき、セキュリティを高めることができる。
【0016】
しかも、暗証番号非照合景品や限度数量までの交換であれば暗証番号の入力を免除できるため、その暗証番号の入力の面倒さ・煩雑さを解消できる。これにより、その暗証番号の入力を面倒と思うがために貯玉の利用度が低下していた事態を回避して、その利用度を高めることができる。
そして、本発明のシステムを導入することで、遊技ホールは、他店との差別化を図ることができ、固定客の集客率を上げることができる。また、会員カードの利用率が上がることにより、正確な会員分析を行うことができる。
加えて、暗証番号の入力が不要となって景品交換にかかる時間を短縮できるため、人件費を削減できる。さらに、暗証番号非照合景品を一般景品とすれば、この一般景品の交換が多くなり、特殊景品の換金率の低下につなげることができる。
【0017】
また、本発明の景品交換システムは、景品交換装置が、一種類又は複数種類の景品を一回で又は複数回にわたって交換する場合であって、一種類又は複数種類の景品のすべてが暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、一種類又は複数種類の景品の各交換数量又は総交換数量が限度数量以下であるときに、暗証番号の入力なしに一種類又は複数種類の景品を交換可能とする構成としてある。
【0018】
景品交換システムをこのような構成とすれば、例えば、暗証番号非照合景品の登録を一種類のみとすることもでき、また、複数種類可能とすることもできる。
一方、限度数量については、例えば、暗証番号非照合景品が一種類の場合のその限度数量,暗証番号非照合景品が複数種類の場合の各景品ごとの限度数量,暗証番号非照合景品が複数種類の場合のそれら景品全体の限度数量についても設定できる。
このように、暗証番号非照合景品と限度数量についてそれぞれを任意に組み合わせることができるため、遊技ホールの営業方針等に適応した独自のサービスを会員に提供することができる。
【0019】
また、本発明の景品交換システムは、管理コンピュータが、一の遊技者に対して、暗証番号非照合景品及び/又は限度数量を記憶しておき、景品交換装置は、一の遊技者が一種類又は複数種類の景品を一回で又は複数回にわたって交換する場合であって、一種類又は複数種類の景品のすべてが暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、一種類又は複数種類の景品の各交換数量又は総交換数量が限度数量以下であるときに、暗証番号の入力なしに一種類又は複数種類の景品を交換可能とする構成としてある。
【0020】
景品交換システムをこのような構成とすると、複数の会員のそれぞれが異なった暗証番号非照合景品やその数量を登録できる。このため、一人の会員の暗証番号非照合景品が他人に知られるようになったとしても、その者以外の会員の暗証番号非照合景品は他人に知られていないため、その他人の会員カードが盗まれたとしても同様な被害に遭うことを避けることができる。したがって、会員カードのセキュリティの向上を可能とするとともに、会員カードの盗難時の被害を抑えて会員の利益を十分に保護することができる。
【0021】
また、本発明の景品交換システムにおいて、管理コンピュータは、暗証番号が入力された場合、所定時間又は所定期間が経過した場合、営業時間が終了した場合、暗証番号非照合景品及び/又は限度数量が再度登録された場合、のうち一又は二以上の場合に、実際に交換された景品の数量の累計であって限度数量と比較される総交換数量をリセットする構成としてある。
【0022】
景品交換システムをこのような構成とすると、次のような効果を得ることができる。
例えば、総交換数量のリセットのタイミングを「1日」としたときは、限度数量を1日ごとの限度数量として管理できる。このように、そのリセットのタイミングを「所定時間又は所定期間が経過した場合」としたときは、限度数量の期限を管理できる。
また、そのリセットのタイミングを「営業時間が終了した場合」としたときは、閉店処理の際にそのリセットを行うことができ、しかも、限度数量の期限を管理できる。
【0023】
さらに、そのリセットのタイミングを「暗証番号が入力された場合」としたときは、遊技者(会員)自身が自由に総交換数量のリセットを行うことができる。このため、例えば、総交換数量が限度数量に達したとしても、遊技者(会員)自身が暗証番号を入力して総交換数量をリセットすることで、その後さらに暗証番号の入力なしに景品交換ができる。
【0024】
なお、暗証番号非照合景品や限度数量については、各場合(暗証番号が入力された場合、所定時間又は所定期間が経過した場合、営業時間が終了した場合)にリセット(ここでは、無効)させることができる。リセット後は、遊技者(会員)又はこの遊技者により指定された従業員により暗証番号非照合景品や限度数量が再度登録される。
また、総交換数量が限度数量に達した場合、その限度数量を再度登録することで、改めて暗証番号の入力なしに景品交換することができる。
【0025】
また、本発明の景品交換管理方法は、景品交換装置が遊技場での景品交換に関する処理を行うとともに、管理コンピュータが景品交換装置での景品交換処理を管理する景品交換管理方法であって、管理コンピュータが、暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶する景品・数量記憶処理と、景品交換装置が、交換される景品を入力する景品指定処理と、景品交換装置が、交換される景品の数量を入力する数量入力処理と、景品交換装置又は管理コンピュータが、交換される景品が暗証番号非照合景品に含まれているか否か、及び/又は、交換される景品の数量が限度数量以下であるか否かを判断する判断処理と、景品交換装置が、交換される景品が暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、交換される景品の数量が限度数量以下であるときに、暗証番号の入力なしに景品を交換可能とする景品交換可能処理とを有した方法としてある。
【0026】
景品交換管理方法をこのような方法とすれば、景品交換の際の暗証番号の入力が所定範囲内で免除されるため、会員が会員カードを利用する際の利便性を向上でき、かつ、暗証番号の盗視・漏洩・悪用を抑制できる。
しかも、その所定範囲が、景品やその数量によって特定されるため、会員カードのセキュリティの向上を可能とするとともに、会員カードの盗難時の被害を抑えて会員の利益を十分に保護できる。
【0027】
また、本発明の景品交換管理プログラムは、遊技場での景品交換に関する処理を景品交換装置に実行させ、かつ、景品交換装置における景品交換処理を管理する処理を管理コンピュータに実行させる景品交換管理プログラムであって、暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶する景品・数量記憶処理を管理コンピュータに実行させ、交換される景品を入力する景品指定処理と、交換される景品の数量を入力する数量入力処理とを景品交換装置に実行させ、交換される景品が暗証番号非照合景品に含まれているか否か、及び/又は、交換される景品の数量が限度数量以下であるか否かを判断する判断処理を景品交換装置又は管理コンピュータに実行させ、交換される景品が暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、交換される景品の数量が限度数量以下であるときに、暗証番号の入力なしに景品を交換可能とする景品交換可能処理を景品交換装置に実行させる構成としてある。
【0028】
このような構成を有する景品交換管理プログラムを景品交換システムに実行させることにより、予め記憶(登録)された景品や数量を対象として景品交換時の暗証番号の入力が免除されるため、会員が会員カードを利用する際の利便性を向上でき、しかも、暗証番号が盗視され漏洩して悪用されることを防止できる。
しかも、暗証番号の入力免除の範囲を景品やその数量により指定できるため、会員カードのセキュリティを高めることができ、会員カードの盗難時の被害を抑えて会員の利益を十分に保護できる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、景品交換の際の暗証番号の入力が所定範囲内で免除されるため、会員が会員カードを利用する際の利便性を向上でき、かつ、暗証番号の盗視・漏洩・悪用を抑制できる。
しかも、その所定範囲が、景品やその数量によって特定されるため、会員カードのセキュリティの向上を可能とするとともに、会員カードの盗難時の被害を抑えて会員の利益を十分に保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の景品交換システムの構成を示すブロック図である。
【図2】景品交換装置、景品自動販売機の構成を示すブロック図である。
【図3】管理コンピュータの構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の景品交換システムにおいて景品交換が行われる際の景品交換装置での処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の景品交換システムにおいて暗証番号非照合景品及び限度数量を登録する際の景品交換装置での処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る景品交換システム、景品交換管理方法及び景品交換管理プログラムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0032】
まず、本発明の景品交換システムの実施形態について、図1を参照して説明する。
同図は、本実施形態の景品交換システムの構成を示すブロック図である。
同図に示すように、景品交換システム1は、景品交換装置10と、管理コンピュータ30とを有している。
ここで、景品交換装置10は、景品交換に関する処理、すなわち、景品交換に関係したデータ処理、例えば、会員カードからのカードデータの読み取り,暗証番号の入力・送信,交換される景品の指定(あるいは、指定された交換景品の受信),交換される景品の数量の入力(あるいは、入力された景品数量の受信),管理コンピュータ30との間のデータ送受信などを実行する装置である。
【0033】
この景品交換装置10には、例えば、同図に示すように、自動販売機用景品交換装置10a、ワゴンサービス用景品交換装置10b、カウンタ用景品交換装置10cなどがある。
なお、景品交換装置10で取り扱われる景品には、例えば、一般景品(タバコ、ライター、飲料など)が含まれる。
【0034】
自動販売機用景品交換装置10aは、一般景品を販売する景品自動販売機40に併設されており、景品自動販売機40で販売されている一般景品を貯玉から交換できるようになっている。
なお、景品自動販売機40では、現金により、その一般景品を販売することができる。
【0035】
ワゴンサービス用景品交換装置10bは、ワゴンサービスを行うホール従業員が所持する装置であって、ワゴンに乗せられた一般景品が貯玉と交換される場合に用いられる。通常、ワゴンサービスを行うホール従業員が主として操作する。
このワゴンサービス用景品交換装置10bは、中継器50を介して管理コンピュータ30との間を無線で通信する。なお、無線に限らず、有線で通信することもできる。
カウンタ用景品交換装置10cは、通常、遊技ホールのカウンタに設置されており、カウンタの係員により操作される。
【0036】
これら景品交換装置10のうち自動販売機用景品交換装置10aを例に挙げて、その景品交換装置10の構成を説明する。
景品交換装置10(自動販売機用景品交換装置10a)は、図2に示すように、カード投入返却口11と、カード収納手段12と、カード搬送手段13と、データ読取手段14と、入力手段15と、自動販売機側通信手段16と、管理側通信手段17と、表示手段18と、制御手段19と、記憶手段20とを有している。
【0037】
カード投入返却口11は、会員カードが投入され、又は返却される開口である。
なお、会員カードが投入される開口と、会員カードが返却される開口とを別個に設けることもできる。
カード収納手段12は、カード投入返却口11に投入された会員カードが収納される収納庫である。
カード搬送手段13は、カード投入返却口11に投入された会員カードをカード収納手段12へ搬送する。また、カード収納手段12から会員カードを取り出してカード投入返却口11へ送り返却する。
【0038】
データ読取手段14は、カード投入返却口11に投入された会員カード(搬送中又は収納中を含む)から所定のカードデータを読み取る。この読み取ったカードデータは、自動販売機側通信手段16、管理側通信手段17、制御手段19などへ送られる。
入力手段15は、暗証番号などが入力される部分であって、例えば、キーやボタンなどにより構成される。
【0039】
自動販売機側通信手段15は、景品自動販売機40との間で所定の信号(データ)の送受信を行うインタフェイスである。この自動販売機側通信手段15から景品自動販売機40へ送信される信号としては、例えば、景品・数量指定許可信号(又は景品のみ指定を許可する信号)や景品払出許可信号などがある。また、景品自動販売機40から送信されてきて自動販売機側通信手段15で受信される信号としては、例えば、指定された交換景品を示す信号,入力された交換景品の数量を示す信号,景品払出完了信号などがある。
【0040】
管理側通信手段17は、他の装置(例えば、管理コンピュータ30など)との間で所定の信号を送受信する。特に、管理側通信手段17は、カードデータや暗証番号などを管理コンピュータ30へ送信する。また、管理側通信手段17は、管理コンピュータ30からの認証結果やカードに対応する景品や数量などを受信する。
【0041】
表示手段18は、所定の情報、例えば、景品交換装置10の操作手順、遊技ホールからのメッセージなどを表示する。例えば、「いらっしゃいませ」,「会員カードを投入して下さい。」,「自動販売機で景品と数量を指定して下さい」,「暗証番号を入力して下さい。」,「景品をお取り下さい。」などを表示することができる。
【0042】
制御手段19は、景品交換装置10の有する各機能にもとづき構成各部の動作を制御する。
この制御手段19は、管理側通信手段17で受信されたカードデータの認証結果が真を示すときは、景品・数量指定許可信号等を自動販売機側通信手段16を介して景品自動販売機40へ送信する。一方、その認証結果が偽を示すときは、会員カードが返却される。
【0043】
また、制御手段19は、暗証番号の入力の要・不要を判断する。例えば、景品自動販売機40で指定された交換景品が管理コンピュータ30から受信した暗証番号非照合景品に含まれているときであって、景品自動販売機40で入力された交換景品の数量が管理コンピュータ30から送信されてきた限度数量以下であるときは、暗証番号の入力が不要と判断する。一方、交換景品が暗証番号非照合景品に含まれていないとき、又は、交換景品の数量が限度数量を超えているときは、暗証番号の入力が必要と判断する。
なお、この暗証番号の入力の要否の判断は、景品交換装置10ではなく管理コンピュータ30に行わせることもできる。
【0044】
さらに、制御手段19は、管理側通信手段17で受信された暗証番号の認証結果が真か偽かを判断する。判断の結果、その認証結果が真を示すときは、景品払出許可信号を自動販売機側通信手段16を介して景品自動販売機40へ送信する。一方、その認証結果が偽を示すときは、会員カードが返却される。
これら以外にも、入力手段15で入力された暗証番号等についての所定の処理、表示手段18における所定のデータの表示などを制御することができる。
【0045】
記憶手段20は、景品交換装置10の有する機能に関する所定のデータを記憶する。
例えば、記憶手段20は、カードデータ,カードデータの認証結果,暗証番号,暗証番号の認証結果,暗証番号非照合景品,限度数量,交換景品,交換数量などを記憶することができる。
【0046】
管理コンピュータ30は、プログラム制御により動作するコンピュータであって、図3に示すように、通信手段31と、制御手段32と、記憶手段33とを有している。
通信手段31は、他の装置との間で所定のデータを送受信する。特に、通信手段31は、景品交換装置10からカードデータや暗証番号などを受信するとともに、景品交換装置10へカードデータの認証結果,暗証番号非照合景品,限度数量,暗証番号の認証結果などを送信する。
【0047】
制御手段32は、管理コンピュータ30の有する各機能にもとづき構成各部の動作を制御する。また、制御手段32は、カードデータの認証,暗証番号の認証,暗証番号非照合景品や限度数量の取り出しなどを行う。
さらに、制御手段32は、実際に交換された景品の数量の累計であって限度数量と比較される総交換数量を所定の場合にリセットすることができる。その所定の場合としては、例えば、暗証番号が入力された場合、所定時間又は所定期間(分,時,日,週,月,年などの単位により定められた時間的間隔)が経過した場合、営業時間が終了した場合、暗証番号非照合景品や限度数量を再度登録した場合などがあり、これらのうち一又は二以上を選択できる。
【0048】
具体例を示して説明すると、例えば、営業時間の終了によりリセットすることとしている場合であって、暗証番号非照合景品がタバコA、限度数量が5個に設定されたときには、営業日である3月20日にタバコAが3個交換されたとすると(総交換数量が3個)、その20日の営業時間終了後には総交換数量が0個にリセットされる。そして、翌営業日(例えば3月21日)には改めて暗証番号の入力なしにタバコAを5個まで交換できる。
なお、総交換数量の他、暗証番号非照合景品や限度数量についても、上記の場合にリセットすることができる。
【0049】
記憶手段33は、会員に関するデータを記憶する。これにより、カードデータや暗証番号の認証・照合が可能となる。
また、記憶手段33は、会員ごとに暗証番号非照合景品や限度数量を記憶(登録)する。
この記憶手段33における暗証番号非照合景品や限度数量の登録の仕方としては、次のものが挙げられる。
例えば、暗証番号非照合景品については、その登録を会員一人あたり一種類のみに限定することもでき、また、複数種類可能とすることもできる。
【0050】
限度数量については、例えば、会員一人あたりの上限数量とすることができる。すなわち、交換回数や景品の種類に関係なく、その上限数量に達するまでは、登録しておいた暗証番号非照合景品のいずれについても、暗証番号の入力なしで交換できるようにすることができる。
具体的には、例えば、会員Sが暗証番号非照合景品としてタバコA,タバコBを登録し、さらに限度数量として10個を登録したとする。この場合、会員Sは、10個までなら、タバコAについてもタバコBについても暗証番号の入力なしに景品交換できる。ただし、11個目以降については、タバコAであってもまたタバコBであっても暗証番号を入力しなければ交換できないことになる。
【0051】
また、暗証番号非照合景品ごとに異なった限度数量を設定することもできる。
例えば、暗証番号非照合景品と限度数量との組合せとして、タバコAを3個、タバコBを2個、タバコCを5個にように設定した場合、タバコAであれば3個まで、タバコBであれば2個まで、タバコCであれば5個まで、暗証番号の入力なしに交換できる。この場合、タバコAを3個交換するとタバコAの4個目以降は暗証番号の入力を要するが、タバコAを4個交換するのに暗証番号を入力した後であってもタバコBの2個までの交換であれば暗証番号の入力を要しない。
【0052】
さらに、限度数量は、交換一回におけるその上限数量とすることができる。例えば、その限度数量が3個に設定された場合は、交換一回で3個までなら暗証番号の入力なしで交換できるが、4個以上であれば暗証番号の入力が必要となる。そして、次の景品交換においても、3個までなら暗証番号の入力なしで交換できるが、4個以上であれば暗証番号の入力が必要となる。
【0053】
これらの他、暗証番号非照合景品については一種類又は複数種類、限度数量については一個又は複数個、交換回数については一回のみの場合又は複数回にわたる場合のこれらそれぞれを任意に組み合わせることができる。これにより、遊技ホールの営業方針等に適応した独自のサービスを会員に提供することができる。
なお、管理コンピュータ30は、それら通信手段31,制御手段32,記憶手段33以外にも、例えば、入力手段や表示手段(図示せず)などを備えることもできる。
【0054】
景品自動販売機40は、主に一般景品を販売する自動販売機であって、図2に示すように、景品収納部41と、景品陳列部42と、景品指定部43と、数量入力部44と、景品取出口45と、通信部46とを有している。
景品収納部41は、交換される前の景品を収納しておく収納庫である。
景品陳列部42は、景品が陳列されているディスプレイである。遊技者(会員)は、この景品陳列部42に並べられた景品を見ながら、貯玉から交換する景品を選択できる。
【0055】
景品指定部43は、交換したい景品を指定するための操作部である。
数量入力部44は、交換したい景品の数量を入力するための操作部である。これら景品指定部43や数量入力部44は、キーやボタンなどで構成できる。
なお、一回の景品交換で交換可能な景品の数量が予め決められている景品自動販売機40(例えば、タバコの景品自動販売機40であって、タバコAを指定する景品指定部43が押されるとそのタバコAが1個払い出されるような景品自動販売機40)においては、数量入力部44を省略することができる。
景品取出口45は、指定された景品が払い出される開口である。遊技者(会員)は、ここから景品を取り出すことができる。
通信部46は、自動販売機用景品交換装置10aの自動販売機側通信手段16との間で所定のデータの送受信を行うインタフェイスである。
【0056】
次に、本実施形態の景品交換システムにおける景品交換装置及び管理コンピュータの動作手順(景品交換管理方法)について、図4を参照して説明する。
同図は、本実施形態における景品交換装置での処理手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、予め、遊技者(会員)により(又は、遊技者(会員)の希望で担当者により)、暗証番号非照合景品,限度数量が登録(記憶)される(景品・数量記憶処理、ステップ10)。この登録は、会員カード発行時あるいは来店時などに行うことができる。また、登録される暗証番号非照合景品や限度数量の入力は、景品交換装置10や管理コンピュータ30で行うこともでき、あるいは、その他遊技ホールに備えられた装置で行うこともできる。その入力された暗証番号非照合景品及び限度数量は、管理コンピュータ30へ送信されて登録される。この管理コンピュータ30においては、それら暗証番号非照合景品や限度数量が、会員を特定するデータ(例えば、会員認証コードなど)に関連付けて登録される。なお、登録は、暗証番号非照合景品又は限度数量の一方であってもよく、また、双方であってもよい。
【0057】
景品交換装置10のカード投入返却口11に会員カードが投入されると(会員カードの受入、ステップ11)、その投入された会員カードからカードデータが読み取られる(ステップ12)。
この読み取られたカードデータが、管理側通信手段17を介して管理コンピュータ30へ送信される(ステップ13)。
【0058】
管理コンピュータ30の通信手段31でカードデータが受信され、制御手段32で、その受信されたカードデータと記憶手段33に記憶されているカードデータとが照合される(カード認証)。
照合の結果、受信されたカードデータと同一のカードデータが記憶手段33に存在したときは、さらに記憶手段33から暗証番号非照合景品と限度数量とが取り出される。
【0059】
一方、受信されたカードデータと同一のカードデータが記憶手段33に存在しなかったときは、暗証番号非照合景品及び限度数量の取り出しは行なわれない。
そして、照合結果(認証結果)(さらに、受信されたカードデータと同一のカードデータが記憶手段33に存在したときは、暗証番号非照合景品,限度数量,各暗証番号非照合景品ごとの既交換数量)が、通信手段31を介して景品交換装置10へ送信される。
【0060】
景品交換装置10の管理側通信手段17で認証結果(さらに、受信されたカードデータと同一のカードデータが記憶手段33に存在したときは、暗証番号非照合景品,限度数量,各暗証番号非照合景品ごとの既交換数量)が受信されると(ステップ14、ステップ15)、制御手段19で、その認証結果が真又は偽のいずれを示すものかが判断される(ステップ16)。
判断の結果、認証結果が偽を示すとき(受信されたカードデータと同一のカードデータが管理コンピュータ30の記憶手段33に存在しなかったとき)は、カード搬送手段13により会員カードがカード投入返却口11へ送られ返却される(ステップ17)。
【0061】
一方、真を示すとき(受信されたカードデータと同一のカードデータが管理コンピュータ30の記憶手段33に存在したとき)は、自動販売機側通信手段16を介して景品自動販売機40へ、景品・数量指定許可信号(又は、景品の指定を許可する信号)が送信される(ステップ18)。
景品自動販売機40の通信部46で景品・数量指定許可信号が受信されると、交換される景品が景品指定部43で指定され、交換される景品の数量が数量入力部44で入力される。そして、これら指定された景品(交換景品)と入力された数量(交換数量)が、通信部46を介して景品交換装置10へ送信される。
なお、景品のみ指定でき、数量の入力ができない景品自動販売機40においては、景品指定部43で景品が指定され、この指定された交換景品が景品交換装置10へ送信される。この場合、交換数量は送信されない。
【0062】
景品交換装置10の自動販売機側通信手段16で交換景品及び交換数量が受信されると(ステップ19)、それら交換景品及び交換数量にもとづき、制御手段19で、暗証番号の入力の要否が判断される(判断処理、ステップ20)。ここでは、景品自動販売機40から受信した交換景品が管理コンピュータ30から受信した暗証番号非照合景品に含まれており、かつ、景品自動販売機40から受信した交換数量が管理コンピュータ30から受信した限度数量(又は、(限度数量−既交換数量)を計算して得られた数量)以下であるか否かが判断される。
【0063】
判断の結果、交換景品が暗証番号非照合景品に含まれていないとき、又は、交換数量が限度数量(又は、(限度数量−既交換数量)を計算して得られた数量)を超過しているときは、暗証番号の入力を要すると判断される。この場合は、入力手段15で暗証番号が入力され(ステップ21)、この入力された暗証番号が管理コンピュータ30へ送信される(ステップ22)。
管理コンピュータ30の通信手段31で、暗証番号が受信され、制御手段32で、その暗証番号が記憶手段33に記憶されている暗証番号と一致するか否かの照合が行われる(暗証番号の認証)。そして、その照合の結果(認証結果)が、景品交換装置10へ送信される。
【0064】
景品交換装置10の管理側通信手段17で認証結果が受信され(ステップ23)、制御手段19で、その認証結果が真又は偽のいずれを示すかが判断される(ステップ24)。
判断の結果、認証結果が偽を示すとき(景品交換装置10で入力された暗証番号が管理コンピュータ30に登録されている暗証番号と一致しなかったとき)は、カード搬送手段13により会員カードがカード投入返却口11へ送られ返却される(ステップ17)。
【0065】
一方、認証結果が真を示すとき(景品交換装置10で入力された暗証番号が管理コンピュータ30に登録されている暗証番号と一致したとき)は、景品払出許可信号が自動販売機側通信手段16を介して景品自動販売機40へ送信される(景品交換可能処理、ステップ25)。
景品自動販売機40の通信部46で景品払出許可信号が受信され、景品取出口45で景品が払い出される。この景品の払い出しの後、景品自動販売機40の通信部46から景品交換装置10へ景品払出完了信号が送信される。そして、景品交換装置10の自動販売機側通信手段16で景品払出完了信号が受信される(ステップ26)。
そして、景品交換装置10の管理側通信手段17から管理コンピュータ30へ、払い出された景品とその数量が送信される。
【0066】
なお、ステップ20における判断の結果、交換景品が暗証番号非照合景品に含まれているとき、又は、交換数量が限度数量(又は、限度数量−既交換数量を計算して得られた数量)以下であるときは、暗証番号の入力が不要と判断される。
この場合は、景品払出許可信号が景品自動販売機40へ送信され(景品交換可能処理、ステップ25)、景品自動販売機40で景品が払い出され、景品自動販売機40から景品交換装置10へ景品払出完了信号が送信され、景品交換装置10で景品払出完了信号が受信される(ステップ26)。このとき、暗証番号の入力(ステップ21)、暗証番号の送信(暗証番号認証、ステップ22)、認証結果の受信(ステップ23)、認証結果が真又は偽のいずれを示すかの判断(ステップ24)は省略される。
【0067】
この実施形態においては、景品自動販売機40で指定された交換景品を自動販売機用景品交換装置10aが受信する処理を「景品指定処理」とし、景品自動販売機40で入力された交換景品の数量を自動販売機用景品交換装置10aが受信する処理を「数量入力処理」とする。
【0068】
ところで、ワゴンサービス用景品交換装置10bやカウンタ用景品交換装置10cにおいては、交換景品の指定や交換景品の数量の入力が、直接それらワゴンサービス用景品交換装置10bやカウンタ用景品交換装置10cにおいて行われる。
また、ワゴンサービス用景品交換装置10bやカウンタ用景品交換装置10cは、景品自動販売機40とのデータ通信(例えば、景品・数量指定許可信号,景品払出許可信号,交換景品,交換数量の送受信など)は実行されない。
【0069】
このようにワゴンサービス用景品交換装置10bやカウンタ用景品交換装置10cにおける動作処理は、自動販売機用景品交換装置10aのそれと異なる部分も存在するが、例えば、カードデータの読み取り,暗証番号の入力,カードデータや暗証番号の送信,認証結果の受信,会員カードの真偽判断,暗証番号の入力要不要判断,暗証番号の真偽判断などの動作処理については、自動販売機用景品交換装置10aと同様に実行される。なお、景品の入力及び受け渡しは、担当者が行う。
【0070】
次に、暗証番号非照合景品及び限度数量の登録処理について、図5を参照して説明する。
同図は、景品交換装置で行われる暗証番号非照合景品及び限度数量の登録処理の手順を示すフローチャートである。
同図に示すように、景品交換装置10のカード投入返却口11に会員カードが投入されると(会員カードの受入、ステップ30)、その投入された会員カードからカードデータが読み取られる(ステップ31)。
この読み取られたカードデータが、管理側通信手段17を介して管理コンピュータ30へ送信される(ステップ32)。
【0071】
管理コンピュータ30の通信手段31でカードデータが受信され、制御手段32で、その受信されたカードデータと記憶手段33に記憶されているカードデータとが照合される(カード認証)。
そして、照合結果(認証結果)が、通信手段31を介して景品交換装置10へ送信される。
【0072】
景品交換装置10の管理側通信手段17で認証結果が受信されると(ステップ33)、制御手段19で、その認証結果が真又は偽のいずれを示すものかが判断される(ステップ34)。
判断の結果、認証結果が偽を示すとき(受信されたカードデータと同一のカードデータが管理コンピュータ30の記憶手段33に存在しなかったとき)は、カード搬送手段13により会員カードがカード投入返却口11へ送られ返却される(ステップ35)。
【0073】
一方、真を示すとき(受信されたカードデータと同一のカードデータが管理コンピュータ30の記憶手段33に存在したとき)は、入力手段15で暗証番号が入力され(ステップ36)、この入力された暗証番号が管理コンピュータ30へ送信される(ステップ37)。
管理コンピュータ30の通信手段31で、暗証番号が受信され、制御手段32で、その暗証番号が記憶手段33に記憶されている暗証番号と一致するか否かの照合が行われる(暗証番号の認証)。そして、その照合の結果(認証結果)が、景品交換装置10へ送信される。
【0074】
景品交換装置10の管理側通信手段17で認証結果が受信され(ステップ38)、制御手段19で、その認証結果が真又は偽のいずれを示すかが判断される(ステップ39)。
判断の結果、認証結果が偽を示すとき(景品交換装置10で入力された暗証番号が管理コンピュータ30に登録されている暗証番号と一致しなかったとき)は、カード搬送手段13により会員カードがカード投入返却口11へ送られ返却される(ステップ35)。
【0075】
一方、認証結果が真を示すとき(景品交換装置10で入力された暗証番号が管理コンピュータ30に登録されている暗証番号と一致したとき)は、表示手段18に暗証番号非照合景品や限度数量の登録に関するメニューが表示される(ステップ40)。
入力手段15において、メニューの中からいずれかの選択肢が選択されると、制御手段19で、その選択が「暗証番号非照合景品・限度数量の登録」についてのものか否かが判断される(ステップ41)。
【0076】
判断の結果、「暗証番号非照合景品・限度数量の登録」以外のものが選択されていたときは、その選択された内容についての処理が行われる(他の処理、ステップ42)。
一方、「暗証番号非照合景品・限度数量の登録」が選択されていたときは、次いで、表示手段18に暗証番号非照合景品選択画面が表示される(ステップ43)。
【0077】
この暗証番号非照合景品選択画面の表示内容にもとづき、入力手段15で暗証番号非照合景品が入力されると(ステップ44)、続いて、表示手段18に限度数量入力画面が表示される(ステップ45)。なお、暗証番号非照合景品選択画面と限度数量入力画面とは一つの画面で構成することもできる。
限度数量入力画面の表示内容にもとづき、限度数量が入力されると(ステップ46)、今度は登録・非登録選択画面が表示される(ステップ47)。この登録・非登録選択画面の表示内容にもとづき、入力手段15で登録又は非登録のいずれかが入力(選択)される。
【0078】
制御手段19において、入力手段15で登録又は非登録のいずれが入力(選択)されたかが判断される(ステップ48)。
判断の結果、非登録が選択されたときは、暗証番号非照合景品と限度数量が管理コンピュータ30へ送信されて登録される(ステップ49)。そして、管理コンピュータ30から景品交換装置10へ登録完了信号が送信され、景品交換装置10の管理側通信手段17で受信される(ステップ50)。
この登録完了信号が受信されると、表示手段18に登録完了画面が表示され(ステップ51)、暗証番号非照合景品と限度数量の登録が完了したことが遊技者(会員)に知らされる。
【0079】
次に、景品交換管理プログラムについて説明する。
上記の実施形態におけるコンピュータ(景品交換装置、管理コンピュータ)の各種機能(景品交換機能)は、それらコンピュータの記憶部に記憶された景品交換管理プログラムにより実現される。
【0080】
景品交換管理プログラムは、コンピュータに読み込まれることにより、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、たとえば、景品交換装置におけるカードデータの読み取り処理,暗証番号の入力処理,カードデータ送信処理,暗証番号送信処理,認証結果受信処理,認証結果にもとづく会員カードの真偽判断処理,暗証番号入力要不要判断処理,認証結果にもとづく暗証番号の真偽判断処理,管理コンピュータにおける暗証番号非照合景品・限度数量登録処理,カードデータ受信処理,暗証番号受信処理,会員カード認証処理,暗証番号認証処理,認証結果送信処理,総交換数量リセット処理,暗証番号非照合景品・限度数量リセット処理,景品交換装置及び管理コンピュータにおける暗証番号非照合景品・限度数量の登録処理などを行わせる。
これによって、景品交換機能は、景品交換管理プログラムとコンピュータとが協働することにより実現される。
【0081】
なお、景品交換機能を実現するための景品交換管理プログラムは、コンピュータのROMやハードディスク等に記憶される他、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することができる。
外部記憶装置とは、CD−ROM等の記憶媒体を内蔵し、各装置に外部接続されるメモリ増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、フレキシブルディスク,メモリカード,光磁気ディスク等をいう。
【0082】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAMにロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した実施形態の各装置の機能が実現される。
さらに、コンピュータで景品交換管理プログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された景品交換管理プログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。このダウンロードされた景品交換管理プログラムも、CPUにより実行され、本実施形態の各装置の景品交換機能を実現する。
【0083】
以上、本発明の景品交換システム、景品管理方法及び景品管理プログラムの好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る景品交換システム、景品管理方法及び景品管理プログラムは上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、自動販売機用景品交換装置,ワゴンサービス用景品交換装置,カウンタ用景品交換装置,管理コンピュータ等を一つずつ備えた構成としてあるが、一つずつに限定されるものではなく、それぞれ複数備えることもできる。
【0084】
また、交換景品が暗証番号非照合景品に含まれていない場合や、交換景品の数量が限度数量を超えている場合に、暗証番号が入力されないときあるいは入力された暗証番号が数回にわたって間違えられたときは、会員の状態を停止状態とし、本人確認のもとに会員カードの再発行を行わない限り、使用不可能とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、遊技場での景品交換に関する発明であるため、景品交換を管理するシステムや装置で利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
1 景品交換システム
10 景品交換装置
11 カード投入返却口
12 カード収納手段
13 カード搬送手段
14 データ読取手段
15 入力手段
16 自動販売機側通信手段
17 管理側通信手段
18 表示手段
19 制御手段
20 記憶手段
30 管理コンピュータ
31 通信手段
32 制御手段
33 記憶手段
40 景品管理手段
41 景品収納部
42 景品陳列部
43 景品指定部
44 数量入力部
45 景品取出口
46 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場での景品交換に関する処理を行う景品交換装置と、この景品交換装置における前記景品交換処理を管理する管理コンピュータとを備えた景品交換システムであって、
前記管理コンピュータは、暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶しておき、
前記景品交換装置は、交換される景品が前記暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、交換される景品の数量が前記限度数量以下であるときに、前記暗証番号の入力なしに前記景品を交換可能とする
ことを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記景品交換装置は、一種類又は複数種類の前記景品を一回で又は複数回にわたって交換する場合であって、前記一種類又は複数種類の景品のすべてが前記暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、前記一種類又は複数種類の景品の各交換数量又は総交換数量が前記限度数量以下であるときに、前記暗証番号の入力なしに前記一種類又は複数種類の景品を交換可能とする
ことを特徴とする請求項1記載の景品交換システム。
【請求項3】
前記管理コンピュータは、一の遊技者に対して、前記暗証番号非照合景品及び/又は前記限度数量を記憶しておき、
前記景品交換装置は、前記一の遊技者が一種類又は複数種類の前記景品を一回で又は複数回にわたって交換する場合であって、前記一種類又は複数種類の景品のすべてが前記暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、前記一種類又は複数種類の景品の各交換数量又は総交換数量が前記限度数量以下であるときに、前記暗証番号の入力なしに前記一種類又は複数種類の景品を交換可能とする
ことを特徴とする請求項1又は2記載の景品交換システム。
【請求項4】
前記管理コンピュータは、暗証番号が入力された場合、所定時間又は所定期間が経過した場合、営業時間が終了した場合、前記暗証番号非照合景品及び/又は前記限度数量が再度登録された場合、のうち一又は二以上の場合に、実際に交換された景品の数量の累計であって前記限度数量と比較される総交換数量をリセットする
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の景品交換システム。
【請求項5】
景品交換装置が遊技場での景品交換に関する処理を行うとともに、管理コンピュータが前記景品交換装置での景品交換処理を管理する景品交換管理方法であって、
前記管理コンピュータが、暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶する景品・数量記憶処理と、
前記景品交換装置が、交換される景品を入力する景品指定処理と、
前記景品交換装置が、前記交換される景品の数量を入力する数量入力処理と、
前記景品交換装置又は前記管理コンピュータが、前記交換される景品が前記暗証番号非照合景品に含まれているか否か、及び/又は、前記交換される景品の数量が前記限度数量以下であるか否かを判断する判断処理と、
前記景品交換装置が、前記交換される景品が前記暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、前記交換される景品の数量が前記限度数量以下であるときに、前記暗証番号の入力なしに前記景品を交換可能とする景品交換可能処理とを有した
ことを特徴とする景品交換管理方法。
【請求項6】
遊技場での景品交換に関する処理を景品交換装置に実行させ、かつ、前記景品交換装置における前記景品交換処理を管理する処理を管理コンピュータに実行させる景品交換管理プログラムであって、
暗証番号の入力なしに交換可能な景品及び/又は暗証番号の入力なしに交換可能な景品の数量を暗証番号非照合景品及び/又は限度数量として記憶する景品・数量記憶処理を前記管理コンピュータに実行させ、
交換される景品を入力する景品指定処理と、前記交換される景品の数量を入力する数量入力処理とを前記景品交換装置に実行させ、
前記交換される景品が前記暗証番号非照合景品に含まれているか否か、及び/又は、前記交換される景品の数量が前記限度数量以下であるか否かを判断する判断処理を前記景品交換装置又は前記管理コンピュータに実行させ、
前記交換される景品が前記暗証番号非照合景品に含まれているとき、及び/又は、前記交換される景品の数量が前記限度数量以下であるときに、前記暗証番号の入力なしに前記景品を交換可能とする景品交換可能処理を前記景品交換装置に実行させる
ことを特徴とする景品交換管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−184146(P2010−184146A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126941(P2010−126941)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【分割の表示】特願2004−64390(P2004−64390)の分割
【原出願日】平成16年3月8日(2004.3.8)
【出願人】(591142507)株式会社北電子 (348)
【Fターム(参考)】