景品交換システム
【課題】景品交換処理の練習機能を備えた構成において、より実践的な練習を行うことができる景品交換システムを提供する。
【解決手段】景品交換処理の結果が実績データとして累積的に蓄積される営業モードと蓄積されない練習モードとを備えるPOS端末において、練習モードで交換すべき景品を練習の課題として練習用レシート40に印字して発行するようにした。これにより、従業員がその課題を迅速に行うことができるように景品交換処理を練習することで、より実践的な練習が可能となる。
【解決手段】景品交換処理の結果が実績データとして累積的に蓄積される営業モードと蓄積されない練習モードとを備えるPOS端末において、練習モードで交換すべき景品を練習の課題として練習用レシート40に印字して発行するようにした。これにより、従業員がその課題を迅速に行うことができるように景品交換処理を練習することで、より実践的な練習が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場における景品交換処理を練習する機能を備えた景品交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場の景品交換カウンタには景品交換システムを構成するPOS端末が設置されており、従業員によりPOS端末を用いた景品交換処理が行われている(特許文献1参照)。また、小売店などで用いられるPOS端末として、商品の価格を確認するときに読み取った情報を実績データに反映させないようにする技術が公開されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−143521号公報
【特許文献2】特開2006−235787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらを利用することで、遊技場用のPOS端末にも従業員が景品交換処理に慣れるために、読み取った情報を実績データに反映させない練習モードを設定可能な練習機能を搭載することが考えられる。
しかし、POS端末による景品交換処理は、特殊景品或いは一般景品との交換処理や端玉の処理など景品交換の条件が複雑であり、POS端末の操作に不慣れな従業員が景品交換処理を行うと客を待たせることになることから、景品交換処理の迅速化を図るために、より実践的な練習機能が求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、景品交換処理の練習機能を備えた構成において、より実践的な練習を行うことができる景品交換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の景品交換システムは、遊技者が獲得した遊技媒体の数である獲得遊技媒体数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された前記獲得遊技媒体数を記録した記録媒体である営業用記録媒体を発行する営業用記録媒体発行手段と、前記営業用記録媒体を受付け可能な記録媒体受付手段と、前記記録媒体受付手段が前記営業用記録媒体を受付けた場合に、当該営業用記録媒体に記録された前記獲得遊技媒体数の範囲内で所定の景品交換処理を行う景品交換処理手段と、前記景品交換処理に関する情報を表示部に表示する表示手段と、所定の営業モードにおける前記景品交換処理の結果を実績データとして累積的に蓄積する一方、所定の練習モードにおける前記景品交換処理の結果を当該実績データとして蓄積しない実績データ蓄積手段と、前記営業モードと、前記練習モードのうち何れかのモードを選択的に設定可能なモード設定手段と、景品交換処理において交換の対象となる景品の種類及び個数を含む情報からなる複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定する課題決定手段と、前記課題決定手段が決定した練習の課題を提示する課題提示手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0007】
請求項1記載の景品交換システムにおいて、
前記課題提示手段は、所定の数値を記録する記録媒体である練習用記録媒体を発行する練習用記録媒体発行手段であり、前記練習用記録媒体発行手段は、前記練習の課題を記録した前記練習用記録媒体を発行し、前記記録媒体受付手段は、前記練習用記録媒体を受付け可能であり、前記景品交換処理手段は、前記記録媒体受付手段が前記練習用記録媒体を受付けた場合に、当該練習用記録媒体に記録された前記所定の数値の範囲内で所定の景品交換処理を行うようにしても良い(請求項2)。
【0008】
請求項1または2記載の景品交換システムにおいて、
前記課題提示手段は前記表示手段であり、前記表示手段は、前記練習の課題を前記表示部に表示するようにしても良い(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定するので、あらゆるパターンの景品交換処理を想定した実践的な練習が可能となる。よって、従業員はその課題を迅速に行うことができるようにすることで、より実践的な景品交換処理の技術を身に付けることができる。この場合、練習モードにおける景品交換処理は実績データとして累積的に蓄積されないので、景品交換を確実に管理することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、練習モードにおける景品交換処理を行うための練習用記録媒体を発行するので、記録媒体の受付からの練習が可能となるだけでなく、練習の課題を練習用記録媒体に印字したり、受付け時に課題を表示部に表示したりすることでスムーズに課題を提示することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、練習用記録媒体を発行しない場合であっても、課題を表示部に表示することが出来るので、練習用記録媒体を発行する必要がない。また、この表示部は景品交換処理にも使用されるため、表示部の課題を確認しながら景品交換処理の練習を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態におけるシステム全体を示す概略図
【図2】POS端末の操作パネルを示す図
【図3】営業用レシートを示す図
【図4】練習用レシートを示す図
【図5】業務選択画面を示す図
【図6】待機中画面1を示す図
【図7】景品交換中画面1を示す図
【図8】景品交換中画面2を示す図
【図9】練習開始確認画面を示す図
【図10】待機中画面2を示す図
【図11】景品交換中画面3を示す図
【図12】計数機の計数処理を示すフローチャート
【図13】POS端末のメイン動作を示すフローチャート
【図14】POS端末のモード設定処理を示すフローチャート
【図15】POS端末のレシート受付処理を示すフローチャート
【図16】POS端末の景品交換処理を示すフローチャート
【図17】管理装置のメイン動作を示すフローチャート
【図18】管理装置の持玉特定処理を示すフローチャート
【図19】管理装置の持玉数抽出処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用景品交換システム全体を概略的に示している。この図1において、遊技場としてのパチンコホールには、遊技機1に対応して台毎端末2が設置されている。この台毎端末2は台間玉貸機の機能を有しており、遊技者は台毎端末2からパチンコ玉(遊技媒体に相当)を借り受けて遊技機1で遊技を行うようになっている。
【0014】
遊技機1に対応して呼出ランプユニット3が設置されている。この呼出ランプユニット3は、対応する遊技機1の稼動状態を収集して出力すると共に、遊技機1の稼動状態に応じて所定のランプを点灯或いは点滅したり、呼出ボタンに対する操作に応じて呼出ランプを点灯したりする。
台毎端末2及び呼出ランプユニット3は中継装置4と接続されている。中継装置4及び計数機5並びにPOS端末6は、管理装置7と例えば店舗内LAN8によりネットワーク接続されている。
【0015】
管理装置7(実績データ蓄積手段に相当)は、各台毎端末2による売上状態、各遊技機1の稼動状態、計数機5の計数処理に基づく計数状況の管理、POS端末6での景品の交換状況、在庫状況などを管理すると共に、計数機5やPOS端末6の設定を管理している。尚、計数機5及びPOS端末6でも各々の状況を管理するようになっている。
また、管理装置7は、営業時間中は所定周期で各遊技機1の稼動率を求めてPOS端末6に送信する。この場合、稼動タイマ作動中の遊技機1を稼動中の遊技機とし、全遊技機に対する稼動中の遊技機の割合を稼動率として算出するようになっている。
【0016】
計数機5(計数手段、営業用記録媒体発行手段に相当)は、遊技場内の複数箇所(例えば島端)に設置されている。この計数機5は、遊技者が獲得したパチンコ玉(獲得遊技媒体数に相当)を計数処理して、景品交換に必要となるレシートを発行するようになっている。
計数機5には、遊技者が獲得したパチンコ玉を投入するための投入部9、表面にタッチパネルを有した液晶パネルより構成される表示部10、計数結果を記録したレシートを発行するレシート発行処理を行うための「精算」釦11、余り玉を返却するための「返却」釦12、レシートを発行するためのレシート発行部13、当該レシートを発行する際に余り玉を返却するための返却口14が備えられている。
【0017】
POS端末6(記録媒体受付手段、景品交換処理手段、モード設定手段、課題決定手段、課題提示手段、練習用記録媒体発行手段に相当)は景品交換カウンタに設置されている。このPOS端末6は、遊技者が提出したレシートから計数値や景品情報を示すバーコードを図示しないスキャナで読み取るためのものである。また、POS端末6には、表面にタッチパネルを有した液晶パネルより構成される表示部15(表示手段に相当)、及び各種の操作キーを有した操作パネル16が備えられている。尚、POS端末6に対応して遊技者が視認可能な図示しない表示部を備えた表示端末が設けられている。
【0018】
図2は、POS端末6の操作パネル16を示している。操作パネル16には、複数種類のタバコを選択するための「タバコA」釦17a〜「タバコE」釦17e、チョコレートを選択するための「チョコレート50」釦17f(50玉に相当)、他の一般景品を選択するための「端玉5」釦17g(5玉に相当)〜「端玉60」釦17m(60玉に相当)からなる景品キー17、テンキー18に加えて、「交換」釦19、「終了」釦20が設けられている。
【0019】
次に、上記構成の作用について説明する。
図13は、POS端末6のメイン動作を示すフローチャートである。POS端末6は、電源が投入されると、モード設定処理(B1)、レシート受付処理(B2)、景品交換処理(B3)を繰返して実行する。
図14はモード設定処理を示すフローチャートであり、図示しない待機画面上の「業務選択」釦が押下げられたか(C1)、許容時間外か(C12)を判定する。「業務選択」釦が押下されると(C1:YES)、表示部15に業務選択画面を表示する。
図5は業務選択画面を示している。この業務選択画面には、担当表示部21、年月日表示部22、「設定」釦23、「練習処理」釦24、「営業処理」釦25が表示されている。
【0020】
次にPOS端末6は、「練習処理」釦24が押下げられたか(C2)、「営業処理」釦25が押下げられたか(C15)を判定する。営業開始時は「営業処理」釦25が押下げられるので(C15:YES)、営業モードを設定し(C16)、許容時間外でないことを確認してから(C12:NO)、終了する。この許容時間とは、後述する練習モードを設定可能な時間帯のことで、営業時間帯において稼動率が練習モードを実行しても支障がない程度に低下する時間帯が任意に設定されている。そして、「営業処理」釦25が押下げられたときは(C15:YES)、営業モードを設定する(C16)。このとき表示部15に待機中画面1を表示する。
図6は待機中画面1を示している。この待機中画面1には、総数表示部26、交換可能玉数表示部27、端数表示部28、特殊景品としての大景品数表示部29、中景品数表示部30、小景品数表示部31が表示されていると共に、景品表示部32、「業務選択」釦33が表示されている。
【0021】
図17は、管理装置7のメイン動作を示すフローチャートである。管理装置7は、持玉特定処理(F1)、持玉数抽出処理(F2)を繰返して実行している。
図18は持玉特定処理を示すフローチャートである。管理装置7は、アウト信号を受信したか(G1)、非稼動タイマが作動中か(G6)、セーフ信号を受信したか(G10)、売上信号を受信したか(G12)を判定する。
【0022】
遊技場に来店した遊技者が現金或いはプリペイドカード等の有価価値の投入により台毎端末2から貸玉の貸出しを受けると、台毎端末2から投入された有価価値を示す売上信号が出力される。そして、遊技者が遊技機1で遊技を開始すると、アウト玉或いはセーフ玉の発生に伴って遊技機側からアウト信号或いはセーフ信号が出力される。
管理装置7は、売上信号またはセーフ信号を受信したときは(G10:YES)、持玉数を加算し(G11)、アウト信号を受信したときは(G1:YES)、持玉数を減算する(G2)。これにより、各遊技機1の持玉数(=売上玉数+セーフ玉数−アウト玉数)を算出することができる。
【0023】
一方、管理装置7は、非稼動状態において最初のアウト信号を受信したときは、非稼動タイマが停止していることから(G3:NO)、非稼動タイマの作動を開始し(G5)、その非稼動タイマの作動状態でアウト信号をさらに受信したときは(G3:YES)、非稼動タイマをリセットする(G4)。この非稼動タイマは遊技機の非稼動状態を検出するためのもので、そのタイマ時間は、玉が連続発射された場合の玉の発射間隔よりも十分に長い時間に設定されていると共に、リセットされると、タイマ動作を再実行する。
遊技者が遊技を終了すると、非稼動タイマがリセットされずタイムアップするので、管理装置7は、非稼動タイマがタイムアップしたときは(G7:YES)、持玉数を持玉履歴に記憶してから(G8)、持玉数を0とする(G9)。
【0024】
図12は計数機5の計数処理を示すフローチャートである。計数機5は、計数を開始したかを判定しており(A1)、獲得玉が投入されると、計数開始と判定し(A1:YES)、「精算」釦11が押下げられたかを判定する(A2)。計数を終了した遊技者により「精算」釦11が押下げられたときは(A2:YES)、発券信号を送信してから(A3)、レシート発行部13より営業用レシートを発行する(A4)。
【0025】
図3は、レシート発行部13より発行された営業用レシートの一例を示している。営業用レシート39(営業用記録媒体に相当)には、パチンコホール名39a、計数時刻39b、計数値39c、計数値をPOS端末6で読み取らせるための2次元コード39d、当該レシートの景品交換が当日のみ有効という注意を促すメッセージ39eが印刷されている。
【0026】
遊技者が営業用レシート39を景品交換カウンタに提出すると、従業員は、POS端末6にて営業用レシート39を読み込ませる。
POS端末6は、図15に示すレシート受付処理において、レシートを読み取ったときは(D1:YES)、営業用レシート39か(D2)、練習モードか(D4)を判定する。この場合は営業用レシート39であるので(D2:YES)、営業モードが設定されていることを確認してから(D3:YES)、レシートを受付ける(D5)。尚、営業モードが設定されていない場合は(D3:NO)、レシートを受付けることなく終了する。
【0027】
次にPOS端末6は、図16に示す景品交換処理において、レシートを受付けたかを判定しており(E1)、上述のようにレシートを受付けたときは(E1:YES)、交換可能な特殊景品を仮特定し(E2)、残玉数を算出してから(E3)、景品キー17が押下げられたか(E4)、「キャンセル」釦34が押下げられたか(E7)、「交換」釦19が押下げられたか(E9)を判定する。このとき表示部15に景品交換中画面1を表示する。
【0028】
図7は景品交換中画面1を示している。総数表示部26及び交換可能玉数表示部27には読み込んだ計数玉数が表示され、大景品数表示部29、中景品数表示部30、小景品数表示部31には総数の範囲内で交換可能な特殊景品数が表示され、端数表示部28には総数から特殊景品の景品交換玉数を差引いた残玉数が表示されている。また、「業務選択」釦33に加えて「キャンセル」釦34が表示されている。図7に示す例では、総数及び交換可能玉数が5674玉であり、大景品数(1000玉相当)を5個、中景品(400玉相当)を1個、小景品(80玉相当)を3個交換可能であると共に、端数が小景品に相当する玉数よりも少ない34玉であることを示している。尚、この景品交換中画面1は従業員側表示部15の画面であり、図示しない遊技者側表示部における特殊景品数は0のままである。これは、遊技者側表示部に特殊景品数を表示した場合は、遊技者が特殊景品は確定済みであると勘違いする虞があるからである。
【0029】
従業員は、POS端末6に表示されている端数が終了可能数を上回っている場合は、その端数内で一般景品を選択する。この場合、同一の景品が2以上の場合は、その個数をテンキーで入力する。尚、景品の選択方法としては、景品キー17を押下する方法の他に、景品のバーコードをスキャニングする方法、バーコードを手入力する方法、表示部上に設けられた景品パネルをタッチする方法を採用しても良い。
【0030】
POS端末6は、景品キー17により景品が選択されたときは(E4:YES)、該当景品及び交換可能な特殊景品を仮特定し(E5)、仮特定した景品相当の玉数を残玉数(端数)から減算する(E6)。尚、「キャンセル」釦34が押下げられたときは(E7:YES)、仮特定を解除する(E8)。
【0031】
特殊景品或いは一般景品の選択が確定したことにより「交換」釦19が押下げられたときは(E9:YES)、交換可能玉数を0とし(E10)、残玉数が終了可能数以下かを判定する(E11)。残玉数が終了可能数を上回っているときは(E11:NO)、ステップE4へ移行することにより景品キー17の押下げによる景品の仮特定を実行可能とする。そして、「交換」釦19が押下げられたときに残玉数が終了可能数以下であったときは(E11:YES)、「終了」釦20が押下げられたかを加えて判定する(E12)。このとき表示部15に景品交換中画面2を表示するのに加えて図示しない表示端末の表示部にも表示するので、遊技者に交換対象景品を確認してもらうことができる。
図8は景品交換中画面2を示しており、図7の景品交換画面1の状態において34玉の端玉のうち30玉がタバコ及びチョコレート以外の一般景品と交換された状態(景品表示部32への表示は無し)を示している。
【0032】
次にPOS端末6は、「終了」釦20が押下げられたときは(E12:YES)、仮特定している全景品の交換を確定し(E13)、残玉数を0とし(E14)、営業モードであるかを判定する(E15)。この場合は営業モードであることから(E15:YES)、景品交換処理の結果を示す景品払出信号を管理装置7に出力する(E16)。
管理装置7は、景品払出信号を受信すると、景品交換処理の結果を累積的に記憶する。従って、管理者は、営業終了後に、景品交換処理の結果の累積及び売上等に基づいて遊技場の経営状態を分析することができる。
【0033】
ところで、従業員がPOS端末6での景品交換処理に不慣れな場合は、景品交換処理に時間を要して客を待たせることになることから、景品交換処理を行う従業員はPOS端末6の操作に慣れておく必要がある。
そこで、POS端末6は景品交換処理を練習するための練習モードの機能を備えており、営業中に練習モードを設定可能となっている。POS端末6を練習モードに切替えるには、図5の業務選択画面を表示した状態で、その画面に表示されている「練習処理」釦24を押下げる。
【0034】
POS端末6は、「練習処理」釦24が押下げられたときは(C2:YES)、許容時間内か(C3)、許容時間外であっても稼動率が80%以下かを判定する(C4)。何れの条件も満足しない場合は(C3:NO、C4:NO)、ステップC2に戻る。尚、許容時間は遊技場側が任意に設定可能となっている。これは、稼動率が高くとも景品交換する遊技者が少ない時間帯もあれば、稼動率が低くとも閉店前など景品交換する遊技者が多い時間帯もあるからである。一方、許容時間内か、許容時間外であっても稼動率が80%以下かの何れかの条件を満足した場合は(C3:YESまたはC4:YES)、「キャンセル」釦37が押下げられたか(C5)、「実行」釦36が押下げられたか(C6)を判定する。このとき、練習開始確認画面を表示する。
【0035】
図9は練習開始確認画面を示している。練習開始画面には確認画面35がポップアップ表示される。確認画面35には練習処理を開始することを示すメッセージが表示されていると共に、「実行」釦36及び「キャンセル」釦37が表示されている。「キャンセル」釦37が押下げられたときは(C5:YES)、ステップC2に戻る。「実行」釦36が押下げられたときは(C6:YES)、練習モードを設定し(C7)、景品交換処理において交換対象の景品を練習の課題として決定する(C8)。このような練習の課題となる景品は、予め登録されている一般景品の中からランダムに選択される。このとき、待機中画面2を表示する。
図10は待機中画面2を示している。待機中画面2には課題表示部38が表示され、その課題表示部38に交換対象となる景品が課題として表示される。図10に示す例では、交換対象となる景品としてタバコAが2個、チョコレートが1個提示されている。
【0036】
次にPOS端末6は、選択された景品を交換するのに必要な玉数を算出し、その玉数を最低玉数として管理装置7に送信してから(C9)、持玉数を受信したかを判定する(C10)。
管理装置7は、図19に示す持玉数抽出処理において、POS端末6から最低玉数を受信したときは(H1:YES)、ランダムに選択した何れかの遊技機1における現在の持玉数を抽出し(H2)、その持玉数が景品交換可能な最低玉数以上であるかを判定する(H3)。最低玉数以上の場合は(H3:YES)、当該持玉数をPOS端末6に送信する(H4)。尚、抽出した持玉数が最低玉数を下回っている場合は、最低玉数以上となるまで持玉数の抽出を再実行する。
【0037】
POS端末6は、持玉数を受信したときは(C10:YES)、その持玉数と練習の課題(交換すべき景品の種類及び個数)を練習用レシートとして印字して発行する(C11)。
図4は、練習用レシートの一例を示している。この練習用レシート40(練習用記録媒体に相当)には、上述した営業用レシートの印刷項目に加えて、練習用レシートであることを示す文字40a、交換対象景品の種別及び個数を示す課題40bが印刷されている。図4に示す例では、計数玉数が5674玉で、景品としてタバコAが2個、チョコレートが1個を交換することが課題として印刷されている。
【0038】
従業員が練習用レシート40をPOS端末6に読込ませると、POS端末6は、表示部15に図7に示す景品交換中画面1を表示する。
従業員が課題として表示されているタバコAとチョコレートを景品キー17により選択すると、図11に示すように景品表示部32に選択された景品名が個数と共に表示される。また、総数である5674玉から景品玉数である200(=75×2+50)を差引いた5474玉に対して大景品5個(5000玉)、中景品1個(400玉)が交換対象となり、そのときの残玉数が74玉となる。従って、残玉数が終了可能数を上回っていることから、景品キー17により端玉70玉を選択することにより、端玉が4玉となって終了可能数以下となるので、「交換」釦19に続けて「終了」釦20を押下げることにより景品交換処理を終了することができる。
【0039】
POS端末6は、このような練習モードでは(E15:NO)、景品交換処理が終了しても景品交換処理の結果を送信することなく終了する。従って、管理装置7が練習モードにおける景品交換処理の結果を累積的に蓄積することはない。
尚、POS端末6は、許容時間外において稼動率が80%を上回った場合は(C12:YES、C13:YES)、営業モードを優先して実行する必要から練習モードを終了する(C14)。即ち、所定の許容時間外で稼動率が80%より高い場合は練習モードの設定を禁止する一方、練習モードにおいて許容時間外で稼動率が80%より高くなると練習モードを強制的に終了するのである。
【0040】
このような実施形態によれば、景品交換処理の結果が実績データとして累積的に蓄積される営業モードと蓄積されない練習モードとを備えるPOS端末6において、練習モードで交換すべき景品を練習の課題として練習用レシート40に印字して発行するようにしたので、従業員がその課題を迅速に行うことができるように景品処理を練習することで、より実践的な練習が可能となる。
また、POS端末6から練習用レシート40を発行するので、練習用レシート40の受付からの練習が可能となるだけでなく、練習の課題を練習用レシート40に印字することでスムーズに課題を従業員に対して提示することができる。
【0041】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
練習用モードで用いるための持玉数としては、管理装置が抽出した持玉数に限らず、計数玉数など他の遊技データを抽出対象としても良い。
本実施形態では練習の課題をPOS端末の表示部に直接表示させる構成と練習用レシートに印字する構成とが記載されているが、何れか一方の構成でも良い。
時間帯毎の平均稼動率に対する景品交換回数の割合である景品交換率を求め、この景品交換率及び時間帯に基づいて練習モードの設定を禁止しまたは練習モードの強制的に終了しても良い。
営業中に練習モードに切替える例を示したが、営業終了後に行うようにしても良い。この場合、管理装置からPOS端末に送信する持玉数としては営業終了時の持玉数を選択したり、営業中における所定時間の持玉数を選択したりすれば良い。
【符号の説明】
【0042】
図面中、1は遊技機、2は台毎端末、3は呼出ランプユニット、4は中継装置、5は計数機(計数手段、営業用記録媒体発行手段)、6はPOS端末(記録媒体受付手段、景品交換処理手段、モード設定手段、課題決定手段、課題提示手段、練習用記録媒体発行手段)、7は管理装置(実績データ蓄積手段)、15は表示部(表示手段)、39は営業用レシート(営業用記録媒体)、40は練習用レシート(練習用記録媒体)である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技場における景品交換処理を練習する機能を備えた景品交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場の景品交換カウンタには景品交換システムを構成するPOS端末が設置されており、従業員によりPOS端末を用いた景品交換処理が行われている(特許文献1参照)。また、小売店などで用いられるPOS端末として、商品の価格を確認するときに読み取った情報を実績データに反映させないようにする技術が公開されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−143521号公報
【特許文献2】特開2006−235787号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらを利用することで、遊技場用のPOS端末にも従業員が景品交換処理に慣れるために、読み取った情報を実績データに反映させない練習モードを設定可能な練習機能を搭載することが考えられる。
しかし、POS端末による景品交換処理は、特殊景品或いは一般景品との交換処理や端玉の処理など景品交換の条件が複雑であり、POS端末の操作に不慣れな従業員が景品交換処理を行うと客を待たせることになることから、景品交換処理の迅速化を図るために、より実践的な練習機能が求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、景品交換処理の練習機能を備えた構成において、より実践的な練習を行うことができる景品交換システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の景品交換システムは、遊技者が獲得した遊技媒体の数である獲得遊技媒体数を計数する計数手段と、前記計数手段により計数された前記獲得遊技媒体数を記録した記録媒体である営業用記録媒体を発行する営業用記録媒体発行手段と、前記営業用記録媒体を受付け可能な記録媒体受付手段と、前記記録媒体受付手段が前記営業用記録媒体を受付けた場合に、当該営業用記録媒体に記録された前記獲得遊技媒体数の範囲内で所定の景品交換処理を行う景品交換処理手段と、前記景品交換処理に関する情報を表示部に表示する表示手段と、所定の営業モードにおける前記景品交換処理の結果を実績データとして累積的に蓄積する一方、所定の練習モードにおける前記景品交換処理の結果を当該実績データとして蓄積しない実績データ蓄積手段と、前記営業モードと、前記練習モードのうち何れかのモードを選択的に設定可能なモード設定手段と、景品交換処理において交換の対象となる景品の種類及び個数を含む情報からなる複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定する課題決定手段と、前記課題決定手段が決定した練習の課題を提示する課題提示手段と、を備えたものである(請求項1)。
【0007】
請求項1記載の景品交換システムにおいて、
前記課題提示手段は、所定の数値を記録する記録媒体である練習用記録媒体を発行する練習用記録媒体発行手段であり、前記練習用記録媒体発行手段は、前記練習の課題を記録した前記練習用記録媒体を発行し、前記記録媒体受付手段は、前記練習用記録媒体を受付け可能であり、前記景品交換処理手段は、前記記録媒体受付手段が前記練習用記録媒体を受付けた場合に、当該練習用記録媒体に記録された前記所定の数値の範囲内で所定の景品交換処理を行うようにしても良い(請求項2)。
【0008】
請求項1または2記載の景品交換システムにおいて、
前記課題提示手段は前記表示手段であり、前記表示手段は、前記練習の課題を前記表示部に表示するようにしても良い(請求項3)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定するので、あらゆるパターンの景品交換処理を想定した実践的な練習が可能となる。よって、従業員はその課題を迅速に行うことができるようにすることで、より実践的な景品交換処理の技術を身に付けることができる。この場合、練習モードにおける景品交換処理は実績データとして累積的に蓄積されないので、景品交換を確実に管理することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、練習モードにおける景品交換処理を行うための練習用記録媒体を発行するので、記録媒体の受付からの練習が可能となるだけでなく、練習の課題を練習用記録媒体に印字したり、受付け時に課題を表示部に表示したりすることでスムーズに課題を提示することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、練習用記録媒体を発行しない場合であっても、課題を表示部に表示することが出来るので、練習用記録媒体を発行する必要がない。また、この表示部は景品交換処理にも使用されるため、表示部の課題を確認しながら景品交換処理の練習を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態におけるシステム全体を示す概略図
【図2】POS端末の操作パネルを示す図
【図3】営業用レシートを示す図
【図4】練習用レシートを示す図
【図5】業務選択画面を示す図
【図6】待機中画面1を示す図
【図7】景品交換中画面1を示す図
【図8】景品交換中画面2を示す図
【図9】練習開始確認画面を示す図
【図10】待機中画面2を示す図
【図11】景品交換中画面3を示す図
【図12】計数機の計数処理を示すフローチャート
【図13】POS端末のメイン動作を示すフローチャート
【図14】POS端末のモード設定処理を示すフローチャート
【図15】POS端末のレシート受付処理を示すフローチャート
【図16】POS端末の景品交換処理を示すフローチャート
【図17】管理装置のメイン動作を示すフローチャート
【図18】管理装置の持玉特定処理を示すフローチャート
【図19】管理装置の持玉数抽出処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技場用景品交換システム全体を概略的に示している。この図1において、遊技場としてのパチンコホールには、遊技機1に対応して台毎端末2が設置されている。この台毎端末2は台間玉貸機の機能を有しており、遊技者は台毎端末2からパチンコ玉(遊技媒体に相当)を借り受けて遊技機1で遊技を行うようになっている。
【0014】
遊技機1に対応して呼出ランプユニット3が設置されている。この呼出ランプユニット3は、対応する遊技機1の稼動状態を収集して出力すると共に、遊技機1の稼動状態に応じて所定のランプを点灯或いは点滅したり、呼出ボタンに対する操作に応じて呼出ランプを点灯したりする。
台毎端末2及び呼出ランプユニット3は中継装置4と接続されている。中継装置4及び計数機5並びにPOS端末6は、管理装置7と例えば店舗内LAN8によりネットワーク接続されている。
【0015】
管理装置7(実績データ蓄積手段に相当)は、各台毎端末2による売上状態、各遊技機1の稼動状態、計数機5の計数処理に基づく計数状況の管理、POS端末6での景品の交換状況、在庫状況などを管理すると共に、計数機5やPOS端末6の設定を管理している。尚、計数機5及びPOS端末6でも各々の状況を管理するようになっている。
また、管理装置7は、営業時間中は所定周期で各遊技機1の稼動率を求めてPOS端末6に送信する。この場合、稼動タイマ作動中の遊技機1を稼動中の遊技機とし、全遊技機に対する稼動中の遊技機の割合を稼動率として算出するようになっている。
【0016】
計数機5(計数手段、営業用記録媒体発行手段に相当)は、遊技場内の複数箇所(例えば島端)に設置されている。この計数機5は、遊技者が獲得したパチンコ玉(獲得遊技媒体数に相当)を計数処理して、景品交換に必要となるレシートを発行するようになっている。
計数機5には、遊技者が獲得したパチンコ玉を投入するための投入部9、表面にタッチパネルを有した液晶パネルより構成される表示部10、計数結果を記録したレシートを発行するレシート発行処理を行うための「精算」釦11、余り玉を返却するための「返却」釦12、レシートを発行するためのレシート発行部13、当該レシートを発行する際に余り玉を返却するための返却口14が備えられている。
【0017】
POS端末6(記録媒体受付手段、景品交換処理手段、モード設定手段、課題決定手段、課題提示手段、練習用記録媒体発行手段に相当)は景品交換カウンタに設置されている。このPOS端末6は、遊技者が提出したレシートから計数値や景品情報を示すバーコードを図示しないスキャナで読み取るためのものである。また、POS端末6には、表面にタッチパネルを有した液晶パネルより構成される表示部15(表示手段に相当)、及び各種の操作キーを有した操作パネル16が備えられている。尚、POS端末6に対応して遊技者が視認可能な図示しない表示部を備えた表示端末が設けられている。
【0018】
図2は、POS端末6の操作パネル16を示している。操作パネル16には、複数種類のタバコを選択するための「タバコA」釦17a〜「タバコE」釦17e、チョコレートを選択するための「チョコレート50」釦17f(50玉に相当)、他の一般景品を選択するための「端玉5」釦17g(5玉に相当)〜「端玉60」釦17m(60玉に相当)からなる景品キー17、テンキー18に加えて、「交換」釦19、「終了」釦20が設けられている。
【0019】
次に、上記構成の作用について説明する。
図13は、POS端末6のメイン動作を示すフローチャートである。POS端末6は、電源が投入されると、モード設定処理(B1)、レシート受付処理(B2)、景品交換処理(B3)を繰返して実行する。
図14はモード設定処理を示すフローチャートであり、図示しない待機画面上の「業務選択」釦が押下げられたか(C1)、許容時間外か(C12)を判定する。「業務選択」釦が押下されると(C1:YES)、表示部15に業務選択画面を表示する。
図5は業務選択画面を示している。この業務選択画面には、担当表示部21、年月日表示部22、「設定」釦23、「練習処理」釦24、「営業処理」釦25が表示されている。
【0020】
次にPOS端末6は、「練習処理」釦24が押下げられたか(C2)、「営業処理」釦25が押下げられたか(C15)を判定する。営業開始時は「営業処理」釦25が押下げられるので(C15:YES)、営業モードを設定し(C16)、許容時間外でないことを確認してから(C12:NO)、終了する。この許容時間とは、後述する練習モードを設定可能な時間帯のことで、営業時間帯において稼動率が練習モードを実行しても支障がない程度に低下する時間帯が任意に設定されている。そして、「営業処理」釦25が押下げられたときは(C15:YES)、営業モードを設定する(C16)。このとき表示部15に待機中画面1を表示する。
図6は待機中画面1を示している。この待機中画面1には、総数表示部26、交換可能玉数表示部27、端数表示部28、特殊景品としての大景品数表示部29、中景品数表示部30、小景品数表示部31が表示されていると共に、景品表示部32、「業務選択」釦33が表示されている。
【0021】
図17は、管理装置7のメイン動作を示すフローチャートである。管理装置7は、持玉特定処理(F1)、持玉数抽出処理(F2)を繰返して実行している。
図18は持玉特定処理を示すフローチャートである。管理装置7は、アウト信号を受信したか(G1)、非稼動タイマが作動中か(G6)、セーフ信号を受信したか(G10)、売上信号を受信したか(G12)を判定する。
【0022】
遊技場に来店した遊技者が現金或いはプリペイドカード等の有価価値の投入により台毎端末2から貸玉の貸出しを受けると、台毎端末2から投入された有価価値を示す売上信号が出力される。そして、遊技者が遊技機1で遊技を開始すると、アウト玉或いはセーフ玉の発生に伴って遊技機側からアウト信号或いはセーフ信号が出力される。
管理装置7は、売上信号またはセーフ信号を受信したときは(G10:YES)、持玉数を加算し(G11)、アウト信号を受信したときは(G1:YES)、持玉数を減算する(G2)。これにより、各遊技機1の持玉数(=売上玉数+セーフ玉数−アウト玉数)を算出することができる。
【0023】
一方、管理装置7は、非稼動状態において最初のアウト信号を受信したときは、非稼動タイマが停止していることから(G3:NO)、非稼動タイマの作動を開始し(G5)、その非稼動タイマの作動状態でアウト信号をさらに受信したときは(G3:YES)、非稼動タイマをリセットする(G4)。この非稼動タイマは遊技機の非稼動状態を検出するためのもので、そのタイマ時間は、玉が連続発射された場合の玉の発射間隔よりも十分に長い時間に設定されていると共に、リセットされると、タイマ動作を再実行する。
遊技者が遊技を終了すると、非稼動タイマがリセットされずタイムアップするので、管理装置7は、非稼動タイマがタイムアップしたときは(G7:YES)、持玉数を持玉履歴に記憶してから(G8)、持玉数を0とする(G9)。
【0024】
図12は計数機5の計数処理を示すフローチャートである。計数機5は、計数を開始したかを判定しており(A1)、獲得玉が投入されると、計数開始と判定し(A1:YES)、「精算」釦11が押下げられたかを判定する(A2)。計数を終了した遊技者により「精算」釦11が押下げられたときは(A2:YES)、発券信号を送信してから(A3)、レシート発行部13より営業用レシートを発行する(A4)。
【0025】
図3は、レシート発行部13より発行された営業用レシートの一例を示している。営業用レシート39(営業用記録媒体に相当)には、パチンコホール名39a、計数時刻39b、計数値39c、計数値をPOS端末6で読み取らせるための2次元コード39d、当該レシートの景品交換が当日のみ有効という注意を促すメッセージ39eが印刷されている。
【0026】
遊技者が営業用レシート39を景品交換カウンタに提出すると、従業員は、POS端末6にて営業用レシート39を読み込ませる。
POS端末6は、図15に示すレシート受付処理において、レシートを読み取ったときは(D1:YES)、営業用レシート39か(D2)、練習モードか(D4)を判定する。この場合は営業用レシート39であるので(D2:YES)、営業モードが設定されていることを確認してから(D3:YES)、レシートを受付ける(D5)。尚、営業モードが設定されていない場合は(D3:NO)、レシートを受付けることなく終了する。
【0027】
次にPOS端末6は、図16に示す景品交換処理において、レシートを受付けたかを判定しており(E1)、上述のようにレシートを受付けたときは(E1:YES)、交換可能な特殊景品を仮特定し(E2)、残玉数を算出してから(E3)、景品キー17が押下げられたか(E4)、「キャンセル」釦34が押下げられたか(E7)、「交換」釦19が押下げられたか(E9)を判定する。このとき表示部15に景品交換中画面1を表示する。
【0028】
図7は景品交換中画面1を示している。総数表示部26及び交換可能玉数表示部27には読み込んだ計数玉数が表示され、大景品数表示部29、中景品数表示部30、小景品数表示部31には総数の範囲内で交換可能な特殊景品数が表示され、端数表示部28には総数から特殊景品の景品交換玉数を差引いた残玉数が表示されている。また、「業務選択」釦33に加えて「キャンセル」釦34が表示されている。図7に示す例では、総数及び交換可能玉数が5674玉であり、大景品数(1000玉相当)を5個、中景品(400玉相当)を1個、小景品(80玉相当)を3個交換可能であると共に、端数が小景品に相当する玉数よりも少ない34玉であることを示している。尚、この景品交換中画面1は従業員側表示部15の画面であり、図示しない遊技者側表示部における特殊景品数は0のままである。これは、遊技者側表示部に特殊景品数を表示した場合は、遊技者が特殊景品は確定済みであると勘違いする虞があるからである。
【0029】
従業員は、POS端末6に表示されている端数が終了可能数を上回っている場合は、その端数内で一般景品を選択する。この場合、同一の景品が2以上の場合は、その個数をテンキーで入力する。尚、景品の選択方法としては、景品キー17を押下する方法の他に、景品のバーコードをスキャニングする方法、バーコードを手入力する方法、表示部上に設けられた景品パネルをタッチする方法を採用しても良い。
【0030】
POS端末6は、景品キー17により景品が選択されたときは(E4:YES)、該当景品及び交換可能な特殊景品を仮特定し(E5)、仮特定した景品相当の玉数を残玉数(端数)から減算する(E6)。尚、「キャンセル」釦34が押下げられたときは(E7:YES)、仮特定を解除する(E8)。
【0031】
特殊景品或いは一般景品の選択が確定したことにより「交換」釦19が押下げられたときは(E9:YES)、交換可能玉数を0とし(E10)、残玉数が終了可能数以下かを判定する(E11)。残玉数が終了可能数を上回っているときは(E11:NO)、ステップE4へ移行することにより景品キー17の押下げによる景品の仮特定を実行可能とする。そして、「交換」釦19が押下げられたときに残玉数が終了可能数以下であったときは(E11:YES)、「終了」釦20が押下げられたかを加えて判定する(E12)。このとき表示部15に景品交換中画面2を表示するのに加えて図示しない表示端末の表示部にも表示するので、遊技者に交換対象景品を確認してもらうことができる。
図8は景品交換中画面2を示しており、図7の景品交換画面1の状態において34玉の端玉のうち30玉がタバコ及びチョコレート以外の一般景品と交換された状態(景品表示部32への表示は無し)を示している。
【0032】
次にPOS端末6は、「終了」釦20が押下げられたときは(E12:YES)、仮特定している全景品の交換を確定し(E13)、残玉数を0とし(E14)、営業モードであるかを判定する(E15)。この場合は営業モードであることから(E15:YES)、景品交換処理の結果を示す景品払出信号を管理装置7に出力する(E16)。
管理装置7は、景品払出信号を受信すると、景品交換処理の結果を累積的に記憶する。従って、管理者は、営業終了後に、景品交換処理の結果の累積及び売上等に基づいて遊技場の経営状態を分析することができる。
【0033】
ところで、従業員がPOS端末6での景品交換処理に不慣れな場合は、景品交換処理に時間を要して客を待たせることになることから、景品交換処理を行う従業員はPOS端末6の操作に慣れておく必要がある。
そこで、POS端末6は景品交換処理を練習するための練習モードの機能を備えており、営業中に練習モードを設定可能となっている。POS端末6を練習モードに切替えるには、図5の業務選択画面を表示した状態で、その画面に表示されている「練習処理」釦24を押下げる。
【0034】
POS端末6は、「練習処理」釦24が押下げられたときは(C2:YES)、許容時間内か(C3)、許容時間外であっても稼動率が80%以下かを判定する(C4)。何れの条件も満足しない場合は(C3:NO、C4:NO)、ステップC2に戻る。尚、許容時間は遊技場側が任意に設定可能となっている。これは、稼動率が高くとも景品交換する遊技者が少ない時間帯もあれば、稼動率が低くとも閉店前など景品交換する遊技者が多い時間帯もあるからである。一方、許容時間内か、許容時間外であっても稼動率が80%以下かの何れかの条件を満足した場合は(C3:YESまたはC4:YES)、「キャンセル」釦37が押下げられたか(C5)、「実行」釦36が押下げられたか(C6)を判定する。このとき、練習開始確認画面を表示する。
【0035】
図9は練習開始確認画面を示している。練習開始画面には確認画面35がポップアップ表示される。確認画面35には練習処理を開始することを示すメッセージが表示されていると共に、「実行」釦36及び「キャンセル」釦37が表示されている。「キャンセル」釦37が押下げられたときは(C5:YES)、ステップC2に戻る。「実行」釦36が押下げられたときは(C6:YES)、練習モードを設定し(C7)、景品交換処理において交換対象の景品を練習の課題として決定する(C8)。このような練習の課題となる景品は、予め登録されている一般景品の中からランダムに選択される。このとき、待機中画面2を表示する。
図10は待機中画面2を示している。待機中画面2には課題表示部38が表示され、その課題表示部38に交換対象となる景品が課題として表示される。図10に示す例では、交換対象となる景品としてタバコAが2個、チョコレートが1個提示されている。
【0036】
次にPOS端末6は、選択された景品を交換するのに必要な玉数を算出し、その玉数を最低玉数として管理装置7に送信してから(C9)、持玉数を受信したかを判定する(C10)。
管理装置7は、図19に示す持玉数抽出処理において、POS端末6から最低玉数を受信したときは(H1:YES)、ランダムに選択した何れかの遊技機1における現在の持玉数を抽出し(H2)、その持玉数が景品交換可能な最低玉数以上であるかを判定する(H3)。最低玉数以上の場合は(H3:YES)、当該持玉数をPOS端末6に送信する(H4)。尚、抽出した持玉数が最低玉数を下回っている場合は、最低玉数以上となるまで持玉数の抽出を再実行する。
【0037】
POS端末6は、持玉数を受信したときは(C10:YES)、その持玉数と練習の課題(交換すべき景品の種類及び個数)を練習用レシートとして印字して発行する(C11)。
図4は、練習用レシートの一例を示している。この練習用レシート40(練習用記録媒体に相当)には、上述した営業用レシートの印刷項目に加えて、練習用レシートであることを示す文字40a、交換対象景品の種別及び個数を示す課題40bが印刷されている。図4に示す例では、計数玉数が5674玉で、景品としてタバコAが2個、チョコレートが1個を交換することが課題として印刷されている。
【0038】
従業員が練習用レシート40をPOS端末6に読込ませると、POS端末6は、表示部15に図7に示す景品交換中画面1を表示する。
従業員が課題として表示されているタバコAとチョコレートを景品キー17により選択すると、図11に示すように景品表示部32に選択された景品名が個数と共に表示される。また、総数である5674玉から景品玉数である200(=75×2+50)を差引いた5474玉に対して大景品5個(5000玉)、中景品1個(400玉)が交換対象となり、そのときの残玉数が74玉となる。従って、残玉数が終了可能数を上回っていることから、景品キー17により端玉70玉を選択することにより、端玉が4玉となって終了可能数以下となるので、「交換」釦19に続けて「終了」釦20を押下げることにより景品交換処理を終了することができる。
【0039】
POS端末6は、このような練習モードでは(E15:NO)、景品交換処理が終了しても景品交換処理の結果を送信することなく終了する。従って、管理装置7が練習モードにおける景品交換処理の結果を累積的に蓄積することはない。
尚、POS端末6は、許容時間外において稼動率が80%を上回った場合は(C12:YES、C13:YES)、営業モードを優先して実行する必要から練習モードを終了する(C14)。即ち、所定の許容時間外で稼動率が80%より高い場合は練習モードの設定を禁止する一方、練習モードにおいて許容時間外で稼動率が80%より高くなると練習モードを強制的に終了するのである。
【0040】
このような実施形態によれば、景品交換処理の結果が実績データとして累積的に蓄積される営業モードと蓄積されない練習モードとを備えるPOS端末6において、練習モードで交換すべき景品を練習の課題として練習用レシート40に印字して発行するようにしたので、従業員がその課題を迅速に行うことができるように景品処理を練習することで、より実践的な練習が可能となる。
また、POS端末6から練習用レシート40を発行するので、練習用レシート40の受付からの練習が可能となるだけでなく、練習の課題を練習用レシート40に印字することでスムーズに課題を従業員に対して提示することができる。
【0041】
(他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
練習用モードで用いるための持玉数としては、管理装置が抽出した持玉数に限らず、計数玉数など他の遊技データを抽出対象としても良い。
本実施形態では練習の課題をPOS端末の表示部に直接表示させる構成と練習用レシートに印字する構成とが記載されているが、何れか一方の構成でも良い。
時間帯毎の平均稼動率に対する景品交換回数の割合である景品交換率を求め、この景品交換率及び時間帯に基づいて練習モードの設定を禁止しまたは練習モードの強制的に終了しても良い。
営業中に練習モードに切替える例を示したが、営業終了後に行うようにしても良い。この場合、管理装置からPOS端末に送信する持玉数としては営業終了時の持玉数を選択したり、営業中における所定時間の持玉数を選択したりすれば良い。
【符号の説明】
【0042】
図面中、1は遊技機、2は台毎端末、3は呼出ランプユニット、4は中継装置、5は計数機(計数手段、営業用記録媒体発行手段)、6はPOS端末(記録媒体受付手段、景品交換処理手段、モード設定手段、課題決定手段、課題提示手段、練習用記録媒体発行手段)、7は管理装置(実績データ蓄積手段)、15は表示部(表示手段)、39は営業用レシート(営業用記録媒体)、40は練習用レシート(練習用記録媒体)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が獲得した遊技媒体の数である獲得遊技媒体数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された前記獲得遊技媒体数を記録した記録媒体である営業用記録媒体を発行する営業用記録媒体発行手段と、
前記営業用記録媒体を受付け可能な記録媒体受付手段と、
前記記録媒体受付手段が前記営業用記録媒体を受付けた場合に、当該営業用記録媒体に記録された前記獲得遊技媒体数の範囲内で所定の景品交換処理を行う景品交換処理手段と、
前記景品交換処理に関する情報を表示部に表示する表示手段と、
所定の営業モードにおける前記景品交換処理の結果を実績データとして累積的に蓄積する一方、所定の練習モードにおける前記景品交換処理の結果を当該実績データとして蓄積しない実績データ蓄積手段と、
前記営業モードと、前記練習モードのうち何れかのモードを選択的に設定可能なモード設定手段と、
景品交換処理において交換の対象となる景品の種類及び個数を含む情報からなる複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定する課題決定手段と、
前記課題決定手段が決定した練習の課題を提示する課題提示手段と、
を備えたことを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記課題提示手段は、所定の数値を記録する記録媒体である練習用記録媒体を発行する練習用記録媒体発行手段であり、
前記練習用記録媒体発行手段は、前記練習の課題を記録した前記練習用記録媒体を発行し、
前記記録媒体受付手段は、前記練習用記録媒体を受付け可能であり、
前記景品交換処理手段は、前記記録媒体受付手段が前記練習用記録媒体を受付けた場合に、当該練習用記録媒体に記録された前記所定の数値の範囲内で所定の景品交換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の景品交換システム。
【請求項3】
前記課題提示手段は前記表示手段であり、
前記表示手段は、前記練習の課題を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1または2記載の景品交換システム。
【請求項1】
遊技者が獲得した遊技媒体の数である獲得遊技媒体数を計数する計数手段と、
前記計数手段により計数された前記獲得遊技媒体数を記録した記録媒体である営業用記録媒体を発行する営業用記録媒体発行手段と、
前記営業用記録媒体を受付け可能な記録媒体受付手段と、
前記記録媒体受付手段が前記営業用記録媒体を受付けた場合に、当該営業用記録媒体に記録された前記獲得遊技媒体数の範囲内で所定の景品交換処理を行う景品交換処理手段と、
前記景品交換処理に関する情報を表示部に表示する表示手段と、
所定の営業モードにおける前記景品交換処理の結果を実績データとして累積的に蓄積する一方、所定の練習モードにおける前記景品交換処理の結果を当該実績データとして蓄積しない実績データ蓄積手段と、
前記営業モードと、前記練習モードのうち何れかのモードを選択的に設定可能なモード設定手段と、
景品交換処理において交換の対象となる景品の種類及び個数を含む情報からなる複数種類の景品情報の中から選択した一部の景品情報を練習の課題として決定する課題決定手段と、
前記課題決定手段が決定した練習の課題を提示する課題提示手段と、
を備えたことを特徴とする景品交換システム。
【請求項2】
前記課題提示手段は、所定の数値を記録する記録媒体である練習用記録媒体を発行する練習用記録媒体発行手段であり、
前記練習用記録媒体発行手段は、前記練習の課題を記録した前記練習用記録媒体を発行し、
前記記録媒体受付手段は、前記練習用記録媒体を受付け可能であり、
前記景品交換処理手段は、前記記録媒体受付手段が前記練習用記録媒体を受付けた場合に、当該練習用記録媒体に記録された前記所定の数値の範囲内で所定の景品交換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の景品交換システム。
【請求項3】
前記課題提示手段は前記表示手段であり、
前記表示手段は、前記練習の課題を前記表示部に表示することを特徴とする請求項1または2記載の景品交換システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−24716(P2011−24716A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−172064(P2009−172064)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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