景品管理装置および景品払出システム
【課題】この発明は、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫状況を、把握しやすくなる景品管理装置を提供することを目的とする。
【解決手段】景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えている。
【解決手段】景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えばパチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機を管理する景品管理装置および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ店等の遊技施設において、景品払出機（下記特許文献１参照）と景品払出機に電気的に接続された景品管理機（下記特許文献２参照）とを備えた景品払出システムが知られている。景品払出機で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品は一般的に、１〜３ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【０００３】
このような景品払出システムでは、次のようにして、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体が景品に交換されて遊技客に手渡され、遊技客が受け取った景品が景品交換所で買い取られる。
【０００４】
遊技客は、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された計数機に投入する。計数機は、投入された遊技媒体の計数を行い、計数結果を表すバーコードが印字されたレシートを発行する。遊技客は、計数機によって発行されたレシートを景品カウンタに持参して係員に手渡す。係員は遊技客から受け取ったレシートにバーコード記録されている計数結果を景品管理機に読み取らせる。景品管理機は、読み取った計数結果に基づいて払出すべき景品の種類および枚数を決定し、決定した内容に応じて、景品払出機に対して景品を払い出すように命令する。係員は、景品払出機から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を遊技施設外に設置された景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
【０００５】
ところで、景品は、現金と同じ価値があるため、不正防止の観点から、在庫管理を厳重に行う必要がある。従来において、在庫管理は、次のように行われている。
（ａ）仕入：開店前に、景品問屋によって景品が遊技施設に搬入される。景品は通い箱に入れられて搬入される。通い箱は、遊技施設の所定の景品保管部に収納される。係員は、仕入れた景品と仕入前の店全体の景品在庫とに基づいて、現時点での店全体の景品在庫を算出して、景品管理機に算出結果を数値入力する。景品管理機は、入力された算出結果を店全体の景品在庫データとして記憶する。
（ｂ）入庫（補充）：開店準備時に、係員は、通い箱（景品保管部）から景品を取り出し、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充（入庫）する。そして、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品払出機に数値入力する。景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を景品払出機内の景品在庫データとして記憶する。
（ｃ）出庫（払出）：景品払出し時において、景品管理機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を店全体の景品在庫データから減算することにより、店全体の景品在庫データを更新する。同様に、景品払出し時において、景品払出機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を景品払出機内の景品在庫データから減算することにより、景品払出機内の景品在庫データを更新する。
（ｄ）追加入庫（追加補充）：営業時間中に、係員は、景品の追加補充を行った際に、景品種類毎の補充数を景品払出機に数値入力する。景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を景品払出機内の景品在庫データに加算することにより、景品払出機内の景品在庫データを更新する。
（ｅ）締上処理（本締め処理）：閉店後、係員は、景品管理機によって景品在庫データを印字出力させるとともに、通い箱及び景品払出機から景品（現物）を回収して手作業で計数し、景品在庫データ（店全体の景品在庫データ、景品払出機内の景品在庫データ）と現物の計数結果（店全体の現物の在庫数、景品払出機内の現物の在庫数）を比較・照合する。比較・照合が終了した後においては、回収した景品（現物）は、金庫等に保管するため、景品払出機は空の状態となる。
【０００６】
営業時間内においても、当該景品払出システムを担当する係員が交代する際には、締上処理と同様な処理（中締め処理）を行って、景品在庫データと現物の計数結果を比較・照合している。ただし、この場合には、係員は、比較・照合が終了した後に、回収した景品（現物）を回収元（通い箱、景品払出機）に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特許第３７２２８７８号公報
【特許文献２】特開２００２−２００３１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の景品払出システムでは、通い箱（景品保管部）内の景品在庫を管理していなかった。また、従来の景品払出システムでは、景品払出システムの各景品払出機内の景品在庫や通い箱内の景品在庫を、１箇所で管理するといったことは行なわれていなかった。このため、各景品払出機内の景品在庫状況や、通い箱内の景品在庫状況を、把握しにくいという問題があった。
【０００９】
この発明は、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫状況を、把握しやすくなる景品管理装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１に記載の発明は、景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えており、前記各景品払出機から取得される集計用データが、当該景品払出機の識別情報、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を含んでいることを特徴とする。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の景品管理装置において、前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の景品管理装置において、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の前記景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機であり、前記親機が前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルを備えており、前記親機が、前記親機の配下の前記
景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得することにより、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新することを特徴とする。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、請求項１〜３のいずれか一項に記載の景品管理装置において、各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、景品が収納されている１または複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備えた景品払出システムにおいて、前記各景品払出機は、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる集計用データ送信手段を備えており、前記景品管理装置は、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えていることを特徴とする。
【００１５】
「所定の条件が成立したとき」とは、例えば、マニュアル操作に基づいて計数指令が入力された場合、予約設定された時刻になった場合、計数指令を受信した場合、所定の検知器からの検知信号が入力した場合等をいう。
【００１６】
請求項６に記載の発明は、請求項５に記載の景品払出システムにおいて、前記集計用データ送信手段は、前記景品管理装置からの集計用データ要求コマンドを受信したときに、前記集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせるものであり、前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする。
【００１７】
請求項７に記載の発明は、景品が収納されている複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備え、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機である景品払出システムにおいて、前記各景品払出機は、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに前記景品管理機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理機に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる手段を備えており、前記親機は、遊技施設内の景品保管部
に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、集計指令が与えられたときに、配下の前記景品払出機および前記各子機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下にある前記景品払出機から集計用データを取得する手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えており、前記各子機は、前記親機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、配下の前記景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得する手段、および取得した集計用データを前記親機に送信する手段を備えていることを特徴とする。
【００１８】
請求項８に記載の発明は、請求項５〜７のいずれか一項に記載の景品払出システムにおいて、前記第１更新手段は、前記集計用テーブル内の景品在庫数を今回の計数結果に変更させる景品在庫数更新手段と、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新する景品補充数更新手段とを備えており、景品補充数更新手段は、今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より多い場合には、今回の計数結果から集計用テーブル内の更新前の景品在庫数を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数に加算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を変更させる手段および今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より少ない場合には、集計用テーブル内の更新前の景品在庫数から今回の計数結果を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新させる手段を備えており、前記第２更新手段は、当該景品払出機から払出された景品数を、前記集計用テーブル内の景品在庫数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品在庫数を更新させる手段を備えており、前記第３更新手段は、前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する手段と、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数から前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品補充数を減算することによって、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新させる手段とを備えていることを特徴とする。
【００１９】
請求項９に記載の発明は、請求項５〜８のいずれかに記載の景品払出システムにおいて、各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１〜９に記載の発明では、景品管理装置は、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルを備えており、各景品払出機から集計用データを取得して、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容を更新させている。このため、係員は景品管理装置内の景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容に基づいて、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫状況を、把握することができる。
【００２１】
請求項３および請求項７に記載の発明では、景品管理装置は複数の景品管理機から構成されており、そのうちの１台の親機が、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルを備えている。そして、親機が、各景品払出機から集計用データを取得して、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容を更新させている。このため、係員は親機内の景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容に基づいて、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫
状況を、把握することができる。
【００２２】
請求項４および請求項９に記載の発明によれば、景品払出機内に複数種類の景品が収納される場合において、各景品払出機内の各景品種類毎の景品在庫状況や、景品保管部内の各景品種類毎の景品在庫状況を、把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】遊技施設内に設けられた景品払出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【図３】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【図４】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【図５】カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【図６】搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【図７Ａ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｂ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｃ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｄ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｅ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｆ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図８】景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【図９】内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【図１０】内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。
【図１１】図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【図１２】景品払出機１の模式的な側断面図である。
【図１３】景品払出機１０３の電気的構成を示すブロック図である。
【図１４】レーン別景品種類テーブルＴＡ１を示す模式図である。
【図１５】カセット別在庫管理テーブルＴＡ２を示す模式図である。
【図１６】レーン別在庫管理テーブルＴＡ３を示す模式図である。
【図１７】景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４を示す模式図である。
【図１８】景品管理機１００の電気的構成を示すブロック図である。
【図１９】通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１を示す模式図である。
【図２０】景品払出機内在庫管理テーブルＴＢ２を示す模式図である。
【図２１】店全体在庫管理テーブルＴＢ３を示す模式図である。
【図２２】景品払出機１によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図２３】図２２のステップＳ１０で実行される景品払出処理の手順を示すフローチャートである。
【図２４】図２２のステップＳ２、ステップＳ１１またはステップＳ１４で実行される在庫確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図２５】子機１００＿Ｓによる処理手順を示すフローチャートである。
【図２６】図２５のステップＳ４６の景品払出制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図２７】図２５のステップＳ４７の第１の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図２８】図２５のステップＳ４８の第２の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図２９】親機１００＿Ｍによる処理手順を示すフローチャートである。
【図３０】図２９のステップＳ８６の景品払出制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図３１】図２９のステップＳ８８の第１の集計処理の手順を示すフローチャートである。
【図３２】図３２は、図２９のステップＳ８９の第２の集計処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
〔１〕景品払出システムの構成
図１は、遊技施設内に設けられた景品払出システムの構成を示している。
【００２５】
景品払出システムは、１または複数の景品管理機（ＰＯＳ端末）１００と、各景品管理機１００に接続された１または複数の景品払出機１から構成されている。この例では、景品管理機１００は複数設けられている。複数の景品管理機１００の集合体は、景品払出システム内の全ての景品払出機１を管理するための景品管理装置を構成している。
【００２６】
各景品管理機１００には、景品管理機１００毎に異なる識別番号（号機番号）が付けられている。複数の景品管理機１００は、１台の親機（１号機）１００＿Ｍと、他の子機（２号機等）１００＿Ｓとから構成されている。親機１００＿Ｍの上位に、遊技施設内の機器全体を管理する管理コンピュータ１５０が配置されている。景品管理機１００および景品払出機１は景品カウンタに設置され、管理コンピュータ１５０は事務所に設置される。
【００２７】
各景品管理機１００には、この例では、最大２台まで、景品払出機１を接続できるようになっている。各景品払出機１には、景品払出機１毎に異なる識別番号（号機番号）が付けられている。
【００２８】
景品払出機１は、景品の払出しを行うものであり、景品カウンタに設置される。景品払出機１は、カセット単位で景品数を計数する計数機能や在庫管理機能も備えている。景品管理機１００は、景品払出機１を制御するものであり、景品カウンタに設置される。各景品管理機１００は、自己の配下にある景品払出機１と通信して、景品払出機１から在庫管理データを含む集計用データを取得する機能を備えている。
【００２９】
親機１００＿Ｍは、他の子機１００＿Ｓと通信する機能を備えており、子機１００＿Ｓを介して、子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１から集計用データを取得する機能を備えている。親機１００＿Ｍは、店全体の景品の在庫管理、通い箱（景品保管部）内の景品の在庫管理、各景品払出機１内の景品の在庫管理、全景品払出機内の景品の在庫管理等を行なう機能や、各在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
【００３０】
景品払出機１で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。図５（ｂ）に示すように、この景品２は、一般的に、１〜３ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品２には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【００３１】
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された図示しない計数機に投入すると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を表すバーコードが印字されたレシート（記録媒体）が計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カード、計数結果が記録されたＩＣチップを備えたＩＣカード等の記録媒体を発行するようにしてもよい。また、遊技客所有の携帯型電話機に計数結果を保存させたり、遊技客所有の携帯型電話機から当該電話機を特定するためのＩＤを読み取り、読み取ったＩＤに関連して計数結果を景品管理機等に保存するようにしてもよい。
【００３２】
計数機によって発行されたレシートを遊技客が景品カウンタに持参すると、係員はそのレシートにバーコード記録されている計数結果（遊技媒体数）を景品管理機１００に読み取らせる。景品管理機１００は、読み取った計数結果に基づいて、払い出すべき景品の種
類および枚数を決定する。そして、決定した景品種類毎の払出枚数を含む景品払出コマンドを、その配下にある１つの景品払出機１に送信する。景品払出機１は、景品管理機１００から送られてきた景品払出コマンドにしたがって、景品を払い出す。係員は、景品払出機１から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
〔２〕景品払出機１の機構
〔２−１〕全体構成
図２は、景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【００３３】
図２を参照して、景品払出機１から景品の払い出しを受ける客は、景品払出機１の後側（図２における奥側）に位置し、係員は、景品払出機１の前側に位置して接客を行う。
【００３４】
景品払出機１は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット３と、キャビネット３に収容される複数（この例では、４つ）の景品払出ユニット５（後述する図３参照）とを備えている。各景品払出ユニット５には、複数のカセット４（後述する図５参照）が収納される。各カセット４には、複数の景品２が上下方向に積み重ねられた状態で収納される。
【００３５】
複数の景品払出ユニット５は、幅方向に並んだ状態でキャビネット３内に収容される。各景品払出ユニット５内には、横方向２列に４個ずつ、合計で８個のカセット４が配置されている。従って、キャビネット３内には、横方向８列に４個ずつカセット４が配置される。横方向に並ぶ第１列〜第８列までの８つの列を、左から順に第１レーン〜第８レーンと呼ぶ。このような景品払出機１では、全体で、多種類の景品２を多量に収納することができるとともに、多種類の景品２を一度に払い出すことができる。
【００３６】
この実施形態では、１つのレーン内の４つのカセット４には、同じ種類の景品が収納される。例えば、第１および第２レーン内の８つのカセット４には５０００円の景品が収納され、第３および第４レーン内の８つのカセット４には１０００円の景品が収納され、第５および第６レーン内の８つのカセット４には５００円の景品が収納され、第７および第８レーン内の８つのカセット４には１００円の景品が収納される。
【００３７】
キャビネット３の前面側には、扉６が設けられている。扉６を開くことで、景品払出ユニット５をキャビネット３から引き出すことができる。キャビネット３には、扉６が閉鎖状態にあるか開閉状態にあるかを検知するための扉開閉検知器２０５（図１３参照）が設けられている。
【００３８】
キャビネット３の上面には、操作表示部７が設けられている。操作表示部７は、客用表示部７Ａと、係員用表示部７Ｂとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、操作表示部７には、景品払出機１の動作を制御するために操作される操作キー（図示せず）が設けられている。
【００３９】
キャビネット３の上面における操作表示部７より後側において、各景品払出ユニット５の上方位置には、上記第１レーン〜第８レーンに対応して、８個の払出口８が形成されている。８つの払出口８は、幅方向に並んでいる。各払出口８は、キャビネット３の内部に上から連通している。また、各払出口８には、シャッタ９が設けられている。シャッタ９は、前後にスライドすることによって、払出口８を開閉する。図２では、シャッタ９が払出口８を閉じた状態が示されている。
【００４０】
また、図２には一部しか示されていないが、景品払出機１には、カセット４（図５参照）に収納された景品２を払い出すために、第１搬送部１０と、第２搬送部１１と、保留部１２と、リフト部１３と、送出部１４とが備えられている。
【００４１】
景品払出機１における景品２の大まかな払い出し手順として、まず、第１搬送部１０が、カセット４（図５参照）に収納された景品２から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第２搬送部１１が、上方に搬送された景品２（景品群）を払出口８側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部１２が、搬送された景品２を払出口８の下方で保留する。その後、リフト部１３が、保留された景品２を払出口８へ向けて持ち上げる。最後に、送出部１４が、払出口８まで持ち上げられた景品２をキャビネット３の上面に押し出す。ここで、シャッタ９と、シャッタ９をスライドさせる構成とが、上述した送出部１４に含まれる。このようにして、景品払出機１内に収納された景品２が払出口８から払い出される。
【００４２】
これらの構成（第１搬送部１０、第２搬送部１１、保留部１２、リフト部１３および送出部１４）は、以下で景品払出ユニット５を説明する際に、個別に説明される。
〔２−２〕景品払出ユニット
図３は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【００４３】
図３に示すように、各景品払出ユニット５は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット５は、その上下方向における略６分の５の部分をなす下ユニット２０と、下ユニット２０の上側に配置される上ユニット２１とを含んでいる。
【００４４】
また、景品払出ユニット５（詳しくは、下ユニット２０）の前面（図３における手前側の面）には、ハンドル２６が設けられている。ハンドル２６は、上述したように景品払出ユニット５をキャビネット３（図２参照）から引き出す際に、把持される。
【００４５】
図４は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【００４６】
図４に示すように、下ユニット２０と上ユニット２１とは、分離可能である。具体的には、上ユニット２１は、キャビネット３（図２参照）側に固定されており、景品払出ユニット５では、ハンドル２６を把持することで、下ユニット２０だけをキャビネット３から引き出すことができる。
【００４７】
以下では、下ユニット２０と上ユニット２１とを個別に説明する。
〔２−２−１〕下ユニット
下ユニット２０は、その外郭をなす下ケーシング２２と、８つのカセットホルダ２３（図４では右側４つのカセットホルダ２３が現れている。）と、８つのカセット４（図４では８つのカセット４のうちの１つが下ユニット２０の上方に配置された状態で示されている。）と、４つの搬送機構２４（図４では図示されず、図３を参照）とを含んでいる。カセットホルダ２３、カセット４および搬送機構２４は、常態では、下ケーシング２２内に配置されている。ここで、搬送機構２４が、上述した第１搬送部１０を構成している。
【００４８】
上述したように下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）から引き出されることで下ユニット２０と上ユニット２１とが分離された状態（図４に示す状態）では、下ケーシング２２の上面が開放されている。
（１）カセットホルダ
８つのカセットホルダ２３は、前後（図４における手前側と奥側とを結ぶ方向）に４つ、左右に２つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ２３は、垂直方向に延びる４本の保持レール２５を含んでいる。４本の保持レール２５は、上方から見て四角形の４つの角をなすように、配置されている（右側手前のカセットホルダ２３を参照）。
（２）カセット
図５は、カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【００４９】
図５に示すように、各カセット４は、上下方向に長手であり、その平断面は、図５では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット４において、上面は、景品２をカセット４内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット４に収容された景品２がカセット４から落下しないように、塞がれている。
【００５０】
図５におけるカセット４の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部２８という。開放部２８は、カセット４において開放された上面に対して連続している。
【００５１】
カセット４の前面および後面には、カセット４の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝２９が１つずつ形成されている。また、図５におけるカセット４の左面には、溝２９が、前後に間隔を隔てて２つ形成されている（図５では図示されておらず、図４において単独で示されたカセット４の右面を参照）。これらの溝２９は、後述するようにカセット４が下ケーシング２２に装填される際に、カセット４の装填をガイドするためのものである。
【００５２】
カセット４の上端には、ハンドル３０が取付けられている。ハンドル３０は、前後に間隔を隔てる２つの遊端部を有する略Ｕ字形状である。ハンドル３０において、前側の遊端部３０Ａは、カセット４の前面において溝２９より上側の部分によって支持されており、後側の遊端部（図示されていない）は、カセット４の後面において溝２９より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル３０全体は、カセット４の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル３０を適宜回動させることでハンドル３０を良好に掴み、カセット４をぶら下げた状態で移動させることができる。
【００５３】
カセット４は、図５（ｂ）に示すように、所定の種類の複数枚の景品２を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、最大でたとえば１００枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品２は、カセット４の底壁４Ａに載置されている。
【００５４】
景品２が収納されたカセット４は、図４に示すように、開放された下ケーシング２２の上面を介して、下ケーシング２２に対して上から装填され、対応するカセットホルダ２３によって保持される。詳しくは、カセット４の装填に伴い、各カセット４の４つの溝２９（図５も参照）に、対応するカセットホルダ２３の４本の保持レール２５が外側から嵌り込み、カセット４は、４本の保持レール２５によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット４は、対応するカセットホルダ２３によって保持される。
【００５５】
ここで、下ケーシング２２において、カセットホルダ２３は、左右に２つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ２３のそれぞれに保持されたカセット４は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された２つのカセット４のうち、左側のカセット４の開放部２８と、右側のカセット４の開放部２８とが水平方向において対向している。つまり、各カセット４は、その開放部２８が下ケーシング２２の幅方向中央を向くように、下ケーシング２２に装填されている。
（３）搬送機構
図３を参照して、上述した４つの搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、前後に並んで配置されている（図３では１つの搬送機構２４が図示されている。）。各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において左右に並ぶカセットホルダ２３（換言すれば左右に並ぶカセット４）の間に配置されている（後述する図８参照）。
【００５６】
図６は、搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【００５７】
図６（ａ）に示すように、各搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１と、搬送ユニット３２と、モータ（搬送ユニット移動用モータ）３３とを含んでいる。
【００５８】
搬送ユニット３２は、支持レール３１によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット３２は、搬送機構２４の左右両側にあるカセットホルダ２３のいずれか一方に装填されたカセット４の開放部２８（図５参照）に対して水平方向から対向している（図８参照）。
【００５９】
モータ３３は、支持レール３１の下端に固定されている。モータ３３が駆動されると、モータ３３の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット３２に伝達され、搬送ユニット３２が、支持レール３１に支持された状態で、上下方向へスライドする。これにより、図６（ｂ）に示すように、搬送ユニット３２は、カセット４に収納された景品２を、カセット４の開放部２８（図５参照）から取り出し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット３２の位置を待機位置という。
【００６０】
また、搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として、回動することができる。これにより、図６の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット３２が、搬送機構２４が１８０°回動することによって、左後へ向く（図示されていない）。搬送機構２４の回動については、以降で再度説明する。
【００６１】
図７Ａ〜図７Ｆは、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【００６２】
ここで、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する前に、図７Ａ〜図７Ｆを参照して、搬送ユニット３２の計数機能および搬送機能について説明する。
【００６３】
なお、図７Ａ〜図７Ｆを参照するにあたって、搬送ユニット３２は、搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８に対して、右から対向しているものとし（後述する図８（ｄ）参照）、このときの搬送ユニット３２の姿勢を基準として、搬送ユニット３２における左右の向きを特定する。そのため、図７Ａ〜図７Ｆに示す状態とは異なり、搬送ユニット３２が、搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対して左から対向している場合には（後述する図８（ａ）〜（ｃ）参照）、搬送ユニット３２における左右の向きは、図７Ａ〜図７Ｆを参照したときとは逆になる。
【００６４】
搬送ユニット３２の機能には、上述した景品２を搬送する機能（搬送機能）だけでなく、各カセット４内の景品２の枚数を計数する機能（計数機能）も含まれている。さらに、この搬送機能によれば、単にカセット４内の景品２を１枚ずつ搬送するのではなく、景品２を必要枚数分まとめて搬送することができる。
（３−１）計数機能
搬送ユニット３２は、図７Ａに示すように、略ボックス形状のフレーム３５（図６（ａ）も参照）を備え、さらに、計数機能に関連して、揃え部３６とセンサ３７とを備えている。揃え部３６およびセンサ３７は、カセット４に積層状態で収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０を構成する。
【００６５】
また、上述したように搬送ユニット３２が上下方向（カセット４における景品２の積層
方向）へスライド自在であることから、搬送ユニット３２に備えられた揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）は、上下方向に相対変位可能である。
【００６６】
揃え部３６は、フレーム３５に一体的に設けられた略台形状のリブであり、フレーム３５の幅方向外側（図７Ａでは左側）へ向けて上下に狭くなるように突出している。揃え部３６の左端部は、図７Ａにおけるフレーム３５の左面（搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８（図５参照）に対向する面であり、対向面３５Ａという。）よりも左側（カセット４側）へはみ出ている。
【００６７】
センサ３７は、揃え部３６と上下方向において一致する位置において、フレーム３５の対向面３５Ａに取り付けられている。センサ３７は、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線ＬＥＤ等から構成される発光素子（図示せず）と、発光素子（図示せず）から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子（図示せず）とを備えている。
【００６８】
搬送ユニット３２は、揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）を備えることで、カセット４内に収納された景品２の枚数を数えることができる。景品２の計数は、景品払出機１または景品払出ユニットに備えられた制御部２００（図１３参照）から搬送ユニット３２（計数部６０）に命令が下ることで、実行される。
【００６９】
計数が実行されるのにあたって、まず、搬送ユニット３２の対向面３５Ａが、カセット４に積層状態で収納された景品２の側面（図７Ａでは右面）２Ａに対してカセット４の開放部２８を介して右側から対向した状態で、搬送ユニット３２が、上述した待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット４に積層状態で収納された全ての景品２の（右）側面２Ａをまとめて積層側面２Ｂという。搬送ユニット３２が下方へスライドする際、揃え部３６が、カセット４に積み重ねられた景品２に対して、上側の景品２から順に、カセット４の開放部２８を介して右側から接触する。これにより、景品２は、上側の景品２から順に、カセット４の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、センサ３７は、積層側面２Ｂに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
【００７０】
そして、揃え部３６が全ての景品２に接触し終え、さらに、センサ３７が最下位にある景品２より低い位置に到達するまで搬送ユニット３２が下方へスライドすると、カセット４において上下に隣り合う景品２の右縁は、揃え部３６によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
【００７１】
なお、揃え部３６と似た形状を有する揃え部３８が、図７Ａにおけるフレーム３５の右面（搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対向する面）に設けられている。そのため、搬送ユニット３２が上下にスライドする際には、搬送機構２４に対して左右の両側に位置する２つのカセット４のそれぞれにおける景品２の幅方向における縁が、対応する揃え部３６または３８によって一度に揃えられる。ここで、揃え部３６および３８が景品の縁を揃える動作は、対応するカセット４が下ケーシング２２に装填されたときに行なわれてもよい。
【００７２】
景品２の縁が揃えられた後、搬送ユニット３２は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。搬送ユニット３２の上方へのスライドに伴い、計数部６０のセンサ３７が、上述した景品２の積層側面２Ｂに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。
【００７３】
センサ３７が上昇している最中において、センサ３７では、発光素子（図示せず）が、下側の景品２から順に、景品２の（右）側面２Ａに向けて投光し、この景品２の側面２Ａで反射される反射光が受光素子（図示せず）に受光される。ここで、上下に隣り合う景品
２の側面２Ａの境界Ｘに発光素子（図示せず）からの光が当てられた場合、景品２の側面２Ａに光が当てられる場合と比べて、受光素子（図示せず）が受光する反射光の量（受光量）が変化する。
【００７４】
そのため、センサ３７において、受光素子（図示せず）での受光量が変化する毎に、搬送ユニット３２は、景品２が１枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、搬送ユニット３２は、下側の景品２から順に１枚ずつ景品２をカウントして景品２の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品２の計数を完了する。
【００７５】
このように、この景品払出ユニット５には、カセット４に収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０が含まれている。そのため、この景品払出ユニット５を収容する景品払出機１（図２参照）では、カセット４に何枚の景品２が収納されているのかを把握することができる。
【００７６】
なお、各カセット４において上下に積層された景品２の計数結果は、各カセット４に収納された各景品２の上下方向における位置情報（つまり、上からＮ番目の景品２は上下方向においてどの位置にあるかという情報）を含んでいると言える。
（３−２）搬送機能
搬送ユニット３２は、搬送機能に関連して、フレーム３５に、爪４０（図６（ａ）も参照）と、支持レバー４１と、めくりローラ４２と、押えレバー４３と、カム４４と、リンクレバー４５と、モータ（景品分離用モータ）４６とをさらに備えている。爪４０、支持レバー４１、めくりローラ４２、押えレバー４３、カム４４、リンクレバー４５およびモータ４６は、分離搬送部７０（分離搬送手段）を構成している。
【００７７】
爪４０は、前後方向（図７Ａの紙面に垂直な方向）において間隔を隔てて一対設けられている（図６（ａ）も参照）。各爪４０は、カセット４の景品２側（左側）へ略水平に突出する突出部４０Ａと、突出部４０Ａの突出方向上流側（右側）の端部から下向きに延びて下端部が右側に折り曲げられた延設部４０Ｂとを一体的に備えている。
【００７８】
支持レバー４１は、２本で１組をなしており、一対の爪４０と同様に、前後方向において間隔を隔てて一対（２組）設けられている。各組における２本の支持レバー４１は、左右に並ぶように配置されており、図７Ａの状態では、ともに、右上側へ向けて傾斜して延びている。各支持レバー４１の下端部は、フレーム３５によって支持されている。これにより、各支持レバー４１は、それぞれの下端部を中心として回動自在である。支持レバー４１の回動軸は、前後方向に沿って延びている。そして、各支持レバー４１の上端部は、前後方向で同じ側にある爪４０の延設部４０Ｂの下端部に接続されている。この状態で、各支持レバー４１の上端部は、対応する爪４０の延設部４０Ｂに対して回動可能である。
【００７９】
支持レバー４１が下端部を中心に回動することで、一対の爪４０は、カセット４の景品２の積層側面２Ｂから右側へ離れてフレーム３５の対向面３５Ａより右側にある退避位置（図７Ａおよび図７Ｂ参照）と、突出部４０Ａのほとんどが対向面３５Ａより左側にあり、景品２の積層側面２Ｂよりも左側へ進出した進出位置（図７Ｆ参照）との間で、略水平方向に沿って進退することができる。
【００８０】
詳しくは、支持レバー４１が、下端部を中心として図７Ａにおける時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、退避位置にあり、支持レバー４１が、下端部を中心として反時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、進出位置にある。爪４０は、図示しない付勢部材によって、進出位置へ向かう方向へ付勢されており、これに応じて、支持レバー４１は、下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されている。
【００８１】
めくりローラ４２は、フレーム３５の対向面３５Ａの上端に配置されており、フレーム３５によって支持されている。めくりローラ４２は、前後方向に延びる軸を中心として回転自在である。めくりローラ４２の外周面の一部（左端部）は、フレーム３５の対向面３５Ａよりも左側（カセット４側）へはみ出ている。めくりローラ４２の回転軸は、爪４０の突出部４０Ａに対して僅かに高い位置にある。
【００８２】
押えレバー４３は、上向きに延びており、上側へ向かうのに従って細くなっている。押えレバー４３は、上側へ向かうのに従って、フレーム３５の対向面３５Ａから左側へ露出され、カセット４の景品２の積層側面２Ｂ側（左側）へ若干傾いている。押えレバー４３の上下方向途中には、前後方向に延びる支持軸４３Ａが挿通されている。支持軸４３Ａは、フレーム３５によって支持されている。これにより、押えレバー４３は、支持軸４３Ａを中心として、支持軸４３Ａに対して揺動自在である。押えレバー４３は、その上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近するように（左側へ向かうように）、図示しない付勢部材によって付勢されている。
【００８３】
押えレバー４３で景品２の積層側面２Ｂに対向しない右縁において、支持軸４３Ａより下側の部分には、左側へ略Ｖ字状に窪む切欠き４３Ｂが形成されている。
【００８４】
カム４４は、押えレバー４３の切欠き４３Ｂの近傍（詳しくは切欠き４３Ｂの右側）に配置されている。カム４４は、前後方向に延びてフレーム３５によって回転自在に支持された筒部４４Ａと、筒部４４Ａの外周面の周上１箇所において、筒部４４Ａの径方向外側へ突出する凸部４４Ｂとを一体的に備えている。
【００８５】
図７Ａでは、カム４４の凸部４４Ｂが、左側を向いており、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触している。これにより、押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向へ押えレバー４３が揺動しようとすることが規制されている。そして、この状態では、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置している。
【００８６】
リンクレバー４５は、前後方向において間隔を隔てて一対設けられている。リンクレバー４５は、カム４４の下方かつ、前後方向で同じ側にある支持レバー４１よりも景品２に近い側（左側）に配置されている。リンクレバー４５の長手方向一端部には、前後方向に延びる支持軸４５Ａが挿通されている。支持軸４５Ａは、フレーム３５によって回転自在に支持されている。これにより、リンクレバー４５は、支持軸４５Ａを中心として、支持軸４５Ａとともに回転自在である。そして、リンクレバー４５の長手方向他端には、前後方向に突出するボス４５Ｂが一体的に設けられている。
【００８７】
図７Ａでは、ボス４５Ｂが、支持軸４５Ａより右側にあり、前後方向で同じ側にある１組の支持レバー４１（詳しくは左側の支持レバー４１）に対して、左側（カセット４の景品２側）から当接して支持レバー４１を位置決めしており、これにより、爪４０が退避位置に位置決めされている。
【００８８】
モータ４６は、たとえば、リンクレバー４５より高い位置に配置されている。モータ４６の出力軸４６Ａは、前後方向に延びている。
【００８９】
そして、モータ４６の出力軸４６Ａと、リンクレバー４５の回転軸（支持軸４５Ａ）との間には、無端状の第１ベルト４７が巻回されている。リンクレバー４５の回転軸と、カム４４の回転軸（筒部４４Ａ）との間には、無端状の第２ベルト４８が巻回されている。カム４４の回転軸と、押えレバー４３の揺動軸（支持軸４３Ａ）との間には、無端状の第
３ベルト４９が巻回されている。押えレバー４３の揺動軸と、めくりローラ４２の回転軸との間には、無端状の第４ベルト５０が巻回されている。
【００９０】
モータ４６が駆動されると、モータ４６が発生した駆動力が、第１ベルト４７、第２ベルト４８、第３ベルト４９、第４ベルト５０を介して、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２に対して、この順で伝達される。これにより、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２は、図７Ａにおける時計回りの方向へ回転する。一方、押えレバー４３には、モータ４６が発生した駆動力は伝達されない。
【００９１】
なお、フレーム３５には、第１センサ５１と第２センサ５２とが設けられている。第１センサ５１は、支持レバー４１の位置を検知する。第２センサ５２は、リンクレバー４５の位置を検知する。
【００９２】
次に、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する。
【００９３】
まず、搬送ユニット３２が待機位置（上限近傍）にあり、爪４０が退避位置にある状態において、景品２を所定の払出枚数分（ここでは１枚とする。）だけ払い出すとの命令が、上述した制御部２００から搬送ユニット３２に下る。これにより、搬送ユニット３２は、フレーム３５の対向面３５Ａがカセット４に収納された景品２に対して右から対向した状態で、下降する（太線矢印参照）。下降に伴い、搬送ユニット３２は、計数部６０のセンサ３７によって上述したように、積層された景品２を、上の景品２から順に計数する。
【００９４】
そして、搬送ユニット３２は、払出枚数分（ここでは１枚）まで景品２を計数すると、図７Ｂに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致するまで、さらに下降する（太線矢印参照）。
【００９５】
図７Ｃに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致すると、搬送ユニット３２は下降をやめて停止する。この際、モータ４６が駆動され、これにより、分離搬送部７０におけるめくりローラ４２、カム４４およびリンクレバー４５が時計回りに回転（回動）し始める。
【００９６】
ここで、めくりローラ４２では、その外周面の一部（左端部）が、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２の側面（右面）２Ａに接触している。そのため、めくりローラ４２が時計回りに回転することによって、この景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられる。これにより、払い出す景品２と払い出さない景品２との間に、隙間Ｙが形成される。なお、ここでは、払い出す景品２の枚数が１枚なので、１枚の景品２がめくり上げられているが、複数枚の景品２を払い出すときには、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられることで、複数枚の景品２全てが一塊（景品群）となってめくり上げられる。
【００９７】
また、このときには、カム４４の回転に伴って、カム４４の凸部４４Ｂが、押えレバー４３の切欠き４３Ｂに一致する。その結果、上述したカム４４の凸部４４Ｂによる押えレバー４３の揺動の規制（図７Ａおよび図７Ｂ参照）が解除され、押えレバー４３は、切欠き４３Ｂがカム４４の凸部４４Ｂに近付く方向（換言すれば押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向）へ、揺動する。これに伴い、押えレバー４３の上端部が、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側（右上側）から押える。これにより、めくりローラ４２が、払い出す景品２をめくり上げても、その景品２の真下にある払い出さない景品２までもがめくり上げられることはない。
【００９８】
そして、図７Ｄに示すように、引き続きモータ４６が駆動されることで、めくりローラ
４２がさらに時計回りに回動すると、払い出す景品２がさらにめくり上げられ、払い出す景品２と払い出さない景品２との隙間Ｙが上下に大きくなる。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。
【００９９】
また、上述したようにリンクレバー４５が時計回りの方向へ回転（回動）することによって、支持レバー４１に対して左側（カセット４の景品２側）から当接していたボス４５Ｂは、支持レバー４１に当接した状態を保ちつつ、時計回りの方向へ回動しながら、カセット４の景品２側（左側）へ移動する。なお、支持レバー４１においてボス４５Ｂに当接される部分（左縁）は、ボス４５Ｂが円滑に回動できるように、ボス４５Ｂの回動軌跡に沿って湾曲している。
【０１００】
そして、支持レバー４１は、上述したように下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されているので、リンクレバー４５のボス４５Ｂが左側へ移動するのに伴い、反時計回りの方向（左側）へ移動する。これに伴い、リンクレバー４５に連結された爪４０も左側へ移動する。ここで、爪４０の突出部４０Ａは、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに上下方向で一致しているので（図７Ｃも参照）、爪４０が左側へ移動するのに伴い、境界Ｘから、上述した隙間Ｙに進入し、払い出す景品２と払い出さない景品２とを分離し始める。
【０１０１】
その後、引き続きモータ４６が駆動されることで、リンクレバー４５がさらに時計回りに回動すると、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れる。これにより、支持レバー４１は、反時計回りの方向（左側）へ一気に回動し、これに伴い、爪４０の突出部４０Ａが、上述した隙間Ｙ内を左側へ一気に移動する。
【０１０２】
その後、一瞬支持レバー４１から外れたリンクレバー４５のボス４５Ｂが、図７Ｅに示すように、支持レバー４１に対して、再び左側から当接し、これにより、支持レバー４１の回動および爪４０の移動が停止する。このとき、爪４０は、上述した進出位置にある。
【０１０３】
つまり、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れたときに、爪４０は、一瞬で進出位置に到達する。なお、爪４０が進出位置にないときには支持レバー４１が第１センサ５１に一致している一方で（図７Ａ〜図７Ｄ参照）、爪４０が進出位置にあるときには支持レバー４１が第１センサ５１から離れるので（図７Ｅおよび図７Ｆ参照）、第１センサ５１は、支持レバー４１が離れるのに応じて、爪４０が進出位置に到達したことを検知する。
【０１０４】
進出位置に到達した爪４０は、払い出す景品２をすくい上げることで、払い出す景品２と払い出さない景品２とを完全に分離し、払い出す全て（ここでは1 枚だけ）の景品２は、爪４０の突出部４０Ａに載置される。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。また、払い出す全ての景品２が爪４０の突出部４０Ａに載置されるときには、モータ４６の駆動が停止している。
【０１０５】
このように払い出す景品２と払い出さない景品２とが完全に分離された後、図７Ｆに示すように、搬送ユニット３２は、待機位置に向かって上昇する（太い実線矢印参照）。これにより、搬送ユニット３２の爪４０の突出部４０Ａに載置された全ての景品２は、搬送ユニット３２とともに上昇する（図６（ｂ）も参照）。つまり、搬送ユニット３２（詳しくは分離搬送部７０）は、払い出す枚数の景品２を上方へ搬送する。
【０１０６】
なお、爪４０の突出部４０Ａに載置された景品２が、客に払出されると（詳しくは、後
述する図９に示すように上ユニット２１側に受け渡されると）、モータ４６が再び駆動される。
【０１０７】
これにより、カム４４が時計回りに回動し（このとき、カム４４は１回転を終えたことになる。）、カム４４の凸部４４Ｂが、図７Ａに示すように、再び左側を向き、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触する。これにより、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置した状態（景品２に接触しない状態）で位置決めされる。
【０１０８】
また、リンクレバー４５が、図７Ｆに示す状態から時計回りの方向へ回動することにより、ボス４５Ｂが、支持レバー４１に左側から当接した状態で、景品２の積層側面２Ｂから離れる方向（右側）へ移動する。この際、支持レバー４１は、ボス４５Ｂに押されることで時計回りの方向（右側）へ回動し、これに伴い、爪４０は、右側へ移動して、リンクレバー４５の回動が停止したとき（このとき、リンクレバー４５は１回転を終えたことになる。）には、図７Ａに示す退避位置に戻る。
【０１０９】
以上で説明した場合（第１の場合という。）では、搬送ユニット３２は、計数部６０によって、払い出す分（払出枚数分）だけ景品２を計数してから、払い出す景品２を、分離搬送部７０によって、カセット４における残りの景品２から分離して搬送している。
【０１１０】
しかし、搬送ユニット３２が、上述したようにカセット４の全ての景品２の枚数を予め計数することで計数結果から各景品２の位置を予め把握し、その後、搬送ユニット３２が、計数動作を伴わずに、単に景品２を搬送してもよい。この場合（第２の場合という。）、搬送ユニット３２は、景品２を搬送するのに先立って、上述したように把握した景品２の位置情報に基づいて、払い出す景品２のところまで移動し（図７Ｃ参照）、分離搬送部７０によって、景品２を分離搬送する。
【０１１１】
ここで、いずれの場合（上述した第１の場合および第２の場合）にも、搬送ユニット３２の分離搬送部７０は、カセット４に収納された景品２において、計数部６０（詳しくは、計数部６０の計数により得られる各景品２の位置情報）を利用して、所定の払出枚数に相当する景品群を特定し（図７Ｃ参照）、特定した景品群を他の景品２から分離して上方（所定方向）に搬送している（図６（ｂ）および図７Ｆ参照）。これにより、所定の払出枚数の景品２を払い出す場合には、当該払出枚数分の景品２を、１枚ずつ分離搬送することなく、まとめて迅速に搬送できるので（図６（ｂ）参照）、景品２の払い出しに掛かる時間の短縮化を図ることができる。
【０１１２】
また、上述した計数部６０が搬送ユニット３２に備えられているのに対し、分離搬送部７０も搬送ユニット３２に備えられているので、計数部６０と分離搬送部７０とは一体化されている。これにより、計数部６０と分離搬送部７０とそれぞれが単独で存在する場合に比べて、景品払出ユニット５において、景品２を分離搬送する機構に起因する装置の大型化を抑制し、景品払出ユニット５の構成を簡略化することができる。
【０１１３】
図８は、景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、左右に並ぶカセットホルダ２３（左右に並ぶカセット４）の間に配置されている。
【０１１４】
そして、搬送機構２４の搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、たとえば、図８（ａ）に示すように、まず、右側のカセットホルダ２３に装填された右側のカセット４に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット４に収納された景品２を、払出枚数分だけ、上側の景品２から順に、上方の上ユニット２１に搬送する（
図８（ｂ）参照）。
【０１１５】
この結果、図８（ｃ）に示すように、右側のカセット４の全ての景品２が搬送されて右側のカセット４が空になると、図８（ｄ）に示すように、搬送機構２４は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として１８０°回動する（図８（ｄ）の太線矢印参照）。
【０１１６】
これにより、搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、左側のカセットホルダ２３に装填された左側のカセット４に右から対向し、今度は、左側のカセット４に収納された景品２を、上側の景品２から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【０１１７】
このように、１つの搬送機構２４は、左右のカセット４の間に配置されて、これら２つのカセット４におけるそれぞれの景品２を計数および分離搬送している。つまり、搬送機構２４（一体化された１組の計数部６０および分離搬送部７０）とカセット４とが、１対２の関係になっており、１つの搬送機構２４は、左右に並んで配置された２つのカセット４のそれぞれに収納された景品２に対して対応可能である。
〔２−２−２〕上ユニット
図９は、内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【０１１８】
次に、上ユニット２１について説明する。
図９に示すように、上ユニット２１は、その外郭をなす上ケーシング８０と、上ケーシング８０内に配置される保留ボックス８１およびエレベータ８２（図９には図示されず、後述する図１０を参照）とを含んでいる。保留ボックス８１は、受入部および搬送手段として機能する。
【０１１９】
上ケーシング８０は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図９において、上ケーシング８０の前壁および右壁は省略されている。上ケーシング８０では、上面が開放されている。
【０１２０】
また、上ケーシング８０の底面には、上ケーシング８０内に連通する６つの開口８３が形成されている。６つの開口８３は、前後に３つ、左右に２つ並ぶように形成されている。各開口８３は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に３つ並ぶ開口８３において、真ん中にある開口８３は、残りの開口８３よりも前後方向に２倍程度大きい。
【０１２１】
下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）内にある状態（下ユニット２０と上ユニット２１とが一体化された状態であり、図３参照）では、各開口８３は、対応するカセット４（図４参照）の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
【０１２２】
つまり、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も前側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も前側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。また、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も後側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も後側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。一方、前後方向で真ん中にある開口８３は、前後に並ぶ４つのカセット４のうち、前から２番目および３番目のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。右側で前後に並ぶ３つの開口８３についても同様である。
【０１２３】
保留ボックス８１は、左右に２つ設けられている（図９では、保留ボックス８１が１つ
だけ図示されている。）。保留ボックス８１は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
【０１２４】
保留ボックス８１の平断面は、カセット４と同様に、略コ字形状をなしている（図５参照）。図９に示す左側の保留ボックス８１では、右面が上下方向における全域において開放されており、図示されていない右側の保留ボックス８１では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス８１において、このように開放された部分を、開放部８４という。開放部８４は、保留ボックス８１の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【０１２５】
左側の保留ボックス８１は、上ケーシング８０の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス８１（図示せず）は、上ケーシング８０の右壁によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス８１は、図示しないモータにより、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
【０１２６】
そして、各保留ボックス８１は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ３つの開口８３の上方を通過する。
【０１２７】
ここで、左側における最も前側の開口８３を参照して、上述したように搬送ユニット３２（分離搬送部７０）が、この開口８３の下方にあるカセット４（図４参照）の景品２を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１（ここでは左側の保留ボックス８１）は、搬送される景品２の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【０１２８】
そして、搬送ユニット３２の分離搬送部７０によって上方へ搬送されてきた景品２は、この景品２を収納していたカセット４の上方にある開口８３（ここでは、左側における最も前側の開口８３）、待機している保留ボックス８１の開放された底面を順に通過し、保留ボックス８１内に収容される。つまり、保留ボックス８１は、カセット４に対して上方（上下方向における隣）に配置され、分離搬送部７０が搬送してきた景品２を受け入れる。この後、搬送ユニット３２は、元の位置（上述した待機位置）へ戻る。
【０１２９】
なお、保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１に設けられた爪（図示せず）が、保留ボックス８１内に突出し、保留ボックス８１内で最も下側にある景品２に対して下から係合する。これにより、保留ボックス８１内に収容された景品２が保留ボックス８１の底面から落下することはない。
【０１３０】
図１０は、内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。図１１は、図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【０１３１】
図１０に示すように、エレベータ８２は、上ケーシング８０の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング８０の底壁において左右に隣り合う開口８３の間で前後に延びる部分（リブ８５という。）に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ８２は、リブ８５上で前後に移動することができる。エレベータ８２は、左右に間隔を隔てて配置される２枚の水平な板状のステージ８６と、伸縮機構８７とを含んでいる。
【０１３２】
２枚のステージ８６のうち、左側のステージ８６は、左側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでおり、右側のステージ８６は、右側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでいる。この状態で、２枚のステージ８６は、連結部材８８によって連結され、一体化されている。
【０１３３】
伸縮機構８７は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図１０に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態（図１１参照）とに姿勢を変えることができる。伸縮機構８７では、その前後方向略中央部分（上昇部分８９という。）が、伸縮機構８７が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構８７が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分８９は、垂直方向に沿って直線的に上下する。２枚のステージ８６を連結する連結部材８８は、伸縮機構８７の上昇部分８９に上から取り付けられている。
【０１３４】
図１０に示すように伸縮機構８７が収縮状態にあるときには、各ステージ８６は、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１の底面よりも低い位置にある。図１１に示すように伸縮機構８７が伸長状態にあるときには、各ステージ８６は、左右で同じ側にある保留ボックス８１（図１０では、左側の保留ボックス８１だけが図示されている。）よりも高い位置にあり、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）に一致する。
【０１３５】
ここで、上述したように保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１は、前後方向にスライドし、図１０に示すように、左右方向で同じ側にあるステージ８６の真上（換言すれば払出口８の真下）で停止する。つまり、保留ボックス８１は、受け入れた景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送する。このとき、伸縮機構８７は、収縮状態にある。
【０１３６】
このように、保留ボックス８１は、搬送ユニット３２（図９参照）によって搬送された景品２を払出口８側へ搬送した後、搬送された景品２を払出口８の下方で保留することから、上述した第２搬送部１１および保留部１２として機能している。保留ボックス８１により、カセット４から搬送された景品２を、払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１３７】
なお、ステージ８６の真下に位置するカセット４の景品２を払い出す場合には、ステージ８６を含むエレベータ８２全体が、このカセット４に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット４から搬送された景品２が保留ボックス８１内に収容されると、払出口８の真下にステージ８６が配置されるように、エレベータ８２が元の位置に戻る。
【０１３８】
そして、このように保留ボックス８１が景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構８７が、図１１に示すように、伸長状態へと姿勢を変える。これにより、保留ボックス８１の真下にあったステージ８６が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ８６は、保留ボックス８１の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス８１に収容された景品２のうち最も下側に位置する景品２の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス８１に収容された全ての景品２は、ステージ８６に載置された状態で上昇する。
【０１３９】
そして、伸縮機構８７が伸長状態になったときには、保留ボックス８１に収容されていた全ての景品２は、ステージ８６によって持ち上げられ、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動する。このとき、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）が開放されており、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動した景品２は、開放された払出口８からキャビネット３の上面に露出される。つまり、エレベータ８２は、保留ボックス８１によって所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送された景品２を払出口８へ持ち上げていることから、上述したリフト部１３として機能している。エレベータ８２により、搬送ユニット３２の分離搬送部７０（図９参照）がカセット４から搬送した景品２を、景品払出機１の払出口８へ
向けて確実に搬送することができる。
【０１４０】
ここで、図２を参照して、払出口８を開閉するシャッタ９は、払出口８を開放したときには、払出口８に対して前側（係員側）にずれている（この状態は図示せず）。上述したように景品２が払出口８から露出されると、シャッタ９は、後側（客側）へスライドし、景品２を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口８を閉じる。この後、伸縮機構８７は、収縮状態に戻る（図１０参照）。
【０１４１】
図１２は、景品払出機１の模式的な側断面図である。
【０１４２】
図１２を参照して、以上で説明した本発明の景品払出機１の各景品払出ユニット５における景品２の払い出し動作をまとめる。なお、図１２の太線矢印は、払い出される景品２（図５（ｂ）参照）の流れを示している。
【０１４３】
各景品払出ユニット５において、下ユニット２０の各カセット４に収納された景品２は、必要な枚数（払出枚数）だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット２１内に受け渡される。その後、上ユニット２１内に受け渡された景品２は、中央位置（払出口８の真下）へ搬送される。次に、払出口８のシャッタ９が開放されるとともに、景品２が、エレベータ８２によって払出口８まで持ち上げられ、最後に、払出口８を閉じようとするシャッタ９によって後側（図１２における左側であり、後述する図１３においても同様）に押し出され、客に払い出される。
〔３〕景品払出機１の電気的構成
図１３は、景品払出機１の電気的構成を示している。
【０１４４】
景品払出機１は、景品払出制御、景品計数制御、景品在庫数の管理、景品管理機１００との通信等を行う制御部２００を備えている。制御部２００には、搬送機構２４の駆動装置２０１、光学センサ３７、保留ボックス８１の駆動装置２０２、エレベータ８２の駆動装置２０３、シャッタ９の駆動装置２０４、扉開閉検知器２０５、通信部２０６、操作表示部７、時計部２０７、記憶部２０８等が接続されている。そして、制御部２００には、景品の払出処理を実行させる払出制御部２００ａ、所定の条件が成立したときに景品計数処理を実行させる計数制御部２００ｂおよび景品管理機１００との間の通信を行なう通信制御部２００ｃが含まれる。
【０１４５】
搬送機構２４の駆動装置２０１には、搬送ユニット３２を移動させるためのモータ３３や、搬送ユニット３２に搭載されかつ景品を分離させるためのモータ４６が含まれる。保留ボックス８１の駆動装置２０２には、保留ボックス８１を移動させたるためのモータが含まれる。エレベータ８２の駆動装置２０３には、エレベータ８２を移動させるためのモータや伸縮機構８７を伸縮させるためのソレノイド（またはモータ）が含まれる。シャッタ９の駆動装置２０４には、シャッタ９を開閉（スライド）させるためのモータが含まれる。
【０１４６】
記憶部２０８には、景品管理機１００の親機１００＿Ｍで集計データを作成するために必要なデータを記憶するための在庫管理テーブルが設けられている。在庫管理テーブルには、次のような４種類のテーブルＴＡ１〜ＴＡ４がある。
【０１４７】
”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”（図１４参照）：各レーン毎に景品の種類を記憶したテーブル。図１４の例では、第１および第２レーン内の８つのカセット４には特大景品（５０００円の景品）が収納され、第３および第４レーン内の８つのカセット４には大景品（１０００円の景品）が収納され、第５および第６レーン内の８つのカセット４には中景品（５００円の景品）が収納され、第７および第８レーン内の８つのカセット４には
小景品（１００円）の景品が収納される。
【０１４８】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”（図１５参照）：各カセット毎の”景品在庫数”および所定期間内の”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、各カセット毎の”景品補充数（推定値）”は、後述する”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間内に当該カセットに補充された景品数を意味する。
【０１４９】
”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”（図１６参照）：各レーン毎の”景品在庫数”および”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、各レーン毎の”景品補充数（推定値）”は、後述する”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間に当該レーン内のカセットに補充された景品数を意味する。
【０１５０】
”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”（図１７参照）：景品種類毎の”景品在庫数”および”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、景品種類毎の”補充数（推定値）”は、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間に当該景品払出機１内に補充された当該景品種類の景品数を意味する。
【０１５１】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”および”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の内容は、景品払出処理（図２２のステップＳ１０の処理）を行ったときや、搬送機構２４の計数機能を用いて在庫確認処理（図２２のステップＳ１１、Ｓ１４の処理）を行ったときに、更新される。
【０１５２】
さらに、記憶部２０８には、在庫管理データ、日時、イベント等からなるログデータが記憶される。ログデータに含まれる在庫管理データの種類には、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”がある。ログデータは、上記テーブルＴＡ２，ＴＡ３，ＴＡ４の内容が更新されるときに、その都度新たに作成されて、記憶部２０８に追加記憶される。つまり、異なる複数のタイミングで作成された個々のログデータは、景品在庫数の推移を表す履歴データとして記憶部２０８に保存される。
〔４〕景品管理機１００の電気的構成
図１８は、景品管理機１００の電気的構成を示している。
【０１５３】
景品管理機１００は、配下の景品払出機１に対する景品払出制御、配下の景品払出機１に対する計数制御、配下の景品払出機１および他の景品管理機１００との通信等を行う制御部３００を備えている。
【０１５４】
景品管理機１００が親機１００＿Ｍである場合には、制御部３００は、自己の配下にある景品払出機１から集計用データを取得するとともに、他の子機１００＿Ｓと通信を行なうことにより、他の子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１から集計用データを取得する機能を備えている。この実施形態では、集計用データは、景品払出機１の識別番号（号機番号）と、当該景品払出機１の”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”（図１７参照）に記憶されている景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”とから構成されている。
【０１５５】
また、親機１００＿Ｍは、店全体の景品の在庫管理、通い箱（景品保管部）内の景品の在庫管理、各景品払出機１内の景品の在庫管理、全景品払出機１内の景品の在庫管理等を行なう機能や、各在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
【０１５６】
制御部３００には、通信部３０１、バーコード・リーダ３０２、印字部３０３、記憶部３０４、操作表示部３０５等が接続されている。そして、制御部３００には、景品払出機１に景品の払出処理を実行させる払出制御部３００ａ、景品払出機１に景品計数処理を実行させる計数制御部３００ｂ、配下の景品払出機１や他の景品管理機１００と通信を行なうための通信制御部３００ｃが含まれる。
【０１５７】
親機１００＿Ｍの記憶部３０４には、次のような３種類のテーブルＴＢ１、ＴＢ２、ＴＢ３が設けられている。
【０１５８】
”通い箱内在庫管理テーブル（景品保管部内在庫管理テーブル）ＴＢ１”（図１９参照）：通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数を記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときにクリアされる。
【０１５９】
”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”（図２０参照）：各景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数と、全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときにクリアされる。
【０１６０】
”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”（図２１参照）：店全体の景品種類毎の景品在庫数を記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときはクリアされず、その内容が翌日に持ち越される。ただし、締上処理によって実際に算出された店全体の景品在庫数と、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”との内容が異なる場合には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”に実際の店全体の景品在庫数が設定される。
【０１６１】
ところで、遊技施設においては、開店前に、景品問屋によって景品が遊技施設に搬入される。景品は通い箱に入れられて搬入される。通い箱は、遊技施設の所定の景品保管部に収納される。係員は、景品問屋の仕入伝票に基づいて、仕入れた景品種類毎の景品数を仕入データとして親機１００＿Ｍに数値入力する。親機１００＿Ｍは、仕入れデータとして入力された景品種類毎の景品数を、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容に加算するとともに、加算後の”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容を ”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”に設定する。これにより、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”および”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、景品仕入後の、店全体の景品在庫数を表す内容となる。
【０１６２】
係員は、開店準備時に、通い箱（景品保管部）から景品を取り出し、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充する。各景品払出機に景品が補充された後において、最初に在庫確認処理（図２２のステップＳ２，Ｓ１１）が行なわれることにより、景品払出機１内のテーブルＴＡ２、ＴＡ３、ＴＡ４に在庫管理データが記憶される。
【０１６３】
この後において、親機１００＿Ｍに対して係員による集計操作が行なわれることにより、親機１００＿Ｍによる集計処理（図２９のステップＳ８８またはＳ８９）が行なわれると、親機１００＿Ｍ内の”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”および”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”の内容が、更新される。また、親機１００＿Ｍ内の”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”の内容は、親機１００＿Ｍまたは子機１００＿Ｓのいずれかが景品払出しのための景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６、図２５のステップＳ４５）を行なったときにも、更新される。
【０１６４】
この実施形態では、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、景品払出処理が行なわれる度に、払出される景品数を減算することによって更新される。具体的には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、親機１００＿Ｍまたは子機１００＿Ｓのいずれかが景品払出しのための景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６、図２５のステップＳ４５）を行なったときにのみ更新される。したがって、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、本来的に店内に存在しているべき景品在庫数を表す。このため、正規の景品払出処理以外の原因によって店内の景品数が減少した場合には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、実際の店全体の景品在庫数と一致しなくなる。
【０１６５】
一方、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせた数は、原則的には、実際の店全体の景品在庫数と一致する。しかしながら、この実施形態では、正規の景品払出処理以外の原因によって店内の景品数が減少した場合においては、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせた数は、実際の店全体の景品在庫数と一致するのではなく、本来的に店内に存在しているべき景品在庫数（”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容）となるように、在庫訂正が行なわれる。
〔５〕景品払出機１および景品管理機１００による処理
各景品払出機１の操作表示部７には、在庫確認キーが設けられている。同様に、景品管理機（親機および子機）１００の操作表示部３０５には、在庫確認キー、テンキー等が設けられている。親機１００＿Ｍの操作表示部３０５には、さらに、第１の集計キーおよび第２の集計キーが設けられている。
〔６〕景品払出機１０３による処理
図２２は、景品払出機１によって実行される処理の手順を示している。
【０１６６】
電源が投入されると（ステップＳ１）、在庫管理のための在庫確認処理を行う（ステップＳ２）。在庫確認処理は、搬送機構２４の計数機能を利用した処理である。在庫確認処理の詳細については、後述する。
【０１６７】
ステップＳ２の在庫確認処理が終了すると、景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したか否か（ステップＳ３）、景品払出機１の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か（ステップＳ４）、タイマ予約設定によって設定された時刻（タイマ予約時刻）となったか否か（ステップＳ５）、在庫確認指令が入力されたか否か（ステップＳ６）、景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したか否か（ステップＳ７）、景品管理機１００からの第１の集計コマンドを受信したか否か（ステップＳ８）、景品管理機１００からの第２の集計コマンドを受信したか否か（ステップＳ９）を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで行われる。電源が遮断された場合には（ステップＳ１７でＹＥＳ）、処理を終了する。
【０１６８】
上記ステップＳ３の景品管理機１００からの景品払出コマンドは、景品管理機１００によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機１００から送信される。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報が含まれる。上記ステップＳ４の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知器２０５の出力に基づいて判別される。上記ステップＳ５のタイマ予約設定は、在庫確認処理を行う時刻を予約設定できる機能であり、景品払出機１の操作表示部７を係員が操作することによって行われる。
【０１６９】
上記ステップＳ６における在庫確認指令は、景品払出機１の操作表示部７上の在庫確認キーが操作されることによって入力される。上記ステップＳ７における在庫確認コマンド
は、景品管理機１００の操作表示部３０５上の在庫確認キーが操作されることに起因して、景品管理機１００から送信されてくる。
【０１７０】
上記ステップＳ８における第１の集計コマンドは、当該景品払出機１が親機１００＿Ｍによって直接管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第１の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから送信されてくる。当該景品払出機１が子機１００＿Ｓによって管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第１の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから子機１００＿Ｓを介して送信されてくる。
【０１７１】
上記ステップＳ９における第２の集計コマンドは、当該景品払出機１が親機１００＿Ｍによって直接管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第２の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから送信されてくる。当該景品払出機１が子機１００＿Ｓによって管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第２の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから子機１００＿Ｓを介して送信されてくる。
【０１７２】
第１の集計コマンドは、景品払出機１から単に集計用データを取得するためのコマンドであるのに対し、第２の集計コマンドは、景品払出機１に計数処理を伴う在庫確認処理を行なわせた後に、景品払出機１から集計用データを取得するためのコマンドである。
【０１７３】
景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したときには（ステップＳ３でＹＥＳ）、景品払出処理を行う（ステップＳ１０）。この景品払出処理の詳細については、後述する。ステップＳ１０の景品払出処理が終了すると、ステップＳ４に移行する。
【０１７４】
景品払出機１の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき（ステップＳ４でＹＥＳ）、現在時刻がタイマ予約時刻になったとき（ステップＳ５でＹＥＳ）、在庫確認指令が入力されたとき（ステップＳ６でＹＥＳ）、または景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したとき（ステップＳ７でＹＥＳ）には、在庫確認処理を行う（ステップＳ１１）。この在庫確認処理は、ステップＳ２の在庫確認処理と同じ処理であり、その詳細については後述する。ステップＳ１１の在庫確認処理が終了すると、ステップＳ８に移行する。
【０１７５】
景品管理機１００からの第１の集計コマンドを受信したときには（ステップＳ８でＹＥＳ）、集計用データを上記景品管理機１００に送信した後（ステップＳ１２）、テーブル更新処理を行なう（ステップＳ１３）。上述したように、集計用データは、当該景品払出機の識別番号と、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４（図１７参照）内の景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”とからなる。上記ステップＳ１３のテーブル更新処理では、各テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする（０にする）。ステップＳ１３の処理が終了すると、ステップＳ９に移行する。
【０１７６】
景品管理機１００からの第２の集計コマンドを受信したときには（ステップＳ９でＹＥＳ）、在庫確認処理を行なった後（ステップＳ１４）、集計用データを上記景品管理機１００に送信する（ステップＳ１５）。この後テーブル更新処理を行なう（ステップＳ１６）。ステップＳ１４の在庫確認処理は、ステップＳ２の在庫確認処理と同じ処理であり、その詳細については後述する。上記ステップＳ１６のテーブル更新処理では、各テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする（０にする）。ステップＳ１６の処理が終了すると、ステップＳ１７に移行する。
【０１７７】
ところで、開店準備時において、電源がオフの状態で入庫（補充）が行われた場合には、電源がオンになったときに上記ステップＳ２の在庫確認処理が行われるので、景品払出機１によって在庫数（入庫数）が確認される。開店準備時において、電源がオンの状態で
入庫が行われた場合には、当該入庫作業が終了して扉６が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、景品払出機１によって在庫数（入庫数）が確認される。つまり、開店準備時において空の状態から各カセットに補充された景品数は、開店時までには自動的に計数されて取得される。
【０１７８】
営業時間中に、追加入庫（追加補充）が行われた場合には、当該追加入庫作業が終了して扉６が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、追加入庫作業が終了した際には、景品払出機１によって追加入庫後の在庫数が確認される。
【０１７９】
従来、閉店後に行われていた締上処理または営業時間中に係員の交代時に行われていた締上処理においては、係員が計数作業を手作業で行っていたが、本実施の形態では、労力削減および時間短縮のために、搬送機構２４の計数機能によって自動的に計数を行うようにする。このため、本実施の形態では、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、係員は、景品払出機１または景品管理機１００の操作表示部７，３０５に設けられた在庫確認キーを操作して、在庫確認指令を入力するようにする。この結果、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、上記ステップＳ６または上記ステップＳ７でＹＥＳとなり、上記ステップＳ１１に移行するため、計数作業が自動的に行われる。
【０１８０】
なお、従来の締上処理を行うべきタイミング以外の任意のタイミングにおいて、景品払出機１または景品管理機１００に設けられた在庫確認キーを係員が操作することにより、在庫確認指令を入力したときや、係員が予め設定したタイマ予約時刻になったときも、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、任意のタイミングまたは予め設定した予約時刻において、景品払出機１による在庫数確認が可能である。さらに、前回の在庫確認処理から、景品払出処理を行なった件数が所定数（たとえば、２０）に達したタイミングで、在庫確認処理を行なうようにしてもよい。なお、在庫確認処理を行なうタイミングについては、本実施形態に限らず、自由に設定することが可能である。
〔６−１〕景品払出処理
図２３は、図２２のステップＳ１０で実行される景品払出処理の手順を示している。
【０１８１】
景品払出処理においては、まず、景品管理機１００から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき１または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す（ステップＳ２１）。
【０１８２】
そして、テーブルの更新処理を行なう（ステップ２２）。つまり、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”（図１５参照）内の各カセット毎のデータのうち、景品の払出があったカセットの”景品在庫数”を、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内のレーン毎のデータのうち、景品の払出があったレーンの”景品在庫数”を、そのレーンから払出された枚数を減算することにより更新する。
【０１８３】
さらに、更新後の”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内の”景品在庫数”と、”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”の内容とに基づいて、景品種類別の”景品在庫数”を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”内の”景品在庫数”を更新する。なお、ステップ２２の更新処理においては、テーブルＴＡ２〜ＴＡ４内の”景品補充数”は、更新されない。
【０１８４】
この後、ログデータを作成して記憶する（ステップ２３）。つまり、更新後のテーブルＴＡ２〜ＴＡ４内のデータから、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”からなる在庫管理データを抽出する。そして、抽出
した在庫管理データに、日時、イベント名等を付加することにより、ロクデータを作成する。作成したログデータを記憶部２０８に記憶する。なお、この場合、イベント名としては、例えば、景品払出処理を表す名称が用いられる。ステップＳ２３の処理が終了すると、図２２のステップＳ４に戻る。
〔６−２〕在庫確認処理
図２４は、図２２のステップＳ２、ステップＳ１１またはステップＳ１４で実行される在庫確認処理の手順を示している。
【０１８５】
在庫確認処理においては、まず、景品の計数処理を行う（ステップＳ３１）。つまり、搬送機構２４の計数機能を利用して、各レーンのカセット毎の景品在庫数を計数する。計数処理が終了すると、テーブルの更新処理を行なう（ステップＳ３２）。
【０１８６】
このテーブルの更新処理は、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理および”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の更新処理とからなる。
【０１８７】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理においては、まず、各カセットについて、今回の計数結果Ｋn+1 と、テーブルＴＡ２内の景品在庫数Ｋn とを比較する。Ｋn+1 ＝Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数および景品補充数を更新させない。なお、Ｋn+1 ＝Ｋn の場合に、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数Ｋn を今回の計数結果Ｋn+1 に置き換えてもよい。
【０１８８】
Ｋn+1 ＞Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、当該カセット内の景品在庫数が景品補充により増加していると判別し、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数をＫn+1 に更新する。また、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品補充数を｛現在値＋（Ｋn+1 −Ｋn ）｝に更新する。前述したように、テーブルＴＡ２内の景品補充数は、テーブルＴＡ４の内容を含む集計用データを景品管理機１００に前回送信してから（電源オンから集計用データが送信されていない場合には、電源オン時から）現在までの間に、当該カセットに補充された景品数（推定値）を表している。
【０１８９】
Ｋn+1 ＜Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、当該カセット内の景品在庫数が景品払出以外の原因で減少していると判別し、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数をＫn+1 に更新する。また、この場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品補充数を｛現在値−（Ｋn −Ｋn+1 ）｝に更新することにより、在庫訂正を行なう。
【０１９０】
つまり、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、景品の払出以外の原因により当該カセット内から（Ｋn −Ｋn+1 ）枚分の景品が減少してしまったので、景品補充数を調整することにより、後述するように、通い箱内の景品在庫数を、”景品の払出以外の原因により減少した景品数”だけ増加させることによって、テーブルＴＢ１の内容とテーブルＴＢ２の内容とから算出される店全体の景品在庫数が、本来的に店内に存在しているべき在庫数となるようにしている。
【０１９１】
”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理においては、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理の結果に基づいて、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の内容を更新する。つまり、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内の各レーン対応する”景品在庫数”および”景品補充数”それぞれを、そのレーンに含まれる４つのカセットに対応するテーブルＴＡ３の”景品在庫数”どうしおよび”景品補充数”どうしを加算した値に更新する。
【０１９２】
”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の更新処理においては、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理の結果および”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”の内容とに基づいて、景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”内の”景品在庫数”および”景品補充数”を更新する。
【０１９３】
この後、ログデータを作成して記憶する（ステップ３３）。つまり、更新後のテーブルＴＡ２〜ＴＡ４内のデータから、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”からなる在庫管理データを抽出する。そして、抽出した在庫管理データに、日時、イベント名等を付加することにより、ロクデータを作成する。作成したログデータを記憶部２０８に記憶する。なお、この場合、イベント名としては、例えば、在庫確認処理を表す情報に、在庫変化なし（Ｋn+1 ＝Ｋn の場合）、景品補充あり（Ｋn+1 ＞Ｋn の場合）または在庫訂正あり（Ｋn+1 ＜Ｋn の場合）を示す付加情報が付加された名称が用いられる。
【０１９４】
今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ２の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ３に戻る。今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ１１の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ８に戻る。今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ１４の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ１５に戻る。
〔７〕景品管理機１００による処理
〔７−１〕子機１００＿Ｓによる処理
図２５は、子機１００＿Ｓによる処理手順を示している。
【０１９５】
子機１００＿Ｓは、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ４１）、在庫確認キーが押下されたか否か（ステップＳ４２）、親機１００＿Ｍからの第１集計キーを受信したか否か（ステップＳ４３）、親機１００＿Ｍからの第２集計キーを受信したか否か（ステップＳ４４）等を監視している。
【０１９６】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ４１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１から景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ４５）。景品払出制御処理については、後述する。景品払出制御処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
【０１９７】
在庫確認キーが押下されたときには（ステップＳ４２でＹＥＳ）、在庫確認コマンドを配下の景品払出機１に送信する。そして、ステップＳ４１に戻る。この在庫確認コマンドを受信した景品払出機１は、図２２のステップＳ１１（詳しくは図２４）の在庫確認処理を行なう。
【０１９８】
親機１００＿Ｍからの第１集計コマンドを受信したときには（ステップＳ４３でＹＥＳ）、第１集計コマンドに基づく通信処理を行なう（ステップＳ４７）。第１集計コマンドに基づく通信処理については、後述する。この通信処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
【０１９９】
親機１００＿Ｍからの第２集計コマンドを受信したときには（ステップＳ４４でＹＥＳ）、第２集計コマンドに基づく通信処理を行なう（ステップＳ４８）。第２集計コマンドに基づく通信処理については、後述する。この通信処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
〔７−１−１〕景品払出制御処理（図２５のステップＳ４５）
図２６は、図２５のステップＳ４６の景品払出制御処理の手順を示している。
【０２００】
この処理においては、子機１００＿Ｓは、まず、レシートに印字されているバーコードを読み取ることにより、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する（ステップＳ５１）。この際、読み取った遊技媒体数が操作表示部３０５に表示される。次に、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する（ステップＳ５２）。この際、決定した景品種類毎の払出し枚数が操作表示部３０５に表示される。
【０２０１】
子機１００＿Ｓは、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信するとともに（ステップＳ５３）、決定した景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号（号機番号）を含む景品払出データを、親機１００＿Ｓに送信する（ステップＳ５４）。そして、図２５のステップ４１に戻る。
【０２０２】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ５３で子機１００＿Ｓから送信された景品払出コマンドを受信した場合には、図１１のステップＳ１０（詳しくは図２３）の景品払出処理を行う。また、親機１００＿Ｍは、上記ステップＳ５４で子機１００＿Ｓから送信された景品払出データを受信した場合には、後述するように、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する
〔７−１−２〕第１の集計コマンドに基づく通信処理（図２５のステップＳ４７）
図２７は、図２５のステップＳ４７の第１の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示している。
【０２０３】
この処理においては、子機１００＿Ｓは、第１集計コマンドを配下の全ての景品払出機１に送信する（ステップＳ６１）。そして、配下の景品払出機１から集計用データが送られてくるのを待機する（ステップＳ６２）。
【０２０４】
景品払出機１は、上記ステップＳ６１で子機１００＿Ｓから送信された第１集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１２に示すように、集計用データを第１集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
【０２０５】
子機１００＿Ｓは、配下の景品払出機１からの集計用データを受信すると（ステップＳ６２でＹＥＳ）、受信した集計用データを親機１００＿Ｍに送信する（ステップＳ６３）。親機１００＿Ｍは、後述するように集計用データを受信するとテーブルＴＢ１、ＴＢ２の内容を更新する。
【０２０６】
子機１００＿Ｓは、配下の全ての景品払出機１からの集計用データを親機１００＿Ｍに送信したか否かを判別する（ステップＳ６４）。今回の通信処理において、配下にある景品払出機１のうち、集計用データを受信していない景品払出機１が存在する場合には（ステップＳ６４でＮＯ）、ステップＳ６２に戻る。但し、所定時間が経過しても、配下にある全ての景品払出機１からの集計用データを受信できなかった場合は、集計用データが送信されていない景品払出機の号機番号を表示して終了する。
【０２０７】
今回の通信処理において、配下にある全ての景品払出機１からの集計用データを親機１００＿Ｍに送信したと判別した場合には（ステップＳ６４でＹＥＳ）、今回の通信処理を終了し、図２５のステップＳ４１に戻る。
〔７−１−３〕第２の集計コマンドに基づく通信処理（図２５のステップＳ４７）
図２８は、図２５のステップＳ４８の第２の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示している。
【０２０８】
図２８のステップＳ７１〜Ｓ７４は、図２７のステップＳ６１〜Ｓ６４に対応している。ステップＳ７１、Ｓ６１を除いて、対応しているステップどうしは同じであるので、ステップＳ７２〜Ｓ７４の説明は省略する。
【０２０９】
図２７のステップＳ６１では、配下の全ての景品払出機１に第１の集計コマンドを送信しているが、図２８のステップＳ７１では、配下の全ての景品払出機１に第２の集計コマンドを送信している。景品払出機１は、第２の集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後に集計用データを第２集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
〔７−２〕親機１００＿Ｍによる処理
図２９は、親機１００＿Ｍによる処理手順を示している。
【０２１０】
親機１００＿Ｍは、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ８１）、在庫確認キーが押下されたか否か（ステップＳ８２）、第１集計キーが押下されたか否か（ステップＳ８３）、第２集計キーが押下されたか否か（ステップＳ８４）、子機１００＿Ｓからの景品払出データを受信したか否か（ステップＳ８５）等を監視している。
【０２１１】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ８１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１から景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ８６）。景品払出制御処理については、後述する。景品払出制御処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１２】
在庫確認キーが押下されたときには（ステップＳ８２でＹＥＳ）、在庫確認コマンドを配下の景品払出機１に送信する。この際、子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１にも、在庫確認コマンドを送るようにしてもよい。そして、ステップＳ８１に戻る。この在庫確認コマンドを受信した景品払出機１は、図２２のステップＳ１１（詳しくは図２４）の在庫確認処理を行なう。
【０２１３】
第１集計キーが押下されたときには（ステップＳ８３でＹＥＳ）、第１の集計処理を行なう（ステップＳ８８）。第１の集計処理については、後述する。この処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１４】
第２集計キーが押下されたときには（ステップＳ８４でＹＥＳ）、第２の集計処理を行なう（ステップＳ８９）。第２の集計処理については、後述する。この処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１５】
子機１００＿Ｓからの景品払出データを受信したときには（ステップＳ８５でＹＥＳ）、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の更新処理を行なう（ステップＳ９０）。景品払出データには、景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号が含まれているので、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する景品払出機１内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算するとともに、テーブルＴＢ２内の各景品種類の合計値から景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２の内容を更新する。また、店全体在庫管理テーブルＴＢ３（図２１）内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する。この更新処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
〔７−２−１〕景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６）
図３０は、図２９のステップＳ８６の景品払出制御処理の手順を示している。
【０２１６】
この処理においては、親機１００＿Ｍは、まず、レシートに印字されているバーコードを読み取ることにより、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する（ステップＳ１０１）。この際、読み取った遊技媒体数が操作表示部３０５に表示される。次に、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する（ステップＳ１０２）。この際、決定した景品種類毎の払出し枚数が操作表示部３０５に表示される。
【０２１７】
親機１００＿Ｍは、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信するとともに（ステップＳ１０３）、決定した景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号に基づいて、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する（ステップＳ１０４）。
【０２１８】
つまり、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する景品払出機１内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算するとともに、テーブルＴＢ２内の各景品種類の合計値から景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２の内容を更新する。また、店全体在庫管理テーブルＴＢ３（図２１）内の各景品種類の景品数から、対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する。この更新処理が終了すると、図２９のステップ８１に戻る。
【０２１９】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ１０３で親機１００＿Ｍから送信された景品払出コマンドを受信した場合には、図１１のステップＳ１０（詳しくは図２３）の景品払出処理を行う。
〔７−２−２〕第１の集計処理（図２９のステップＳ８８）
図３１は、図２９のステップＳ８８の第１の集計処理の手順を示している。
【０２２０】
この処理においては、親機１００＿Ｍは、配下の全ての景品払出機１と各子機１００＿Ｍに、第１集計コマンドを送信する（ステップＳ１１１）。そして、配下の景品払出機１または各子機１００＿Ｍからの集計用データが送られてくるのを待機する（ステップＳ１１２）。
【０２２１】
景品払出機１は、上記ステップＳ１１２で親機１００＿Ｍから送信された第１集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１２に示すように、集計用データを親機１００＿Ｍに送信する。
【０２２２】
また、上記ステップＳ１１２で親機１００＿Ｍから送信された第１集計コマンドを受信した子機１００＿Ｓは、図２５のステップＳ４７（詳しくは図２７）に示すように、受信した第１集計コマンドをその配下の景品払出機１に送信することにより、配下の各景品払出機１から集計用データを取得して親機１００＿Ｍに送信する。
【０２２３】
親機１００＿Ｍは、配下の景品払出機１または子機１００＿Ｓからの集計用データを受信すると（ステップＳ１１２でＹＥＳ）、テーブルＴＢ１、ＴＢ２の更新処理を行なう（ステップＳ１１３）。この更新処理について説明する。集計用データには、景品払出機１の識別番号、景品種類毎の景品在庫数および景品種類毎の景品補充数が含まれている。
【０２２４】
まず、集計用データ内の払出機識別番号および景品種類毎の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する払出機に対する景品種類別の景品在庫数を、当該集計用データ内の景品種類毎の景品在庫数の内容に置き換える。また、それに伴って、テーブルＴＢ２（図２０）内の景品種類別の合計を更新する。この処理は、
テーブルＴＢ２内の内容を、景品払出機１内の実際の景品在庫数に合致させるために行なわれる。
【０２２５】
次に、集計用データ内の払出機識別番号および景品種類毎の景品補充数に基づいて、通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１（図１９）の内容を更新する。具体的には、テーブルＴＢ１内の各景品種類毎の現在の景品在庫数から対応する景品種類の景品補充数を減算することにより、テーブルＴＢ１内の各景品種類毎の景品在庫数を更新する。この処理は、テーブルＴＢ１（図１９）の内容を、通い箱内の実際の景品在庫数に合致させるために行なわれる。ただし、景品払出機から景品払出処理以外で景品が持ち出された場合や、景品払出機へ補充（入庫）する目的以外で通い箱内から景品が持ち出された場合等には、テーブルＴＢ１（図１９）の内容と通い箱内の実際の景品在庫数とは合致しなくなる。より具体的には、テーブルＴＢ１（図１９）の内容は、通い箱内の実際の景品在庫数よりも、景品払出処理以外の原因で減少した景品数だけ、多くなる。
【０２２６】
ステップＳ１１３の更新処理が終了すると、親機１００＿Ｍは、今回の第１の集計処理において、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得（受信）したか否かを判別する（ステップＳ１１４）。景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得していない場合には（ステップＳ１１４でＮＯ）、ステップＳ１１２に戻る。但し、所定時間が経過しても、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを受信できなかった場合は、集計用データが送信されていない景品払出機の号機番号を表示して終了する。
【０２２７】
上記ステップ１１４において、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得したと判別した場合には、テーブルＴＢ１、ＴＢ２、ＴＢ３の内容を操作表示部３０５に表示する（ステップＳ１１５）。そして、今回の第１の集計処理を終了し、図２９のステップＳ８１に戻る。
〔７−２−３〕第２の集計処理（図２９のステップＳ８９）
図３２は、図２９のステップＳ８９の第２の集計処理の手順を示している。
【０２２８】
図３２のステップＳ１２１〜Ｓ１２５は、図３１のステップＳ１１１〜Ｓ１１５に対応している。ステップＳ１２１、Ｓ１１１を除いて、対応しているステップどうしは同じであるので、ステップＳ１２２〜Ｓ１２５の説明は省略する。
【０２２９】
図３１のステップＳ１２２では、配下の全ての景品払出機１および各子機１００＿Ｓに第１の集計コマンドを送信しているが、図３２のステップＳ１２１では、配下の全ての景品払出機１および各子機１００＿Ｓに第２の集計コマンドを送信する。
【０２３０】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ１２２で親機１００＿Ｍから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後、集計用データを親機１００＿Ｍに送信する。
【０２３１】
子機１００＿Ｓは、上記ステップＳ１２２で親機１００＿Ｍから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２５のステップＳ４８（詳しくは図２８）に示すように、受信した第２集計コマンドをその配下の景品払出機２に送信することにより、配下の各景品払出機１から集計用データを取得して親機１００＿Ｍに送信する。景品払出機１は、子機１００＿Ｓから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後、集計用データを２集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
〔６〕変形例
景品の形状はカード状に限定されない。また、景品を計数するための機構、計数方法に
ついても限定されない。景品に内蔵されるＩＣを読み取る方式でもよい。
【０２３２】
景品払出機１は、図２２のステップＳ２またはＳ１１の在庫確認処理を行なったときに、図１７のテーブルＴＡ４内の景品在庫数データ（またはテーブルＴＡ４内の景品在庫数データおよび補充数データ）を、子機１００＿Ｓを介してまたは直接に親機１００＿Ｍに送信するようにしてもよい。親機１００＿Ｍは、景品払出機１からの景品在庫数データ（景品在庫数データおよび補充数データ）を受信すると、受信したデータに基づいて、テーブルＴＢ２（またはテーブルＴＢ１およびテーブルＴＢ２の両方）を更新する。
【０２３３】
景品払出機１が図２２のステップＳ２またはＳ１１の庫確認処理を行なったときに、テーブルＴＡ４内の集計用データ（景品在庫数データおよび補充数データ）を親機１００＿Ｍに送信し、親機１００＿Ｍが受信データに基づいてテーブルＴＢ１およびテーブルＴＢ２の両方を更新する場合には、景品払出機１は、図２２のステップＳ１３、Ｓ１６のテーブル更新処理と同様に、テーブルＴＡ４内のデータを送信した後、テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする必要がある。
【０２３４】
また、景品管理機（親機）１００＿Ｍで行なっている在庫管理を、更に上位の管理コンピュータ１５０で行なうようにしてもよい。
【０２３５】
また、店全体管理テーブルＴＢ３の内容を、通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせることによって算出するようにしてもよい。この場合には、テーブルＴＢ１またはＴＢ２の少なくとも一方が更新されたときに、テーブルＴＢ３の内容が更新される。
【０２３６】
本願発明は、さらに、特開２００８−７３１６９号公報に開示されているような卓上タイプの景品払出機を備えた景品払出システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【０２３７】
１ 景品払出機
２ 景品
４ カセット
５ 景品払出ユニット
８ 払出口
２４ 搬送機構
６０ 計数部
７０ 分離搬送部
８１ 保留ボックス
８２ エレベータ
１００ 景品管理機
２００ 制御部
２０１ 搬送機構２４の駆動装置
２０８ 記憶部
３７ 光学センサ
２０６ 通信部
３００ 制御部
３０１ 通信部
３０４ 記憶部
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えばパチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機を管理する景品管理装置および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【０００２】
パチンコ店等の遊技施設において、景品払出機（下記特許文献１参照）と景品払出機に電気的に接続された景品管理機（下記特許文献２参照）とを備えた景品払出システムが知られている。景品払出機で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。この景品は一般的に、１〜３ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【０００３】
このような景品払出システムでは、次のようにして、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体が景品に交換されて遊技客に手渡され、遊技客が受け取った景品が景品交換所で買い取られる。
【０００４】
遊技客は、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された計数機に投入する。計数機は、投入された遊技媒体の計数を行い、計数結果を表すバーコードが印字されたレシートを発行する。遊技客は、計数機によって発行されたレシートを景品カウンタに持参して係員に手渡す。係員は遊技客から受け取ったレシートにバーコード記録されている計数結果を景品管理機に読み取らせる。景品管理機は、読み取った計数結果に基づいて払出すべき景品の種類および枚数を決定し、決定した内容に応じて、景品払出機に対して景品を払い出すように命令する。係員は、景品払出機から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を遊技施設外に設置された景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
【０００５】
ところで、景品は、現金と同じ価値があるため、不正防止の観点から、在庫管理を厳重に行う必要がある。従来において、在庫管理は、次のように行われている。
（ａ）仕入：開店前に、景品問屋によって景品が遊技施設に搬入される。景品は通い箱に入れられて搬入される。通い箱は、遊技施設の所定の景品保管部に収納される。係員は、仕入れた景品と仕入前の店全体の景品在庫とに基づいて、現時点での店全体の景品在庫を算出して、景品管理機に算出結果を数値入力する。景品管理機は、入力された算出結果を店全体の景品在庫データとして記憶する。
（ｂ）入庫（補充）：開店準備時に、係員は、通い箱（景品保管部）から景品を取り出し、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充（入庫）する。そして、景品種類毎の補充数（入庫数）を景品払出機に数値入力する。景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を景品払出機内の景品在庫データとして記憶する。
（ｃ）出庫（払出）：景品払出し時において、景品管理機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を店全体の景品在庫データから減算することにより、店全体の景品在庫データを更新する。同様に、景品払出し時において、景品払出機は、遊技客に払い出した景品数（出庫数）を景品払出機内の景品在庫データから減算することにより、景品払出機内の景品在庫データを更新する。
（ｄ）追加入庫（追加補充）：営業時間中に、係員は、景品の追加補充を行った際に、景品種類毎の補充数を景品払出機に数値入力する。景品払出機は、入力された景品種類毎の補充数を景品払出機内の景品在庫データに加算することにより、景品払出機内の景品在庫データを更新する。
（ｅ）締上処理（本締め処理）：閉店後、係員は、景品管理機によって景品在庫データを印字出力させるとともに、通い箱及び景品払出機から景品（現物）を回収して手作業で計数し、景品在庫データ（店全体の景品在庫データ、景品払出機内の景品在庫データ）と現物の計数結果（店全体の現物の在庫数、景品払出機内の現物の在庫数）を比較・照合する。比較・照合が終了した後においては、回収した景品（現物）は、金庫等に保管するため、景品払出機は空の状態となる。
【０００６】
営業時間内においても、当該景品払出システムを担当する係員が交代する際には、締上処理と同様な処理（中締め処理）を行って、景品在庫データと現物の計数結果を比較・照合している。ただし、この場合には、係員は、比較・照合が終了した後に、回収した景品（現物）を回収元（通い箱、景品払出機）に戻す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】特許第３７２２８７８号公報
【特許文献２】特開２００２−２００３１０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
従来の景品払出システムでは、通い箱（景品保管部）内の景品在庫を管理していなかった。また、従来の景品払出システムでは、景品払出システムの各景品払出機内の景品在庫や通い箱内の景品在庫を、１箇所で管理するといったことは行なわれていなかった。このため、各景品払出機内の景品在庫状況や、通い箱内の景品在庫状況を、把握しにくいという問題があった。
【０００９】
この発明は、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫状況を、把握しやすくなる景品管理装置および景品払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１に記載の発明は、景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えており、前記各景品払出機から取得される集計用データが、当該景品払出機の識別情報、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を含んでいることを特徴とする。
【００１１】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の景品管理装置において、前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする。
【００１２】
請求項３に記載の発明は、請求項１または２に記載の景品管理装置において、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の前記景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機であり、前記親機が前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルを備えており、前記親機が、前記親機の配下の前記
景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得することにより、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新することを特徴とする。
【００１３】
請求項４に記載の発明は、請求項１〜３のいずれか一項に記載の景品管理装置において、各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする。
【００１４】
請求項５に記載の発明は、景品が収納されている１または複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備えた景品払出システムにおいて、前記各景品払出機は、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる集計用データ送信手段を備えており、前記景品管理装置は、遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えていることを特徴とする。
【００１５】
「所定の条件が成立したとき」とは、例えば、マニュアル操作に基づいて計数指令が入力された場合、予約設定された時刻になった場合、計数指令を受信した場合、所定の検知器からの検知信号が入力した場合等をいう。
【００１６】
請求項６に記載の発明は、請求項５に記載の景品払出システムにおいて、前記集計用データ送信手段は、前記景品管理装置からの集計用データ要求コマンドを受信したときに、前記集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせるものであり、前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする。
【００１７】
請求項７に記載の発明は、景品が収納されている複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備え、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機である景品払出システムにおいて、前記各景品払出機は、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに前記景品管理機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理機に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる手段を備えており、前記親機は、遊技施設内の景品保管部
に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、集計指令が与えられたときに、配下の前記景品払出機および前記各子機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下にある前記景品払出機から集計用データを取得する手段、ならびに前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えており、前記各子機は、前記親機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、配下の前記景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得する手段、および取得した集計用データを前記親機に送信する手段を備えていることを特徴とする。
【００１８】
請求項８に記載の発明は、請求項５〜７のいずれか一項に記載の景品払出システムにおいて、前記第１更新手段は、前記集計用テーブル内の景品在庫数を今回の計数結果に変更させる景品在庫数更新手段と、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新する景品補充数更新手段とを備えており、景品補充数更新手段は、今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より多い場合には、今回の計数結果から集計用テーブル内の更新前の景品在庫数を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数に加算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を変更させる手段および今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より少ない場合には、集計用テーブル内の更新前の景品在庫数から今回の計数結果を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新させる手段を備えており、前記第２更新手段は、当該景品払出機から払出された景品数を、前記集計用テーブル内の景品在庫数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品在庫数を更新させる手段を備えており、前記第３更新手段は、前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する手段と、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数から前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品補充数を減算することによって、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新させる手段とを備えていることを特徴とする。
【００１９】
請求項９に記載の発明は、請求項５〜８のいずれかに記載の景品払出システムにおいて、各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする。
【発明の効果】
【００２０】
請求項１〜９に記載の発明では、景品管理装置は、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルを備えており、各景品払出機から集計用データを取得して、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容を更新させている。このため、係員は景品管理装置内の景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容に基づいて、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫状況を、把握することができる。
【００２１】
請求項３および請求項７に記載の発明では、景品管理装置は複数の景品管理機から構成されており、そのうちの１台の親機が、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルを備えている。そして、親機が、各景品払出機から集計用データを取得して、景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容を更新させている。このため、係員は親機内の景品保管部内在庫管理テーブルおよび払出機内在庫管理テーブルの内容に基づいて、各景品払出機内の景品在庫状況や、景品保管部内の景品在庫
状況を、把握することができる。
【００２２】
請求項４および請求項９に記載の発明によれば、景品払出機内に複数種類の景品が収納される場合において、各景品払出機内の各景品種類毎の景品在庫状況や、景品保管部内の各景品種類毎の景品在庫状況を、把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】遊技施設内に設けられた景品払出システムの全体構成を示すブロック図である。
【図２】景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【図３】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【図４】右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【図５】カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【図６】搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【図７Ａ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｂ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｃ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｄ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｅ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図７Ｆ】搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【図８】景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
【図９】内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【図１０】内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。
【図１１】図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【図１２】景品払出機１の模式的な側断面図である。
【図１３】景品払出機１０３の電気的構成を示すブロック図である。
【図１４】レーン別景品種類テーブルＴＡ１を示す模式図である。
【図１５】カセット別在庫管理テーブルＴＡ２を示す模式図である。
【図１６】レーン別在庫管理テーブルＴＡ３を示す模式図である。
【図１７】景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４を示す模式図である。
【図１８】景品管理機１００の電気的構成を示すブロック図である。
【図１９】通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１を示す模式図である。
【図２０】景品払出機内在庫管理テーブルＴＢ２を示す模式図である。
【図２１】店全体在庫管理テーブルＴＢ３を示す模式図である。
【図２２】景品払出機１によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図２３】図２２のステップＳ１０で実行される景品払出処理の手順を示すフローチャートである。
【図２４】図２２のステップＳ２、ステップＳ１１またはステップＳ１４で実行される在庫確認処理の手順を示すフローチャートである。
【図２５】子機１００＿Ｓによる処理手順を示すフローチャートである。
【図２６】図２５のステップＳ４６の景品払出制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図２７】図２５のステップＳ４７の第１の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図２８】図２５のステップＳ４８の第２の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示すフローチャートである。
【図２９】親機１００＿Ｍによる処理手順を示すフローチャートである。
【図３０】図２９のステップＳ８６の景品払出制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図３１】図２９のステップＳ８８の第１の集計処理の手順を示すフローチャートである。
【図３２】図３２は、図２９のステップＳ８９の第２の集計処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
〔１〕景品払出システムの構成
図１は、遊技施設内に設けられた景品払出システムの構成を示している。
【００２５】
景品払出システムは、１または複数の景品管理機（ＰＯＳ端末）１００と、各景品管理機１００に接続された１または複数の景品払出機１から構成されている。この例では、景品管理機１００は複数設けられている。複数の景品管理機１００の集合体は、景品払出システム内の全ての景品払出機１を管理するための景品管理装置を構成している。
【００２６】
各景品管理機１００には、景品管理機１００毎に異なる識別番号（号機番号）が付けられている。複数の景品管理機１００は、１台の親機（１号機）１００＿Ｍと、他の子機（２号機等）１００＿Ｓとから構成されている。親機１００＿Ｍの上位に、遊技施設内の機器全体を管理する管理コンピュータ１５０が配置されている。景品管理機１００および景品払出機１は景品カウンタに設置され、管理コンピュータ１５０は事務所に設置される。
【００２７】
各景品管理機１００には、この例では、最大２台まで、景品払出機１を接続できるようになっている。各景品払出機１には、景品払出機１毎に異なる識別番号（号機番号）が付けられている。
【００２８】
景品払出機１は、景品の払出しを行うものであり、景品カウンタに設置される。景品払出機１は、カセット単位で景品数を計数する計数機能や在庫管理機能も備えている。景品管理機１００は、景品払出機１を制御するものであり、景品カウンタに設置される。各景品管理機１００は、自己の配下にある景品払出機１と通信して、景品払出機１から在庫管理データを含む集計用データを取得する機能を備えている。
【００２９】
親機１００＿Ｍは、他の子機１００＿Ｓと通信する機能を備えており、子機１００＿Ｓを介して、子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１から集計用データを取得する機能を備えている。親機１００＿Ｍは、店全体の景品の在庫管理、通い箱（景品保管部）内の景品の在庫管理、各景品払出機１内の景品の在庫管理、全景品払出機内の景品の在庫管理等を行なう機能や、各在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
【００３０】
景品払出機１で取り扱われる景品は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる。図５（ｂ）に示すように、この景品２は、一般的に、１〜３ｍｍ程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品２には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、１００円、５００円、１０００円、５０００円といった金銭価値に応じた４つの種類が存在する。
【００３１】
遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体を、遊技施設内に設置された図示しない計数機に投入すると、投入された遊技媒体の計数が行われ、計数結果を表すバーコードが印字されたレシート（記録媒体）が計数機から発行される。なお、このようなレシートの代わりに、計数結果が磁気記録された磁気カード、計数結果が記録されたＩＣチップを備えたＩＣカード等の記録媒体を発行するようにしてもよい。また、遊技客所有の携帯型電話機に計数結果を保存させたり、遊技客所有の携帯型電話機から当該電話機を特定するためのＩＤを読み取り、読み取ったＩＤに関連して計数結果を景品管理機等に保存するようにしてもよい。
【００３２】
計数機によって発行されたレシートを遊技客が景品カウンタに持参すると、係員はそのレシートにバーコード記録されている計数結果（遊技媒体数）を景品管理機１００に読み取らせる。景品管理機１００は、読み取った計数結果に基づいて、払い出すべき景品の種
類および枚数を決定する。そして、決定した景品種類毎の払出枚数を含む景品払出コマンドを、その配下にある１つの景品払出機１に送信する。景品払出機１は、景品管理機１００から送られてきた景品払出コマンドにしたがって、景品を払い出す。係員は、景品払出機１から払い出された景品を遊技客に手渡す。遊技客は、受け取った景品を景品交換所に持参し、景品交換所にて景品に相当する価値で買い取ってもらう。
〔２〕景品払出機１の機構
〔２−１〕全体構成
図２は、景品払出機１を前側（係員が操作する側）から見た斜視図である。
【００３３】
図２を参照して、景品払出機１から景品の払い出しを受ける客は、景品払出機１の後側（図２における奥側）に位置し、係員は、景品払出機１の前側に位置して接客を行う。
【００３４】
景品払出機１は、その外郭をなす略直方体形状のキャビネット３と、キャビネット３に収容される複数（この例では、４つ）の景品払出ユニット５（後述する図３参照）とを備えている。各景品払出ユニット５には、複数のカセット４（後述する図５参照）が収納される。各カセット４には、複数の景品２が上下方向に積み重ねられた状態で収納される。
【００３５】
複数の景品払出ユニット５は、幅方向に並んだ状態でキャビネット３内に収容される。各景品払出ユニット５内には、横方向２列に４個ずつ、合計で８個のカセット４が配置されている。従って、キャビネット３内には、横方向８列に４個ずつカセット４が配置される。横方向に並ぶ第１列〜第８列までの８つの列を、左から順に第１レーン〜第８レーンと呼ぶ。このような景品払出機１では、全体で、多種類の景品２を多量に収納することができるとともに、多種類の景品２を一度に払い出すことができる。
【００３６】
この実施形態では、１つのレーン内の４つのカセット４には、同じ種類の景品が収納される。例えば、第１および第２レーン内の８つのカセット４には５０００円の景品が収納され、第３および第４レーン内の８つのカセット４には１０００円の景品が収納され、第５および第６レーン内の８つのカセット４には５００円の景品が収納され、第７および第８レーン内の８つのカセット４には１００円の景品が収納される。
【００３７】
キャビネット３の前面側には、扉６が設けられている。扉６を開くことで、景品払出ユニット５をキャビネット３から引き出すことができる。キャビネット３には、扉６が閉鎖状態にあるか開閉状態にあるかを検知するための扉開閉検知器２０５（図１３参照）が設けられている。
【００３８】
キャビネット３の上面には、操作表示部７が設けられている。操作表示部７は、客用表示部７Ａと、係員用表示部７Ｂとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。また、操作表示部７には、景品払出機１の動作を制御するために操作される操作キー（図示せず）が設けられている。
【００３９】
キャビネット３の上面における操作表示部７より後側において、各景品払出ユニット５の上方位置には、上記第１レーン〜第８レーンに対応して、８個の払出口８が形成されている。８つの払出口８は、幅方向に並んでいる。各払出口８は、キャビネット３の内部に上から連通している。また、各払出口８には、シャッタ９が設けられている。シャッタ９は、前後にスライドすることによって、払出口８を開閉する。図２では、シャッタ９が払出口８を閉じた状態が示されている。
【００４０】
また、図２には一部しか示されていないが、景品払出機１には、カセット４（図５参照）に収納された景品２を払い出すために、第１搬送部１０と、第２搬送部１１と、保留部１２と、リフト部１３と、送出部１４とが備えられている。
【００４１】
景品払出機１における景品２の大まかな払い出し手順として、まず、第１搬送部１０が、カセット４（図５参照）に収納された景品２から、所定の払出枚数に相当する景品群を分離して、上方へ搬送する。次いで、第２搬送部１１が、上方に搬送された景品２（景品群）を払出口８側へ向けて略水平に搬送する。そして、保留部１２が、搬送された景品２を払出口８の下方で保留する。その後、リフト部１３が、保留された景品２を払出口８へ向けて持ち上げる。最後に、送出部１４が、払出口８まで持ち上げられた景品２をキャビネット３の上面に押し出す。ここで、シャッタ９と、シャッタ９をスライドさせる構成とが、上述した送出部１４に含まれる。このようにして、景品払出機１内に収納された景品２が払出口８から払い出される。
【００４２】
これらの構成（第１搬送部１０、第２搬送部１１、保留部１２、リフト部１３および送出部１４）は、以下で景品払出ユニット５を説明する際に、個別に説明される。
〔２−２〕景品払出ユニット
図３は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の斜視図である。
【００４３】
図３に示すように、各景品払出ユニット５は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。景品払出ユニット５は、その上下方向における略６分の５の部分をなす下ユニット２０と、下ユニット２０の上側に配置される上ユニット２１とを含んでいる。
【００４４】
また、景品払出ユニット５（詳しくは、下ユニット２０）の前面（図３における手前側の面）には、ハンドル２６が設けられている。ハンドル２６は、上述したように景品払出ユニット５をキャビネット３（図２参照）から引き出す際に、把持される。
【００４５】
図４は、右壁が取り外されて内部が露出された状態にある景品払出ユニット５の分解斜視図である。
【００４６】
図４に示すように、下ユニット２０と上ユニット２１とは、分離可能である。具体的には、上ユニット２１は、キャビネット３（図２参照）側に固定されており、景品払出ユニット５では、ハンドル２６を把持することで、下ユニット２０だけをキャビネット３から引き出すことができる。
【００４７】
以下では、下ユニット２０と上ユニット２１とを個別に説明する。
〔２−２−１〕下ユニット
下ユニット２０は、その外郭をなす下ケーシング２２と、８つのカセットホルダ２３（図４では右側４つのカセットホルダ２３が現れている。）と、８つのカセット４（図４では８つのカセット４のうちの１つが下ユニット２０の上方に配置された状態で示されている。）と、４つの搬送機構２４（図４では図示されず、図３を参照）とを含んでいる。カセットホルダ２３、カセット４および搬送機構２４は、常態では、下ケーシング２２内に配置されている。ここで、搬送機構２４が、上述した第１搬送部１０を構成している。
【００４８】
上述したように下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）から引き出されることで下ユニット２０と上ユニット２１とが分離された状態（図４に示す状態）では、下ケーシング２２の上面が開放されている。
（１）カセットホルダ
８つのカセットホルダ２３は、前後（図４における手前側と奥側とを結ぶ方向）に４つ、左右に２つ並ぶように配置されている。各カセットホルダ２３は、垂直方向に延びる４本の保持レール２５を含んでいる。４本の保持レール２５は、上方から見て四角形の４つの角をなすように、配置されている（右側手前のカセットホルダ２３を参照）。
（２）カセット
図５は、カセット４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、景品２が１枚も収納されていない状態を示し、（ｂ）は、複数枚の景品２が収納された状態を示している。
【００４９】
図５に示すように、各カセット４は、上下方向に長手であり、その平断面は、図５では、右側が切り欠かれた略コ字形状をなしている。カセット４において、上面は、景品２をカセット４内に収容するために開放されている一方で、底面は、カセット４に収容された景品２がカセット４から落下しないように、塞がれている。
【００５０】
図５におけるカセット４の右面は、上述した略コ字形状の平断面をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って連続して開放されており、このように開放された部分を開放部２８という。開放部２８は、カセット４において開放された上面に対して連続している。
【００５１】
カセット４の前面および後面には、カセット４の内側へ凹みつつ、上下に延びる溝２９が１つずつ形成されている。また、図５におけるカセット４の左面には、溝２９が、前後に間隔を隔てて２つ形成されている（図５では図示されておらず、図４において単独で示されたカセット４の右面を参照）。これらの溝２９は、後述するようにカセット４が下ケーシング２２に装填される際に、カセット４の装填をガイドするためのものである。
【００５２】
カセット４の上端には、ハンドル３０が取付けられている。ハンドル３０は、前後に間隔を隔てる２つの遊端部を有する略Ｕ字形状である。ハンドル３０において、前側の遊端部３０Ａは、カセット４の前面において溝２９より上側の部分によって支持されており、後側の遊端部（図示されていない）は、カセット４の後面において溝２９より上側の部分によって支持されている。これにより、ハンドル３０全体は、カセット４の上端によって回動自在に支持されている。そのため、ハンドル３０を適宜回動させることでハンドル３０を良好に掴み、カセット４をぶら下げた状態で移動させることができる。
【００５３】
カセット４は、図５（ｂ）に示すように、所定の種類の複数枚の景品２を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で、最大でたとえば１００枚程度収納することができる。この状態で、積層状態にある景品２は、カセット４の底壁４Ａに載置されている。
【００５４】
景品２が収納されたカセット４は、図４に示すように、開放された下ケーシング２２の上面を介して、下ケーシング２２に対して上から装填され、対応するカセットホルダ２３によって保持される。詳しくは、カセット４の装填に伴い、各カセット４の４つの溝２９（図５も参照）に、対応するカセットホルダ２３の４本の保持レール２５が外側から嵌り込み、カセット４は、４本の保持レール２５によって外側から囲まれることで位置決めされる。このように、カセット４は、対応するカセットホルダ２３によって保持される。
【００５５】
ここで、下ケーシング２２において、カセットホルダ２３は、左右に２つ並ぶように配置されているので、左右に並ぶカセットホルダ２３のそれぞれに保持されたカセット４は、左右に並んで配置される。このとき、左右に並んで配置された２つのカセット４のうち、左側のカセット４の開放部２８と、右側のカセット４の開放部２８とが水平方向において対向している。つまり、各カセット４は、その開放部２８が下ケーシング２２の幅方向中央を向くように、下ケーシング２２に装填されている。
（３）搬送機構
図３を参照して、上述した４つの搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、前後に並んで配置されている（図３では１つの搬送機構２４が図示されている。）。各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において左右に並ぶカセットホルダ２３（換言すれば左右に並ぶカセット４）の間に配置されている（後述する図８参照）。
【００５６】
図６は、搬送機構２４を斜め上側から見た斜視図であって、（ａ）は、搬送ユニット３２が下限位置にある状態を示し、（ｂ）は、搬送ユニット３２が上昇途中にある状態を示している。
【００５７】
図６（ａ）に示すように、各搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１と、搬送ユニット３２と、モータ（搬送ユニット移動用モータ）３３とを含んでいる。
【００５８】
搬送ユニット３２は、支持レール３１によって上下方向へスライド自在に支持されている。この状態で、搬送ユニット３２は、搬送機構２４の左右両側にあるカセットホルダ２３のいずれか一方に装填されたカセット４の開放部２８（図５参照）に対して水平方向から対向している（図８参照）。
【００５９】
モータ３３は、支持レール３１の下端に固定されている。モータ３３が駆動されると、モータ３３の駆動力が、ベルトやチェーンなどの伝達部材を介して搬送ユニット３２に伝達され、搬送ユニット３２が、支持レール３１に支持された状態で、上下方向へスライドする。これにより、図６（ｂ）に示すように、搬送ユニット３２は、カセット４に収納された景品２を、カセット４の開放部２８（図５参照）から取り出し、上方へ搬送することができる。ここで、上限近傍にあるときの搬送ユニット３２の位置を待機位置という。
【００６０】
また、搬送機構２４は、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として、回動することができる。これにより、図６の姿勢を基準として、右前に向いていた搬送ユニット３２が、搬送機構２４が１８０°回動することによって、左後へ向く（図示されていない）。搬送機構２４の回動については、以降で再度説明する。
【００６１】
図７Ａ〜図７Ｆは、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する場合の手順を説明するための模式図である。
【００６２】
ここで、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する前に、図７Ａ〜図７Ｆを参照して、搬送ユニット３２の計数機能および搬送機能について説明する。
【００６３】
なお、図７Ａ〜図７Ｆを参照するにあたって、搬送ユニット３２は、搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８に対して、右から対向しているものとし（後述する図８（ｄ）参照）、このときの搬送ユニット３２の姿勢を基準として、搬送ユニット３２における左右の向きを特定する。そのため、図７Ａ〜図７Ｆに示す状態とは異なり、搬送ユニット３２が、搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対して左から対向している場合には（後述する図８（ａ）〜（ｃ）参照）、搬送ユニット３２における左右の向きは、図７Ａ〜図７Ｆを参照したときとは逆になる。
【００６４】
搬送ユニット３２の機能には、上述した景品２を搬送する機能（搬送機能）だけでなく、各カセット４内の景品２の枚数を計数する機能（計数機能）も含まれている。さらに、この搬送機能によれば、単にカセット４内の景品２を１枚ずつ搬送するのではなく、景品２を必要枚数分まとめて搬送することができる。
（３−１）計数機能
搬送ユニット３２は、図７Ａに示すように、略ボックス形状のフレーム３５（図６（ａ）も参照）を備え、さらに、計数機能に関連して、揃え部３６とセンサ３７とを備えている。揃え部３６およびセンサ３７は、カセット４に積層状態で収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０を構成する。
【００６５】
また、上述したように搬送ユニット３２が上下方向（カセット４における景品２の積層
方向）へスライド自在であることから、搬送ユニット３２に備えられた揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）は、上下方向に相対変位可能である。
【００６６】
揃え部３６は、フレーム３５に一体的に設けられた略台形状のリブであり、フレーム３５の幅方向外側（図７Ａでは左側）へ向けて上下に狭くなるように突出している。揃え部３６の左端部は、図７Ａにおけるフレーム３５の左面（搬送機構２４に対して左側に位置するカセット４の開放部２８（図５参照）に対向する面であり、対向面３５Ａという。）よりも左側（カセット４側）へはみ出ている。
【００６７】
センサ３７は、揃え部３６と上下方向において一致する位置において、フレーム３５の対向面３５Ａに取り付けられている。センサ３７は、いわゆる反射型の光学センサであり、赤外線ＬＥＤ等から構成される発光素子（図示せず）と、発光素子（図示せず）から発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子（図示せず）とを備えている。
【００６８】
搬送ユニット３２は、揃え部３６およびセンサ３７（計数部６０）を備えることで、カセット４内に収納された景品２の枚数を数えることができる。景品２の計数は、景品払出機１または景品払出ユニットに備えられた制御部２００（図１３参照）から搬送ユニット３２（計数部６０）に命令が下ることで、実行される。
【００６９】
計数が実行されるのにあたって、まず、搬送ユニット３２の対向面３５Ａが、カセット４に積層状態で収納された景品２の側面（図７Ａでは右面）２Ａに対してカセット４の開放部２８を介して右側から対向した状態で、搬送ユニット３２が、上述した待機位置から下方へスライドする。ここで、カセット４に積層状態で収納された全ての景品２の（右）側面２Ａをまとめて積層側面２Ｂという。搬送ユニット３２が下方へスライドする際、揃え部３６が、カセット４に積み重ねられた景品２に対して、上側の景品２から順に、カセット４の開放部２８を介して右側から接触する。これにより、景品２は、上側の景品２から順に、カセット４の左壁の内面へ押し付けられていく。このとき、センサ３７は、積層側面２Ｂに対して、所定の間隔を隔てて右側から対向している。
【００７０】
そして、揃え部３６が全ての景品２に接触し終え、さらに、センサ３７が最下位にある景品２より低い位置に到達するまで搬送ユニット３２が下方へスライドすると、カセット４において上下に隣り合う景品２の右縁は、揃え部３６によって、上下方向に沿って直線状に並ぶように揃えられる。
【００７１】
なお、揃え部３６と似た形状を有する揃え部３８が、図７Ａにおけるフレーム３５の右面（搬送機構２４に対して右側に位置するカセット４の開放部２８に対向する面）に設けられている。そのため、搬送ユニット３２が上下にスライドする際には、搬送機構２４に対して左右の両側に位置する２つのカセット４のそれぞれにおける景品２の幅方向における縁が、対応する揃え部３６または３８によって一度に揃えられる。ここで、揃え部３６および３８が景品の縁を揃える動作は、対応するカセット４が下ケーシング２２に装填されたときに行なわれてもよい。
【００７２】
景品２の縁が揃えられた後、搬送ユニット３２は、待機位置へ向けて上方ヘスライドする。搬送ユニット３２の上方へのスライドに伴い、計数部６０のセンサ３７が、上述した景品２の積層側面２Ｂに対して所定の間隔を隔てて右側から対向した状態で上昇する。
【００７３】
センサ３７が上昇している最中において、センサ３７では、発光素子（図示せず）が、下側の景品２から順に、景品２の（右）側面２Ａに向けて投光し、この景品２の側面２Ａで反射される反射光が受光素子（図示せず）に受光される。ここで、上下に隣り合う景品
２の側面２Ａの境界Ｘに発光素子（図示せず）からの光が当てられた場合、景品２の側面２Ａに光が当てられる場合と比べて、受光素子（図示せず）が受光する反射光の量（受光量）が変化する。
【００７４】
そのため、センサ３７において、受光素子（図示せず）での受光量が変化する毎に、搬送ユニット３２は、景品２が１枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、搬送ユニット３２は、下側の景品２から順に１枚ずつ景品２をカウントして景品２の枚数を数え、待機位置に戻ったときには、全ての景品２の計数を完了する。
【００７５】
このように、この景品払出ユニット５には、カセット４に収納された景品２を１枚ずつ計数する機能を有する計数部６０が含まれている。そのため、この景品払出ユニット５を収容する景品払出機１（図２参照）では、カセット４に何枚の景品２が収納されているのかを把握することができる。
【００７６】
なお、各カセット４において上下に積層された景品２の計数結果は、各カセット４に収納された各景品２の上下方向における位置情報（つまり、上からＮ番目の景品２は上下方向においてどの位置にあるかという情報）を含んでいると言える。
（３−２）搬送機能
搬送ユニット３２は、搬送機能に関連して、フレーム３５に、爪４０（図６（ａ）も参照）と、支持レバー４１と、めくりローラ４２と、押えレバー４３と、カム４４と、リンクレバー４５と、モータ（景品分離用モータ）４６とをさらに備えている。爪４０、支持レバー４１、めくりローラ４２、押えレバー４３、カム４４、リンクレバー４５およびモータ４６は、分離搬送部７０（分離搬送手段）を構成している。
【００７７】
爪４０は、前後方向（図７Ａの紙面に垂直な方向）において間隔を隔てて一対設けられている（図６（ａ）も参照）。各爪４０は、カセット４の景品２側（左側）へ略水平に突出する突出部４０Ａと、突出部４０Ａの突出方向上流側（右側）の端部から下向きに延びて下端部が右側に折り曲げられた延設部４０Ｂとを一体的に備えている。
【００７８】
支持レバー４１は、２本で１組をなしており、一対の爪４０と同様に、前後方向において間隔を隔てて一対（２組）設けられている。各組における２本の支持レバー４１は、左右に並ぶように配置されており、図７Ａの状態では、ともに、右上側へ向けて傾斜して延びている。各支持レバー４１の下端部は、フレーム３５によって支持されている。これにより、各支持レバー４１は、それぞれの下端部を中心として回動自在である。支持レバー４１の回動軸は、前後方向に沿って延びている。そして、各支持レバー４１の上端部は、前後方向で同じ側にある爪４０の延設部４０Ｂの下端部に接続されている。この状態で、各支持レバー４１の上端部は、対応する爪４０の延設部４０Ｂに対して回動可能である。
【００７９】
支持レバー４１が下端部を中心に回動することで、一対の爪４０は、カセット４の景品２の積層側面２Ｂから右側へ離れてフレーム３５の対向面３５Ａより右側にある退避位置（図７Ａおよび図７Ｂ参照）と、突出部４０Ａのほとんどが対向面３５Ａより左側にあり、景品２の積層側面２Ｂよりも左側へ進出した進出位置（図７Ｆ参照）との間で、略水平方向に沿って進退することができる。
【００８０】
詳しくは、支持レバー４１が、下端部を中心として図７Ａにおける時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、退避位置にあり、支持レバー４１が、下端部を中心として反時計回りの方向における限界まで回動したときに、爪４０は、進出位置にある。爪４０は、図示しない付勢部材によって、進出位置へ向かう方向へ付勢されており、これに応じて、支持レバー４１は、下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されている。
【００８１】
めくりローラ４２は、フレーム３５の対向面３５Ａの上端に配置されており、フレーム３５によって支持されている。めくりローラ４２は、前後方向に延びる軸を中心として回転自在である。めくりローラ４２の外周面の一部（左端部）は、フレーム３５の対向面３５Ａよりも左側（カセット４側）へはみ出ている。めくりローラ４２の回転軸は、爪４０の突出部４０Ａに対して僅かに高い位置にある。
【００８２】
押えレバー４３は、上向きに延びており、上側へ向かうのに従って細くなっている。押えレバー４３は、上側へ向かうのに従って、フレーム３５の対向面３５Ａから左側へ露出され、カセット４の景品２の積層側面２Ｂ側（左側）へ若干傾いている。押えレバー４３の上下方向途中には、前後方向に延びる支持軸４３Ａが挿通されている。支持軸４３Ａは、フレーム３５によって支持されている。これにより、押えレバー４３は、支持軸４３Ａを中心として、支持軸４３Ａに対して揺動自在である。押えレバー４３は、その上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近するように（左側へ向かうように）、図示しない付勢部材によって付勢されている。
【００８３】
押えレバー４３で景品２の積層側面２Ｂに対向しない右縁において、支持軸４３Ａより下側の部分には、左側へ略Ｖ字状に窪む切欠き４３Ｂが形成されている。
【００８４】
カム４４は、押えレバー４３の切欠き４３Ｂの近傍（詳しくは切欠き４３Ｂの右側）に配置されている。カム４４は、前後方向に延びてフレーム３５によって回転自在に支持された筒部４４Ａと、筒部４４Ａの外周面の周上１箇所において、筒部４４Ａの径方向外側へ突出する凸部４４Ｂとを一体的に備えている。
【００８５】
図７Ａでは、カム４４の凸部４４Ｂが、左側を向いており、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触している。これにより、押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向へ押えレバー４３が揺動しようとすることが規制されている。そして、この状態では、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置している。
【００８６】
リンクレバー４５は、前後方向において間隔を隔てて一対設けられている。リンクレバー４５は、カム４４の下方かつ、前後方向で同じ側にある支持レバー４１よりも景品２に近い側（左側）に配置されている。リンクレバー４５の長手方向一端部には、前後方向に延びる支持軸４５Ａが挿通されている。支持軸４５Ａは、フレーム３５によって回転自在に支持されている。これにより、リンクレバー４５は、支持軸４５Ａを中心として、支持軸４５Ａとともに回転自在である。そして、リンクレバー４５の長手方向他端には、前後方向に突出するボス４５Ｂが一体的に設けられている。
【００８７】
図７Ａでは、ボス４５Ｂが、支持軸４５Ａより右側にあり、前後方向で同じ側にある１組の支持レバー４１（詳しくは左側の支持レバー４１）に対して、左側（カセット４の景品２側）から当接して支持レバー４１を位置決めしており、これにより、爪４０が退避位置に位置決めされている。
【００８８】
モータ４６は、たとえば、リンクレバー４５より高い位置に配置されている。モータ４６の出力軸４６Ａは、前後方向に延びている。
【００８９】
そして、モータ４６の出力軸４６Ａと、リンクレバー４５の回転軸（支持軸４５Ａ）との間には、無端状の第１ベルト４７が巻回されている。リンクレバー４５の回転軸と、カム４４の回転軸（筒部４４Ａ）との間には、無端状の第２ベルト４８が巻回されている。カム４４の回転軸と、押えレバー４３の揺動軸（支持軸４３Ａ）との間には、無端状の第
３ベルト４９が巻回されている。押えレバー４３の揺動軸と、めくりローラ４２の回転軸との間には、無端状の第４ベルト５０が巻回されている。
【００９０】
モータ４６が駆動されると、モータ４６が発生した駆動力が、第１ベルト４７、第２ベルト４８、第３ベルト４９、第４ベルト５０を介して、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２に対して、この順で伝達される。これにより、リンクレバー４５、カム４４、めくりローラ４２は、図７Ａにおける時計回りの方向へ回転する。一方、押えレバー４３には、モータ４６が発生した駆動力は伝達されない。
【００９１】
なお、フレーム３５には、第１センサ５１と第２センサ５２とが設けられている。第１センサ５１は、支持レバー４１の位置を検知する。第２センサ５２は、リンクレバー４５の位置を検知する。
【００９２】
次に、搬送ユニット３２がカセット４の景品２を搬送する手順を説明する。
【００９３】
まず、搬送ユニット３２が待機位置（上限近傍）にあり、爪４０が退避位置にある状態において、景品２を所定の払出枚数分（ここでは１枚とする。）だけ払い出すとの命令が、上述した制御部２００から搬送ユニット３２に下る。これにより、搬送ユニット３２は、フレーム３５の対向面３５Ａがカセット４に収納された景品２に対して右から対向した状態で、下降する（太線矢印参照）。下降に伴い、搬送ユニット３２は、計数部６０のセンサ３７によって上述したように、積層された景品２を、上の景品２から順に計数する。
【００９４】
そして、搬送ユニット３２は、払出枚数分（ここでは１枚）まで景品２を計数すると、図７Ｂに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致するまで、さらに下降する（太線矢印参照）。
【００９５】
図７Ｃに示すように、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに爪４０の突出部４０Ａが上下方向で一致すると、搬送ユニット３２は下降をやめて停止する。この際、モータ４６が駆動され、これにより、分離搬送部７０におけるめくりローラ４２、カム４４およびリンクレバー４５が時計回りに回転（回動）し始める。
【００９６】
ここで、めくりローラ４２では、その外周面の一部（左端部）が、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２の側面（右面）２Ａに接触している。そのため、めくりローラ４２が時計回りに回転することによって、この景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられる。これにより、払い出す景品２と払い出さない景品２との間に、隙間Ｙが形成される。なお、ここでは、払い出す景品２の枚数が１枚なので、１枚の景品２がめくり上げられているが、複数枚の景品２を払い出すときには、払い出す景品２のうち最も下側にある景品２がめくりローラ４２によってめくり上げられることで、複数枚の景品２全てが一塊（景品群）となってめくり上げられる。
【００９７】
また、このときには、カム４４の回転に伴って、カム４４の凸部４４Ｂが、押えレバー４３の切欠き４３Ｂに一致する。その結果、上述したカム４４の凸部４４Ｂによる押えレバー４３の揺動の規制（図７Ａおよび図７Ｂ参照）が解除され、押えレバー４３は、切欠き４３Ｂがカム４４の凸部４４Ｂに近付く方向（換言すれば押えレバー４３の上端部が景品２の積層側面２Ｂへ接近する方向）へ、揺動する。これに伴い、押えレバー４３の上端部が、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側（右上側）から押える。これにより、めくりローラ４２が、払い出す景品２をめくり上げても、その景品２の真下にある払い出さない景品２までもがめくり上げられることはない。
【００９８】
そして、図７Ｄに示すように、引き続きモータ４６が駆動されることで、めくりローラ
４２がさらに時計回りに回動すると、払い出す景品２がさらにめくり上げられ、払い出す景品２と払い出さない景品２との隙間Ｙが上下に大きくなる。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。
【００９９】
また、上述したようにリンクレバー４５が時計回りの方向へ回転（回動）することによって、支持レバー４１に対して左側（カセット４の景品２側）から当接していたボス４５Ｂは、支持レバー４１に当接した状態を保ちつつ、時計回りの方向へ回動しながら、カセット４の景品２側（左側）へ移動する。なお、支持レバー４１においてボス４５Ｂに当接される部分（左縁）は、ボス４５Ｂが円滑に回動できるように、ボス４５Ｂの回動軌跡に沿って湾曲している。
【０１００】
そして、支持レバー４１は、上述したように下端部を中心とする反時計回りの方向へ付勢されているので、リンクレバー４５のボス４５Ｂが左側へ移動するのに伴い、反時計回りの方向（左側）へ移動する。これに伴い、リンクレバー４５に連結された爪４０も左側へ移動する。ここで、爪４０の突出部４０Ａは、払い出す景品２と払い出さない景品２との境界Ｘに上下方向で一致しているので（図７Ｃも参照）、爪４０が左側へ移動するのに伴い、境界Ｘから、上述した隙間Ｙに進入し、払い出す景品２と払い出さない景品２とを分離し始める。
【０１０１】
その後、引き続きモータ４６が駆動されることで、リンクレバー４５がさらに時計回りに回動すると、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れる。これにより、支持レバー４１は、反時計回りの方向（左側）へ一気に回動し、これに伴い、爪４０の突出部４０Ａが、上述した隙間Ｙ内を左側へ一気に移動する。
【０１０２】
その後、一瞬支持レバー４１から外れたリンクレバー４５のボス４５Ｂが、図７Ｅに示すように、支持レバー４１に対して、再び左側から当接し、これにより、支持レバー４１の回動および爪４０の移動が停止する。このとき、爪４０は、上述した進出位置にある。
【０１０３】
つまり、リンクレバー４５のボス４５Ｂが、一瞬、支持レバー４１に対して左側へ外れたときに、爪４０は、一瞬で進出位置に到達する。なお、爪４０が進出位置にないときには支持レバー４１が第１センサ５１に一致している一方で（図７Ａ〜図７Ｄ参照）、爪４０が進出位置にあるときには支持レバー４１が第１センサ５１から離れるので（図７Ｅおよび図７Ｆ参照）、第１センサ５１は、支持レバー４１が離れるのに応じて、爪４０が進出位置に到達したことを検知する。
【０１０４】
進出位置に到達した爪４０は、払い出す景品２をすくい上げることで、払い出す景品２と払い出さない景品２とを完全に分離し、払い出す全て（ここでは1 枚だけ）の景品２は、爪４０の突出部４０Ａに載置される。なお、このときも、押えレバー４３は、その上端部において、払い出す景品２の真下にある払い出さない景品２を、斜め上側から押えている。また、払い出す全ての景品２が爪４０の突出部４０Ａに載置されるときには、モータ４６の駆動が停止している。
【０１０５】
このように払い出す景品２と払い出さない景品２とが完全に分離された後、図７Ｆに示すように、搬送ユニット３２は、待機位置に向かって上昇する（太い実線矢印参照）。これにより、搬送ユニット３２の爪４０の突出部４０Ａに載置された全ての景品２は、搬送ユニット３２とともに上昇する（図６（ｂ）も参照）。つまり、搬送ユニット３２（詳しくは分離搬送部７０）は、払い出す枚数の景品２を上方へ搬送する。
【０１０６】
なお、爪４０の突出部４０Ａに載置された景品２が、客に払出されると（詳しくは、後
述する図９に示すように上ユニット２１側に受け渡されると）、モータ４６が再び駆動される。
【０１０７】
これにより、カム４４が時計回りに回動し（このとき、カム４４は１回転を終えたことになる。）、カム４４の凸部４４Ｂが、図７Ａに示すように、再び左側を向き、押えレバー４３の右縁における切欠き４３Ｂより下側の部分に対して右側から接触する。これにより、押えレバー４３は、景品２の積層側面２Ｂに対して所定距離だけ右側に位置した状態（景品２に接触しない状態）で位置決めされる。
【０１０８】
また、リンクレバー４５が、図７Ｆに示す状態から時計回りの方向へ回動することにより、ボス４５Ｂが、支持レバー４１に左側から当接した状態で、景品２の積層側面２Ｂから離れる方向（右側）へ移動する。この際、支持レバー４１は、ボス４５Ｂに押されることで時計回りの方向（右側）へ回動し、これに伴い、爪４０は、右側へ移動して、リンクレバー４５の回動が停止したとき（このとき、リンクレバー４５は１回転を終えたことになる。）には、図７Ａに示す退避位置に戻る。
【０１０９】
以上で説明した場合（第１の場合という。）では、搬送ユニット３２は、計数部６０によって、払い出す分（払出枚数分）だけ景品２を計数してから、払い出す景品２を、分離搬送部７０によって、カセット４における残りの景品２から分離して搬送している。
【０１１０】
しかし、搬送ユニット３２が、上述したようにカセット４の全ての景品２の枚数を予め計数することで計数結果から各景品２の位置を予め把握し、その後、搬送ユニット３２が、計数動作を伴わずに、単に景品２を搬送してもよい。この場合（第２の場合という。）、搬送ユニット３２は、景品２を搬送するのに先立って、上述したように把握した景品２の位置情報に基づいて、払い出す景品２のところまで移動し（図７Ｃ参照）、分離搬送部７０によって、景品２を分離搬送する。
【０１１１】
ここで、いずれの場合（上述した第１の場合および第２の場合）にも、搬送ユニット３２の分離搬送部７０は、カセット４に収納された景品２において、計数部６０（詳しくは、計数部６０の計数により得られる各景品２の位置情報）を利用して、所定の払出枚数に相当する景品群を特定し（図７Ｃ参照）、特定した景品群を他の景品２から分離して上方（所定方向）に搬送している（図６（ｂ）および図７Ｆ参照）。これにより、所定の払出枚数の景品２を払い出す場合には、当該払出枚数分の景品２を、１枚ずつ分離搬送することなく、まとめて迅速に搬送できるので（図６（ｂ）参照）、景品２の払い出しに掛かる時間の短縮化を図ることができる。
【０１１２】
また、上述した計数部６０が搬送ユニット３２に備えられているのに対し、分離搬送部７０も搬送ユニット３２に備えられているので、計数部６０と分離搬送部７０とは一体化されている。これにより、計数部６０と分離搬送部７０とそれぞれが単独で存在する場合に比べて、景品払出ユニット５において、景品２を分離搬送する機構に起因する装置の大型化を抑制し、景品払出ユニット５の構成を簡略化することができる。
【０１１３】
図８は、景品払出ユニット５の模式的な正断面図である。
各搬送機構２４は、下ケーシング２２内において、左右に並ぶカセットホルダ２３（左右に並ぶカセット４）の間に配置されている。
【０１１４】
そして、搬送機構２４の搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、たとえば、図８（ａ）に示すように、まず、右側のカセットホルダ２３に装填された右側のカセット４に左から対向する。そして、上述した手順によって、右側のカセット４に収納された景品２を、払出枚数分だけ、上側の景品２から順に、上方の上ユニット２１に搬送する（
図８（ｂ）参照）。
【０１１５】
この結果、図８（ｃ）に示すように、右側のカセット４の全ての景品２が搬送されて右側のカセット４が空になると、図８（ｄ）に示すように、搬送機構２４は、上述したように、垂直方向に延びる支持レール３１を中心として１８０°回動する（図８（ｄ）の太線矢印参照）。
【０１１６】
これにより、搬送ユニット３２のフレーム３５の対向面３５Ａは、左側のカセットホルダ２３に装填された左側のカセット４に右から対向し、今度は、左側のカセット４に収納された景品２を、上側の景品２から順に、上述した手順によって、分離し、上方へ搬送することができる。
【０１１７】
このように、１つの搬送機構２４は、左右のカセット４の間に配置されて、これら２つのカセット４におけるそれぞれの景品２を計数および分離搬送している。つまり、搬送機構２４（一体化された１組の計数部６０および分離搬送部７０）とカセット４とが、１対２の関係になっており、１つの搬送機構２４は、左右に並んで配置された２つのカセット４のそれぞれに収納された景品２に対して対応可能である。
〔２−２−２〕上ユニット
図９は、内部が露出された状態にある上ユニット２１を斜め上側から見た斜視図であって、搬送機構２４も一緒に示している。
【０１１８】
次に、上ユニット２１について説明する。
図９に示すように、上ユニット２１は、その外郭をなす上ケーシング８０と、上ケーシング８０内に配置される保留ボックス８１およびエレベータ８２（図９には図示されず、後述する図１０を参照）とを含んでいる。保留ボックス８１は、受入部および搬送手段として機能する。
【０１１９】
上ケーシング８０は、前後方向に長手で上下に扁平なボックス形状である。なお、図９において、上ケーシング８０の前壁および右壁は省略されている。上ケーシング８０では、上面が開放されている。
【０１２０】
また、上ケーシング８０の底面には、上ケーシング８０内に連通する６つの開口８３が形成されている。６つの開口８３は、前後に３つ、左右に２つ並ぶように形成されている。各開口８３は、前後に長手の矩形状であり、特に、前後に３つ並ぶ開口８３において、真ん中にある開口８３は、残りの開口８３よりも前後方向に２倍程度大きい。
【０１２１】
下ユニット２０がキャビネット３（図２参照）内にある状態（下ユニット２０と上ユニット２１とが一体化された状態であり、図３参照）では、各開口８３は、対応するカセット４（図４参照）の開放された上面に対して真上から臨んでいる。
【０１２２】
つまり、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も前側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も前側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。また、左側で前後に並ぶ３つの開口８３において、最も後側の開口８３は、下ユニット２０において左側で前後に並ぶ４つのカセット４のうち、最も後側のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。一方、前後方向で真ん中にある開口８３は、前後に並ぶ４つのカセット４のうち、前から２番目および３番目のカセット４の上面に対して上から臨んでいる（図４も参照）。右側で前後に並ぶ３つの開口８３についても同様である。
【０１２３】
保留ボックス８１は、左右に２つ設けられている（図９では、保留ボックス８１が１つ
だけ図示されている。）。保留ボックス８１は、左右にやや薄いボックス形状であり、その上面および底面は、開放されている。
【０１２４】
保留ボックス８１の平断面は、カセット４と同様に、略コ字形状をなしている（図５参照）。図９に示す左側の保留ボックス８１では、右面が上下方向における全域において開放されており、図示されていない右側の保留ボックス８１では、左面が上下方向における全域において開放されている。各保留ボックス８１において、このように開放された部分を、開放部８４という。開放部８４は、保留ボックス８１の開放された上面および底面の両方に対して連続している。
【０１２５】
左側の保留ボックス８１は、上ケーシング８０の左壁によって前後方向へスライド自在に支持されており、右側の保留ボックス８１（図示せず）は、上ケーシング８０の右壁によって前後方向へスライド自在に支持されている。左右の保留ボックス８１は、図示しないモータにより、互いに連動することなく、単独でスライドすることができる。
【０１２６】
そして、各保留ボックス８１は、前後にスライドする際に、左右方向において同じ側で前後に並ぶ３つの開口８３の上方を通過する。
【０１２７】
ここで、左側における最も前側の開口８３を参照して、上述したように搬送ユニット３２（分離搬送部７０）が、この開口８３の下方にあるカセット４（図４参照）の景品２を上方へ搬送する際、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１（ここでは左側の保留ボックス８１）は、搬送される景品２の真上に位置するように移動してから、この位置で待機する。
【０１２８】
そして、搬送ユニット３２の分離搬送部７０によって上方へ搬送されてきた景品２は、この景品２を収納していたカセット４の上方にある開口８３（ここでは、左側における最も前側の開口８３）、待機している保留ボックス８１の開放された底面を順に通過し、保留ボックス８１内に収容される。つまり、保留ボックス８１は、カセット４に対して上方（上下方向における隣）に配置され、分離搬送部７０が搬送してきた景品２を受け入れる。この後、搬送ユニット３２は、元の位置（上述した待機位置）へ戻る。
【０１２９】
なお、保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１に設けられた爪（図示せず）が、保留ボックス８１内に突出し、保留ボックス８１内で最も下側にある景品２に対して下から係合する。これにより、保留ボックス８１内に収容された景品２が保留ボックス８１の底面から落下することはない。
【０１３０】
図１０は、内部が露出された状態にある上ユニット２１の斜視図であって、エレベータ８２を示している。図１１は、図１０において、エレベータ８２の伸縮機構８７が伸長状態に姿勢を変えた様子を示している。
【０１３１】
図１０に示すように、エレベータ８２は、上ケーシング８０の底壁の前後方向略中央位置にあり、上ケーシング８０の底壁において左右に隣り合う開口８３の間で前後に延びる部分（リブ８５という。）に上から取り付けられている。この状態で、エレベータ８２は、リブ８５上で前後に移動することができる。エレベータ８２は、左右に間隔を隔てて配置される２枚の水平な板状のステージ８６と、伸縮機構８７とを含んでいる。
【０１３２】
２枚のステージ８６のうち、左側のステージ８６は、左側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでおり、右側のステージ８６は、右側で前後に３つ並ぶ開口８３における真ん中の開口８３に対して上から臨んでいる。この状態で、２枚のステージ８６は、連結部材８８によって連結され、一体化されている。
【０１３３】
伸縮機構８７は、いわゆるパンタグラフ構造であり、図１０に示すように上下に扁平な収縮状態と、上側へ伸び出た伸長状態（図１１参照）とに姿勢を変えることができる。伸縮機構８７では、その前後方向略中央部分（上昇部分８９という。）が、伸縮機構８７が収縮状態から伸長状態へ姿勢を変えるときに最も上昇する。伸縮機構８７が収縮状態と伸長状態との間で姿勢を変える際、上昇部分８９は、垂直方向に沿って直線的に上下する。２枚のステージ８６を連結する連結部材８８は、伸縮機構８７の上昇部分８９に上から取り付けられている。
【０１３４】
図１０に示すように伸縮機構８７が収縮状態にあるときには、各ステージ８６は、左右方向で同じ側にある保留ボックス８１の底面よりも低い位置にある。図１１に示すように伸縮機構８７が伸長状態にあるときには、各ステージ８６は、左右で同じ側にある保留ボックス８１（図１０では、左側の保留ボックス８１だけが図示されている。）よりも高い位置にあり、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）に一致する。
【０１３５】
ここで、上述したように保留ボックス８１内に景品２が収容されると、保留ボックス８１は、前後方向にスライドし、図１０に示すように、左右方向で同じ側にあるステージ８６の真上（換言すれば払出口８の真下）で停止する。つまり、保留ボックス８１は、受け入れた景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送する。このとき、伸縮機構８７は、収縮状態にある。
【０１３６】
このように、保留ボックス８１は、搬送ユニット３２（図９参照）によって搬送された景品２を払出口８側へ搬送した後、搬送された景品２を払出口８の下方で保留することから、上述した第２搬送部１１および保留部１２として機能している。保留ボックス８１により、カセット４から搬送された景品２を、払出口８へ向けて確実に搬送することができる。
【０１３７】
なお、ステージ８６の真下に位置するカセット４の景品２を払い出す場合には、ステージ８６を含むエレベータ８２全体が、このカセット４に対して前後のどちらかへずれる。そして、このカセット４から搬送された景品２が保留ボックス８１内に収容されると、払出口８の真下にステージ８６が配置されるように、エレベータ８２が元の位置に戻る。
【０１３８】
そして、このように保留ボックス８１が景品２を所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送すると、収縮状態にあった伸縮機構８７が、図１１に示すように、伸長状態へと姿勢を変える。これにより、保留ボックス８１の真下にあったステージ８６が、垂直方向に沿って上昇する。この際、このステージ８６は、保留ボックス８１の開放された底面を通過し、その後、保留ボックス８１に収容された景品２のうち最も下側に位置する景品２の底面を下から押し上げる。これにより、保留ボックス８１に収容された全ての景品２は、ステージ８６に載置された状態で上昇する。
【０１３９】
そして、伸縮機構８７が伸長状態になったときには、保留ボックス８１に収容されていた全ての景品２は、ステージ８６によって持ち上げられ、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動する。このとき、キャビネット３の上面において左右方向で同じ位置にある払出口８（図２参照）が開放されており、保留ボックス８１の開放された上面よりも上方へ移動した景品２は、開放された払出口８からキャビネット３の上面に露出される。つまり、エレベータ８２は、保留ボックス８１によって所定位置（ステージ８６の真上かつ払出口８の真下）に搬送された景品２を払出口８へ持ち上げていることから、上述したリフト部１３として機能している。エレベータ８２により、搬送ユニット３２の分離搬送部７０（図９参照）がカセット４から搬送した景品２を、景品払出機１の払出口８へ
向けて確実に搬送することができる。
【０１４０】
ここで、図２を参照して、払出口８を開閉するシャッタ９は、払出口８を開放したときには、払出口８に対して前側（係員側）にずれている（この状態は図示せず）。上述したように景品２が払出口８から露出されると、シャッタ９は、後側（客側）へスライドし、景品２を後側の客へ向けて押し出しつつ、払出口８を閉じる。この後、伸縮機構８７は、収縮状態に戻る（図１０参照）。
【０１４１】
図１２は、景品払出機１の模式的な側断面図である。
【０１４２】
図１２を参照して、以上で説明した本発明の景品払出機１の各景品払出ユニット５における景品２の払い出し動作をまとめる。なお、図１２の太線矢印は、払い出される景品２（図５（ｂ）参照）の流れを示している。
【０１４３】
各景品払出ユニット５において、下ユニット２０の各カセット４に収納された景品２は、必要な枚数（払出枚数）だけ分離された後、上向きへ搬送されて上ユニット２１内に受け渡される。その後、上ユニット２１内に受け渡された景品２は、中央位置（払出口８の真下）へ搬送される。次に、払出口８のシャッタ９が開放されるとともに、景品２が、エレベータ８２によって払出口８まで持ち上げられ、最後に、払出口８を閉じようとするシャッタ９によって後側（図１２における左側であり、後述する図１３においても同様）に押し出され、客に払い出される。
〔３〕景品払出機１の電気的構成
図１３は、景品払出機１の電気的構成を示している。
【０１４４】
景品払出機１は、景品払出制御、景品計数制御、景品在庫数の管理、景品管理機１００との通信等を行う制御部２００を備えている。制御部２００には、搬送機構２４の駆動装置２０１、光学センサ３７、保留ボックス８１の駆動装置２０２、エレベータ８２の駆動装置２０３、シャッタ９の駆動装置２０４、扉開閉検知器２０５、通信部２０６、操作表示部７、時計部２０７、記憶部２０８等が接続されている。そして、制御部２００には、景品の払出処理を実行させる払出制御部２００ａ、所定の条件が成立したときに景品計数処理を実行させる計数制御部２００ｂおよび景品管理機１００との間の通信を行なう通信制御部２００ｃが含まれる。
【０１４５】
搬送機構２４の駆動装置２０１には、搬送ユニット３２を移動させるためのモータ３３や、搬送ユニット３２に搭載されかつ景品を分離させるためのモータ４６が含まれる。保留ボックス８１の駆動装置２０２には、保留ボックス８１を移動させたるためのモータが含まれる。エレベータ８２の駆動装置２０３には、エレベータ８２を移動させるためのモータや伸縮機構８７を伸縮させるためのソレノイド（またはモータ）が含まれる。シャッタ９の駆動装置２０４には、シャッタ９を開閉（スライド）させるためのモータが含まれる。
【０１４６】
記憶部２０８には、景品管理機１００の親機１００＿Ｍで集計データを作成するために必要なデータを記憶するための在庫管理テーブルが設けられている。在庫管理テーブルには、次のような４種類のテーブルＴＡ１〜ＴＡ４がある。
【０１４７】
”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”（図１４参照）：各レーン毎に景品の種類を記憶したテーブル。図１４の例では、第１および第２レーン内の８つのカセット４には特大景品（５０００円の景品）が収納され、第３および第４レーン内の８つのカセット４には大景品（１０００円の景品）が収納され、第５および第６レーン内の８つのカセット４には中景品（５００円の景品）が収納され、第７および第８レーン内の８つのカセット４には
小景品（１００円）の景品が収納される。
【０１４８】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”（図１５参照）：各カセット毎の”景品在庫数”および所定期間内の”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、各カセット毎の”景品補充数（推定値）”は、後述する”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間内に当該カセットに補充された景品数を意味する。
【０１４９】
”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”（図１６参照）：各レーン毎の”景品在庫数”および”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、各レーン毎の”景品補充数（推定値）”は、後述する”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間に当該レーン内のカセットに補充された景品数を意味する。
【０１５０】
”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”（図１７参照）：景品種類毎の”景品在庫数”および”景品補充数（推定値）”を記憶するテーブル。なお、景品種類毎の”補充数（推定値）”は、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”を含む集計用データを景品管理機１００に前回送った直後（営業日において電源が入れられてから集計用データが送られていない場合には、電源が入れられた直後）から現在までの所定期間に当該景品払出機１内に補充された当該景品種類の景品数を意味する。
【０１５１】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”および”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の内容は、景品払出処理（図２２のステップＳ１０の処理）を行ったときや、搬送機構２４の計数機能を用いて在庫確認処理（図２２のステップＳ１１、Ｓ１４の処理）を行ったときに、更新される。
【０１５２】
さらに、記憶部２０８には、在庫管理データ、日時、イベント等からなるログデータが記憶される。ログデータに含まれる在庫管理データの種類には、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”がある。ログデータは、上記テーブルＴＡ２，ＴＡ３，ＴＡ４の内容が更新されるときに、その都度新たに作成されて、記憶部２０８に追加記憶される。つまり、異なる複数のタイミングで作成された個々のログデータは、景品在庫数の推移を表す履歴データとして記憶部２０８に保存される。
〔４〕景品管理機１００の電気的構成
図１８は、景品管理機１００の電気的構成を示している。
【０１５３】
景品管理機１００は、配下の景品払出機１に対する景品払出制御、配下の景品払出機１に対する計数制御、配下の景品払出機１および他の景品管理機１００との通信等を行う制御部３００を備えている。
【０１５４】
景品管理機１００が親機１００＿Ｍである場合には、制御部３００は、自己の配下にある景品払出機１から集計用データを取得するとともに、他の子機１００＿Ｓと通信を行なうことにより、他の子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１から集計用データを取得する機能を備えている。この実施形態では、集計用データは、景品払出機１の識別番号（号機番号）と、当該景品払出機１の”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”（図１７参照）に記憶されている景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”とから構成されている。
【０１５５】
また、親機１００＿Ｍは、店全体の景品の在庫管理、通い箱（景品保管部）内の景品の在庫管理、各景品払出機１内の景品の在庫管理、全景品払出機１内の景品の在庫管理等を行なう機能や、各在庫管理データを表示したり、印字したりする機能を備えている。
【０１５６】
制御部３００には、通信部３０１、バーコード・リーダ３０２、印字部３０３、記憶部３０４、操作表示部３０５等が接続されている。そして、制御部３００には、景品払出機１に景品の払出処理を実行させる払出制御部３００ａ、景品払出機１に景品計数処理を実行させる計数制御部３００ｂ、配下の景品払出機１や他の景品管理機１００と通信を行なうための通信制御部３００ｃが含まれる。
【０１５７】
親機１００＿Ｍの記憶部３０４には、次のような３種類のテーブルＴＢ１、ＴＢ２、ＴＢ３が設けられている。
【０１５８】
”通い箱内在庫管理テーブル（景品保管部内在庫管理テーブル）ＴＢ１”（図１９参照）：通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数を記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときにクリアされる。
【０１５９】
”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”（図２０参照）：各景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数と、全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときにクリアされる。
【０１６０】
”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”（図２１参照）：店全体の景品種類毎の景品在庫数を記憶するテーブル。このテーブルの内容は、閉店後の締上処理が終了したときはクリアされず、その内容が翌日に持ち越される。ただし、締上処理によって実際に算出された店全体の景品在庫数と、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”との内容が異なる場合には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”に実際の店全体の景品在庫数が設定される。
【０１６１】
ところで、遊技施設においては、開店前に、景品問屋によって景品が遊技施設に搬入される。景品は通い箱に入れられて搬入される。通い箱は、遊技施設の所定の景品保管部に収納される。係員は、景品問屋の仕入伝票に基づいて、仕入れた景品種類毎の景品数を仕入データとして親機１００＿Ｍに数値入力する。親機１００＿Ｍは、仕入れデータとして入力された景品種類毎の景品数を、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容に加算するとともに、加算後の”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容を ”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”に設定する。これにより、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”および”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、景品仕入後の、店全体の景品在庫数を表す内容となる。
【０１６２】
係員は、開店準備時に、通い箱（景品保管部）から景品を取り出し、景品が空の状態の景品払出機に景品を補充する。各景品払出機に景品が補充された後において、最初に在庫確認処理（図２２のステップＳ２，Ｓ１１）が行なわれることにより、景品払出機１内のテーブルＴＡ２、ＴＡ３、ＴＡ４に在庫管理データが記憶される。
【０１６３】
この後において、親機１００＿Ｍに対して係員による集計操作が行なわれることにより、親機１００＿Ｍによる集計処理（図２９のステップＳ８８またはＳ８９）が行なわれると、親機１００＿Ｍ内の”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”および”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”の内容が、更新される。また、親機１００＿Ｍ内の”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”の内容は、親機１００＿Ｍまたは子機１００＿Ｓのいずれかが景品払出しのための景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６、図２５のステップＳ４５）を行なったときにも、更新される。
【０１６４】
この実施形態では、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、景品払出処理が行なわれる度に、払出される景品数を減算することによって更新される。具体的には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、親機１００＿Ｍまたは子機１００＿Ｓのいずれかが景品払出しのための景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６、図２５のステップＳ４５）を行なったときにのみ更新される。したがって、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、本来的に店内に存在しているべき景品在庫数を表す。このため、正規の景品払出処理以外の原因によって店内の景品数が減少した場合には、”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容は、実際の店全体の景品在庫数と一致しなくなる。
【０１６５】
一方、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせた数は、原則的には、実際の店全体の景品在庫数と一致する。しかしながら、この実施形態では、正規の景品払出処理以外の原因によって店内の景品数が減少した場合においては、”通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１”内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせた数は、実際の店全体の景品在庫数と一致するのではなく、本来的に店内に存在しているべき景品在庫数（”店全体在庫管理テーブルＴＢ３”の内容）となるように、在庫訂正が行なわれる。
〔５〕景品払出機１および景品管理機１００による処理
各景品払出機１の操作表示部７には、在庫確認キーが設けられている。同様に、景品管理機（親機および子機）１００の操作表示部３０５には、在庫確認キー、テンキー等が設けられている。親機１００＿Ｍの操作表示部３０５には、さらに、第１の集計キーおよび第２の集計キーが設けられている。
〔６〕景品払出機１０３による処理
図２２は、景品払出機１によって実行される処理の手順を示している。
【０１６６】
電源が投入されると（ステップＳ１）、在庫管理のための在庫確認処理を行う（ステップＳ２）。在庫確認処理は、搬送機構２４の計数機能を利用した処理である。在庫確認処理の詳細については、後述する。
【０１６７】
ステップＳ２の在庫確認処理が終了すると、景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したか否か（ステップＳ３）、景品払出機１の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か（ステップＳ４）、タイマ予約設定によって設定された時刻（タイマ予約時刻）となったか否か（ステップＳ５）、在庫確認指令が入力されたか否か（ステップＳ６）、景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したか否か（ステップＳ７）、景品管理機１００からの第１の集計コマンドを受信したか否か（ステップＳ８）、景品管理機１００からの第２の集計コマンドを受信したか否か（ステップＳ９）を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで行われる。電源が遮断された場合には（ステップＳ１７でＹＥＳ）、処理を終了する。
【０１６８】
上記ステップＳ３の景品管理機１００からの景品払出コマンドは、景品管理機１００によって、レシートにバーコード記録されている遊技媒体数が読み取られたことに起因して、景品管理機１００から送信される。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報が含まれる。上記ステップＳ４の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知器２０５の出力に基づいて判別される。上記ステップＳ５のタイマ予約設定は、在庫確認処理を行う時刻を予約設定できる機能であり、景品払出機１の操作表示部７を係員が操作することによって行われる。
【０１６９】
上記ステップＳ６における在庫確認指令は、景品払出機１の操作表示部７上の在庫確認キーが操作されることによって入力される。上記ステップＳ７における在庫確認コマンド
は、景品管理機１００の操作表示部３０５上の在庫確認キーが操作されることに起因して、景品管理機１００から送信されてくる。
【０１７０】
上記ステップＳ８における第１の集計コマンドは、当該景品払出機１が親機１００＿Ｍによって直接管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第１の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから送信されてくる。当該景品払出機１が子機１００＿Ｓによって管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第１の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから子機１００＿Ｓを介して送信されてくる。
【０１７１】
上記ステップＳ９における第２の集計コマンドは、当該景品払出機１が親機１００＿Ｍによって直接管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第２の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから送信されてくる。当該景品払出機１が子機１００＿Ｓによって管理されている場合には、親機１００＿Ｍの第２の集計キーが操作されることに起因して、親機１００＿Ｍから子機１００＿Ｓを介して送信されてくる。
【０１７２】
第１の集計コマンドは、景品払出機１から単に集計用データを取得するためのコマンドであるのに対し、第２の集計コマンドは、景品払出機１に計数処理を伴う在庫確認処理を行なわせた後に、景品払出機１から集計用データを取得するためのコマンドである。
【０１７３】
景品管理機１００からの景品払出コマンドを受信したときには（ステップＳ３でＹＥＳ）、景品払出処理を行う（ステップＳ１０）。この景品払出処理の詳細については、後述する。ステップＳ１０の景品払出処理が終了すると、ステップＳ４に移行する。
【０１７４】
景品払出機１の扉６が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき（ステップＳ４でＹＥＳ）、現在時刻がタイマ予約時刻になったとき（ステップＳ５でＹＥＳ）、在庫確認指令が入力されたとき（ステップＳ６でＹＥＳ）、または景品管理機１００からの在庫確認コマンドを受信したとき（ステップＳ７でＹＥＳ）には、在庫確認処理を行う（ステップＳ１１）。この在庫確認処理は、ステップＳ２の在庫確認処理と同じ処理であり、その詳細については後述する。ステップＳ１１の在庫確認処理が終了すると、ステップＳ８に移行する。
【０１７５】
景品管理機１００からの第１の集計コマンドを受信したときには（ステップＳ８でＹＥＳ）、集計用データを上記景品管理機１００に送信した後（ステップＳ１２）、テーブル更新処理を行なう（ステップＳ１３）。上述したように、集計用データは、当該景品払出機の識別番号と、景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４（図１７参照）内の景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”とからなる。上記ステップＳ１３のテーブル更新処理では、各テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする（０にする）。ステップＳ１３の処理が終了すると、ステップＳ９に移行する。
【０１７６】
景品管理機１００からの第２の集計コマンドを受信したときには（ステップＳ９でＹＥＳ）、在庫確認処理を行なった後（ステップＳ１４）、集計用データを上記景品管理機１００に送信する（ステップＳ１５）。この後テーブル更新処理を行なう（ステップＳ１６）。ステップＳ１４の在庫確認処理は、ステップＳ２の在庫確認処理と同じ処理であり、その詳細については後述する。上記ステップＳ１６のテーブル更新処理では、各テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする（０にする）。ステップＳ１６の処理が終了すると、ステップＳ１７に移行する。
【０１７７】
ところで、開店準備時において、電源がオフの状態で入庫（補充）が行われた場合には、電源がオンになったときに上記ステップＳ２の在庫確認処理が行われるので、景品払出機１によって在庫数（入庫数）が確認される。開店準備時において、電源がオンの状態で
入庫が行われた場合には、当該入庫作業が終了して扉６が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、景品払出機１によって在庫数（入庫数）が確認される。つまり、開店準備時において空の状態から各カセットに補充された景品数は、開店時までには自動的に計数されて取得される。
【０１７８】
営業時間中に、追加入庫（追加補充）が行われた場合には、当該追加入庫作業が終了して扉６が開放状態から閉鎖されたときに、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、追加入庫作業が終了した際には、景品払出機１によって追加入庫後の在庫数が確認される。
【０１７９】
従来、閉店後に行われていた締上処理または営業時間中に係員の交代時に行われていた締上処理においては、係員が計数作業を手作業で行っていたが、本実施の形態では、労力削減および時間短縮のために、搬送機構２４の計数機能によって自動的に計数を行うようにする。このため、本実施の形態では、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、係員は、景品払出機１または景品管理機１００の操作表示部７，３０５に設けられた在庫確認キーを操作して、在庫確認指令を入力するようにする。この結果、従来の締上処理を行うべきタイミングにおいては、上記ステップＳ６または上記ステップＳ７でＹＥＳとなり、上記ステップＳ１１に移行するため、計数作業が自動的に行われる。
【０１８０】
なお、従来の締上処理を行うべきタイミング以外の任意のタイミングにおいて、景品払出機１または景品管理機１００に設けられた在庫確認キーを係員が操作することにより、在庫確認指令を入力したときや、係員が予め設定したタイマ予約時刻になったときも、上記ステップＳ１１の在庫確認処理が行われるので、任意のタイミングまたは予め設定した予約時刻において、景品払出機１による在庫数確認が可能である。さらに、前回の在庫確認処理から、景品払出処理を行なった件数が所定数（たとえば、２０）に達したタイミングで、在庫確認処理を行なうようにしてもよい。なお、在庫確認処理を行なうタイミングについては、本実施形態に限らず、自由に設定することが可能である。
〔６−１〕景品払出処理
図２３は、図２２のステップＳ１０で実行される景品払出処理の手順を示している。
【０１８１】
景品払出処理においては、まず、景品管理機１００から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき１または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す（ステップＳ２１）。
【０１８２】
そして、テーブルの更新処理を行なう（ステップ２２）。つまり、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”（図１５参照）内の各カセット毎のデータのうち、景品の払出があったカセットの”景品在庫数”を、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内のレーン毎のデータのうち、景品の払出があったレーンの”景品在庫数”を、そのレーンから払出された枚数を減算することにより更新する。
【０１８３】
さらに、更新後の”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内の”景品在庫数”と、”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”の内容とに基づいて、景品種類別の”景品在庫数”を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”内の”景品在庫数”を更新する。なお、ステップ２２の更新処理においては、テーブルＴＡ２〜ＴＡ４内の”景品補充数”は、更新されない。
【０１８４】
この後、ログデータを作成して記憶する（ステップ２３）。つまり、更新後のテーブルＴＡ２〜ＴＡ４内のデータから、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”からなる在庫管理データを抽出する。そして、抽出
した在庫管理データに、日時、イベント名等を付加することにより、ロクデータを作成する。作成したログデータを記憶部２０８に記憶する。なお、この場合、イベント名としては、例えば、景品払出処理を表す名称が用いられる。ステップＳ２３の処理が終了すると、図２２のステップＳ４に戻る。
〔６−２〕在庫確認処理
図２４は、図２２のステップＳ２、ステップＳ１１またはステップＳ１４で実行される在庫確認処理の手順を示している。
【０１８５】
在庫確認処理においては、まず、景品の計数処理を行う（ステップＳ３１）。つまり、搬送機構２４の計数機能を利用して、各レーンのカセット毎の景品在庫数を計数する。計数処理が終了すると、テーブルの更新処理を行なう（ステップＳ３２）。
【０１８６】
このテーブルの更新処理は、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理および”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の更新処理とからなる。
【０１８７】
”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理においては、まず、各カセットについて、今回の計数結果Ｋn+1 と、テーブルＴＡ２内の景品在庫数Ｋn とを比較する。Ｋn+1 ＝Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数および景品補充数を更新させない。なお、Ｋn+1 ＝Ｋn の場合に、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数Ｋn を今回の計数結果Ｋn+1 に置き換えてもよい。
【０１８８】
Ｋn+1 ＞Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、当該カセット内の景品在庫数が景品補充により増加していると判別し、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数をＫn+1 に更新する。また、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品補充数を｛現在値＋（Ｋn+1 −Ｋn ）｝に更新する。前述したように、テーブルＴＡ２内の景品補充数は、テーブルＴＡ４の内容を含む集計用データを景品管理機１００に前回送信してから（電源オンから集計用データが送信されていない場合には、電源オン時から）現在までの間に、当該カセットに補充された景品数（推定値）を表している。
【０１８９】
Ｋn+1 ＜Ｋn の場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、当該カセット内の景品在庫数が景品払出以外の原因で減少していると判別し、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品在庫数をＫn+1 に更新する。また、この場合には、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２内の景品補充数を｛現在値−（Ｋn −Ｋn+1 ）｝に更新することにより、在庫訂正を行なう。
【０１９０】
つまり、当該カセットに対応するテーブルＴＡ２の景品在庫数データが前回更新されてから現在までの間に、景品の払出以外の原因により当該カセット内から（Ｋn −Ｋn+1 ）枚分の景品が減少してしまったので、景品補充数を調整することにより、後述するように、通い箱内の景品在庫数を、”景品の払出以外の原因により減少した景品数”だけ増加させることによって、テーブルＴＢ１の内容とテーブルＴＢ２の内容とから算出される店全体の景品在庫数が、本来的に店内に存在しているべき在庫数となるようにしている。
【０１９１】
”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理においては、”カセット別在庫管理テーブルＴＡ２”の更新処理の結果に基づいて、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の内容を更新する。つまり、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”内の各レーン対応する”景品在庫数”および”景品補充数”それぞれを、そのレーンに含まれる４つのカセットに対応するテーブルＴＡ３の”景品在庫数”どうしおよび”景品補充数”どうしを加算した値に更新する。
【０１９２】
”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”の更新処理においては、”レーン別在庫管理テーブルＴＡ３”の更新処理の結果および”レーン別景品種類テーブルＴＡ１”の内容とに基づいて、景品種類毎の”景品在庫数”および景品種類毎の”景品補充数”を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルＴＡ４”内の”景品在庫数”および”景品補充数”を更新する。
【０１９３】
この後、ログデータを作成して記憶する（ステップ３３）。つまり、更新後のテーブルＴＡ２〜ＴＡ４内のデータから、”カセット毎の景品在庫数”、”レーン毎の景品在庫数”および”景品種類毎の景品在庫数”からなる在庫管理データを抽出する。そして、抽出した在庫管理データに、日時、イベント名等を付加することにより、ロクデータを作成する。作成したログデータを記憶部２０８に記憶する。なお、この場合、イベント名としては、例えば、在庫確認処理を表す情報に、在庫変化なし（Ｋn+1 ＝Ｋn の場合）、景品補充あり（Ｋn+1 ＞Ｋn の場合）または在庫訂正あり（Ｋn+1 ＜Ｋn の場合）を示す付加情報が付加された名称が用いられる。
【０１９４】
今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ２の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ３に戻る。今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ１１の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ８に戻る。今回の在庫確認処理が図２２のステップＳ１４の在庫確認処理である場合には、上記ステップＳ３３の処理の後、図２２のステップＳ１５に戻る。
〔７〕景品管理機１００による処理
〔７−１〕子機１００＿Ｓによる処理
図２５は、子機１００＿Ｓによる処理手順を示している。
【０１９５】
子機１００＿Ｓは、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ４１）、在庫確認キーが押下されたか否か（ステップＳ４２）、親機１００＿Ｍからの第１集計キーを受信したか否か（ステップＳ４３）、親機１００＿Ｍからの第２集計キーを受信したか否か（ステップＳ４４）等を監視している。
【０１９６】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ４１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１から景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ４５）。景品払出制御処理については、後述する。景品払出制御処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
【０１９７】
在庫確認キーが押下されたときには（ステップＳ４２でＹＥＳ）、在庫確認コマンドを配下の景品払出機１に送信する。そして、ステップＳ４１に戻る。この在庫確認コマンドを受信した景品払出機１は、図２２のステップＳ１１（詳しくは図２４）の在庫確認処理を行なう。
【０１９８】
親機１００＿Ｍからの第１集計コマンドを受信したときには（ステップＳ４３でＹＥＳ）、第１集計コマンドに基づく通信処理を行なう（ステップＳ４７）。第１集計コマンドに基づく通信処理については、後述する。この通信処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
【０１９９】
親機１００＿Ｍからの第２集計コマンドを受信したときには（ステップＳ４４でＹＥＳ）、第２集計コマンドに基づく通信処理を行なう（ステップＳ４８）。第２集計コマンドに基づく通信処理については、後述する。この通信処理が終了すると、ステップＳ４１に戻る。
〔７−１−１〕景品払出制御処理（図２５のステップＳ４５）
図２６は、図２５のステップＳ４６の景品払出制御処理の手順を示している。
【０２００】
この処理においては、子機１００＿Ｓは、まず、レシートに印字されているバーコードを読み取ることにより、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する（ステップＳ５１）。この際、読み取った遊技媒体数が操作表示部３０５に表示される。次に、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する（ステップＳ５２）。この際、決定した景品種類毎の払出し枚数が操作表示部３０５に表示される。
【０２０１】
子機１００＿Ｓは、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信するとともに（ステップＳ５３）、決定した景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号（号機番号）を含む景品払出データを、親機１００＿Ｓに送信する（ステップＳ５４）。そして、図２５のステップ４１に戻る。
【０２０２】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ５３で子機１００＿Ｓから送信された景品払出コマンドを受信した場合には、図１１のステップＳ１０（詳しくは図２３）の景品払出処理を行う。また、親機１００＿Ｍは、上記ステップＳ５４で子機１００＿Ｓから送信された景品払出データを受信した場合には、後述するように、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する
〔７−１−２〕第１の集計コマンドに基づく通信処理（図２５のステップＳ４７）
図２７は、図２５のステップＳ４７の第１の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示している。
【０２０３】
この処理においては、子機１００＿Ｓは、第１集計コマンドを配下の全ての景品払出機１に送信する（ステップＳ６１）。そして、配下の景品払出機１から集計用データが送られてくるのを待機する（ステップＳ６２）。
【０２０４】
景品払出機１は、上記ステップＳ６１で子機１００＿Ｓから送信された第１集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１２に示すように、集計用データを第１集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
【０２０５】
子機１００＿Ｓは、配下の景品払出機１からの集計用データを受信すると（ステップＳ６２でＹＥＳ）、受信した集計用データを親機１００＿Ｍに送信する（ステップＳ６３）。親機１００＿Ｍは、後述するように集計用データを受信するとテーブルＴＢ１、ＴＢ２の内容を更新する。
【０２０６】
子機１００＿Ｓは、配下の全ての景品払出機１からの集計用データを親機１００＿Ｍに送信したか否かを判別する（ステップＳ６４）。今回の通信処理において、配下にある景品払出機１のうち、集計用データを受信していない景品払出機１が存在する場合には（ステップＳ６４でＮＯ）、ステップＳ６２に戻る。但し、所定時間が経過しても、配下にある全ての景品払出機１からの集計用データを受信できなかった場合は、集計用データが送信されていない景品払出機の号機番号を表示して終了する。
【０２０７】
今回の通信処理において、配下にある全ての景品払出機１からの集計用データを親機１００＿Ｍに送信したと判別した場合には（ステップＳ６４でＹＥＳ）、今回の通信処理を終了し、図２５のステップＳ４１に戻る。
〔７−１−３〕第２の集計コマンドに基づく通信処理（図２５のステップＳ４７）
図２８は、図２５のステップＳ４８の第２の集計コマンドに基づく通信処理の手順を示している。
【０２０８】
図２８のステップＳ７１〜Ｓ７４は、図２７のステップＳ６１〜Ｓ６４に対応している。ステップＳ７１、Ｓ６１を除いて、対応しているステップどうしは同じであるので、ステップＳ７２〜Ｓ７４の説明は省略する。
【０２０９】
図２７のステップＳ６１では、配下の全ての景品払出機１に第１の集計コマンドを送信しているが、図２８のステップＳ７１では、配下の全ての景品払出機１に第２の集計コマンドを送信している。景品払出機１は、第２の集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後に集計用データを第２集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
〔７−２〕親機１００＿Ｍによる処理
図２９は、親機１００＿Ｍによる処理手順を示している。
【０２１０】
親機１００＿Ｍは、レシートの読取りが行なわれたか否か（ステップＳ８１）、在庫確認キーが押下されたか否か（ステップＳ８２）、第１集計キーが押下されたか否か（ステップＳ８３）、第２集計キーが押下されたか否か（ステップＳ８４）、子機１００＿Ｓからの景品払出データを受信したか否か（ステップＳ８５）等を監視している。
【０２１１】
レシートの読取りが行なわれたときには（ステップＳ８１でＹＥＳ）、配下の景品払出機１から景品を払い出させるための景品払出制御処理を行なう（ステップＳ８６）。景品払出制御処理については、後述する。景品払出制御処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１２】
在庫確認キーが押下されたときには（ステップＳ８２でＹＥＳ）、在庫確認コマンドを配下の景品払出機１に送信する。この際、子機１００＿Ｓの配下にある景品払出機１にも、在庫確認コマンドを送るようにしてもよい。そして、ステップＳ８１に戻る。この在庫確認コマンドを受信した景品払出機１は、図２２のステップＳ１１（詳しくは図２４）の在庫確認処理を行なう。
【０２１３】
第１集計キーが押下されたときには（ステップＳ８３でＹＥＳ）、第１の集計処理を行なう（ステップＳ８８）。第１の集計処理については、後述する。この処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１４】
第２集計キーが押下されたときには（ステップＳ８４でＹＥＳ）、第２の集計処理を行なう（ステップＳ８９）。第２の集計処理については、後述する。この処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
【０２１５】
子機１００＿Ｓからの景品払出データを受信したときには（ステップＳ８５でＹＥＳ）、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の更新処理を行なう（ステップＳ９０）。景品払出データには、景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号が含まれているので、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する景品払出機１内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算するとともに、テーブルＴＢ２内の各景品種類の合計値から景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２の内容を更新する。また、店全体在庫管理テーブルＴＢ３（図２１）内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する。この更新処理が終了すると、ステップＳ８１に戻る。
〔７−２−１〕景品払出制御処理（図２９のステップＳ８６）
図３０は、図２９のステップＳ８６の景品払出制御処理の手順を示している。
【０２１６】
この処理においては、親機１００＿Ｍは、まず、レシートに印字されているバーコードを読み取ることにより、遊技客が獲得した遊技媒体数を取得する（ステップＳ１０１）。この際、読み取った遊技媒体数が操作表示部３０５に表示される。次に、取得した遊技媒体数に基づいて、景品種類毎の払出し枚数を決定する（ステップＳ１０２）。この際、決定した景品種類毎の払出し枚数が操作表示部３０５に表示される。
【０２１７】
親機１００＿Ｍは、決定した景品種類毎の払出し枚数を含む景品払出コマンドを配下のうちの１つの景品払出機１に送信するとともに（ステップＳ１０３）、決定した景品種類毎の払出し枚数および払出しを行なう景品払出機１の識別番号に基づいて、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２および店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する（ステップＳ１０４）。
【０２１８】
つまり、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する景品払出機１内の各景品種類の景品数から、景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算するとともに、テーブルＴＢ２内の各景品種類の合計値から景品払出データに含まれている対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２の内容を更新する。また、店全体在庫管理テーブルＴＢ３（図２１）内の各景品種類の景品数から、対応する景品種類の払出し枚数を減算することにより、店全体在庫管理テーブルＴＢ３の内容を更新する。この更新処理が終了すると、図２９のステップ８１に戻る。
【０２１９】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ１０３で親機１００＿Ｍから送信された景品払出コマンドを受信した場合には、図１１のステップＳ１０（詳しくは図２３）の景品払出処理を行う。
〔７−２−２〕第１の集計処理（図２９のステップＳ８８）
図３１は、図２９のステップＳ８８の第１の集計処理の手順を示している。
【０２２０】
この処理においては、親機１００＿Ｍは、配下の全ての景品払出機１と各子機１００＿Ｍに、第１集計コマンドを送信する（ステップＳ１１１）。そして、配下の景品払出機１または各子機１００＿Ｍからの集計用データが送られてくるのを待機する（ステップＳ１１２）。
【０２２１】
景品払出機１は、上記ステップＳ１１２で親機１００＿Ｍから送信された第１集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１２に示すように、集計用データを親機１００＿Ｍに送信する。
【０２２２】
また、上記ステップＳ１１２で親機１００＿Ｍから送信された第１集計コマンドを受信した子機１００＿Ｓは、図２５のステップＳ４７（詳しくは図２７）に示すように、受信した第１集計コマンドをその配下の景品払出機１に送信することにより、配下の各景品払出機１から集計用データを取得して親機１００＿Ｍに送信する。
【０２２３】
親機１００＿Ｍは、配下の景品払出機１または子機１００＿Ｓからの集計用データを受信すると（ステップＳ１１２でＹＥＳ）、テーブルＴＢ１、ＴＢ２の更新処理を行なう（ステップＳ１１３）。この更新処理について説明する。集計用データには、景品払出機１の識別番号、景品種類毎の景品在庫数および景品種類毎の景品補充数が含まれている。
【０２２４】
まず、集計用データ内の払出機識別番号および景品種類毎の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルＴＢ２（図２０）内の対応する払出機に対する景品種類別の景品在庫数を、当該集計用データ内の景品種類毎の景品在庫数の内容に置き換える。また、それに伴って、テーブルＴＢ２（図２０）内の景品種類別の合計を更新する。この処理は、
テーブルＴＢ２内の内容を、景品払出機１内の実際の景品在庫数に合致させるために行なわれる。
【０２２５】
次に、集計用データ内の払出機識別番号および景品種類毎の景品補充数に基づいて、通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１（図１９）の内容を更新する。具体的には、テーブルＴＢ１内の各景品種類毎の現在の景品在庫数から対応する景品種類の景品補充数を減算することにより、テーブルＴＢ１内の各景品種類毎の景品在庫数を更新する。この処理は、テーブルＴＢ１（図１９）の内容を、通い箱内の実際の景品在庫数に合致させるために行なわれる。ただし、景品払出機から景品払出処理以外で景品が持ち出された場合や、景品払出機へ補充（入庫）する目的以外で通い箱内から景品が持ち出された場合等には、テーブルＴＢ１（図１９）の内容と通い箱内の実際の景品在庫数とは合致しなくなる。より具体的には、テーブルＴＢ１（図１９）の内容は、通い箱内の実際の景品在庫数よりも、景品払出処理以外の原因で減少した景品数だけ、多くなる。
【０２２６】
ステップＳ１１３の更新処理が終了すると、親機１００＿Ｍは、今回の第１の集計処理において、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得（受信）したか否かを判別する（ステップＳ１１４）。景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得していない場合には（ステップＳ１１４でＮＯ）、ステップＳ１１２に戻る。但し、所定時間が経過しても、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを受信できなかった場合は、集計用データが送信されていない景品払出機の号機番号を表示して終了する。
【０２２７】
上記ステップ１１４において、景品払出システム内の全ての景品払出機１からの集計用データを取得したと判別した場合には、テーブルＴＢ１、ＴＢ２、ＴＢ３の内容を操作表示部３０５に表示する（ステップＳ１１５）。そして、今回の第１の集計処理を終了し、図２９のステップＳ８１に戻る。
〔７−２−３〕第２の集計処理（図２９のステップＳ８９）
図３２は、図２９のステップＳ８９の第２の集計処理の手順を示している。
【０２２８】
図３２のステップＳ１２１〜Ｓ１２５は、図３１のステップＳ１１１〜Ｓ１１５に対応している。ステップＳ１２１、Ｓ１１１を除いて、対応しているステップどうしは同じであるので、ステップＳ１２２〜Ｓ１２５の説明は省略する。
【０２２９】
図３１のステップＳ１２２では、配下の全ての景品払出機１および各子機１００＿Ｓに第１の集計コマンドを送信しているが、図３２のステップＳ１２１では、配下の全ての景品払出機１および各子機１００＿Ｓに第２の集計コマンドを送信する。
【０２３０】
なお、景品払出機１は、上記ステップＳ１２２で親機１００＿Ｍから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後、集計用データを親機１００＿Ｍに送信する。
【０２３１】
子機１００＿Ｓは、上記ステップＳ１２２で親機１００＿Ｍから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２５のステップＳ４８（詳しくは図２８）に示すように、受信した第２集計コマンドをその配下の景品払出機２に送信することにより、配下の各景品払出機１から集計用データを取得して親機１００＿Ｍに送信する。景品払出機１は、子機１００＿Ｓから送信された第２集計コマンドを受信した場合には、図２２のステップＳ１４およびＳ１５に示すように、在庫確認処理を行なった後、集計用データを２集計コマンドの送信元の子機１００＿Ｓに送信する。
〔６〕変形例
景品の形状はカード状に限定されない。また、景品を計数するための機構、計数方法に
ついても限定されない。景品に内蔵されるＩＣを読み取る方式でもよい。
【０２３２】
景品払出機１は、図２２のステップＳ２またはＳ１１の在庫確認処理を行なったときに、図１７のテーブルＴＡ４内の景品在庫数データ（またはテーブルＴＡ４内の景品在庫数データおよび補充数データ）を、子機１００＿Ｓを介してまたは直接に親機１００＿Ｍに送信するようにしてもよい。親機１００＿Ｍは、景品払出機１からの景品在庫数データ（景品在庫数データおよび補充数データ）を受信すると、受信したデータに基づいて、テーブルＴＢ２（またはテーブルＴＢ１およびテーブルＴＢ２の両方）を更新する。
【０２３３】
景品払出機１が図２２のステップＳ２またはＳ１１の庫確認処理を行なったときに、テーブルＴＡ４内の集計用データ（景品在庫数データおよび補充数データ）を親機１００＿Ｍに送信し、親機１００＿Ｍが受信データに基づいてテーブルＴＢ１およびテーブルＴＢ２の両方を更新する場合には、景品払出機１は、図２２のステップＳ１３、Ｓ１６のテーブル更新処理と同様に、テーブルＴＡ４内のデータを送信した後、テーブルＴＡ２、ＴＡ３およびＴＡ４内の景品補充数のみをクリアする必要がある。
【０２３４】
また、景品管理機（親機）１００＿Ｍで行なっている在庫管理を、更に上位の管理コンピュータ１５０で行なうようにしてもよい。
【０２３５】
また、店全体管理テーブルＴＢ３の内容を、通い箱内在庫管理テーブルＴＢ１内の通い箱（景品保管部）内の景品種類毎の景品在庫数と、”払出機内在庫管理テーブルＴＢ２”内の全景品払出機内の景品種類毎の景品在庫数とを足し合わせることによって算出するようにしてもよい。この場合には、テーブルＴＢ１またはＴＢ２の少なくとも一方が更新されたときに、テーブルＴＢ３の内容が更新される。
【０２３６】
本願発明は、さらに、特開２００８−７３１６９号公報に開示されているような卓上タイプの景品払出機を備えた景品払出システムにも適用することができる。
【符号の説明】
【０２３７】
１ 景品払出機
２ 景品
４ カセット
５ 景品払出ユニット
８ 払出口
２４ 搬送機構
６０ 計数部
７０ 分離搬送部
８１ 保留ボックス
８２ エレベータ
１００ 景品管理機
２００ 制御部
２０１ 搬送機構２４の駆動装置
２０８ 記憶部
３７ 光学センサ
２０６ 通信部
３００ 制御部
３０１ 通信部
３０４ 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに
前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えており、
前記各景品払出機から取得される集計用データが、当該景品払出機の識別情報、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を含んでいることを特徴とする景品管理装置。
【請求項２】
前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする請求項１記載の景品管理装置。
【請求項３】
前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の前記景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機であり、前記親機が前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルを備えており、前記親機が、前記親機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得することにより、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新することを特徴とする請求項１または２に記載の景品管理装置。
【請求項４】
各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の景品管理装置。
【請求項５】
景品が収納されている１または複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備えた景品払出システムにおいて、
前記各景品払出機は、
当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、
所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、
景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに
当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる集計用データ送信手段を備えており、
前記景品管理装置は、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに
各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えていることを特徴とする景品払出システム。
【請求項６】
前記集計用データ送信手段は、前記景品管理装置からの集計用データ要求コマンドを受信したときに、前記集計用データを前記景品管理装置に送信するととも
に、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせるものであり、
前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする請求項５に記載の景品払出システム。
【請求項７】
景品が収納されている複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備え、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機である景品払出システムにおいて、
前記各景品払出機は、
当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、
所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、
景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに
前記景品管理機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理機に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる手段を備えており、
前記親機は、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
集計指令が与えられたときに、配下の前記景品払出機および前記各子機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下にある前記景品払出機から集計用データを取得する手段、ならびに
前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えており、
前記各子機は、
前記親機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、配下の前記景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得する手段、および
取得した集計用データを前記親機に送信する手段、
を備えていることを特徴とする景品払出システム。
【請求項８】
前記第１更新手段は、前記集計用テーブル内の景品在庫数を今回の計数結果に変更させる景品在庫数更新手段と、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新する景品補充数更新手段とを備えており、
景品補充数更新手段は、今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より多い場合には、今回の計数結果から集計用テーブル内の更新前の景品在庫数を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数に加算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を変更させる手段および今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より少ない場合には、集計用テーブル内の更新前の景品在庫数から今回の計数結果を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新させる手段を備えており、
前記第２更新手段は、当該景品払出機から払出された景品数を、前記集計用テーブル内の景品在庫数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品在庫数を更新させる手段を備えており、
前記第３更新手段は、前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する手段と、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数から前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品補充数を減算することによって、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新させる手段とを備えていることを特徴とする請求項５〜７のいずれか一項に記載の景品払出システム。
【請求項９】
各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする請求項５〜８のいずれか一項に記載の景品払出システム。
【請求項１】
景品が収納されている１または複数の景品払出機と通信可能な景品管理装置において、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに
前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する更新手段を備えており、
前記各景品払出機から取得される集計用データが、当該景品払出機の識別情報、当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を含んでいることを特徴とする景品管理装置。
【請求項２】
前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする請求項１記載の景品管理装置。
【請求項３】
前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の前記景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機であり、前記親機が前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルを備えており、前記親機が、前記親機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下の前記景品払出機から集計用データを取得することにより、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新することを特徴とする請求項１または２に記載の景品管理装置。
【請求項４】
各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか一項に記載の景品管理装置。
【請求項５】
景品が収納されている１または複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備えた景品払出システムにおいて、
前記各景品払出機は、
当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、
所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、
景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに
当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理装置に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる集計用データ送信手段を備えており、
前記景品管理装置は、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
前記各景品払出機から集計用データを取得する集計用データ取得手段、ならびに
各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えていることを特徴とする景品払出システム。
【請求項６】
前記集計用データ送信手段は、前記景品管理装置からの集計用データ要求コマンドを受信したときに、前記集計用データを前記景品管理装置に送信するととも
に、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせるものであり、
前記集計用データ取得手段は、集計指令が与えられたときに、前記各景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、前記各景品払出機から集計用データを取得するものであることを特徴とする請求項５に記載の景品払出システム。
【請求項７】
景品が収納されている複数の景品払出機と、これらの景品払出機を管理する景品管理装置とを備え、前記景品管理装置が複数の景品管理機から構成されており、前記各景品管理機はそれぞれ１または複数の景品払出機を管理しており、前記複数の景品管理機のうちの１つが親機であり、他が前記親機と通信可能な子機である景品払出システムにおいて、
前記各景品払出機は、
当該景品払出機内の景品在庫数および所定期間内における当該景品払出機内への景品補充数を記憶するための集計用テーブル、
所定の条件が成立したときに、当該景品払出機内に収納されている景品数を計数し、その計数結果に基づいて前記集計用テーブルの内容を更新させる第１更新手段、
景品払出指令が与えられたときには、前記景品払出指令に対応した景品の払出を行なうとともに、前記集計用テーブルの内容を更新させる第２更新手段、ならびに
前記景品管理機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、当該景品払出機の識別情報と前記集計用テーブル内の情報とを含む集計用データを前記景品管理機に送信するとともに、前記集計用テーブル内の景品補充数をクリアさせる手段を備えており、
前記親機は、
遊技施設内の景品保管部に保管されている景品在庫数を記憶するための景品保管部内在庫管理テーブル、
前記景品払出システム内の前記各景品払出機内の景品在庫数および全ての前記景品払出機内の景品在庫数を記憶するための払出機内在庫管理テーブル、
集計指令が与えられたときに、配下の前記景品払出機および前記各子機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得するとともに、前記各子機を介して前記各子機の配下にある前記景品払出機から集計用データを取得する手段、ならびに
前記各景品払出機から取得した集計用データに基づいて、前記景品保管部内在庫管理テーブルおよび前記払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する第３更新手段を備えており、
前記各子機は、
前記親機からの集計用データ要求コマンドを受信したときには、配下の前記景品払出機に集計用データ要求コマンドを送信することにより、配下の前記景品払出機から集計用データを取得する手段、および
取得した集計用データを前記親機に送信する手段、
を備えていることを特徴とする景品払出システム。
【請求項８】
前記第１更新手段は、前記集計用テーブル内の景品在庫数を今回の計数結果に変更させる景品在庫数更新手段と、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新する景品補充数更新手段とを備えており、
景品補充数更新手段は、今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より多い場合には、今回の計数結果から集計用テーブル内の更新前の景品在庫数を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数に加算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を変更させる手段および今回の計数結果が前記集計用テーブル内の更新前の景品在庫数より少ない場合には、集計用テーブル内の更新前の景品在庫数から今回の計数結果を減算した値を、前記集計用テーブル内の景品補充数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品補充数を更新させる手段を備えており、
前記第２更新手段は、当該景品払出機から払出された景品数を、前記集計用テーブル内の景品在庫数から減算することによって、前記集計用テーブル内の景品在庫数を更新させる手段を備えており、
前記第３更新手段は、前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品在庫数に基づいて、払出機内在庫管理テーブルの内容を更新する手段と、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数から前記景品払出機から取得した集計用データ内の景品補充数を減算することによって、景品保管部内在庫管理テーブル内の景品在庫数を更新させる手段とを備えていることを特徴とする請求項５〜７のいずれか一項に記載の景品払出システム。
【請求項９】
各景品払出機には、複数種類の景品が収納されており、前記各景品在庫数は景品種類毎の景品在庫数であり、前記景品補充数は景品種類毎の景品補充数であることを特徴とする請求項５〜８のいずれか一項に記載の景品払出システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【図７Ｅ】
【図７Ｆ】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７Ａ】
【図７Ｂ】
【図７Ｃ】
【図７Ｄ】
【図７Ｅ】
【図７Ｆ】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【公開番号】特開２０１０−１８８０１６（Ｐ２０１０−１８８０１６Ａ）
【公開日】平成２２年９月２日（２０１０．９．２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−３７１７５（Ｐ２００９−３７１７５）
【出願日】平成２１年２月１９日（２００９．２．１９）
【出願人】（０００００１４３２）グローリー株式会社 (1,344)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年９月２日（２０１０．９．２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年２月１９日（２００９．２．１９）
【出願人】（０００００１４３２）グローリー株式会社 (1,344)
【Ｆターム（参考）】
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