説明

曇りの無いセルロースエーテルカプセルおよび作製方法

【課題】それらの内表面での曇り形成が実質的に無いセルロースエーテルのカプセル、およびこのようなカプセルを作成する製造方法を提供する。
【解決手段】20℃でパーセント水溶液において約200mPas以下の粘度の低分子量セルロースエーテル及び、セルロースエーテル重量に対し、塩化ナトリウムが約0.3重量%(質量%)以下の含有量からなる組成物であり、組成物からなるコーティング溶液からからなる著しく低減された曇り形成を示すカプセル、およびそのカプセルを作成するための製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曇りの無い(haze-free)セルロースエーテルのカプセル、および作製方法に関する。それらのカプセルは、薬剤(pharmaceutical)用途において有用である。
【背景技術】
【0002】
セルロースエーテルは、薬剤および薬物を含み、且つ経口的にデリバリーするために適したカプセルを形成するために、商業的に一般に使用される。このような用途のための好ましいセルロースエーテルは、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0003】
セルロースエーテルのカプセルは、典型的には、熱い複数のピンを、冷たい水性セルロースエーテル浸漬コーティング溶液中に浸すことによって製造される。その溶液が複数のピン上でゲル化し、水が乾燥ステップの間に蒸発して、熱い複数のピンのまわりに乾燥したセルロースエーテルの薄いフィルム層を形成する。その薄いフィルムは、キャップおよび本体の形をとり、それらは次いで複数のピンから取り外される。キャップは、本体と組み合わされて(mated)、カプセルを形成する。熱い水性セルロースエーテル溶液中に冷たいピンが浸される類似のプロセスが存在する。カプセルを作成するためのプロセスは、米国特許第3,617,588号;第4,001,211号;第4,917,885号;および第5,756,036号において見られる。
【0004】
セルロースエーテルのカプセルを製造する際に一般に遭遇する問題は、それらの内部表面での曇り(haze)形成である。曇り形成は、透明カプセルで最も顕著である。
【0005】
曇りによって、それらがそうでない場合より、セルロースエーテルのカプセルが、より艶(luster)および光沢(gloss)を示すようになる。曇りのために、セルロースエーテルのカプセルは、典型的にはゼラチンカプセルと同じ艶のレベルを有しない。この外見上の相違は、「HPMCカプセル−ゼラチンに代わるもの」(Pharmaceutical Technology Europe、10(11)(1998)において議論される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,617,588号
【0007】
【特許文献2】米国特許第4,001,211号
【0008】
【特許文献3】米国特許第4,917,885号
【0009】
【特許文献4】米国特許第5,756,036号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】"HPMC Capsules-An Alternative to Gelatin, "Pharmaceutical Technology Europe、10(11)(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それらの内表面での曇り形成が実質的に無いセルロースエーテルのカプセル、およびこのようなカプセルを作成するプロセスを得ることは望ましいであろう。このようなカプセルにおいて有用なセルロースエーテル組成物を作成するためのプロセスを得ることも、望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に従って、低分子量セルロースエーテルを含むセルロースエーテル組成物がある。その組成物は、セルロースエーテルの重量に基き、約0.3重量パーセント(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する。その組成物は、カプセルの形とされた際に、著しく(significantly)低減された曇り形成を示す。有用な態様は、その組成物の水性およびカプセル形をも含む。
【0013】
更に本発明に従って、セルロースエーテル組成物を作成するためのプロセスがある。そのプロセスは、a)水酸化ナトリウムをそれに接触させることによって、セルロースパルプをアルカリ化し(alkalyzing);b)そのセルロースパルプをエーテル化して、セルロースエーテルを形成し;c)そのセルロースエーテルを洗浄して、塩化ナトリウム含有量を低減し;d)セルロースエーテルを乾燥して含水量を低減し;e)セルロースエーテルをミリングして粒状の(particulate)形とし;f)その2パーセント水溶液が20℃で200cP以下の粘度を有するように、それを部分的に解重合するために充分な塩化水素の量と、粒状のセルロースエーテルを接触させ;g)ナトリウム化合物と接触させることにより、その酸を部分的にまたは実質的に中和することを含む。
【0014】
そのセルロースエーテルは充分な程度に洗浄され、解重合されたセルロースエーテルの重量に基き、解重合されたセルロースエーテルの塩化ナトリウム含有量を約0.3重量%(質量%)以下に制限するために充分な程度に、使用される塩化水素の量は調整される。
【0015】
更に本発明に従って、低い塩化ナトリウム含有量を有するセルロースエーテル組成物から、セルロースエーテルのカプセルを作成するためのプロセスがある。そのセルロースエーテルは、浸漬コーティング溶液を形成するために、水中に溶解される。金属ピンは、コーティング溶液に浸される。その溶液はゲル化され、次いでピン上で乾燥されて、ピンのまわりに乾燥したセルロースエーテルの薄いフィルムを形成する。それらの薄いフィルムは、キャップおよび/又は本体の形を取り、それらは次いでピンから取り外される。キャップおよび/又は本体は、次いで組み合わされて、カプセル全体を形成することができる。熱いピン/冷たい溶液、および冷たいピン/熱い溶液プロセスも考慮される(contemplated)。
【0016】
本発明において、セルロースエーテルのカプセルにおける曇り形成が、それからカプセルが形成される、解重合された最終生成物中に残存する塩化ナトリウムの量を制限することによって顕著に低減できることが発見された。最終生成物中に残存する塩化ナトリウムの量は、以下の2つの方法によって制御できる:i)エーテル化の後、且つミリングの前にセルロースエーテルを洗浄して、塩化ナトリウムを低減すること、およびii)解重合リアクタ中で使用される塩化水素の量を制限して、生成される塩化ナトリウム副生成物の量を制限し、望ましくは最小にする。サブステップi)、およびii)は、解重合されたセルロースエーテルの重量に基づき、約0.3重量パーセント(質量%)以下、好ましくは約0.15重量%(質量%)以下に、解重合されたセルロースエーテル最終生成物の塩化ナトリウム含有量を低減するために充分な程度に使用される。
【0017】
本発明は、以下の態様[1]〜[20]を含むことができる。
【0018】
[1] セルロースエーテル組成物であって;その組成物は、20℃で2パーセント水溶液において200センチポアズ以下の粘度を有する低分子量セルロースエーテルを含み;セルロースエーテル重量に基き約0.3重量パーセント(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する。
【0019】
[2] 前記組成物が、セルロースエーテル重量に基き約0.15重量%(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する[1]の組成物。
【0020】
[3] 前記セルロースエーテルが、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む[1]の組成物。
【0021】
[4] 前記組成物が水性組成物の形をとっている[1]の組成物。
【0022】
[5] 前記組成物がカプセルの形をとっている[1]の組成物。
【0023】
[6] 粘度が3〜100cPである[1]の組成物。
【0024】
[7] 粘度が3〜15cPである[1]の組成物。
【0025】
[8] 粘度が3〜15cPであり、前記組成物がカプセルの形をとっている[3]の組成物。
【0026】
[9] 前記組成物が、セルロースエーテル重量に基き約0.15重量パーセント(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する[8]の組成物。
【0027】
[10] セルロースエーテル組成物の製造方法であって;その方法が:
a)水酸化ナトリウムをそれに接触させることによって、セルロースパルプをアルカリ化し;
b)そのセルロースパルプをエーテル化して、セルロースエーテルを形成し;
c)そのセルロースエーテルを洗浄して、塩化ナトリウム含有量を低減し;
d)低減された含水量にセルロースエーテルを乾燥し;
e)セルロースエーテルを粒子形にミリングし;
f)その2パーセント水溶液が20℃における200cP以下の粘度を有するように、それを部分的に解重合するために充分な塩化水素の量と、粒状のセルロースエーテルとを接触させ;
g)その粒状のセルロースエーテルを塩基性ナトリウム化合物と接触させることにより、部分的にまたは実質的に塩化水素を中和することを含み;解重合されたセルロースエーテルの重量に基き、解重合されたセルロースエーテルの塩化ナトリウム含有量を約0.3重量%(質量%)以下に制限するために充分な程度に、ステップc)においてセルロースエーテルを洗浄し、その程度にステップf)において塩化水素の量を調節する製造方法。
【0028】
[11] 解重合されたセルロースエーテルが水中に溶解されて、浸漬コーティング溶液を形成し、金属ピンがそのコーティング溶液に浸され、金属ピンがコーティング溶液から取り出され、その溶液がゲル化され、次いで、ピン表面で乾燥されて、キャップおよび/又は本体を形成し、そのピンおよび/又はキャップがピンから取り外される[1]の方法。
【0029】
[12] 前記ナトリウム化合物が重炭酸ナトリウムである[10]の方法。
【0030】
[13] 前記ナトリウム化合物が重炭酸ナトリウムである[11]の方法。
【0031】
[14] 前記セルロースエーテルが、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである[10]の方法。
【0032】
[15] 前記セルロースエーテルが、メチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである[11]の方法。
【0033】
[16] 粒状のセルロースエーテルが50℃〜130℃の温度で解重合される[10]の方法。
【0034】
[17] 粒状のセルロースエーテルが80℃〜110℃の温度で解重合される[10]の方法。
【0035】
[18] 使用される塩化水素の量が、セルロースエーテル重量に基き0.10〜0.19重量パーセント(質量%)である[10]の方法。
【0036】
[19] 使用される塩化水素の量が、セルロースエーテル重量に基き0.10〜0.19重量パーセント(質量%)である[17]の方法。
【0037】
[20] 前記ナトリウム化合物が重炭酸ナトリウムであり;セルロースエーテルがメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり;粒状のセルロースエーテルが80℃〜110℃の温度で解重合され;使用される塩化水素の量が、解重合されるべき粒状のセルロースエーテル重量に基づき、0.10〜0.19重量%(質量%)である[10]の方法。
【発明を実施するための形態】
【0038】
一般に、低分子量セルロースエーテルは、セルロースパルプをアルカリ化または苛性化(causticizing)して、それをエーテル化して高分子量セルロースエーテルを形成し、それを次いで解重合して低分子量セルロースエーテルを形成することによって、製造される。高分子量セルロースエーテルは、20℃で2パーセント水溶液において約l00,000センチポアズ(cP)までの粘度を有する。低分子量セルロースエーテルは、20℃で2パーセント溶液において約200cP以下の粘度を有する。粘度は、ASTM D1347およびD2363に従って決定される。
【0039】
セルロースパルプは、リアクタ内においてアルカリ性水酸化物(好ましくは水酸化ナトリウム)でアルカリ化または苛性化される。パルプは、浴または撹拌槽で浸漬(steeping)する等の、当該技術において公知の任意の手段により、または乾燥パルプ上へ直接スプレーすることによってアルカリ化できる。リアクタのヘッドスペースは、セルロースエーテル生成物の解重合を制御するために、排気するか、または不活性ガスでパージすることができる。
【0040】
アルキル化されたセルロースパルプは次いでエーテルされて、20℃で2パーセント水溶液において、好ましくは約100,000cPまでのセルロースエーテルを形成する。典型的なエーテル化剤は、塩化メチルおよび塩化エチル等の低級ハロゲン化アルキル、およびエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシド等のエポキシドを含む。例えば、メチルセルロースを作成するために塩化メチルを用いることができ、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを作成するために、塩化メチルとプロピレンオキシドとの混合物を用いることができる。アルカリ化剤としての水酸化ナトリウムとの塩化メチルの使用は、塩化ナトリウム(塩)の副生成物形成を生ずる。所望により、ジメチルエーテル等の希釈剤を、エーテル化の間に使用することができる。
【0041】
セルロースエーテルは洗浄されて、塩および他の反応副生成物が除去される。解重合されたセルロースエーテル最終生成物中の残留塩の含有量を最小にするために、解重合反応(下記参照)で用いられる塩化水素の量のコントロールと組み合わせて、洗浄が使用される。その中に塩が可溶である任意の溶媒を使用することができるが、水は非常に好ましい。セルロースエーテルは、エーテル化リアクタ内で洗浄することができるが、好ましくは、そのリアクタの下流に配置された別の洗浄機内で洗浄される。セルロースエーテルにおける残留塩含有量に影響トを与えるプロセス洗浄変数は、洗浄滞留時間、洗浄溶媒(水)中の塩含有量、および多重洗浄を含む。残留塩含有量は、多重洗浄によって最も効果的に制御できるが、通常は2つの別の洗浄で充分である。洗浄の前または後に、更に残留有機含有量を低減するために、蒸気に晒すことによりセルロースエーテルをストリッピングしてもよい。
【0042】
洗浄されたセルロースエーテルは、次いで、セルロースエーテル重量に基づき0.5〜5.0重量パーセント(質量%)の水、好ましくは0.8〜3.0重量パーセント(質量%)の水に低減された含水量に乾燥される。有用な乾燥機は、トレイ乾燥器、流動床乾燥機、フラッシュ乾燥機、攪拌(agitation)乾燥機、およびチューブ乾燥機を含む。
【0043】
セルロースエーテルは、所望のサイズの粒状にミリングされる。所望により、セルロースエーテルは、同時にミリングおよび乾燥させてもよい。ミリングは、ボールミルまたは衝撃パルベライザ等の当該技術において公知の任意の手段で達成することができる。
【0044】
高分子量セルロースエーテルのミリングされた粒子(particulate)は解重合されて、粒状の低分子量セルロースエーテルを形成する。解重合された低分子量エーテルは、典型的には、20℃で2パーセント水溶液が、約200cP以下、好ましくは1〜100cP、より好ましくは3〜100cPを有するような分子量を有する。薬剤カプセルを作成するために一般に使用されるセルロースエーテル、およびコーティングは、20℃で2パーセント水溶液において3〜15cPの粘度を有する。
【0045】
解重合に備えて、セルロースエーテル粒子は、50〜130℃、好ましくは60℃〜100℃の温度に加熱される。加熱は、解重合リアクタ中で、またはこのようなリアクタ上流側の別のヒータによって達成することができる。必要に応じて、粒状の含水量は、解重合リアクタ内で、またはこのようなリアクタ上流側の別のミクサー内で、水と粒状とをブレンドすることによって、解重合の前に、より高いレベルに戻すことができる。
【0046】
ミリングされたセルロースエーテル粒子は、それらを強酸(好ましくは無水塩化水素)と接触させるか、またはそれらを処理することによって解重合される。その酸は、リアクタのヘッドスペースに、または直接にセルロースエーテル粉体内に加えることができる。リアクタのヘッドスペースは、粉体の燃焼または発火を防ぐために、不活性ガスでパージすることができる。
【0047】
解重合に続き、粒状のセルロースエーテルは、任意の残存する酸を部分的にまたは実質的に中和するために、塩基性ナトリウム化合物(好ましくは重炭酸ナトリウム等の実質的に無水の化合物)と接触される。中和の好ましい方法は、解重合された粒状のセルロースエーテルを配置できる解重合リアクタまたは他の容器のヘッドスペースまたは内部に、その化合物を吹きつける(blowing)ことである。解重合リアクタまたは他の容器は、好ましくは、リアクタの内表面との均一接触を確実にするために、中和の間タンブリングされる。
【0048】
中和の間に生成する塩化ナトリウム副生成物の量を最小にするか、または制限するために、解重合反応を触媒するために使用される塩化水素の量(濃度)は比較的低いレベルに設定され、好ましくは最小にされる。塩化水素の量(濃度)と反応温度は、実質的に反応速度を支配する。使用される塩化水素の量における低減による反応速度におけるロスは、反応温度を高めることによって、または反応時間を増大させることによって補償することができる。反応時間における増加が産生効率を低減して、経済的なコストを上昇させるとすれば、塩化水素の比較的により少ない量を補うために、反応温度を高めることは最も好ましい。慣習的に、解重合の反応温度は50℃〜130℃、より典型的には60℃〜100℃まで変動した。反応時間を増大させるために、80℃〜110℃のより高い反応温度は、本発明において最も好ましい。好ましい態様において、解重合されるべきセルロースエーテル重量に基づき、0.10〜0.19重量パーセント(質量%)で、塩化水素は解重合リアクタに加えられる。
【0049】
低分子量セルロースエーテルを作成することに関する有用な教示は、1998年12月1日に出願された米国シリアル番号第09/203,324号において見られる。
【0050】
本発明のプロセスは、以下のセルロースエーテルを作成するために有用である:メチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびヒドロキシブチルメチルセルロース。そのプロセスは、特にメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースの作成に有用である。
【0051】
低分子量セルロースエーテルは、タブレットコーティング等の他の薬剤の用途で、およびカプセルおよびタブレットにおける薬剤および薬物のための賦形剤として有用である。他の有用な用途は、ビルディング製品および食品用途を含む。
【0052】
特定の詳細に関して本発明のプロセスおよびカプセルプロセスの態様を示したが、ここに記述された新しい教示および原理の範囲内に未だ充分にあるように、本発明が修正できることが認められるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースエーテル組成物であって;その組成物は、20℃で2パーセント水溶液において200mPa・s以下の粘度を有する低分子量セルロースエーテルを含み;該組成物は、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み;且つ、セルロースエーテル重量に基き0.3重量パーセント(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する。
【請求項2】
前記組成物が、セルロースエーテル重量に基き0.15重量%(質量%)以下の塩化ナトリウム含有量を有する請求項1の組成物。
【請求項3】
セルロースエーテル組成物の製造方法であって;その方法が:
a)水酸化ナトリウムをそれに接触させることによって、セルロースパルプをアルカリ化し;
b)そのセルロースパルプをエーテル化して、セルロースエーテルを形成し;エーテル化剤が、メチルセルロースを形成するための塩化メチル;または、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを形成するための、塩化メチルおよびプロピレンオキシドの混合物であり;
c)そのセルロースエーテルを洗浄して、アルカリ化剤としての水酸化ナトリウムとエーテル化剤としての塩化メチルの使用により形成された副生成物としての塩化ナトリウム含有量を低減し;
d)低減された含水量に、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであるセルロースエーテルを乾燥し;
e)セルロースエーテルを粒子形にミリングし;
f)その2パーセント水溶液が20℃における200mPa・s以下の粘度を有するように、それを部分的に解重合するために充分な塩化水素の量と、粒状のセルロースエーテルとを接触させ;
g)その粒状のセルロースエーテルを塩基性ナトリウム化合物と接触させることにより、部分的にまたは実質的に塩化水素を中和することを含み;解重合されたセルロースエーテルの重量に基き、解重合されたセルロースエーテルの塩化ナトリウム含有量を0.3重量%(質量%)以下に制限するために充分な程度に、ステップc)においてセルロースエーテルを洗浄し、その程度にステップf)において塩化水素の量を調節し;
h)解重合されたセルロースエーテルを水中に溶解して、浸漬コーティング溶液を形成し;
i)金属ピンを、そのコーティング溶液に浸し;
j)前記金属ピンをコーティング溶液から取り出し、その溶液をゲル化させ、次いで、ピン表面で乾燥させて、キャップおよび/又は本体を形成し;
k)そのキャップおよび/又は本体を、ピンから取り外す製造方法。

【公開番号】特開2010−222585(P2010−222585A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−88970(P2010−88970)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【分割の表示】特願2000−612340(P2000−612340)の分割
【原出願日】平成12年4月12日(2000.4.12)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】