説明

曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材およびこれを一部に用いてなる構造部材

【課題】本発明は、形状の制約が少なく、かつ、汎用的でありながら、他部品が接合される突出フランジの平坦面の精度を確保することが可能な曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材およびこれを一部に用いてなる構造部材を提供することを目的とする。
【解決手段】本体部11と、この本体部11から曲げ内側に向かって突出した突出フランジ12とを長手方向に亙って有し、かつ、曲げ加工が施された中空押出形材10であって、突出フランジ12は本体部11の曲げ半径方向に略平行な方向に延出し、突出フランジ12の長手方向の一端には、前記延出した突出フランジ12の平坦面12aに対して略直交する方向に所定の高さを有し且つ長手方向に延設された屈曲部13を有したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材およびこれを一部に用いてなる構造部材に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、自動車や種々の車両などの車体のフレーム類、メンバー類、補強材などの構造部材、あるいは車内の種々の構造部材(部品)には、比較的高強度な鋼材やアルミニウム合金材が使用されている。
【0003】
特に、アルミニウム合金製中空押出形材(以下、単に「中空押出形材」とも称す)は、溶接などを伴わずに、この中空押出形材の長手方向に垂直な断面として、予め閉断面構造が得られる、また、この断面内の肉厚が比較的自由に設定できるという利点があり、上述したような構造部材への適用が期待されている。そして、このような構造部材では、他部品を接合するための突出フランジを上記中空押出形材の本体に設ける必要がある場合が多い。なお、上記中空押出形材は、長手方向の断面が一定で、かつ、直線状であるため、上記構造部材に適用する場合には、上記中空押出形材の曲げ加工が必要になることが多い。
【0004】
上記突出フランジの設けられた閉断面構造の中空押出形材を曲げ加工した場合、この突出フランジの一方の端部が自由端になることで、変形が生じやすいことが問題になる。特に、突出フランジが中空押出形材の曲げ内側、かつ、曲げ半径方向に延在する場合には、突出フランジの座屈により、しわが発生することが大きな問題になる。
【0005】
上記しわを抑制するためのひとつの方法として、突出フランジの長手方向に張力を加えながら曲げ加工(ストレッチベンディング)し、座屈の原因となる圧縮応力を緩和するという方法がある。しかし、この張力を加えるためには、突出フランジの端部をクランプする必要があり、加工後に突出フランジのクランプした部分を切除すると、製品歩留まりが低下し、コストアップが問題になる。また、素材としての伸びが小さいアルミニウム合金製中空押出形材では、張力負荷によって曲げ外側の領域で破断しやすくなるという問題もあった。
【0006】
そこで、突出フランジにおけるしわの発生位置をコントロールし、他部品との接合部など平坦面が必要な部位へのしわの発生を抑制するという曲げ加工方法も開示されている(特許文献1参照)。また、2つの中空押出形材にそれぞれ設けられた突出フランジ同士を突き合わせて接合した後に曲げ加工する(特許文献2参照)、あるいは、リップが設けられた突出フランジ付きの中空押出形材を曲げ加工する(特許文献3参照)ことで、突出フランジの座屈限界応力を向上させて、しわを防止するという曲げ加工方法も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3401080号公報
【特許文献2】特許第4102731号公報
【特許文献3】特許第3199356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術の場合、そもそも突出フランジの平坦面が必要な部位を金型などで拘束することが困難であるため、平坦面の精度を確保することが難しいという問題があった。また、上記特許文献2、3に開示された技術では、形状の制約が大きく、適用条件が限られるという問題があった。
【0009】
本発明の目的は、形状の制約が少なく、かつ、汎用的でありながら、他部品が接合される突出フランジの平坦面の精度を確保することが可能な曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材およびこれを一部に用いてなる構造部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、
本体部と、この本体部から曲げ内側に向かって突出した突出フランジとを長手方向に亙って有し、かつ、曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材であって、
前記突出フランジは前記本体部の曲げ半径方向に略平行な方向に延出し、
前記突出フランジの長手方向の両端部の少なくとも一方には、前記延出した突出フランジの平坦面に対して略直交する方向に所定の高さを有し且つ長手方向に延設された屈曲部を有したことを特徴とする曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材である。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記アルミニウム合金製押出形材の長手方向に対して直交する断面内には、肉厚差を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記本体部の長手方向に対して直交する断面は、閉断面構造であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記閉断面構造をした本体部を構成する曲げ外側壁は、前記突出フランジに形成された屈曲部に対して略平行となるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記曲げ外側壁の肉厚が、前記本体部の曲げ外側壁以外の部位の肉厚や前記突出フランジの肉厚に比べて厚肉であることを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記本体部の長手方向に対して直交する断面は、開断面構造であることを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、前記開断面構造をした本体部を構成する部位の肉厚が、前記突出フランジの肉厚に比べて厚肉であることを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の発明において、前記突出フランジに接合座面が設けられたことを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材を一部に用いてなることを特徴とする構造部材である。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明は、
本体部と、この本体部から曲げ内側に向かって突出した突出フランジとを長手方向に亙って有し、かつ、曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材であって、
前記突出フランジは前記本体部の曲げ半径方向に略平行な方向に延出し、
前記突出フランジの長手方向の両端部の少なくとも一方には、前記延出した突出フランジの平坦面に対して略直交する方向に所定の高さを有し且つ長手方向に延設された屈曲部を有しているため、
形状の制約が少なく、かつ、汎用的でありながら、他部品が接合される突出フランジの平坦面の精度を確保することが可能な曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材およびこれを一部に用いてなる構造部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材の一実施形態(中空押出形材の一端のみを曲げる場合)の概略構造を示す斜視図である。
【図2】図1に示す中空押出形材のA−A断面図である。
【図3】図1に示す中空押出形材を製造するための金型配置(上面押さえ金型を外す)を模式的に説明するための斜視図である。
【図4】図3に示す金型で曲げ加工が施された後の金型配置(ただし、上面押さえ金型を含む)を矢印Bの方向から見た模式正面図である。
【図5】図1に示す中空押出形材が構造部材の一部として用いられた状態を模式的に説明するための斜視図である。
【図6】図5に示す中空押出形材(但し、曲げ外側壁11aの肉厚が、図5に示す曲げ外側壁11aの肉厚より厚い)を矢印Cの方向から見た形状を模式的に説明するための模式断面図である。
【図7】アルミニウム合金製押出形材の他の断面形状を説明するための模式説明図である。
【図8】本発明の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材の他の実施形態(中空押出形材の両端を曲げる場合)の概略構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的に図面を参照しながら、本発明に係るアルミニウム合金製押出形材の曲げ加工方法について説明する。
【0022】
(実施形態)
図1は本発明の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材の一実施形態(中空押出形材の一端のみを曲げる場合)の概略構造を示す斜視図、図2は図1に示す中空押出形材のA−A断面図である。図1、図2において、10はアルミニウム合金製押出形材としてのアルミニウム合金製中空押出形材(以下、単に「中空押出形材」とも称す)、11は中空押出形材10の長手方向に延びた本体部、12は本体部11から曲げ内側(曲げ半径方向に略平行な方向)に向かって突出し、かつ、長手方向に亙って延出した突出フランジ、12aは曲げ加工が施された後の突出フランジ12の平坦面、13は初期に直線状を呈した中空押出形材10に曲げ加工が施された場合に突出フランジ12の本体部11に接する側が突出フランジ12の平坦面12aに対して略直交する方向に所定の高さ(例えば、突出フランジ12の一端側から長手方向に向かって徐々に低くなる)を有し且つ長手方向に延設された屈曲部である。また、本体部11の長手方向に垂直な断面は矩形の閉断面構造であり、この閉断面構造をした本体部11の曲げ外側壁11aと曲げ内側壁11bは、突出フランジ12の平坦面12aに直交する(また、屈曲部13に対して略平行となる)ように構成されている。中空押出形材10に曲げ加工が施され、上記屈曲部13が形成されたことにより、屈曲部13が形成された領域では、その分だけ突出フランジ12の曲げ半径方向に略平行な方向の平坦面12aの長さは短くなる。
【0023】
次に、図1に示す中空押出形材10を製造する方法について、図3と図4を用いて説明する。本実施形態においては、特にプレスベンダーによる曲げ加工を採用した例について説明する。
【0024】
図3は図1に示す中空押出形材10を製造するための金型配置(上面押さえ金型21を外す)を模式的に説明するための斜視図、図4は図3に示す金型で曲げ加工が施された後の金型配置(ただし、上面押さえ金型21を含む)を矢印Bの方向から見た模式正面図である。
【0025】
図3、図4において、16は曲げ金型、17は押さえ金型、18はプレス金型、19は芯金、20は下面押さえ金型、21は上面押さえ金型、22は抑え金型である。また、曲げ金型16には、本体部11に曲げ加工が施された場合に上述した屈曲部13が形成可能な逃げ部16aが設けられている。プレスベンダーによる曲げ加工を行う場合には、本体部11および突出フランジ12を下面押さえ金型20、上面押さえ金型21、押さえ金型17、抑え金型22、プレス金型18と曲げ金型16で最初に拘束した後、本体部11に挿入した芯金19、プレス金型18および曲げ金型16を曲げ金型16の回転中心を中心にして矢印で示す回転方向に回転させることで、曲げ加工が行われる。このような曲げ加工が行われた際には、本体部11の曲げ内側壁11bに接する側の当初平坦であった突出フランジ12が屈曲変形し、曲げ内側壁11bと曲げ金型16との間に設けられた空間(逃げ部16a)の間に収まることで、曲げ加工と同時に屈曲部13が形成される。このような曲げ加工が行われた場合にも、屈曲部13以外は上述した各種金型により拘束ないし規制されるため、他部品が接合される突出フランジ12の平坦面12aの精度を確保することが可能となる。
【0026】
なお、図4に示す平坦面12aに略直交する方向に突き出す屈曲部13の高さは、曲げ内側壁11bの高さに比べて低く設定されていることが望ましい。何故ならば、屈曲部13の高さが曲げ内側壁11bの高さに比べて高くなってしまうようでは、曲げ金型16で曲げ内側壁11bを拘束することが難しくなり、中空押出形材10の形状精度、延いては他部品が接合される突出フランジ12の平坦面12aの精度を確保することが難しくなるからである。なお、本実施形態では、アルミニウム合金製押出形材としての中空押出形材10の本体部11の長手方向に対して直交する断面が閉断面構造である例について説明したが、アルミニウム合金製押出形材の本体部の長手方向に対して直交する断面が開断面構造であっても、この開断面構造をした本体部から曲げ内側(曲げ半径方向に略平行な方向)に向かって突出し、かつ、長手方向に亙って延出した突出フランジを備え、この突出フランジの長手方向の両端部の少なくとも一方に、前記延出した突出フランジの平坦面に対して略直交する方向に所定の高さを有し且つ長手方向に延設された屈曲部を有した構成{例えば、後記図7(g)、(h)参照}とすることで、突出フランジの平坦面の精度を確保することが可能である。
【0027】
次に、図1に示す中空押出形材10を構造部材の一部として用いる例について説明する。図5は図1に示す中空押出形材10が構造部材の一部として用いられた状態を模式的に説明するための斜視図、図6は図5に示す中空押出形材10(但し、曲げ外側壁11aの肉厚が、図5に示す曲げ外側壁11aの肉厚より厚い)を矢印Cの方向から見た形状を模式的に説明するための模式断面図である。
【0028】
図5において、中空押出形材10は、他部品との形状制約あるいはデザイン制約の面で曲げ加工が必要な構造部材の一部として用いられる部品であり、本体部11の長手方向の右端側および突出フランジ12の長手方向の右端側が拘束部25で固定され、本体部11の曲げ外側壁11aの左端側に荷重Pが加えられている。このような部品の場合、荷重負荷時に曲げモーメントが大きくなる部位は、固定点側、すなわち、本体部11の長手方向の右端側および突出フランジ12の長手方向の右端側(拘束部25が存在する側)になる。本発明に係る曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材の構造では、中空押出形材10に加わる曲げモーメントが小さくなる載荷点(すなわち、図5に示す本体部11の曲げ外側壁11aに荷重Pが加えられる点)近傍に屈曲部13を形成している。これにより、曲げ強度に大きな影響を与えることなく、形状制約を満足できる。曲げモーメントが大きくなる上記固定点側は、幅広かつ平坦な突出フランジ12を有することになり、断面係数が大きく、かつ、他部品が接合される平坦面12aの精度を確保できる。そして、この幅広の突出フランジ12があることで、本体部11の長手方向の右端側の拘束部25と突出フランジ12の長手方向の右端側の拘束部25の間の距離を広く設定可能となり、中空押出形材10の変形強度を高くすることができる。このように、曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材(例えば、上述した中空押出形材10)を構造部材の一部に用いることが可能である。
【0029】
また、図5に示すように、中空押出形材10を構造部材の一部として用いた場合、荷重Pに起因して圧縮応力が加わる本体部11の曲げ外側壁11aは、中空の閉断面構造の一部であるため、座屈強度が向上し、変形強度を向上することが可能になる。一方、座屈が懸念される突出フランジ12は張力のみが加わる構成であるため、重量増加を最小限に抑えた高い強度を有する構造部材とすることができる。
【0030】
なお、本実施形態では、図5に示すように、中空押出形材10(すなわち、本体部11の長手方向に対して直交する断面が均一な肉厚を有した閉断面構造である)の曲げ外側の部位(曲げ外側壁11a)に圧縮応力が加わる例について説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図6に示すように、曲げ外側壁11aの肉厚を、本体部11の曲げ外側壁11a以外の部位の肉厚や突出フランジ12の肉厚に比べて厚肉に構成することで、より高い座屈抑制効果が得られる。よって、図6に示すように、曲げ外側壁11aの肉厚を、本体部11の曲げ外側壁11a以外の部位の肉厚や突出フランジ12の肉厚に比べて厚肉にしておくことが望ましい。このような構成をとることで、中空押出形材10の拘束部25近傍断面では、中空押出形材10の曲げ中立軸からの距離が遠い位置に肉厚を集中的に配置させることができる。これにより、構造部材としての軽量化と断面係数拡大の両立が可能になり、重量増加を最小限に抑えて効率的に高い強度を得ることが出来る。
【0031】
なお、本実施形態においては、図2や図6に示すような閉断面構造をした本体部11および曲げ加工と同時に形成された屈曲部13と曲げ加工後の突出フランジ12の平坦面12aを有した中空押出形材10を例に説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、図7(a)〜(h)に示すような様々な断面構造をしたアルミニウム合金製押出形材を適宜用いることが可能である。すなわち、図7(a)〜(d)に示すように、突出フランジ12と曲げ加工と同時に形成された屈曲部13とそれに続く曲げ加工後の突出フランジ12の平坦面12aを本体部11の曲げ内側壁11bの端部側あるいは中央近傍の任意の位置に設けることが可能である。また、図7(e)、(f)に示すように、本体部11の断面構造が三角形や円形をした閉断面構造とすることも考えられる。また、図7(g)、(h)に示すように、本体部30の断面構造として、例えばL字状の閉断面構造を採用することも可能である。さらに、上述したような閉断面構造(矩形断面、△形状断面、円形断面)をした本体部を選択した場合、本体部の断面内部に中リブを有する日型構造など、必要に応じて便宜選択可能である。また、屈曲部13に関しても、図2や図6に示すような方向とは逆の方向を向く構成や屈曲部13を2個有するものなど様々な構成が考えられる。
【0032】
(他の実施形態)
図8は、本発明の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材の他の実施形態(中空押出形材の両端を曲げる場合)の概略構造を示す斜視図である。図8(a)において、中空押出形材10の両端に、図2に示すような方向とは逆の方向を向く屈曲部40、41がそれぞれ設けられ、本体部11の両端に矢印で示す方向に曲げ加工が施される以外は、図1に示す中空押出形材10と同じである。図8(b)は、図8(a)に示す曲げ加工が施された中空押出形材10の突出フランジ12に、例えばプレス成形をさらに施すことで接合座面50が設けられたものである。このようなプレス成形をさらに行うことにより、上述したような接合座面50の形成やリブ(図示せず)の形成が可能である。また、図8(a)に示す曲げ加工が施された中空押出形材10の屈曲部40、41のリストライク成形による形状精度の向上なども可能である。なお、図8(b)では、プレス成形による接合座面50の形成の例についてのみ示したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、プレス成形段階で初期曲げ加工とは別方向に中空押出形材10を曲げ加工することも可能であり、工程の追加を行うことにより、形状の自由度をさらに拡大することが可能である。
【符号の説明】
【0033】
10 中空押出形材
11、30 本体部
11a 曲げ外側壁
11b 曲げ内側壁
12 突出フランジ
12a 曲げ加工後の突出フランジ12の平坦面
13、40、41 屈曲部
16 曲げ金型
16a 逃げ部
17 押さえ金型
18 プレス金型
19 芯金
20 下面押さえ金型
21 上面押さえ金型
22 抑え金型
25 拘束部
50 接合座面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、この本体部から曲げ内側に向かって突出した突出フランジとを長手方向に亙って有し、かつ、曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材であって、
前記突出フランジは前記本体部の曲げ半径方向に略平行な方向に延出し、
前記突出フランジの長手方向の両端部の少なくとも一方には、前記延出した突出フランジの平坦面に対して略直交する方向に所定の高さを有し且つ長手方向に延設された屈曲部を有したことを特徴とする曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項2】
前記アルミニウム合金製押出形材の長手方向に対して直交する断面内には、肉厚差を有することを特徴とする請求項1に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項3】
前記本体部の長手方向に対して直交する断面は、閉断面構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項4】
前記閉断面構造をした本体部を構成する曲げ外側壁は、前記突出フランジに形成された屈曲部に対して略平行となるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項5】
前記曲げ外側壁の肉厚が、前記本体部の曲げ外側壁以外の部位の肉厚や前記突出フランジの肉厚に比べて厚肉であることを特徴とする請求項4に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項6】
前記本体部の長手方向に対して直交する断面は、開断面構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項7】
前記開断面構造をした本体部を構成する部位の肉厚が、前記突出フランジの肉厚に比べて厚肉であることを特徴とする請求項6に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項8】
前記突出フランジに接合座面が設けられたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の曲げ加工が施されたアルミニウム合金製押出形材を一部に用いてなることを特徴とする構造部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−107107(P2013−107107A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254164(P2011−254164)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】