説明

曲線切断用メタルソーとその加工方法と加工装置

【課題】航空機の機体となる炭素繊維強化プラスチック積層板やジュラルミン板、金属薄板等々を任意形状の高精度製品として容易に曲線切断できる新規な曲線切断用メタルソーとその加工方法と加工装置を提供する。
【解決手段】 円板状の台金1の中心部に回転駆動軸に装着される取付孔2Aを有し、上記台金の外周縁Aに切刃Cを備えたメタルソー10であり、上記台金1はこの全周囲に複数枚の扇状放射板(分割台金)1A,1B・・・を等間隔に分割配列させてなり、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向Oとなる扇状放射板(台金)の左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタルソー(丸鋸)に係わり、特に、航空機の機体となる炭素繊維強化プラスチック積層板やジュラルミン板、その他合成樹脂板、金属薄板等々を曲線切断させる新規な曲線切断用メタルソーとその加工方法と加工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、航空機による国際的な物流増大に対応する事と、対地球環境向上を図るための低燃費性の要求が高まり、航空機の機体軽量化と燃費改善が図られている。その具体的方策として、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の繊維強化プラスチック系複合材製品が軽量で、且つ、高い強度と剛性とを備えているため、航空機等の構造部材(主翼・尾翼・胴体等)として使用されている。上記航空機の構造部材の曲線切断は、専用の曲線切断機や手工具(丸鋸を使用した切断具)や曲刃カッターにより曲線切断されている。
【0003】
上記専用の曲線切断機の一例に、薄板切断加工機が提供されている。その構成は、保持部材をワークテーブルに対し任意な三次元方向へ相対移動可能に設けると共に、この保持部材の先端部には、超硬材料よりなる断面V字状刃先部をもつ回転刃を装着する。この回転刃をモータで高速回転駆動しながら、保持部材を所定の高さまで下降させて旋回しつつX軸,Y軸方向に適宜動かすことで、ワークテーブル上の薄い素材を切断するものである。これにより、小径の円盤状の回転刃を板材に対して相対的に旋回しつつ、X,Y軸方向へ移動して板材の切断を行なうので、例えば従来のレーザ加工機のごとく、板材から適宜形状の製品を容易に切り抜くことができるとしたものである。(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
上記曲刃カッターは、平円形カッター(丸鋸を含む)を改良したもので、その構成は、円形の中心部に回転軸への取付け孔を有し、該円形の外周に植刃部材又は鋸歯部材を付備する金属製皿状の円形カッターであって、この外周周辺は、円錐状の皿鍔部材で形成し、該皿鍔部材の円錐状の全周面に数条の切り込み溝が、該円錐放射状に等間隔で配備し、更に該皿鍔部材の外周縁に付備する植刃部材又は鋸歯部材も、該切り込み溝を跨いで等間隔で、各々が該円錐状に周配列をなし、且つ該植刃部材又は鋸歯部材の円錐形状の内外両側面が該円錐円弧形状の切削刃を形成したものである。これにより、先ず、回転切削する切断刃は、絶えず、平板ワーク材の表面に対して垂立状態を保持することができ、同時に切削切断刃の刃先巾に対して、回転切削切断中は、該回転刃物の両側面に、絶えず一定のクリアランスを保持することができる。次に、平板ワーク材の要切断円形の大小の円弧に、合理的に合致する回転切削曲刃物として、回転切削切断中にコジリ、軋み等の無理な負荷の掛らないものである。(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 実開平05−029625号公報
【特許文献2】 実公平06−036881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記薄板切断加工機は、小径の円盤状の回転刃を板材に対して相対的に旋回しつつ、X,Y軸方向へ移動して板材の切断を行なうので、板材から適宜形状の製品を容易に切り抜くことができるとするものの、回転刃が断面V字状刃先部を有するものであるから、板材の切断面がV字状の斜め形状を呈し、この切断面を垂直面とする修正加工をしなければならないという問題が解決されていない。
【0007】
また、上記曲刃カッターは、平板ワーク材の要切断円形の大小の円弧に、合理的に合致する回転切削曲刃物として、回転切削切断中にコジリ、軋み等の無理な負荷の掛らないとするものの、曲刃カッターの円錐内角度が一定・固定されたものであるから、この円錐内角度に拘束された曲線加工に限定される。これが為に、加工曲線が左右に湾曲変化するものや曲率半径が任意に連続的に変化する曲線加工は、不可能であるという問題点が残存している。即ち、航空機等の構造部材(主翼・尾翼・胴体等)のように、大物ワークで精密な曲線加工を要求される曲線加工には適用できない。
【0008】
上記の他、航空機等の構造部材(主翼・尾翼・胴体等)の加工を損ねる大きな問題点が存在しており、これらの問題を早急に解決された曲線切断用メタルソーとその加工方法と加工装置が求められている。
【0009】
本発明は、航空機の機体となる炭素繊維強化プラスチック積層板やジュラルミン板、その他合成樹脂板、金属薄板等々を任意形状の高精度製品として容易に曲線切断できる新規な曲線切断用メタルソーとその加工方法と加工装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による曲線切断用メタルソーは、円板状の台金の中心部に回転駆動軸に装着される取付孔を有し、上記台金の外周縁に切刃を備えたメタルソーであって、上記台金はこの全周囲に複数枚の扇状放射板を等間隔に分割配列させてなり、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる扇状放射板の左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項2による曲線切断用メタルソーは、請求項1記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記扇状放射板は、撓み可能なバネ鋼であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の請求項3による曲線切断用メタルソーは、請求項1記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記扇状放射板は、撓み可能な樹脂材であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の請求項4による曲線切断用メタルソーは、請求項1記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記扇状放射板は、撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列させたものであること特徴とする。
【0014】
また、本発明の請求項5による曲線切断用メタルソーは、請求項1記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したものであること特徴とする。
【0015】
また、本発明の請求項6による曲線切断用メタルソーは、請求項1または5記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであること特徴とする。
【0016】
また、本発明の請求項7による曲線切断用メタルソーは、請求項1〜6のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記各扇状放射板は、取付孔の環状部に着脱可能に付設したことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の請求項8の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板と、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる左右側面へ外力により撓み可能とした可撓性材と、上記可撓性材とした各扇状放射板の外周縁に付設した切刃と、上記切刃を付設した各扇状放射板を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段に少なくとも二次元送りの曲線制御指令により扇状放射板を左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備し、被加工板を任意形状に曲線切断することを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項9の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され高圧気体を噴射する一対のノズルであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の請求項10による曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、空気であることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の請求項11の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、窒素ガス等の不燃性気体であることを特徴とする。
【0021】
また、本発明の請求項12の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、水であることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の請求項13の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、クーラント液等の冷却・潤滑液体であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明の請求項14による曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されることを特徴とする。
【0024】
また、本発明の請求項15の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から13のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、上記扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出すること特徴とする。
【0025】
また、本発明の請求項16の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであることを特徴とする。
【0026】
また、本発明の請求項17による曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項8または16記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の請求項18の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され磁力引きする一対のマグネットであることを特徴とする。
【0028】
また、本発明の請求項19の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーであることを特徴とする。
【0029】
また、本発明の請求項20の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板を、この回転軸方向となる扇状放射板の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記扇状放射板を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線切断することを特徴とする。
【0030】
また、本発明の請求項21の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、請求項20記載の曲線切断用メタルソーによる加工方法において、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により扇状放射板を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御されることを特徴とする。
【0031】
また、本発明の請求項22による曲線切断用メタルソーは、円板状の台金の中心部に回転駆動軸に装着される取付孔を有し、上記台金の外周縁に切刃を備えたメタルソーであって、上記台金は1枚の可撓性材質で形成し、上記台金の回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能としたことを特徴とする。
【0032】
また、本発明の請求項23による曲線切断用メタルソーは、請求項22記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記台金の可撓性材質が、撓み可能なバネ鋼であることを特徴とする。
【0033】
また、本発明の請求項24による曲線切断用メタルソーは、請求項22記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記台金の可撓性材質が、撓み可能な樹脂材であることを特徴とする。
【0034】
また、本発明の請求項25による曲線切断用メタルソーは、請求項22記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記台金の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したものであること特徴とする。
【0035】
また、本発明の請求項26による曲線切断用メタルソーは、請求項22または25記載の曲線切断用メタルソーにおいて、上記台金の外周縁に備える切刃は、不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであること特徴とする。
【0036】
また、本発明の請求項27の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、台金をこの回転軸芯方向となる左右側面へ外力により撓み可能とした可撓性材と、上記可撓性材とした台金の外周縁に付設した切刃と、上記切刃を付設した台金を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段に少なくとも二次元送りの曲線制御指令により台金を左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備し、被加工板を任意形状に曲線切断することを特徴とする。
【0037】
また、本発明の請求項28の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され高圧気体を噴射する一対のノズルであることを特徴とする。
【0038】
また、本発明の請求項29の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、空気であることを特徴とする。
【0039】
また、本発明の請求項30の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、窒素ガス等の不燃性気体であることを特徴とする。
【0040】
また、本発明の請求項31の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、水であることを特徴とする。
【0041】
また、本発明の請求項32の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、クーラント液等の冷却・潤滑液体であることを特徴とする。
【0042】
また、本発明の請求項33の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27から32のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置請求項において、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから台金の左右側面に向けて噴出されることを特徴とする。
【0043】
また、本発明の請求項34の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27から32のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置請求項において、上記高圧気体は、上記台金の回転軸芯から外径方向の被加工板及び切刃に向けて噴出すること特徴とする。
【0044】
また、本発明の請求項35の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置請求項において、上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであることを特徴とする。
【0045】
また、本発明の請求項36の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27または16記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射することを特徴とする。
【0046】
また、本発明の請求項37の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され磁力引きする一対のマグネットであることを特徴とする。
【0047】
また、本発明の請求項38の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーであることを特徴とする。
【0048】
また、本発明の請求項39の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、台金を、この回転軸方向となる台金の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記台金を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線切断することを特徴とする。
【0049】
また、本発明の請求項40の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、請求項39記載の曲線切断用メタルソーによる加工方法において、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により台金を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御されることを特徴とする。
【0050】
本発明の請求項1による曲線切断用メタルソーの作用は、台金を複数枚の扇状放射板で等間隔に分割配列させ、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたから、扇状放射板がこの左右側面に対して均等にバランスした直伸状態にある時は、曲線切断用メタルソーの直線切断が可能となる。また、扇状放射板がこの左側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断が可能となる。そして、扇状放射板がこの右側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断が可能となる。
【0051】
本発明の請求項2〜4による曲線切断用の作用は、上記扇状放射板が、撓み可能なバネ鋼又は樹脂材又は撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列させたものであるから、扇状放射板の左右側面への撓み量や直伸性に優れているので、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断が可能となる。
更に、本発明の請求項5と6による曲線切断用の作用は、上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したもの又は上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであるから、難削材の板材に対する切断作用が円滑に行える。
【0052】
本発明の請求項7による曲線切断用メタルソーは、請求項1〜6の曲線切断用メタルソーにおいて、各扇状放射板が回転軸に着脱可能に付設されているから、一つの扇状放射板やその外周の切刃が損傷すれば、その扇状放射板のみの交換が可能でランニングコストが低く抑えられた切断が行われる。
【0053】
本発明の請求項8の曲線切断用メタルソーによる加工装置の作用は、複数枚の扇状放射板と、上記扇状放射板を左右側面へ外力により撓み可能な可撓性材と、上記各扇状放射板の外周縁に付設した切刃と、上記各扇状放射板を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段は曲線制御指令で扇状放射板に対して左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備したから、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業が行われる。
【0054】
本発明の請求項9〜19において、請求項9及び10の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項8において、上記撓み付与手段は、一対のノズルを扇状放射板の左右側面に配置し、空気の高圧気体を扇状放射板の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により扇状放射板の直伸・左右撓み調節が行われる。
【0055】
また、本発明の請求項11の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0056】
また、本発明の請求項12と13の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、扇状放射板の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用が行われる。
【0057】
また、本発明の請求項14の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、扇状放射板の撓み・冷却等が行われる。
【0058】
また、本発明の請求項15の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、上記扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出されるから、各扇状放射板間の隙間内に堆積する切粉は効率良く排除されるとともにこの箇所の冷却作用が行われる。
【0059】
また、本発明の請求項16の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。
【0060】
また、本発明の請求項17の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射するから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0061】
また、本発明の請求項18の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、扇状放射板の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働く。
【0062】
また、本発明の請求項19の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、扇状放射板の左右側面に配置した一対の回転ローラーにより左右側面を両側から把持するから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良く働く。
【0063】
本発明の請求項20〜21の曲線切断用メタルソーによる加工方法による作用は、全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板を、この回転軸方向となる扇状放射板の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記扇状放射板を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線に切断する。また、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により扇状放射板を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御される。
【0064】
また、本発明の請求項22の曲線切断用メタルソーは、台金を1枚の可撓性材質で形成し、上記台金の回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能としたから、この左右側面に対して均等にバランスした直伸状態にある時は、曲線切断用メタルソーの直線切断が可能となる。また、この左側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断が可能となる。そして、この右側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断が可能となる。
【0065】
また、本発明の請求項23と24の曲線切断用メタルソーは、上記台金を1枚の可撓性材質が、撓み可能なバネ鋼又は樹脂材のであるから、台金はその左右側面への撓み量や直伸性に優れているので、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断が可能となる。
更に、本発明の請求項25と26による曲線切断用の作用は、上記台金の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したもの又は不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであるから、難削材の板材に対する切断作用が円滑に行える。
【0066】
また、本発明の請求項27の曲線切断用メタルソーによる加工装置の作用は、台金を左右側面へ外力により撓み可能な可撓性材と、上記台金の外周縁に付設した切刃と、上記台金を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段は曲線制御指令で扇台金に対して左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備したから、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業が行われる。
【0067】
また、本発明の請求項28〜34において、請求項28及び29の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27において、上記撓み付与手段は、一対のノズルを台金板の左右側面に配置し、空気の高圧気体を台金の左右側面に向けて噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により台金の直伸・左右撓み調節が行われる。
【0068】
また、本発明の請求項30の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・台金・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0069】
また、本発明の請求項31と32の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、台金の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用が行われる。
【0070】
また、本発明の請求項33の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27から30のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから台金の左右側面に向けて噴出されるから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、台金の撓み・冷却等が行われる。
【0071】
また、本発明の請求項34の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項27から30のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置において、上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。
【0072】
また、本発明の請求項35の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・台金・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0073】
また、本発明の請求項36の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、台金の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働く。
【0074】
また、本発明の請求項37の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、台金の左右側面に配置した一対の回転ローラーにより左右側面を両側から把持するから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良く働く。
【0075】
本発明の請求項38〜39の曲線切断用メタルソーによる加工方法による作用は、台金を、この回転軸方向となる台金の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記台金を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線に切断する。また、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により台金を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御される。
【発明の効果】
【0076】
本発明の曲線切断用メタルソーによると、台金を複数枚の扇状放射板で等間隔に分割配列させ、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたから、扇状放射板がこの左右側面に対して均等にバランスした直伸状態では、曲線切断用メタルソーの直線切断ができる。扇状放射板がこの左側面に対して湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断ができる。そして、扇状放射板がこの右側面に対して湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断ができる。
【0077】
本発明の曲線切断用メタルソーは、扇状放射板が、撓み可能なバネ鋼又は樹脂材又は撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列され、扇状放射板の撓みや直伸性に優れ、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断が効果的にできる。更に、上記扇状放射板の外周縁の切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設又は上記扇状放射板の外周縁の切刃を不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したので、難削材の板材に対する切断作用が円滑にできる。
【0078】
本発明の曲線切断用メタルソーは、各扇状放射板が回転軸に着脱可能に付設され、一つの扇状放射板やその外周の切刃が損傷すれば、その扇状放射板のみの交換が可能でランニングコストが低く抑えられた切断ができる。
【0079】
本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業を実施させることができる。また、撓み付与手段は、一対のノズルを扇状放射板の左右側面に配置し、空気の高圧気体を扇状放射板の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により扇状放射板の直伸・左右撓み調節ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0080】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、扇状放射板の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、扇状放射板の撓み・冷却等ができる。
【0081】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体が扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出され、各扇状放射板間の隙間内に堆積する切粉は効率良く排除されるとともにこの箇所の冷却作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、撓み付与手段が扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。
【0082】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧させ、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射し、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0083】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、扇状放射板の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良くでき、また、扇状放射板の左右側面に配置した一対の回転ローラーで左右側面を両側から把持し、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良くできる。
【0084】
本発明の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板を、この回転軸方向となる扇状放射板の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記扇状放射板を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線に切断できる。また、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により扇状放射板を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御できる。
【0085】
また、本発明の曲線切断用メタルソーは、台金を1枚の可撓性材質で形成し、台金の回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とし、この左右側面に対して均等にバランスした直伸状態時は、曲線切断用メタルソーの直線切断ができる。また、この左側面に対して湾曲した状態時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断ができる。そして、湾曲した状態時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断が可能できる。
【0086】
また、本発明の曲線切断用メタルソーは、台金を1枚の撓み可能なバネ鋼又は樹脂材のとし、台金はその左右側面への撓み量や直伸性に優れているので、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断ができる。更に、上記台金の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したもの又は不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したから、難削材の板材に対する切断作用が円滑にできる。
【0087】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業を実施させることができる。また、撓み付与手段は、一対のノズルを台金の左右側面に配置し、空気の高圧気体を台金の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により台金の直伸・左右撓み調節ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・台金・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0088】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、台金の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を撓み付与手段のノズルから台金の左右側面に向けて噴出されるから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、台金の撓み・冷却等ができる。
【0089】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、撓み付与手段が台金の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。
【0090】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧させ、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射し、台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・台金・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0091】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、台金の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により台金に対する撓みや直伸させる作用力が効率良くでき、また、台金の左右側面に配置した一対の回転ローラーで左右側面を両側から把持し、台金に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良くできる。
【0092】
本発明の曲線切断用メタルソーによる加工方法は、全周囲に等間隔に分割配列させた台金を、この回転軸方向となる台金の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記台金を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線に切断できる。また、上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により台金を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの断面図と部分図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの正面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの正面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの斜視図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの断面図と部分図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーの斜視図である。
【図10】本発明の第3と5の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーによる加工装置図である。
【図11】本発明の第3と5の実施の形態を示し、加工装置の平面図である。
【図12】本発明の第4と6の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーによる加工装置図である。
【図13】本発明の第4と6の実施の形態を示し、加工装置の平面図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態を示し、曲線切断用メタルソーによる加工装置図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態を示し、加工装置の断面図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図17】本発明の第5の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図18】本発明の第5の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図19】本発明の第6の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図20】本発明の第6の実施の形態を示し、加工装置の断面図である。
【図21】本発明の第6の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図22】本発明の第6の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【図23】本発明の第6の実施の形態を示し、加工装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0094】
以下、図1乃至図23を参照して本発明の各実施の形態を順次に説明する。
【実施例】
【0095】
本発明の第1の実施の形態となる曲線切断用メタルソーは、図1〜図3に示すように、円板状の台金1の中心部に外部駆動源となる回転駆動軸(図示なし)に装着される取付環2とこの中心に取付孔2Aを有し、上記台金の外周縁Aに切刃Cを備えた曲線切断用メタルソー10である。上記台金は、取付環2の全周囲に複数枚の扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・1Iを等間隔に分割配列されたものである。上記扇状放射板は、この回転軸芯方向Oとなる扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・・・の左右側面への外力±Pにより回転軸芯方向へ撓み、外力±Pが無くなれば元の直伸した状態に戻るバネ鋼B1又は樹脂材B2の単品材質で形成されている。図1にバネ鋼B1による曲線切断用メタルソー10を示し、図2に樹脂材B2による曲線切断用メタルソー11を示している。更に、上記曲線切断用メタルソー10,11は、図3に示すように、等間隔に分割配列された扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・を、撓み可能なバネ鋼B1と撓み可能な樹脂材B2とを交互に分割配列させた複合材質の曲線切断用メタルソー12としても良く。図4に示すように、扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・を、撓み可能なバネ鋼B1と撓み可能な樹脂材B2とを不等枚数関係で分割配列させた複合材質の曲線切断用メタルソー13としても良い。
【0096】
また、各扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・は、図1,図3等に示すように、取付環2の外周囲に着脱不能な連結手段(例えばロウ付け)に固着させても良いし、着脱可能な連結手段Kにより付設されている。その連結手段Kは、図2に示すように、例えば、雄(ロ)雌(イ)の係合によっている。続いて、上記台金の外周縁Aに備えた切刃Cについて、図 に示すように、上記曲線切断用メタルソー10〜13において、超硬チップC1による場合と、ダイヤモンドチップC2による場合とがある。この異種チップC1,C2を各扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・毎に付設させたユニットとし、これを図5に示すように、扇状放射板1A,1B,1C・・・の外周縁Aに備える切刃C1,C2は、異なる材質の切刃C1,C2を交互に付設したものである。これにより、外周切刃が異なる材質(異種チップC1,C2)のメタルソーの各扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・を製作し、異種チップの各扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・を取付環2に交互に組み付けることで、不連続切刃メタルソーが容易に得られる。更に、上記扇状放射板の外周縁に備える切刃C1,C2は、図6に示すように、不等ピッチ(不等リード、例えば、ピッチ2,3,2,3mm〜)P1,P2の切刃C1,C2を交互に付設したものであっても良い。
【0097】
上記のように、扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・の材質変更(バネ鋼B1又は樹脂材B2)、切刃の異種チップC1,C2、切刃ピッチP1,P2からなる三要素の最適組み合せが可能となる。しかして、切断すべき被加工板材Wの材質や板厚や曲率半径等の変更に応じた最適な曲線切断用メタルソー10〜13等、その他の曲線切断用メタルソーが拡大的に選択使用される。
【0098】
本発明の第1の実施の形態となる曲線切断用メタルソー10〜13の作用は、以下のように作用する。先ず、台金1を複数枚の扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・で等間隔に分割配列させ、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向Oとなる左右側面への外力±Pにより回転軸芯方向Oへ撓み可能としたから、扇状放射板がこの左右側面に対して均等にバランスした直伸状態にある時は、曲線切断用メタルソーによる切断すべき被加工板材Wの直線切断が可能となる。また、扇状放射板がこの左側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断が可能となる。そして、扇状放射板がこの右側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断が可能となる。
【0099】
また、上記曲線切断用メタルソー10〜13は、上記扇状放射板1A,1B,1C・・・が、撓み可能なバネ鋼B1又は樹脂材B2又は撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列させたものであるから、扇状放射板の左右側面への撓み量や直伸性に優れ、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断が的確・正確に実施可能となる。更に、本発明の曲線切断用メタルソー10〜13の作用は、上記扇状放射板1A,1B,1C・・・の外周縁Aに備える切刃Cは、異なる材質の切刃(異種チップC1,C2)を交互に付設したもの、又は上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、(不等リード、例えば、ピッチ2,3,2,3mm〜)P1,P2の切刃(異種チップC1,C2)を交互に付設したものであるから、難削材の板材に対する切断作用が円滑に行える。
【0100】
本発明の曲線切断用メタルソー10〜13は、各扇状放射板1A,1B,1C・・・が取付環2の全周囲に着脱可能に付設されているから、一つの扇状放射板やその外周の切刃Cが損傷すれば、その扇状放射板のみの交換が可能でランニングコストが低く抑えられた切断が行われる。
【0101】
本発明の実施形態となる曲線切断用メタルソー10〜13によれば、下記の効果が奏せられる。特に、台金を複数枚の扇状放射板(分割台金)で等間隔に分割配列させ、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたから、扇状放射板が直伸状態では、曲線切断用メタルソーの直線切断ができる。扇状放射板が左側面に湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断ができる。そして、扇状放射板が右側面に湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断ができる。
【0102】
本発明の曲線切断用メタルソーは、扇状放射板が、撓み可能なバネ鋼又は樹脂材又は撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列したから、扇状放射板の撓みや直伸性に優れ、板材に対する曲線切断用メタルソーによる左右方向の任意な曲線切断や直線切断が効果的にできる。更に、上記扇状放射板の外周縁の切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設又は上記扇状放射板の外周縁の切刃を不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したから、難削材の板材に対する切断作用が円滑にできる。
【0103】
続いて、本発明の第2の実施の形態となる曲線切断用メタルソー20は、図7に示すように、円板状の台金1の中心部に外部駆動源となる回転駆動軸(図示なし)に装着される取付環2とこの中心に取付孔2Aを有し、上記台金の外周縁Aに切刃Cを備えた曲線切断用メタルソー20である。上記台金は、取付環2の全周囲に1枚の可撓性材質で形成し、上記台金1の回転軸芯方向Oとなる左右側面への外力±Pにより回転軸方向へ撓み、外力±Pが無くなれば元の直伸した状態に戻るバネ鋼B1又は樹脂材B2の単品材質で形成されている。図7にバネ鋼B1による曲線切断用メタルソー20を示し、図8に樹脂材B2による曲線切断用メタルソー21を示している。
上記曲線切断用メタルソー20,21において、切刃Cは、超硬チップC1による場合と、ダイヤモンドチップC2とがある。この異種チップC1,C2は、図7に示すように、異なる材質の切刃C1,C2を交互に付設した曲線切断用メタルソー20としてもよい。これにより、不連続切刃メタルソーが容易に得られる。更に、上記切刃C1,C2は、図9に示すように、不等ピッチ(不等リード、例えば、ピッチ2,3,2,3mm〜)P1,P2の切刃C1,C2を交互に付設した曲線切断用メタルソー22としてもよい。
【0104】
本発明の第2の実施の形態となる曲線切断用メタルソー20〜22の作用は、以下のように作用する。先ず、台金1は、この回転軸芯方向Oとなる左右側面への外力±Pにより回転軸芯方向Oへ撓み可能な素材で構成したから、図8に示すように、台金1がこの左右側面に対して均等にバランスした直伸状態にある時は、曲線切断用メタルソー20〜22による切断すべき被加工板材Wの直線切断が可能となる。また、台金1がこの左側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソー20〜22の断面形状に倣った左側面方向への曲線切断が可能となる。そして、台金1がこの右側面に対して湾曲した状態にある時は、板材に対する曲線切断用メタルソー20〜22の断面形状に倣った右側面方向への曲線切断が可能となる。
【0105】
また、上記曲線切断用メタルソー20〜22は、上記台金1が、撓み可能なバネ鋼B1又は樹脂材B2であるから、台金1の左右側面への撓み量や直伸性に優れ、板材に対する曲線切断用メタルソー20〜22による左右方向の任意な曲線切断や直線切断が的確・正確に実施可能となる。更に、曲線切断用メタルソー20〜22の作用は、上記台金1の外周縁Aに備える切刃Cは、異なる材質の切刃(異種チップC1,C2)を交互に付設したもの、又は上記台金1の外周縁に備える切刃は、(不等リード、例えば、ピッチ2,3,2,3mm〜)P1,P2の切刃(異種チップC1,C2)を交互に付設したものであるから、難削材の板材に対する切断作用が円滑に行える。
【0106】
本発明の実施形態となる曲線切断用メタルソー20〜23によれば、下記の効果が奏せられる。特に、台金をこの回転軸芯方向となる左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたから、台金が直伸状態では、曲線切断用メタルソーの直線切断ができる。台金が左側面に湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った左側面方向への曲線切断ができる。そして、台金が右側面に湾曲した状態では、板材に対する曲線切断用メタルソーの断面形状に倣った右側面方向への曲線切断ができ、自由自在な任意形状に効率良く曲線切断できる。
【0107】
更に、本発明の曲線切断用メタルソー20〜23は、台金1が、撓み可能なバネ鋼B1又は撓み可能な樹脂材B2としたから、台金1の撓みや直伸性に優れ、板材に対する曲線切断用メタルソー20〜23による左右方向の任意な曲線切断や直線切断が効果的にできる。更に、上記台金の外周縁の切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設又は上記台金の外周縁Aの切刃Cを不等ピッチ(不等リード)P1,P2の切刃C1,C2を交互に付設したから、難削材の板材に対する切断作用が円滑にできる。
【0108】
続いて、本発明の第3の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工方法は、上記曲線切断用メタルソー10〜13を使用した加工方法である。その詳細方法は、図10と図11に示すように、全周囲Aに等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・を、この回転軸方向Oとなる扇状放射板の左右側面への外力±Pにより回転軸方向Oへ撓み可能とした曲線切断用メタルソー10〜13に対し、上記扇状放射板1A,1B,1C・・・を撓み付与手段50により左右側面へ撓ませることで被加工板Wを任意形状に曲線切断される。即ち、上記撓み付与手段50は、曲線切断用メタルソー10〜13の下側における前後の両側に対向配置されている。しかして、少なくとも二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekにより曲線加工制御部65が撓み付与手段50を駆動して扇状放射板1A,1B,1C・・・を左右に撓み制御させる。そして、上記曲線切断用メタルソー10〜13を備える加工ヘッドHは、二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekによる扇状放射板1A,1B,1C・・・の左右撓み制御量に合わせられた曲線方向kに送り制御され、被加工板Wを任意形状に曲線切断するものである。尚、上記加工ヘッドHは、CNC制御装置70により運転される工作機械の加工ヘッドであり、その回転主軸Sに曲線加工ユニット80の接続部80Aが連結されている。また、上記曲線切断用メタルソー20〜23は、曲線加工ユニット80内に備える回転モータMにより回転駆動される。
【0109】
続いて、本発明の第4の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工方法は、上記曲線切断用メタルソー20〜22を使用した加工方法である。その詳細方法は、図12と図13に示すように、台金1は、この回転軸芯方向Oとなる左右側面への外力±Pにより回転軸芯方向Oへ撓み可能な素材で構成した曲線切断用メタルソーであり、上記台金1を撓み付与手段50により左右側面へ撓ませることで被加工板Wを任意形状に曲線切断される。即ち、上記撓み付与手段50は、曲線切断用メタルソー10〜13の下側における前後の両側に対向配置されている。しかして、少なくとも二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekにより台金1を左右に撓み制御させる。そして、上記曲線切断用メタルソー20〜23を備える加工ヘッドHは、二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekによる扇状放射板1A,1B,1C・・・の左右撓み制御量に合わせられた曲線方向kに送り制御され、被加工板Wを任意形状に曲線切断するものである。尚、上記加工ヘッドHは、CNC制御装置70により運転される工作機械の加工ヘッドであり、その回転主軸Sに曲線加工ユニット80の接続部80Aが連結されている。また、上記曲線切断用メタルソー20〜23は、曲線加工ユニット80内に備える回転モータMにより回転駆動される。
【0110】
しかして、上記第3及び第4の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工方法によると、下記の効果が奏せられる。曲線切断用メタルソーの台金は、この回転軸芯方向Oとなる左右側面への外力±Pにより回転軸芯方向Oへ撓み可能な素材による構成であり上記台金を撓み付与手段50により左右側面へ撓ませることで被加工板Wを任意形状に曲線切断できる。即ち、上記撓み付与手段50は、曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドHに対して、二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekによる台金の左右撓み制御量に合わせて曲線方向kに送り制御でき、被加工板Wに対して自由自在な任意形状に効率良く曲線切断できる。
【0111】
続いて、本発明の第5の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、図1〜図6に示すような全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・と上記扇状放射板(分割台金)をこの回転軸芯方向Oとなる左右側面へ外力±Pにより撓み可能とした可撓性材B1,B2と、上記可撓性材とした各扇状放射板(分割台金)の外周縁Aに付設した切刃Cとを備える。そして、図10と図11に示すように、上記切刃を付設した各扇状放射板(分割台金)を左右側面へ撓ませる撓み付与手段50と、上記撓み付与手段50は、曲線切断用メタルソー10〜13の下側における前後の両側に対向配置されている。これで、少なくとも二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekにより曲線加工制御部65が撓み付与手段50を駆動して扇状放射板1A,1B,1C・・・を左右に撓み制御させる。そして、上記曲線切断用メタルソー10〜13を備える加工ヘッドHは、二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekによる扇状放射板1A,1B,1C・・・の左右撓み制御量に合わせられた曲線方向kに送り制御され、被加工板Wを任意形状に曲線切断するものである。尚、上記加工ヘッドHは、CNC制御装置70により運転される工作機械の加工ヘッドであり、その回転主軸Sに曲線加工ユニット80の接続部80Aが連結されている。また、上記曲線切断用メタルソー20〜23は、曲線加工ユニット80内に備える回転モータMにより回転駆動される。
【0112】
上記撓み付与手段50は、図14と図15に示すように、扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・の左右側面に配置され高圧気体EOを噴射する一対のノズルN1,N2を備えている。上記高圧気体EOは、各種の素材が使用される。例えば、空気Eであり、窒素ガスN等の不燃性気体N0である。更に、上記高圧気体EOは、水W1である。クーラント液等の冷却・潤滑液体W2である。そして、上記高圧気EO体は、撓み付与手段50の一対のノズルN1,N2から扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・の左右側面に向けて噴出される。尚、上記窒素ガスN等の不燃性気体N0を高圧気体EOとして使用する実施例においては、図14に示すように、曲線切断用メタルソー10〜13の全体をカバー体CBで包囲し、窒素ガスNをカバー体内の切刃Cに噴射するものとしても良い。
【0113】
上記高圧気体EOは、上記曲線切断用メタルソー20〜23において、図15に示す補助噴射方式が採用される。その構成は、高圧気体EOが通路90から上記扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・の回転軸芯Oに送られ、ここから各扇状放射板(分割台金)間の隙間Xを流通させて外径方向に放出させることで被加工板W及び切刃Cに向けて噴出される。
【0114】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図16に示すように、扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・の左右側面に一対のノズルN1,N2を配置し、真空ポンプV1で真空引きするものである。そして、上記曲線切断用メタルソー10〜13の全体をカバー体CBで包囲し、真空ポンプV2による真空引き手段により集塵作用・負圧化を倍増する。
【0115】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図17に示すように、扇状放射板(分割台金)1A,1B,1C・・・の左右側面に配置され一対のマグネットM1,M2で磁力引きするものである。
【0116】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図18に示すように、扇状放射板(分割台金)の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーR1,R2である。
【0117】
本発明の第5の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、以下の如く作用する。先ず、複数枚の扇状放射板と、上記扇状放射板を左右側面へ外力より撓み可能な可撓性材と、上記各扇状放射板の外周縁に付設した切刃と、上記各扇状放射板を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段は曲線制御指令で扇状放射板に対して左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備したから、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業が行われる。
【0118】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記撓み付与手段は、一対のノズルを扇状放射板の左右側面に配置し、空気の高圧気体を扇状放射板の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により扇状放射板の直伸・左右撓み調節が行われる。
【0119】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0120】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、扇状放射板の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用が行われる。
【0121】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、扇状放射板の撓み・冷却等が行われる。
【0122】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記高圧気体は、上記扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出されるから、各扇状放射板間の隙間内に堆積する切粉は効率良く排除されるとともにこの箇所の冷却作用が行われる。
【0123】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。
【0124】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射するから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0125】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、扇状放射板の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働く。
【0126】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、扇状放射板の左右側面に配置した一対の回転ローラーにより左右側面を両側から把持するから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良く働く。
【0127】
本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業を実施させることができる。また、撓み付与手段は、一対のノズルを扇状放射板の左右側面に配置し、空気の高圧気体を扇状放射板の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により扇状放射板の直伸・左右撓み調節ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0128】
第5の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、下記の効果が得られる。本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、扇状放射板の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、扇状放射板の撓み・冷却等ができる。
【0129】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、高圧気体が扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出され、各扇状放射板間の隙間内に堆積する切粉は効率良く排除されるとともにこの箇所の冷却作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、撓み付与手段が扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。
【0130】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧させ、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射し、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・各扇状放射板・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0131】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置100は、扇状放射板の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が効率良くでき、また、扇状放射板の左右側面に配置した一対の回転ローラーで左右側面を両側から把持し、扇状放射板に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良くできる。
【0132】
続いて、本発明の第6の実施の形態となる曲線切断用メタルソー20〜22による加工装置200は、図7〜図9、図12〜図13に示すように構成されている。台金1をこの回転軸芯方向Oとなる左右側面へ外力±Pにより撓み可能とした可撓性材B1,B2とし、上記可撓性材とした台金1の外周縁Aに付設した切刃Cとを備えている。そして、図12と図13に示すように、上記切刃を付設した台金1を左右側面へ撓ませる撓み付与手段50と、上記撓み付与手段50は、曲線切断用メタルソー20〜22の下側における前後の両側に対向配置されている。これで、少なくとも二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekにより曲線加工制御部65が撓み付与手段50を駆動して台金1を左右に撓み制御させる。そして、上記曲線切断用メタルソー10〜13を備える加工ヘッドHは、二次元送り制御部60からの曲線制御指令ekによる台金1の左右撓み制御量に合わせられた曲線方向kに送り制御され、被加工板Wを任意形状に曲線切断するものである。尚、上記加工ヘッドHは、CNC制御装置70により運転される工作機械の加工ヘッドであり、その回転主軸Sに曲線加工ユニット80の接続部80Aが連結されている。また、上記曲線切断用メタルソー20〜23は、曲線加工ユニット80内に備える回転モータMにより回転駆動される。
【0133】
上記撓み付与手段50は、図19と図20に示すように、台金1の左右側面に配置され高圧気体EOを噴射する一対のノズルN1,N2を備えている。上記高圧気体EOは、各種の素材が使用される。例えば、空気Eであり、窒素ガスN等の不燃性気体N0である。更に、上記高圧気体EOは、水W1である。クーラント液等の冷却・潤滑液体W2である。そして、上記高圧気EO体は、撓み付与手段50の一対のノズルN1,N2から台金1の左右側面に向けて噴出される。尚、上記窒素ガスN等の不燃性気体N0を高圧気体EOとして使用する実施例においては、図19に示すように、曲線切断用メタルソー20〜22の全体をカバー体CBで包囲し、窒素ガスNをカバー体内の切刃Cに噴射するものとしても良い。
【0134】
上記高圧気体EOは、上記曲線切断用メタルソー20〜22において、図20に示す補助噴射方式が採用される。その構成は、高圧気体EOが通路90から上記台金1の回転軸芯Oに送られ、ここから台金1の表面を流通させて外径方向に放出させることで被加工板W及び切刃Cに向けて噴出される。
【0135】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図21に示すように台金1の左右側面に一対のノズルN1,N2を配置し、真空ポンプV1で真空引きするものである。そして、上記曲線切断用メタルソー10〜13の全体をカバー体CBで包囲し、真空ポンプV2による真空引き手段により集塵作用・負圧化を倍増する。
【0136】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図22に示すように、台金1・の左右側面に配置され一対のマグネットM1,M2で磁力引きするものである。
【0137】
上記撓み付与手段50において、別の実施形態として、図23に示すように、台金1の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーR1,R2である。
【0138】
本発明の第6の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、以下の如く作用する。先ず、台金1と、上記台金1を左右側面へ外力より撓み可能な可撓性材とし、上記台金1の外周縁Aに付設した切刃Cと、上記台金1を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段は曲線制御指令で台金1に対して左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備したから、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業が行われる。
【0139】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、上記撓み付与手段は、一対のノズルを台金1の左右側面に配置し、空気の高圧気体を台金1の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により台金1の直伸・左右撓み調節が行われる。
【0140】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、上記高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・台金1・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0141】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、上記高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、台金1の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用が行われる。
【0142】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから台金1の左右側面に向けて噴出されるから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、台金1の撓み・冷却等が行われる。
【0143】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、上記撓み付与手段は、台金1の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。
【0144】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射するから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用が行われる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・台金1・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用が行われる。
【0145】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、台金1の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働く。
【0146】
また、本発明の曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、台金1の左右側面に配置した一対の回転ローラーにより左右側面を両側から把持するから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良く働く。
【0147】
第6の実施の形態となる曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、下記の効果が得られる。先ず、被加工板に対して任意形状に曲線制御しての切断作業を実施させることができる。また、撓み付与手段は、一対のノズルを台金1の左右側面に配置し、空気の高圧気体を台金1の左右側面に噴射する時の左右噴射圧の差圧可変制御により台金1の直伸・左右撓み調節ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を窒素ガス等の不燃性気体としたから、切刃・台金1・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0148】
曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を水又はクーラント液等の冷却・潤滑液体としたから、台金1の直伸・左右撓み調節を行ないながら切刃・被加工板の切断部に対する冷却作用や切粉の排出作用ができる。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、高圧気体を撓み付与手段のノズルから台金1の左右側面に向けて噴出されるから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、台金1の撓み・冷却等ができる。
【0149】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、高圧気体が台金1の回転軸芯から台金1の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出される。また、曲線切断用メタルソーによる加工装置は、撓み付与手段が台金1の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであるから、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働き、更に、切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。
【0150】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧させ、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射し、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良く働くとともに切断部の周辺の塵埃の回収作用ができる。更に、窒素ガスの噴射により切刃・台金1・被加工板の切断部等の冷却と酸化防止を行いながらの切断作用ができる。
【0151】
また、曲線切断用メタルソーによる加工装置200は、台金1の左右側面に配置した一対のマグネットの磁力により台金1に対する撓みや直伸させる作用力が効率良くでき、また、台金1の左右側面に配置した一対の回転ローラーで左右側面を両側から把持し、台金1に対する撓みや直伸させる作用力が直接的に効率良くできる。
【0152】
尚、本発明の曲線切断用メタルソーとその加工方法及び加工装置100,200は、上記各実施の形態における構成に限定されず、その発明の要旨内での設計変更が自由にできる。この変更によっても上記加工方法及び加工装置と同様な作用が得られる。その他の詳細構成の設計変更も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、その対象物を航空機の機体や翼等に使用される板状の被加工物を対象の実施例で説明したものであるが、様々な製品装置における板状の被加工物を対象としての適用が可能である。
【符号の説明】
【0154】
1 台金
1A,1B,1C 扇状放射板(分割台金)
2 取付環
2A 取付孔
10〜13 曲線切断用メタルソー
20〜23 曲線切断用メタルソー
50 撓み付与手段
60 二次元送り制御部
65 曲線加工制御部
70 CNC制御装置
80 曲線加工ユニット
80A 接続部
90 通路
100,200 曲線切断用メタルソーによる加工装置
A 外周縁
B1 バネ鋼
B2 樹脂材
C 切刃
C1 超硬チップ
C2 ダイヤモンドチップ
CB カバー体
EO 高圧気体
E 空気
ek 曲線制御指令
k 曲線方向
H 加工ヘッド
M 回転モータ
M1,M2 マグネット
N1,N2 ノズル
N 窒素ガス
N0 不燃性気体
O 回転軸芯方向
S 回転主軸
±P 外力
P1,P2 不等ピッチ
R1,R2 回転ローラー
X 隙間
V1,V2 真空ポンプ
W 被加工板
W1 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の台金の中心部に回転駆動軸に装着される取付孔を有し、上記台金の外周縁に切刃を備えたメタルソーであって、上記台金はこの全周囲に複数枚の扇状放射板を等間隔に分割配列させてなり、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる扇状放射板(台金)の左右側面への外力により回転軸芯方向へ撓み可能としたことを特徴とする曲線切断用メタルソー。
【請求項2】
上記扇状放射板は、撓み可能なバネ鋼であることを特徴とする請求項1記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項3】
上記扇状放射板は、撓み可能な樹脂材であることを特徴とする請求項1記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項4】
上記扇状放射板は、撓み可能なバネ鋼と撓み可能な樹脂材とを交互に分割配列させたものであること特徴とする請求項1記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項5】
上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したものであること特徴とする請求項1記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項6】
上記扇状放射板の外周縁に備える切刃は、不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであること特徴とする請求項1または5記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項7】
上記各扇状放射板は、取付孔の環状部に着脱可能に付設したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項8】
全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板と、上記扇状放射板をこの回転軸芯方向となる左右側面へ外力により撓み可能とした可撓性材と、上記可撓性材とした各扇状放射板の外周縁に付設した切刃と、上記切刃を付設した各扇状放射板を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段に少なくとも二次元送りの曲線制御指令により扇状放射板を左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備し、被加工板を任意形状に曲線切断することを特徴とする曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項9】
上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され高圧気体を噴射する一対のノズルであることを特徴とする請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項10】
上記高圧気体は、空気であることを特徴とする請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項11】
上記高圧気体は、窒素ガス等の不燃性気体であることを特徴とする請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項12】
上記高圧気体は、水であることを特徴とする請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項13】
上記高圧気体は、クーラント液等の冷却・潤滑液体であることを特徴とする請求項9記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項14】
上記高圧気体は、撓み付与手段のノズルから扇状放射板の左右側面に向けて噴出されることを特徴とする請求項9から12のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項15】
上記高圧気体は、上記扇状放射板の回転軸芯から各扇状放射板間の隙間を流通させて被加工板及び切刃に向けて噴出すること特徴とする請求項9から13のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項16】
上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであることを特徴とする請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項17】
上記曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射することを特徴とする請求項8または16記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項18】
上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され磁力引きする一対のマグネットであることを特徴とする請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項19】
上記撓み付与手段は、扇状放射板の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーであることを特徴とする請求項8記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項20】
全周囲に等間隔に分割配列させた複数枚の扇状放射板を、この回転軸方向となる扇状放射板の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記扇状放射板を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線切断することを特徴とする曲線切断用メタルソーによる加工方法。
【請求項21】
上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により扇状放射板を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御されることを特徴とする請求項20記載の曲線切断用メタルソーによる加工方法。
【請求項22】
円板状の台金の中心部に回転駆動軸に装着される取付孔を有し、上記台金の外周縁に切刃を備えたメタルソーであって、上記台金は1枚の可撓性材質で形成し、上記台金の回転軸方向となる左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能としたことを特徴とする曲線切断用メタルソー。
【請求項23】
上記台金の可撓性材質は、撓み可能なバネ鋼であることを特徴とする請求項22記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項24】
上記台金の可撓性材質は、撓み可能な樹脂材であることを特徴とする請求項22記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項25】
上記台金の外周縁に備える切刃は、異なる材質の切刃を交互に付設したものであること特徴とする請求項22記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項26】
上記台金の外周縁に備える切刃は、不等ピッチ(不等リード)の切刃を交互に付設したものであること特徴とする請求項22または25記載の曲線切断用メタルソー。
【請求項27】
台金をこの回転軸芯方向となる左右側面へ外力により撓み可能とした可撓性材と、上記可撓性材とした台金の外周縁に付設した切刃と、上記切刃を付設した台金を左右側面へ撓ませる撓み付与手段と、上記撓み付与手段に少なくとも二次元送りの曲線制御指令により台金を左右側面に撓み制御する切断方向制御部と、を具備し、被加工板を任意形状に曲線切断することを特徴とする曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項28】
上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され高圧気体を台金の左右側面に向けて噴射する一対のノズルであることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項29】
上記高圧気体は、空気であることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項30】
上記高圧気体は、窒素ガス等の不燃性気体であることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項31】
上記高圧気体は、水であることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項32】
上記高圧気体は、クーラント液等の冷却・潤滑液体であることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項33】
上記高圧気体は、上記台金の回転軸芯から外径方向の被加工板及び切刃に向けて噴出すること特徴とする請求項27から32のいずれか一つに記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項34】
上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され真空引きする一対のノズルであることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項35】
上記曲線切断用メタルソーの全体をカバー体で包囲し、真空引き手段により集塵・負圧するとともに、窒素ガスをカバー体内の切刃に噴射することを特徴とする請求項27または16記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項36】
上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され磁力引きする一対のマグネットであることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項37】
上記撓み付与手段は、台金の左右側面に配置され左右側面を両側から把持する一対の回転ローラーであることを特徴とする請求項27記載の曲線切断用メタルソーによる加工装置。
【請求項38】
台金を、この回転軸方向となる台金の左右側面への外力により回転軸方向へ撓み可能とした曲線切断用メタルソーに対し、上記台金を撓み付与手段により左右側面へ撓ませることで被加工板を任意形状の曲線切断することを特徴とする曲線切断用メタルソーによる加工方法。
【請求項39】
上記撓み付与手段は、少なくとも二次元送り制御部からの曲線制御指令により台金を左右に撓み制御され、上記曲線切断用メタルソーを備える加工ヘッドは、二次元送り制御部からの曲線制御指令による曲線方向に送り制御されることを特徴とする請求項39記載の曲線切断用メタルソーによる加工方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公開番号】特開2010−260163(P2010−260163A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−129637(P2009−129637)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(595148062)株式会社タジマ (5)
【出願人】(592223821)株式会社山之内製作所 (4)
【Fターム(参考)】