説明

更新履歴通知システム、更新履歴通知方法及びプログラム

【課題】ホームページの各更新毎の履歴データへの参照と、必要な時点でその更新情報の通知が可能で、且つ、不必要な履歴データを削除するホームページの更新履歴通知システムを提供する。
【解決手段】 管理サーバ10は、ユーザとサイトサーバ30とを関連付ける情報と、サイトサーバ30とホームページの更新情報とを関連付ける情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが更新後のデータを既に参照したか否かとを関連付ける情報とを保存するデータベース13,14を有する。管理サーバ10は、ユーザ端末20からの要求に応答して、そのユーザによる各ホームページの各更新毎の参照の有無を示す一覧表を送信する。ユーザ端末20が、ホームページの履歴データを参照すると、その履歴データに関するデータ参照情報が更新され、データ参照情報が、全てのユーザがその履歴データを参照したことを示すと、サイトサーバ30でその履歴データが削除される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、更新履歴通知システム、更新履歴通知方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、通信回線を介してホームページの更新履歴情報をユーザに通知する、ホームページのための更新履歴通知システム、更新履歴通知方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業や団体のホームページは、ユーザに対してその企業や団体からの情報を伝達するために広範囲に利用されている。一般に、ホームページが更新されても、その更新がされた旨の情報は、ユーザには通知されない。このため、従来は、ユーザは、ホームページが更新されたか否かを、必要に応じてそのホームページにアクセスして確認する必要があった。
【0003】
特許文献1には、予め、更新情報を要求するユーザのメールアドレスや携帯電話番号を、調査・通知サーバに登録しておき、そのユーザに対してホームページの更新がされた情報を通知する更新履歴通知方法が記載されている。調査・通知サーバは、更新調査の対象となるホームページの情報をファイルに持ち、更新調査の対象となるホームページが更新された否かを定期的に調査し、更新がなされたホームページについて、その更新がなされた旨の情報を、ユーザのメールアドレスや携帯電話番号などに通知する。
【0004】
特許文献2には、ユーザがホームページにアクセスした際に、そのユーザ名及びアクセス日時などをその都度記憶し、ホームページの更新がなされた際には、アクセスの態様が所定の条件を満たしたユーザに対して、ホームページの更新情報を通知するWWWサーバを有するホームページ更新システムが記載されている。特許文献2では、ユーザが更新情報を要求する旨を登録していても、WWWサーバは、そのユーザのホームページへのアクセスの態様や時期によって、更新通知が必要なユーザか否かを判断する。
【0005】
特許文献3には、投資家向け広報活動を行うIR情報専門サイトのサーバが、各企業のホームページの更新情報を持ち、IR情報専門サイトのサーバにアクセスしたユーザに対して、その画面上で各企業のホームページがそのユーザによるアクセス以降に更新されたか否かを表示する旨を記載している。
【0006】
【特許文献1】特開2001−344146号公報
【特許文献2】特開2003−288262号公報
【特許文献3】特開2003−316809号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の更新履歴通知方法では、更新したタイミングで電子メールなどで更新通知を行う。この場合、クライアントの状態を考慮せずに更新通知を行うため、ユーザが長期不在などであっても、頻繁に更新が行われるホームページでは、不要な更新通知が頻繁に行われることになる。このため、通信回線を混雑させる可能性があった。更新したホームページに誤りがあり、後日修正が行われる場合にも、誤りのあるホームページの更新通知が送信されることになる。また、更新通知を受けてもすぐにそのサイトを閲覧できない場合には、その後の更新により以前の情報が消去され、ユーザが必要な情報を見逃す可能性もあった。逆に、ユーザは、既に過去のものとなった更新通知までも、処理しなければならなくなることがあり、ユーザの負担が大きかった。ユーザが必要な情報を見逃すおそれを解消するために、過去の更新情報及び履歴データを全て保存しておくと、サーバのDISK容量が不足するおそれがあった。
【0008】
特許文献2に記載のホームページ更新システムでは、それまでのユーザのアクセス態様によって、更新通知が必要なユーザか否かが判断されるので、ユーザによっては、真に必要な更新情報が通知されないおそれがあった。ここで、ある一定期間の経過やDISKの一定使用量の超過といったタイミングで、過去の更新情報や履歴データを削除してしまうと、先に述べたように、ユーザが必要な情報を見逃すおそれがある。
【0009】
特許文献3に記載のIRサーバでは、更新日時及び更新回数を含むホームページの更新情報が得られるものの、既に更新がなされたホームページの履歴データを保存することについては、記載がない。
【0010】
本発明は、上記従来の更新履歴通知システムやIRサーバなどの問題に鑑み、通信回線をさほど混雑させることがなく、また、ユーザの過去のアクセス態様に基づくことなく、真に必要なユーザに対して更新情報の通知が可能であるため、ホームページの各更新毎の履歴データの入手が可能であり、また、履歴データをいつの時点まで残すべきかの判定が可能なためDISK容量の削減が可能な、ホームページのための更新履歴通知システム、更新履歴通知方法及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の更新履歴通知システムは、ユーザ端末と、ホームページを管理するサイトサーバと、前記ユーザ端末及びサイトサーバと通信回線を介して接続される履歴情報管理サーバとを備える更新履歴通知システムであって、
前記履歴情報管理サーバは、
ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とを保存するデータベースと、
ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信する送信手段と、
ユーザ端末から、前記更新情報を指定したホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応する履歴データを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該履歴データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新する参照要求処理手段と、
前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データの未参照ユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応するデータを削除する指令を送信する更新履歴情報処理手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の更新履歴通知方法は、通信回線を介して、ユーザ端末及びホームページを管理するサイトサーバと接続される履歴情報管理サーバを用い、ホームページの履歴情報を管理する更新履歴管理方法であって、
前記履歴情報管理サーバが、ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とをそれぞれデータベースに保存するステップと、
前記履歴情報管理サーバが、ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信するステップと、
前記履歴情報管理サーバユーザが、ユーザ端末から、前記更新情報を指定してホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応するデータを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新するステップと、
前記履歴情報管理サーバが、前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データを未参照のユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応する履歴データを削除する指令を送信するステップとを有することを特徴とする。
【0013】
更に、本発明のプログラムは、通信回線を介して、ユーザ端末及びホームページを管理するサイトサーバと接続される履歴情報管理サーバを備える更新履歴通知システムの前記履歴情報管理サーバのためのプログラムであって、
ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とをそれぞれデータベースに保存する処理と、
ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信する処理と、
ユーザ端末から、前記更新情報を指定してホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応するデータを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新する処理と、
前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データの未参照ユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応する履歴データを削除する指令を送信する処理とを前記履歴情報管理サーバに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の更新履歴管理システム、更新履歴管理方法、及び、プログラムによると、ユーザの要求に応じて、ホームページの履歴管理情報をユーザに通知するので、ユーザに不必要な通知が除かれるため、通信回線の混雑が緩和される。また、更新情報管理サーバが、各ユーザによる各更新毎のデータへの参照を監視し、各更新毎の履歴データの未参照ユーザが所定数以下となった後に、履歴データを削除する指令を送信する構成を採用するので、ユーザに必要な履歴データがサイトサーバに残され、ユーザが必要な情報にアクセス可能であると共に、不必要になった履歴データの削除が可能となり、DISK容量の不足が生じない。
【0015】
前記所定数は、好ましくは、ゼロである。つまり、更新情報管理サーバが、全てのユーザによる履歴データの参照が終了した後に、当該履歴データを削除することが好ましい。
【0016】
また、前記サイトサーバは、ホームページの更新が発生すると、記憶装置に記憶されている更新前の履歴データと更新後の新データとを比較し、該更新がデータの追加のみを行う追加更新処理であるか否かを判定する判定手段と、該判定手段で追加更新処理であると判定されると、前記追加更新前の履歴データを破棄し、且つ、追加更新処理の旨及びその更新日時を含む追加更新情報を前記履歴情報管理サーバに送信する更新情報処理手段とを備え、
前記更新履歴情報処理手段は、前記追加更新情報を受信すると、前記データベースに保存されたサイト情報に含まれる追加更新前の履歴データの更新情報を削除し、且つ、データ参照情報に含まれる前記追加更新前の履歴データに関するユーザの情報を削除することも本発明の好ましい態様である。本構成を採用すると、DISK容量の更なる削減が可能となり、且つ、ユーザに必要なデータは、更新後のデータに含まれるので、必要なデータが破棄されることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る、ホームページのための更新履歴通知システム100を示している。本システム100は、各企業や団体のホームページの更新履歴情報を管理する管理サーバ10と、各企業や団体に設けられホームページを管理する複数のサイトサーバ30と、ユーザが利用する複数のクライアント端末20と、これらを相互に接続する通信回線(インターネット)40とから構成される。
【0018】
クライアント端末20は、参照要求部21と、表示部22とを有する。参照要求部21は、管理サーバ10に対し、サイト履歴管理情報の要求を送信する。表示部(ディスプレイ装置)22は、管理サーバ10から返された情報を、閲覧ホームページ一覧の形式で表示する。図2に閲覧ホームページ一覧の画面を例示する。各企業のサイトA,B、Cには、ユーザが閲覧したか否かを示すマークが付されており、また、ホームページが更新された日時が示される。ユーザは、表示された一覧から、更新された後にまだ未参照のホームページを選択し、また、そのホームページの更新情報を選択することで、更新後のデータの参照要求を行う。参照要求を受けた参照要求部21は、管理サーバ10に対し、参照要求で指定されたホームページの当該履歴データを参照する要求を送信する。
【0019】
管理サーバ10は、参照要求処理部11と更新履歴情報処理部12とクライアント情報データベース(DB)13とサイト情報DB14とを有する。クライアント情報DB13は、あらかじめ登録しているユーザの識別情報と、そのユーザが常時閲覧しているサイトの一覧情報とを関連付けたユーザ情報DATA1を保存している。サイト情報DB14は、あらかじめ登録しているホームページ管理サイトのURLとそのホームページが更新された更新日時を含む更新情報とを関連付けたサイト情報DATA2を一覧表として保存している。サイト情報DB14は、更に、その各更新情報に添付して、その更新日時に更新されたホームページをまだ閲覧していないクライアントの一覧情報をデータ参照情報DATA3として保存している。
【0020】
参照要求処理部11は、クライアント端末20から、サイト履歴管理情報の送信要求を受けると、クライアント情報DB13のユーザ情報DATA1から、要求元ユーザの識別情報に基づいて、ユーザが参照している登録された閲覧サイト情報を取得する。参照要求処理部11は、各閲覧サイトごとに、サイト情報DB14に保存されたサイト情報DATA2から、該当するサイトのURLに基づいて、その更新日時情報を取得する。要求元ユーザが参照する全ての閲覧サイト情報及び更新情報を抜き出した後に、生成したサイト履歴管理情報をクライアント端末20に送信する。
【0021】
参照要求処理部11は、また、クライアント端末20からサイトの閲覧要求を受けると、該当するサイトのサーバ30に対し、要求された更新日時データと閲覧要求とを送信する。送信完了後、サイト情報DB14の更新日時情報と未参照クライアントとを対応付けているデータ参照情報DATA3で、閲覧要求を行ったクライアントの情報を削除する。
【0022】
更新履歴情報処理部12は、サイトサーバ30からホームページを更新した旨の情報を、その更新日時情報と共に受信すると、サイト情報DB14にその情報を登録する。更新履歴情報処理部12は、クライアント情報DB13から、該当するサイトを閲覧しているユーザを検索し、抽出されたユーザをその更新日時の履歴データを参照していない未参照ユーザとしてデータ参照情報DATA3に登録する。更新履歴情報処理部12は、クライアント端末20からの閲覧要求によりデータ参照情報DATA3の未参照ユーザを削除した結果、データ参照情報DATA3の未参照一覧内に、未参照のクライアントが1件も登録されていない状態になった場合には、該当するサイトサーバ30に対し、該当する履歴データの削除要求を送信し、サイト情報DATA2から該当する更新情報を削除する。
【0023】
サイトサーバ30は、参照要求処理部31と更新情報処理部32とサイトデータDB33と更新履歴DB34とを有する。参照要求処理部31は、管理サーバ10からクライアントの閲覧要求を受信する。要求データが最新データの場合には、サイトデータDB33から最新データを取得し、要求元のクライアント端末20にこのデータを送信する。要求データが、過去のデータの場合、更新履歴DBから該当する更新日時の履歴データを取得し、要求元のクライアント端末20にこのデータを送信する。
【0024】
更新情報処理部32は、サイトのホームページが更新されると、サイトデータDB33のデータを更新履歴DB34に移動し、新しいデータをサイトデータDB33に格納する。このとき、管理サーバ10にホームページの更新日時を含む更新情報を送信する。また、管理サーバ10から、履歴データの削除要求を受信すると、更新履歴DB34の該当データを削除する。
【0025】
上記実施形態の更新履歴通知システム100では、ユーザは、指定サイトの更新情報を受信したいときに、クライアント端末20から、管理サーバ10に向けて指定サイトの更新管理情報を要求する。管理サーバ10の参照要求処理部1aは、サイト情報DB14のデータから、指定されたサイトのURLを参照し、要求元クライアントと未参照クライアントとが一致する更新日時データを含む更新管理情報(図2)をクライアント端末20に返信する。
【0026】
また、ユーザは、サイトサーバ30のホームページを閲覧したいときに、クライアント端末20から、更新日時を指定して、管理サーバ10に指定サイトのホームページ閲覧を要求する。管理サーバ10の参照要求処理部1aは、これに応答して、サイトサーバ30にホームページデータの送信指示を行う。このとき、ユーザが、過去の履歴データの更新日時を指定すると、管理サーバ10は、更新日時情報を付して、ホームページデータの送信指示を行う。サイトサーバ30の参照要求処理部30は、このデータ送信要求を受け付けると、要求が最新データならばサイトデータDB33から、過去の履歴データならば更新履歴DB34から、それぞれデータを取り出して、クライアント端末20に送信する。管理サーバ10は、サイト情報DB14で、指定サイトの指定更新日時を参照し、データ参照情報DATA3から、データ要求元のクライアントと一致する未参照クライアントを削除する。
【0027】
サイトサーバ30は、サイトデータを更新するにあたり、更新情報処理部32から、サイトデータDB34に最新データを登録する。登録が行われると、旧データは、更新履歴DB34に格納され、管理サーバ10には更新日時を含む更新情報が通知される。管理サーバ10の更新履歴情報処理部12は、更新情報を受信すると、サイト情報DB14のサイト情報DATA2に、更新日時情報を格納する。また、クライアント情報DB13から当該サイトを閲覧するクライアントを検索し、データ参照情報DATA3に、更新日時に対応付けた未参照クライアントとして登録する。
【0028】
管理サーバ10の更新履歴情報処理部12は、参照要求処理部11がクライアント端末20からの参照(閲覧)要求に応答した結果、サイト情報DB14に格納されているデータ参照情報DATA3の特定の更新日時に対応付けた未参照クライアントが1件もなくなると、それが最新のデータでなければ、サイトサーバ30にその更新日時の履歴データの削除通知を行う。サイトサーバ30の更新情報処理部32は、指定された更新日時の履歴データ削除通知を受信すると、更新履歴DB34の指定更新日時の履歴データを削除する。
【0029】
図3は、上記更新履歴通知システム100における処理をフローチャートで例示している。各サイトサーバ30は、自身のホームページ(HP)が更新されると、更新情報処理部32が、サイトデータDB33に保存されている旧バージョンのHPデータを更新履歴DB34に移動し、最新のバージョンのHPデータをサイトデータDB33に保存することで、HP更新処理を行う(ステップS1)。更新情報処理部32は、このHP更新処理が完了すると、管理サーバ10に対し、HP更新通知を送信する(ステップS2)。この通知には、HPの更新日時の情報が含まれている。更新日時の情報に代えて、又は、これに加えて、バージョン情報を含ませても良い。管理サーバ10では、HP更新通知を受信すると、更新履歴情報処理部12が、サイト情報DB14の当該サイトデータに更新日時情報を追加する(ステップS3)。更に、クライアント情報DB13から、当該サイトを閲覧しているクライアントを検索し、追加した更新日時情報の未参照ユーザデータに、検索されたクライアント名を追加する(ステップS4)。この段階では、クライアントに対して更新通知は送信しない。
【0030】
ユーザは、クライアント端末20を起動すると、管理サーバ10にアクセスする。参照要求部21が、管理サーバ10に対し、サイト履歴管理情報の要求を送信すると(ステップS5)、管理サーバ10は、クライアント情報DB13を検索し、クライアント情報DB13から要求元のクライアントに対応付けられている、ユーザの閲覧サイトを取り出す(ステップS6)。更に、取り出した閲覧サイトの情報に基づいてサイト情報DB14を検索し、要求元のクライアントが未閲覧状態であるサイト、及び、未閲覧の更新日時情報を未閲覧情報として抽出する(ステップS7)。全ての未閲覧情報を抽出した後、これを一覧としたサイト履歴管理情報をクライアント端末20に返信する(ステップS8)。クライアント端末20は、図2に示したこの一覧表を参照して、ホームページ更新後の未閲覧サイトを認識する。
【0031】
ユーザは、クライアント端末20の画面上で一覧表示された未閲覧サイトから、閲覧したいホームページを選択して、ホームページ閲覧要求を管理サーバ10に送信する(ステップS9)。管理サーバ10は、選択されたホームページを管理するサイトサーバ30に、要求元クライアントのアドレス情報と、要求された履歴データの更新日時情報とを送信する(ステップS10)とともに、サイト情報DB14の該当するサイトの更新情報から、未参照ユーザのデータを削除する(ステップS11)。サイトサーバ30では、参照要求処理部31が、要求された履歴データの更新日時が最新のホームページの更新日時ならサイトデータDB33から、履歴データの更新日時なら更新履歴DB34から、ホームページデータを取り出し、要求元のクライアント端末20のアドレスに向けて送信する(ステップS12)。
【0032】
更新履歴情報処理部12は、クライアント端末20からのホームページ閲覧要求により、ステップS11でサイト情報DB14の当該サイトの更新日時情報に対応付けた未閲覧ユーザを削除した結果、その更新情報のデータの未閲覧ユーザが一人もいなくなったか否かを判定する(ステップS13)。その判定の結果、未閲覧ユーザが1人もいなくなったホームページデータは、そのデータが最新のデータでなければ、当該サイトの更新日時情報を削除し、サイトサーバ30に履歴データ削除通知を送信する(ステップS14)。サイトサーバ30では、履歴データ削除通知を受信すると、更新情報処理部32が更新履歴DB34から、該当する更新日時の履歴データを削除する(ステップS15)。
【0033】
上記実施形態の更新履歴通知システム100では、ユーザが要求したときにだけ、必要なサイト履歴管理情報をまとめて送信するので、通信パケットの通信量を削減できる。また、各サイトの更新履歴を蓄積し、ユーザの要求に応じてその情報を送信するので、ユーザは必要な情報を見逃さない。更に、全てのユーザが閲覧し終わったタイミングで、その履歴データを削除するので、不要なデータを蓄積することによるDISK容量の不足が防止できる。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る更新履歴通知システムの管理サーバ10及びサイトサーバ30の処理を示すフローチャートである。第2の実施形態の更新履歴管理システムの構成は、図1で示した第1の実施形態の更新履歴通知システムと同様である。一般に、サイトサーバ30のホームページ更新では、更新内容が追加データのみの場合には、前回の履歴データを保存しておかなくても、最新のデータを閲覧することで、ユーザは必要な情報を見逃すことはない。したがって、本実施形態では、サイトサーバ30でホームページ更新があると(ステップS21)、更新情報処理部32は、現時点でサイトデータDB33に保存されているデータと、新たに更新しようとしている最新のデータとを比較し、更新内容が前回データからの追加のみか否かを判定する(ステップS22)。
【0035】
ステップS22で、更新がデータの追加のみであると判定された場合には、更新履歴DB34に更新履歴を残す処理を行わないで、新データのみをサイトデータDBに登録する(ステップS23)。更新情報処理部32が管理サーバ10に対して送信するホームページ更新通知は、最新データの更新日時と旧データの削除要求とを含むHP追加更新通知である(ステップS24)。管理サーバ10では、この追加更新通知を受信すると、更新履歴情報処理部12が、ステップS25で、更新直前データの更新日時情報を削除し、ステップS26で、サイト情報DB14の当該サイトデータに最新の更新日時データを追加する。更に、ステップS27でサイトデータDBの最新データの未参照ユーザを登録する。
【0036】
一方、ステップS22で、ホームページの更新が、データの追加のみではなく、データの削除や変更を含むと判定された場合には、更新情報処理部32は、通常のHP更新処理を行い(ステップS28)、通常のHP更新通知を送信する(ステップS29)。この場合には、管理サーバ10は、先の実施形態と同様に、直接にステップS26で最新の更新日時データを追加し、次いで、ステップS27でサイトデータDBの最新データの未参照ユーザの登録を行う。
【0037】
上記第2の実施形態では、不要な更新直前データを残さない処理を行うため、サイトサーバ30の更新履歴DB34の使用DISK容量を削減できる。さらに、ユーザにとっても、最新のデータに掲載されている内容を履歴のデータで再度閲覧してしまうことがなくなるため、冗長な作業をなくす効果もある。
【0038】
以上、本発明をその好適な実施態様に基づいて説明したが、本発明のホームページ更新履歴情報通知システムは、上記実施態様の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施態様の構成から種々の修正及び変更を施したものも、本発明の範囲に含まれる。また、本発明の好適な態様として記載した各構成や実施形態で記載した各構成については、本発明の必須の構成と共に用いることが好ましいが、単独であっても有益な効果を奏する構成については、必ずしも本発明の必須の構成として説明した全ての構成と共に用いる必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る更新履歴通知システムのブロック図。
【図2】クライアント端末における画面表示の一例。
【図3】図1の更新履歴通知システムの処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る更新履歴通知システムの処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0040】
10:履歴情報管理サーバ(管理サーバ)
11:参照要求処理部
12:更新履歴情報処理部
13:クライアント情報データベース
14:サイト情報データベース
20:クライアント端末
21:参照要求部
22:表示部(ディスプレイ)
30:サイトサーバ
31:参照要求処理部
32:更新情報処理部
33:サイトデータ・データベース
34:更新履歴データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末と、ホームページを管理するサイトサーバと、前記ユーザ端末及びサイトサーバと通信回線を介して接続される履歴情報管理サーバとを備える更新履歴通知システムであって、
前記履歴情報管理サーバは、
ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とを保存するデータベースと、
ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信する送信手段と、
ユーザ端末から、前記更新情報を指定したホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応するデータを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新する参照要求処理手段と、
前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データの未参照ユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応する履歴データを削除する指令を送信する更新履歴情報処理手段とを備えることを特徴とする更新履歴通知システム。
【請求項2】
前記サイトサーバは、ホームページの更新が発生すると、記憶装置に記憶されている更新前の履歴データと更新後の新データとを比較し、該更新がデータの追加のみを行う追加更新処理であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段で追加更新処理であると判定されると、前記追加更新前の履歴データを破棄し、且つ、追加更新処理の旨及びその更新日時を含む追加更新情報を前記履歴情報管理サーバに送信する更新情報処理手段とを備え、
前記更新履歴情報処理手段は、前記追加更新情報を受信すると、前記データベースに保存されたサイト情報に含まれる追加更新前の履歴データの更新情報を削除し、且つ、データ参照情報に含まれる前記追加更新前の履歴データに関する情報を削除する、請求項1に記載の更新履歴通知システム。
【請求項3】
通信回線を介して、ユーザ端末及びホームページを管理するサイトサーバと接続される履歴情報管理サーバを用い、ホームページの履歴情報を管理する更新履歴管理方法であって、
前記履歴情報管理サーバが、ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とをそれぞれデータベースに保存するステップと、
前記履歴情報管理サーバが、ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信するステップと、
前記履歴情報管理サーバユーザが、ユーザ端末から、前記更新情報を指定してホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応するデータを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新するステップと、
前記履歴情報管理サーバが、前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データの未参照ユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応する履歴データを削除する指令を送信するステップとを有することを特徴とする更新履歴通知方法。
【請求項4】
通信回線を介して、ユーザ端末及びホームページを管理するサイトサーバと接続される履歴情報管理サーバを備える更新履歴通知システムの前記履歴情報管理サーバのためのプログラムであって、
ユーザの識別情報と当該ユーザが閲覧するホームページを掲載するサイトサーバとを関連付けるユーザ情報と、前記サイトサーバの識別情報と当該サイトサーバが管理するホームページの更新時期及び更新回数の少なくとも一方を含む更新情報とを関連付けるサイト情報と、ホームページの各更新情報と各ユーザが当該更新情報の更新後のデータを既に参照したか否かの情報とを関連付けるデータ参照情報とをそれぞれデータベースに保存する処理と、
ユーザ端末からの要求に応答して、前記データベースに保存されているユーザ情報及びサイト情報を検索し、当該ユーザが各更新毎の履歴データを参照したか否かを示すサイト履歴管理情報を当該ユーザ端末に送信する処理と、
ユーザ端末から、前記更新情報を指定してホームページの参照要求を受信すると、当該サイトサーバに向けて、前記更新情報で指定された更新に対応するデータを当該ユーザ端末に送信する指令を送信し、且つ、当該ユーザが当該データを参照したか否かの情報について前記データ参照情報を更新する処理と、
前記データベースに保存されているデータ参照情報に基づいて、特定の更新に対応する履歴データの未参照ユーザが所定数以下であると判定すると、前記サイトサーバに向けて、前記特定の更新に対応する履歴データを削除する指令を送信する処理とを前記履歴情報管理サーバに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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