説明

最適な枕

【課題】 硬さと高さを自在に調整することができ、任意に刺激や柔らかさを選択でき、遠赤外線作用で体を温め、汗を吸着して爽やかな機能を備えた枕を作るためになされるものである。
【解決手段】 図2のような特殊枕カバーに、粉塵が生じない炭ペレットを入れた開閉できる通気性袋と、綿又はスポンジのいずれか又は双方を入れた開閉できる通気性袋を挿入したものであり、炭ペレット及び綿やスポンジの出し入れによって、高さや硬さを自在に調整できる枕である。多量の炭ペレットを封入しているため遠赤外線による温熱効果が大きく、汗を吸収し、臭いも吸着する機能を備えた、炭ペレット層と綿やスポンジ層の二層で構成された枕である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
枕に関する。
【背景技術】
【0002】
特願平07−324984に炭を使って硬さや高さを調節できる枕はあるが、封入物を出し入れして調節することができないため、高さの調節は限定される。また、棒状のものを巻きつけるため寝返りによって形が崩れ睡眠初期の形状が失われることが生じる。更に炭は透過性フイルムに封入されているため臭いの吸着を妨げ、汗を吸着できないため炭の機能を十分利用できない。
【0003】
特願平08−185246は袋を連結したもので、封入物を出し入れできるが、双方が同じそば殻であり、炭による遠赤外線、吸着、吸湿効果は無い。
【0004】
【参考文献1】
特願平07−324984
【参考文献2】
特願平08−185246
【解決しようとする課題】
【0005】
心地よい枕の高さは、圧迫厚さが4cm前後とされているが、敷布団の硬さによっても変わってくるし、個人差もある。また硬い枕が好きな人がいる一方で、柔らかな枕が好きな人がいる。
【0006】
このような事情から近年オーダー枕を購入する人が増加している。しかし、枕は敷布団の硬さによって高さを変える必要が有るが、オーダー枕に自分が使用している敷布団の硬さを反映させることは困難であり、注文時と使用時の快適さの相違が生じる可能性があり、依頼するための時間を要することや価格が高い欠点がある。
【0007】
自分に最適な枕を得るためには、自分が寝ている寝具の上で自身が封入物を出し入れして高さや硬さを自由に調整できる枕がのぞましいが、炭を使った枕では炭の汚れる性質のためか封入物を出し入れできる枕は無い。
【0008】
更に粒状の適度の刺激が快適と感じる時もあり、綿の柔らかさを快適と感じる時もあり、この選択が日々の気分や体調によって寝ながらできる枕が望ましい。
【解決するための手段】
【0009】
近年発明者によって、耐水性を有する粉塵が出ない炭ペレットが開発されたため、通気性袋に直接炭ペレットを封入することができるようになった。
【0010】
本発明はこの粉塵が出ない炭ペレットを利用することで可能になったものであり、開閉部を有する通気性袋の1つに粉塵が出ない炭ペレット、1つに綿またはスポンジのいずれか又は双方より成るクッションを入れて閉じた後、通気性袋の開閉部が塞がれないような形状に縫製した布に挿入して一体化した、炭ペレット層とクッション層の二層で構成された枕である。
【0011】
また、本発明は、硬さと高さが自由に調整でき、常温で体内を温める強力な遠赤外線放射出力を有し、汗を吸収してべとつかず、寝室の空気を浄化し、表が粒状の感触で裏が綿の柔らかな感触を持つという多機能を有する。
【0012】
通気性袋中の炭ペレット及び綿やスポンジを出し入れして、望ましい高さや柔らかさに調整することができ、炭ペレットを封入した粒状の感触を有する層と、綿またはスポンジを封入して衝撃を吸収するクッション層を重ね合わせた枕である。
【0013】
柔らかな枕が好みの人は、炭ペレット量を減らし綿またはスポンジ量を増やして、これを頭側に敷けばよく、硬い枕が好みの人は逆にすればよい。
【0014】
人の頭は約4kgあるため粒状の炭ペレットは適度に移動してクッション層が衝撃を吸収するので、枕に最適な構成になる。
【0015】
クッション層を頭部にすると柔らかな中に微妙な粒状の感触を得て心地よく、炭ペレット層だと適度の硬さと刺激を得ることができるので、そのときの体調や好みによって裏表を容易に変えることができる。
【0016】
本発明の最適な枕は炭ペレットを直接通気性袋に封入するため、2kg以上の多量の炭ペレットが使用可能になり、遠赤外線放射出力が大きくなって全身を発熱させる作用が強い。
【0017】
炭ペレットを多く使用することと通気性袋を使用することで、寝汗も吸収してべとつかないため快適性も増し、室内空気の浄化もできることも特徴である。
【0018】
炭ペレットは1g当り約200平方メートルの比表面積を有するため、2kgでは約20万平方メートルの比表面積があり、臭いの吸着力も大きい。
【0019】
このように本発明の最適な枕の特徴は、粉塵が生じない炭ペレットを使用して直接通気性袋に封入していることであり、炭ペレット層と綿やスポンジのクッション層の二層で構成する枕で、表と裏の使い分けできることであり、炭ペレットや綿やスポンジが出し入れできる開閉口を設けて、硬さや高さを容易に調節できることであり、炭ペレットを2kg以上使用して強力な遠赤外線放射出力や大きな吸湿吸着力を有することの全てである。
【0020】
通気性袋の素材は不織布でもよいが布が好ましく、クッションには綿かスポンジのいずれか又は双方を使用する。
【実施例1】
【0021】
開閉部を有する通気性袋の1つに粉塵が出ない炭ペレット2.1kg、1つに綿100gを入れ、図2のように、これらを特殊枕カバー中にあるカバーに挿入した後、二つ折りにしてファスナーを閉じ固定して得た図4の枕で、綿層と炭ペレット層が重なった構造であり、通気性袋中の炭ペレット及び綿やスポンジを出し入れして、高さや柔らかさを調整できる最適な枕。
【実施例2】
【0022】
開閉部を有する通気性袋の1つに粉塵が出ない炭ペレット2.1kg、1つにポリエステル綿100gを入れ、これを円筒形枕カバーの中に挿入して得た枕で、綿層と炭ペレット層が重なった構造であり、通気性袋中の炭ペレットや綿を出し入れして、高さや柔らかさを調整できる図3の最適な枕。
【発明の効果】
【0023】
自分に合った適切な硬さと高さの枕を得ることができ、寝汗で枕がべとつかず、更に遠赤外線効果で体内が温まり、熟睡できて体の疲れが取れる。
【産業上の利用分野】
【0024】
寝具
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】 実施例1の最適な枕の断面図
【図2】 実施例1の特殊枕カバーを使用した最適な枕の展開姿図
【図3】 実施例2の最適な枕の姿図
【図4】 実施例1の最適な枕の姿図
【符号の説明】
【0026】
1.特殊枕カバー
2.円筒形枕カバー
3.炭ペレット入り通気性袋
4.綿入り通気性袋
5.ファスナー
6.通気性袋
7.綿
8.炭ペレット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉部を有する通気性袋の1つに粉塵が出ない炭ペレット、1つに綿またはスポンジのいずれか又は双方を入れて閉じた後、開閉部を塞がないような形状に縫製して得たカバー中に挿入して一体化したものであり、通気性袋中の炭ペレット及び綿やスポンジを出し入れして、高さや柔らかさを調整できる炭ペレット層と綿やスポンジ層の二層で構成された枕。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−201961(P2009−201961A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84756(P2008−84756)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(598095042)株式会社森林研究所 (24)
【Fターム(参考)】