説明

有効期限管理の方法およびシステム

【課題】有効期限管理の方法およびシステムを提供する。
【解決手段】該方法は、格納装置内のRFIDタグ・リーダが、複数の連続的計時信号を送信するステップを含む。格納装置は、製品とRFIDタグとを包含する容器を含む。RFIDタグは、RFIDタグの第一状態および第一期間を示すデータを含む。RFIDタグ・リーダが該データを受信し、第一時間スタンプを生成する。RFIDタグ・リーダが、RFIDタグに第二状態を入力するよう命令する第一メッセージを送信する。RFIDタグ・リーダが第一時間スタンプを送信し、第二時間スタンプを生成する。RFIDタグ・リーダが第二時間スタンプを送信する。RFIDタグ・リーダが、RFIDタグが行った比較プロセスの結果を受信する。RFIDタグ・リーダが、該結果を表示する機能を遂行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の有効期限を管理するための方法および関連システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アイテムが有効使用期間内かどうかを判定するステップには、通常、ほとんど柔軟性のない非効率的なプロセスが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
よって、前述の欠点および制限の少なくとも一部を克服する技術が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
格納装置内のRFIDタグ・リーダが、該格納装置の最初の開扉に応じて複数の連続的計時信号を送信するステップであって、該格納装置は製品を包含する容器を含み、該容器は該格納装置の内部にあり、該容器は該容器に機械的に取り付けられたRFIDタグを包含し、該RFIDタグは該RFIDタグの第一状態を示す第一データを含み、該第一状態は、該容器が新しいもので今まで開蓋されたことがないことを示し、該第一データは第一期間を含む、上記信号を送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該RFIDタグから該第一データを受信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が初めて開蓋されるのに応じて第一時間スタンプを生成するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該初めて開蓋されるのに応じて該RFIDタグに第一メッセージを送信するステップであって、該第一メッセージは該RFIDタグに第二状態を入力するよう命令し、該第二状態は、該容器が該初めて開蓋されたことを示す、上記メッセージを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該初めて開蓋されるのに応じて該RFIDタグに該第一時間スタンプを送信するステップであって、該第一時間スタンプは該RFIDタグ中に保存され、該容器は閉蓋される、上記第一時間スタンプを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が二回目に開蓋されるのに応じて第二時間スタンプを生成するステップであって、該第二時間スタンプは該第一時間スタンプよりは後の時間を示す、上記第二時間スタンプ生成するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該二回目に開蓋されるのに応じて該RFIDタグに該第二時間スタンプを送信するステップであって、該RFIDタグは、該第二時間スタンプを該第一時間スタンプと該第一期間との和と比較するステップを含む比較プロセスを遂行する、上記第二時間スタンプを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該RFIDタグから比較プロセスの結果を受信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該結果を表示する機能を遂行するステップと、
を含む方法を提供する。
【0005】
本発明は、コンピュータ可読メモリ・ユニットに連結されたプロセッサを含むRFIDタグ・リーダを提供し、該RFIDタグ・リーダは格納装置内に配置され、該メモリ・ユニットは、該プロセッサに実行されたとき有効期限管理方法を実施する命令群を包含し、該方法は、
該RFIDタグ・リーダが、該格納装置の最初の開扉に応じて複数の連続的計時信号を送信するステップであって、該格納装置は製品を包含する容器を含み、該容器は該格納装置の内部にあり、該容器は該容器に機械的に取り付けられたRFIDタグを包含し、該RFIDタグは該RFIDタグの第一状態を示す第一データを含み、該第一状態は、該容器が新しいもので今まで開蓋されたことがないことを示し、該第一データは第一期間を含む、上記信号を送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該RFIDタグから該第一データを受信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が初めて開蓋されるのに応じて第一時間スタンプを生成するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該初めて開蓋されるのに応じて該RFIDタグに第一メッセージを送信するステップであって、該第一メッセージは該RFIDタグに第二状態を入力するよう命令し、該第二状態は該容器が該初めて開蓋されたことを示す、上記メッセージを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該初めて開蓋されるのに応じて該RFIDタグに該第一時間スタンプを送信するステップであって、該第一時間スタンプは該RFIDタグ中に保存され、該容器は閉蓋される、上記第一時間スタンプを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が二回目に開蓋されるのに応じて第二時間スタンプを生成するステップであって、該第二時間スタンプは該第一時間スタンプよりは後の時間を示す、上記第二時間スタンプ生成するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該容器が該二回目に開蓋されるのに応じて該RFIDタグに該第二時間スタンプを送信するステップであって、該RFIDタグは、該第二時間スタンプを該第一時間スタンプと該第一期間との和と比較するステップを含む比較プロセスを遂行する、上記第二時間スタンプを送信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該RFIDタグから比較プロセスの結果を受信するステップと、
該RFIDタグ・リーダが、該結果を表示する機能を遂行するステップと、
を含む。
【0006】
本発明は、アイテムが有効使用期限内かどうかを判定できる簡単な方法および関連システムを有益に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態による、製品の有効期限を管理するためのシステムのブロック図を示す。
【図2】本発明の実施形態による、図1のシステムによって用いられる、製品の状態を計算するためのアルゴリズムを表す状態マシンを示す。
【図3】本発明の実施形態による、図1のシステムによって用いられる、製品の有効期限を管理するためのアルゴリズムを表すフローチャートを示す。
【図4】本発明の実施形態による、製品の有効期限を管理するために用いられるコンピュータ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態による、格納装置5、無線周波数識別(RFID)タグ・リーダ(またはトランシーバ)7、RFIDタグ8、容器10、および容器14を含む、システム2のブロック図を示す。システム2は、製品(例、容器10の中の製品16)の有効期限を管理するために用いられる。製品16は、任意の種類の生鮮品または非生鮮品(例、食品、薬品、医療品、家庭用品、自動車部品など)を含み得る。格納装置5は、なかんずく、箱、キャビネット、物置などを含め、任意の種類の格納装置を含み得る。格納装置5は、ドア18(開いた状態で図示されている)、および、製品16が期限切れと判定された場合にドア18を閉じロックするための随意的な電気機械アクチュエータ・デバイス20(例、ソレノイド)を含む。加えて、アクチュエータ・デバイスをキャップ12に取り付け、製品16が期限切れと判定された場合、キャップ12を適所にロックすることができる。RFIDタグ・リーダ(またはトランシーバ)7、RFIDタグ8、容器10、および容器14は、格納装置5内に配置される。RFIDタグ8は、RF問い合わせを受信し、応答する(例えば、IDコード、データなどの応答をする)ための無線デバイスである。RFIDタグ8には、コンピュータ可読メモリ・ユニット、中央処理装置(CPU)および諸機能を実行するためのロジックを含めることができる。RFIDタグは、受動RFIDタグまたは能動RFIDタグを含み得る。本明細書では、受動RFIDタグは、RFIDタグ・リーダ(例、RFIDタグ・リーダ7)からの(RFIDタグ内部回路に対し電力供給するための)電力を受電するRFIDタグであると定義する。本明細書では、能動RFIDタグは、該RFIDタグの内部回路に電力供給するための内部(すなわちRFIDタグの内の)電源(例、電池、コンデンサなど)を含むRFIDタグであると定義する。RFIDタグ8は、キャップ12または容器10に機械的に取り付けることができる。これに換えて、RFIDタグ8を格納装置5内の任意の箇所に配置することもできる。RFIDタグ・リーダ7には、コンピュータ可読メモリ・ユニット、中央処理装置(CPU)および諸機能を実行するためのロジックを含めることができる。RFIDタグ・リーダ7は、スイッチ24を介して随意的な電源22に連結することができる。RFIDタグ・リーダ7は、ドア18を開けることにより(すなわち、これによりスイッチ24を閉じ、電源22からの電圧がRFIDタグ・リーダ7に達することを可能にして)起動させ、ドア18を閉じることによって(すなわち、これによりスイッチ24を開き、電源22からの電圧がRFIDタグ・リーダ7に達することができないようにして)作動停止させることができる。RFIDタグ・リーダ7は、容器10中の製品16の状態(例、期限切れ、有効期限残50%など)を表示する、または容器10のキャップまたはストッパ12の状態(例、開蓋されたことなし、直近の開蓋時間など)を表示するための表示器7aを含む。RFIDタグは、容器10中の製品16の状態(例、期限切れ、有効期限残50%など)を表示する、または容器10のキャップまたはストッパ12の状態(例、開蓋されたことなし、直近の開蓋時間など)を表示するための表示器8aを含む。表示器7aおよび8aは、なかんずく、可聴表示器(例、異なった可聴音を生成する増幅スピーカ)、可視表示器(例、光源またはLED、ディスプレイなど)を含め、任意の種類の表示器を含み得る。
【0009】
図1のシステム2は、容器10中の製品16の有効期限(例、製品16が期限切れになったなど)を管理することに関し、以下の機能を遂行するために用いられる。
1. RFIDタグ・リーダ7が、ドア18が開かれたとき、連続的に時間データ(または計時)信号を提供または送信する。この計時信号はドア18が閉じられると停止される。連続的時間データ(または計時)信号のためのエネルギは、ドア18の開扉による機械的力、または、なかんずく、電池、電源装置などの電源(例、随意的電源22)によって供給することができる。
2. 製品16が、格納装置5中の容器10内に格納される。容器10は、RFIDタグ8を備えたキャップ12によって閉蓋またはロックされる。
3. RFIDタグ8が、RFIDタグ・リーダ7から信号を受信する。
4. RFIDタグ8が、ドア18の最初の開扉時に(該連続的時間データ信号からの)時間データ信号を保存する。さらに、RFIDタグ8は、ドア18が開かれるたびに(該連続的時間データ信号からの)時間データ信号を保存する。
5. RFIDタグ8が、RFIDタグ8に保存された期限定数によって製品16に対する期限切れ時間または期日を計算する。
6. 製品16の状態がRFIDタグ8中に保存される。
7. これにより、表示器7aまたは8aあるいはその両方が、製品16の現在状態を表示することができるようになる。
【0010】
図2は、本発明の実施形態による、図1のシステム2が製品の状態を計算するために用いるアルゴリズムを表す状態マシン200を示す。以下のステップは、状態マシン200によって表されるプロセスを示す。
1. 格納装置(例、図1の格納装置5)のドア(例、図1のドア18)が閉じられているとき、RFIDタグ・リーダ(例、図1のRFIDタグ・リーダ7)は作動停止(すなわち電力供給が停止)している。製品(例、図1の製品16)の状態はそのままで変化しない。該変化のない状態がRFIDタグ(例、図1のRFIDタグ8)に保存される。
2. ドアが開かれると、RFIDタグ・リーダが作動(電力供給)され、計時ビーコン(例、信号)が連続的に送信される。
3. 製造工程の終端において(すなわち、容器(例、図1の容器10)に製品が入れられキャップ(例、図1のキャップ12)によって封をされるとき)、RFIDタグは、RFIDタグが「新品」の状態を該RFIDタグのメモリ構造中に入力するよう命令する信号を受信する。
4. キャップが初めて取り外されたとき、(すなわちRFIDタグメモリ構造が状態「新品」を包含している時点で)、
A. RFIDタグ・リーダからの信号が検出されない場合、RFIDタグは、キャップが容器に再取り付けされるとすぐに「未知」の状態をそのメモリ構造に入力する。
B. RFIDタグ・リーダからの信号が検出された場合、(RFIDタグの)メモリ構造にはT0の時間スタンプが書き込まれ、RFIDタグは、そのメモリ構造に「使用中」の状態を入力する。
5. RFIDタグのメモリ構造が状態「使用中」を包含している間にキャップが再度開蓋されたとき、
A. RFIDタグ・リーダからの信号が検出されない場合、何ごとも生じず、RFIDタグのメモリ構造中の状態は変わらずそのままである。
B. RFIDタグ・リーダからの信号が検出された場合、RFIDタグは、時間スタンプtを受信し、それをT0と開始時間からのTLとの和(すなわちT0+TL)と比較する。
a. 時間スタンプtが上記和より小さい場合、RFIDタグは、肯定的応答を返信し、それがRFIDタグ・リーダによって受信される。これに応じ、RFIDタグ・リーダは、製品が有効期限内であるとの結果を表示する機能を遂行する(該機能を、緑光信号、デジタル・ディスプレイ、増幅スピーカなどの表示器(例、図1の表示器7aまたは8a)の起動とすることができる)。
b. 時間スタンプtが上記和より大きい場合、RFIDタグは、否定的応答を返信し、それがRFIDタグ・リーダによって受信される。これに応じ、RFIDタグ・リーダは、製品が有効期限を過ぎているとの結果を表示する機能を遂行し(該機能を、赤色信号、デジタル・ディスプレイ、増幅スピーカなどの表示器(例、図1の表示器7aまたは8a)の起動とすることができる)、RFIDタグは「期限切れ」の状態をそのメモリ構造に入力する。
6. RFIDタグがそのメモリ構造中に「未知」の状態を包含している間にキャップが開けられた場合、
A. RFIDタグ・リーダからの信号が検出されない場合も、RFIDタグ・リーダからの信号が検出された場合も、メモリ構造中の状態は変化せずそのままである。
7. RFIDタグがそのメモリ構造中に「期限切れ」の状態を包含している間にキャップが開けられた場合、
A. RFIDタグ・リーダからの信号が検出されない場合、メモリ構造中の状態は変化せずそのままである。
B. RFIDタグ・リーダからの信号が検出された場合、RFIDタグは、否定的応答を返信し、それがRFIDタグ・リーダによって受信される。RFIDタグ・リーダは、製品が有効期限を過ぎているとの結果を表示する機能を遂行する(該機能を、赤色信号、デジタル・ディスプレイ、増幅スピーカなどの表示器(例、図1の表示器7aまたは8a)の起動とすることができる。
【0011】
図3は、本発明の実施形態による、図1のシステム2によって用いられる、製品の有効期限を管理するためのアルゴリズムを表すフローチャートを示す。ステップ400において、格納装置(例、図1の格納装置5)のドア(例、図1のドア18)が開かれる。ステップ402で、ドアが開かれたのに応じてRFIDタグ・リーダ(例、図1のRFIDタグ・リーダ7)が起動される。RFIDタグ・リーダは、電源をRFIDタグ・リーダに接続することによって起動することができる。例えば、(図1に示されるように)スイッチ24を係合させて、電源22からRFIDタグ・リーダへの電圧供給を可能にする。RFIDタグ・リーダは、ステップ402で起動されたのに応じ、ステップ404において複数の連続的計時信号を送信する。ステップ408で、RFIDタグ・リーダは、RFIDタグ(例、図1のRFIDタグ8)から第一データを受信する。該第一データは、RFIDタグの第一状態を表す。該第一状態は、製品(例、図1の製品16)を包含する、該RFIDタグに関連付けられた容器(例、図1の容器10)が新しいもので開蓋されたことがないことを示す。第一データは第一期間を包含する。ステップ412において、RFIDタグ・リーダは(容器が初めて開蓋されたのに応じ)第一時間スタンプを生成する。ステップ418で、(容器が初めて開蓋されたのに応じ)RFIDタグ・リーダは(RFIDタグに対し)第一メッセージを送信する。該第一メッセージは、RFIDタグに第二状態を入力するよう命令する。第二状態は、容器が初めて開蓋されたことを示す。ステップ420において、RFIDタグ・リーダは、容器が初めて開蓋されたのに応じRAIDタグに第一時間スタンプを送信する。第一時間スタンプは、RFIDタグに保存され、該容器は閉蓋される。ステップ422で、RFIDタグ・リーダは、(容器が二回目に開蓋されたのに応じ)第二時間スタンプを生成する。第二時間スタンプは、第一時間スタンプより後の時間を示す。ステップ424で、RFIDタグ・リーダは、(容器が二回目に開蓋されたのに応じ)RFIDタグに該第二時間スタンプを送信する。ステップ428において、RFIDタグは、第二時間スタンプを、第一時間スタンプと第一期間との和と比較し、その結果を判定する。以下の比較プロセス結果が生成される。
1. 該比較プロセスが、第二時間スタンプは第一時間スタンプと第一期間との和よりも小さいと判定する。
2. 該比較プロセスが、第二時間スタンプは第一時間スタンプと第一期間との和よりも大きいと判定する。
【0012】
ステップ432で、RFIDタグ・リーダが(RFIDタグから)ステップ428において生成された比較プロセスの結果を受信する。ステップ435において、RFIDタグ・リーダは、上記結果を表示する機能を遂行する。
A. 上記結果が、第二時間スタンプは第一時間スタンプと第一期間との和よりも小さいことを示している場合、該機能には、ユーザによる製品の使用が容認可能であることを指示する表示器(群)(例、可聴表示器、可視表示器など)の起動を含めることができる。該表示器は、RFIDタグまたはRFIDリーダに配置することができる。
B. 上記結果が、第二時間スタンプは第一時間スタンプと第一期間との和よりも大きいことを示している場合、該機能には、ユーザによる製品の使用が容認できないことを指示する表示器(群)(例、可聴表示器、可視表示器など)の起動を含めることができる。この場合、以下の追加の任意的ステップのいずれでも実施することができる。
1. RFIDタグ・リーダが(RFIDタグに)第二メッセージを送信する。第二メッセージは、RFIDタグに、製品が期限切れであることを示す第三状態を入力するよう命令し、容器が閉蓋される。
2. RFIDタグ・リーダが(格納装置の閉扉に応じ)、(例えば、RFIDタグ・リーダから電圧源を除去することによって)作動停止される。
3. RFIDタグ・リーダが(格納装置の開扉に応じ)起動される。
4. RFIDタグ・リーダが、ステップ3での起動に応じてRFIDタグに信号を送信する。
5. RFIDタグ・リーダが、(RFIDタグから該信号の応答として)第三状態を示すメッセージを受信する。
6. RFIDタグ・リーダが、(該第三のメッセージに応じ)該製品は期限切れであることを表示する表示器を起動する。
7. RFIDタグ・リーダが、(該第三のメッセージに応じ)格納装置のドアに取り付けられたアクチュエータまたは容器のストッパに取り付けられたアクチュエータあるいはその両方を起動する。ドアのアクチュエータは、ドアを閉ざしユーザが期限切れ製品を包含する容器にアクセスできないようにする。キャップのアクチュエータは、キャップをロックしてユーザが容器からキャップを取り外せないようにし、これにより製品へのアクセスを排除する。
【0013】
図4は、本発明の実施形態による、製品の有効期限を管理するために用いられるコンピュータ装置90(例、図1のRFIDタグ・リーダ7)を示す。コンピュータ・システム90は、プロセッサ91と、プロセッサ91に連結された入力デバイス92と、プロセッサ91に連結された出力デバイス93と、各々プロセッサ91に連結されたメモリ・デバイス94および95とを含む。入力デバイス92は、なかんずく、キーボード、ソフトウエア・アプリケーション、マウスなどとすることができる。出力デバイス93は、なかんずく、プリンタ、プロッタ、コンピュータ画面、磁気テープ、着脱可能ハード・ディスク、フロッピー・ディスク、ソフトウエア・アプリケーションなどとすることができる。メモリ・デバイス94および95は、なかんずく、ハード・ディスク、フロッピー・ディスク、磁気テープ、コンパクト・ディスク(CD)またはデジタル・ビデオ・ディスク(DVD)などの光記憶装置、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などとすることができる。メモリ・デバイス95はコンピュータ・コード97を含む。コンピュータ・コード97は製品の有効期限を管理するためのアルゴリズム(例、図3のアルゴリズム)を包含する。プロセッサ91はコンピュータ・コード97を実行する。メモリ・デバイス94は入力データ96を含む。入力データ96はコンピュータ・コード97が必要とする入力を包含する。出力デバイス93はコンピュータ・コード97からの出力を表示する。メモリ・デバイス94および95(あるいは、図4に示されていない一つ以上のさらなるメモリ・デバイス)のいずれかまたは両方には、図3のアルゴリズムを含め、これらを、媒体中に具現されたコンピュータ可読のプログラム・コードまたは媒体中に格納された他のデータ、あるいはその両方を有する該コンピュータ可用媒体(またはコンピュータ可読媒体もしくはプログラム記憶デバイス)として使用することができ、該コンピュータ可読プログラム・コードはコンピュータ・コード97を含む。一般に、コンピュータ・システム90のコンピュータ・プログラム製品(あるいは製造物品)には、上記コンピュータ可用媒体(またはプログラム記憶デバイス)を含めることができる。
【0014】
加えて、製品の有効期限の管理を提供するサービス・プロバイダが、本発明のコンポーネントのどれでも、生成し、結合し、ホストし、維持し、展開し、管理し、サービスするなどのことができよう。しかして、本発明は、コンピュータ可読コードをコンピュータ・システム90に統合するステップを含め、コンピューティング・インフラストラクチャを展開し、生成し、結合し、ホストし、維持し、または統合する、あるいはこれらの複数を実施するためのプロセスを開示し、該コードは、システム90と相まって製品の有効期限を管理する方法を遂行することを可能にする。別の実施形態において、本発明は、会費、広告、または手数料ベースあるいはこれらの複数のベースで、本発明のプロセス・ステップを実施する事業方法を提供する。すなわち、ソリューション・インテグレータなどのサービス・プロバイダは、製品の有効期限の管理を販売することができよう。この場合、サービス・プロバイダは、一人以上の顧客のために本発明のプロセス・ステップを遂行するコンピュータ・インフラストラクチャを生成、維持、サポートなどすることができる。見返りとして、サービス・プロバイダは、会費または手数料契約あるいはその両方の下で該顧客(群)から支払いを受けることができ、またはサービス・プロバイダは、一人以上の第三者への広告コンテントの販売から支払いを受けることができ、あるいは上記両方の支払いを受けることができる。
【0015】
図4は、コンピュータ・システム90を、ハードウエアおよびソフトウエアの特定の構成として示してしているが、当業者ならおそらく承知しているように、前述した目的のために、図4の特定のコンピュータ・システム90と併せ、ハードウエアおよびソフトウエアの任意の構成を用いることができる。例えば、メモリ・デバイス94および95は、分離されたメモリ・デバイスでなく、単一のメモリ・デバイスの部分とすることができる。
【0016】
本明細書で、説明目的のために本発明の諸実施形態を述べてきたが、当業者には、多くの修改および変更が明らかになっていよう。従って、添付の請求項は、かかる修改および変更を本発明の真の精神および範囲内にあるものとして包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
格納装置内のRFIDタグ・リーダが、前記格納装置の最初の開扉に応じて複数の連続的計時信号を送信するステップであって、前記格納装置は製品を包含する容器を含み、前記容器は前記格納装置の内部にあり、前記容器は前記容器に機械的に取り付けられたRFIDタグを包含し、前記RFIDタグは前記RFIDタグの第一状態を示す第一データを含み、前記第一状態は、前記容器が新しいもので今まで開蓋されたことがないことを示し、前記第一データは第一期間を含む、前記信号を送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記RFIDタグから前記第一データを受信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が初めて開蓋されるのに応じて第一時間スタンプを生成するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記初めて開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに第一メッセージを送信するステップであって、前記第一メッセージは前記RFIDタグに第二状態を入力するよう命令し、前記第二状態は、前記容器が前記初めて開蓋されたことを示す、前記メッセージを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記初めて開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに前記第一時間スタンプを送信するステップであって、前記第一時間スタンプは前記RFIDタグ中に保存され、前記容器は閉蓋される、前記第一時間スタンプを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が二回目に開蓋されるのに応じて第二時間スタンプを生成するステップであって、前記第二時間スタンプは前記第一時間スタンプよりは後の時間を示す、前記第二時間スタンプ生成するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記二回目に開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに前記第二時間スタンプを送信するステップであって、前記RFIDタグは、前記第二時間スタンプを前記第一時間スタンプと前記第一期間との和と比較するステップを含む比較プロセスを遂行する、前記第二時間スタンプを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記RFIDタグから比較プロセスの結果を受信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記結果を表示する機能を遂行するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の連続的計時信号を前記送信するステップの前に、前記最初の開扉に応じて前記RFIDタグ・リーダを初回に起動するステップであって、前記初回に起動するステップは、前記RFIDタグ・リーダが第一電源から第一電圧を受電するステップを含む、前記初回に起動するステップを、
さらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一電圧は、前記最初の開扉の過程で起動されたスイッチを介して、前記第一電源から受電される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較プロセスの前記結果は、前記第二時間スタンプが前記和よりも小さいことを示し、前記機能を前記遂行するステップは、
前記RFIDタグ・リーダが、ユーザによる前記製品の使用が容認可能であることを表示する表示器を起動するステップ、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記表示器は、可視表示器および可聴表示器から成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表示器は前記RFIDタグ・リーダに機械的に取り付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記表示器は前記RFIDタグに機械的に取り付けられる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記比較プロセスの前記結果は、前記第二時間スタンプが前記和よりも大きいことを示し、前記機能を前記遂行するステップは、ユーザによる前記製品の使用が容認できないことを表示する表示器を起動するステップを含み、前記方法は、
前記RFIDタグ・リーダが、前記結果に応じて前記RFIDタグに第二メッセージを送信するステップであって、前記第二メッセージは、前記RFIDタグに第三状態を入力するよう命令し、前記第三状態は前記製品が期限切れであることを示し、前記容器は、前記第二メッセージを前記送信した後閉蓋される、前記第二メッセージを送信するステップ、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第二メッセージを前記送信した後、前記格納装置の初回の閉扉に応じて前記RFIDタグ・リーダを初回に作動停止するステップであって、前記初回に作動停止するステップは、前記RFIDタグ・リーダから前記第一電圧を除去するステップを含む、前記初回に作動停止するステップと、
前記初回の作動停止の後、前記格納装置の二回目の開扉に応じて前記RFIDタグ・リーダを二回目に起動するステップであって、前記二回目に起動するステップは、前記RFIDタグ・リーダが前記第一電源から前記第一電圧を受電するステップを含む、前記二回目に起動するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記二回目の起動に応じて前記RFIDタグに信号を送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記RFIDタグから、前記信号に応答した前記第三状態を示す第三メッセージを受信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記第三メッセージに応じて前記製品が期限切れであることを表示する表示器を起動するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記表示器は、可視表示器および可聴表示器から成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記RFIDタグ・リーダが、前記第三メッセージに応じて、前記格納装置のドアに取り付けられたアクチュエータを起動し、前記アクチュエータは前記ドアを閉扉し、ユーザが前記製品を包含する前記容器にアクセスできないようにするステップ、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記RFIDタグ・リーダが、前記第三メッセージに応じて、前記容器のストッパに取り付けられたアクチュエータを起動し、前記アクチュエータは、前記ストッパをロックしてユーザが前記容器から前記ストッパを取り外せないようにし、これにより前記製品へのアクセスを排除するステップ、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
媒体中に具現されたコンピュータ可読プログラム・コードを含有するコンピュータ記憶媒体を含むコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラム・コードは、前記RFIDタグ・リーダのプロセッサによって実行されると、前記請求項1に記載の方法を遂行するように作られている、前記コンピュータ・プログラム製品。
【請求項14】
コンピュータ・インフラストラクチャをサポートするプロセスであって、前記プロセスは、コンピュータ・システムにおけるコンピュータ可読コードの生成、結合、ホスティング、維持、および展開の少なくとも一つに対する少なくとも一つの支援サービスを提供することを含み、前記コードは、前記RFIDタグ・リーダと相まって前記請求項1に記載の方法を遂行することができる、前記サポートするプロセス。
【請求項15】
コンピュータ可読メモリ・ユニットに連結されたプロセッサを含むRFIDタグ・リーダであって、前記RFIDタグ・リーダは、格納装置内に配置され、前記メモリ・ユニットは、前記プロセッサに実行されたとき有効期限管理方法を実施する命令群を包含し、前記方法は、
前記RFIDタグ・リーダが、前記格納装置の最初の開扉に応じて複数の連続的計時信号を送信するステップであって、前記格納装置は製品を包含する容器を含み、前記容器は前記格納装置の内部にあり、前記容器は前記容器に機械的に取り付けられたRFIDタグを包含し、前記RFIDタグは前記RFIDタグの第一状態を示す第一データを含み、前記第一状態は、前記容器が新しいもので今まで開蓋されたことがないことを示し、前記第一データは第一期間を含む、前記信号を送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記RFIDタグから前記第一データを受信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が初めて開蓋されるのに応じて第一時間スタンプを生成するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記初めて開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに第一メッセージを送信するステップであって、前記第一メッセージは前記RFIDタグに第二状態を入力するよう命令し、前記第二状態は、前記容器が前記初めて開蓋されたことを示す、前記メッセージを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記初めて開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに前記第一時間スタンプを送信するステップであって、前記第一時間スタンプは前記RFIDタグ中に保存され、前記容器は閉蓋される、前記第一時間スタンプを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が二回目に開蓋されるのに応じて第二時間スタンプを生成するステップであって、前記第二時間スタンプは前記第一時間スタンプよりは後の時間を示す、前記第二時間スタンプ生成するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記容器が前記二回目に開蓋されるのに応じて前記RFIDタグに前記第二時間スタンプを送信するステップであって、前記RFIDタグは、前記第二時間スタンプを、前記第一時間スタンプと前記第一期間との和と比較するステップを含む比較プロセスを遂行する、前記第二時間スタンプを送信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記RFIDタグから比較プロセスの結果を受信するステップと、
前記RFIDタグ・リーダが、前記結果を表示する機能を遂行するステップと、
を含む、前記RFIDタグ・リーダ。
【請求項16】
前記方法は、
前記複数の連続的計時信号を前記送信するステップの前に、前記初回の開扉に応じて前記RFIDタグ・リーダを初回に起動するステップであって、前記初回に起動するステップは、前記RFIDタグ・リーダが第一電源から第一電圧を受電するステップを含む、前記初回に起動するステップ、
をさらに含む、請求項15に記載のRFIDタグ・リーダ。
【請求項17】
前記第一電圧は、前記最初の開扉の過程で起動されたスイッチを介して、前記第一電源から受電される、請求項16に記載のRFIDタグ・リーダ。
【請求項18】
前記比較プロセスの前記結果は、前記第二時間スタンプが前記和よりも小さいことを示し、前記機能を前記遂行するステップは、
前記RFIDタグ・リーダが、ユーザによる前記製品の使用が容認可能であることを表示する表示器を起動するステップ、
を含む、請求項16に記載のRFIDタグ・リーダ。
【請求項19】
前記表示器は、可視表示器および可聴表示器から成る群から選択される、請求項18に記載のRFIDタグ・リーダ。
【請求項20】
前記比較プロセスの前記結果は、前記第二時間スタンプが前記和よりも大きいことを示し、前記機能を前記遂行するステップは、ユーザによる前記製品の使用が容認できないことを表示する表示器を起動するステップを含み、前記方法は、
前記RFIDタグ・リーダが、前記結果に応じて前記RFIDタグに第二メッセージを送信するステップであって、前記第二メッセージは、前記RFIDタグに第三状態を入力するよう命令し、前記第三状態は前記製品が期限切れであることを示し、前記容器は、前記第二メッセージを前記送信した後閉蓋される、前記第二メッセージを送信するステップ、
をさらに含む、請求項16に記載のRFIDタグ・リーダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−507765(P2012−507765A)
【公表日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533699(P2011−533699)
【出願日】平成21年10月26日(2009.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064087
【国際公開番号】WO2010/052149
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】