説明

有孔ブロック

【課題】安定して上側に他物を載置し、或いは、複数の有孔ブロックを積層することができる有孔ブロックを提供する。
【解決手段】複数の孔を備えた上壁21aと、上壁21aに接続する一対の側壁21bと、側壁21bに接続する底壁21cとによって囲まれると共に、孔に連通する内部空間を備えた有孔ブロック20において、一対の側壁21bと接続しない上壁21aの二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、凸部、凹部、切欠部またはこれらの二以上の組み合わせからなる上側固定部26、および、一対の側壁21bと接続しない底壁21cの二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、有孔ブロック同士を上下方向に載置したときに、下側の有孔ブロック20の上側固定部26と係合又は嵌合する下側固定部27とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物などの被除去物を除去する水処理設備において、被除去物が除去された処理水を集水する集水装置で使用される有孔ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
集水装置では、例えば粒状媒体を充填して濾過層(処理層)を備えて当該懸濁物を除去する濾過手段(除去手段)を支持し、濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水を集水する有孔ブロックを備える(例えば特許文献1)。
【0003】
有孔ブロックは、中空の断面が略矩形となる外壁(上壁・側壁・底壁)、および、当該外壁の内部において略逆V字形断面となる傾斜内壁が設けてある。この傾斜内壁により、有孔ブロックの内部空間を中央流通部および当該中央流通部の両側に位置する側方流通部に仕切っている。上壁の上方部および側方流通部、並びに、側方流通部および中央流通部はそれぞれ孔部を介して連通している。
【0004】
濾過層には、砂利・珪砂・アンスラサイト・粒状活性炭などの粒状媒体が充填してあり、被処理水を濾過手段の上方より下向流で濾過層に通水すると、被処理水中に含まれる懸濁物が濾過層によって除去される。濾過層を通過して懸濁物が除去された処理水は、重力の作用により有孔ブロックの上壁に設けた上壁孔部を介して側方流通部に流入し、さらに側方流通部から中央流通部に流入することにより集水される。
【0005】
特許文献2,3には、有孔ブロックに載置する多孔部材が記載してある。当該多孔部材は、粒状媒体を通過させることなく濾過層を支持するように寸法決めされた孔を有する多孔質の板状部材である。これにより、有孔ブロックの上壁に設けた孔の径を大きく設定した場合であっても、当該孔から有孔ブロックの内部空間に粒状媒体が侵入するのを防止することができる。
特許文献2,3の多孔部材においては、その二つの長辺のエッジを、上壁の長辺方向に沿って起立した一対のリブに形成した段部にそれぞれ嵌め込むことで位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−346574号公報
【特許文献2】特公平6−61411号公報
【特許文献3】特許第3053870号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多孔部材を前記段部に嵌め込むことで、当該多孔部材がその短辺方向において位置ズレしないように位置決めできる。しかし、上壁の短辺方向に沿って起立したリブによっては長辺方向に位置決めされないため、その長辺方向に沿って位置ズレする虞があった。
【0008】
また、有孔ブロックを保管する際、複数の有孔ブロックを上下方向に積層する場合がある。このとき、通常、下側の有孔ブロックにおける上壁の一対のリブの上面に形成した段部に、上側の有孔ブロックの底壁を当接させる。当該段部の上面幅は狭いため、振動などにより積層された上側の有孔ブロックが前記短辺方向に沿って位置ズレして、底壁のエッジが段部の上面から落下して当該有孔ブロックが傾く虞がある。このような傾きが積層した複数の有孔ブロックに亘って発生すれば、積層した有孔ブロックが倒れる虞があり、危険である。
【0009】
従って、本発明の目的は、安定して上側に他物を載置し、或いは、複数の有孔ブロックを積層することができる有孔ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係る有孔ブロックは、複数の孔を備えた上壁と、前記上壁に接続する一対の側壁と、前記側壁に接続する底壁とによって囲まれると共に、前記孔に連通する内部空間を備えた有孔ブロックにおいて、前記一対の側壁と接続しない前記上壁の二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、凸部、凹部、切欠部またはこれらの二以上の組み合わせからなる上側固定部、および、前記一対の側壁と接続しない前記底壁の二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、有孔ブロック同士を上下方向に載置したときに、下側の有孔ブロックの前記上側固定部と係合又は嵌合する下側固定部とを有する点にある。
【0011】
有孔ブロックは、保管時には複数の有孔ブロックを上下方向に積層することがある。また、集水装置の施工時には、有孔ブロックの上面に多孔部材を載置することがある。基準となる有孔ブロックの上面に載置する他物を「上側他物」とし、当該有孔ブロックの下方に位置する他物を「下側他物」と称する。
本構成では、上側他物が有孔ブロックのとき、上側の有孔ブロックにおける下側固定部と、下側の有孔ブロックにおける上側固定部とが係合又は嵌合可能な位置に配設されるため、保管時に複数の有孔ブロックを積層すると、上側の有孔ブロックにおける下側固定部と、下側の有孔ブロックにおける上側固定部とが確実に係合又は嵌合する。これにより、下側の有孔ブロックに対して上側の有孔ブロックを確実に位置決めした状態で鉛直方向に真っ直ぐ積層することができる。
また、上側固定部と下側固定部とが係合又は嵌合することで、下側の有孔ブロックの上壁面上で上側の有孔ブロックが移動するのを防止又は制限するため、仮に振動が発生した場合であっても、積層された上側の有孔ブロックが上壁の一対の側壁と接続しない辺の方向(以後「短辺方向」と呼ぶ)および一対の側壁と接続する辺の方向(以後「長辺方向」と呼ぶ)に位置ズレし難くなり、積層姿勢が安定する。
【0012】
また、本構成では、上側他物が多孔部材のとき、多孔部材を上側固定部と係合又は嵌合可能に構成すれば、有孔ブロックに対して多孔部材を確実に位置決めした状態で配設することができる。よって、上壁の短辺方向および長辺方向に位置ズレし難くなる。
【0013】
このように、本発明の有孔ブロックは、異なる上側他物を共通の部材(上側固定部)で確実に位置決めした状態でその上面に載置することができる。
【0014】
本発明に係る有孔ブロックの第二特徴構成は、前記底壁が、有孔ブロック同士を上下方向に載置するときに下側の有孔ブロックにおける前記上壁と水平方向を保持して当接する当接壁部と、当該当接壁部から上向きの傾斜で前記側壁に接続する傾斜壁部とを備えた点にある。
【0015】
本構成によれば、複数の有孔ブロックを積層したとき、当接壁部は下側の有孔ブロックにおける上壁と水平方向を保持して当接することができるため、上側の有孔ブロックの姿勢が安定する。また、当接壁部から上向きの傾斜で側壁に接続する傾斜壁部は当該上壁とは当接しないため、下側の有孔ブロックの上壁と干渉しないように積層することができ、積層作業が行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】集水装置の概略を一部切欠で示す斜視図である。
【図2】本発明の有孔ブロックの斜視図である。
【図3】上側他物が他の有孔ブロックである場合の斜視図である。
【図4】上側他物が多孔部材である場合の斜視図である。
【図5】有孔ブロックを積層したときの断面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の有孔ブロックは、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物などの被除去物を除去する水処理設備Yにおいて、被除去物が除去された処理水を集水する集水装置Xで使用される(図1)。
【0018】
図1〜5に示すように、当該有孔ブロック20は、粒状媒体12を充填した処理層11の上方より下向流で被処理水を通水して被処理水中に含まれる被除去物を処理層11によって除去する除去手段10を多孔部材60を介して支持する上壁21aと、上壁21aに接続する一対の側壁21bと、側壁21bに接続する底壁21cとによりその外周を囲まれ、断面視が略矩形の筒状に形成され、処理層11を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する。
この有孔ブロック20は、一対の側壁21bと接続しない上壁21aの二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、凸部、凹部、切欠部またはこれらの二以上の組み合わせからなる上側固定部26、および、一対の側壁21bと接続しない底壁21cの二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、有孔ブロック同士を上下方向に載置したときに、下側の有孔ブロックの上側固定部26と係合又は嵌合する下側固定部27とを備える。
【0019】
(除去手段)
本実施形態における除去手段10は、濾過処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去するものとして説明する。したがって、処理層11は濾過層となる。しかし、このような態様に限られるものではなく、生物処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去することも可能である。この場合、処理層11は生物処理層となり、例えば粒状媒体12の表面に被除去物を生物的に分解する微生物を担持させておく。
【0020】
処理層11には、珪砂・アンスラサイトなどの粒状媒体12を充填している。本実施形態では、二層の処理層11を設けており、最下層から順に珪砂層11a・アンスラサイト層11bを配設している。当然ながら、処理層11の構成はこれに限定されるものではなく、他の構成としても構わない。
【0021】
このように構成した処理層11に対して、除去手段10の上方に設けた排水トラフ50より被処理水を給水して処理層11を通過させることにより、被処理水中に含まれる被除去物が処理層11によって除去される。なお、排水トラフ50経由ではなく直接被処理水が供給される場合も有る。
【0022】
(有孔ブロック)
有孔ブロック20は除去手段10の下方に配置して除去手段10を支持する。除去手段10と有孔ブロック20との間には、多孔部材60を配設してある。
【0023】
有孔ブロック20は、中空で断面が略矩形となる外壁21(上壁21a・側壁21b・底壁21c)を設ける。底壁21cは、有孔ブロック同士を上下方向に載置するときに下側の有孔ブロックにおける上壁21aと水平方向を保持して当接する当接壁部21c1と、当該当接壁部21c1から上向きの傾斜で側壁21bに接続する傾斜壁部21c2とを備える。有孔ブロック20の内部空間には、当該外壁21の内側に接続して有孔ブロック20の内部空間を複数の空間に分割する傾斜内壁22が設けてある。
【0024】
有孔ブロック20は、耐食性・耐圧性に優れた材質であれば、何れの材料で形成しても構わない。例えば、高密度ポリエチレンの発泡成形で成形すれば軽量化することができるため、運搬や施工面で作業性がよく、好適である。
【0025】
上壁21aは、除去手段10の下面に直接接触して、或いは、多孔プレート60を介して間接的に除去手段10を支持している。側壁21bは上壁21aに接続する一対の対向する壁であり、底壁21cは一対の側壁21bに接続する。また、傾斜内壁22は、その断面が略逆V字形となるように形成している。これにより、有孔ブロック20の内部空間を、中央流通部Aと当該中央流通部Aの両側に位置する側方流通部Bとに仕切っている。このように、有孔ブロック20の内部空間は、傾斜内壁22によって三つの空間に分割されるが、この態様に限られるものではない。
【0026】
上壁21aの上方部および側方流通部Bは、上壁21aに形成した複数の上壁孔部a1を介して連通している。また、側方流通部Bおよび中央流通部Aは、傾斜内壁22に形成した第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して連通している。処理層11を通過して被除去物が除去された処理水は、重力の作用により、多孔プレート60を通過した後に上壁孔部a1を介して側方流通部Bに流下し、さらに第一内壁孔部b1、第二内壁孔部b2および第三内壁孔部b3を介して中央流通部Aに流下して集水される。処理水は、有孔ブロック20の底壁21Cに形成した底壁開口部(図示せず)を経て有孔ブロック20の下方に設けたフリューム70を流下して、或いは、中央流通部Aに接続する配管(図示せず)を流下して、所定の貯水槽に搬送される。
【0027】
上壁21aの上面には、側壁21bから延設する上壁第一リブ部23a、上壁第一リブ部23aに平行な上壁第二リブ部23b、および、上壁第一リブ部23aと垂直に交差する上壁第三リブ部23cが設けてある。本実施形態では、二本の上壁第一リブ部23a、一本の上壁第二リブ部23b、十本の上壁第三リブ部23cをそれぞれ形成した場合を示すが、これに限られるものではない。
これらリブ部23a〜23cによって、上壁21aの上面を複数の区画に分割してある。これらリブ部23a〜23cを設けることで上壁21aの耐圧性を強化することができ、除去手段10の荷重による上壁21aの撓みを防止できる。
【0028】
上壁第一リブ部23aには、その上面に、長辺方向に亘って段部25を配設する。本実施形態では、段部25は断続的に複数設ける場合を示すが、一本の段部25を長辺方向に亘って設けてもよい。この段部25は、対向する二本の上壁第一リブ部23aにそれぞれ設けて、対向する段部25の間に多孔部材60を嵌め込む。これにより、多孔部材60が上壁21aの短辺方向に位置ズレしないように位置決めできる。
【0029】
側壁21bには、当該側壁21bを強化するための側方リブ24を形成してある。側方リブ24は、水平方向に伸延する水平側方リブ24A、および、垂直方向に伸延する垂直側方リブ24Bとすることができる。
【0030】
上壁21aの短辺には、上側他物T1と係合する上側固定部26が備えてある(図3)。上側固定部26の形状は凸状リブを例示するが、これに限定されず、凹状の窪みや切欠、またはこれらの二以上の組み合わせた構成であってもよい。
底壁21cの短辺には、下側他物T2と係合又は嵌合する下側固定部27が備えてある。下側固定部27は、上側固定部26を設けた上壁21aの短辺に対応する底壁21cに形成する。下側固定部27の形状は凹部を例示するが、これに限定されず、上側固定部26と係合又は嵌合する形状であればよい。例えば、上側固定部26を凹状としたときには下側固定部27を凸状リブとすることも可能である。
本発明では、上側固定部26は当該短辺の近傍に設けるが、「近傍」とは、当該短辺およびその周辺を指すものとする。下側固定部27についても同様である。
本実施形態では、上側固定部26および下側固定部27は、上壁21aの短辺のうち一辺のみに備えた場合を示すが、二辺に備えてもよい。また、本実施形態では、上側固定部26および下側固定部27はそれぞれ一辺に一箇所備えているが、一辺に複数箇所備えてもよい。
【0031】
有孔ブロック20は、保管時には複数の有孔ブロックを鉛直方向に積層することがある。また、集水装置Xの施工時には、有孔ブロック20の上面に多孔部材60を載置する。本明細書では、基準となる有孔ブロック20の上面に載置する他物を「上側他物T1」と称する。当該上側他物T1は、他の有孔ブロック20や多孔部材60に限られるものではない。
一方、複数の有孔ブロックを積層した場合、基準となる有孔ブロック20の下方に位置する他物を「下側他物T2」と称する。当該下側他物T2は、有孔ブロック20に限られるものではない。
【0032】
上側他物T1が他の有孔ブロック20'のとき、上側の有孔ブロック20'における下側固定部27と、下側の有孔ブロック20における上側固定部26とが係合可能な位置に配設してある(図3)。
【0033】
本実施形態では、上側固定部26および下側固定部27は、前記短辺の幅方向の中央位置に配設してある。この態様で保管時に複数の有孔ブロック20を積層すると、上側の有孔ブロック20'における下側固定部27と、下側の有孔ブロック20における上側固定部26とが、前記短辺の幅方向の中央位置で係合する。これにより、下側の有孔ブロック20に対して上側の有孔ブロック20'を確実に位置決めした状態で上下方向に真っ直ぐ積層することができる。
上側の有孔ブロック20'における下側固定部27(凹部)と、下側の有孔ブロック20における上側固定部26(凸状リブ)とが係合すれば、下側の有孔ブロック20における上壁21a面上での短辺方向への移動を防止でき、長辺方向への移動が制限できるため、上側の有孔ブロック20'の位置ズレを制限できる。
【0034】
上側固定部26および下側固定部27の配設位置については、例えば上側固定部26を前記中央位置より所定距離だけずらした位置に配設したとき、下側固定部27も同様に前記中央位置より所定距離だけずらした位置に配設すれば、複数の有孔ブロックを鉛直方向に真っ直ぐ積層することができる。
【0035】
上側他物T1が多孔部材60のとき、上側固定部26が多孔部材60と係合する(図4)。
このとき、上側固定部26は、多孔部材60の側に設けた多孔部材係合部61と前記短辺の幅方向の中央位置で係合する。従って、有孔ブロック20に対して多孔部材60を確実に位置決めした状態で配設することができるため、多孔部材60が上壁21a面上で短辺方向に移動するのを防止でき、長辺方向に移動するのを制限できるため、位置ズレし難くなる。
【0036】
このように、本発明の有孔ブロック20は、異なる上側他物T1(他の有孔ブロック20’および多孔部材60)を、共通の部材(上側固定部26)で確実に位置決めした状態でその上面に載置することができる。
【0037】
本実施形態では、対向する段部25および上側固定部26の三部材によって、多孔部材60をより確実に位置決めしている。
さらに、本実施形態では、底壁21cが当接壁部21c1と傾斜壁部21c2とを備える。複数の有孔ブロック20を積層したとき、当接壁部21c1は、下側の有孔ブロック20における上壁21aの上壁第二リブ部23bおよび上壁第三リブ部23cと当接することで水平方向を保持することができ、上側の有孔ブロック20’の姿勢が安定する。また、当接壁部21c1から上向きの傾斜で側壁21bに接続する傾斜壁部21c2は当該上壁21aとは当接しないため、下側の有孔ブロック20の上壁21aの段部25と干渉しないように積層することができ、積層作業が行い易くなる。
本実施形態では、上側の有孔ブロック20’における底壁21cの当接壁部21c1と、下側の有孔ブロック20の上壁21aとの当接態様を格子線状とすることで、上側の有孔ブロック20’の姿勢を安定化している。しかし、当接態様はこれに限らず、例えば、面状や複数の点状など、当該姿勢を安定化できるものであればよい。
【0038】
(多孔部材)
多孔部材60は、粒状媒体12を通過させることなく濾過層11を支持するように寸法決めされた孔を有する板状部材である。
多孔部材60は、前記リブ部23a〜23cの上面に載置するか、或いは、各区画に配設するとよい。多孔部材60は、タッピングネジによって前記リブ部23a〜23c或いは上壁21aに固定する。多孔部材60は、例えば、直径数mmのビーズを多数接合して構成するとよい。当該ビーズとしては、ポリオレフィン等のプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
【0039】
〔別実施形態〕
上述した実施形態では、上壁第一リブ部23aには、その上面に、長辺方向に亘って段部25を配設した場合について説明した。当該段部25は、多孔部材60が上壁21aの短辺方向に位置ズレしないように位置決めできる。しかし、上側の有孔ブロック20'における下側固定部27(凹部)と、下側の有孔ブロック20における上側固定部26(凸状リブ)とが係合すれば、上壁21aの短辺方向および長辺方向への位置ズレを防止できるため、段部25は省略してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物などの被除去物を除去する水処理設備において、被除去物が除去された処理水を集水する集水装置で使用される有孔ブロックに利用できる。
【符号の説明】
【0041】
20(20’) 有孔ブロック
21a 上壁
21b 側壁
21c 底壁
21c1 当接壁部
21c2 傾斜壁部
26 上側固定部
27 下側固定部
a1 上壁孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の孔を備えた上壁と、前記上壁に接続する一対の側壁と、前記側壁に接続する底壁とによって囲まれると共に、前記孔に連通する内部空間を備えた有孔ブロックにおいて、
前記一対の側壁と接続しない前記上壁の二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、凸部、凹部、切欠部またはこれらの二以上の組み合わせからなる上側固定部、および、前記一対の側壁と接続しない前記底壁の二辺のうち少なくとも一辺の近傍に設けられ、有孔ブロック同士を上下方向に載置したときに、下側の有孔ブロックの前記上側固定部と係合又は嵌合する下側固定部とを有する有孔ブロック。
【請求項2】
前記底壁が、有孔ブロック同士を上下方向に載置するときに下側の有孔ブロックにおける前記上壁と水平方向を保持して当接する当接壁部と、当該当接壁部から上向きの傾斜で前記側壁に接続する傾斜壁部とを備える請求項1に記載の有孔ブロック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−222819(P2010−222819A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70358(P2009−70358)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】