説明

有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法

【課題】本発明は、ダメージを与えることもなく工程を増やさずに封止を行うことを目的とする。
【解決手段】回路層34上に発光層40を含む有機層38を形成する。端子32の上方を避けて、有機層38上に第2電極50を形成する。端子32及び第2電極50を覆うように、接着剤52を介して第1基板10に第2基板54を貼り付ける。第2基板54を切断して、第2基板54の端子32と対向する部分を除去する。有機層38を形成する工程で、有機層38の少なくとも一層を、端子32に載るように形成する。第2基板54を貼り付ける工程で、接着剤52を、端子32の上方で有機層38の少なくとも一層上にも配置する。第2基板54の部分を除去する工程で、除去される部分とともに、接着剤52の接着によって、端子32上にある有機層38の少なくとも一層を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機エレクトロルミネッセンスパネルの封止方法として、有機エレクトロルミネッセンス素子を形成したデバイス基板を封止ガラスとシール剤によって封止する中空封止が用いられており、デバイス基板と封止基板の間に空間が存在していた。かかる方法では、乾燥剤を配置するための場所を確保するため封止ガラスの加工が必要である。また、封止ガラスに力が加わると撓んで有機エレクトロルミネッセンス素子面に接触し、黒点欠陥発生の原因となっていた。
【0003】
これらの問題を解決するため、デバイス基板と封止ガラスの間の空間を接着シートで埋めてしまう平板封止プロセス(固体封止)が検討されている。平板封止プロセスでは、接着シートの材質の問題はあるにせよ、プロセス的には、有機エレクトロルミネッセンスパネルの信頼性を確保するためデバイス基板のできるだけ広い面積を被覆すること、外部回路との接続端子をどのように形成していくかが課題となっている。
【0004】
特許文献1及び2には、封止膜の一部若しくは全部にレーザー光を照射して、端子部上の封止膜を除去することで、端子部を露出させる給電用開口部を形成する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−66364号公報
【特許文献2】特開2006−185593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記方法では、レーザーにより端子部にダメージが発生しやすい、端子部を露出させるための工程が増加する、という問題がある。
【0007】
本発明は、ダメージを与えることもなく工程を増やさずに封止を行うことができる有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法は、端子及び第1電極を含む回路層が形成された第1基板を用意する工程と、前記回路層上に、それぞれ有機材料からなる発光層、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層及び正孔注入層のうち少なくとも前記発光層を含む有機層を形成する工程と、前記端子の上方を避けて、前記有機層上に第2電極を形成する工程と、前記端子及び前記第2電極を覆うように、接着剤を介して前記第1基板に第2基板を貼り付ける工程と、前記第2基板を切断して、前記第2基板の前記端子と対向する部分を除去する工程と、を含み、前記有機層を形成する工程で、前記有機層の少なくとも一層を、前記端子に載るように形成し、前記第2基板を貼り付ける工程で、前記接着剤を、前記端子の上方で前記有機層の前記少なくとも一層上にも配置し、前記第2基板の前記部分を除去する工程で、除去される前記部分とともに、前記接着剤の接着によって、前記端子上にある前記有機層の前記少なくとも一層を除去することを特徴とする。本発明によれば、端子を有機層で覆ってから封止を行い、その後、第2基板の一部を除去するときに接着剤を介して有機層を端子から剥離するので、ダメージを与えることもなく工程を増やさずに封止を行うことができる。
【0009】
(2)(1)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記第2基板を貼り付ける工程の前に、前記第2電極上及び前記端子上にある前記有機層の前記少なくとも一層上に無機層を形成する工程をさらに含み、前記第2基板を貼り付ける工程で、前記接着剤を前記無機層上にも配置し、前記第2基板の前記部分を除去する工程で、除去される前記有機層の前記少なくとも一層と前記接着剤の間に介在する前記無機層も除去することを特徴としてもよい。
【0010】
(3)(2)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記有機層及び前記無機層を、蒸着又はスパッタリングによって形成することを特徴としてもよい。
【0011】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記接着剤を、スクリーン印刷又はディスペンスによって、前記第1基板又は前記第2基板に供給することを特徴としてもよい。
【0012】
(5)(1)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記第1基板を用意する工程で、複数の前記第1基板に切り出されるための第1マザー基板を用意し、前記第1マザー基板は、複数の前記第1基板にされる領域それぞれに対応して複数の前記回路層が形成され、前記第2基板を貼り付ける工程で、複数の前記第2基板に切り出されるための第2マザー基板を前記第1マザー基板に貼り付け、前記第1マザー基板を複数の前記第1基板に切断する工程と、前記第2マザー基板を複数の前記第2基板に切断する工程と、をさらに含むことを特徴としてもよい。
【0013】
(6)(5)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記接着剤として、接着シートを使用することを特徴としてもよい。
【0014】
(7)(6)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、複数の前記回路層は、複数行複数列で配列され、前記接着シートは、いずれかの一列又は一行に並ぶ前記回路層を覆う短冊状をなし、複数の前記接着シートで、前記第1マザー基板に前記第2マザー基板を貼り付けることを特徴としてもよい。
【0015】
(8)(6)に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記接着シートをロールシートに貼り付けて用意し、前記ロールシートから前記接着シートを、前記第1マザー基板又は前記第2マザー基板に供給することを特徴としてもよい。
【0016】
(9)(1)から(8)のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、前記第1基板に第2基板を貼り付ける工程を、大気中、不活性ガス雰囲気又は真空中で行うことを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法で使用する第1基板を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法で使用する第1基板を説明する図である。
【図3】本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法の貼り付け工程を説明する平面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法の貼り付け工程を説明する断面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法の切断及び剥離の工程を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態に係る方法によって製造された有機エレクトロルミネッセンスパネルを示す断面図である。
【図7】接着剤の位置を説明するための図である。
【図8】本発明の実施形態の変形例1を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態の変形例2を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態の変形例3を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態の変形例3を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1〜図5は、本発明の実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法を説明する図である。
【0019】
本実施形態では、ガラス基板などからなる第1基板10を用意する。第1基板10には、第1基板10からの不純物に対するバリアとなるアンダーコート12が形成され、その上に半導体層14が形成されている。半導体層14を覆ってゲート絶縁膜16が形成されている。ゲート絶縁膜16の上にはゲート電極18が形成され、ゲート電極18を覆って層間絶縁膜20が形成されている。層間絶縁膜20上には第1電極22が形成されている。第1電極22は、層間絶縁膜20を貫通して、半導体層14上のソース電極24及びドレイン電極26の一方に電気的に接続している。また、ソース電極24及びドレイン電極26の他方は、層間絶縁膜20を貫通してその上に形成された電源供給配線28に電気的に接続されている。層間絶縁膜20、第1電極22及び電源供給配線28上に、絶縁層30が形成されている。絶縁層30は、第1電極22の一部を開口させるように形成されている。絶縁層30によって、第1電極22の一部を囲むバンクが形成される。
【0020】
図1は、第1基板10及びその上の構造物を示す断面図であり、図2は、図1に示す構造の他の部分の断面図である。第1基板10には、図2に示すように、端子32が設けられている。端子32は、例えば、ゲート電極18から連続一体的に延びる導電体の一部であり、ゲート絶縁膜16上に形成されている。絶縁層30は、端子32の一部を露出させるように形成されている。
【0021】
上述した端子32及び第1電極22は回路層34の一部である。回路層34は、半導体層14、ソース電極24、ドレイン電極26及びゲート電極18によって構成される薄膜トランジスタを含む。
【0022】
本実施形態では、多面取りのパネル製造方法が想定している。そこで、第1基板10を用意する工程で、複数の第1基板10に切り出されるための第1マザー基板36を用意する。第1マザー基板36は、複数の第1基板10にされる領域それぞれに対応して複数の回路層34(図3参照)が形成されている。1つの第1基板10には1つの回路層34が形成されている。複数の回路層34は、複数行複数列で配列されている(図3参照)。
【0023】
図1に示すように、回路層34上に有機層38を形成する。有機層38は、少なくとも発光層40を含み、さらに、電子輸送層42、正孔輸送層44、電子注入層46及び正孔注入層48のうち少なくとも一層を含んでもよい。有機層38を構成する少なくとも一層は、有機材料からなる。有機層38は、蒸着又はスパッタリングによって形成する。
【0024】
電子注入層46は、例えば、LiFを0.5nmの厚みで真空蒸着によって形成したものである。電子注入層46の役割は陰極からの電子の注入を容易にするものである。電子注入層46の上には電子輸送層42が形成される。電子輸送層42は、例えば、真空蒸着によりトリス(8−キノリノール)アルミニューム(以下Alqと略す)を20nmの厚さに形成したものである。電子輸送層42の役割は電子を発光層40まで、少ない抵抗で効率よく運ぶ役割を持つ。その上には発光層40が形成されている。発光層40において、電子と正孔が再結合することによるEL発光が生ずる。発光層40は、例えば、Alqとキナクリドン(Qcと略す)の共蒸着膜を20nmの厚さに形成したものである。AlqとQcの蒸着速度の比は40:1である。発光層40の上には正孔輸送層44が形成されている。この正孔輸送層44は陽極から供給された正孔を少ない抵抗で効率よく発光層40に運ぶ役割をもつ。正孔輸送層44は、α―NPDを蒸着により50nmの厚さに形成してものである。正孔輸送層44の上には正孔注入層48が形成されている。正孔注入層48は、陽極からの正孔の注入を容易にするものである。正孔注入層48は銅フタロシアニンを蒸着により50nmの厚さに形成したものである。
【0025】
本実施形態では、有機層38の少なくとも一層(例えば発光層40)は、端子32に載るように形成する。すなわち、端子32は、有機層38の少なくとも一層によって覆われる。
【0026】
次に、図1に示すように、有機層38上に第2電極50を形成する。第2電極50は、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極材料から形成する。第2電極50は、バンクとなる絶縁層30上に載るように形成する。ただし、第2電極50は端子32の上方を避けて形成する(図2参照)。
【0027】
図3及び図4に示すように、端子32及び第2電極50を覆うように、例えばエポキシ系の接着剤52を介して第1基板10に第2基板54を貼り付ける。図3は、第1基板10に貼り付けられた第2基板54を示す平面図であり、図4は、貼り付けられた第1基板10及び第2基板54の断面図である。第2基板54を貼り付けることで、有機層38を封止して湿気による劣化を防止することができる。
【0028】
本実施形態では、多面取りのパネル製造方法が想定しているので、複数の第2基板54に切り出されるための第2マザー基板56を用意する。そして、第2マザー基板56を第1マザー基板36に貼り付ける。
【0029】
接着剤52は、スクリーン印刷又はディスペンスによって、第1基板10又は第2基板54に供給し、その後、第2基板54を第1基板10に貼り付ける。接着剤52は、表示領域では第2電極50上に設けられ、その外側(額縁領域)では絶縁層30上に設けられる。接着剤52は、端子32の上方では、有機層38の少なくとも一層上にも配置する。つまり、接着剤52と端子32との間に接着剤52が介在する。そのため、端子32は接着剤52に接着しない。なお、第1基板10に第2基板54を貼り付ける工程は、大気中、不活性ガス雰囲気又は真空中で行う。
【0030】
次に、図5に示すように、第2基板54を切断して、第2基板54の端子32と対向する部分を除去する。そして、除去される部分とともに、接着剤52の接着によって、端子32上にある有機層38を除去する。有機層38は、スパッタリング又は蒸着によって形成されているので、強固には一体化していないため、剥離することが容易である。有機層38の一部が端子32上に残っても、溶剤にディッピングすることで除去することができる。そして、有機層38を除去することで、端子32が露出する。端子32は、図示しない外部回路との電気的接続を図るためのものである。
【0031】
本実施形態によれば、端子32を有機層38で覆ってから封止を行い、その後、第2基板54の一部を除去するときに接着剤52を介して有機層38を端子32から剥離する。したがって、ダメージを与えることもなく工程を増やさずに封止を行うことができる。
【0032】
また、第1マザー基板36を複数の第1基板10に切断し、第2マザー基板56を複数の第2基板54に切断する。これらの切断は、第2基板54の端子32と対向する部分を除去するための切断と同時に行ってもよい。いずれの切断もスクライビングによって行うことができる。
【0033】
図6は、本発明の実施形態に係る方法によって製造された有機エレクトロルミネッセンスパネルを示す断面図である。有機エレクトロルミネッセンスパネルは、第1基板10及び第2基板54を有する。第1基板10には回路層34(図1参照)が形成されており、回路層34を覆うように接着剤52の層が配置されている。接着剤52によって、第1基板10及び第2基板54が接着されている。回路層34は、端子32を含む。端子32は、接着剤52及び第2基板54のいずれからも露出する部分を有している。
【0034】
図7は、接着剤52の位置を説明するための図である。有機エレクトロルミネッセンスパネルにおいて、接着剤52からなる層の切断面は、図7に示すように、第1基板10及び第2基板54の切断面からずれていても、そのずれ量が0.2mm以下であれば製品として問題はない。具体的には、第2基板54の、端子32上の部分を除去するための切断面から内側に入り込むように、接着剤52の切断面が位置している。一方、第1マザー基板36及び第2マザー基板56を第1基板10及び第2基板54に切断して形成される切断面から外側に突出するように、接着剤52の切断面が位置している。
【0035】
[変形例1]
図8は、本発明の実施形態の変形例1を説明する図である。この変形例では、接着剤として、接着シート152を使用する。接着シート152は、複数の回路層34(図3参照)のうち、いずれかの一列又は一行に並ぶ回路層34を覆う短冊状をなしている。複数の接着シート152で、第1マザー基板36に第2マザー基板56を貼り付ける。その他の内容は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0036】
[変形例2]
図9は、本発明の実施形態の変形例2を説明する図である。この変形例では、接着シート252をロールシート258に貼り付けて用意する。ロールシート258から接着シート252を、第1マザー基板36又は第2マザー基板56に供給する。その他の内容は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0037】
[変形例3]
図10及び図11は、本発明の実施形態の変形例3を説明する図である。この変形例では、図3に示す第2基板54を第1基板10に貼り付ける工程の前に、第2電極50上及び端子32上にある有機層38上に無機層360(例えばSiN)を形成する。無機層360は、蒸着又はスパッタリングによって形成する。
【0038】
次に、第2基板54(図4参照)を貼り付ける工程で、接着剤52(図4参照)を無機層360上にも配置する。そして、第2基板54の一部を除去する工程で、除去される有機層38と接着剤52の間に介在する無機層360も除去する。その他の内容は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0039】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0040】
10 第1基板、12 アンダーコート、14 半導体層、16 ゲート絶縁膜、18 ゲート電極、20 層間絶縁膜、22 第1電極、24 ソース電極、26 ドレイン電極、28 電源供給配線、30 絶縁層、32 端子、34 回路層、36 第1マザー基板、38 有機層、40 発光層、42 電子輸送層、44 正孔輸送層、46 電子注入層、48 正孔注入層、50 第2電極、52 接着剤、54 第2基板、56 第2マザー基板、152 接着シート、252 接着シート、258 ロールシート、360 無機層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子及び第1電極を含む回路層が形成された第1基板を用意する工程と、
前記回路層上に、それぞれ有機材料からなる発光層、電子輸送層、正孔輸送層、電子注入層及び正孔注入層のうち少なくとも前記発光層を含む有機層を形成する工程と、
前記端子の上方を避けて、前記有機層上に第2電極を形成する工程と、
前記端子及び前記第2電極を覆うように、接着剤を介して前記第1基板に第2基板を貼り付ける工程と、
前記第2基板を切断して、前記第2基板の前記端子と対向する部分を除去する工程と、
を含み、
前記有機層を形成する工程で、前記有機層の少なくとも一層を、前記端子に載るように形成し、
前記第2基板を貼り付ける工程で、前記接着剤を、前記端子の上方で前記有機層の前記少なくとも一層上にも配置し、
前記第2基板の前記部分を除去する工程で、除去される前記部分とともに、前記接着剤の接着によって、前記端子上にある前記有機層の前記少なくとも一層を除去することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記第2基板を貼り付ける工程の前に、前記第2電極上及び前記端子上にある前記有機層の前記少なくとも一層上に無機層を形成する工程をさらに含み、
前記第2基板を貼り付ける工程で、前記接着剤を前記無機層上にも配置し、
前記第2基板の前記部分を除去する工程で、除去される前記有機層の前記少なくとも一層と前記接着剤の間に介在する前記無機層も除去することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記有機層及び前記無機層を、蒸着又はスパッタリングによって形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記接着剤を、スクリーン印刷又はディスペンスによって、前記第1基板又は前記第2基板に供給することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記第1基板を用意する工程で、複数の前記第1基板に切り出されるための第1マザー基板を用意し、
前記第1マザー基板は、複数の前記第1基板にされる領域それぞれに対応して複数の前記回路層が形成され、
前記第2基板を貼り付ける工程で、複数の前記第2基板に切り出されるための第2マザー基板を前記第1マザー基板に貼り付け、
前記第1マザー基板を複数の前記第1基板に切断する工程と、
前記第2マザー基板を複数の前記第2基板に切断する工程と、
をさらに含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記接着剤として、接着シートを使用することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
複数の前記回路層は、複数行複数列で配列され、
前記接着シートは、いずれかの一列又は一行に並ぶ前記回路層を覆う短冊状をなし、
複数の前記接着シートで、前記第1マザー基板に前記第2マザー基板を貼り付けることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項8】
請求項6に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記接着シートをロールシートに貼り付けて用意し、
前記ロールシートから前記接着シートを、前記第1マザー基板又は前記第2マザー基板に供給することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載された有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法において、
前記第1基板に第2基板を貼り付ける工程を、大気中、不活性ガス雰囲気又は真空中で行うことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−3988(P2012−3988A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138557(P2010−138557)
【出願日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(502356528)株式会社 日立ディスプレイズ (2,552)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】