説明

有機エレクトロルミネッセンス素子及び製造方法

【課題】封止信頼性を向上させた有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、基板と、基板上に基板側から順次設けられた画素電極と、有機層と、導電層と、2層以上の封止層とを備え、すべての封止層のうち1at.%以上を占める主要な構成元素種が導電層と同一であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子であり、高い成膜圧力で成膜された封止膜206aは、導電層105と同一元素種で構成されているため、強い密着性を得ることができ、封止性を向上させることができる。かかる構成によれば、封止膜206aの高い密着性・カバレッジと206bの高い緻密性により不純ガスのデバイスへの侵入を防いで封止の信頼性を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子として、上面側の陰極から光を取り出すトップエミッション型がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は、特許文献1に記載された従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図である。
【0004】
図6において、SiNなどからなる平坦化膜101上に、反射率の高い金属等からなる画素電極102、発光を担う有機層103、アルカリ金属などを含有した電子注入層104、ITOなどの透明導電材料からなる導電層105、SiNなどからなるパッシベーション膜106の積層構造であり、画素電極102および導電層105に電圧を印加することによって、画素電極102から有機層103にホールが注入され、導電層105から電子注入層104を介し電子が有機層103に注入され、2種類のキャリアは有機層103内を移動し、有機層内にて再結合することで励起子を形成し、発光を得る。
【0005】
特許文献1においては、更に導電層105の成膜を2段階以上に分割し、電子注入層104の酸化を防ぐための酸素欠乏層105bと、酸素圧力を高めることによる応力緩和と膜厚を増加させることによるステップカバレッジ改善を担う膜105aの2層以上とすることで、高い膜応力を持つ透明な導電層105のクラックや剥離を抑えることができる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−004361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、導電層105に使用されるITOなどの構成のみを改善しても、パッシベーション膜106との密着性が不十分となり、パッシベーション膜106の剥離などが発生する懸念があるという課題を有している。
【0008】
蒸気従来の技術のように、導電膜とパッシベーション膜の材料が異なることで、その界面に格子間不整合や熱膨張係数差による応力の増大を引き起こし、結果として剥離やクラックを生じやすくなる。
【0009】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、主にトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止構造において、ITOなどの透明導電膜材料層上に高い密着性で封止膜を形成し、大気中の不純ガスなどの侵入を防ぎ長寿命を実現する有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、基板上に基板側から順次設けられた画素電極と、有機層と、電子注入層と、第2の電極と、2層以上からなる封止層を備え、封止層の主要な構成元素(5wt%以上)種が導電層の主要な構成元素(5wt%以上)種と同一であることを特徴とする。
【0011】
本構成によって、主にトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止構造において、大気中の不純ガスなどの侵入を防ぎ長寿命を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、主にトップエミッション型の有機エレクトロルミネッセンス素子の封止構造において、大気中の不純ガスなどの侵入を防ぎ長寿命を実現することができる。更に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法によれば、大気中の不純ガスなどの侵入を防ぎ長寿命を有する有機エレクトロルミネッセンス素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の封止膜の成膜条件による比抵抗の変化を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子において本発明による封止膜の有無が封止性に及ぼす影響を調べるためのデバイス構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の封止性を示す透過率測定結果を示す図
【図5】本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図
【図6】特許文献1に記載された従来の有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す図である。図1において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0016】
図1において、封止層206aおよび206bはその下層をなす導電層105と同一元素種材料を原料として成膜された絶縁層である。導電層105および封止層206a、封止層206bはいずれも、透明導電膜として良く使用されるスズ添加酸化インジウム(ITO)膜をスパッタリング装置において成膜条件だけを変化させて成膜した膜である。更に、封止膜206aは封止膜206bよりも高い成膜圧力で成膜したものであり、封止膜206bがその上に積層され封止膜206をなしている。
【0017】
また、封止層206aの下層は導電層105であるが、その構成元素種は同一であるため、導電層105−封止層206間の密着性は非常に高いものとなっている。また、本実施の形態においては、封止膜206aは2Paにて成膜され、膜厚は400nmを有し、封止膜206bは0.5Paで成膜され、膜厚は100nmであった。ここに、封止膜206aは高い成膜圧力で成膜されるため、緻密性が悪いが、応力は低くほぼ0MPaであり、成膜時にスパッタリングターゲットから放出される粒子の方向性も分散されるため、カバレッジが良いという特徴を持っている。
【0018】
また、封止膜206bは低い成膜圧力で成膜されるため、緻密性は良いが、応力が高く圧縮応力が1GPa程度であり、カバレッジも悪いという特徴を持っている。ここに、封止膜206aにおいて好適な成膜圧力としては、カバレッジ良く成膜するために1Pa以上が必要であるが、5Pa以上で成膜を行うと、異常放電が発生しやすくなるというデメリットがあるため、2乃至5Paでの成膜が望ましい。また、封止膜206bのように緻密な封止膜に好適な成膜圧力としては、スパッタリングの放電の維持が可能な0.1Pa以上である必要があり、更に緻密な膜を得るため1Pa以下とする必要があると考えられる。最も好適な値としては、206aとしては2Paであり、206bとしては0.5Paの組合せが上げられる。
【0019】
従って、かかる構成によれば、下層である導電層105に対して高い密着性を有し、なおかつ、高いカバレッジ性を有する封止層206aは、下層の導電層105の端部を十分に被覆して下層との密着性を向上させると共に、その上に成膜される緻密性の高い206bが外部からの不純ガスの侵入を抑えることで、デバイスの劣化を抑制することができる。
【0020】
以上のように本構成によれば、導電層105と同一の構成元素種からなる封止膜206aに、更に、成膜圧力が異なるだけの封止膜206bを積層することで、高い封止性能を得ることができる。なお、図1においては、封止膜206aおよび206bは電子注入層104および導電膜105よりも広い範囲に積層されているが、これは、電子注入層104および導電層105の端部を封止層206にて被覆して大気中の不純ガスの侵入を防ぐ効果があり、206aおよび206bの成膜範囲は電子注入層104および導電層105よりも広い範囲とすることが好ましい。
【0021】
図1に示す素子の製造方法としては、以下のようなものが一般的である。
【0022】
画素電極102は、トップエミッション型の場合、主に反射率の高い金属をスパッタリングなどの方法で成膜して得られる。反射率の高い金属としては、アルミニウムやモリブデン、銀などの金属やそれらの合金などである。画素電極102は成膜後リソグラフィーおよびエッチングなどの方法でパターニングされる。
【0023】
次に、有機層103は、通常ホール輸送層やホール注入層、発光層などから構成される。これらの成膜方法としては、蒸着やスピンコート、インクジェットなどがあげられる。これらの成膜方法は、有機層の種類などに依存し選択されるが、いずれの方法においてもパターニングが必要であり、エッチングなどは行われないことがほとんどである。更に、電子注入層104の成膜は、アルカリ土類金属やそれらの塩およびアルカリ土類金属と有機物の混合物が使用されることが多く、主に蒸着が実施されている。
【0024】
導電層105は、トップエミッション型の素子の場合は透明導電膜や半透明導電膜が使用される。材料としては、ITOやIZO、AZO、GZOなどの導電性酸化物のほか、AlやMgAgなどの半透明膜などが用いられる。成膜方法としては、スパッタリングやイオンプレーティング、蒸着などがある。更に、図1には図示されていないが、有機層103および電子注入層104が大気中の酸素や水に対して不安定なことが多いため、素子にガラスを被せて樹脂でシールする缶封止や、SiNやSiON、SiO2などのパッシベーション膜でコーティングする膜封止などにより、大気中の酸素や水の侵入を防ぐことで、素子の劣化を防ぐ構成が一般的に用いられる。
【0025】
次に、図2を参照し、高抵抗性の封止膜を成膜する方法について述べる。
【0026】
図2は通常のマグネトロンスパッタリングによるITO成膜時の酸素流量と、そのときに得られた膜の比抵抗を示す図である。
【0027】
ここで、成膜時の膜厚は100nmとした。図2(a)は成膜圧力0.5Paで成膜したときの比抵抗であり、成膜時の酸素流量により、ITOの導電性は大きく変化し、酸素流量5sccmのときに極小値を取るが、それよりも増加させた10sccmでは、1×10-1Ω・cmと高い比抵抗値を示した。従って、このように極小値をとる酸素流量よりも増加させて成膜を行うと、高抵抗性の封止膜を成膜することができることがわかる。また、図2の(b)の2.0Paのように成膜圧力を変化させると同じ酸素流量でも比抵抗は変化するが、比抵抗が極小値となる2.5sccmよりも高い酸素流量の7.5sccmでは、高抵抗性の10Ω・cmを示すことがわかる。このようにして、何れの成膜条件でも、極小値よりも高い酸素流量にて成膜することで、高抵抗性の封止膜を得ることができる。
【0028】
以上に示したように、封止膜206aおよび封止膜206bが高抵抗性の特性を兼ね備える必要がある場合は、酸素流量を極小値よりも増加させることで、高抵抗性の封止膜とすることができる。また、極小値近傍の酸素流量とすれば、導電性の封止膜とすることも可能である。
【0029】
次に、図3および図4を参照し、本実施例の効果について説明する。
【0030】
図3は、封止膜206aおよび封止膜206bの有無が封止性に及ぼす影響を調べるためのデバイス構成であり、電子注入層104の酸化をより確認しやすくしたものである。図3において電子注入層104は50nmのカルシウム、導電層105は100nmの導電性ITO、封止層206aおよび封止層bは、上述した高抵抗性のITOであり、比抵抗はそれぞれ10Ω・cm、および0.1Ω・cm、厚みは400nmおよび100nmである。
【0031】
更に、上部封止層207として、500nmのSiN膜を封止層206上に積層しており、封止層206の有無によって、カルシウムの酸化速度がどのように変化するかを確認できる。本デバイスの作成方法は、まず、基板101上に真空中でカルシウムからなる電子注入層104を真空蒸着によって成膜し、真空中を搬送させ、導電層105および封止層206、上部封止層207を順次真空中にて成膜して形成する。封止性を調べるときは,真空保管したデバイスを、室温の大気中に出して保管する。
【0032】
仮に、上部封止層207および封止層206、導電層105にリークパスが存在すると、大気中のガス(酸素や水蒸気)が通過し、カルシウムからなる電子注入層104と反応し、反応した部分だけ透明になる。すなわち、大気保管直後と、所定の時間経過後のデバイスの透過率を比較することで、デバイスの大気中での封止性を確認することができる。ここで、上部封止層207は、封止層206aおよび封止層206bがない状態では、大気中に取り出すと即座にカルシウムの酸化が完了してしまうため、本実験においては、必要な層である。但し、本発明においては、封止層206上に上部封止層207を備えていてもいなくても封止を行うことができる。
【0033】
図4は、カルシウムの酸化速度を透過率として示した図である。
【0034】
図4(b)の封止層なしの場合は、透過率変化が、0.2%/分と非常に高いことがわかったが、図4(a)の封止層ありの場合は、透過率の変化が0.01%/分程度と透過率変化が抑えられていることがわかる。上記において、図4(b)は、大気放置初期において、無数の透明な班点が発生しており、このため透過率が高くなっていたと考えられ、原因として封止層に多数のピンホールが存在していることが考えられる。このことから、上部封止層に加えて封止層を使用することで高い封止性を得られることがわかる。
【0035】
以上の結果から、封止層206aおよび封止層206bとして、合わせて500nm以上の膜厚を用いることで高い封止性を得ることができることがわかった。また、この封止膜の膜厚は、封止欠陥の主要な原因として考えられるパーティクルの厚み(サイズ)よりも厚いほうが好ましいが、一般的なクラス100程度のクリーンルームでは0.5μm〜10μm程度のサイズのパーティクルが最も多いため、封止層206の厚みとしては500nm乃至10μmが好適であると考えられる。
【0036】
また、上記で述べた膜応力による剥離の観点からすると、圧縮応力の高い封止層206bの膜厚は206aよりも薄いことが望ましいと考えられる。
【0037】
なお、本実施の形態において、封止層206が2層の場合について説明したが、2層以上あっても同様の効果が得られると考えられる。
【0038】
また、本実施の形態においては、導電層105と封止層206aおよび封止層206bの密着性向上が封止性向上に寄与していると考えられることから、導電層105と封止層206aおよび封止層206bの材料構成が類似していることが重要と考えられる。例えば、電子線プローブマイクロアナリシス(EPMA)など、一般的な表面分析方法によって分析可能な1at.%程度以上の主要な構成元素種が封止膜と導電層と同一であれば、少なくとも密着性向上による封止性向上効果が得られると考えられる。
【0039】
また、本実施の形態においては、導電層105および封止層206材料としてITOを用いた場合について述べたが、密着性向上による封止性向上の効果を得るためには、主要な構成元素種を導電層105および封止層206で同一にできればよく、酸素流量によって高抵抗性および導電性を変化させることのできる材料として、IZO、GZO、AZOなどでも同様の効果が得られると考えられる。
【0040】
また、本実施の形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成として代表的なものについて述べたが、例えば、電子注入層が含まれない構成や、電子注入層上に導電性保護層(バリア層)がある構成や、封止膜上にSiNなどからなる上部封止層などがある構成であっても、導電層と封止層が順次積層されていれば同様の封止効果が得られることはいうまでもない。
【0041】
また、本実施の形態においては、封止膜の成膜時および成膜後の基板温度については、室温雰囲気であっても良いが、デバイスの性能上影響を及ぼさない程度の温度に昇温することで、封止膜の緻密性を向上させることも可能である。例えば、ITOであれば、120℃乃至220℃とすることで、緻密性向上による封止性向上を図ることができる。
【0042】
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における有機エレクトロルミネッセンス素子の構成を示す。図5において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0043】
図5において、封止層208は、ITO膜からなり、成膜時の成膜圧力を連続的に変化させたものであり、導電層105側で高く、上面側では低くしたものである。前記、実施の形態1で示した素子構成では、複数層に分かれた構成としていたが、本実施の形態のように、連続的に陰極の比抵抗を変化させることで、同様の効果を得ることができる。
【0044】
本実施の形態の封止膜の製造方法としては、ITOスパッタ成膜などがあげられ、成膜初期においては成膜圧力を高くして、カバレッジの良い封止膜を成膜し、徐々に成膜圧力を減少させることで上面側では緻密性の高い封止膜を成膜することができる。このとき、成膜圧力を変化させる方法については、必ずしもリニアに変化させる必要はなく、特に圧縮応力の高くなる低圧での成膜時間を短くすると、応力によるクラックなどを防止することができる。
【0045】
本実施の形態においても、ITO膜を一例として述べたが、他の透明酸化膜導電材料である、IZO、AZO、GZOなどでも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0046】
また、本実施形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子の構成として代表的なものについて述べたが、封止層として導電層と同一の構成元素種を用いれば同様の効果が得られると考えられるため、導電膜材料としてそのほかに、IZO、GZO、AZOなどでも同様の効果が得られると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、高い信頼性を有するため、有機エレクトロルミネッセンス素子等のテレビなどへの用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0048】
101 基板
102 画素電極
103 有機層
104 電子注入層
105 導電層
206 封止層
206a 封止層
206b 封止層
207 上部封止層
208 封止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板上に形成された画素電極と、
前記画素電極上に形成され、前記基板側から有機層と導電層とが設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記画素電極、前記有機層、前記導電層を覆うように2層以上の封止層を備え、
全ての封止層の構成元素種のうち1at.%以上の元素種すべてが、前記導電層と同一である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項2】
前記2層以上の封止層のうち、最も導電層に近い層の密度は、一つ上層の封止層の密度よりも低い、請求項1記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記2層以上の封止層のうち、最も導電層に近い封止層の比抵抗は、0.1Ω・cm以上である、請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項4】
前記2層以上の封止層のうち、最も導電層に近い層の膜厚は、一つ上層の封止層の膜厚よりも厚い、請求項1〜3の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記2層以上の封止層のすべての膜厚は、0.5μm乃至10μmである、請求項1〜4の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項6】
前記2層以上の封止層のうち、少なくとも1層の封止膜の成膜面積は、前記導電層よりも広い面積である、請求項1〜5の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記導電層の1at.%以上の元素種は、ITOまたはIZO、GZO、AZOのいずれかの材料である、請求項1〜6の何れか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
基板と、基板上に形成された画素電極と、
前記画素電極上に形成され、前記基板側から有機層と導電層とが設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記画素電極、前記有機層、前記導電層を覆うように1層以上の封止層を備え、
前記封止層の構成元素種のうち1at.%以上の元素種すべてが、前記導電層と同一であり、かつ、
前記封止層の導電層側界面での密度は、前記封止層の上面側界面での密度に比べ低くなっており、前記密度は連続的に変化している、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項9】
基板上に画素電極と、有機層と、導電層と、2層以上の封止層とを順次成膜する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
前記封止層のうち最も前記導電層に近い封止層層の成膜圧力は、その他の封止層よりも高い圧力で成膜する、
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【請求項10】
前記最も導電層に近い封止層の成膜圧力は、1乃至5Paである、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記2層以上の封止膜のうち、最も導電層より遠い封止層の成膜圧力は、0.1乃至1Paである、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
基板上に画素電極と、有機層と、導電層と、2層以上の封止層とを順次成膜する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、前記封止層の成膜時に成膜圧力を連続的に変化させて成膜する、
有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−253660(P2011−253660A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125581(P2010−125581)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】