説明

有機ポリイソシアネート組成物

【課題】着色が有効に防止された有機ポリイソシアネート組成物を提供すること。
【解決手段】有機ポリイソシアネート化合物と、フェノール系酸化防止剤と、下記一般式(1)で示される有機ホスファイト化合物とを配合することにより、有機ポリイソシアネート組成物を得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ポリイソシアネート組成物、詳しくは、各種ポリウレタンの原料として用いられる有機ポリイソシアネート組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンの原料である有機ポリイソシアネート化合物は、着色し易く、そのため、従来より、着色防止剤が含有されている。
例えば、トルエンジイソシアネート(2,4−トルエンジイソシアネートおよび2,6−トルエンジイソシアネートの混合物)に、着色防止を目的として、o,o−ジ−n−オクタデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスフォネートと、トリフェニルホスファイトとを配合するトルエンジイソシアネート組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】米国特許第4,064,157号明細書(表2の試験番号6)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載されるトルエンジイソシアネート組成物では、着色の防止が不十分である。
本発明の目的は、着色が有効に防止された有機ポリイソシアネート組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明の有機ポリイソシアネート組成物は、有機ポリイソシアネート化合物と、フェノール系酸化防止剤と、下記一般式(1)で示される有機ホスファイト化合物とを含有することを特徴としている。
【0005】
【化1】

【0006】
(一般式(1)中、RおよびRは、同一または互いに相異なっていてもよく、炭素数8〜20のアルキル基を示す。)
また、本発明の有機ポリイソシアネート組成物では、前記有機ホスファイト化合物の配合割合が、前記有機ポリイソシアネート組成物100重量部に対して、3重量部以下であることが好適である。
【0007】
また、本発明の有機ポリイソシアネート組成物では、酸度が5〜100ppmであることが好適である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の有機ポリイソシアネート組成物では、長期間にわたる加熱条件において、窒素雰囲気下または空気雰囲気下で、着色を有効に防止することができる。そのため、安定性および貯蔵安定性に優れる有機ポリイソシアネート組成物として、各種ポリウレタンの原料に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の有機ポリイソシアネート組成物は、有機ポリイソシアネート化合物と、フェノール系酸化防止剤と、有機ホスファイト化合物とを含有している。
本発明において、有機ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されず、例えば、ポリウレタンなどの製造に通常使用される、脂肪族ポリイソシアート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、および、これらの誘導体などが挙げられる。
【0010】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソンアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、例えば、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8−トリイソシアネートオクタン、1,6,11−トリイソシアネートウンデカン、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアネートヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアナトメチルオクタンなどの脂肪族トリイソシアネートなどが挙げられる。
【0011】
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロへキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、2,4’−または4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル−2,4−シクロへキサンジイソシネート、メチル−2,6−シクロへキサンジイソシアネート、1,3−または1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサンもしくはその混合物、2,5−または2,6−ビス(イソシアナトメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタンもしくはその混合物、1,5−または2,6−ジイソシアネートデカリンもしくはその混合物、ビス(イソシアナトメチル)ノルボルナンなどの脂環族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]へプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンなどの脂環族トリイソシアネートなどが挙げられる。
【0012】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネートもしくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアネート1,4−ジエチルベンゼン、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼンもしくはその混合物などの芳香脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼンなどの芳香脂肪族トリイソシアネートなどが挙げられる。
【0013】
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4’−または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、単にMDIという場合がある。)もしくはその混合物、2,4−または2,6−トリレンジイソシアネート(以下、単にTDIという場合がある。)もしくはその混合物、トリジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、例えば、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエンなどの芳香族トリイソシアネート、例えば、4,4’−ジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネートなどの芳香族テトライソシアネートなどが挙げられる。
【0014】
誘導体としては、例えば、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートなどが挙げられる。
これら有機ポリイソシアネート化合物は、単独使用または2種以上併用することができる。
これら有機ポリイソシアネート化合物のうち、本発明による着色防止効果をより効果的に奏することができる点から、好ましくは、芳香族ポリイソシアネートが挙げられ、さらに好ましくは、芳香族ジイソシアネートが挙げられ、とりわけ好ましくは、TDI、MDIが挙げられる。
【0015】
フェノール系酸化防止剤は、特に限定されず、例えば、公知のフェノール系酸化防止剤が挙げられ、好ましくは、ヒンダードフェノール系化合物が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(以下、単にBHTという場合がある。)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ブチル化ヒドロキシアニソール、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゼン)プロパン酸、C7−C9側鎖アルキルエステル、トコフェロールなどのモノフェノール系酸化防止剤(ヒンダードモノフェノール系化合物)、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのビスフェノール系酸化防止剤(ヒンダードビスフェノール系化合物)、例えば、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオンなどのトリスフェノール系酸化防止剤(ヒンダードトリスフェノール系化合物)、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[3,3’−ビス−(4’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステルなどのテトラキスフェノール系酸化防止剤(ヒンダードテトラキスフェノール系化合物)などが挙げられる。
【0016】
これらフェノール系酸化防止剤のうち、好ましくは、モノフェノール系酸化防止剤やテトラキスフェノール系酸化防止剤が挙げられ、さらに好ましくは、BHT、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]が挙げられる。
【0017】
これらフェノール系酸化防止剤は、単独使用または2種以上併用することができる。
フェノール系酸化防止剤の配合割合は、有機ポリイソシアネート組成物に対して、重量基準で、例えば、10〜2500ppm以下、好ましくは、20〜1000ppm以下である。フェノール系酸化防止剤の配合割合が、上記範囲内にないと、着色を有効に防止できない場合がある。
【0018】
有機ホスファイト化合物は、例えば、ホスファイト構造を有する化合物であって、例えば、ペンタエリスリトールのジホスファイトであって、より具体的には、下記一般式(1)で示される。
【0019】
【化2】

【0020】
(一般式(1)中、RおよびRは、同一または互いに相異なっていてもよく、炭素数8〜20のアルキル基を示す。)
一般式(1)において、RおよびRで示されるアルキル基は、例えば、直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、より具体的には、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシルなどの炭素数8〜20のアルキル基が挙げられる。RおよびRは、好ましくは、同一であって、炭素数が、好ましくは、10〜18、さらに好ましくは、10〜13である。炭素数が上記範囲を超えると、相溶性が低下する場合がある。一方、炭素数が上記範囲に満たないと、有機ポリイソシアネート組成物の品質に影響を及ぼす場合がある。
【0021】
より具体的には、有機ホスファイト化合物としては、例えば、ビス(オクチル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(イソオクチル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2−エチルヘキシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(イソデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ウンデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ドデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(テトラデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ペンタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ヘキサデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ヘプタデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ステアリル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノナデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(イコシル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
【0022】
好ましくは、ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ステアリル)ペンタエリスリトールジホスファイトが挙げられる。
有機ホスファイト化合物の配合割合は、有機ポリイソシアネート組成物100重量部に対して、例えば、3重量部以下、好ましくは、1重量部以下であり、有機ポリイソシアネート組成物に対して、重量基準で、通常、10ppm以上、好ましくは、20ppm以上である。より具体的には、有機ポリイソシアネート組成物に対する有機ホスファイト化合物の配合割合は、重量基準で、例えば、10〜2500ppm、好ましくは、20〜1000ppmである。
【0023】
有機ホスファイト化合物の配合割合が上記した範囲に満たないと、着色を防止できない場合がある。一方、有機ホスファイト化合物の配合割合が上記した範囲を超えると、有機ポリイソシアネート組成物が着色する場合がある。
そして、本発明の有機ポリイソシアネート組成物を調製するには、有機ポリイソシアネート化合物と、フェノール系酸化防止剤と、有機ホスファイト化合物とを、上記した配合割合となるように、配合して混合する。より具体的には、有機ポリイソシアネート化合物に、フェノール系酸化防止剤および有機ホスファイト化合物を添加して、例えば、常温〜80℃、常圧下で、混合する。
【0024】
また、有機ポリイソシアネート化合物、フェノール系酸化防止剤および有機ホスファイト化合物の混合においては、例えば、攪拌槽、ラインミキサー、ポンプ、塔などの回分式や連続式の方法などを適宜選択することができる。
なお、本発明の有機ポリイソシアネート組成物には、通常添加される、例えば、上記以外の酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱劣化防止剤などの添加剤を適宜の割合で添加することもできる。
【0025】
このようにして調製される有機ポリイソシアネート組成物は、その酸度が5〜100ppm、好ましくは、10〜50ppmに設定される。酸度が上記した範囲に満たない場合には、着色する場合があり、酸度が上記した範囲を超える場合には、有機ポリイソシアネート組成物の反応性が低下する場合がある。
そして、この有機ポリイソシアネート組成物では、長期間にわたる加熱条件において、窒素雰囲気下または空気雰囲気下で、黄変などの着色を有効に防止することができる。
【0026】
そのため、安定性および貯蔵安定性に優れる有機ポリイソシアネート組成物として、ポリウレタンフォーム、エラストマー、接着剤、塗料などの各種ポリウレタンの原料に用いることができる。とりわけ、各種ポリウレタンの樹脂化において、優れた色相を確保することができる。
【実施例】
【0027】
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これら実施例および比較例に何ら限定されるものではない。
1. トルエンジイソシアネート組成物の調製
(実施例1)
2,4−トリレンジイソシアネートおよび2,6−トリレンジイソシアネートの混合物(2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネートの重量比が、80/20の混合物。以下、TDI−80と省略する。)に、表1に示す配合割合となるように、BHTおよびビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイトを添加して混合し、トルエンジイソシアネート組成物を調製した。
【0028】
(実施例2〜20、比較例1および2)
実施例1において、TDI−80に添加するフェノール系酸化防止剤および有機ホスファイト化合物の種類および配合割合を、表1および表2に従い変更した以外は、実施例1と同様にして、有機ポリイソシアネート組成物を調製した。
(比較例3)
ブランクの有機ポリイソシアネート組成物として、TDI−80のみを用意した。
2. トルエンジイソシアネート組成物の評価
(1) 酸度
実施例2、4、6、7、9〜11および比較例1により得られた有機ポリイソシアネート組成物を、JIS K−1556に従い、酸度を測定した。その結果を、表1に示す。
(2) 色数
実施例1〜11および比較例1〜3により得られた有機ポリイソシアネート組成物をポリエチレン製内キャップ付の透明なサンプルビンに入れ、窒素雰囲気下および空気雰囲気下で密封した後、60日間50℃の環境下に静置し、色数(APHA)をJIS K−1556に従い目視でそれぞれ測定した。その結果を、表1に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
なお、表1中の略号を以下に示す。
A1:BHT
A2:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
A3:オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
B1:ビス(デシル)ペンタエリスリトールジホスファイト
B2:ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト
B3:ビス(ステアリル)ペンタエリスリトールジホスファイト
B4:トリフェニルホスファイト
(3) 着色
実施例12〜20により得られた有機ポリイソシアネート組成物をポリエチレン製内キャップ付の透明なサンプルビンに入れ、窒素雰囲気下で密封した後、7日間40℃の環境下に静置し、着色の程度を目視にて測定した。その結果を、表2に示す。
【0031】
【表2】

【0032】
なお、表2中の略号は、表1の略号と同様である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリイソシアネート化合物と、フェノール系酸化防止剤と、下記一般式(1)で示される有機ホスファイト化合物とを含有することを特徴とする、有機ポリイソシアネート組成物。
【化1】

(一般式(1)中、RおよびRは、同一または互いに相異なっていてもよく、炭素数8〜20のアルキル基を示す。)
【請求項2】
前記有機ホスファイト化合物の配合割合が、前記有機ポリイソシアネート組成物100重量部に対して、3重量部以下であることを特徴とする、請求項1に記載の有機ポリイソシアネート組成物。
【請求項3】
酸度が5〜100ppmであることを特徴とする、請求項1または2に記載の有機ポリイソシアネート組成物。

【公開番号】特開2010−111611(P2010−111611A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284738(P2008−284738)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(501140544)三井化学ポリウレタン株式会社 (115)
【Fターム(参考)】