説明

有機半導体をドーピングするための配位化合物の利用方法

本発明は、電子部品又は光電子部品における、電荷注入層、電極材、又は記憶材としての有機半導体マトリックス材をドープするためのドーパントとしての配位化合物の使用、有機半導体材料、及び電子部品又は光電子部品に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、電子部品又は光電子部品における、電荷注入層、電極材、又は記憶材としての有機半導体マトリックス材をドープするためのドーパントとしての配位化合物の利用方法に関する。
【0002】
数十年もの間、シリコン半導体のドーピングは重要な技術である。この先行技術によると、非常に低い伝導率の初期での増加と、また使用されるドーパントの種類にもよるが、半導体のフェルミ準位の変化とが、物質中に電荷担体を生成することによって達成される。
【0003】
しかし、数年前に、ドーピングにより、有機半導体が、その導電性の点に関して大きな影響を受け得るということも知られることになった。そのような有機半導体マトリックス材は、良好な電子供与特性を持った化合物によって構成されてもよいし、良好な電子受容体特性を持った化合物によって構成してもよい。
【0004】
しかし、そのような有機半導体マトリックス材をドープするのに現在使用されているドープ剤(ドーパント)には、デメリットがいくつかある。特に、現在使用されているドープ剤は蒸発温度が十分でなく、ドープされた層におけるドーパントの安定性を欠く。そのような周知のドーパントの酸化電位も改善することが可能である。
【0005】
本発明の目的は、上記先行技術のデメリットを克服することにあり、特に、電子部品又は光電子部品における、電荷注入層、電極材、又は記憶材としての有機半導体マトリックス材をドープするためのドーパントとして使用することができ、特に、蒸発温度が高く、層における安定性、酸化電位が改善された化合物を提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、有機半導体材料、及びこれらの化合物が使用される電子部品又は光電子部品を提供することにもある。
【0007】
上記目的は、本発明に従って、電子部品又は光電子部品における、電荷注入層、電極材、又は記憶材としての有機半導体マトリックス材をドープするためのドーパントとしての配位化合物の使用によって達成され、上記配位化合物の使用は、配位化合物が構造(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、及び(V)
【0008】
【化1】

【0009】
【化2】

【0010】
【化3】

【0011】
【化4】

【0012】
【化5】

【0013】
【化6】

【0014】
【化7】

の1つを含み、Mは金属又は半金属、Zは軸配位子であり、軸Z配位子が1つしか設けられていない構造(II)、(III)、(IV)、(V)を含み、QはN又はCR11であり、R−R10はそれぞれ独立して、水素、CN、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の、置換若しくは非置換のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基であり、2つの隣り合う置換基R−R10が一緒になって環状構造を形成することも可能で、XとYは、それぞれ独立して、N、P、O、S及びBの中から選択されることを特徴としている。
【0015】
Mは、遷移金属、特に第8、第6、第7族の遷移金属、ランタニド金属(サンドイッチ構造の場合もある)、並びに、Si、As、P、Se及びTeからなる群から選ばれる半金属から選ばれることが好ましい。
【0016】
また、Mは遷移金属の群から選ばれ、元素の周期表の第8族から選ばれることが好ましいことも提案される。
【0017】
ある1つの実施形態は、軸配位子が、CN、SCN、CNS、OCN、CNO、F、Cl、Br、I、SOR、ClO、BrO、BF、BPh、NO、CFCOO、CHCOO、CFSO及びCO(Rはアルキル、好ましくはC−C10アルキル)からなる群から選択されることを特徴とする。
【0018】
この場合、軸配位子は、置換又は非置換の、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン及びオキサゾ―ルから選ばれることが好ましい。
【0019】
また、R−R11は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル基、ハロゲン(好ましくは、F)、並びに、分岐若しくは非分岐の、ペルフルオロ化した、アルキル基及びアルケニル基からなる群から選ばれる。
【0020】
マトリックス材は、部分的に又は完全に、金属フタロシアニン錯体、金属ポルフィリン錯体、オリゴチオフェン化合物、オリゴフェニル化合物、オリゴフェニレンビニレン化合物、オリゴフルオレン化合物、ペンタゼン(pentazene)化合物、少なくとも1つのトリアリールアミン単位を含む化合物、及び/又は少なくとも1つのスピロビフルオレン化合物から構成されることが好ましい。
【0021】
本発明は、少なくとも1つの有機マトリックス化合物と、上記化合物のうちの少なくとも1つであるドーパントとを含む有機半導体材料も提供する。
【0022】
この場合、マトリックス分子に対するドーパントのモルドーピング比、又はポリマーマトリックス分子のモノマー単位に対するドーパントのドーピング比は、20:1と1:100000の間、好ましくは10:1と1:1000の間、特に好ましくは1:1と1:100の間である。
【0023】
本発明は、上記に開示された化合物のうち少なくとも1つを含む電子機能活性領域(electronically functionally active region)を有する電子部品又は光電子部品も提供する。
【0024】
この場合、電子活性領域は、半導体マトリックス材の電子特性を変更するために、少なくとも1つのドーパントがドープされた有機半導体マトリックス材を含むことが好ましい。ここで、上記ドーパントは、上記に開示された化合物のうちの1つである。
【0025】
最後に、上記電子部品又は光電子部品は、有機発光ダイオード(OLED)用、光電池用、有機太陽電池用、有機ダイオード用、又は有機電界効果トランジスタ用であってもよい。
【0026】
驚くべきことに、本発明において使用される配位化合物は、蒸発温度が極めて高く、大きな共役系を有する構造のため安定性が高く、酸化電位が改善されることが分かった。
【0027】
フタロシアニンの昇華は、350℃を超える温度において起こる。フタロシアニン構造の代替として提案されたものでは、昇華温度は少なくとも同じぐらいとなることが予想できる。
【0028】
さらに、上記配位化合物の酸化は、電気化学的タイムスケールに基づき、可逆的であることがわかった。
【0029】
ドープされた層におけるドーパントの拡散能力が低くなるということも予想される。
【0030】
〔マトリックス材〕
上記マトリックス材は、金属フタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体、特に、金属ポルフィリン錯体、オリゴチオフェン化合物、オリゴフェニル化合物、オリゴフェニレンビニレン化合物、又はオリゴフルオレン化合物の、一部(>10重量%若しくは>25重量%)、大部分(>50重量%若しくは>75重量%)、又は全部からなり得る。
【0031】
ここで、上記オリゴマーは、好ましくは2〜500又はそれ以上のモノマー単位、より好ましくは2〜100、2〜50、又は2〜10のモノマー単位を含む。上記オリゴマーは、>4、>6、>10、又はそれ以上のモノマー単位を含ませることもでき、上記示した範囲として具体的には、例えば、4若しくは6〜10モノマー単位、6若しくは10〜100モノマー単位、又は10〜500モノマー単位である。上記モノマー若しくはオリゴマーは、置換体若しくは非置換体とすることができ、同様に、前述のオリゴマー、少なくとも1つのトリアリールアミン単位を有する化合物、又はスピロ−ビフルオレン化合物とのブロック重合体若しくは混合重合体とすることができる。前述のマトリクス材は、互いに組み合わせて存在させてもよいし、任意で他のマトリックス化合物と組み合わせてもよい。上記マトリックス材は、減少したイオン化エネルギーを有する、若しくはマトリックス材のイオン化エネルギーを減少させる、アルキル基若しくはアルコキシ基のような電子供与性基を有し得る。
【0032】
マトリックス材として使用される、金属フタロシアニン錯体又はポルフィリン錯体は、主族金属原子若しくは亜族金属原子を有し得る。金属原子Meは、例えば、オキソ(Me=O)錯体、ジオキソ(O=Me=O)錯体、イミン錯体、ジイミン錯体、ヒドロキソ錯体、ジヒドロキソ錯体、アミノ錯体、又はジアミノ錯体の形式で、4配位、5配位、又は6配位させることができる。
【0033】
尚、錯体の形式はこれらには限定されない。上記フタロシアニン錯体若しくはポルフィリン錯体は、それぞれ、部分的に水素化することができるが、上記メソメリック環系は、阻害されないことが好ましい。上記フタロシアニン錯体は、中心金属として、例えば、マグネシウム、亜鉛、鉄、ニッケル、コバルト、マグネシウム、銅、又はバナジル(=VO)を含んでいてもよい。ポルフィリン錯体の場合には、同じ若しくは他の金属原子又はオキソメタル原子が存在していてもよい。
【0034】
特に、そのようなドープすることができるホール輸送材料HTは、アリール化ベンジジン、例えば、N,N’−パーアリール化ベンジジン類、若しくはTPD型のような他のジアミン(ここで、1つ、複数又は全てのアリール基が芳香族へテロ原子を含み得る)、化合物TDATA(ここで、1つ、複数又は全てのアリール基が芳香族へテロ原子を含み得る)等のN,N’,N’’−パーアリール化スターバースト化合物のような適切なアリール化スターバースト化合物とすることができる。
【0035】
上記アリール基は、特に、上述の各化合物毎に、フェニル、ナフチル、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ペリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、フラン、ピロール、インドール等を含んでいてもよい。上記各化合物のフェニル基は、部分的に若しくは完全にチオフェン基に置き換えることができる。
【0036】
【化8】

上記使用されるマトリックス材は、金属フタロシアニン錯体、ポルフィリン錯体、トリアリールアミン単位を有する化合物、又はスピロ−ビフルオレン化合物のみからなることが好ましい。
【0037】
他の適切な有機マトリックス材、特に、半導体特性を有するホール輸送材料も使用できることが理解されるであろう。
【0038】
〔ドーピング〕
上記ドーピングは、特に、ドーパントに対するマトリックス分子のモル比、若しくはオリゴマーのマトリックス材の場合はドーパントに対するマトリックスモノマー数の比が、1:100000、好ましくは1:1〜1:10000、特に好ましくは1:5〜1:1000、例えば、1:10〜1:100、例えばおおよそ1:50〜1:100若しくは1:25〜1:50となるように行うことができる。
【0039】
〔ドーパントの蒸発〕
本発明によって使用される、ドーパントによる、各マトリックス材(ここでは、好ましくはホール輸送マトリックス材HT)のドーピングは、以下のプロセスの1つ若しくは組合せによって実現できる。
【0040】
a)HT源とドーパント源を使用した、真空下での共蒸発。
【0041】
b)HTとドーパントの逐次堆積、並びにその後の熱処理によるドーパントの内部拡散。
【0042】
c)ドーパントの溶液を使ったHT層のドーピング、並びにその後の熱処理による溶剤の蒸発。
【0043】
d)ドーパントの層をHT層の表面にあてることによる、HT層の表面ドーピング。
【0044】
上記ドーピングは、上記ドーパントが、加熱及び/又は照射下で、上記ドーパントを放出する前駆体化合物から外へ、蒸発されるように行うことができる。上記照射は、例えば、レーザー光若しくは他の照射形式で、電磁放射、特に、可視光、UV光、又はIR光によって行うことができる。上記照射によって、蒸発に必要な熱が本質的に与えられ得る。また、蒸発に必要な熱は、例えば、励起状態への変化を通じた、錯体の解離によって化合物の蒸発を促進する目的で、蒸発する、上記化合物、前駆体、又は電荷移動錯体のような化合物錯体の特定のバンドへの意図的な方法で照射することもできる。以下に記載する蒸発条件は、照射を行わない条件であり、均一な蒸発条件が、比較のために用いられることが理解される。
【0045】
例えば、下記のものが、前駆体化合物として使用できる。
【0046】
a)上記ドーパントと、不活性な非揮発性物質(例えば、ポリマー、モルキュラーシーブ、酸化アルミニウム、シリカゲル、オリゴマー、又は、高い蒸発温度を有する有機若しくは無機の物質)との、混合物、又は、化学量論の結晶若しくは混晶の化合物。ここで、上記ドーパントは、この物質と、主にファンデルワールス力及び/又は水素架橋結合によって結合している。
【0047】
b)上記ドーパントと、ほぼ電子ドナー型である非揮発性化合物Vとの混合物、又は化学量論の結晶若しくは混晶の化合物。ここで、例えば、ほぼ電子リッチの多環芳香族類、ヘテロ芳香族類、又は、高い蒸発温度を有する他の有機若しくは無機の物質を含む電荷移動錯体の場合では、ほぼ完全な電荷移動が、上記ドーパントと化合物Vとの間で生じる。
【0048】
c)有機材における物質がホールに対する付着点を形成しないように、上記ドーパントと、ドープされる物質HTと同じ若しくはより高いイオン化エネルギーを有する、ドーパントと共に蒸発する物質との、混合物、又は化学量論の結晶若しくは混晶の化合物。上記発明によれば、上記物質は、ここではマトリックス材と同じとすることもでき、例えば、金属フタロシアニン若しくはベンジジン誘導体とすることができる。更には、ハイドロキノン類、1,4−フェニレンジアミン、1−アミノ−4−ヒドロキシベンゼン、又はキンヒドロンを形成するその他の化合物、他の電荷移動錯体のような、適切な揮発性共物質。
【0049】
〔電子部品〕
複数の電子部品、又はこれらを含む装置は、特に、層若しくは導体パス(electrical conductor path)の形式で、構成することができる、ドープした有機半導体材料を作り出す上記発明に従って、上記有機化合物を用いて製造することができる。特に、上記発明によるドーパントは、有機発光ダイオード(OLED)、有機太陽電池、有機ダイオード(特に、高い整流比(例えば、103〜107、好ましくは104〜107又は105〜107)を有するもの)、又は有機電界効果トランジスタを製造することに用いることができる。上記ドープ層の伝導度、及び/又は、ドープした層への接点の電荷担体の注入は、本発明によるドーパントによって改善することができる。特に、OLEDsの場合では、上記部品は、PIN構造若しくは逆の構造とすることができ、これらには限定されない。しかしながら、上記発明によるドーパントの使用は、上述した実施形態の有利な例には限定されない。
【0050】
〔使用例〕
適切な、極めて電子不足な配位化合物を高い純度で準備する。
【0051】
準備されたpドーパント(電子不足な配位化合物)をマトリックス材と同時に蒸発させる。実施の形態の例においては、マトリックス材は、各場合において、フタロシアニン亜鉛、スピロ−TTB、a−NDPである。真空蒸着によって基板上に堆積された層における、マトリックス材に対するpドーパントのドーピング比が1:10になるように、上記pドーパントとマトリックス材を蒸発させることができる。
【0052】
pドーパントによってドープされた有機半導体材料の層を、ガラス基板上に配置されるITO(indium tin oxide:インジウムスズ酸化物)の層に加える。上記pドープ有機半導体層を加えた後、金属カソードを、例えば、適切な金属の蒸着によって加え、有機発光ダイオードを形成する。上記有機発光ダイオードは、いわゆる逆層構造を有していてもよく、ガラス基板、金属カソード、pドープ有機層、透明導電性の最上層(例:ITO)という層の並びになっていてもよいということが理解されるだろう。特定の使用法によっては、上述した各層の間にさらに層を設けてもよいことが理解される。
【0053】
〔実施例1〕
ジシアノ(フタロシアナト(−1))コバルト(III)
中性ジシアノ(フタロシアナト(−1))コバルト(III)化合物が、マトリックス材としてのスピロ−TTBのドーピングに使用された。マトリックス材に対するドーパントのドーピング比が1:10のドープ層は、マトリックスと、スピロ−TTBを有するドーパントとの共蒸発によって生成された。伝導度は8.7×10−5S/cmであった。
【0054】
〔実施例2〕
ジシアノ(フタロシアナト(−1))ルテニウム(III)
中性ジシアノ(フタロシアナト(−1))ルテニウム(III)化合物が、マトリックス材としてのスピロ−TTBのドーピングに使用された。マトリックス材に対するドーパントのドーピング比が1:10のドープ層は、マトリックスと、スピロ−TTBを有するドーパントとの共蒸発によって生成された。伝導度は2.2×10−4S/cmであった。
【0055】
上記の記述及び請求項に開示される本発明の特徴は、単独でも不可欠なものであり、様々な実施形態において本発明を実施するためのあらゆる組合せでも不可欠なものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品又は光電子部品における、電荷注入層、電極材、又は記憶材としての有機半導体マトリックス材をドープするためのドーパントとしての配位化合物の利用方法であり、
上記配位化合物は、下記構造(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)、及び(V)
【化1】

【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

の1つを含み、
Mは金属又は半金属であり、
Zは軸配位子であり、
軸Z配位子を1つしか有さない構造(II)、(III)、(IV)、(V)を含み、
QはN又はCR11であり、
−R10は、それぞれ独立して、水素、CN、ハロゲン、分岐若しくは非分岐の、置換若しくは非置換のアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又はシクロアルキル基であり、
2つの隣り合う置換基R−R10が一緒になって環状構造を形成することも可能であり、
XとYは、それぞれ独立して、N、P、O、S及びBから選択され、
構造(I)、(Ia)、(II)、(IIa)、(III)、(IV)及び(V)のうちの2つの間にサンドイッチ状にMが配されるサンドイッチ化合物であってもよい、
ことを特徴とする配位化合物の利用方法。
【請求項2】
Mは、遷移金属、特に第8、第6、及び第7族の遷移金属、ランタニド金属、並びに、Si、As、P、Se、及びTeからなる群から選ばれる半金属から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の利用方法。
【請求項3】
Mは遷移金属の群から選ばれ、好ましくは元素の周期表の第8族から選ばれることを特徴とする請求項2に記載の利用方法。
【請求項4】
軸配位子は、CN、SCN、CNS、OCN、CNO、F、Cl、Br、I、SOR、ClO、BrO、BF、BPh、NO、CFCOO、CHCOO、CFSO及びCO(Rはアルキル、好ましくはC−C10アルキル)からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の利用方法。
【請求項5】
軸配位子は、置換又は非置換の、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン及びオキサゾ―ルから選ばれることを特徴とする請求項4に記載の利用方法。
【請求項6】
−R11は、それぞれ独立して、水素、置換若しくは非置換のアルキル基、及びハロゲン(好ましくはF)、並びに、分岐若しくは非分岐の、ペルフルオロ化した、アルキル基及びアルケニル基からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の利用方法。
【請求項7】
マトリックス材は、部分的に又は完全に、金属フタロシアニン錯体、金属ポルフィリン錯体、オリゴチオフェン化合物、オリゴフェニル化合物、オリゴフェニレンビニレン化合物、オリゴフルオレン化合物、ペンタゼン化合物、少なくとも1つのトリアリールアミン単位を含む化合物、及び/又は少なくとも1つのスピロビフルオレン化合物、から構成されることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の利用方法。
【請求項8】
少なくとも1つの有機マトリックス化合物とドーパントとを含み、
上記ドーパントは、請求項1〜7に記載の少なくとも1つの化合物であることを特徴とする有機半導体材料。
【請求項9】
マトリックス分子に対するドーパントのモルドーピング比、又はポリマーマトリックス分子のモノマー単位に対するドーパントのドーピング比は、20:1と1:100000の間、好ましくは10:1と1:1000の間、特に好ましくは1:1と1:100の間であることを特徴とする請求項8に記載の有機半導体材料。
【請求項10】
電子機能活性領域を含み、
上記電子活性領域は、請求項1〜7に記載した少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする電子部品又は光電子部品。
【請求項11】
上記電子活性領域は、半導体マトリックス材の電子特性を変更するために、少なくとも1つのドーパントがドープされた有機半導体マトリックス材を含み、
上記ドーパントは、請求項1〜7に記載の少なくとも1つの化合物であることを特徴とする請求項10に記載の電子部品又は光電子部品。
【請求項12】
有機発光ダイオード(OLED)用、光電池用、有機太陽電池用、有機ダイオード用、又は有機電界効果トランジスタ用である、請求項10又は11に記載の電子部品又は光電子部品。

【公表番号】特表2010−509758(P2010−509758A)
【公表日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−535562(P2009−535562)
【出願日】平成19年11月13日(2007.11.13)
【国際出願番号】PCT/DE2007/002056
【国際公開番号】WO2008/058525
【国際公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(503180100)ノヴァレッド・アクチエンゲゼルシャフト (47)
【Fターム(参考)】