説明

有機性廃棄物処理装置

【課題】 簡易な構成でヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスからの無駄な放熱を抑えることができる有機性廃棄物処理装置を提供する。
【解決手段】 脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスの流路34aを、ガス−ガスヒータにおける脱臭機ヒータ32投入前の排ガスが通過する流路42aと、ガス−エアヒータにおける処理槽導入前の外気が通過する流路52aとで挟み込むように配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、好気性微生物で分解処理可能な食品残渣や汚泥等を対象とした有機性廃棄物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、上記装置の一つとしての生ごみ処理装置が知られている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【特許文献1】特許第3372485号公報
【特許文献2】特開平11−239779号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記ごみ処理装置の中には、処理槽内からの排ガスを加熱するヒータ、及び加熱された排ガスを通過させて脱臭処理する脱臭触媒を備えるものがある。このような装置においては、排ガス昇温のためのエネルギー投入量を削減するために、熱交換器を使用して、脱臭触媒を通過した後の高温状態にある排ガスの熱を、ヒータ投入前の排ガスの昇温に利用する等、排熱を有効利用する熱交換システムが採用されることがある。
【0004】
ところで、上記ヒータにより排ガスを加熱する際に費やすエネルギーは、当該装置におけるランニングコストの多くを占めることから、ヒータ及び脱臭触媒の周囲を断熱材で覆う等の断熱処置が必要となる。しかしながら、このような構成としても、ヒータ及び脱臭触媒からの放熱を抑えることは困難であり、かつ当該装置の重量及びコストを増加させる等の問題もあるため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、簡易な構成でヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスからの無駄な放熱を抑えることができる有機性廃棄物処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、処理槽内の有機性廃棄物を好気性微生物の作用により分解処理する有機性廃棄物処理装置において、前記処理槽内からの排ガスを加熱するヒータと、該ヒータにより加熱された排ガスを通過させて脱臭処理する脱臭触媒と、該脱臭触媒通過後の排ガスと前記ヒータ投入前の排ガスとの間の熱交換を行う排気間熱交換器と、前記脱臭触媒通過後の排ガスと前記処理槽導入前の外気との間の熱交換を行う給排気間熱交換器とを備え、前記ヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスの流路を、前記排気間熱交換器におけるヒータ投入前の排ガスが通過する流路と、前記給排気間熱交換器における処理槽導入前の外気が通過する流路とで挟み込むように配置したことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスの熱が、その流路を形成する隔壁を介して、各熱交換器における流路内のヒータ投入前の排ガス、又は処理槽導入前の外気に伝達される。これら排ガス又は外気は、各熱交換器において昇温されるべき気体であるため、ヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスの熱が無駄にならない。また、高温状態となるヒータ及び脱臭触媒が内側に配置されることで、当該装置の外表面温度の上昇が抑えられる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記ヒータ及び脱臭触媒を収容すると共に両側に前記各熱交換器を隣接させるケーシングを備え、該ケーシングにおける熱交換器非隣接部に、前記ヒータ用の端子部を設けたことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、ヒータ用の端子部に邪魔されることなく、ケーシングの両側に各熱交換器を隣接配置することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載した発明によれば、ヒータ及び脱臭触媒の周囲の断熱処理を簡易なものとして当該装置の重量及びコストの低減を図りつつ、ヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスからの無駄な放熱を抑えて効率良く排熱を利用することができる。また、当該装置の外面温度の上昇を抑えることができる。
請求項2に記載した発明によれば、ケーシング両側への各熱交換器の配置を容易にして当該装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、有機性廃棄物処理装置としての生ごみ処理装置1の構成図であり、本図に示すように、生ごみ処理装置1は、処理槽2内に投入された野菜くず等の生ごみを、好気性の微生物(発酵菌)と共に加熱、撹拌しながら分解処理する(発酵させる)よう構成されたものである。
【0011】
処理槽2の例えば外周には、槽内の生ごみを加熱する処理槽ヒータ3が設けられると共に、処理槽2の例えば底部からは、槽内の生ごみ層G内に予熱した外気を導入可能とされる。また、処理槽2には、例えば所定時間毎に生ごみを撹拌する撹拌機4が設けられる。この撹拌機4は、処理槽2の略中央において上下に延びる駆動軸4aを有し、該駆動軸4aの外周に設けられた複数の撹拌羽根4bにより生ごみ層Gを撹拌可能である。
【0012】
このような処理槽2内に生ごみを投入する際には、まず、バケット5内に一時投入された生ごみをリフト6で上昇させ、これを処理槽2上部のごみ投入口7(処理物投入口)より槽内に投入する。このとき、必要に応じて好気性微生物の着床材(菌床チップ)としてのおが屑等も併せて投入する。なお、ごみ投入口7は、リッド8により気密に閉塞可能とされる。そして、処理槽2内に投入された生ごみは、水分や二酸化炭素に分解されつつ減量し、該分解処理後に残った残渣は、不図示の排出口より槽外に排出される。
【0013】
ここで、生ごみ処理装置1は、前述の如く処理槽2内に外気を導入すると共に、生ごみの分解処理中に発生した水分及び臭気を含んだガスを処理槽2外に排出するべく、該処理槽2内の通風を行う給排気システム10を備えている。
【0014】
この給排気システム10は、処理槽2内からの排ガスの加熱及び脱臭処理を行うと共に、該脱臭処理後の排ガスが有する熱(排熱)を回収してこれを有効利用する熱交換システムとしても構成されている。
【0015】
具体的には、給排気システム10は、処理槽2からの排気経路11上に加熱脱臭機31及びガス−ガスヒータ41(排気間熱交換器)を備え、ガス−ガスヒータ41において加熱脱臭機31を通過する前の排ガス(脱臭前ガス)と加熱脱臭機31を通過した後の排ガス(脱臭後ガス)との間の熱交換を行うことで、脱臭前ガスを昇温(加熱)すると共に脱臭後ガスを降温(冷却)するようになっている。
【0016】
また、給排気システム10は、ガス−ガスヒータ41よりも脱臭後ガス排出側の排気経路11上であって処理槽2内の吸気経路16上となる部位に、ガス−ガスヒータ41からの脱臭後ガスと処理槽2導入前の外気との間の熱交換を行うガス−エアヒータ51(給排気間熱交換器)を備え、該ガス−エアヒータ51において前記熱交換を行うことで、脱臭後ガスをさらに降温すると共に処理槽2導入前の外気を昇温するようになっている。
【0017】
排気経路11上における処理槽2とガス−ガスヒータ41との間となる部位には、処理槽2内のガスを吸引する誘引通風機12(排気ファン)が設けられる。また、排気経路11上における誘引通風機12よりも排気上流側となる部位には、排ガス中の粉塵等を除去するための排気フィルタ13が設けられる。
【0018】
一方、ごみ投入口7及びバケット5の上方には、吸気経路16の吸入側端に位置するフードカバー18が、ごみ投入口7及びバケット5を上方から覆うように設けられる。このフードカバー18とガス−エアヒータ51との間に位置する吸気経路16上には、処理槽2内に外気を導入する押込み通風機17(ブロア)が設けられる。この押込み通風機17の外気吸込み口19は、フードカバー18の内側に設けられている。
【0019】
各通風機12,17の作動は、CPU(Central Processing Unit)等の制御部(不図示)により、処理槽2内がやや負圧状態となるように制御される。これは、前記リッド8開時に、処理槽2内の臭気や粉埃がごみ投入口7から処理槽2外に漏れないようにするためである。
【0020】
ところで、処理槽2内のおが屑等の菌床チップは、微生物の活性を良くするために一定水分を保つことが望ましく、菌床チップの状態に合わせて排気風量の調整を行う必要がある。このとき、単に風量を下げると処理槽2内の負圧が弱まり、槽外への臭気漏れの原因となるが、誘引通風機12と押込み通風機17とをダブルで調整することで、風量を下げても処理槽内負圧を一定に保つことができ、菌床チップの水分を調整しつつ臭気漏れを防止することが可能とされている。
【0021】
加熱脱臭機31は、処理槽2からの排ガスを加熱する脱臭機ヒータ32と、該脱臭機ヒータ32により加熱された排ガスを通過させて脱臭処理する白金等からなる脱臭触媒33とを、単一のケーシング34(図4参照)内に収容してなる。ケーシング34は排気経路11の一部を構成しており、該ケーシング34内の排ガス流通方向上流側(排気上流側)に脱臭機ヒータ32が、排ガス流通方向下流側(排気下流側)に脱臭触媒33がそれぞれ配置される。
【0022】
このような加熱脱臭機31から排出される脱臭後ガス(脱臭触媒33通過後の排ガス、300〜400℃)は比較的高温であり、この脱臭後ガスと脱臭前ガス(ヒータ投入前の排ガス、40〜60℃)との間の熱交換を行うことで、脱臭前ガスを効果的に昇温し、脱臭機ヒータ32におけるエネルギー投入量を削減するようにしている。
【0023】
一方で、処理槽2内に導入する外気に適した温度は比較的低温(90〜110℃)であるため、ガス−ガスヒータ41から排出される脱臭後ガス(150〜200℃)でも十分昇温することが可能であり、かつ該脱臭後ガスを十分降温することが可能である。なお、排気経路11中における結露を抑えるという観点から、最終的に大気に放出されるまでの間、排ガスの温度は露点以上であることが好ましい。
【0024】
ここで、図2を併せて参照して説明すると、上記生ごみ処理装置1においては、処理槽2内に生ごみを溜めた状態で運転を一時中止した後、処理槽2及び加熱脱臭機31(脱臭触媒33)が十分低温になった状態から再起動するような場合を考慮し、このような場合においては、処理槽ヒータ3及び脱臭機ヒータ32を各通風機12,17よりも先に起動し、処理槽2内及び脱臭触媒33が所定の温度に昇温した後に、各通風機12,17を起動するようにしている。
【0025】
すなわち、処理槽2は、その内部の雰囲気温度を検出する温度センサ2aを有すると共に、加熱脱臭機31は、脱臭触媒33直前の雰囲気温度を該脱臭触媒33の温度として検出する温度センサ33aを有し、これら各温度センサ2a,33aからの検出値に基づき、前記制御部が各通風機12,17の運転を制御すると共に、必要に応じて各ヒータ3,32並びに撹拌機4等の運転を制御するようになっている。なお、加熱脱臭機31の温度センサ33aは、脱臭触媒33の温度を直接検出するものであってもよい。
【0026】
次に、上記給排気システム10の要部についてさらに説明する。
図3,4に示すように、給排気システム10において、加熱脱臭機31の前後には、これを挟み込むようにして各熱交換器41,51が配置され、これらが前記処理槽2上に一体的に搭載される。なお、図中矢印FRは前方を、矢印LHは左方を、矢印UPは上方をそれぞれ示すものとする。
【0027】
加熱脱臭機31における脱臭前ガスの流路34a(排気経路11)を形成するケーシング34の前壁35は、ガス−ガスヒータ41における脱臭前ガスの流路42a(排気経路11)を形成するケーシング42の後壁として、ケーシング34の後壁36は、ガス−エアヒータ51における外気の流路52a(吸気経路16)を形成するケーシング52の前壁としてそれぞれ構成される。
【0028】
すなわち、ケーシング34の前後壁35,36を隔壁として、加熱脱臭機31及び各熱交換器41,51の各流路34a,42a,52aが仕切られている。
ケーシング34は、左右方向に長い直方体状をなす箱型のもので、その内部左側(排気上流側)には脱臭機ヒータ32が、内部右側(排気下流側)には脱臭触媒33がそれぞれ配置される。
【0029】
脱臭機ヒータ32は、上下に長いU字状をなす電熱線32aを複数配列してなるもので、これら各電熱線32a間を通過させることで脱臭前ガス及び脱臭触媒33を加熱する。各電熱線32aの開放端側には端子部32bが設けられ、これら各端子部32bがケーシング34の上壁37左側に突設される。ここで、ケーシング34の前後壁35,36が熱交換器隣接部であるのに対し、その上下壁及び左右側壁は熱交換器非隣接部であるといえる。
【0030】
脱臭触媒33は、例えば多孔構造を有する厚板状のもので、該脱臭触媒33がケーシング34内部を横断するように設けられることで、脱臭機ヒータ32を通過し加熱した脱臭前ガスが漏れなく脱臭触媒33を通過する。
【0031】
ケーシング34における前壁35左側部には、ガス−ガスヒータ41の脱臭前ガス排出口でもあるガス導入口38が設けられる。このガス導入口38を介して、ガス−ガスヒータ41を通過し昇温した脱臭前ガスが、ケーシング34内における脱臭機ヒータ32よりも上流側となる部位に導入される。
【0032】
また、ケーシング34右側端はガス排出口39として開口し、該ガス排出口39から排出された脱臭後ガスが、右ウインドボックス21を介してガス−ガスヒータ41へ送給される。
【0033】
各熱交換器41,51のケーシング42,52は、加熱脱臭機31のそれとほぼ同一の箱型をなすもので、これらの内部には、左右方向と略直交する複数のバッフルプレート43,53により、排ガス又は外気を上下に往復させつつ左側又は右側に流通させる蛇行状の流路42a,52aがそれぞれ形成される。
【0034】
また、各熱交換器41,51のケーシング42,52内には、各バッフルプレート43,53を左右方向に沿って貫通する複数の伝熱管44,54がそれぞれ設けられ、各ケーシング42,52内に導入された排ガス又は外気が、各伝熱管44,54の間を通過するようにケーシング42,52内を流通することで、各伝熱管44,54の内外での熱交換が行われる。
【0035】
各伝熱管44,54は、それぞれ各ケーシング42,52の両側端において開口しており、ガス−ガスヒータ41においては、各伝熱管44の右側開口が、右ウインドボックス21を介して加熱脱臭機31のガス排出口39と連通すると共に、左側開口が、左ウインドボックス22を介してガス−エアヒータ51における各伝熱管54の左開口と連通する。
【0036】
ガス−ガスヒータ41におけるケーシング42の上壁右側部には、処理槽2からの脱臭前ガスをケーシング42内に導入するためのガス導入管45が突設される。このガス導入管45からケーシング42内に導入された脱臭前ガスは、各伝熱管44を横断するように蛇行しながら左側に流通し、ガス導入口38を介して加熱脱臭機31のケーシング34内に導入される。
【0037】
ケーシング34内において加熱及び脱臭処理がなされた脱臭後ガスは、右ウインドボックス21を介してガス−ガスヒータ41の各伝熱管44内に導入されてその管内を流通することで、比較的低温の脱臭前ガスとの間で熱交換がなされてこれを加熱すると共に自身を冷却する。
【0038】
各伝熱管44を通過した脱臭後ガスは、左ウインドボックス22を介してガス−エアヒータ51の各伝熱管54内に導入される。ここで、ガス−エアヒータ51における上壁右側部には、フードカバー18からの外気をケーシング52内に導入するための外気導入管55が突設されると共に、上壁左側部には、前記外気を排出するための外気排出管56が突設されている。
【0039】
そして、外気導入管55からケーシング52内に導入された外気は、各伝熱管54を横断するように蛇行しながら左側に流通することで、各伝熱管54内を流通する比較的高温の脱臭後ガスとの間で熱交換がなされてこれを冷却すると共に自身を加熱する。
【0040】
ガス−エアヒータ51のケーシング52右端には膨張室23が設けられており、各伝熱管54を通過した脱臭後ガスは、膨張室23内に排出された後に排気フード24を介して大気に放出される。
【0041】
以上説明したように、上記実施例における生ごみ処理装置1は、処理槽2内の生ごみを好気性微生物の作用により分解処理するものであって、処理槽2内からの排ガスを加熱する脱臭機ヒータ32と、該脱臭機ヒータ32により加熱された排ガスを通過させて脱臭処理する脱臭触媒33と、該脱臭触媒33通過後の排ガスと脱臭機ヒータ32投入前の排ガスとの間の熱交換を行うガス−ガスヒータ41と、脱臭触媒33通過後の排ガスと処理槽2導入前の外気との間の熱交換を行うガス−エアヒータ51とを備え、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスの流路34aを、ガス−ガスヒータ41における脱臭機ヒータ32投入前の排ガスが通過する流路42aと、ガス−エアヒータ51における処理槽2導入前の外気が通過する流路52aとで挟み込むように配置したものである。
【0042】
この構成によれば、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスの熱が、その流路34aを形成する隔壁(前後壁35,36)を介して、各熱交換器41,51における流路42a,52a内の脱臭機ヒータ32投入前の排ガス、又は処理槽2導入前の外気に伝達される。これら排ガス又は外気は、各熱交換器41,51において昇温されるべき気体であるため、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスの熱が無駄にならない。
【0043】
また、加熱脱臭機31は、その左右から各ウインドボックス21,22によっても挟み込まれると共に、その下方には処理槽2が近接配置されることで、そのケーシング34の上壁37のみが外部に露出することとなり、該上壁37に断熱処置を施すことのみで、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスからの放熱を効果的に抑えることができる。
【0044】
すなわち、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33の周囲の断熱処理を簡易なものとして当該装置1の重量及びコストの低減を図りつつ、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を通過する際の排ガスからの無駄な放熱を抑えて効率良く排熱を利用することができる。
しかも、高温状態となる脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33が内側に配置されることで、当該装置1の外表面温度の上昇を抑えることができる。
【0045】
また、上記生ごみ処理装置1においては、脱臭機ヒータ32及び脱臭触媒33を収容すると共に両側に各熱交換器41,51を隣接させるケーシング34を備え、該ケーシング34における熱交換器非隣接部である上壁37に、脱臭機ヒータ32用の端子部32bを設けたことで、脱臭機ヒータ32用の端子部32bに邪魔されることなく、ケーシング34の両側に各熱交換器41,51を隣接配置することが可能となる。
すなわち、ケーシング34両側への各熱換器41,51の配置を容易にして当該装置1の小型化を図ることができる。
【0046】
しかも、上記生ごみ処理装置1においては、ガス−ガスヒータ41におけるガス導入管45がケーシング42の上壁(すなわち前記端子部32bと同側となる部位)に設けられると共に、ガス−エアヒータ51における外気導入管55及び外気排出管56も同じくケーシング52の上壁に設けられることで、端子部32bへの配線作業と、ガス導入管45、外気導入管55、及び外気排出管56への配管作業とを同一方向から行うことが可能となる。
すなわち、配線及び配管を一側に集約することで、当該装置1の小型化を図ると共にメンテナンス性の向上を図ることができる。
【0047】
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば生ごみ処理装置以外にも、食品残渣及び汚泥等の有機性廃棄物を好気性微生物により分解処理する処理装置であれば適用可能である。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の実施例における生ごみ処理装置の構成図である。
【図2】上記生ごみ処理装置の冷間からの起動時の説明図である。
【図3】上記生ごみ処理装置の給排気システムの要部を示す斜視図である。
【図4】上記給排気システムの要部の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0049】
1 生ごみ処理装置(有機性廃棄物処理装置)
2 処理槽
32 脱臭機ヒータ(ヒータ)
32b 端子部
33 脱臭触媒
34 ケーシング
34a,42a,52a 流路
37 上壁
41 ガス−ガスヒータ(排気間熱交換器)
51 ガス−エアヒータ(給排気間熱交換器)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内の有機性廃棄物を好気性微生物の作用により分解処理する有機性廃棄物処理装置において、
前記処理槽内からの排ガスを加熱するヒータと、該ヒータにより加熱された排ガスを通過させて脱臭処理する脱臭触媒と、該脱臭触媒通過後の排ガスと前記ヒータ投入前の排ガスとの間の熱交換を行う排気間熱交換器と、前記脱臭触媒通過後の排ガスと前記処理槽導入前の外気との間の熱交換を行う給排気間熱交換器とを備え、
前記ヒータ及び脱臭触媒を通過する際の排ガスの流路を、前記排気間熱交換器におけるヒータ投入前の排ガスが通過する流路と、前記給排気間熱交換器における処理槽導入前の外気が通過する流路とで挟み込むように配置したことを特徴とする有機性廃棄物処理装置。
【請求項2】
前記ヒータ及び脱臭触媒を収容すると共に両側に前記各熱交換器を隣接させるケーシングを備え、該ケーシングにおける熱交換器非隣接部に、前記ヒータ用の端子部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の有機性廃棄物処理装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−289204(P2006−289204A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−110650(P2005−110650)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】