説明

有機物の微生物による分解処理方法と分解処理装置

【課題】有機物をミクロンレベルまで超微細化して、移動する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコに分散供給することで大量に短時間で微生物分解処理する。
【解決手段】有機物の微生物による分解処理装置1は、有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流W1による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化装置10と、大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップCを容器内で移動させる装置1Cと、超微細化された有機物を含む水流を容器内で植物性チップCに分散供給する散水管1Dとを有しており、容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を容器内における植物性チップCの移動中に微生物によって分解処理するようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品残渣や汚泥などの有機物を超微細化して発酵菌などの微生物の菌床としての移動する植物性チップ及び/又はオガコに分散供給することで分解処理する有機物の微生物による分解処理方法と分解処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品加工や畜産、一般家庭からの廃棄物には多量の有機物を含み、しかも有機物系廃棄物は、微細な固形物でありながら液状ないしはスラリー(流動物)状になっているものが多い。例えば、豆腐製造の副生成物の「おから」や、酒粕や醤油粕や油粕、畜産農家や牧場から排出される家畜の糞尿、家庭やレストランやホテルなどからの生ゴミや賞味期限食品、廃水処理装置の汚泥などがあり、これらは、肥料に再生利用されるものもあるが、大部分は焼却処分されているのが現状である。
【0003】
これらの流動廃棄物は、種々の形態の成分を含んでおり、これらを例えば肥料として利用するには、乾燥した粉末や顆粒やペレットなどの状態に加工するのが好ましいが、このためには、細かく粉砕ないし微細化する必要がある。上記のような廃棄物には、野菜の葉軸や根茎、畜糞中の藁などの相対的に長い繊維物や、硬い骨質などを含み、更に油脂や志望などの脂質も含んでいるために、乾燥を容易にして造粒するために、それらを粉砕して微細化する必要がある。しかも、これらの廃棄物は、通常多量の水分を含んでいるので、その処理には液体中に含まれたままで微細化され、微生物によって分解処理されることが要求される。
【0004】
有機物を微生物によって分解処理する先行技術がある(特許文献1参照)。特許文献1には、処理容器内に収容された植物性チップに常温発酵菌群とそれらの一次栄養源が混入され、糞尿などの一次栄養源によって発酵菌群を増殖すると共に撹拌装置によって植物性チップ同士を擦り合わせて無数の傷を生じさせて、それら傷によって発酵菌群による分解処理を早めるようにした植物性チップの分解装置とその分解方法とが開示されている。
【特許文献1】特開平8−132009号公報
【0005】
その微生物による分解処理は、パルプ工業界から排出されるセルロースやリグニンを分解処理するために、植物性チップの表面同士を擦り合わせて作った無数の傷から大量の常温発酵菌群を内部へと進入させて迅速に分解処理するものであるが、分解処理過程では無数の発酵菌群が生息する菌床でしかなく、超微細な微生物にとって依然として比表面積が(m2 /g)小さくて分解処理には時間の掛かるものであった。そこで、本願発明者は、そのような植物性チップは、無数の発酵菌群が生息する菌床として利用して、超微細化で大きな比表面積とした有機物を短時間で急速分解処理することを検討するに至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の目的は、有機物をミクロンレベルまで超微細化して比表面積を大幅に大きくして、菌床としての植物性チップ及び/又はオガコに混入することで発酵菌などの微生物によって大量の有機物を短時間で急速分解処理することができる有機物の微生物による分解処理方法と分解処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る有機物の微生物による分解処理方法は、
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する工程と、
大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを容器内で移動させる工程と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する工程と、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理する工程とを有していることを特徴としている。
【0008】
前記移動工程は、前記容器の一方側の供給部から他方側の排出部へ植物性チップ及び/又はオガコを比較的ゆっくりと移動させる低速移動と、排出部から供給部へ比較的速く移動させる高速移動とを含んだ循環移動を行うことができる。
更に、本発明に係る有機物の微生物による分解処理方法は、大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給する工程を有することができる。
【0009】
本発明の第一実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
上部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、下部に排出部とを有した竪形容器と、
前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部から排出部へ移動させる手段と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴としている。
【0010】
本発明の第一実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、更に、前記容器の前記排出部から容器の横外側へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送する横コンベヤと、該横コンベヤから供給された植物性チップ及び/又はオガコを前記容器の供給部に持ち揚げる竪コンベヤとを有した循環移動手段を有することができる。
前記横コンベヤは、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給する補給口を有することができる。
【0011】
本発明の第二実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有した横長容器と、
前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを、送り抵抗が大きく、戻り抵抗が小さい往復動部材によって供給部から排出部へ移動させる手段と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴としている。
【0012】
本発明の第二実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を有することができる。
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給される。
【0013】
本発明の第三実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有し、少なくとも2対の支持ローラによって回転可能に支持された横長円筒容器と、
該横長円筒容器を回転駆動する回転駆動手段と、
該回転駆動手段による回転方向に対して前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部から排出部へ移動させるように前記容器の内面に取り付けられた螺旋部材と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴としている。
【0014】
本発明の第三実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を有することができる。
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給される。
【0015】
前記超微細化装置は、間に超微細化室を形成するように互いに向かい合って隔設され、共通の中心軸線周りで相対回転する一対の円盤と、
該各円盤の中心軸線に沿って円盤の外側に取り付けられた支持軸と、
該支持軸の少なくともの一方を介して、前記円盤を500から1000rpmの相対回転速度で回転駆動する回転駆動手段と、
前記支持軸の少なくともの一方を介して前記超微細化室内に被処理流体を供給する被処理流体の供給手段と、
前記円盤の向かい合った各内面に、相対回転中に互いに当らないように突出された突起と、
前記超微細化室内に導入された被処理流体の流体クラスター及び/又はその浮遊物が、前記円盤の相対回転による前記突起を介した撹拌で誘発される剪断作用と衝撃作用と溶解空気によるキャビテーション作用によってミクロンのレベルまで必要な粒度に超微細化された後で超微細化室から排出する排出手段と、
前記円盤間の超微細化室からの流体漏れをシールするシール手段と、
前記被処理流体の供給手段に空気を気泡として導入する手段と、から構成されていることを特徴としている。
【0016】
前記超微細化装置は、立面視で略逆U字形状に中央上部で互いに連通状態で結合し、湾曲上部と有底の垂直下部とから成り、中央上部に余剰流体を排出する排出管が接続されている略逆J字形状の複数の外筒体と、
各外筒体の垂直下部の内部において間に環状空間を形成するように垂直下部の底に固定された有底の垂直内筒体と、
前記複数の外筒体のいずれかの環状空間に固形状の被処理物を含んだ高速流体を供給して好ましくは8m/秒以上の平面視で時計方向か、又は反時計方向の高速旋回流を発生する第一高圧ポンプ及び配管と、
高速流体が供給される外筒体の内筒体の底部から、該内筒体の開放上縁を越えて底に落下し流入してくる流体を吸引して、前記いずれか以外の外筒体の環状空間に被処理物を含んだ高速流体を供給して好ましくは8m/秒以上の平面視で反時計方向か、又は時計方向の高速旋回流を発生する第二高圧ポンプ及び配管と、
前記いずれか以外の外筒体の内筒体の底部から、該内筒体の開放上縁を越えて底に落下し流入してくる流体を排出する配管と、
該流体排出配管に設けられた排出量調節手段と、
前記第一高圧ポンプからの配管と、前記第二高圧ポンプまでの配管と、前記排出の配管とに各々配置された開閉弁と、
前記第一高圧ポンプからの配管に設けられ、高速流体に空気を混入するエゼクターと、から構成されており、
前記高速流体が含有している被処理物は、前記環状空間における高速旋回流が発生する剪断作用と前記内筒体の底への流体の落下による衝撃力によってミクロンのレベルまで超微細化される。
【0017】
前記超微細化手段は、そのケーシングの外壁を円筒状に形成し、そのケーシング内部に同心状に、又は筒壁同士が接触せずに流路を形成する程度に偏心状に内部円筒壁を隔設し、内部円筒壁をケーシング底壁と結合し且つケーシング天井壁に対して隙間を形成することで、円筒状外壁と内部円筒壁とで形成した環状流路と内部円筒壁の内部とを前記隙間を介して連通しており、また高圧ポンプによって貯留槽から前記内部円筒壁の内部に有機物を含有した第一高速度水流が供給され、次いで該内部円筒壁の内部から高圧ポンプによって吸引されて高速度で吐出されて形成される有機物を含有した第二高速度水流が第二水導入部において前記環状流路に供給されて、次いで前記内部円筒壁の上端からその内部に急激に落下されてケーシング底壁に激突させるようにしており、前記環状流路と前記内部円筒壁の内部に渡って形成した循環流路において水流中の有機物を破壊し、有機物を超微細化した処理水を前記環状流路から一部分抜いて前記貯留槽に供給される構造を有することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果として、本発明に係る有機物の微生物による分解処理方法では、食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する工程によって、水流中の浮遊有機物がミクロンレベルの粒子に超微細化されることになる。このレベルまで有機物粒子が超微細化されると大幅に単位表面積が大きくなり、移動している発酵菌などの菌床の植物性チップ及び/又はオガコに散水管を介して分散供給すると、周囲から極めて多数の発酵菌が付着して、短時間で大量の有機物粒子を摂取し、増殖し、その発酵過程で炭酸ガスと熱等に効率的に分解消費される。因みに、半径が1mmの球状有機物の比表面積が0.00120m2 /gにすぎなかったものが、半径が0.0001mmの球状に微細化されているとすると、比表面積は12.0m2 /gと1万倍にも成り、従って1万倍の数の発酵菌が表面に付着することができて、発酵菌を効率的に極めて大量に培養でき、且つ短時間で大量の有機物粒子を分解処理できる。
【0019】
前記移動工程が、前記容器の一方側の供給部から他方側の排出部へ植物性チップ及び/又はオガコを比較的ゆっくりと移動させる低速移動と、排出部から供給部へ比較的速く移動させる高速移動とを含んだ循環移動を行うと、移動経路を長く取ることができ、大量の有機物の微生物分解処理を促進でき、また菌床の植物性チップ及び/又はオガコを繰り返し有効活用できる。
更に、本発明に係る有機物の微生物による分解処理方法では、大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給することで、植物性チップ及び/又はオガコ自身も微生物分解によって処理することができる。
【0020】
本発明の第一実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置では、超微細化手段によって食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用により機械的にミクロンレベルまで超微細化し、大幅に単位表面積が大きくできる。超微細化された有機物を含む水流を散水管を介して竪形容器内で上部の供給部から下部の排出部へ移動する発酵菌などの菌床の植物性チップ及び/又はオガコに散水管を介して分散供給すると、周囲から極めて多数の発酵菌が付着して、短時間で大量の有機物粒子を摂取し、増殖し、その発酵過程で炭酸ガスと熱等に効率的に分解消費される。因みに、半径が1mmの球状有機物の比表面積が0.00120m2 /gにすぎなかったものが、半径が0.0001mmの球状に微細化されているとすると、比表面積は12.0m2 /gと1万倍にも成り、従って1万倍の数の発酵菌が表面に付着することができて、発酵菌を効率的に極めて大量に培養でき、且つ短時間で大量の有機物粒子を分解処理できる。また竪形容器を採用することで、占有面積を小さくでき、植物性チップやオガコの移動を重力で行うことで移動を省いたり簡素化でき、また超微細化された有機物を含む水流を複数段の散水管を介して行うことができる。
【0021】
本発明の第一実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置では、更に、前記容器の前記排出部から容器の横外側へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送する横コンベヤと、該横コンベヤから供給された植物性チップ及び/又はオガコを前記容器の供給部に持ち揚げる竪コンベヤとを有した循環移動手段を設けると、移動経路を長く取ることができ、大量の有機物の微生物分解処理を促進でき、また菌床の植物性チップ及び/又はオガコを繰り返し有効活用できる。
前記横コンベヤは、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給する補給口を設けると、植物性チップ及び/又はオガコ自身も微生物分解によって処理することができる。
【0022】
本発明の第二実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置では、超微細化手段によって食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化し、大幅に単位表面積が大きくできる。一方端部に大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有した横長容器内において、前記植物性チップ及び/又はオガコを、送り抵抗が大きく、戻り抵抗が小さい往復動部材によって供給部から排出部へ移動させ、散水管を介して前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給することで、周囲から極めて多数の発酵菌が付着して、短時間で大量の有機物粒子を摂取し、増殖し、その発酵過程で炭酸ガスと熱等に効率的に分解消費される。因みに、半径が1mmの球状有機物の比表面積が0.00120m2 /gにすぎなかったものが、半径が0.0001mmの球状に微細化されているとすると、比表面積は12.0m2 /gと1万倍にも成り、従って1万倍の数の発酵菌が表面に付着することができて、発酵菌を効率的に極めて大量に培養でき、且つ短時間で大量の有機物粒子を分解処理できる。また横長容器内に往復動部材を採用することで、植物性チップ/オガコの移動や撹拌を容易に制御できるようになる。
【0023】
本発明の第二実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置では、更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を設けると、移動経路を長く取ることができ、大量の有機物の微生物分解処理を促進でき、また菌床の植物性チップ及び/又はオガコを繰り返し有効活用できる。
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給されると、植物性チップ及び/又はオガコ自身も微生物分解によって処理できる。
【0024】
本発明の第三実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置では、超微細化手段によって食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、好ましくは8m/秒以上の高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化し、大幅に単位表面積が大きくできる。一方端部に大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有し、少なくとも2対の支持ローラによって回転可能に支持された横長容器内において、回転駆動手段による回転方向に対して前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部から排出部へ移動させるように前記容器の内面に取り付けられた螺旋部材によって天地返しに近い大きな撹拌を行うことができ、そこに散水管を介して前記超微細化された有機物を含む水流を分散供給することで、周囲から極めて多数の発酵菌が付着して、短時間で大量の有機物粒子を摂取し、増殖し、その発酵過程で炭酸ガスと熱等に効率的に分解消費される。因みに、半径が1mmの球状有機物の比表面積が0.00120m2 /gにすぎなかったものが、半径が0.0001mmの球状に微細化されているとすると、比表面積は12.0m2 /gと1万倍にも成り、従って1万倍の数の発酵菌が表面に付着することができて、発酵菌を効率的に極めて大量に培養でき、且つ短時間で大量の有機物粒子を分解処理できる。また回転可能な横長容器を採用することで、螺旋部材の螺旋ピッチや幅、連続性や分断状態を変えることで、植物性チップ/オガコの移動や撹拌を制御できるようになる。
【0025】
本発明の第三実施例に係る有機物の微生物による分解処理装置は、更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を設けると、移動経路を長く取ることができ、大量の有機物の微生物分解処理を促進でき、また菌床の植物性チップ及び/又はオガコを繰り返し有効活用できる。
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給されると、植物性チップ及び/又はオガコ自身も微生物分解によって処理できる。
【0026】
第一例の超微細化装置では、間に超微細化室を形成するように互いに向かい合って隔設され、共通の中心軸線周りで相対回転する一対の円盤は、その中心軸線に沿って円盤の外側に取り付けられた支持軸の少なくともの一方を介して500から1000rpmの相対回転速度で回転駆動手段によって回転駆動され、前記支持軸の少なくともの一方を介して前記超微細化室内に供給手段によって供給された被処理流体を前記円盤の向かい合った各内面から相対回転中に互いに当らないように突出された突起によって強力に撹拌し、被処理流体の流体クラスター及び/又はその浮遊物を、前記円盤の相対回転による前記突起を介した撹拌で誘発される剪断作用(好ましくは8m/秒以上の高速度で移動する突起の側面に付着した流体と表面近くの層流との間に起きる)と衝撃作用(好ましくは8m/秒以上の高速度で移動する突起に被処理流体が当って起きる)と溶解空気によるキャビテーション作用(好ましくは8m/秒以上の高速度で移動する突起の後面で生じる剥離流の真空部に起きる)によってミクロンのレベルまで必要な粒度に短時間で超微細化し、その後に超微細化室から排出手段を介して排出するものであり、動物性有機物を含む広範囲の種類の浮遊固形物や水などの被処理物に対して連続的に且つ効率的に短時間で、ミクロンのレベルまでの所望の粒度に微細化できる、また排出手段の排出量を制限することで必要に応じて超微細化を繰り返すこともでき、また作動も円盤の単純な回転運動だけで構造が比較的簡単で耐久性の大きな装置とすることができる。浮遊固形物がミクロンのレベルまで、例えば半径1mmの球状の被処理物が半径0.1ミクロンに超微細化されると、単位重量当りの表面積(比表面積)はほぼ1万倍にも成り、その超微細化後に発酵菌などの処理微生物や薬品によって処理すると格段に拡大した表面積に対して極めて効率的に処理作用を受けることになる。前記円盤間の超微細化室からの流体漏れをシールするシール手段によって、超微細化室からの被処理流体の漏れを最小限度に抑えることができる。また前記被処理流体の供給手段に空気を気泡として導入する手段を有することで、被処理流体中への空気混入率を高めてキャビテーション作用や、後処理の曝気処理などの効果を高めることができる。
【0027】
第二例の超微細化装置では、二連式の逆U字状態の構造に構成されているために、前記高速流体が含有している有機物が、環状空間における高速旋回流が発生する剪断作用と内筒体の底への流体の落下による衝撃力によって高速流で搬送されながら連続的に且つ効率的にミクロンのレベルまで超微細化される。例えば半径1mmの球状の被処理物が半径0.1ミクロンに超微細化されると、単位重量当りの表面積(比表面積)はほぼ1万倍にも成り、発酵菌などの処理微生物や薬品によって極めて効率的に処理作用を受けることになる。また、前記いずれか以外の外筒体の内筒体の底部からの流体排出配管に設けられた排出量調節手段によってその流体排出量を絞ると外筒体同士が略逆U字形状に中央上部で互いに連通状態で結合しているために、前記いずれかの外筒体側に高速旋回しながら旋回方向で干渉しないように旋回方向が反転して流入し、被処理物は所望の粒度まで繰り返し超微細化の作用を受ける。被処理物は、外筒体の内面に付着した流体層とそれに近接した高速旋回流層との間での剪断作用を受けたり、また内筒体の底への落下激突によって超微細化されるために、単純に肉厚を厚くすることで構造が簡単で耐久性の大きな装置にすることができる。第一高圧ポンプからの配管と、第二高圧ポンプまでの配管と、前記排出の配管とには、各々開閉弁が配置され、第一高圧ポンプからの配管の開閉弁によって流体の供給量を調節できると共に、装置の緊急時に流体供給を止めることができる。また第二高圧ポンプまでの配管の開閉弁によって供給流体に対応して上記いずれかの環状空間において最適な高速旋回流が形成されるように上記いずれかの内筒体からの吸引量を調節できる。また排出の配管の開閉弁によって流体排出量を絞ると上記いずれか以外の外筒体から前記いずれかの外筒体へ流体を高速旋回させながら戻すことができ、また前記いずれかの外筒体及び内筒体と前記いずれか以外の外筒体及び内筒体による超微細化作用で所定の超微細化が達成された場合は、第一高圧ポンプからの供給量よりも多く排出できる状態に排出の配管の開閉弁を設定できる。
【0028】
第三例の超微細化装置は、そのケーシングの外壁を円筒状に形成し、そのケーシング内部に同心状に、又は筒壁同士が接触せずに流路を形成する程度に偏心状に内部円筒壁を隔設すると、壁と内部円筒壁との間に環状流路が形成され、そこに供給される好ましくは8m/秒以上の高速度水流は流れ方向が常に変化して強力な遠心力を発生させて、外側壁面に強く当って大きな圧縮力と壁面の層流間に剪断力を生じさせ、同時に内側壁面からの層流剥離によってキャビテーションを生じさせて、水クラスターと汚泥の超微細化、即ち汚泥の細菌死骸や有機物の細胞膜の破壊と細胞質の超微細化を促進できる。円形環状流路では水流の流速の維持が比較的容易である。また内部円筒壁をケーシング底壁に結合し且つケーシング天井壁に対して隙間を形成することで、円筒状外壁と内部円筒壁とで形成した環状流路と内部円筒壁の内部とを上記隙間を介して連通し、高速度の水流が環状流路から、また同時に高圧ポンプから供給されてくる水流が内部円筒壁の内部に落下して、ケーシング底壁に激突して衝撃力によって水のクラスターと気泡の超微細化を促進する。また高圧ポンプによって内部円筒壁の内部から水を吸引するので、その内部に落下する水流の上記衝撃力をより強いものにできる。高圧ポンプによって吸引されて高速度で吐出されて形成される第二高速度水流が前記環状流路に供給されることで、環状流路と内部円筒壁の内部に渡って循環流路を形成することになり、循環中に繰り返し水のクラスターの超微細化と水流中の汚泥細菌死骸の細胞膜の破壊と内部の細胞質の超微細化を行うことができる。超微細化された汚泥の細菌死骸を含有した処理水は環状流路から一部分抜いて槽に供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明の有機物の微生物による分解処理方法を実現する実施形態に係る有機物の微生物による分解処理装置を図面によって説明する。
図1と図2において、本発明の第一実施形態の有機物の微生物による分解処理装置1は、食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて貯留する貯留槽5から水中高圧ポンプ1Pによって好ましくは8m/秒以上の、好ましくは約20m/秒の高速水流W1による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用及び水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する後述の超微細化装置10、20、30と、上部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップCを供給する供給部11bと、逆円錐状底部の中央に排出部12bとを有した竪形円筒容器1Bと、該容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部11bから排出部12bへ自重で移動させ、ブリッジ現象を防止して排出を促進する底部スクリューコンベヤ1C(周囲方向に90度間隔で4組)と、超微細化された有機物を含む水流W3を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する上段と中段の散水管1Dと、これら散水管を支持すると共にそれらに超微細化された有機物を含む水流W3を供給する回転中央中空軸1Eと、前記容器の前記排出部から容器の横外側へ植物性チップCを搬送する横コンベヤ11fと、該横コンベヤから供給された植物性チップCを前記容器の前記供給部に持ち揚げる竪コンベヤ12fとを有した循環移動装置1Fとを有している。
【0030】
中空軸1Eは、容器1Bの天井板に固定搭載されたスラスト軸受11eによって回転可能に垂下状態で支持されており、また容器1Bの天井板に固定搭載されたインバータモータ1Mによって回転速度変更可能に回転駆動され、スラスト軸受11eとモータ1Mとの間に備えた回転流体継ぎ手12eを介して前記水流W3が中空部に供給され、上段と中段の散水管1Dの間に自重で下がるが回転駆動される撹拌ならしアーム1Gを、下端に撹拌羽根1Hを各々有している。中空軸1Eは、下部で容器内面に搭載された支持棒で保持された振れ防止の軸受1Iで軸承されている。横コンベヤ11fは、一端部に新しい植物性チップC’を補給する補給口11f’を有し、中央で前記容器1Bの排出部12bに接続し、他端部で竪コンベヤ12fの下端部内に接続している。コンベヤ11f、12fの駆動モータは、回転速度変更可能なインバータモータ1Mとなっている。容器1Bの天井板に微生物分解処理中に発生する炭酸ガスを抜く弁付きパイプ13bが搭載されている。
【0031】
図3と図4において、本発明の第二実施形態の有機物の微生物による分解処理装置2は、第一実施形態のものと同様な超微細化装置10、20、30と、一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップCを供給する供給部21bと他方端部に排出部22bとを有した横長のほぼ直方体状容器2Bと、該容器内において前記植物性チップCを、送り抵抗が大きく且つ戻り抵抗が小さい横断面が直角三角形の複数列の複数個の往復動部材21c、・・・によって供給部から排出部へ移動させる往復動装置2Cと、超微細化された有機物を含む水流W3を容器内で植物性チップCの上から分散供給するように容器2Bの天井板の内面に配管された散水管2Dと、容器の排出部22bから容器の供給部21bへ植物性チップCを搬送するコンベヤから成る循環移動装置2Fを有している。
【0032】
往復動装置2Cは、容器外の一方側でブラケットに揺動可能に支持された油圧シリンダー22cと、その出力軸に連接された往復動棒23cに間隔をあけて固定搭載された前記往復動部材21c、・・・と、油圧発生・制御装置(図示は省略)とを有している。往復動棒23cの他方側は、容器外の他方側のブラケットにレバーを介して揺動可能に支持されている。従って、往復動部材21c、・・・は往復動中に若干上下動し、撹拌も兼務する。図示例では、往復動装置2Cは互いに逆方向に往復動する3列の往復動部材21c、・・・を有しているが、皆同方向に同時に往復動するようにしてもよいし、ランダムなタイミングで往復動するようにしてもよい。また油圧シリンダー22cは、送りをかける往動時にはゆっくりと作動し、戻る復動時には早く作動して送ったチップCの連れ戻し量を少なくするように油圧供給ポートの絞り制御が行われる。発酵菌などの微生物が生息する菌床としての新しい植物性チップC’の補給は、供給部21bで行われる。生物分解処理中に発生する炭酸ガスを抜く弁付きパイプ23bが容器2Bの天井板に搭載されている。
【0033】
図5において、本発明の第三実施形態の有機物の微生物による分解処理装置3は、第一実施形態のものと同様な超微細化装置10、20、30と、一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップCを供給する供給部31bを備えた固定フード34bと、他方端部に排出部32bを備えた固定フード35bとの間で、これらフード34b、35bに各々前後端部を回転可能にシール状態で差し込んで前後2対の支持ローラ36bによって回転可能に支持された横長円筒容器3Bと、該横長円筒容器を回転駆動する回転駆動装置37bと、該回転駆動装置37bによる回転方向に対して前記容器内において植物性チップCを供給部側から排出部側へ移動させるように容器内面に取り付けられた螺旋部材3Cと、超微細化された有機物を含む水流W3を容器内で植物性チップC上に分散供給する散水管3Dと、容器の排出部32bから容器の供給部31bへ植物性チップを搬送するコンベヤから成る循環移動装置3Fとを有している。
【0034】
横長円筒容器3Bは、水平状態でも、排出部側を下げた傾斜状態でもよい。螺旋部材3Cは、一条の螺子のように連続した螺旋帯鋼材で形成されているが、複数条でもよく、また断続的でもよい。回転駆動装置37bは、容器外周に固定搭載されたリング歯車と、これに噛合するピニオンと、このピニオンを回転駆動するインバータモータM1とを有しており、回転で内部の植物性チップCの撹拌も行う。散水管3Dは、横長円筒容器3Bの長手軸線の近くにおいて前後の固定フード34b、35bに支持されており、前記処理水流W3を供給部側で多く分散供給するようにしている。新しい植物性チップC’の補給は、供給部31bで行われる。生物分解処理中に発生する炭酸ガスを抜く弁付きパイプ33bがフード35の天井板に搭載されている。
【0035】
発酵菌は、現地で採取されたラクトバチルス菌などの発酵菌種を糖蜜を含む栄養物で培養増殖したものが利用される。発酵菌としては、ラクトバチルス菌などの乳酸菌や酵母菌や酪酸菌や納豆菌が一般的に知られている。ラクトバチルス菌などの発酵菌種は、有機物の処理現場や発酵菌の培養現場で採取されたものが、その現場での気候風土で生存してきたもので好ましく、細菌生存圏にできるだけ余計な摩擦をもたらさないようにして存分に効力を発揮できる丈夫な発酵菌種を得ることができる。また培養槽には、共生関係を取る光合成菌が添加されると、互いに必要とする物質を供給しあって培養を早めてくれるほか、光合成菌は腐敗菌が発生させる悪臭物質を栄養源として摂取してくれ、次に説明するように発酵菌が増殖力を高める。即ち、光合成菌は、アミノ酸やミネラルやビタミン等の優れた栄養分に富んでいて菌体自身が有機肥料としても有用であるが、腐敗物に会うと硫酸還元菌が発生させる硫化水素を栄養源として積極的に摂取するばかりでなく、有毒アミンであるプトレシンやカタベリン、また発癌催奇性のジメチルニトロサミンも好んで基質として摂取して分解除去してくれる。
【0036】
図6と図7において、第一実施例の超微細化装置10は、有機物や汚泥を固形被処理物として含んだ被処理流体W1が貯留槽5から水中ポンプ1Pによって供給され、固形被処理物と水のクラスターを超微細化し、超微細化された処理済み流体WAを貯留槽5に戻すものであり、間に超微細化室6を形成するように互いに平行に向かい合って隔設され、共通の水平な中心軸線xの周りで相対回転するように互いに向かい合った一対の円盤11、12と、それらの中心軸線xに沿って円盤11、21の外側に取り付けられた支持軸11A、12Aと、それら支持軸の一方12Aを介して500から1000rpmの相対回転速度でシアーピン継手12Bを介して可変速度で回転駆動するインバータモータM1と、前記支持軸の他方の固定支持軸11Aの内部通路11Bを介して超微細化室6内にポンプPによって送られてくる被処理流体を供給する供給部13と、該供給部に設けられ、被処理流体Wの高速流によってベンチュリー管路のスロート部14Aで導管14Bから空気を気泡として被処理流体Wに導入するエゼクタ14と、超微細化室5の内部に供給された被処理流体W1を撹拌するように円盤11、12の向かい合った各内面から相対回転中に互いに当らないように突出された複数の突起11C、12Cと、それら突起による強力な撹拌によって、被処理流体Wの流体クラスターと浮遊有機物をその撹拌で誘発される剪断作用と衝撃作用と溶解空気によるキャビテーション作用によりミクロンのレベルまでの必要な粒度に短時間で微細化し、その後に超微細化室5から排出する排出部15と、相対回転する円盤11、12間からの被処理流体の漏れを防ぐシール部16とから構成されている。
【0037】
供給部13は、被処理流体の貯留槽の水中ポンプと固定支持軸11Aの内部通路11Bと本装置1のポンプ部とから構成されており、一旦水中ポンプで超微細化室6に被処理流体Wが供給されると本装置1の超微細化室6内でのポンプ作用(円盤や突起から受ける遠心力を利用したポンプ部)によって連続的に被処理流体W1が貯留槽から吸引される(運転開始時には導管14Bは、その弁によって閉じられており、運転が安定してから開放される)。排出部15の排出ダクト15Aは、固定円盤11の周囲壁11Dの一部分に一体的に形成されている。排出ダクト15Aには処理済み流体の排出量を制御する弁V1が設けられており、弁V1を絞ることで超微細化室6内での被処理流体W1に対する超微細化の時間を長くとることができ、超微細化を促進できる。シール部16は、回転円盤12の周囲面の細かな凹凸と固定円盤11の周囲壁11Dの縁部の細かな凹凸凹とからなるラビリンス構造で構成される。更にシール性能を高めるために、固定円盤11の周囲壁11Dを延長して回転支持軸12Aに接近させて、ラビリンス構造を追加してもよい。固定円盤11の周囲壁11Dの内面に凹凸11Eや刻目を設けて剪断作用と衝撃作用とキャビテーション作用を高めるようにしている。
【0038】
突起11C、12Cは、円盤12の回転中に対向したもの同士が当らないように、太さと長さ、及び交互の同心円に沿った位置が決めされているピン(図2で、ハッチング線入りが固定円盤11のピンとハッチング線入無しが回転円盤12のピン)から構成されている。対向した突起11C、12Cの間隔は、円盤12の回転速度に応じて決められる。
【0039】
第二実施例の2連設式超微細化装置20は、図8と図9において、被処理有機物を含んだ水流W1を貯留槽5から高圧水中ポンプ1Pによって供給され、立面視で略逆U字形状に中央上部で互いに連通状態で結合し、湾曲した上部21と有底23、26の垂直下部22、25とから成る略逆J字形状の二つの同直径の外円筒体20A、20Bと、各外円筒体20A、20Bの垂直下部22、25の内部において間に環状空間28、29を形成するように垂直下部の底23、26に同心状態で固定された有底23A、26の同直径の垂直内円筒体20C、20Dと、流体供給側の外円筒体20Aの環状空間28に被処理有機物を含んだ高速流体W1をほぼ接線方向から供給して平面視で反時計方向の好ましくは8m/秒以上の、好ましくは30から50m/秒の高速旋回流H1を発生する高圧水中ポンプから成る第一高圧ポンプ1P及び配管22’と、流体供給側の外円筒体20Aの内円筒体20Cの底部21Aから、該内円筒体20Cの開放上縁21Bを越えて底23Aに落下し流入してくる中間被処理水W1’を吸引して、流体排出側の外円筒体20Bの環状空間29に超微細化処理された有機物を含んだ高速流体W2をほぼ接線方向から供給して平面視で時計方向の好ましくは8m/秒以上の、好ましくは30から50m/秒の高速旋回流H2を発生する二系列の第二高圧ポンプ2P、2P及び配管22A、22Aと、流体排出側の外円筒体20Bの内円筒体20Dの底部26Aから、該内円筒体20Dの開放上縁27を越えて底26に落下し流入してくる処理水WAを貯留槽5へ戻す配管24と、第一高圧ポンプ1Pからの配管22’と、第二高圧ポンプ2Pまでの配管22Bと、排出配管24とに設けられた開閉弁1V、2V、3Vと、二つの外円筒体20A、20Bの結合中央上部21に接続されて余剰流体を槽5へ戻す余剰流体排出管24Aとから構成されている。
【0040】
各外円筒体20A、20Bの湾曲した上部21は、逆U字形状の一本の湾曲管で形成されている。流体供給側の内円筒体20Cは、その内部への流入を容易にするために高さを比較的低くし且つ落差を大きくするために底23Aを下げているのに対して、流体排出側の内円筒体20Dは、超微細化を繰り返す場合に流体供給側の環状空間28へ戻すために高速旋回流H2を上方へ案内するのに都合が良いように、また落差を大きくするために高さを高くしている。流体供給側の内円筒体20Cでは、その底部21Aから二台の第二ポンプ2P、2Pによって中間被処理水W1’が吸引されるので、開放上縁21Bを越えてくる中間被処理水W1’は底23Aに激しく衝突し、有機物や水クラスタの超微細化を強める。また、第一ポンプ1Pからの配管22’には、キャビテーション泡を多く発生したり、分解処理槽での好気性菌の活性化を図るために高速水流を利用して空気Aを吸引するエゼクターEが設けられている。更に、流体排出側の外円筒体20Bの内側には、その環状空間29内に突出量変更可能に突き出た複数の突出部材29Aを有しており、第二ポンプ2P、2Pによって発生された極めて高い高速旋回流H2を突出部材29Aに衝突させることでその背後に生じやすいキャビテーションや衝撃力を中間被処理水中の有機物に作用させることができる。高速旋回流H2の減速度やキャビテーション作用や衝撃力の調節は、突出部材29Aの数や突出量を変えることで行われる。流体排出側の外円筒体20Bと内円筒体20Dとは底26を共有している。
【0041】
中間被処理水W1’中の有機物と水の超微細化は、環状空間28、29における高速旋回流H1、H2が外円筒体20A、20Bの内面に付着した水層とそれに近接した高速旋回水流層との間で発生する剪断作用とそれに付随したキャビテーション作用と、中間被処理水W1’、W2’が内円筒体20C、20Dの底23A、26に落下して発生する衝撃力と、高速旋回流H2が突出部材28への衝突とによって達成される。被処理水中の有機物の種類や超微細化度に応じて、この2連設式超微細化装置20の運転モードを選択することができる。即ち、微細化の容易な有機物や緩い超微細化度に対応して繰り返し超微細化を行う必要が無い場合は、供給量と排出量が釣り合った状態で運転すればよいし、繰り返し超微細化を行う場合は、被処理水の供給量よりも排出量が少なくなるように排出配管24に設けられた開閉弁V3を絞ることで、流体排出側の環状空間29における高速旋回流H2が高速旋回しながら、環状空間28の高速旋回流H1と旋回干渉しないように旋回方向が反転して流体供給側の環状空間28に流入し、被処理物が所望の粒度まで繰り返し超微細化の作用を受けるように運転する。その場合は、供給量は排出配管24からの排出量と余剰流体用排出管24Aからの排出量と均衡される。第一ポンプ1Pからの配管22の開閉弁1Vは、供給量の調節と危急時の供給停止に使用され、また第二ポンプ2Pまでの各配管22Bの各開閉弁2Vは、高速旋回流H2の速度調節に使用され、また排出配管24に設けられた開閉弁3Vは、上述のように繰り返し超微細化を行うか、行わないかを制御するために使用される。
【0042】
第三実施例の二円筒式の汚泥超微細化装置30は、そのケーシング33の外壁33Aを円筒状に形成し、そのケーシング内部に同心状に内部円筒壁34を隔設し、内部円筒壁34の下端をケーシング底壁33Bに結合し且つケーシング天井壁33cに対して隙間Zを形成することで、円筒状外壁33Aと内部円筒壁34とで形成した環状流路35と内部円筒壁34の内部36とを隙間Zを介して連通している。また貯留槽5の内部の高圧水中ポンプ1Pによって供給されてくる有機物を含有した高速水流W1を第一水導入部のケーシング天井壁33Cの中央部の供給部31から内部円筒壁34の内部36に供給し、底壁33Bに水流W1’を衝突させている。次いで、本装置30は、内部円筒壁内部36の下部から第二ポンプP2’によって吸引され高速度で吐出されて形成される第二高速度水流W2’をケーシング外壁33Aの下部に設けた第二水導入部37から環状流路35にほぼ接線方向から供給し、次いで内部円筒壁34の上端の隙間Cからその内部36に急激に落下させてケーシング底壁33Bに激突させるようにしており、かくして、環状流路35と内部円筒壁内部36に渡って形成した循環流路において上述のような作用で水クラスターを超微細化すると共に水流中の汚泥と有機物を超微細化し、超微細な汚泥と有機物を含有した処理水WAをケーシング外壁33aの上部に設けた水排出部39において環状流路から一部分抜いて貯留槽5に戻す。供給部31には空気Aを流入させるエゼクターEを設けることができる。
【0043】
また水流W2’を繰り返し循環流路に通す度合いは、隙間Zを大きくしたり、水排出部39における水排出量を減らしたり、汚泥含有した廃水導入量を増やすことで、またそれらを複合的に組み合わせて高めることができ、繰り返し循環する度合いを低下させる場合は、それらの逆の調節を行う。ケーシング33Aは、底壁33Bを2段に分離しているが、底壁を内部円筒壁34の下端レベルに統合できることは言うまでもない。筒壁同士が接触せずに流通横断面の余り変化の無い流路35を形成する程度に偏心状に内部円筒壁34を設けることもできる。更に、ケーシング外壁33Aや、内部円筒壁34は、平坦部等の曲率変更部を部分的に有したり、内部円筒壁34に縦長のスリットを形成することができ、当該部分での衝撃力や剪断力を高めるように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の第一実施形態の有機物の微生物による分解処理装置の一部切り欠き概略断面立面図である。
【図2】同装置の平面図である。
【図3】本発明の第二実施形態の有機物の微生物による分解処理装置の一部切り欠き概略断面立面図である。
【図4】同装置の平面図である。
【図5】本発明の第三実施形態の有機物の微生物による分解処理装置の部分切り欠き概略立面図である。
【図6】第一実施例に係る流動物の超微細化装置を概略示した部分切り欠き立面図である。
【図7】図6におけるIIV−IIV線に沿った断面図である。
【図8】第二実施例に係る超微細化装置を示す部分切り欠き概略立面図である。
【図9】同超微細化装置の概略平面図である。
【図10】第三実施例に係る超微細化装置を示す部分切り欠き概略立面図である。
【符号の説明】
【0045】
1: 第一実施形態の有機物の微生物による分解処理装置
2: 第二実施形態の有機物の微生物による分解処理装置
3: 第三実施形態の有機物の微生物による分解処理装置
1B、2B、3B:容器
11b、21b、31b:供給部
12b、22b、32b:排出部
1C、2C、3C:移動させる手段
1D、2D、3D:散水管
1F、2F、3F:循環手段
11f:横コンベヤ
12f:竪コンベヤ
11f’、21b、31b:補給口(供給部)
10、20、30:超微細化装置
C:植物性チップ及び/又はオガコ
W1:高速水流



【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する工程と、
大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを容器内で移動させる工程と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する工程と、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理する工程とを有していることを特徴とする有機物の微生物による分解処理方法。
【請求項2】
前記移動工程は、前記容器の一方側の供給部から他方側の排出部へ植物性チップ及び/又はオガコを比較的ゆっくりと移動させる低速移動と、排出部から供給部へ比較的速く移動させる高速移動とを含んだ循環移動を行う請求項1記載の方法。
【請求項3】
更に、大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給する工程を有している請求項1記載の方法。
【請求項4】
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
上部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、下部に排出部とを有した竪形容器と、
前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部から排出部へ移動させる手段と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴とする有機物の微生物による分解処理装置。
【請求項5】
更に、前記容器の前記排出部から容器の横外側へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送する横コンベヤと、該横コンベヤから供給された植物性チップ及び/又はオガコを前記容器の供給部に持ち揚げる竪コンベヤとを有した循環移動手段を有している請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記横コンベヤは、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを前記容器内に補給する補給口を有している請求項5記載の方法。
【請求項7】
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有した横長容器と、
前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを、送り抵抗が大きく、戻り抵抗が小さい往復動部材によって供給部から排出部へ移動させる手段と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴とする有機物の微生物による分解処理装置。
【請求項8】
更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を有している請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給される請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
食品残渣や汚泥などの有機物を水流に浮遊させて、高速水流による剪断作用、流れ方向変更部での衝撃作用、及び/又は水流中の空気によるキャビテーション作用によって機械的にミクロンレベルまで超微細化する超微細化手段と、
一方端部で大量の発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコを供給する供給部と、他方端部に排出部とを有し、少なくとも2対の支持ローラによって回転可能に支持された横長円筒容器と、
該横長円筒容器を回転駆動する回転駆動手段と、
該回転駆動手段による回転方向に対して前記容器内において前記植物性チップ及び/又はオガコを供給部から排出部へ移動させるように前記容器の内面に取り付けられた螺旋部材と、
前記超微細化された有機物を含む水流を前記容器内で前記植物性チップ及び/又はオガコに分散供給する散水管とを有しており、
前記容器内で分散供給された水流内の超微細な有機物を前記容器内における前記植物性チップ及び/又はオガコの移動中に微生物によって分解処理することを特徴とする有機物の微生物による分解処理装置。
【請求項11】
更に、前記容器の前記排出部から前記容器の前記供給部へ植物性チップ及び/又はオガコを搬送するコンベヤから成る循環移動手段を有している請求項7記載の装置。
【請求項12】
前記供給部は、発酵菌などの微生物が生息する菌床としての植物性チップ及び/又はオガコが補給される請求項10又は11記載の装置。
【請求項13】
前記超微細化装置は、間に超微細化室を形成するように互いに向かい合って隔設され、共通の中心軸線周りで相対回転する一対の円盤と、
該各円盤の中心軸線に沿って円盤の外側に取り付けられた支持軸と、
該支持軸の少なくともの一方を介して、前記円盤を500から1000rpmの相対回転速度で回転駆動する回転駆動手段と、
前記支持軸の少なくともの一方を介して前記超微細化室内に被処理流体を供給する被処理流体の供給手段と、
前記円盤の向かい合った各内面に、相対回転中に互いに当らないように突出された突起と、
前記超微細化室内に導入された被処理流体の流体クラスター及び/又はその浮遊物が、前記円盤の相対回転による前記突起を介した撹拌で誘発される剪断作用と衝撃作用と溶解空気によるキャビテーション作用によってミクロンのレベルまで必要な粒度に超微細化された後で超微細化室から排出する排出手段と、
前記円盤間の超微細化室からの流体漏れをシールするシール手段と、
前記被処理流体の供給手段に空気を気泡として導入する手段と、から構成されている請求項4、7又は10記載の装置。
【請求項14】
前記超微細化装置は、立面視で略逆U字形状に中央上部で互いに連通状態で結合し、湾曲上部と有底の垂直下部とから成り、中央上部に余剰流体を排出する排出管が接続されている略逆J字形状の複数の外筒体と、
各外筒体の垂直下部の内部において間に環状空間を形成するように垂直下部の底に固定された有底の垂直内筒体と、
前記複数の外筒体のいずれかの環状空間に固形状の被処理物を含んだ高速流体を供給して平面視で時計方向か、又は反時計方向の高速旋回流を発生する第一高圧ポンプ及び配管と、
高速流体が供給される外筒体の内筒体の底部から、該内筒体の開放上縁を越えて底に落下し流入してくる流体を吸引して、前記いずれか以外の外筒体の環状空間に被処理物を含んだ高速流体を供給して平面視で反時計方向か、又は時計方向の高速旋回流を発生する第二高圧ポンプ及び配管と、
前記いずれか以外の外筒体の内筒体の底部から、該内筒体の開放上縁を越えて底に落下し流入してくる流体を排出する配管と、
該流体排出配管に設けられた排出量調節手段と、
前記第一高圧ポンプからの配管と、前記第二高圧ポンプまでの配管と、前記排出の配管とに各々配置された開閉弁と、
前記第一高圧ポンプからの配管に設けられ、高速流体に空気を混入するエゼクターと、から構成されており、
前記高速流体が含有している被処理物は、前記環状空間における高速旋回流が発生する剪断作用と前記内筒体の底への流体の落下による衝撃力によってミクロンのレベルまで超微細化される請求項4、7又は10記載の装置。
【請求項15】
前記超微細化手段は、そのケーシングの外壁を円筒状に形成し、そのケーシング内部に同心状に、又は筒壁同士が接触せずに流路を形成する程度に偏心状に内部円筒壁を隔設し、内部円筒壁をケーシング底壁と結合し且つケーシング天井壁に対して隙間を形成することで、円筒状外壁と内部円筒壁とで形成した環状流路と内部円筒壁の内部とを前記隙間を介して連通しており、また高圧ポンプによって貯留槽から前記内部円筒壁の内部に有機物を含有した第一高速度水流が供給され、次いで該内部円筒壁の内部から高圧ポンプによって吸引されて高速度で吐出されて形成される有機物を含有した第二高速度水流が第二水導入部において前記環状流路に供給されて、次いで前記内部円筒壁の上端からその内部に急激に落下されてケーシング底壁に激突させるようにしており、前記環状流路と前記内部円筒壁の内部に渡って形成した循環流路において水流中の有機物を破壊し、有機物を超微細化した処理水を前記環状流路から一部分抜いて前記貯留槽に供給される構造を有している請求項4、7又は10記載の装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−167622(P2006−167622A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−364541(P2004−364541)
【出願日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(591119624)株式会社御池鐵工所 (86)
【Fターム(参考)】