有機発光層形成方法
化学気相蒸着法または分子層蒸着法を用いて基板上に発光層を形成する方法に関し、該方法によれば、安定した蒸気圧特性を有する含アルミニウム物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質が、原料物質として用いられ、かつ、気化される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光層形成方法に係り、より詳細には、化学気相蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)あるいは分子層蒸着法(molecular layer deposition:MLD)を用いて有機発光層を量産できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光層はMqnからなり、ここで、Mは、アルミニウム、ガリウム及び亜鉛から選ばれたいずれかを表し、qは、8−ヒドロキシキノリンをア表し、nは、1〜3の整数を表す。
【0003】
なかでも、Alq3は、図1に示す構造を有する化合物で、有機EL素子において発光層として使われる代表的な物質である。従来、基板上にAlq3層を形成するための方法として、物理的蒸着法(PVD)の一つである熱蒸着方法を採用してきた。
【0004】
熱蒸着方法は、Mqn分子を反応炉に注入し、高温の熱を加えることで基板に蒸着する方法で、Mqn層の形成が容易になるという長所がある。しかしながら、熱蒸着方法は、Mqn層が不均一に形成され、量産が不可能な問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着法を用いてEL層を量産できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明は、化学気相蒸着法を用いてEL層を形成する方法であって、1)反応チャンバー内に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、2)反応チャンバー内に含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列の物質を同時に供給し、これら原料物質を反応させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明では、必要によって、上記2)段階の後に、未反応原料物質及び副産物をパージによって除去する段階をさらに含む。
【0008】
また、本発明では、選択的に、上記2)段階を少なくとも2回繰り返し行い、前記EL層の最終厚さを調整する。
【0009】
また、本発明では、反応チャンバー内部の反応温度を15〜500℃とし、反応速度の上昇及び前記発光層の特性向上を図ることが好ましい。
【0010】
また、本発明では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1秒〜1時間反応チャンバーに供給し、反応速度の上昇及び前記発光層の特性向上を図ることが好ましい。
【0011】
上記目的を達成する本発明は、分子層蒸着法を用いて発光層を形成する方法であって、1)反応チャンバー内に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、2)反応チャンバー内に含金属物質を供給し、該物質と基板を反応させる段階と、3)反応チャンバー内に8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給し、原料物質を反応させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
必要によって、本発明では、上記2)段階と3)段階との間に、または、上記3)段階の後に、未反応原料物質及び副産物をパージによって除去する段階をさらに含み、これにより、工程時間の短縮及び最終層の特性向上を図ることができる。
【0013】
また、本発明では、選択的に、上記2)段階及び3)段階を少なくとも2回繰り返し行い、最終層の厚さを調整する。
【0014】
また、本発明では、反応チャンバーの内部反応温度を、15〜500℃とし、反応速度の上昇及び前記薄膜の特性向上を図る。
【0015】
また、本発明では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、0.1〜500秒間反応チャンバーに供給し、反応速度の上昇及び薄膜の特性向上を図る。
【0016】
また、本発明の化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着法では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるパージガスを注入し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することによって、パージ時間を短縮し、さらには全体工程時間を短縮する。
【0017】
この時、パージガスは、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することが好ましい。
【0018】
以下では添付の図面を参照しつつ本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使用される用語や単語は、通常または辞書的な意味に限定して解析してはいけず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解析しなければならないことは明らかである。したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示す構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、よって、これらに対する様々な均等物及び変形例も本発明の範囲に属するものとして理解すべきである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、均一な厚さを有する有機EL層を基板上に形成することが可能になる。したがって、本発明の方法は、大面積基板に発光層を形成させるのに好適に適用することができ、さらには、既存有機EL素子の生産工程にそのまま適用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
まず、下記の実施例1、2によるMqn層を形成するために使用される化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着装置1について説明する。図2は、実施例1、2によるAlq3層(Mqnの代表物質層)の形成に使用される化学気相蒸着あるいは分子層蒸着装置を示す概略図である。
【0021】
該装置は、内部に真空形成が可能な反応チャンバー10が備えられる。この反応チャンバー10の内部には、所定部分に基板22を搭載できるサセプター20が配備される。したがって、基板は、反応チャンバー10の内部に搬入され、サセプター20の上部に搭載される。なお、反応チャンバーの内部には、反応チャンバーの内部を一定の温度に維持させる温度調節装置(図示せず)が取り付けられる。
【0022】
一方、反応チャンバー10の一側には、反応チャンバー10の内部に原料物質を供給する原料供給管30が連結され、反応チャンバー10の内部に移動ガスを供給する移動ガス供給管40が、原料供給管30に隣接して配備される。ここで、原料供給管30と移動ガス供給管40の末端は、図2に示すように、反応チャンバー10の入口Aで会うように設けられることが好ましく、これにより、原料物質と移動ガスを同時(CVDの場合)または逐次(MLDの場合)に反応チャンバー10の内部に供給できる。
【0023】
さらに、反応チャンバー10中の残ガスを吸入によって除去する真空ポンプ50が、反応チャンバー10に連結される。したがって、特定の場合、真空ポンプ50の動作によって、反応チャンバー10の内部が真空状態になることができ、また、一定ステップの完了後には、未反応原料物質と副産物が吸い込まれて除去される。
(実施例1)
本実施例では、化学気相蒸着法を用いる発光層形成方法を説明する。
【0024】
まず、反応チャンバー10の内部に備えられるサセプター20に、基板22を搭載する。そして、反応チャンバー10の内部を、反応に適合する温度である反応温度に維持する。本実施例では、反応温度を常温〜500℃にすることが好ましい。ここで、常温とは、平常の温度を指し、約15〜25℃である。
【0025】
反応チャンバー10の内部反応温度が安定化すると、反応チャンバー10の内部に、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。この時、含金属物質は、アルミニウム、ガリウム、亜鉛含有物質から選ばれたいずれかである。まず、含アルミニウム物質は、図3に示す16個の物質から選ばれるいずれかである、または、表1に記載された物質から選ばれるいずれかであり、気化した状態で反応チャンバー10内に供給される。
【0026】
【表1】
次に、含ガリウム物質は、下記の一般式(1)で表される物質から選ばれるいずれかである、または、表2に表される物質から選ばれるいずれかである。
【0027】
【化1】
ここで、R1〜R9は、水素、炭素数が1〜10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アーリル、シクロアルケニル、アミノあるいはアルコキシ置換されたアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ハロゲン、ベータ−ジケトン、アミノアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ、アジドから選ばれる互いに等しい、または、異なる物質を表し、nは、2〜7の整数を表す。ここで、置換基R1〜R9において、アルキル基は、線形、分枝状または環状の構造を有する。上記1−2)及び1−3)の化合物は、各窒素含有アミン(amine)化合物がガリウム化合物に結合したもので、ここで、アミン化合物は、第3アミンまたは3、4、5、6または7員複素環アミン(heterocyclic amine)化合物である。好ましい含ガリウム物質を、表2に示す。
【0028】
【表2】
続いて、含亜鉛物質は、下記の一般式(2)で表される化合物から選ばれるいずれかである、または、表3に記載された化合物から選ばれるいずれかであることが好ましい。
【0029】
1)R1R2Zn
2)R1R2Zn:NR3R4R5 (2)
3)R1R2Zn:R6N(CR7R8)n
ここで、R1〜R8は、水素、炭素数が1〜10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アーリル、シクロアルケニル、アミノあるいはアルコキシ置換されたアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ハロゲン、ベータ−ジケトン、アミノアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ、アジドから選ばれる互いに等しい、または、異なる物質を表し、nは、2〜7の整数を表す。ここで、置換基R1〜R8において、アルキル基は、線形、分枝状または環状の構造を有する。上記2−2)及び2−3)の化合物は、各窒素含有アミン(amine)化合物が亜鉛化合物に結合したもので、ここで、アミン化合物は、第3アミンまたは3、4、5、6または7員複素環アミン(heterocyclic amine)化合物である。好ましい含亜鉛物質を、表3に示す。
【0030】
【表3】
また、8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示す構造を有する8−ヒドロキシキノリン(8-hydroxyquinoline)系列物質である。このような含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、気化特性に優れており、化学気相蒸着法に適用し易い。なお、これらは、比較的安定した蒸気圧特性を有するので、量産性が良い。
【0031】
化学気相蒸着法において、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は同時に、移動ガスと共に、あるいは、移動ガス(carrier gas)無しに、0.1秒〜1時間程度反応チャンバー10に供給すると好ましい。
【0032】
本実施例では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質が、図2に示すように、原料供給管30及び移動ガス供給管40を通って反応チャンバー10に供給される。通常、図2には示されていないが、これは、原料物質の供給及びパージのためのシャワーヘッドに使用される。各供給管から供給された原料物質は、反応チャンバー10の入口Aで互いに会う。このように移動ガスと共に原料物質を供給すると、原料供給管の内部に反応によるパーチクルなどが生成されないという長所が得られる。なお、移動ガスの流量は、1〜5,000sccm(standard cubic centimeters per minute)となるように調節することが好ましい。
【0033】
これにより、含金属物質と8−ヒドロキシキノリン系列物質が反応チャンバー10内に供給され互いに反応すると、基板22上にMqn層が形成される。基板22上へのMqn薄膜の形成後に、反応チャンバー10中に残っている未反応原料物質と反応による副産物を除去する工程が必要となる。通常、原料物質間の反応に要求される原料物質の量よりも過量の原料物質が使用されるという点を考慮すると、以降の反応のために、反応チャンバー10内に残っている未反応物質及び副産物を除去するパージ工程が要求されるわけである。
【0034】
本実施例では、パージ工程が次の2方法によって行われる。その一つは、反応チャンバー10に連結されている真空ポンプ50のみを用いて、反応チャンバー10内に存在する未反応原料物質及び副産物を除去する方法である。すなわち、真空ポンプ50を用いて反応チャンバー10中に存在する全てのガスを吸入して外部に排出することで、反応チャンバー10中の不純物を除去する。しかしながら、この方法は、時間がかかる他、未反応原料物質及び副産物の除去が不十分になるという欠点がある。
【0035】
したがって、パージガスを原料供給管30及び 移動ガス供給管40を介して反応チャンバー10内に供給しながら、真空ポンプ50で反応チャンバー10中のガスを吸入し除去する方式を用いることが好ましい。すなわち、パージガスが反応チャンバー10内に供給されつつ、未反応原料物質及び副産物が真空ポンプ50を通じて外部に排出されるようにする。ここで、パージガスは、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)から選ばれることが好ましい。そして、パージガスは、流量1〜5,000sccmの流量で、1〜60分間反応チャンバー内に供給されることが好ましい。
【0036】
こうして反応チャンバー10から未反応原料物質及び副産物が完全に除去されると、本実施例による化学気相蒸着法によるMqn層形成方法が終了する。必要によって、このようなパージ過程を繰り返し行い、基板上に所望の厚さのMqn層を形成しても良い。
【0037】
以下、図5及び図6を参照して、Alq3が基板上に蒸着される過程についてより具体的に説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、基板22が位置している反応チャンバー10内に、含アルミニウム物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。一定の反応温度を維持しながら含アルミニウム物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を反応させると、図6に示すように、Alq3層が基板22上に形成される。基板22上にAlq3層が形成されると、未反応の原料物質と副産物をパージによって反応チャンバーから除去する。
【0039】
この場合、流量、温度、蒸着時間などを調節することによって所望の厚さ得ることができる。
(実施例2)
本実施例では、分子層蒸着法を用いるAlq3層形成方法が説明される。
【0040】
まず、反応チャンバー10の内部に備えられたサセプター20に、基板22を装着する。そして、反応チャンバー10の内部を、反応に適合する温度である反応温度に維持する。本実施例では、反応温度を常温〜500℃にすることが好ましい。ここで、常温とは、平常の温度をいうもので、約15〜25℃である。
【0041】
反応チャンバー10の内部反応温度が安定化すると、反応チャンバー10の内部に、含アルミニウム物質を供給する。ここで、含アルミニウム物質は、図3に示す16個の物質から選ばれるいずれかである、または、表1に記載された物質から選ばれるいずれかであって、気化された状態で反応チャンバー10の内部に供給される。このような含アルミニウム物質は、気化特性に優れているため分子層蒸着法に適用し易く、比較的安定した蒸気圧特性を有するため量産性が良い。この含アルミニウム物質は、約0.1〜100秒間供給されることが好ましい。
【0042】
また、含アルミニウム物質は、単独で反応チャンバー10内に供給されても良く、移動ガス(carrier gas)と共に供給されても良い。本実施例では、図2に示すように、原料供給管30を通じて含アルミニウム物質を供給しながら、移動ガス供給管40を通じて移動ガスを供給する。通常、図2には示されていないが、これは、原料物質の供給及びパージのためのシャワーヘッドに使用される。したがって、各供給管を通じて供給される含アルミニウム物質と移動ガスは、反応チャンバー10の入口Aで互いに会う。
このように移動ガスと共に原料物質を供給すると、原料供給管の内部に反応によるパーチクルなどが生成されないという長所が得られる。なお、移動ガスの流量は、1〜5,000sccm(standard cubic centimeters per minute)となるように調節することが好ましい。
【0043】
これにより、含アルミニウム物質が反応チャンバー10内に供給されると、基板22上に含アルミニウム物質の原子または分子層が形成される。基板22上への含アルミニウム物質の原子または分子層の形成後に、反応チャンバー10中に残っている未反応原料物質と反応による副産物を除去する工程が必要となる。通常、原料物質間の反応に要求される原料物質の量よりも過量の原料物質が使用されるという点を考慮すると、以降の反応のために、反応チャンバー10内に残っている未反応物質及び副産物を除去するパージ工程が要求されるわけである。
【0044】
本実施例では、パージ工程が次の2方法によって行われる。その一つは、反応チャンバー10に連結されている真空ポンプ50のみを用いて、反応チャンバー10内に存在する未反応原料物質及び副産物を除去する方法である。すなわち、真空ポンプ50を用いて反応チャンバー10中に存在する全てのガスを吸入して外部に排出することで、反応チャンバー10中の不純物を除去する。しかしながら、この方法は、時間がかかる他、未反応原料物質及び副産物の除去が不十分になるという欠点がある。
【0045】
したがって、パージガスを原料供給管30及び 移動ガス供給管40を介して反応チャンバー10内に供給しながら、真空ポンプ50で反応チャンバー10中のガスを吸入し除去する方式を用いることが好ましい。すなわち、パージガスが反応チャンバー10内に供給されつつ、未反応原料物質及び副産物が真空ポンプ50を通じて外部に排出されるようにする。ここで、パージガスは、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)から選ばれることが好ましい。そして、パージガスは、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜1,000秒間反応チャンバー内に供給されることが好ましい。
【0046】
こうして反応チャンバー10中の未反応の含アルミニウム物質及び反応副産物が完全に除去されると、移動ガス供給管40を介して8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。8−ヒドロキシキノリン系列物質も含アルミニウム物質と同様に、気化した状態で供給され、単独で供給されても良いが、移動ガスと共にまたは無しに供給されても良い。キノリン原料物質の供給条件を、含アルミニウム物質の供給条件と同一にすることが好ましい。本実施例で使用する8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示すような構造を有する。すなわち、8−ヒドロキシキノリン系列物質は、8−ヒドロキシキノリン(hydroxyquinoline)、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン(5-chloro-8-hydroxyquinoline)、4−メチル−8−ヒドロキシキノリン(4-methyl-8−hydroxyquinoline)、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン(5,7-dichloro-8-hydroxyquinoline)などから選ばれる。
【0047】
前述の如く、8−ヒドロキシキノリン系列物質を反応チャンバー10に供給すると、基板22上に形成されている含アルミニウム物質原子または分子層と表面反応が発生し、Alq3層が形成される。反応が完了すると、未反応原料物質と反応副産物を除去するためのパージ工程が、以前のパージ工程と同じ条件下で同じ方法で再び行われる。
【0048】
上記の過程を1サイクル(cycle)とし、該過程を、基板上にAlq3層が所望の厚さで形成されるまで繰り返し行う。
【0049】
以下、図7乃至図14を参照して、分子層蒸着法によってAlq3が基板上に蒸着される過程についてより具体的に説明する。
【0050】
まず、図7に示すように、基板22が位置している反応チャンバー10内に、含アルミニウム物質を供給する。図8に示すように、一定の反応温度を維持しながら、含アルミニウム物質を基板と反応させ、基板22上に含アルミニウム物質の原子または分子層を形成する。基板22上に含アルミニウム物質の層を形成した後、未反応の原料物質がパージによって反応チャンバー10から除去される。続いて、図9に示すように、キノリン原料物質を反応チャンバー10内に供給する。該キノリン原料物質は、図10に示すように、含アルミニウム物質の層と反応して基板22上にAlq3層を形成する。最後に、未反応のキノリン原料物質と副産物がパージされる。
【0051】
この過程を、Alq3層が所望の厚さになるまで繰り返し行う(図11〜図14)。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】Alq3(Mqnの代表物質)の構造式である。
【図2】本発明で使用する蒸着装置を示す概略図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の実施例に使用される含アルミニウム物質の構造を示す図である。
【図4】本発明の実施例に使用される8−ヒドロキシキノリン系列物質の構造を示す図である。
【図5】本発明の実施例1によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図6】本発明の実施例1によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図7】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図8】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図9】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図10】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図11】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図12】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図13】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図14】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光層形成方法に係り、より詳細には、化学気相蒸着法(chemical vapor deposition:CVD)あるいは分子層蒸着法(molecular layer deposition:MLD)を用いて有機発光層を量産できる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発光層はMqnからなり、ここで、Mは、アルミニウム、ガリウム及び亜鉛から選ばれたいずれかを表し、qは、8−ヒドロキシキノリンをア表し、nは、1〜3の整数を表す。
【0003】
なかでも、Alq3は、図1に示す構造を有する化合物で、有機EL素子において発光層として使われる代表的な物質である。従来、基板上にAlq3層を形成するための方法として、物理的蒸着法(PVD)の一つである熱蒸着方法を採用してきた。
【0004】
熱蒸着方法は、Mqn分子を反応炉に注入し、高温の熱を加えることで基板に蒸着する方法で、Mqn層の形成が容易になるという長所がある。しかしながら、熱蒸着方法は、Mqn層が不均一に形成され、量産が不可能な問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためのもので、その目的は、化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着法を用いてEL層を量産できる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成する本発明は、化学気相蒸着法を用いてEL層を形成する方法であって、1)反応チャンバー内に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、2)反応チャンバー内に含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列の物質を同時に供給し、これら原料物質を反応させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0007】
また、本発明では、必要によって、上記2)段階の後に、未反応原料物質及び副産物をパージによって除去する段階をさらに含む。
【0008】
また、本発明では、選択的に、上記2)段階を少なくとも2回繰り返し行い、前記EL層の最終厚さを調整する。
【0009】
また、本発明では、反応チャンバー内部の反応温度を15〜500℃とし、反応速度の上昇及び前記発光層の特性向上を図ることが好ましい。
【0010】
また、本発明では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1秒〜1時間反応チャンバーに供給し、反応速度の上昇及び前記発光層の特性向上を図ることが好ましい。
【0011】
上記目的を達成する本発明は、分子層蒸着法を用いて発光層を形成する方法であって、1)反応チャンバー内に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、2)反応チャンバー内に含金属物質を供給し、該物質と基板を反応させる段階と、3)反応チャンバー内に8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給し、原料物質を反応させる段階と、を含むことを特徴とする。
【0012】
必要によって、本発明では、上記2)段階と3)段階との間に、または、上記3)段階の後に、未反応原料物質及び副産物をパージによって除去する段階をさらに含み、これにより、工程時間の短縮及び最終層の特性向上を図ることができる。
【0013】
また、本発明では、選択的に、上記2)段階及び3)段階を少なくとも2回繰り返し行い、最終層の厚さを調整する。
【0014】
また、本発明では、反応チャンバーの内部反応温度を、15〜500℃とし、反応速度の上昇及び前記薄膜の特性向上を図る。
【0015】
また、本発明では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、0.1〜500秒間反応チャンバーに供給し、反応速度の上昇及び薄膜の特性向上を図る。
【0016】
また、本発明の化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着法では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるパージガスを注入し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することによって、パージ時間を短縮し、さらには全体工程時間を短縮する。
【0017】
この時、パージガスは、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することが好ましい。
【0018】
以下では添付の図面を参照しつつ本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び請求範囲に使用される用語や単語は、通常または辞書的な意味に限定して解析してはいけず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義できるという原則に基づき、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解析しなければならないことは明らかである。したがって、本明細書に記載された実施例と図面に示す構成は、本発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、よって、これらに対する様々な均等物及び変形例も本発明の範囲に属するものとして理解すべきである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、均一な厚さを有する有機EL層を基板上に形成することが可能になる。したがって、本発明の方法は、大面積基板に発光層を形成させるのに好適に適用することができ、さらには、既存有機EL素子の生産工程にそのまま適用することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
まず、下記の実施例1、2によるMqn層を形成するために使用される化学気相蒸着法あるいは分子層蒸着装置1について説明する。図2は、実施例1、2によるAlq3層(Mqnの代表物質層)の形成に使用される化学気相蒸着あるいは分子層蒸着装置を示す概略図である。
【0021】
該装置は、内部に真空形成が可能な反応チャンバー10が備えられる。この反応チャンバー10の内部には、所定部分に基板22を搭載できるサセプター20が配備される。したがって、基板は、反応チャンバー10の内部に搬入され、サセプター20の上部に搭載される。なお、反応チャンバーの内部には、反応チャンバーの内部を一定の温度に維持させる温度調節装置(図示せず)が取り付けられる。
【0022】
一方、反応チャンバー10の一側には、反応チャンバー10の内部に原料物質を供給する原料供給管30が連結され、反応チャンバー10の内部に移動ガスを供給する移動ガス供給管40が、原料供給管30に隣接して配備される。ここで、原料供給管30と移動ガス供給管40の末端は、図2に示すように、反応チャンバー10の入口Aで会うように設けられることが好ましく、これにより、原料物質と移動ガスを同時(CVDの場合)または逐次(MLDの場合)に反応チャンバー10の内部に供給できる。
【0023】
さらに、反応チャンバー10中の残ガスを吸入によって除去する真空ポンプ50が、反応チャンバー10に連結される。したがって、特定の場合、真空ポンプ50の動作によって、反応チャンバー10の内部が真空状態になることができ、また、一定ステップの完了後には、未反応原料物質と副産物が吸い込まれて除去される。
(実施例1)
本実施例では、化学気相蒸着法を用いる発光層形成方法を説明する。
【0024】
まず、反応チャンバー10の内部に備えられるサセプター20に、基板22を搭載する。そして、反応チャンバー10の内部を、反応に適合する温度である反応温度に維持する。本実施例では、反応温度を常温〜500℃にすることが好ましい。ここで、常温とは、平常の温度を指し、約15〜25℃である。
【0025】
反応チャンバー10の内部反応温度が安定化すると、反応チャンバー10の内部に、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。この時、含金属物質は、アルミニウム、ガリウム、亜鉛含有物質から選ばれたいずれかである。まず、含アルミニウム物質は、図3に示す16個の物質から選ばれるいずれかである、または、表1に記載された物質から選ばれるいずれかであり、気化した状態で反応チャンバー10内に供給される。
【0026】
【表1】
次に、含ガリウム物質は、下記の一般式(1)で表される物質から選ばれるいずれかである、または、表2に表される物質から選ばれるいずれかである。
【0027】
【化1】
ここで、R1〜R9は、水素、炭素数が1〜10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アーリル、シクロアルケニル、アミノあるいはアルコキシ置換されたアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ハロゲン、ベータ−ジケトン、アミノアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ、アジドから選ばれる互いに等しい、または、異なる物質を表し、nは、2〜7の整数を表す。ここで、置換基R1〜R9において、アルキル基は、線形、分枝状または環状の構造を有する。上記1−2)及び1−3)の化合物は、各窒素含有アミン(amine)化合物がガリウム化合物に結合したもので、ここで、アミン化合物は、第3アミンまたは3、4、5、6または7員複素環アミン(heterocyclic amine)化合物である。好ましい含ガリウム物質を、表2に示す。
【0028】
【表2】
続いて、含亜鉛物質は、下記の一般式(2)で表される化合物から選ばれるいずれかである、または、表3に記載された化合物から選ばれるいずれかであることが好ましい。
【0029】
1)R1R2Zn
2)R1R2Zn:NR3R4R5 (2)
3)R1R2Zn:R6N(CR7R8)n
ここで、R1〜R8は、水素、炭素数が1〜10のアルキル、アルケニル、アルキニル、アーリル、シクロアルケニル、アミノあるいはアルコキシ置換されたアルキル、アルキルアミノ、アルコキシ、ハロゲン、ベータ−ジケトン、アミノアルコキシ、アルコキシアルコキシ、ジアルコキシ、アジドから選ばれる互いに等しい、または、異なる物質を表し、nは、2〜7の整数を表す。ここで、置換基R1〜R8において、アルキル基は、線形、分枝状または環状の構造を有する。上記2−2)及び2−3)の化合物は、各窒素含有アミン(amine)化合物が亜鉛化合物に結合したもので、ここで、アミン化合物は、第3アミンまたは3、4、5、6または7員複素環アミン(heterocyclic amine)化合物である。好ましい含亜鉛物質を、表3に示す。
【0030】
【表3】
また、8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示す構造を有する8−ヒドロキシキノリン(8-hydroxyquinoline)系列物質である。このような含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、気化特性に優れており、化学気相蒸着法に適用し易い。なお、これらは、比較的安定した蒸気圧特性を有するので、量産性が良い。
【0031】
化学気相蒸着法において、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は同時に、移動ガスと共に、あるいは、移動ガス(carrier gas)無しに、0.1秒〜1時間程度反応チャンバー10に供給すると好ましい。
【0032】
本実施例では、含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質が、図2に示すように、原料供給管30及び移動ガス供給管40を通って反応チャンバー10に供給される。通常、図2には示されていないが、これは、原料物質の供給及びパージのためのシャワーヘッドに使用される。各供給管から供給された原料物質は、反応チャンバー10の入口Aで互いに会う。このように移動ガスと共に原料物質を供給すると、原料供給管の内部に反応によるパーチクルなどが生成されないという長所が得られる。なお、移動ガスの流量は、1〜5,000sccm(standard cubic centimeters per minute)となるように調節することが好ましい。
【0033】
これにより、含金属物質と8−ヒドロキシキノリン系列物質が反応チャンバー10内に供給され互いに反応すると、基板22上にMqn層が形成される。基板22上へのMqn薄膜の形成後に、反応チャンバー10中に残っている未反応原料物質と反応による副産物を除去する工程が必要となる。通常、原料物質間の反応に要求される原料物質の量よりも過量の原料物質が使用されるという点を考慮すると、以降の反応のために、反応チャンバー10内に残っている未反応物質及び副産物を除去するパージ工程が要求されるわけである。
【0034】
本実施例では、パージ工程が次の2方法によって行われる。その一つは、反応チャンバー10に連結されている真空ポンプ50のみを用いて、反応チャンバー10内に存在する未反応原料物質及び副産物を除去する方法である。すなわち、真空ポンプ50を用いて反応チャンバー10中に存在する全てのガスを吸入して外部に排出することで、反応チャンバー10中の不純物を除去する。しかしながら、この方法は、時間がかかる他、未反応原料物質及び副産物の除去が不十分になるという欠点がある。
【0035】
したがって、パージガスを原料供給管30及び 移動ガス供給管40を介して反応チャンバー10内に供給しながら、真空ポンプ50で反応チャンバー10中のガスを吸入し除去する方式を用いることが好ましい。すなわち、パージガスが反応チャンバー10内に供給されつつ、未反応原料物質及び副産物が真空ポンプ50を通じて外部に排出されるようにする。ここで、パージガスは、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)から選ばれることが好ましい。そして、パージガスは、流量1〜5,000sccmの流量で、1〜60分間反応チャンバー内に供給されることが好ましい。
【0036】
こうして反応チャンバー10から未反応原料物質及び副産物が完全に除去されると、本実施例による化学気相蒸着法によるMqn層形成方法が終了する。必要によって、このようなパージ過程を繰り返し行い、基板上に所望の厚さのMqn層を形成しても良い。
【0037】
以下、図5及び図6を参照して、Alq3が基板上に蒸着される過程についてより具体的に説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、基板22が位置している反応チャンバー10内に、含アルミニウム物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。一定の反応温度を維持しながら含アルミニウム物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を反応させると、図6に示すように、Alq3層が基板22上に形成される。基板22上にAlq3層が形成されると、未反応の原料物質と副産物をパージによって反応チャンバーから除去する。
【0039】
この場合、流量、温度、蒸着時間などを調節することによって所望の厚さ得ることができる。
(実施例2)
本実施例では、分子層蒸着法を用いるAlq3層形成方法が説明される。
【0040】
まず、反応チャンバー10の内部に備えられたサセプター20に、基板22を装着する。そして、反応チャンバー10の内部を、反応に適合する温度である反応温度に維持する。本実施例では、反応温度を常温〜500℃にすることが好ましい。ここで、常温とは、平常の温度をいうもので、約15〜25℃である。
【0041】
反応チャンバー10の内部反応温度が安定化すると、反応チャンバー10の内部に、含アルミニウム物質を供給する。ここで、含アルミニウム物質は、図3に示す16個の物質から選ばれるいずれかである、または、表1に記載された物質から選ばれるいずれかであって、気化された状態で反応チャンバー10の内部に供給される。このような含アルミニウム物質は、気化特性に優れているため分子層蒸着法に適用し易く、比較的安定した蒸気圧特性を有するため量産性が良い。この含アルミニウム物質は、約0.1〜100秒間供給されることが好ましい。
【0042】
また、含アルミニウム物質は、単独で反応チャンバー10内に供給されても良く、移動ガス(carrier gas)と共に供給されても良い。本実施例では、図2に示すように、原料供給管30を通じて含アルミニウム物質を供給しながら、移動ガス供給管40を通じて移動ガスを供給する。通常、図2には示されていないが、これは、原料物質の供給及びパージのためのシャワーヘッドに使用される。したがって、各供給管を通じて供給される含アルミニウム物質と移動ガスは、反応チャンバー10の入口Aで互いに会う。
このように移動ガスと共に原料物質を供給すると、原料供給管の内部に反応によるパーチクルなどが生成されないという長所が得られる。なお、移動ガスの流量は、1〜5,000sccm(standard cubic centimeters per minute)となるように調節することが好ましい。
【0043】
これにより、含アルミニウム物質が反応チャンバー10内に供給されると、基板22上に含アルミニウム物質の原子または分子層が形成される。基板22上への含アルミニウム物質の原子または分子層の形成後に、反応チャンバー10中に残っている未反応原料物質と反応による副産物を除去する工程が必要となる。通常、原料物質間の反応に要求される原料物質の量よりも過量の原料物質が使用されるという点を考慮すると、以降の反応のために、反応チャンバー10内に残っている未反応物質及び副産物を除去するパージ工程が要求されるわけである。
【0044】
本実施例では、パージ工程が次の2方法によって行われる。その一つは、反応チャンバー10に連結されている真空ポンプ50のみを用いて、反応チャンバー10内に存在する未反応原料物質及び副産物を除去する方法である。すなわち、真空ポンプ50を用いて反応チャンバー10中に存在する全てのガスを吸入して外部に排出することで、反応チャンバー10中の不純物を除去する。しかしながら、この方法は、時間がかかる他、未反応原料物質及び副産物の除去が不十分になるという欠点がある。
【0045】
したがって、パージガスを原料供給管30及び 移動ガス供給管40を介して反応チャンバー10内に供給しながら、真空ポンプ50で反応チャンバー10中のガスを吸入し除去する方式を用いることが好ましい。すなわち、パージガスが反応チャンバー10内に供給されつつ、未反応原料物質及び副産物が真空ポンプ50を通じて外部に排出されるようにする。ここで、パージガスは、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)から選ばれることが好ましい。そして、パージガスは、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜1,000秒間反応チャンバー内に供給されることが好ましい。
【0046】
こうして反応チャンバー10中の未反応の含アルミニウム物質及び反応副産物が完全に除去されると、移動ガス供給管40を介して8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給する。8−ヒドロキシキノリン系列物質も含アルミニウム物質と同様に、気化した状態で供給され、単独で供給されても良いが、移動ガスと共にまたは無しに供給されても良い。キノリン原料物質の供給条件を、含アルミニウム物質の供給条件と同一にすることが好ましい。本実施例で使用する8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示すような構造を有する。すなわち、8−ヒドロキシキノリン系列物質は、8−ヒドロキシキノリン(hydroxyquinoline)、5−クロロ−8−ヒドロキシキノリン(5-chloro-8-hydroxyquinoline)、4−メチル−8−ヒドロキシキノリン(4-methyl-8−hydroxyquinoline)、5,7−ジクロロ−8−ヒドロキシキノリン(5,7-dichloro-8-hydroxyquinoline)などから選ばれる。
【0047】
前述の如く、8−ヒドロキシキノリン系列物質を反応チャンバー10に供給すると、基板22上に形成されている含アルミニウム物質原子または分子層と表面反応が発生し、Alq3層が形成される。反応が完了すると、未反応原料物質と反応副産物を除去するためのパージ工程が、以前のパージ工程と同じ条件下で同じ方法で再び行われる。
【0048】
上記の過程を1サイクル(cycle)とし、該過程を、基板上にAlq3層が所望の厚さで形成されるまで繰り返し行う。
【0049】
以下、図7乃至図14を参照して、分子層蒸着法によってAlq3が基板上に蒸着される過程についてより具体的に説明する。
【0050】
まず、図7に示すように、基板22が位置している反応チャンバー10内に、含アルミニウム物質を供給する。図8に示すように、一定の反応温度を維持しながら、含アルミニウム物質を基板と反応させ、基板22上に含アルミニウム物質の原子または分子層を形成する。基板22上に含アルミニウム物質の層を形成した後、未反応の原料物質がパージによって反応チャンバー10から除去される。続いて、図9に示すように、キノリン原料物質を反応チャンバー10内に供給する。該キノリン原料物質は、図10に示すように、含アルミニウム物質の層と反応して基板22上にAlq3層を形成する。最後に、未反応のキノリン原料物質と副産物がパージされる。
【0051】
この過程を、Alq3層が所望の厚さになるまで繰り返し行う(図11〜図14)。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】Alq3(Mqnの代表物質)の構造式である。
【図2】本発明で使用する蒸着装置を示す概略図である。
【図3】(a)及び(b)は、本発明の実施例に使用される含アルミニウム物質の構造を示す図である。
【図4】本発明の実施例に使用される8−ヒドロキシキノリン系列物質の構造を示す図である。
【図5】本発明の実施例1によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図6】本発明の実施例1によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図7】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図8】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図9】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図10】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図11】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図12】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図13】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【図14】本発明の実施例2によるAlq3層形成方法の各ステップを示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子または分子層蒸着法を用いて発光層を形成する方法において、
1)反応チャンバー内に基板を配置、前記反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、
2)反応チャンバー内に含金属物質を供給し、該物質を基板と反応させる段階と、
3)反応チャンバー内に8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給し、前記原料物質を反応させる段階と、
を含むことを特徴とする発光層形成方法。
【請求項2】
前記2)段階と3)段階との間に、未反応原料物質及び副産物を除去する第1パージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項3】
前記3)段階の後に、未反応原料物質及び副産物を除去する第2パージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項4】
前記2)段階及び3)段階を、少なくとも2回繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項5】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1〜500秒間反応チャンバーに供給することを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項6】
前記第1パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項2に記載の発光層形成方法。
【請求項7】
前記第1パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれか一つのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項2に記載の発光層形成方法。
【請求項8】
前記パージガスを、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することを特徴とする請求項7に記載の発光層形成方法。
【請求項9】
前記第2パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項3に記載の発光層形成方法。
【請求項10】
前記第2パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれか一つのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項3に記載の発光層形成方法。
【請求項11】
前記パージガスを、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することを特徴とする請求項10に記載の発光層形成方法。
【請求項12】
化学気相蒸着法を用いて発光層を形成する方法において、
1)反応チャンバーの内部に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、
2)反応チャンバー内に含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を同時に、移動ガスと共にまたは無しに供給し、前記原料物質を反応させる段階と、
を含むことを特徴とする発光層形成方法。
【請求項13】
前記2)段階の後に、未反応原料物質及び副産物を除去するパージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項14】
前記2)段階を、少なくとも2回繰り返し行なうことを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項15】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1秒〜1時間反応チャンバーに供給することを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項16】
前記パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項13に記載の発光層形成方法。
【請求項17】
前記パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれかのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項13に記載の発光層形成方法。
【請求項18】
前記移動ガスまたはパージガスを、1〜5,000sccmの流量で、1〜60分間供給することを特徴とする請求項17に記載の発光層形成方法。
【請求項19】
前記反応温度は、15〜500℃であることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項20】
前記含金属物質は、含アルミニウム物質、含ガリウム物質、含亜鉛物質から選ばれることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項21】
前記含アルミニウム物質は、
トリメチルアルミニウム(TMAl)、
トリメチルアルミニウム−ジメチルエチルアミン(TMAl−DMEA)、
トリメチルアルミニウム−トリメチルアミン(TMAl−TMA)、
トリメチルアルミニウム−トリエチルアミン(TMAl−TEA)、
トリメチルアルミニウム−メチルピロリジン(TMAl−MP)、
トリメチルアルミニウム−エチルピロリジン(TMAl−EP)、
トリメチルアルミニウム−エチルピペリジン(TMAl−EPP)、
トリメチルアルミニウム−エチルモルホリン(TMAl−EMP)、
トリエチルアルミニウム(TEAl)、
トリエチルアルミニウム−ジメチルエチルアミン(TEAl−DMEA)、
トリエチルアルミニウム−トリメチルアミン(TEAl−TMA)、
トリエチルアルミニウム−トリエチルアミン(TEAl−TEA)、
トリエチルアルミニウム−メチルピロリジン(TEAl−MP)、
トリエチルアルミニウム−エチルピロリジン(TEAl−EP)、
トリエチルアルミニウム−エチルピペリジン(TEAl−EPP)及び
トリエチルアルミニウム−エチルモルホリン(TEAl−EMP)
からなる群より選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項22】
前記含アルミニウム物質は、表1に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項23】
前記含ガリウム物質は、表2に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項24】
前記含亜鉛物質は、表3に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項25】
前記8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示された化合物から選ばれることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項26】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、気体状態で反応チャンバーに供給されることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項1】
分子または分子層蒸着法を用いて発光層を形成する方法において、
1)反応チャンバー内に基板を配置、前記反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、
2)反応チャンバー内に含金属物質を供給し、該物質を基板と反応させる段階と、
3)反応チャンバー内に8−ヒドロキシキノリン系列物質を供給し、前記原料物質を反応させる段階と、
を含むことを特徴とする発光層形成方法。
【請求項2】
前記2)段階と3)段階との間に、未反応原料物質及び副産物を除去する第1パージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項3】
前記3)段階の後に、未反応原料物質及び副産物を除去する第2パージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項4】
前記2)段階及び3)段階を、少なくとも2回繰り返し行うことを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項5】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1〜500秒間反応チャンバーに供給することを特徴とする請求項1に記載の発光層形成方法。
【請求項6】
前記第1パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項2に記載の発光層形成方法。
【請求項7】
前記第1パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれか一つのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項2に記載の発光層形成方法。
【請求項8】
前記パージガスを、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することを特徴とする請求項7に記載の発光層形成方法。
【請求項9】
前記第2パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項3に記載の発光層形成方法。
【請求項10】
前記第2パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれか一つのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項3に記載の発光層形成方法。
【請求項11】
前記パージガスを、1〜5,000sccmの流量で、0.1〜500秒間供給することを特徴とする請求項10に記載の発光層形成方法。
【請求項12】
化学気相蒸着法を用いて発光層を形成する方法において、
1)反応チャンバーの内部に基板を配置し、該反応チャンバーの内部を特定の反応温度に維持する段階と、
2)反応チャンバー内に含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を同時に、移動ガスと共にまたは無しに供給し、前記原料物質を反応させる段階と、
を含むことを特徴とする発光層形成方法。
【請求項13】
前記2)段階の後に、未反応原料物質及び副産物を除去するパージ段階をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項14】
前記2)段階を、少なくとも2回繰り返し行なうことを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項15】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質を、0.1秒〜1時間反応チャンバーに供給することを特徴とする請求項12に記載の発光層形成方法。
【請求項16】
前記パージ段階では、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、未反応原料物質及び副産物を吸入し除去することを特徴とする請求項13に記載の発光層形成方法。
【請求項17】
前記パージ段階では、ヘリウム(He)、水素(H2)、窒素(N2)、アルゴン(Ar)からなる群より選ばれるいずれかのパージガスを供給し、反応チャンバーに設けられた真空ポンプを用いて、反応チャンバー中に存在するガスを吸入し除去することを特徴とする請求項13に記載の発光層形成方法。
【請求項18】
前記移動ガスまたはパージガスを、1〜5,000sccmの流量で、1〜60分間供給することを特徴とする請求項17に記載の発光層形成方法。
【請求項19】
前記反応温度は、15〜500℃であることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項20】
前記含金属物質は、含アルミニウム物質、含ガリウム物質、含亜鉛物質から選ばれることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項21】
前記含アルミニウム物質は、
トリメチルアルミニウム(TMAl)、
トリメチルアルミニウム−ジメチルエチルアミン(TMAl−DMEA)、
トリメチルアルミニウム−トリメチルアミン(TMAl−TMA)、
トリメチルアルミニウム−トリエチルアミン(TMAl−TEA)、
トリメチルアルミニウム−メチルピロリジン(TMAl−MP)、
トリメチルアルミニウム−エチルピロリジン(TMAl−EP)、
トリメチルアルミニウム−エチルピペリジン(TMAl−EPP)、
トリメチルアルミニウム−エチルモルホリン(TMAl−EMP)、
トリエチルアルミニウム(TEAl)、
トリエチルアルミニウム−ジメチルエチルアミン(TEAl−DMEA)、
トリエチルアルミニウム−トリメチルアミン(TEAl−TMA)、
トリエチルアルミニウム−トリエチルアミン(TEAl−TEA)、
トリエチルアルミニウム−メチルピロリジン(TEAl−MP)、
トリエチルアルミニウム−エチルピロリジン(TEAl−EP)、
トリエチルアルミニウム−エチルピペリジン(TEAl−EPP)及び
トリエチルアルミニウム−エチルモルホリン(TEAl−EMP)
からなる群より選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項22】
前記含アルミニウム物質は、表1に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項23】
前記含ガリウム物質は、表2に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項24】
前記含亜鉛物質は、表3に記載された化合物から選ばれることを特徴とする請求項20に記載の発光層形成方法。
【請求項25】
前記8−ヒドロキシキノリン系列物質は、図4に示された化合物から選ばれることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【請求項26】
前記含金属物質及び8−ヒドロキシキノリン系列物質は、気体状態で反応チャンバーに供給されることを特徴とする請求項1または12に記載の発光層形成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2007−531236(P2007−531236A)
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506092(P2007−506092)
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001444
【国際公開番号】WO2005/112084
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506328055)メカロニクス カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月17日(2005.5.17)
【国際出願番号】PCT/KR2005/001444
【国際公開番号】WO2005/112084
【国際公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(506328055)メカロニクス カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]