説明

有機発光素子およびその製造方法

本発明は、基板;前記基板上に順次位置する第1導電層および第2導電層;前記第1導電層と第2導電層との間に位置する、発光層を初めとする1層以上の有機層を含む有機発光素子であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする有機発光素子およびその製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光素子およびその製造方法に関し、より詳しくは、電荷注入または電荷抽出用電極から有機層へのエネルギー障壁を下げることができるパターン層を備える有機発光素子およびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は通常2つの電極とそれらの電極の間に介在した有機層とを含み、前記2つの電極から前記有機層に電子および正孔を注入し、電流を可視光に変換することによって光を発する。
【0003】
図1は従来の有機発光素子を示す断面図であって、一般的な有機発光素子の断面を示す模式図である。
【0004】
図1に示すように、前記有機発光素子は2つの電極、例えば、アノード電極20およびカソード電極70との間に位置する発光層50を備える。前記2つの電極のうちのいずれか1つ、例えばアノード電極20は透明基板10の上に位置し、前記発光層50から発された光を通過させる。前記有機発光素子は、性能向上のために電子注入層65、電子輸送層60、正孔輸送層45および正孔注入層40からなる群から選択された1つ以上の層をさらに含むことができる。また、発光領域(A)と非発光領域(B)を区分するために前記透明基板10の電極上に絶縁層30を備えることもできる。
【0005】
前記2つの電極(20,70)は金属、金属酸化物または導電性ポリマーで形成することができる。前記電極形成物質は有機層との界面で不安定な特性を有し得る。また、外部から加えられる熱、前記有機発光素子の駆動時に発生可能な内部熱、および前記有機発光素子に加えられる電界は前記素子の性能に悪影響を与えられる。また、前記電子/正孔注入層(65/40)または前記電子/正孔輸送層(60/45)と有機層との間の伝導エネルギー準位(conductive energy level)の差によって前記素子の動作のための駆動電圧が大きくなり得る。
【0006】
よって、電極へまたは電極から電子/正孔を注入/抽出するエネルギー障壁を最小化するだけでなく、電子/正孔注入層または電子/正孔輸送層と有機層との間の界面を安定化させることが重要であり、それを改善する技術が開発されつつある。
【0007】
そのために、前記有機発光素子のアノード電極は正孔注入層のHOMO(highest occupied molecular orbital)エネルギー準位と類似するフェルミエネルギー準位(Fermi energy level)を有するように調節されるか、あるいはアノード電極のフェルミエネルギー準位と類似するHOMOエネルギー準位を有する物質を正孔注入層として選択する。
【0008】
正孔注入層はアノード電極のフェルミエネルギー準位だけでなく正孔輸送層または発光層のHOMOエネルギー準位を考慮して選択しなければならないので、正孔注入層用物質を選択するのには制限がある。よって、有機発光素子を製造するにおいて一般的にアノード電極のフェルミエネルギーを調節する方法が採用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、有機発光素子の電極と有機層との間に正孔または電子の注入または輸送のための電気的障壁を下げることができるパターン層を形成することにより、パターン層の模様で発光させることができる有機発光素子およびその製造方法を提供することをその目的とする。
【0010】
また、本発明が解決しようとする技術的課題は、有機発光素子の電極と有機層との間に正孔または電子の注入または輸送のための電気的障壁を下げることができるパターン層を形成することにより、より多様な物質からなる電極を備えることができる有機発光素子およびその製造方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を解決するために、本発明は、基板;前記基板上に順次位置する第1導電層および第2導電層;および前記第1導電層と第2導電層との間に位置する、発光層を初めとする1層以上の有機層を含む有機発光素子であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする有機発光素子を提供する。
【0012】
また、本発明は、第1導電層と、少なくとも1つの中間導電層および第2導電層と、前記導電層の間に各々配置された発光層を初めとする1層以上の有機層とを含む積層型有機発光素子であって、前記導電層のうちの少なくとも1つと前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする積層型有機発光素子を提供する。
【0013】
また、本発明は、基板上に第1導電層、発光層を初めとする1層以上の有機層および第2導電層を順次積層するステップを含む有機発光素子の製造方法であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するようにパターン層を形成する際に、前記パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で前記パターン層を形成するステップを含み、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層は、これらの2層が直接接する領域において電荷が直接注入または輸送されない材料からなることを特徴とする有機発光素子の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る有機発光素子は導電層と有機層と間にパターン層を備えることにより、導電層と有機層の界面において正孔注入または電子注入に対する電気的障壁を下げることができる効果がある。よって、電荷の注入能力を改善し、発光メカニズムを向上させる長所がある。また、有機発光素子の電極と有機層との間の界面において電荷注入に対する電気的障壁を下げることができるパターン層を形成することにより、より多様な物質の電極を備えることができる。また、積層型構造において複数のパターン層を他の形態に形成することによって色々な模様の発光形態を実現できる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0016】
本発明に係る有機発光素子は、基板;前記基板上に順次積層され位置する第1導電層および第2導電層;および前記第1導電層と第2導電層との間に位置する、発光層を初めとする1層以上の有機層を含む有機発光素子であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする。つまり、本発明では、電極と有機層との間に正孔または電子の注入または輸送のための電気的障壁を下げることができるパターン層を用いることにより、パターン層模様の発光領域を有する有機発光素子を実現することができる。
【0017】
本発明において、有機層から発生した光は基板に向かう方向(bottom emission)、基板の反対方向(top emission)または両方向に放出することができる。
【0018】
本発明において、前記パターン層は有機物、無機物またはそれらの混合物であってもよく、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得るエネルギー準位を有するものであれば、その材料は特に限定されない。前記パターン層は従来の有機発光素子を構成する有機層のうちのいずれか1つの役割、例えば正孔注入層、正孔輸送層、正孔抑制層、電子輸送層または電子注入層の役割をすることもできるが、素子の電荷移動に悪影響を及ぼさない限り、他の役割をさらに有さなくても良い。例えば、前記パターン層と隣接した導電層がアノードである場合、前記パターン層は正孔注入層または正孔輸送層の材料からなってもよい。また、前記パターン層と隣接した導電層がカソードである場合、前記パターン層は正孔抑制層、電子輸送層または電子注入層の材料からなってもよい。
【0019】
本発明において、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層は、これらの層の間に電荷が直接注入または輸送されないように各層が適切なエネルギー準位を有し、全体素子の駆動に悪影響を及ぼさないものであればその材料は特に限定されない。
【0020】
本発明において、前記第1導電層および前記第2導電層は各々アノード電極およびカソード電極であってもよく、各々カソード電極およびアノード電極であってもよい。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記パターン層は前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と接し、n−型有機層からなり、前記パターン層と接する有機層はp−型有機層からなって、前記パターン層とNP接合をなし、前記導電層のフェルミ準位、前記パターン層のLUMOエネルギー準位、および前記パターン層と接する有機層のHOMOエネルギー準位は下記の式(1)および式(2)を満足することができる:
【数1】

【0022】
前記式(1)と式(2)において、EF1は前記導電層のフェルミエネルギー準位であり、EnLは前記パターン層のLUMOエネルギー準位であり、EpHは前記パターン層とNP接合をなす前記有機層のHOMOエネルギー準位である。また、前記n−型有機層は4〜7eVのLUMOエネルギー準位および10−8cm/Vs〜1cm/Vsの電子移動度を有してもよい。
【0023】
前記実施形態において、前記パターン層と接する導電層は第1導電層または第2導電層であってもよい。前記パターン層と接する導電層が第1導電層である場合、前記第2導電層はアルミニウム(Al)、銀(Ag)または透明電極材料、例えばITOからなってもよい。前記有機層は、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)および電子注入層(EIL)からなる群から選択された1つ以上の層をさらに含むことができる。前記実施形態において、前記第2導電層と前記有機層との間にパターン層をさらに含むことができ、この場合、前記追加のパターン層はLiF、NaF、CsF、Ca、MgおよびMgOからなる群から選択された1つのものからなってもよい。
【0024】
また、本発明は、第1導電層と、少なくとも1つの中間導電層および第2導電層と、前記導電層の間に各々配置された発光層を初めとする1層以上の有機層とを含む積層型有機発光素子であって、前記導電層のうちの少なくとも1つと前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする積層型有機発光素子を提供する。
【0025】
本発明に係る積層型有機発光素子はそれぞれの導電層とその導電層の上部に位置する有機層との間に前記パターン層を全て備えることが好ましい。前記パターン層が2つ以上含まれる場合、これらは互いに同じパターンまたは異なるパターンを有してもよい。複数層の多様な形態のパターン層を形成することによって色々な形態の発光模様を実現することができる。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、前記第1導電層と前記第2導電層との間に位置した第3導電層を含み、前記第3導電層の上部および下部に発光層を初めとする1層以上の有機層を含み、前記第1導電層、第2導電層および第3導電層のうちの少なくとも1つと1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられる。この場合、前記第1導電層および前記第2導電層と前記第3導電層は互いに電気的に接地電位に連結され、前記第3導電層には交流電圧が印加されてもよいが、それに限定されるものではない。
【0027】
前記有機発光素子は表示素子に用いることができ、前記表示素子はオーディオディスプレイ、看板、ロゴ、家電用表示装置などに用いることができる。
【0028】
また、本発明は、基板上に第1導電層、発光層を初めとする1層以上の有機層および第2導電層を順次積層するステップを含む有機発光素子の製造方法であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するようにパターン層を形成する際に、前記パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で前記パターン層を形成するステップを含み、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層は、これらの2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されない材料で形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法を提供する。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、基板上に第1導電層を形成するステップ;前記第1導電層上に発光領域に相応するようにパターン層を形成するステップ;前記第1導電層の露出部および前記パターン層上に、発光層を初めとする1層以上の有機層を形成するステップ;および前記有機層上に第2導電層を形成するステップを含み、前記パターン層は前記パターン層を介して第1導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、前記パターン層と接する有機層は前記第1導電層と接する領域において第1導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成する有機発光素子の製造方法を提供する。前記第1導電層はアノード電極で形成し、前記第2導電層はカソード電極で形成することができる。前記アノード電極上の前記パターン層は正孔注入層または正孔輸送層で形成することができる。さらに、前記パターン層はn−型有機物で形成し、前記パターン層に接する有機層はp−型有機物で形成することができる。
【0030】
本発明のまた他の一実施形態によれば、基板上に第1導電層を形成するステップ;前記第1導電層上に発光層を初めとする1層以上の有機層を形成するステップ;前記有機層上に発光領域に対応するようにパターン層を形成するステップ;および前記有機層の露出部および前記パターン層上に第2導電層を形成するステップを含み、前記パターン層は前記パターン層を介して第2導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、前記パターン層と接する有機層は前記第2導電層と接する領域において第2導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成する有機発光素子の製造方法を提供する。前記第1導電層はアノード電極で形成し、前記第2導電層はカソード電極で形成することができる。前記カソード電極の下部に形成されたパターン層は正孔抑制層、電子輸送層、または電子注入層で形成することができる。
【0031】
本発明のまた他の一実施形態によれば、基板上に第1導電層を形成するステップ;前記第1導電層上に発光領域に相応するように第1パターン層を形成するステップ;前記第1導電層の露出部およびおよび前記第1パターン層上に、発光層を初めとする1層以上の有機層を形成するステップ;前記有機層上に発光領域に対応するように第2パターン層を形成するステップ;および前記有機層の露出部および前記第2パターン層上に第2導電層を形成するステップを含み、前記第1パターン層は前記第1パターン層を介して第1導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、前記第1パターン層と接する有機層は前記第1導電層と接する領域において前記第1導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成し、前記第2パターン層は第2パターン層を介して第2導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、前記第2パターン層と接する有機層は前記第2導電層と接する領域において前記第2導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成する有機発光素子の製造方法を提供する。
【0032】
本発明のまた他の一実施形態によれば、基板上に第1導電層を形成するステップ;前記第1導電層上に発光領域に相応するように第1パターン層を形成するステップ;前記第1導電層の露出部および前記第1パターン層上に、発光層を初めとする1層以上の第1有機層を形成するステップ;前記第1有機層上に第3導電層を形成するステップ;前記第3導電層上に発光領域に相応するように第2パターン層を形成するステップ;前記第3導電層の露出部および第2パターン層上に発光層を初めとする1層以上の第2有機層を形成するステップ;および前記第2有機層上に第2導電層を形成するステップを含み、前記第1パターン層は前記第1パターン層を介して前記第1導電層と前記第1有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、第1パターン層と接する有機層は前記第1導電層と接する領域において前記第1導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成し、前記第2パターン層は前記第2パターン層を介して前記第3導電層と前記第2有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で形成し、前記第2パターン層と接する有機層は前記第3導電層と接する領域において前記第3導電層から電荷が直接注入または輸送されない材料で形成する有機発光素子の製造方法を提供する。
【0033】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態についてより詳細に説明する。以下にて紹介する実施形態は本発明の思想を当業者に伝えるための例として提供するものである。よって、本発明は、以下で説明する実施形態に限定されることなく他の形態に具体化することもできる。なお、明細書全体にわたって同じ参照番号は同じ構成要素を示す。
【0034】
図2は本発明の第1実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。図2に示すように、前記基板100の上に第1導電層110および第2導電層170が順次に位置する。前記第1導電層110はアノード電極であり、前記第2導電層170はカソード電極であってもよい。
【0035】
前記第1導電層110と第2導電層170との間、すなわち前記第1導電層110の上に接してパターン層120が備えられる。この時、前記パターン層120に相応する領域は発光領域(A)となり、残りの領域は非発光領域(B)となる。前記パターン層120および前記第1導電層110の露出面には有機層180が位置する。前記有機層180は発光層140を含み、正孔注入層130、正孔輸送層135、電子輸送層150、および電子注入層155からなる群から選択された1つ以上のものをさらに含むことができる。
【0036】
前記第1導電層110がアノード電極である場合、前記正孔注入層130および前記第1導電層110は、それらが各々接する領域において前記第1導電層110から前記正孔注入層130に正孔が注入されないエネルギー準位を有する。また、前記パターン層120、前記パターン層120に接する第1導電層110、および前記パターン層120に接する正孔注入層130は、各々正孔が前記第1導電層から前記パターン層120を介して前記正孔注入層130に注入され得るエネルギー準位を有する。それにより、前記発光領域(A)に該当する領域、すなわち前記パターン層120の領域にだけ電荷が注入および輸送され、光が発生する。
【0037】
前記パターン層120は有機物からなってもよい。前記パターン層120はn−型有機層からなり、前記パターン層120と接する正孔注入層130はp−型有機層からなることが好ましい。この場合、前記パターン層120と前記正孔注入層130はNP接合をなす。この時、前記第1導電層、すなわち前記アノード電極110のフェルミ準位、前記パターン層120のLUMOエネルギー準位および前記正孔輸送層130のHOMOエネルギー準位は下記の式(1)と式(2)を満足することが好ましい:
【数2】

【0038】
前記式(1)と式(2)において、EF1は前記第1導電層のフェルミエネルギー準位であり、EnLは前記パターン層のLUMOエネルギー準位であり、EpHは前記パターン層とNP接合をなす前記有機層のHOMOエネルギー準位である。
【0039】
よって、有機発光素子の前記第1導電層110、すなわちアノード電極と前記正孔注入層130との間に前記パターン層120を備えることにより、第1導電層と有機層との間の界面において電荷注入に対する電気的障壁を下げることができる。それによって電荷の注入能力が向上し、より多様な物質の電極を備えることができる。
【0040】
前記n−型有機層は下記の化学式1の化合物を含むことができる:
【0041】
【化1】

(化学式1)
【0042】
前記化学式1において、R〜Rは各々水素、ハロゲン原子、ニトリル(−CN)、ニトロ(−NO)、スルホニル(−SOR)、スルホキシド(−SOR)、スルホンアミド(−SONR)、スルホネート(−SOR)、トリフルオロメチル(−CF)、エステル(−COOR)、アミド(−CONHRまたは−CONRR’)、置換もしくは非置換の直鎖または分枝鎖のC−C12アルコキシ、置換もしくは非置換の直鎖または分枝鎖のC−C12アルキル、置換もしくは非置換の芳香族または非芳香族の複素環、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のモノ−またはジ−アリールアミン、および置換もしくは非置換のアラルキルアミンからなる群から選択され、前記RおよびR’は各々置換もしくは非置換のC−C60アルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換の5−7員複素環からなる群から選択される。
【0043】
前記化学式1の化合物は下記化学式1−1〜1−6で示される化合物から選択することができる:
【0044】
【化2】

(化学式1−1)
【0045】
【化3】

(化学式1−2)
【0046】
【化4】

(化学式1−3)
【0047】
【化5】

(化学式1−4)
【0048】
【化6】

(化学式1−5)
【0049】
【化7】

(化学式1−6)
【0050】
前記有機層180から発生した光は前記基板100に向かう方向(bottom emission)、前記基板100の反対方向(top emission)または両方向に放出することができる。
【0051】
図3は本発明の第2実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【0052】
図3に示すように、第1実施形態とは異なり、第2実施形態ではパターン層260が第2導電層270に接して位置する。すなわち、基板200の上に位置する第1導電層210および第2導電層270のうち、前記第2導電層270と接して発光領域(A)に相応するようにパターン層260が備えられる。前記第1導電層210はアノード電極、第2導電層270はカソード電極であってもよく、前記パターン層260および露出した第2導電層270と前記第1導電層210との間には有機層280が介在する。前記有機層280は発光層240を含み、正孔注入層230、正孔輸送層235、電子輸送層250、および電子注入層255からなる群から選択された1つ以上のものをさらに含むことができる。
【0053】
前記パターン層260と接する電子注入層255および前記第2導電層270は、それらが各々接する領域において前記第2導電層270から前記電子注入層255に電子が注入されないエネルギー準位を有する。また、前記パターン層260、前記パターン層260に接する第2導電層270、および前記パターン層260に接する電子注入層255は、各々電子が前記第2導電層から前記パターン層260を介して前記電子注入層255に注入され得るエネルギー準位を有する。それにより、前記発光領域(A)に該当する領域、すなわち前記パターン層260の領域だけに電荷が注入および輸送され、光が発生する。
【0054】
つまり、第1実施形態では発光領域に該当する領域にアノード電極と接するパターン層を備え、アノード電極と有機層とのエネルギー障壁を最小化することによって正孔の注入能力を向上させる一方、第2実施形態では発光領域に該当する領域にカソード電極と接するパターン層を備えることによってカソード電極と有機層とのエネルギー障壁を最小化する。よって、第2実施形態では電子の注入能力を向上させることによってパターニングされた発光素子を実現することができる。
【0055】
前記パターン層260は無機物からなってもよく、LiF、NaF、CsF、Ca、MgおよびMgOからなる群から選択された1つからなることが好ましい。また、正孔抑制層、電子輸送層、または電子注入層の材料からなってもよい。この時、前記第2導電層270、すなわちカソード電極はアルミニウム(Al)、銀(Ag)または透明電極(ITO)からなってもよい。
【0056】
前記構造の有機発光素子も背面発光(bottom emission)、前面発光(top emission)または両面発光(both−side emission)の全てが可能である。
【0057】
図4は本発明の第3実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【0058】
図4に示すように、第3実施形態では有機層(380a、380b)が2つ以上備えられる積層型構造を提示する。すなわち、第1導電層310と第2導電層370との間に第3導電層358が位置し、前記第3導電層358の下部および上部に第1有機層380aおよび第2有機層380bが介在する。
【0059】
また、パターン層(320,360)は前記第1導電層310および/または第3導電層358の上に配置することができ、その代わりにまたは同時に前記第1導電層310および/または第2導電層370の下部に形成することもできる。この時、前記第1導電層310および前記第2導電層370と前記第3導電層358は互いに電気的に接地電位に連結され、前記第3導電層358には交流電圧を印加することによって有機発光素子に必要な駆動電圧を印加することができる。
【0060】
第3実施形態も同じく、発光領域(A)に該当する領域にパターン層を形成することによって、導電層と有機層との間のエネルギー障壁を減少させ電荷の移動を容易にして発光メカニズムを調節できる長所を有する。それと同時にそれぞれの導電層上のパターン層の模様を異にして備えることによって相異なる形態の発光が前面、背面または両面の全てに放出するように実現することができる。
【0061】
前記第1実施形態、第2実施形態および第3実施形態の有機発光素子は表示素子に用いることができ、前記表示素子はオーディオディスプレイ、看板、ロゴおよび家電用表示装置からなる群から選択して用いることができる。
【0062】
図2〜図4を参照して本発明の実施形態に係る製造方法を下記の通りに説明する。
【0063】
図2を参照して本発明の第1実施形態に係る有機発光素子の製造方法を説明すると、先ず基板100の上に第1導電層110を形成する。前記基板100はガラスまたはプラスチックの材質からなってもよく、背面発光型の有機発光素子を形成する場合には透明基板からなることが好ましい。また、前記第1導電層110は金属、金属酸化物、または導電性ポリマーで形成することができる。
【0064】
前記第1導電層110の上にパターン層120を形成する。前記パターン層120を形成することは、乾式または湿式エッチング、微細金属マスク(fine metal mask)を用いた蒸着、プリンティングなどの方法を用いて形成することができる。前記パターン層120に相応する領域が発光領域(A)となり、残りの領域が非発光領域(B)となる。
【0065】
前記パターン層120によって露出した第1導電層110および前記パターン層120の上に有機層180を形成する。前記有機層180は正孔注入層130、正孔輸送層135、発光層140、電子輸送層150および電子注入層155から1つ以上を選択して積層することによって形成される。
【0066】
前記有機層のうちの前記パターン層120と接する正孔注入層130は、前記第1導電層110と接する領域において前記第1導電層110から正孔が直接注入されないエネルギー準位を有する。この時、前記第1導電層110、前記パターン層120および前記正孔注入層130は、各々前記第1導電層110から前記パターン層120を介して前記正孔注入層130に正孔が注入および輸送され得るエネルギー準位を有する。
【0067】
前記形成された有機層180の上に導電物質を用いて第2導電層170を形成する。前記第2導電層170はアルミニウム(Al)、銀(Ag)または透明電極(ITO)からなってもよい。この時、前記第1導電層110はアノード電極で形成し、前記第2導電層170はカソード電極で形成することができる。さらに、前記アノード電極110の上の前記パターン層120は正孔注入層または正孔輸送層で形成することができる。
【0068】
また、前記パターン層120はn−型有機物からなり、前記正孔注入層130はp−型有機物ならなってもよく、この時、前記第1導電層110のフェルミ準位、前記正孔注入層130のHOMOエネルギー準位および前記パターン層120のLUMOエネルギー準位は前述した式(1)および式(2)を満足することが好ましい。
【0069】
図3を参照して本発明の第2実施形態に係る有機発光素子の製造方法を下記の通りに説明する。
【0070】
先ず、基板200の上に第1導電層210を形成する。前記基板200は第1実施形態のように透明基板からなってもよく、前記第1導電層210は導電物質膜からなってもよい。前記第1導電層210の上に有機層280を形成する。前記有機層280は発光層240を含んで形成し、正孔注入層230、正孔輸送層235、電子輸送層250および電子注入層255からなる群から選択された1つ以上のものをさらに含むことができる。前記有機層280にパターン層260を形成する。
【0071】
前記パターン層260が形成された領域に相応する領域が発光領域(A)となり、残りの領域が非発光領域(B)となる。前記パターン層260は、前述したように、エッチング法、微細金属マスクを用いた蒸着法、プリンティング法などを用いて形成することができる。また、前記パターン層260はLiF、NaF、CsF、Ca、Mg、MgOおよびCaOからなる群から選択された1つのものからなってもよい。
【0072】
前記パターン層260によって露出した電子注入層255および前記パターン層260上に第2導電層270を形成する。この時、前記電子注入層255および前記第2導電層270はそれらが各々接する領域において前記第2導電層270から前記電子注入層255に直接電子が注入されないエネルギー準位を有する。また、前記第2導電層270、前記パターン層270および前記電子注入層255は、各々前記第2導電層270から前記パターン層270を介して前記電子注入層255に電子が注入および輸送され得るエネルギー準位を有する。前記第2導電層270はアルミニウム(Al)、銀(Ag)または透明電極(ITO)からなってもよい。
【0073】
また、前記第1導電層210はアノード電極で形成し、前記第2導電層270はカソード電極で形成することができる。この時、前記カソード電極の下部に形成されたパターン層280は正孔抑制層、電子輸送層、または電子注入層で形成することができる。
【0074】
図4を参照して本発明の第3実施形態に係る有機発光素子の製造方法を説明すると、本実施形態では有機層ユニットが2つ以上積層された有機発光素子を形成する。すなわち、実施形態1のように基板300の上に第1導電層310を形成し、発光領域(A)と相応するように前記第1導電層310の上に第1パターン層320を形成した後、前記第1パターン層320および前記第1パターン層320によって露出した前記第1導電層310の上に第1有機層380aを形成する。しかし、第1有機層380aの上に第2導電層を形成した第1実施形態とは異なり、第2導電層370を形成する前に、前記第1有機層380aの上に第3導電層358を形成する。
【0075】
また、前記第3導電層358の上に第2パターン層360を形成する。前記第2パターン層はまた他の発光領域(C)と相応するように形成することができる。前記第2パターン層360および前記第2パターン層360によって露出した第3導電層358の上に第2有機層380bを形成し、前記第2有機層380bの上に第2導電層370を形成する。
【0076】
この時、前記第1有機層380aと前記第3導電層358との間および/または前記第2有機層380bと前記第2導電層370との間にまた他の第3パターン層を形成することもできる。前記第3パターン層を形成する場合、前記第3パターン層は正孔抑制層、電子輸送層、または電子注入層に形成することができる。
【0077】
前記パターン層、前記パターン層に接する導電層および前記パターン層に接する有機層は各々前記パターン層を介して電荷が注入または輸送され、前記導電層と有機層が接する領域において前記導電層から前記有機層に電荷が直接注入または輸送されないエネルギー準位を有する。
【0078】
前記第1パターン層320または前記第2パターン層360は正孔注入層または正孔輸送層に形成することができる。また、前記第1パターン層320または前記第2パターン層360はn−型有機層からなり、前記第1有機層380aまたは前記第2有機層380bはp−型有機層からなってもよい。前記n−型有機層と前記p−型有機層の特徴は前記第1実施形態の有機物の特徴と同様である。
【0079】
第3実施形態では前記特徴を有するパターン層を形成し、発光領域上の電荷移動に対する電気的障壁を下げることによって電荷注入能力を向上させるだけでなく、複数層の多様な形態のパターン層を形成することによって色々な形態の発光模様を実現することができる。
【0080】
前記では本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正および変更することができると理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の有機発光素子を示す断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る有機発光素子を示す断面図である。
【符号の説明】
【0082】
10 透明基板
20 アノード電極
30 絶縁層
40 正孔注入層
45 正孔輸送層
50 発光層
60 電子輸送層
65 電子注入層
70 カソード電極
A 発光領域
B 非発光領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;前記基板上に順次位置する第1導電層および第2導電層;および前記第1導電層と第2導電層との間に位置する、発光層を初めとする1層以上の有機層を含む有機発光素子であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする有機発光素子。
【請求項2】
前記パターン層は有機物、無機物またはそれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記第1導電層はカソード電極であり、前記第2導電層はアノード電極であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記第1導電層はアノード電極であり、前記第2導電層はカソード電極であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記アノード電極と有機層との間のパターン層は正孔注入層または正孔輸送層であることを特徴とする、請求項4に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記カソード電極と有機層との間のパターン層は正孔抑制層、電子輸送層、または電子注入層であることを特徴とする、請求項4に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記有機層は正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、正孔抑制層(HBL)、電子輸送層(ETL)、および電子注入層(EIL)からなる群から選択された1つ以上のものをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記有機層から発生した光は前記基板に向かう方向(bottom emission)、前記基板の反対方向(top emission)または両方向に放出することを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記パターン層は前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と接し、n−型有機層からなり、前記パターン層と接する有機層はp−型有機層からなって、前記パターン層とNP接合をなすことを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記導電層のフェルミ準位、前記パターン層のLUMOエネルギー準位、および前記パターン層と接する有機層のHOMOエネルギー準位は下記の式(1)および式(2)を満足する、請求項9に記載の有機発光素子:
【数1】

前記式(1)と式(2)において、EF1は前記導電層のフェルミエネルギー準位であり、EnLは前記パターン層のLUMOエネルギー準位であり、EpHは前記パターン層とNP接合をなす有機層のHOMOエネルギー準位である。
【請求項11】
前記n−型有機物は4〜7eVのLUMOエネルギー準位および10−8cm/Vs〜1cm/Vsの電子移動度を有することを特徴とする、請求項9に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記n−型有機層は下記の化学式1の化合物を含むことを特徴とする、請求項9に記載の有機発光素子:
【化1】

(化学式1)
前記化学式1において、R〜Rは各々水素、ハロゲン原子、ニトリル(−CN)、ニトロ(−NO)、スルホニル(−SOR)、スルホキシド(−SOR)、スルホンアミド(−SONR)、スルホネート(−SOR)、トリフルオロメチル(−CF)、エステル(−COOR)、アミド(−CONHRまたは−CONRR’)、置換もしくは非置換の直鎖または分枝鎖のC−C12アルコキシ、置換もしくは非置換の直鎖または分枝鎖のC−C12アルキル、置換もしくは非置換の芳香族または非芳香族の複素環、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のモノ−またはジ−アリールアミン、および置換もしくは非置換のアラルキルアミンからなる群から選択され、前記RおよびR’は各々置換もしくは非置換のC−C60アルキル、置換もしくは非置換のアリール、および置換もしくは非置換の5−7員複素環からなる群から選択される。
【請求項13】
前記化学式1の化合物は下記化学式1−1〜1−6で示される化合物から選択されることを特徴とする、請求項12に記載の有機発光素子:
【化2】

(化学式1−1)
【化3】

(化学式1−2)
【化4】

(化学式1−3)
【化5】

(化学式1−4)
【化6】

(化学式1−5)
【化7】

(化学式1−6)
【請求項14】
前記パターン層は前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と接し、前記パターン層はLiF、NaF、CsF、Ca、Mg、CaOおよびMgOからなる群から選択された材料からなることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項15】
第1導電層と、少なくとも1つの中間導電層および第2導電層と、前記導電層の間に各々配置された発光層を初めとする1層以上の有機層とを含む積層型有機発光素子であって、前記導電層のうちの少なくとも1つと前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられ、該パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層が直接接する領域では電荷が直接注入または輸送されないことを特徴とする積層型有機発光素子。
【請求項16】
それぞれの導電層と該導電層の上部に位置する有機層との間に前記パターン層が備えられることを特徴とする、請求項15に記載の積層型有機発光素子。
【請求項17】
前記パターン層が2以上含まれ、該パターン層は互いに同じであるか異なるパターンを有することを特徴とする、請求項15に記載の積層型有機発光素子。
【請求項18】
前記第1導電層と前記第2導電層との間に位置した第3導電層を含み、前記第3導電層の上部および下部に発光層を初めとする1層以上の有機層を含み、前記第1導電層、第2導電層および第3導電層のうちの少なくとも1つと1層以上の有機層との間に発光領域に相応するように形成されたパターン層が備えられることを特徴とする、請求項15に記載の積層型有機発光素子。
【請求項19】
請求項1の有機発光素子を含む表示素子。
【請求項20】
基板上に第1導電層、発光層を初めとする1層以上の有機層および第2導電層を順次積層するステップを含む有機発光素子の製造方法であって、前記第1導電層と第2導電層のうちの少なくとも1つの導電層と前記1層以上の有機層との間に発光領域に相応するようにパターン層を形成する際に、前記パターン層を介して導電層と有機層との間に電荷が注入または輸送され得る材料で前記パターン層を形成するステップを含み、前記パターン層の上面および下面に各々接する2層はこれらの2層が直接接する領域において電荷が直接注入または輸送されない材料からなることを特徴とする有機発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−529234(P2009−529234A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−558204(P2008−558204)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【国際出願番号】PCT/KR2007/001127
【国際公開番号】WO2007/102704
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】