説明

有機発光素子

【課題】有機発光素子を提供する。
【解決手段】基板と、第1電極と、第2電極と、第1電極と第2電極との間に備えられて正孔注入層及び発光層を含む有機層と、を備え、発光層は赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を備え、(a)正孔注入層と赤色発光層との間に備えられ、赤色光の共振周期調節のための第1補助層及び(b)正孔注入層と緑色発光層との間に備えられて緑色光の共振周期調節のための第2補助層のうち一つ以上を備え、第1補助層をなす物質が正孔注入層をなす物質と異なり、第2補助層をなす物質が正孔注入層をなす物質と異なる有機発光素子。これにより、有機発光素子は低駆動電圧、高電流密度、高輝度、高電流効率、高電力、長寿命及び優秀な色純度を持つことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機発光素子に係り、より具体的には、赤色光及び/または緑色光の共振周期を調節するための補助層を備えた有機発光素子に関する。前記有機発光素子は向上した電気的特性、例えば、駆動電圧、効率、寿命などを持つ。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、自発光型素子であって、視野角が広くてコントラストに優れるだけでなく、応答時間が速いという長所を持ち、大きく注目されている。また、前記有機発光素子は、駆動電圧及び応答速度特性に優れ、多色化が可能であるという点で多くの研究が行われつつある。
【0003】
有機発光素子は、一般的にアノード/発光層/カソードの積層構造を持ち、前記アノードと発光層との間または発光層とカソードとの間に正孔注入層、正孔輸送層及び電子注入層を追加で積層して、アノード/正孔輸送層/発光層/カソード及び、アノード/正孔輸送層/発光層/電子注入層/カソードなどの構造を持つ。前記有機発光素子の例は、例えば、特許文献1を参照する。
【0004】
しかし、従来の有機発光素子は満足すべき駆動電圧、発光効率、寿命特性などを有していないため、その改善が要求される。
【特許文献1】大韓民国特開第2005−0040960号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述した問題点を解決するために本発明は、赤色光及び/または緑色光の共振周期を調節するための補助層を備え、高効率、長寿命などを持つ有機発光素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、本発明は、基板と、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に備えられて正孔注入層及び発光層を含む有機層と、を備え、前記発光層は赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を備え、(a)前記正孔注入層と前記赤色発光層との間に備えられ、赤色光の共振周期を調節するための第1補助層及び(b)前記正孔注入層と前記緑色発光層との間に備えられ、緑色光の共振周期を調節するための第2補助層のうち一つ以上を備え、前記第1補助層をなす物質が前記正孔注入層をなす物質と異なり、前記第2補助層をなす物質が前記正孔注入層をなす物質と異なる有機発光素子を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明による有機発光素子は、赤色副画素及び/または緑色副画素に赤色光及び/または緑色光の共振周期を調節する補助層を備えるが、前記補助層は、赤色光及び/または緑色光それぞれの効率、色純度などの向上のために正孔注入層と異なる物質からなっているので、高効率、低駆動電圧、高輝度、長寿命を持つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0009】
図1は、本発明による有機発光素子の一具現例の断面図を概略的に図示したものである。
【0010】
図1に図示された有機発光素子には、基板10、第1電極12、正孔注入層16が備えられており、赤色発光層22R、緑色発光層22G、青色発光層22Bがそれぞれパターニングされている。この時、正孔注入層16と赤色発光層22Rとの間には赤色光の共振周期調節のための第1補助層18Rが備えられており、正孔注入層16と緑色発光層22Gとの間には緑色光の共振周期調節のための第2補助層18Gが備えられている。赤色発光層22R、緑色発光層22G及び青色発光層22Bの下部には正孔輸送層20が備えられており、赤色発光層22R、緑色発光層22G及び青色発光層22Bの上部には電子輸送層24、電子注入層26及び第2電極28が順に備えられている。
【0011】
図1中、基板10は、通常の有機発光素子で使われる基板を使用するが、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑性、取扱容易性及び防水性に優れたガラス基板または透明プラスチック基板を利用できる。図1には図示されていないが、前記基板10の上部に平坦化膜、絶縁層などをさらに備えることができる。
【0012】
基板10の上部には第1電極12が備えられている。前記第1電極12は、図1に図示されたように、赤、緑、青色の副画素(R、G、B sub pixel)別にパターニングされ、アノードまたはカソードでありうる。前記第1電極12は透明電極、半透明電極または反射電極であり、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、Al、Ag、Mgなどを利用して形成できるが、これに限定されるものではない。また、相異なる2つ以上の物質を利用して2層以上の構造を持つことができるなど、多様な変形が可能である。
【0013】
前記第1電極12のエッジには絶縁層14が備えられている。前記絶縁層14をなす物質は、SiO、SiNxなどの無機物またはポリイミド系樹脂、アクリル系樹脂などの有機物であるなど、通常の絶縁物質でありうる。
【0014】
前記第1電極12の上部には正孔注入層16が備えられている。前記正孔注入層16は赤、緑、青色の副画素別に独立に備えられるよりは、図1に図示されたように、赤、緑、青色の副画素に対して共通層として形成されることが望ましい。これにより、有機発光素子の工程コストを下げることができる。
【0015】
前記正孔注入層16は、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB(Langmuir Blodgett)法のような多様な方法を利用して形成できる。
【0016】
真空蒸着法によって正孔注入層16を形成する場合、その蒸着条件は正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、一般的に蒸着温度100ないし500℃、真空度10−8ないし10−3torr、蒸着速度0.01ないし100Å/secの範囲で適切に選択することが望ましい。
【0017】
スピンコーティング法によって正孔注入層16を形成する場合、そのコーティング条件は、正孔注入層の材料として使用する化合物、目的とする正孔注入層の構造及び熱的特性によって異なるが、約2000rpmないし5000rpmのコーティング速度で、コーティング後溶媒除去のための熱処理温度は約80℃ないし200℃の温度範囲で適切に選択することが望ましい。
【0018】
前記正孔注入層をなす物質のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)エネルギーレベルは、−4.5eVないし−5.5eV、望ましくは−4.9eVないし−5.2eVでありうる。前述したような範囲を外れたHOMOエネルギーレベルを持つ物質を正孔注入層として利用する場合、電荷均衡を調節し難い。
【0019】
さらに具体的に、前記正孔注入層をなす物質は、例えば、米国特許第4,356,429号明細書に開示された銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物またはAdvanced Material,6,p.677(1994)に記載されているスターバースト型アミン誘導体類であるTCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、溶解性のある伝導性高分子であるPani/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)またはPEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸塩))、Pani/CSA(ポリアニリン/カンファースルホン酸)またはPANI/PSS(ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホン酸塩))、LUDIS社製のLHT−100などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0020】
【化1】

【0021】
前記正孔注入層の厚さは10nmから200nm、望ましくは60nmから150nmでありうる。前記正孔注入層の厚さは、工程時間及びコストに鑑みて前記範囲で選択されることが望ましい。
【0022】
前記正孔注入層16の上部のうち、赤色副画素には第1補助層18Rが備えられており、緑色副画素には第2補助層18Gが備えられている。前記第1補助層18Rは、赤色光の共振周期を調節するために赤色副画素の有機層厚さを合わせる役割を行い、前記第2補助層18Gは、緑色光の共振周期を調節するために緑色副画素の有機層厚さを合わせる役割を行う。
【0023】
有機発光素子の第1電極12と第2電極28との間に備えられた有機膜から放出された赤色光、緑色光及び青色光は、第1電極12と第2電極28との間を共振していて有機発光素子の外部に取出されうる。この時、第1電極12と第2電極28との間を共振する光が補強干渉を起こす場合、有機発光素子の発光効率、輝度などはさらに向上できる。ところが、赤色光、緑色光及び青色光それぞれはその波長が異なるため(赤色光の波長>緑色光の波長>青色光の波長)、光学的補強干渉が起きるのに必要な共振距離(第1電極12と第2電極28との間の距離であって、赤色光、緑色光及び青色光の共振距離は、それぞれ赤色副画素、緑色副画素及び青色副画素の有機層の厚さに該当する)は各カラー別に異なる。
【0024】
前述したように、正孔注入層16は、工程効率向上のために図1に図示されたように、赤、緑及び青色の副画素それぞれに対して共通層として形成されうる。この時、通常的に正孔注入層16の厚さは、赤、緑、青色光のうち最も短波長である青色光の波長を考慮して青色光の共振周期を調節することによって、青色光に対して光学的補強干渉を起こすように調節される。この場合、赤色光及び緑色光の発光効率、色座標などが損害を被る恐れがある。これを補強するために、すなわち、赤色光及び緑色光も光学的補強干渉を起こすように赤色副画素及び緑色副画素の有機層厚さを調節するために、図1に図示されたように第1補助層18R及び第2補助層18Gをそれぞれ赤色副画素及び緑色副画素に備えることができる。
【0025】
この時、第1補助層18Rをなす物質は、赤色光の発光効率、色純度などを高めるために正孔注入層16をなす物質と異なるものが選択されうる。例えば、前記第1補助層18Rをなす物質のHOMOエネルギーレベルは、前記正孔注入層16をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.5eV、望ましくは±0.3eVの範囲内に属する。前記第1補助層18Rをなす物質のHOMOエネルギーレベルが前述したような範囲を満たせない場合、赤色光の発光効率、色純度などの最適化をなせない恐れがある。例えば、正孔注入層16をなす物質としてLUDIS社製のLHT−001を選択する場合、LUDIS社製のLHT−001のHOMOエネルギーレベルは約−5.1eVであるため、第1補助層18Rをなす物質としては、HOMOエネルギーレベルが約−5.6ないし−4.6eVである物質を選択できる。
【0026】
前記第1補助層18Rをなす物質の正孔移動度は、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(以下、NPB)の正孔移動度の1.5倍ないし2倍でありうる。NPBの正孔移動度は、測定条件(温度、印加された電界など)及び測定方法によって異なるが、約2.3X10−3cm/V.s(4X10V/cmの条件下)でありうる。例えば、第1補助層18Rをなす物質の正孔移動度は、3.45X10−3ないし4.6X10−3cm/V.sであるが、NPBの正孔移動度が測定条件及び方法によって異なることを考慮して、これに制限されるものではない。
【0027】
前記第1補助層18Rの厚さは60nmないし100nm、望ましくは70nmないし90nmでありうる。前記第1補助層の厚さが前述したような範囲を外れる場合、赤色光の共振周期調節が困難で、優秀な効率、寿命、色純度などを持つ赤色光を得難い。
【0028】
一方、第2補助層18Gをなす物質は緑色光の発光効率、色純度などを高めるために、正孔注入層16をなす物質と異なるものが選択されうる。例えば、前記第2補助層18Gをなす物質のHOMOエネルギーレベルは前記正孔注入層16をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.5eV、望ましくは±0.3eVの範囲内に属しうる。前記第2補助層18Gをなす物質のHOMOエネルギーレベルが前述したような範囲を満たせない場合、緑色光の発光効率、色純度などの最適化をなせない恐れがある。例えば、正孔注入層16をなす物質としてLUDIS社製のLHT−001を選択する場合、前記LUDIS社製造のLHT−001のHOMOエネルギーレベルは約−5.1eVであるので、第2補助層18Gをなす物質としては、HOMOエネルギーレベルが約−5.6ないし−4.6eVの物質を選択できる。
【0029】
前記第2補助層18Gをなす物質の正孔移動度は、NPBの正孔移動度の1.5倍ないし2倍でありうる。NPBの正孔移動度は、測定条件(温度、印加された電界など)及び測定方法によって異なるが、約2.3X10−3cm/V.s(4X10V/cmの条件下)でありうる。例えば、第2補助層18Gをなす物質の正孔移動度は3.45X10−3ないし4.6X10−3cm/V.sでありうるが、NPBの正孔移動度が測定条件及び方法によって異なることを考慮して、これに制限されるものではない。
【0030】
前記第2補助層18Gの厚さは20nmないし60nm、望ましくは30nmないし50nmでありうる。前記第2補助層の厚さが前述したような範囲を外れる場合、緑色光の共振周期調節が困難で、優秀な効率、寿命、色純度などを持つ緑色光を得難い。
【0031】
前記第1補助層18R及び第2補助層18Gをなす物質は、正孔注入層16をなす物質と異なれば、互いに異なっても同一であっても構わない。
【0032】
さらに具体的に、前記第1補助層18R及び前記第2補助層18Gをなす物質は下記化学式1で表される化合物である。
【0033】
【化2】

【0034】
前記化学式中、RないしR12は互いに独立に、水素、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基(望ましくは、置換または非置換のC−C10アルキル基)、置換または非置換のC−C30アルコキシ基(望ましくは、置換または非置換のC−C10アルコキシ基)、置換または非置換のC−C30アルケニル基(望ましくは、置換または非置換のC−C10アルケニル基)、置換または非置換のC−C30アルキニル基(望ましくは、置換または非置換のC−C10アルキニル基)、置換または非置換のC−C30アリール基(望ましくは、置換または非置換のC−C20アリール基)、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基(望ましくは、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基)または化学式−N(A)(A)で表示される基でありうる。この時、前記A及びAは互いに独立に、置換または非置換のC−C30アリール基(望ましくは、置換または非置換のC−C20アリール基)、または置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基(望ましくは、置換または非置換のC−C20ヘテロアリール基)でありうる。
【0035】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、iso−アミル、ヘキシルなどを挙げることができ、前記アルキル基のうち一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アミジノ基、ヒドラジン、ヒドラゾン、カルボキシル基やその塩、スルホン酸基やその塩、燐酸やその塩、またはC−C30アルキル基、C−C30アルケニル基、C−C30アルキニル基、C−C30アリール基、C−C20アリールアルキル基、C−C20ヘテロアリール基、C−C30ヘテロアリールアルキル基、C−C30アリールオキシ基または−N(Z)(Z)で表示される化学式に置換されうる。この時、前記Z及びZは互いに独立に水素、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アリール基、及び置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基からなる群から選択されうる。
【0036】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30アルコキシ基は−OXで表示されるグループであり、この時、Xは前述したようなアルキル基でありうる。前記アルコキシ基の具体例として、メトキシ、エトキシ、フェニルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ナフチルオキシ、イソプロピルオキシ、ジフェニルオキシなどがあり、それらアルコキシ基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同じ置換基に置換可能である。
【0037】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30アルケニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や最端部に一つ以上の炭素二重結合を含有していることを意味する。例としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンなどがある。それらアルケニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同じ置換基に置換可能である。
【0038】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30アルキニル基は、前記定義されたようなアルキル基の中間や最端部に炭素三重結合を含有していることを意味する。その例としては、アセチレン、プロピレン、フェニルアセチレン、ナフチルアセチレン、イソプロピルアセチレン、t−ブチルアセチレン、ジフェニルアセチレンなどがある。それらアルキニル基のうち少なくとも一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同じ置換基に置換できる。
【0039】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30アリール基は、一つ以上の芳香族環を含む炭素原子数6ないし30個の炭素環式芳香族システムを意味し、前記一つ以上の環は互いに融合されるか、単一結合などを通じて連結されうる。前記アリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同じ置換基に置換できる。
【0040】
前記化学式1中、置換または非置換のC−C30アリール基の例としては、フェニル基、C−C10アルキルフェニル基(例えば、エチルフェニル基)、ハロフェニル基(例えば、o−,m−及びp−フルオロフェニル基、ジクロロフェニル基)、シアノフェニル基、ジシアノフェニル基、トリフルオロメトキシフェニル基、ビフェニル基、ハロビフェニル基、シアノビフェニル基、C−C10ビフェニル基、C−C10アルコキシビフェニル基、o−,m−、及びp−トリル基、o−,m−及びp−クメニル基、メシチル基、フェノキシフェニル基、(α、α−ジメチルベンゼン)フェニル基、(N,N’−ジメチル)アミノフェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、ナフチル基、ハロナフチル基(例えば、フルオロナフチル基)、C−C10アルキルナフチル基(例えば、メチルナフチル基)、C−C10アルコキシナフチル基(例えば、メトキシナフチル基)、シアノナフチル基、アントラセニル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、アセナフチルレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントラキノリル基、メチルアントリル基、フェナントリル基、トリフェニレン基、ピレニル基、クリセニル基、エチル−クリセニル基、ピセニル基、ペリレニル基、クロロペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基などを挙げられる。
【0041】
本発明の化学式1中、非置換のC−C30ヘテロアリール基はN、O、PまたはSのうち選択された1個以上のヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである一つ以上の芳香族環からなるシステムを意味し、前記一つ以上の芳香族環は互いに融合されるか、単一結合などを通じて連結されうる。前記ヘテロアリール基のうち一つ以上の水素原子は、前述したアルキル基の場合と同じ置換基に置換できる。
【0042】
前記化学式1中、非置換のC−C30ヘテロアリール基の例としては、ピラゾリル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、カルバゾリル基、インドリル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを挙げることができる。それらは前記アルキル基の置換基と同じく置換されうるということは言うまでもない。
【0043】
望ましくは、RないしR12は互いに独立に、水素、フェニル基、(N,N’−ジフェニル)アミノフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはN−フェニルカルバゾリル基である。
【0044】
前記第1補助層18R及び第2補助層18Gは、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって第1補助層18R及び第2補助層18Gを形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層16の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0045】
前記第1補助層18R、第2補助層18G、正孔注入層16の上部には正孔輸送層20が備えられている。
【0046】
前記正孔輸送層20は真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような多様な方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法によって正孔輸送層20を形成する場合、その蒸着条件及びコーティング条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層16の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0047】
前記正孔輸送層物質としては、公知の正孔輸送層物質を利用できるが、例えば、N−フェニルカルバゾル、ポリビニルカルバゾルなどのカルバゾル誘導体、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(TPD)、N,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)などの芳香族縮合環を持つ通常のアミン誘導体などが使われうるが、これに限定されるものではない。
【0048】
前記正孔輸送層20の厚さは約15nmないし100nm、望ましくは20nmないし70nmでありうる。前記厚さ範囲では優秀な正孔輸送特性及び低い駆動電圧を得ることができるためである。
【0049】
次いで、前記正孔輸送層20の上部に各副画素別に赤色発光層22R、緑色発光層22G及び青色発光層22Bが備えられている。前記赤色発光層22R、緑色発光層22G及び青色発光層22Bは、真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスト法、LB法のような方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により発光層を形成する場合、その蒸着条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層16の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0050】
前記発光層は、公知の多様な発光物質を利用して形成できるが、公知のホスト及びドーパントを利用して形成してもよい。前記ドーパントの場合、公知の蛍光ドーパント及び公知の燐光ドーパントをいずれも使用できる。
【0051】
例えば、ホストとしては、Alq、CBP(4,4’−N,N’−ジカルバゾル−ビフェニル)、PVK(ポリ(n−ビニルカルバゾル))、DSA(ジスチリルアリーレン)、グラセル社製のGDI1403(赤色燐光ホスト)、グラセル社のGGH01(緑色蛍光ホスト)などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0052】
ドーパントの場合、蛍光ドーパントとしては、出光社で購入可能なIDE102、IDE105、IDE118を使用でき、燐光ドーパントとしては、Ir(ppy)(ppyはフェニルピリジンの略語である)(緑色)、緑色蛍光ドーパントであるグラセル社製のGD01、(4,6−F2ppy)Irpic(参照文献:Chihaya Adachi etc.Appl.Phys.Lett.,79,2082−2084,2001)、コビオン社製のTEB002、PtOEP(platinum(II)octaethylporphyrin)、下記化学式2を持つ化合物(大韓民国特開第2005−0078472号参照)、Firpic、Ir(piq)(tris(1−phenylisoquinoline)iridium(III))などを使用できるが、これに限定されるものではない。
【0053】
【化3】

【0054】
前記ドーパントの含有量は、発光層形成材料100重量部(すなわち、ホストとドーパントの総重量は100重量部とする)を基準として0.1ないし20重量部、特に0.5〜15重量部であることが望ましい。ドーパントの含有量が0.1重量部未満ならばドーパント付加による効果が微小であり、20重量部を超過すれば、燐光や蛍光とも濃度クエンチングのような濃度消光が起きて望ましくない。
【0055】
前記発光層の厚さは約10nmないし100nm、望ましくは10nmないし60nmでありうる。前記発光層の厚さが10nmを超過する場合、満足すべき発光特性を得ることができ、前記発光層の厚さが100nm未満である場合、実質的な駆動電圧上昇が防止される。
【0056】
発光層が燐光ドーパントを含む場合、三重項励起子または正孔が電子輸送層に広がる現象を防止するために、正孔阻止層(HBL)を発光層の上部に形成できる(図1には図示せず)。この時に使用できる正孔阻止層物質は特別に制限されず、公知の正孔阻止層物質のうち任意に選択して利用できる。例えば、オキサジアゾール誘導体やトリアゾル誘導体、フェナントロリン誘導体、またはJP11−329734(A1)に記載されている正孔阻止材料、Balq、BCPなどを利用できる。
【0057】
前記正孔阻止層の厚さは約5nmないし100nm、望ましくは10nmないし30nmでありうる。前記正孔阻止層の厚さが5nmを超過する場合、満足すべき正孔阻止特性を得ることができ、前記正孔阻止層の厚さが100nm未満である場合、実質的な駆動電圧上昇を防止できる。
【0058】
前記発光層の上部には電子輸送層(ETL)24が備えられている。前記電子輸送層(ETL)24を真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子輸送層24を形成する場合、その条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層16の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0059】
前記電子輸送層物質は特別に限定されず、公知の電子輸送層形成材料のうち任意に選択されうる。例えば、キノリン誘導体、特にトリス(8−キノリノレート)アルミニウム(Alq)、TAZのような公知の材料を利用できる。
【0060】
前記電子輸送層24の厚さは約10nmないし100nm、望ましくは10nmないし50nmでありうる。前記電子輸送層24の厚さが10nmを超過する場合、満足すべきほどの電子輸送特性を得ることができ、前記電子輸送層24の厚さが100nm未満である場合、実質的な駆動電圧上昇が防止できる。
【0061】
また電子輸送層24の上部に、陰極からの電子の注入を容易にする機能を持つ物質である電子注入層(EIL)26が備えられている。前記電子注入層26は、真空蒸着法、またはスピンコーティング法、キャスト法などの多様な方法を利用して形成できる。真空蒸着法及びスピンコーティング法により電子注入層26を形成する場合、その条件は使用する化合物によって異なるが、一般的に正孔注入層16の形成とほぼ同じ条件範囲で選択される。
【0062】
電子注入層26としては、LiF、NaCl、CsF、LiO、BaOのような電子注入層形成材料として公知の任意の物質を利用できる。前記電子注入層26の厚さは約0.1nmないし10nm、望ましくは0.5nmないし9nmでありうる。前記電子注入層26の厚さが0.1nmを超過する場合、満足すべき程度の電子注入特性を得ることができ、前記電子注入層26の厚さが10nm未満である場合、実質的な駆動電圧上昇が防止できる。
【0063】
最後に電子注入層26の上部には第2電極28が備えられている。前記第2電極28は、真空蒸着法やスパッタリング法などの方法を利用して形成でき、カソードまたはアノードでありうる。前記第2電極形成用金属としては、低い仕事関数を持つ金属、合金、電気伝導性化合物及びそれらの混合物を使用できる。具体例としては、リチウム(Li)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、アルミニウム−リチウム(Al−Li)、カルシウム(Ca)、マグネシウム−インジウム(Mg−In)、マグネシウム−銀(Mg−Ag)などが挙げられる。また、前記第2電極28は、相異なる2つ以上の物質を利用して2層以上の構造を持つことができるなど、多様な変形が可能である。
【0064】
本発明による有機発光素子として、図1に図示したような構造を持つ有機発光素子を例として説明したが、本発明による有機発光素子はこれに限定されるものではなく多様な変形が可能であるということは言うまでもない。
【0065】
以下、本発明の実施例を具体的に例示するが、本発明が下記実施例に限定されるという意味ではない。
【実施例】
【0066】
<実施例1>
アノードは、コーニング15Ω/cm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切って、イソプロピルアルコールと純水とを利用して各5分間超音波洗浄した後、使用した。前記ITOガラス基板に30分間紫外線を照射してオゾンに露出させて洗浄した後、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0067】
前記基板の上部にLUDIS社製の正孔注入物質(商品名はLHT−001)を真空蒸着して130nm厚さの正孔注入層を形成した。次いで、出光社製の正孔輸送物質(商品名はIDE−406)を真空蒸着して80nm厚さの第1補助層を形成した後、前記第1補助層の上部にNPBを真空蒸着して20nmの厚さの正孔輸送層を形成した。
【0068】
前記正孔輸送層の上部に公知の赤色燐光ホストであるグラセル社製のGDI1403と公知の赤色燐光ドーパントであるIr(piq)(ドーパント含有量は15wt%)とを同時蒸着して、20nm厚さの赤色燐光発光層を形成した。
【0069】
次いで、前記発光層の上部にAlqを真空蒸着して30nm厚さの電子輸送層を形成した後、前記電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して0.5nmの電子注入層を形成し、Mg:Agを16nm厚さに真空蒸着して有機発光素子を製作した。
【0070】
<実施例2>
第1補助層の形成時、出光社製のIDE406の代わりに、Merck社製のHTM016を利用した点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0071】
<比較例1>
第1補助層の形成時、出光社製造のIDE406の代わりに、電子注入層形成材料と同じLHT−001を利用したという点を除いては、前記実施例1と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0072】
<評価例1>
前記実施例1及び2と比較例1の有機発光素子の駆動電圧、電流密度、輝度、電流効率、電力及び色座標をPR650(Spectroscan spectrometer、PHOTO RESEARCH INC.社製品)を利用して評価して、その結果を下記の表1に表した。一方、実施例1の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の加速寿命(5倍)データは図2に示し、電流効率データは図3にそれぞれ示した。また、実施例2の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の加速寿命(5倍)データは図4に示し、電流効率データは図5にそれぞれ示した。
【0073】
【表1】

【0074】
前記表1によれば、本願発明による実施例1及び2の有機発光素子が比較例1の有機発光素子に比べて優秀な駆動電圧、電流密度、輝度、電流効率、電力、色純度などを持つということが分かる。また、図2及び図4によれば、本願発明による実施例1及び2の有機発光素子は比較例1に比べて長い寿命を持つことが分かる。
【0075】
<実施例3>
アノードは、コーニング15Ω/cm(1200Å)ITOガラス基板を50mm×50mm×0.7mmサイズに切って、イソプロピルアルコールと純水を利用して各5分間超音波洗浄してから使用した。前記ITOガラス基板に30分間紫外線を照射してオゾンに露出させて洗浄した後、真空蒸着装置に前記ガラス基板を設置した。
【0076】
前記基板の上部にLUDIS社製の正孔注入物質(商品名はLHT−001)を真空蒸着して130nm厚さの正孔注入層を形成した。次いで、出光社製の正孔輸送物質(商品名はIDE−406)を真空蒸着して40nm厚さの第2補助層を形成した後、前記第2補助層の上部にNPBを真空蒸着して20nmの厚さの正孔輸送層を形成した。
【0077】
前記正孔輸送層の上部に公知の緑色蛍光ホストであるグラセル社製のGGH01と公知の緑色蛍光ドーパントであるグラセル社製のGD01(ドーパント含有量は15wt%)とを同時蒸着して、20nm厚さの緑色蛍光発光層を形成した。
【0078】
次いで、前記発光層の上部にAlqを真空蒸着して30nm厚さの電子輸送層を形成した後、前記電子輸送層の上部にLiFを真空蒸着して0.5nm厚さの電子注入層を形成し、Mg:Agを16nm厚さに真空蒸着して有機発光素子を製作した。
【0079】
<実施例4>
第2補助層の形成時、出光社製のIDE406の代わりに、Merck社製のHTM016を利用した点を除いては、前記実施例3と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0080】
<実施例5>
第2補助層の形成時、出光社製のIDE406の代わりに、ELM社製のELM307を利用した点を除いては、前記実施例3と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0081】
<比較例2>
第2補助層の形成時、出光社製のIDE406の代わりに、電子注入層形成材料と同じLHT−001を利用したという点を除いては、前記実施例3と同じ方法を利用して有機発光素子を製作した。
【0082】
<評価例2>
前記実施例3、4及び5と比較例2の有機発光素子の駆動電圧、電流密度、輝度、電流効率、電力及び色座標をPR650(Spectroscan spectrometer、PHOTO RESEARCH INC.社製品)を利用して評価して、その結果を下記の表2に表した。一方、実施例3の有機発光素子及び比較例2の有機発光素子の加速寿命(5倍)データは図6に示し、電流効率データは図7にそれぞれ示した。また、実施例4及び5の有機発光素子と比較例2の有機発光素子との電流効率データは、図8にそれぞれ示した。
【0083】
【表2】

【0084】
前記表2によれば、本願発明による実施例3、4及び5の有機発光素子が比較例2の有機発光素子に比べて優秀な駆動電圧、電流密度、輝度、電流効率、電力、色純度などを持つということが分かる。また、図6によれば、本願発明による実施例3の有機発光素子は比較例2に比べて長い寿命を持つということが分かる。
【0085】
本発明について実施例を参考までに説明したが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならばこれより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は特許請求の範囲の技術的思想により定められねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、有機発光素子関連の技術分野に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明による有機発光素子の一具現例の構造を概略的に示す断面図である。
【図2】実施例1の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の加速寿命を示すグラフである。
【図3】実施例1の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の効率を示すグラフである。
【図4】実施例2の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の加速寿命を示すグラフである。
【図5】実施例2の有機発光素子及び比較例1の有機発光素子の効率を示すグラフである。
【図6】実施例3の有機発光素子及び比較例2の有機発光素子の加速寿命を示すグラフである。
【図7】実施例3の有機発光素子及び比較例2の有機発光素子の効率を示すグラフである。
【図8】実施例4及び5の有機発光素子と比較例2の有機発光素子との効率を示すグラフである。
【符号の説明】
【0088】
10 基板
12 第1電極
16 正孔注入層
18R 第1補助層
18G 第2補助層
20 正孔輸送層
22R 赤色発光層
22G 緑色発光層
22B 青色発光層
24 電子輸送層
26 電子注入層
28 第2電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1電極と、
第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に備えられて正孔注入層及び発光層を含む有機層と、を備え、
前記発光層は赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を備え、
(a)前記正孔注入層と前記赤色発光層との間に備えられ、赤色光の共振周期を調節するための第1補助層及び(b)前記正孔注入層と前記緑色発光層との間に備えられ、緑色光の共振周期を調節するための第2補助層のうち一つ以上を備え、
前記第1補助層をなす物質が前記正孔注入層をなす物質と異なり、前記第2補助層をなす物質が前記正孔注入層をなす物質と異なることを特徴とする有機発光素子。
【請求項2】
前記正孔注入層をなす物質のHOMOエネルギーレベルが−4.5eVないし−5.5eVであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項3】
前記正孔注入層をなす物質がフタロシアニン化合物、TCTA、m−MTDATA、m−MTDAPB、Pani/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PEDOT/PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4−スチレンスルホン酸塩))、Pani/CSA(ポリアニリン/カンファースルホン酸)、またはPANI/PSS(ポリアニリン/ポリ(4−スチレンスルホン酸塩))であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【化1】

【請求項4】
前記正孔注入層の厚さは10nmないし200nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記第1補助層をなす物質のHOMOエネルギーレベルが、前記正孔注入層をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.5eV範囲内に属することを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項6】
前記第1補助層をなす物質のHOMOエネルギーレベルが、前記正孔注入層をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.3eV範囲内に属することを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項7】
前記第1補助層をなす物質の正孔移動度がNPB正孔移動度の1.5倍ないし2倍であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項8】
前記第1補助層の厚さは60nmないし100nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項9】
前記第2補助層をなす物質のHOMOエネルギーレベルが、前記正孔注入層をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.5eV範囲内に属することを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項10】
前記第2補助層をなす物質のHOMOエネルギーレベルが、前記正孔注入層をなす物質のHOMOエネルギーレベルの±0.3eV範囲内に属することを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項11】
前記第2補助層をなす物質の正孔移動度が、NPB正孔移動度の1.5倍ないし2倍であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項12】
前記第2補助層の厚さが20nmないし60nmであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項13】
前記第1補助層をなす物質と前記第2補助層をなす物質とが同じであることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項14】
前記第1補助層及び第2補助層をなす物質が、下記化学式1を持つ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子:
【化2】

前記化学式中、
ないしR12は互いに独立に、水素、ヒドロキシル基、シアノ基、置換または非置換のC−C30アルキル基、置換または非置換のC−C30アルコキシ基、置換または非置換のC−C30アルケニル基、置換または非置換のC−C30アルキニル基、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基または化学式−N(A)(A)で表示される基であり、前記A及びAは互いに独立に、置換または非置換のC−C30アリール基、置換または非置換のC−C30ヘテロアリール基である。
【請求項15】
前記RないしR12が互いに独立に、水素、フェニル基、(N,N−ジフェニル)アミノフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはN−フェニルカルバゾリル基であることを特徴とする請求項14に記載の有機発光素子。
【請求項16】
前記赤色発光層と前記第1補助層との間に正孔輸送層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項17】
前記緑色発光層と前記第2補助層との間に正孔輸送層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項18】
前記有機層は、電子阻止層、正孔阻止層、電子輸送層及び電子注入層からなる群から選択された一つ以上の層をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。
【請求項19】
前記有機発光素子の作動時、前記第1電極と前記第2電極との間に共振現象が起きることを特徴とする請求項1に記載の有機発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−288201(P2008−288201A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−126333(P2008−126333)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】