説明

有機発光表示装置

【課題】開口率を増大させて寿命を向上させ、知覚画質が低下するという問題を改善できる有機発光表示装置を提供する。
【解決手段】六角形構造に配置された複数のサブピクセルと、サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、互いに隣接した一つの第1サブピクセル、一つの第2サブピクセル及び一つの第3サブピクセルの各中心が三角形をなすが、三角形の三辺のうち一辺の長さが残りの辺より短いことを特徴とする有機発光表示装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に係り、特にサブピクセルの構造が改善された有機発光表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、有機化合物を電気的に励起させて発光させる自発光型のディスプレイであって、低い電圧で駆動が可能であり、薄型化が容易であり、広視野角、速い応答速度など液晶表示装置において、問題点として指摘された欠点を解決できる次世代のディスプレイとして注目されている。
【0003】
かかる有機発光表示装置に対して、高解像度の要求が次第に高まっている。
【0004】
発光が起こる各サブピクセルの発光層は、フルホワイトを具現するための色相別にパターニングされねばならないが、このために、ファインメタルマスクなどを使用した蒸着工程が利用されている。しかし、ファインメタルマスクを利用した蒸着工程の場合、各サブピクセルに対して微細にパターニングするのには限界がある。
【0005】
これによって、有機発光表示装置の全体のディスプレイ画面の面積に対する実際の発光領域の面積の比率である開口率は、解像度が増大するにつれて低下する。このように開口率が低下するというのは、各サブピクセルの発光面積が縮小するということを意味するので、これによって、有機発光表示装置の寿命が低下するという問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するためのものであって、開口率を増大させて寿命を向上させる有機発光表示装置を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、知覚画質が低下するという問題を改善できる有機発光表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明は、六角形構造で配置された複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、互いに隣接した一つの第1サブピクセル、一つの第2サブピクセル及び一つの第3サブピクセルの各中心が三角形をなすが、前記三角形の三辺のうち一辺の長さが残りの辺より短いことを特徴とする有機発光表示装置を提供する。
【0009】
前記三角形の三辺の長さは相異なってもよい。
【0010】
前記他の目的を達成するために、本発明は、複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、前記複数のサブピクセルは、第1方向及び前記第1方向に直角である第2方向に沿って相異なる色のサブピクセルが隣接して配列され、前記第2方向に沿って前記第1サブピクセルの中心を連結した第1中心線が、前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第2サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第2中心線と離隔されて配置された有機発光表示装置を提供する。
【0011】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第2中心線と一致して配置されてもよい。
【0012】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第1中心線と一致して配置されてもよい。
【0013】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第2中心線と離隔されて配置されてもよい。
【0014】
互いに隣接した二つの第1サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第2サブピクセルの中心間の水平距離より短くてもよい。
【0015】
互いに隣接した二つの第1サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第3サブピクセルの中心間の水平距離より短くてもよい。
【0016】
互いに隣接した二つの第3サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第2サブピクセルの中心間の水平距離より短くてもよい。
【0017】
本発明は、また、複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、前記複数のサブピクセルは、第1方向及び前記第1方向に直角である第2方向に沿って相異なる色のサブピクセルが隣接して配列され、前記第1サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第1方向の幅より狭い有機発光表示装置を提供する。
【0018】
前記第1サブピクセルの第1方向の幅は、前記第1サブピクセルの第2方向の幅より狭くてもよい。
【0019】
前記第2方向に配列されている一列の第1サブピクセルの中心は、同じ列の第2サブピクセルの中心より一側にシフトされている。
【0020】
前記第1方向に沿って奇数列の第1サブピクセルの中心と、偶数列の第1サブピクセルの中心とは、相異なる方向にシフトされている。
【0021】
前記第3サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第1方向の幅より狭くてもよい。
【0022】
前記第3サブピクセルの第1方向の幅は、前記第3サブピクセルの第2方向の幅より狭くてもよい。
【0023】
前記第2方向に配列されている一列の第3サブピクセルの中心は、同じ列の第2サブピクセルの中心より一側にシフトされている。
【0024】
前記第1方向に沿って奇数列の第3サブピクセルの中心と、偶数列の第3サブピクセルの中心とは、相異なる方向にシフトされている。
【0025】
前記第2サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第2方向の幅より広くてもよい。
【0026】
前記第1色は緑色であり、前記第2色は青色であり、前記第3色は赤色であってもよい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0028】
六角形構造のサブピクセルを備えることで、開口率をさらに向上させ、開口率が向上するほど寿命も延長される。
【0029】
緑色である第1サブピクセルを縦方向に直線に配列されたパターンにさらに近くすることで、知覚画質が低下することを防止できる。
【0030】
これと共に、第2絶縁膜に形成された開口間の幅は減少することがないため、工程マージンを確保できる。
【0031】
また、第1サブピクセルだけでなく、第3サブピクセルも縦方向に直線に近いパターンをなすため、前述した知覚画質はさらに改善され、六角形のサブピクセル構造の長所は維持しつつ、短所はさらに補完できる。
【0032】
青色発光を行う第2サブピクセルのサイズを拡大させて、青色発光面積が広くなるため、青色の寿命短縮を減らし、輝度低下を減らすことができる。
【0033】
また、第1サブピクセルと第3サブピクセルとのサイズが減少するほど、第2サブピクセルのサイズを拡大するものであるため、第2絶縁膜に形成される第1開口ないし第3開口間の間隔も減らず、これによって、工程マージンも既存の有機発光表示装置と同一に維持される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置のサブピクセルを示す平面図である。
【図2】図1のサブピクセルのうち一つのサブピクセルの断面を示す断面図である。
【図3】図1のサブピクセルのうち一つのカラムの第1サブピクセルを示す平面図である。
【図4】図1のサブピクセルのうち一つのカラムの第2サブピクセルを示す平面図である。
【図5】本発明の望ましい他の実施形態による有機発光表示装置のサブピクセルを示す平面図である。
【図6】本発明の望ましいさらに他の実施形態による有機発光表示装置のサブピクセルを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0036】
図1は、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置のサブピクセルの配置を示す平面図である。
【0037】
図1に示すように、本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置は、六角形構造で形成され、六角形構造で配置された複数のサブピクセルを備える。
【0038】
各サブピクセルには、有機発光素子と薄膜トランジスタとを備えるピクセル回路が備えられている。
【0039】
図2は、各サブピクセルの断面を示すものである。
【0040】
すなわち、図2に示すように、基板40上に薄膜トランジスタTが形成されており、この薄膜トランジスタTと電気的に連結された有機発光素子50が備えられている。
【0041】
基板40上には、バッファ膜41が形成されており、バッファ膜41上に薄膜トランジスタTが備えられている。
【0042】
前記バッファ膜41は、不純元素の浸透を防止して、表面を平坦化する役割を行うものであって、かかる役割を行える多様な物質で形成される。一例として、前記バッファ膜41は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどの無機物や、ポリイミド、ポリエステル、アクリルなどの有機物、またはそれらの積層体で形成される。前記バッファ膜41は、必須的な構成要素ではなく、必要に応じては備えられていなくてもよい。
【0043】
前記バッファ膜41上には、半導体物質で形成された活性層42がパターニングされて形成される。前記活性層42は、多結晶シリコンで形成されるが、必ずしもこれに限定されるものではなく、酸化物半導体で形成されてもよい。例えば、G−I−Z−O層[(In)a(Ga)b(ZnO)c層](a,b,cは、それぞれa≧0,b≧0,c>0の条件を満たす実数である)である。
【0044】
前記活性層42を覆うように、ゲート絶縁膜43がバッファ膜41上に形成され、ゲート絶縁膜43上にゲート電極44が形成される。
【0045】
前記ゲート電極44を覆うように、ゲート絶縁膜43上に層間絶縁膜45が形成され、この層間絶縁膜45上にソース電極46とドレイン電極47とが形成されて、それぞれ前記活性層42とコンタクトホールを通じてコンタクトされる。
【0046】
このように備えられた薄膜トランジスタTは、各サブピクセルごとに少なくとも一つ以上備えられる。そして、図2では、一つの薄膜トランジスタTのみを示したが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、各サブピクセル当たり複数の薄膜トランジスタが備えられて、ピクセル回路部を構成してもよく、前記ピクセル回路部は、前記薄膜トランジスタ以外にもキャパシタをさらに備えてもよい。
【0047】
前記薄膜トランジスタTは、第1絶縁膜48により覆われる。前記第1絶縁膜48は、前記層間絶縁膜45上に形成された少なくとも一層以上の層状構造体となるが、有機物及び/または無機物で形成される。有機物としては、アクリル、ポリイミド、ポリエステルなどのポリマー材が使われ、無機物としては、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化チタンまたは窒化チタンなどが使われる。
【0048】
前記第1絶縁膜48上には、第1電極51が形成される。前記第1電極51は、第1絶縁膜48に形成されたビアホールを通じてドレイン電極47と連結される。
【0049】
そして、前記第1絶縁膜48上には、第2絶縁膜54が形成されるが、この第2絶縁膜54は、前記第1電極51のエッジを覆う。前記第2絶縁膜54は、前記第1電極51の一部を露出させる開口55を備える。前記第2絶縁膜54は、アクリル、ポリイミド、ポリエステルなどの有機物で形成されるが、必ずしもこれらに限定されるものではなく、無機物または有無機の複合体で形成されてもよい。
【0050】
開口55を通じて露出された第1電極51の部分を覆うように、有機発光層53が第1電極51上及び第2絶縁膜54上に形成され、この有機発光層53を覆うように、第2電極52が有機発光層53上及び第2絶縁膜54上に形成される。
【0051】
前記第1電極51は、各サブピクセルごとに区別されるように独立してパターニングされ、前記第2電極52は、全体のサブピクセルをいずれも覆うように共通電極として形成される。前記第2絶縁膜54の開口55も、サブピクセル別に区別されるように開口され、この開口55の面積は、サブピクセルの発光領域の面積とほぼ一致する。図1のように、六角形構造のサブピクセルでは、前記開口55も、六角形の平面構造を有するように形成される。前記開口55と第1電極51との平面形状が同じである必要はなく、第1電極51は、他の形状、例えば、四角形または多角形に形成されてもよい。
【0052】
前記第1電極51、第2電極52及び有機発光層23により、有機発光素子50を構成する。
【0053】
前記第1電極51と第2電極52とは、互いに逆極性を有するように形成されることが望ましいが、それぞれアノード及びカソードにし、また、逆に第1電極51をカソード、第2電極52をアノードにしてもよい。
【0054】
いかなる場合にも、アノードとして作用する電極は、仕事関数の絶対値が高い導電体を含み、カソードとして作用する電極は、仕事関数の絶対値が低い導電体を含む。仕事関数の絶対値が高い導電体としては、ITO(indium tin oxide),In,ZnO,IZO(indium zinc oxide)などの透明導電性酸化物や、Auなどの貴金属が使われる。仕事関数の低い導電体としては、Ag,Al,Mg,Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Alなどが使われる。
【0055】
画像が基板40の逆方向に具現される前面発光型の場合、前記第1電極51は、光反射体を含み、前記第2電極52は、光透過型にする。
【0056】
このために、前記第1電極51がアノードとして作用する場合には、Ag,Mg,Al,Pt,Pd,Au,Ni,Nd,Ir,Cr及びそれらの化合物などで反射体を形成し、この反射体上に、仕事関数の高いITO,IZO,ZnOまたはInなどを成膜して形成する。そして、第1電極51がカソードとして作用する場合には、仕事関数が低く、光反射が可能なAg,Al,Mg,Li,Ca,LiF/Ca,LiF/Alなどで形成する。
【0057】
前記第2電極52がカソードとして作用する場合には、仕事関数の低いLi,Ca,LiF/Ca,LiF/Al,Al,Mg,Agなどの金属で半透過膜となるように薄く形成する。もちろん、かかる金属反透過膜上に、ITO,IZO,ZnOまたはInなどの透明導電体を形成して、厚さが薄いことによる高抵抗問題を補完できる。第2電極52がアノードとして作用する場合には、ITO,IZO,ZnOまたはInなどで成膜して形成する。
【0058】
前記第1電極51及び第2電極52の形成物質は、その他にも当業者の実現可能範囲内で他の物質にも容易に置換可能であることはいうまでもない。
【0059】
前記第1電極51と第2電極52とは、その間に介在された有機発光層53に相異なる極性の電圧を加えて、有機発光層53で発光を行う。
【0060】
前記有機発光層53は、低分子または高分子の有機層が使われるが、低分子有機層を使用する場合、ホール注入層(Hole Injection Layer: HIL)、ホール輸送層(Hole Transport Layer: HTL)、発光層(Emission Layer: EML)、電子輸送層(Electron Transport Layer: ETL)、電子注入層(Electron Injection Layer: EIL)などが単一あるいは複合の構造で積層されて形成され、使用可能な有機材料も、銅フタロシアニン(CuPc)、N,N−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N´−ジフェニル−ベンジジン(NPB)、トリス−8−ヒドロキシキノリンアルミニウム(Alq3)などをはじめとして多様に適用可能である。それらの低分子有機層は、真空蒸着法で形成される。
【0061】
高分子有機層の場合には、ほとんどホール輸送層及び発光層で形成された構造を有し、この時、前記ホール輸送層としてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を使用し、発光層としてポリフェニレンビニレン(PPV)系及びポリフルオレン系など高分子有機物質を使用し、それをスクリーン印刷やインクジェット印刷方法などで形成する。
【0062】
前記のような有機発光層53は、必ずしもこれに限定されるものではなく、多様な実施形態が適用されることはいうまでもない。
【0063】
図1は、前述したような断面構造を有するサブピクセルの平面状態を示すものである。
【0064】
本発明の望ましい一実施形態による有機発光表示装置は、図1に示すように、複数のサブピクセルを備える。
【0065】
前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセル1と、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセル2と、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセル3とを備える。
【0066】
前記第1色ないし第3色は混合されて白色光を具現できるものであって、本発明の望ましい一実施形態において、それぞれグリーン、ブルー及びレッドとなる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、イエロー、シアン及びマゼンタとなってもよい。
【0067】
前記第1色は、色知覚度の高い色となるが、グリーン、ブルー及びレッドでサブピクセルを具現する時に人に最もよく知覚される色はグリーンであるので、前記第1色はグリーンとなる。
【0068】
グリーン、ブルー及びレッドでサブピクセルを具現する時に、前記第2色であるブルーを構成する有機発光物質は、寿命が最も低下する物質である。
【0069】
前記各サブピクセルは、六角形構造で形成されており、六角形構造で配置されているが、この時の六角形構造とは、前述した図1で見る時、第2絶縁膜54に形成された開口55の平面形状に該当する。
【0070】
したがって、第1サブピクセル1は、六角形状の第1開口551を有し、第2サブピクセル2は、六角形状の第2開口552を有し、第3サブピクセル3は、六角形状の第3開口553を有する。したがって、第1サブピクセル1の発光領域は、第1開口551に対応する領域となり、第2サブピクセル2の発光領域は、第2開口552に対応する領域となり、第3サブピクセル3の発光領域は、第3開口553に対応する領域となる。
【0071】
後述する本明細書において、第1サブピクセル1ないし第3サブピクセル3についての説明は、各サブピクセルの発光領域をいうものであって、実質的に第1開口551ないし第3開口553に対応する領域をいうものである。
【0072】
図1に示す本発明の望ましい一実施形態において、前記サブピクセルは、六角形状に配置されているため、横方向である第1方向xに沿ってはジグザグ形態に配列されており、第1方向xに直角であり、かつ縦方向である第2方向yに沿っては直線状に配列されている。そして、第2方向yに沿った一本の直線に対して、第1サブピクセル1、第2サブピクセル2及び第3サブピクセル3が順次に配列されており、この直線に対して、第1方向xに隣接した他の直線も、第1サブピクセル1ないし第3サブピクセル3が順次に配列されている構造を有する。この時、一つのサブピクセルの周囲には、異なる色相のサブピクセルのみで配列させることで、互いに隣接した一つの第1サブピクセル1、一つの第2サブピクセル2及び一つの第3サブピクセル3の各中心が三角形をなす。
【0073】
このように、六角形状にサブピクセルが配置された構造は、サブピクセルが長方形状に配置された構造に比べて開口率が高い。したがって、本発明は、既存の長方形の配置のサブピクセルを備える有機発光表示装置に比べて高い開口率が得られる。
【0074】
かかるサブピクセルの配置構造では、第1方向xに沿って、互いに同じ色のサブピクセルが一つおきに一つずつ配置され、第2方向yに沿っては、互いに同じ色のサブピクセルが二つおきに一つずつ配置される。したがって、人は、縦方向である第2方向yに沿って、一つの色相がジグザグに配置されているように認識する。
【0075】
図1に示す本発明の望ましい一実施形態によれば、前記第1サブピクセル1の幅を狭くして、第2サブピクセル2及び第3サブピクセル3の第1方向xの幅より狭くした。したがって、前記第1サブピクセル1は、第1方向xの幅が第2方向yの幅より狭くなる。
【0076】
この時、第2方向yに配列されている第1サブピクセル1の中心が、第1方向xの一側にシフトされている。前記第2方向yに沿って、前記第1サブピクセル1の中心を連結した第1中心線が、前記第1サブピクセル1と前記第2方向yに沿って隣接した第2サブピクセル2の前記第2方向yに沿った中心を連結した第2中心線と離隔されて配置される。
【0077】
すなわち、前記第2方向yに配列されている第1サブピクセル1の一つのカラムは、第1方向xに隣接した第1サブピクセル1の他のカラムと互いに逆方向にシフトされている。したがって、前記第1サブピクセル1は、図1で見る時、左側から最初のカラムと二番目のカラムとの第1サブピクセル1同士互いに対向する方向にシフトされている。すなわち、図1に示すように、奇数番目のカラムの第1サブピクセル1は、いずれも右側にシフトされており、偶数番号のカラムの第1サブピクセル1は、いずれも左側にシフトされている。
【0078】
互いに隣接した一つの第1サブピクセル1、一つの第2サブピクセル2及び一つの第3サブピクセル3の各中心が三角形をなす。この時、前記三角形の三辺のうち一辺の長さが残りの辺より短くなる。図1に示す本発明の望ましい一実施形態によれば、前記三角形の三辺がいずれも異なる長さとなる。
【0079】
前記のような構造によって、図3及び図4に示すように、互いに隣接した二つの第1サブピクセル1の中心間の水平距離d1が、互いに隣接した二つの第2サブピクセル2の中心間の水平距離d2より短くなる。この時、水平距離d1,d2とは、第1方向xへの水平距離をいう。
【0080】
前述したように、第1サブピクセル1は、緑色を発光するサブピクセルであって、人の目に認識される色知覚度が高いので、図3のように、互いに隣接した二つの第1サブピクセル1の中心間の水平距離d1が短くなれば、第2方向yに配列されているジグザグパターンの幅も、図4の第2サブピクセル2よりは狭くなるので、第2サブピクセル2より直線に配列されたパターンにさらに近くなる。すなわち、これは、知覚画質に最も影響を及ぼす緑色のサブピクセルを直線に近く配列することで、知覚画質が低下することを防止できる。
【0081】
このように知覚画質を改善する機能は、図1のように既存のサブピクセル配列で第2絶縁膜に形成された開口間の幅は狭くなることがないため、工程マージンを確保できる。
【0082】
かかる第1サブピクセル1の構造は、各サブピクセルの第1電極のサイズ及びピクセル回路部の構造は変更せずにそのまま維持し、第2絶縁膜54に形成された第1開口551のサイズ及び位置のみを変更して形成する。
【0083】
したがって、全体の工程は、既存の有機発光表示装置の工程がそのまま維持される。
【0084】
図5は、本発明の望ましい他の実施形態を示すものであって、第3サブピクセル3´も、前述した第1サブピクセル1のように構造変更を行ったものである。
【0085】
すなわち、前記第3サブピクセル3´の幅を狭くして、第2サブピクセル2の第1方向xの幅より狭くしたものである。したがって、前記第3サブピクセル3´は、第1方向xの幅が第2方向yの幅より狭くなる。
【0086】
この時、第2方向yに配列されている第3サブピクセル3´の中心が、第1方向xの一側にシフトされる。前記第2方向yに沿って、前記第1サブピクセル1の中心を連結した第1中心線と、前記第1サブピクセル1と前記第2方向yに沿って隣接した第3サブピクセル3の前記第2方向yに沿った中心を連結した第3中心線とが互いに一致しており、前記第1中心線と第3中心線とは、いずれも前記第1サブピクセル1と前記第2方向yに沿って隣接した第2サブピクセル2の前記第2方向yに沿った中心を連結した第2中心線と離隔されて配置される。
【0087】
すなわち、第2方向yに配列されている第3サブピクセル3´の一つのカラムは、第1方向xに隣接した第3サブピクセル3´の他のカラムと互いに逆方向にシフトされている。したがって、前記第3サブピクセル3´は、図5で見る時、左側から最初のカラムと二番目のカラムとの第3サブピクセル3´同士互いに対向する方向にシフトされている。すなわち、図5に示すように、奇数番目のカラムの第3サブピクセル3´は、いずれも右側にシフトされており、偶数番目のカラムの第3サブピクセル3´は、いずれも左側にシフトされている。
【0088】
この時にも、互いに隣接した一つの第1サブピクセル1、一つの第2サブピクセル2及び一つの第3サブピクセル3´の各中心がなす三角形の三辺がいずれも異なる長さとなる。
【0089】
そして、第3サブピクセル3´の中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第2サブピクセル2の中心間の水平距離d2より短くなる。
【0090】
図5において、前記第3サブピクセル3´は、第1サブピクセル1と同じパターンでそのサイズを減少させたが、本発明は、必ずしもこれに限定されるものではなく、第3サブピクセル3´は、第1サブピクセル1のパターンと関係なく、前記のような規則によってサイズ及び位置が変更してもよい。その場合には、前記第1中心線と第3中心線とが互いに一致しなくてもよい。
【0091】
かかる本発明の実施形態によれば、第1サブピクセルだけでなく、第3サブピクセルも、第2方向yに直線に近いパターンをなすため、前述した知覚画質はさらに改善され、六角形状のサブピクセル構造の長所は維持しつつ、短所はさらに補完できる。
【0092】
図6は、本発明の望ましいさらに他の実施形態を示すものであって、図5による実施形態に加えて、第2サブピクセル2´の構造を変更したものである。
【0093】
青色発光を行う第2サブピクセル2´の場合、青色発光物質の寿命が最も低下するため、これによって、輝度の低下が発生する。したがって、図6のように、第1サブピクセル1と第3サブピクセル3´とのサイズが減少するほど、第2サブピクセル2´のサイズは拡大し、青色発光面積が広くなるため、青色の寿命低下を減らし、輝度の低下を減らすことができる。
【0094】
すなわち、図6に示すように、前記第2サブピクセル2´の幅を広くして、図1及び図5に示す既存の第2サブピクセル2の第1方向xの幅より広くしたのである。したがって、前記第2サブピクセル2´は、第1方向xの幅が第2方向yの幅より広くなる。
【0095】
この時、前記第2方向yに沿って前記第1サブピクセル1の中心を連結した第1中心線と、前記第1サブピクセル1と前記第2方向yに沿って隣接した第3サブピクセル3の前記第2方向yに沿った中心を連結した第3中心線とが互いに一致しており、前記第1中心線と第3中心線とは、いずれも前記第1サブピクセル1と前記第2方向yに沿って隣接した第2サブピクセル2の前記第2方向yに沿った中心を連結した第2中心線と離隔されて配置される。
【0096】
このように、第2サブピクセル2´のサイズが拡大する場合にも、青色である第2サブピクセル2´がディスプレイの知覚画質に及ぼす影響が最も少ないため、全体のディスプレイの知覚画質は大きく低下しない。
【0097】
また、第1サブピクセル1と第3サブピクセル3´とのサイズが減少するほど、第2サブピクセル2´のサイズを拡大するため、前述した第2絶縁膜54に形成される第1開口551ないし第3開口553´間の間隔も減らず、これによって、工程マージンも、既存の有機発光表示装置と同一に維持される。
【0098】
かかる本発明の実施形態によれば、第1サブピクセルと第3サブピクセルとが第2方向yに直線に近いパターンをなすため、前述した知覚画質はさらに改善されるだけでなく、寿命の短い第2サブピクセルの短所をさらに補完できる。
【0099】
前述した本発明のピクセル構造は、図1及び図3ないし図6に示すように、必ずしも六角形の平面構造のサブピクセルにのみ適用されるものではなく、サブピクセルが円形、楕円形、四角形または多角形の平面構造を有する場合にも同一に適用されることはいうまでもない。ただし、かかる場合としても、第1方向及び前記第1方向に直角である第2方向に沿って相異なる色のサブピクセルを隣接して配列せねばならない。
【0100】
本発明は、図面に示す一実施形態を参考にして説明したが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び実施形態の変形が可能であるという点を理解できるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、表示装置関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0102】
1 第1サブピクセル
2 第2サブピクセル
3 第3サブピクセル
40 基板
41 バッファ膜
42 活性層
43 ゲート絶縁膜
44 ゲート電極
45 層間絶縁膜
46 ソース電極
47 ドレイン電極
48 第1絶縁膜
50 有機発光素子
51 第1電極
52 第2電極
53 有機発光層
54 第2絶縁膜
55 開口
551 第1開口
552 第2開口
553 第3開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
六角形構造で配置された複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、
前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、
互いに隣接した一つの第1サブピクセル、一つの第2サブピクセル及び一つの第3サブピクセルの各中心が三角形をなすが、前記三角形の三辺のうち一辺の長さが残りの辺より短いことを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記三角形の三辺の長さは、相異なることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記第1色は緑色であり、前記第2色は青色であり、前記第3色は赤色であることを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、
前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、
前記複数のサブピクセルは、第1方向及び前記第1方向に直角である第2方向に沿って相異なる色のサブピクセルが隣接して配列され、
前記第2方向に沿って前記第1サブピクセルの中心を連結した第1中心線が、前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第2サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第2中心線と離隔されて配置されたことを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項5】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第2中心線と一致して配置されたことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第1中心線と一致して配置されたことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記第1サブピクセルと前記第2方向に沿って隣接した第3サブピクセルの前記第2方向に沿った中心を連結した第3中心線が、前記第2中心線と離隔されて配置されたことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
互いに隣接した二つの第1サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第2サブピクセルの中心間の水平距離より短いことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
互いに隣接した二つの第1サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第3サブピクセルの中心間の水平距離より短いことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
互いに隣接した二つの第3サブピクセルの中心間の水平距離が、互いに隣接した二つの第2サブピクセルの中心間の水平距離より短いことを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項11】
前記第1色は緑色であり、前記第2色は青色であり、前記第3色は赤色であることを特徴とする請求項4に記載の有機発光表示装置。
【請求項12】
複数のサブピクセルと、前記サブピクセルにそれぞれ備えられた複数の有機発光素子とを備え、
前記複数のサブピクセルは、第1色の光を放出する複数の第1サブピクセルと、前記第1色と異なる第2色の光を放出する複数の第2サブピクセルと、前記第1色及び第2色と異なる第3色の光を放出する複数の第3サブピクセルとを備え、
前記複数のサブピクセルは、第1方向及び前記第1方向に直角である第2方向に沿って相異なる色のサブピクセルが隣接して配列され、
前記第1サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第1方向の幅より狭いことを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項13】
前記第1サブピクセルの第1方向の幅は、前記第1サブピクセルの第2方向の幅より狭いことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項14】
前記第2方向に配列されている一列の第1サブピクセルの中心は、同じ列の第2サブピクセルの中心より一側にシフトされていることを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項15】
前記第1方向に沿って奇数列の第1サブピクセルの中心と、偶数列の第1サブピクセルの中心とは、相異なる方向にシフトされていることを特徴とする請求項14に記載の有機発光表示装置。
【請求項16】
前記第3サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第1方向の幅より狭いことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項17】
前記第3サブピクセルの第1方向の幅は、前記第3サブピクセルの第2方向の幅より狭いことを特徴とする請求項16に記載の有機発光表示装置。
【請求項18】
前記第2方向に配列されている一列の第3サブピクセルの中心は、同じ列の第2サブピクセルの中心より一側にシフトされていることを特徴とする請求項16に記載の有機発光表示装置。
【請求項19】
前記第1方向に沿って、奇数列の第3サブピクセルの中心と、偶数列の第3サブピクセルの中心とは、相異なる方向にシフトされていることを特徴とする請求項16に記載の有機発光表示装置。
【請求項20】
前記第2サブピクセルの第1方向の幅は、前記第2サブピクセルの第2方向の幅より広いことを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。
【請求項21】
前記第1色は緑色であり、前記第2色は青色であり、前記第3色は赤色であることを特徴とする請求項12に記載の有機発光表示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−16466(P2013−16466A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−118325(P2012−118325)
【出願日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【出願人】(512187343)三星ディスプレイ株式會社 (73)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】95,Samsung 2 Ro,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do,Korea
【Fターム(参考)】