説明

有機調製されたシリカとその使用

1ミクロン未満の粒子サイズを有する、有機シランがナノ粒子の全容量にわたり存在し、ナノ粒子の表面だけではない有機シランで調製されたシリカ。ナノ粒子はコロイド溶液の中にある。酸性条件下でアルカリシリケートを加水分解することによって生成されて、ケイ酸分散を得ることができ、続いて、ヒドロキシル及び/又は加水分解可能な基を有する有機シランを酸性条件下で分散に添加し、その後少なくとも8まで分散のpHを上げて、ナノ粒子を形成する。それらは、有効な塗装下地/保護コーティング調合物で使用されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機調製されたシリカ粒子は物質用の充填剤等並びに高度技術用とに用いられる。シリカはコロイド形態で存在できる。
【背景技術】
【0002】
従来技術においては、シリカのナノ粒子面へ有機調製されたシランを移植することが知られている。天然シリカは水酸基で覆われて、シランがシラノールあるいは加水分解可能な基とともに反応性になり、シランをシリカと結合する。このようなシランはありル基、アミノアルキル基あるいは様々な有機基のいずれかのような結合された有機ラジカルを持つことができ、シリカの表面特性を変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明によって、シリカのナノ粒子が提供され、有機シラン調製剤がナノ粒子面を単純に占める以上の量でその容積中のナノ粒子に直接的に取り込まれる。強く調製されたたシリカのナノ粒子の特性は、改良した充填剤、コーティング及び他の形態、研磨剤並びにシリカのナノ粒子の他の既知用途について、本方法で得ることができ、安定したエマルジョン形態にすることができる。
【0004】
更に、このような製品はその表面に対する反応性シランの続きの移植ステップを要求せず、製造プロセスを単純化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述のように、本発明によって有機シランで調製されたシリカのナノ粒子が提供され、1ミクロン未満の粒子サイズを有し、有機シランは一般的にナノ粒子の全容積の少なくとも実質的な部分の至る所に見られ、その表面だけではない。従って、使用及び取り扱い中のナノ粒子の破壊時に、新しく形成された曝露面が有機シラン調製剤を更に持つことができる。更に、このように形成された調製されたシリカの物理的特性は異なっており、新しい型の充填剤、純シリカよりも大きな柔軟性を有する研磨剤、及び他の所望される特性に機会を提供している。このようなナノ粒子は例えばバイオテクノロジで、更には、整泡剤、触媒、触媒支持体、研磨及び艶出剤等としての高度技術の用途を見つけることができる。
【0006】
いくつかの実施例においては、調製されたシリカのナノ粒子は200ナノメータ未満にすることができ、例えば平均粒子直径を約3乃至150ナノメータにできる。
【0007】
本発明によると、有機シランで調製されたシリカのナノ粒子の形成は、以下のステップ:酸性条件(pH7未満)下でアルカリシリケートを加水分解して、ケイ酸分散を取得するステップと;酸性条件(一般的には7未満のpH)下でヒドロキシル及び/又は加水分散性の基を有する有機シランを前記分散(一般的には溶液)に添加するステップと;前記分散のpHを少なくとも8に上げて、前記有機シランとケイ酸との縮合に、シリカと前記有機シランとの凝集体を具えるナノ粒子を形成させるステップと;を具えることができる。
【0008】
いくつかの実施例においては、前記ケイ酸分散が前記pHを上げる前に、ケイ酸分子につき約10以下のケイ素原子の平均値を有するケイ酸分子を具えている。
【0009】
一般的には、前記分散のpHは、上述のpH上昇ステップで少なくとも10まで上げることができる。
【0010】
上述のようなpHを上げるステップの前に、ケイ酸及び有機ケイ酸は、一般的に2乃至200nmのサイズ範囲を有すの事前形成された粒子(ケイ酸分散と異なる)を具えるシリカのシードと一緒に、分散内に混合できる。このようなシリカのシードを用いることによって、より大きなナノ粒子、例えば60乃至70nm程度のナノ粒子が、例えば10乃至30nm程度のサイズを有する事前形成されたシリカのシードを用いて、容易に合成できる。このようなシードを使用しない場合、有機シランを含むケイ酸からの、より大きなナノ粒子の合成は長くかつより困難なプロセスである。このようなシリカのシードがない場合、本発明のプロセスによって、5乃至20nm程度のシリカ−有機シランのナノ粒子は容易に生成される。
【0011】
直径で約200nmまでのシリカのシードの使用の更なる利点としては、結果として生ずるナノ粒子は内部の純シリカと、共縮合したシリカと有機シランを具える所望される厚さの粒子面下に別個の厚さを伴う外体積と、を有して、有機シランがナノ粒子面でだけではなく、ナノ粒子の全容積の外側部分を通じて存在するようになるが、粒子面下で共縮合したシリカ−有機シランの別個の厚さを有する利点を更に得ることができる一方、内部はより高価なシラン物質の節約のためにシランなしにすることができる。このように一般的には、シリカのナノ粒子の全容積の少なくとも実質的な部分は、シリカのシードを取り囲む外部コーティングの形態で選択的に、例えば全容積の少なくとも約10分の1の有機シランを含んでいる。
【0012】
更に、ほとんど凝集を有しないナノ粒子は上述のように添加されるシリカのシードを用いることによって合成できる。
【0013】
代替的に、ケイ酸分散は有機シランを添加する前に、少なくとも8までpHを上げることができ、有機シランを含まないシリカのナノ粒子を形成する効果を有している。次いで、ヒドロキシル及び/又加水分解可能な基を有する有機シランと混合した、ケイ酸溶液の更なる一定分量は、シリカのナノ粒子のアルカリ分散に添加でき、シリカと有機シランの混合物のシリカのナノ粒子面に、更なる縮合を生じさせる。従って、有機シランのないシリカの中心とシリカと有機シランのネットワークを具える外側部分とを有するナノ粒子が形成されて、有機シランは粒子面に移植されるだけではなく、表面から内部に実在する程度にまで粒子の容積に取り込まれる。前述したように、有機シランを含むナノ粒子の全容量は、例えば実質的な部分である全容量の少なくとも約10分の1、あるいは、有機シランが100%のナノ粒子の容量を通じて広がる、上述した状況まで上方に変動する容量パーセントにすることができる。
【0014】
選択的に、本発明により生成されるナノ粒子の分散は脱イオン化し、酸性調合物の安定化のために、pH9のようなアルカリ性pHから3乃至4程度の酸性pHまでコロイド溶液を再度、酸性化できる。これは従来の方法で陽イオン交換を通じて行うことができる。
【0015】
いくつかの実施例においては、前記有機シランは式(R)Si(Rの物質を具え、Rが(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有する有機ラジカルであり、Rが加水分解可能な基あるいはアルキル基であり、前記R基の少なくとも2つが加水分解可能な基であり、aは1又は2であり、bは2又は3であり、aとbとの合計が4である。
【0016】
Rは(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有する有機ラジカルである。このような物質の例は、3−グリシドキシプロピル、3−アミノプロピル、ジメチルアミノプロピル、3−ヨードプロピル、3−クロロプロピル、アセトキシプロピル;3−メタクリロキシプロピル、及びメルカプトプロピルといったアリルにすることができる。これらのR基は反応基を有する有機ラジカルであって、Rがヒドロキシルあるいは加水分解可能な基のうちの少なくとも2を具えるシランは、ケイ酸と縮合反応で結合するようにできることが分かり、シラン基は通常のシロキサン結合によってシリケート基と結合でき、反応器を有する有機ラジカルのR基を、ナノ粒子を形成する縮合分子のマトリクスに送ることができ、所望のナノ粒子に、異なる特性と、有機Rラジカルの反応器を通じて他の物質に結合する能力とを与えることができる。
【0017】
既知のように、1以上のヒドロキシル基が同一のケイ素原子に結合した場合、自発的に縮合する傾向にあるが、述べてきたようにRはヒドロキシルにすることができる。従って、Rは、所望の場合、アルキル基がR基の1つとして提供できるが、好ましくは加水分解可能な基を具えている。加水分解可能な基は、例えば、メトキシ、エトキシあるいはプロポキシの、一般的には約6の炭素原子までの低級アルコキシル基を具えている別の加水分解可能な基はアセトキシ及び他の既知の基である。これらの加水分解可能な基はシリカ内のヒドロキシル基及び水分の存在下で反応し、既知の方法で縮合及びシリカへのシランの結合を可能にする。
【0018】
述べたように、aは1又は2であり、bが少なくとも2である場合、良い結果のためにシラン分子の反応基を有する1又は2の有機ラジカルがあることを意味している。
【0019】
用いることができる有機物質の例は、アリルトリメトキシシラン、3−グリコキシトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ヨードプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、アセトキシトリエトキシシラン、及び3−チオプロピルトリメトキシシランのようなアルコキシシランである。
【0020】
代替的に、前記有機シランが、式

の物質を具え、Rが加水分解可能な基であり、Rが炭化水素ラジカルであり、Rが2価の有機ラジカルであり、cは2又は3であり、dは0又は1であり、各ケイ素原子について前記cとdが合計3になる。
【0021】
上式によると、Rは前述のようにヒドロキシルあるいは加水分解可能な基にすることができる。Rは存在すれば、メチル、エチルあるいはフェニルのような炭化水素ラジカルにできる。
【0022】
は例えば、ジメチレン、2−エチルヘキサメチレン、フェニレンあるいは類似のラジカルである、2価の有機ラジカルであり、前述したように(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有するように選択的に調製される。従って、Rの候補としてのフェニレンあるいは不飽和のオレフィン2価ラジカルのような、不飽和の2価炭化水素ラジカルは、Rとして用いることができる。上述のようにRが反応基の場合、更なる反応に関係して、調製されたシリカをコーティング等の互換性のある気質と結合できる。Rが不活性の場合、シリカを調製するのに提供され、調製された研磨剤等を提供する。このような物質の例は、1,2−ビストリメトキシシリルエチレンである。
【0023】
ケイ酸分散を得るのに用いられるアルカリシリケートは、従来の方法において、アルカリシリケートのアルカリ基を分離する陽イオン交換物質によって加水分解される。このようなアルカリ基は、ナトリウム、カリウム及び他のアルカリ金属のようなアルカリ金属;アンモニウム;カルシウム及びマグネシウムのようなアルカリ土類金属;等を具えることができる。従って、ナトリウム、カリウムあるいはアンモニウムシリケートは例えば、既知の型の陽イオン交換樹脂を通過して、ケイ酸分散を形成でき、アルカリイオンを除去すると、「酸性状態」(7未満のpH)を示すであろう。
【0024】
その後、シラノールあるいは加水分解可能な基を有する有機シランは、pHが酸性側、すなわち7未満に維持されている場合、ケイ酸分散に添加できる。これらの酸性条件下では、ケイ酸は相対的に非縮合の形態、例えば、10以下のケイ素原子の平均値を有する分子で、留まる傾向にある。ここで、pHを少なくとも8、一般的には10まで挙げることができ、分散の縮合は、既知の方法で反応条件を制御することによって、1ミクロン未満、一般的には約10乃至100nmの所望のサイズにすることができる所望のナノ粒子を形成させる。特に、温度及び成分の結合比率は、このような制御を提供できる。
【0025】
形成されたナノ粒子は、シリカのナノ粒子の既知の用途に用いることができるが、ナノ粒子は、特に有機成分の存在による、異なる物理的特性のために性能に有意な違いを提供している。ナノ粒子は、コロイド溶液として保管できる。
【0026】
更に本発明によると、ここで生成されたナノ粒子は、金属面用の保護コーティングに取り込むことができ、このコーティングは防錆コーティングとして役立ち、更に塗装用の下地コーティングとしても役立つ。
【0027】
保護コーティングは、コーティング調合物用の一般的な従来成分の調合物を含むことができ、更に、(a)上述のような1部の有機シランで調製されたシリカのナノ粒子と、(b)0.3乃至3部の、(1)複数のアミン基が、鎖内の少なくとも4の中間部の原子によって前記アミン基の窒素原子を分離している炭化水素及び炭化水素エーテル基からなる群から選択される少なくとも1のラジカルに結合されたポリアミンを具える化合物と、(2)前記アミン基と共有結合反応して結合する、複数のケイ素結合した加水分解可能な基とケイ素結合した有機基とを有するシランとの反応生成物と、を具え、1分子につき少なくとも2.5及び一般的には約4以下の前記加水分解可能なシランユニットの平均値を具える反応生成物分子を提供する。
【0028】
上の成分(b)のこの反応生成物の例は、米国特許第6,867,318B1号のCuiで述べられており、物質はアルミニウムのコーティング用の組成として教示されている。物質は、最良のものがCr6+の発癌特性のために市場から除去される、従来のクロム酸化されたアルミニウム面と性能で比較可能であり、金属への良い表面コーティングと吸着を示している。
【0029】
しかし、米国特許第6,847,318号に述べたような物質のコーティングは、いくつかの状況では比較的滑らかである。ナノスケールベースの表面でより粗くなるクロムなしのコーティングを有することが所望されている。本発明によって、上述のコーティング調合物への有機シランで調製されたシリカの変化がある場合、塗装吸着中の表面のミクロラフニング及び有意な改善は、例えば、約5乃至20nmの粒子サイズを有する上述のような有機シランで調製されたシリカを用いて得られた。
【0030】
フレーズ「前記アミン基と共有結合反応して結合する、ケイ素結合した有機基」はケイ素原子から間隔を置いて、アミン基と共有結合反応するエポキシ環のような成分又は部分を有する有機基と規定され、ケイ素結合した有機基及びそれを有するケイ素原子をアミン基を有する分子と共に結合している。このようなケイ素結合した有機基の例は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランである。従って、本発明で用いられる組成においては、本質的にケイ素原子がアミン基と結合せず、ケイ素結合した有機基によってアミン基から分離される。
【0031】
成分(b)用のいくつかの実施例においては、ポリアミノ化合物の本質的に2のアミン基は反応生成物の分子ごとに存在し、各アミン基はシランでの反応前に一級アミンを具えている。従って、反応生成物を形成する元の反応物はアミン基の窒素原子を分離する炭化水素あるいは炭化水素エーテル基によって分離された2の一級アミン基を有するジアミンにすることができる。
【0032】
いくつかの実施例においては、ポリアミンは約1モル部分のC,C,C−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン(このような炭素構造が特許第6,867,318号に示されている)を具えることができ、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのような、結合した加水分解可能な基と、ケイ素結合した有機エポキシドラジカルを有するシランと反応させる。
【0033】
いくつかの実施例においては、ポリアミンは100乃至10000の範囲内の分子量を有している。ジアミンの1モル部分がシランの2.5モル部分と反応する場合、良い結果が得られ、ケイ素とアミン基の双方、及び一般的に平均して分子ごとに少なくとも2.5の加水分解可能なシラン基、ないし一般的には分子ごとに約6のシラン基を含む分子を有する組成を提供している。
【0034】
アルキレンエーテルポリアミンである、既知のJeffamineは成分(b)の反応生成物の生成に用いることができる。
【0035】
ポリアミンは、少なくとも6の炭素原子の分枝したアルキレンラジカル、あるいは鎖内の少なくとも4の中間部の原子によってアミンの窒素原子を分離するアリーレンラジカルに結合されるアミン基を更に有することができ、その一例は上で引用された特許で開示されたTG13及びTG14の物質である。ヘキサメチレンのような分枝しないアルキレンラジカルを更に用いて、成分(b)を形成するのに用いられるポリアミンを形成できる。テトラメチレンジアミンを用いることもでき、同様にしてその他のポリアミンは4乃至22の炭素原子を伴う中央のアルキレンラジカルを有している。
【0036】
芳香族ポリアミンを更に用いることができ、これらの芳香族の式のR乃至Rは約6の炭素原子までの水酸あるいは低級アルキル基を具えることができる。これらのポリアミンはここに述べた加水分解可能なシランとそれぞれ反応し、本発明に用いられる多官能性の架橋結合可能な物質を提供できる。例を以下に示す:

【0037】
炭化水素エーテルあるいはポリエーテル基に少なくとも2の付属したアミン基を提供する、本発明に用いることができる別分類のポリアミンは、以下に示す。Jeffamine型の物質を用いることもできる。

【0038】
すぐ上の式で用いられるように、n、k、l及びmは1から3000までの独立した整数である。上の式においては、R乃至R10は独立に、4までの炭素原子の水酸あるいは有機基にすることができる。一般的にすぐ上の式(1)及び(2)群中の、各々の番号を付けられたR基は、水酸基にすることができる。
【0039】
ここに述べたポリシランとの反応用の(従って、アミン基と結合するR基を形成する)、芳香族ジアミン及びポリアミンの他の例は下記のものである:

【0040】
上述のようなケイ素結合された加水分解可能な基を持つシランとのポリアミンの反応において、上のRによって表わされる多機能アミンの「バックボーン」は、アミン基を通じて上のようにシランの「アーム」(R’基)へ共有結合し、アミンシラン付加物を形成する。エポキシシランが用いられる場合の実施例においては、付加物はアミノ−エポキシ結合の生成によって形成され、様々な数のアミノ−エポキシ結合がモル比に依存して、上述のような異なる効果を提供する。従って、結果として生じるシランで調製されたアミン付加物はアルコキシのような加水分解可能な基と結合される、複数の末端シリル基を有している。物質が溶液又は分散から与えられ、架橋結合した腐食保護フィルムに重合された場合、これらは加水分解及び加水分解可能な基の結合によって高次の分子内架橋結合ができる。優秀な結果物が得られた。
【0041】
成分(b)のポリアミン−エポキシシラン付加物は、特に酢酸のような有機酸で中和された場合、水可溶又は水分散可能である。従って、その技術は低いVOC放出調整に準拠している。また、コーティング溶液にはクロムのような有害な金属がない。更に、5%水溶液の好ましいポリアミンシラン付加物は防錆性能の劣化なく、3週間以上の長い可使時間を示し、水中で特定のアミン−エポキシシラン付加物の流体力学的な安定性を示している。従って、本発明の物質の使用プロセスは、既存の顧客の設備と十分に互換性がある。
【0042】
コーティングは水溶液からアルミニウムやその合金のような金属基質へ噴霧、液侵等によって塗布される。全プロセスはアルカリ洗浄、2回すすぎ、液侵コーティング及び乾燥を伴う焼きなましによる処理の初期ステップによって行われる。一般的な焼きなまし温度は、約20℃の室温から約120℃の高温までの範囲であり、高い方の温度は、コーティングの架橋結合プロセスを促進する。
【0043】
成分(b)のポリアミン−エポキシシラン付加物を生成する反応条件は、一般的にとても寛大である。エポキシシランについては、付加物を生成する条件は大抵は、単に約22℃で24乃至48時間、あるいは70℃で3時間の反応時間にすることができ、反応は一般的にアルコール溶媒で行われる。反応収率は高く、通常存在するアミンの90%超である。
【0044】
成分(b)を含む結果として生ずるコーティングは、薄く曇りなくすることができ、乾燥後は厚さ0.3乃至1ミクロン程度にできる(5重量%の水溶液から液侵コーティングされた場合)。本発明の物質は目で可視できず、従って、クロムベースの化成コーティングと対照的に、金属の天然の艶と干渉しない。
【0045】
成分(a)及び/又は(b)を生成するために本発明で用いることができるエポキシシランの例は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを具えている。
【0046】
成分(b)を生成するために付加物形成反応を導く好ましい溶媒は、アルコール含有量が容積で30%あるいはそれ以上、一般的には約50容積%である、アルコールあるいはアルコール含有溶媒である。好ましいアルコールは、水ベースの作業溶液を用いる場合は特に、6未満の炭素原子の直鎖あるいは分枝したアルキルアルコール、特にメタノール又はエタノールである。
【0047】
好ましい合成温度は一般的に約70°F乃至250°Fの範囲である。高い温度は一般的に迅速な反応速度論を与える。圧力なしで溶媒としてメタノールを用いた一般的な反応においては、反応温度は約6時間までの間、メタノールの沸点である150°Fで一定に維持されうる。圧力を維持できる反応器を用いることによって、アルコールの沸点より高い反応温度にでき、従って200°F及び5大気圧で迅速な反応速度を得ることができる。
【0048】
エポキシシランとポリアミンとの間のメタノール内の反応は、3時間で90%以上の収量で完成させることができる。
【0049】
全体的な溶媒反応混合物で負荷して生成された反応物は一般的に危険ではなく、このようにして約1乃至95%の範囲にできる。より好ましい反応物は混合物の全重量の70%程度又はそれ以下である。
【0050】
結果として生ずる、生成した多機能のアミノシランは、有機溶媒での更なる希釈を伴い、あるいは伴わずに、金属基質上に溶媒媒介性コーティングとして塗布できる。一般的に、多機能性シランは少なくとも部分的にシラノール形態に加水分解される。この部分的な加水分解は少量の水を多機能性シラン−アルコール溶媒の混合物へ添加することによって得ることができ、水は初期に反応混合物中に提供することもできる。重量でシラン−溶媒の50:50の混合物については、約2乃至5部の水は、各100部のポリアミン−シラン付加物用に存在すべきである。
【0051】
高揮発性の有機溶媒放出が所望されない特定の場合に要求される、水中の多機能性ポリアミン−シランを溶解する好ましい方法として、多機能性ポリアミン−シランは酸を伴うアンモニウム又は塩形態に変換できる。好ましい酸は限定されないが、酢酸及び蟻酸を含む、沸点350°F未満の揮発性有機酸である。
【0052】
このように、本発明により、アルミニウム用の化成コーティングがクロムなしで、更に、塗装下地としての優秀な特性を示して提供される。このコーティングはアルミニウムで有用であり、更にアルミニウム合金及び、例えば鉄、亜鉛、銅、クロム、ジルコニウム、マンガン、コバルト、ニッケル、チタン、モリブデン、それらの合金のような他の金属でも有用である。
【0053】
コーティング調合物は、水ベースあるいは有機溶媒ベースのいずれの塗布用コロイド溶液にも従来法で配合でき、噴霧あるいは液侵によって塗布できる。金属への塗布プロセスは、(1)アルカリ洗浄、(2)2回すすぎ、(3)適切な溶媒及びその他の従来成分を有する、本発明のコーティング調合物内の液侵コーティング、(4)熱硬化、を具える。
【0054】
本発明のコーティングは薄く曇りなくでき、1重量%の全固形物の水(コロイド)溶液からアルミニウムのような金属に液侵コーティングした場合、厚さ約10分の1ミクロンにできる。このコーティングは一般的に目で可視できず、従って、クロムコーティングのように着色されない。クロムコーティングは金属の天然の艶と干渉する。
【0055】
表面活性剤を選択的に添加して、金属面での本発明の物質の湿性を改善することができる。陰イオン性、陽イオン性、及び非イオン性界面活性剤は、全溶液重量の一般的に0.05乃至2重量%の濃度内で、物質を形成するフィルムに添加できる。陰イオン性あるいは非イオン性界面活性剤が一般的に好ましい。脱泡剤は更に全溶液重量を基準として、約0.1乃至3%の重量パーセントで一般的に添加できる。
【0056】
陽イオン性と陰イオン性阻害剤の双方を含む腐食阻害剤は、存在する固形物の0.1乃至5重量%の量で選択的に、更に添加できる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以上の開示及び以下の例は例示目的にのみ提供され、請求項に規定されている、本出願の発明の範囲を限定することを意図していない。
【実施例1】
【0058】
ケイ酸溶液は、Dowex650C(H)陽イオン交換樹脂を含むカラムを通した57.37gの脱イオン化水中に25グラムのケイ酸ナトリウム溶液を通すことによって生成された。各々の100グラムのケイ酸ナトリウム水溶液と水に対して約40mlの樹脂が用いられた。結果として生じた生成物は約3.5のpHでのケイ酸溶液を具えている。
【0059】
この新しく生成された溶液に5グラムの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが添加され、混合物のpHは混合の至るところで7未満で維持された。
【0060】
水中のケイ酸及び有機シランのこの混合物は、次いで、1分につき10mlの速度で反応フラスコで次いで滴下され、反応フラスコは約9のpHを提供するのに十分な水酸化ナトリウムを伴う31mlの水を含み、水溶液は加熱及び攪拌状態下にある。特に64重量パーセントのケイ酸、5重量パーセントの有機シラン、約30.7重量パーセントの脱イオン化水、及び0.3重量パーセントの水酸化ナトリウムがフラスコ内で組み合わされた。SiO/3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランのモル比は4.3/1であった。
【0061】
結果として生じた溶液は約10乃至20nmの直径のコロイド粒子を具える透明なコロイド溶液であり、粒子は、SiOユニットと有機シランユニットの結合ネットワークを具えている。
【実施例2】
【0062】
本実施例においては、0.25グラムのアミノプロピルトリメトキシシランが0.15グラムの酢酸を含む5.0グラムの水に添加された。溶液は氷浴で保持されシランを安定させた。別個に0.085重量パーセントのSiOを含む、実施例1のものに似た25.6グラムのケイ酸溶液が生成された。シラン溶液はケイ酸溶液に添加され、完全に混合された。この溶液は次いで1.5ml/分の速度で0.4グラムの50重量パーセントの水酸化ナトリウムを含む反応フラスコに添加され、68.8グラムの水で混合され、80℃まで加熱された。
【0063】
結果として生じたコロイド溶液は透明であり、SiOユニットとアミノアルキルシランのユニットのネットワークのナノ粒子を具え、シロキサン結合で共有結合され、準弾性的単一光散乱(QELS)によって決定されるように、約5.5nmの粒子サイズを有していた。
【実施例3】
【0064】
上に似た実験が、0.25グラムのチオプロピルトリメトキシシランを0.15グラムの酢酸を含む5.0グラムの水に配置することによって繰り返された。溶液は氷浴で保持されシランを安定させた。
【0065】
別個に0.085重量パーセントのSiOを含む、実施例1に似た方法で、25.6グラムのケイ酸溶液が生成された。シラン溶液はケイ酸溶液に添加され、完全に混合され、pHは酸性になった。
【0066】
この溶液は次いで1.5ml/分の速度で0.4グラムの50重量パーセントの水酸化ナトリウムを含む反応フラスコに添加され、68.8グラムの水で混合され、80℃まで加熱された。シランとケイ酸との期待されるアルカリ性縮合が生じ、(QELS)によって決定されるように、約5.5nmの粒子サイズを有するシリカとシランの合成粒子を生じた。
【実施例4】
【0067】
本実施例では、ビニルでドープされたコロイド状のシリカのナノ粒子の直接合成が開示され、ビニル基がコロイドの外側部にのみ配置され、ナノ粒子は事前形成されたシリカのナノ粒子の添加なしにin situで生成される(次の実施例において開示されるように)。
【0068】
1バッチのケイ酸溶液が実施例1の方法で生成され、量は56.2グラムの溶液であった。この量のうち、46.2グラムのケイ酸溶液が、90℃の温度で、40.0グラムの水中に0.4グラムの50重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液を含む反応混合物へ添加された。このケイ酸溶液は2時間にわたって1分につき0.22mlから0.8mlまでの増加速度で熱溶液に添加され、シリカコロイド溶液に残ったナノ粒子内へのケイ酸の縮合を生じた。
【0069】
本反応の完了後に、別の10グラムの上の元のケイ酸溶液は、0.5グラムのビニルトリメトキシシランと、0.5グラムの酢酸と、33.3グラムの水が添加されて、上のシリカのコロイド溶液に1分につき12mlの速度で添加された。
【0070】
結果として生じたコロイド溶液は透過型電子顕微鏡写真によって取得されるような、約25nmの粒子直径を有する球状粒子を一般的に具えていた。粒子の内側部分は実質的に純シリカを具える一方、粒子の外側部分は縮合したシリカ及び有機シリカを具えていた。
【実施例5】
【0071】
本実施例においては、コロイド状シード粒子はケイ酸及び有機シランが共縮合されるベースとして役立つ。約20nmのサイズを有する16グラムのコロイド状シリカのシード粒子が、2.2グラムの50%水酸化ナトリウム溶液を含む250グラムの水に添加され、8を超えるpHを提供し、反応のための「ヒール」溶液を形成した。選択的に、追加の水が添加された。
【0072】
別個に、15グラムの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが添加されて、5℃の温度及び約3.5のpHで実施例1で生成した型のケイ酸溶液を新たに生成した。
【0073】
反応「ヒール」溶液は攪拌しながら80℃まで加熱され、ケイ酸−有機シラン溶液は約4時間にわたってゆっくりと添加された。結果として生ずる生成物は、有機調製されたシリカの外部コーティングを有するシリカのナノ粒子の溶液を具え、再生成された陽イオン交換樹脂(Dowex 650C)のカラムを通過させた。結果として生じた有機調製されたシリカ溶液は収集され、3.7未満のpHで安定溶液を形成した。
【実施例6】
【0074】
実施例1又は2で上述したように生成された、有機シリカで調製されたコロイド状シリカは、米国特許第6,867,318 B1号でTG13(及びTG13R)として同定されたトリシランの物質と混合された。この開示は本明細書に引用によってここに取り込まれている。以下の表1に述べたようにこのような混合比が各試行実験用にある。有機シリカで調製されたコロイド状シリカとTG13との混合物は水溶液内で生成され、全濃度の1重量パーセントの固形物と酢酸で調節された5のpHを有していた。
【0075】
アルミニウムパネルはNalco Globrite 45ILアルカリ洗浄剤で洗浄され、脱イオン化水で全体をすすいだ。アルミニウム合金は銅含有合金AL2024であった。
【0076】
洗浄したアルミニウムパネルは、表1に示された各々の特定実験で上述の1%の全固形物溶液に液侵コーティングされ、250°Fで15分間オーブンで乾燥させた。
【0077】
Shewin Williamのポリエステル白色染料は、次いでローラーバーを介してアルミニウムパネル全体に塗布され、20乃至30ミクロン厚の塗装層を得て、塗装は350°Fで20分間硬化させた。
【0078】
このパネルは、とがった点を用いてけがき線で裸の金属を曝露した、3インチ長のかすり傷が刻まれた。各実験のそれぞれのアルミニウムパネルは1000時間の塩水噴霧を受け、けがき線に沿った塗装のブリスタ及び開口の量が記録された。
【0079】
表1の以下の実験A−Cは、実施例1で生成したシリカ−エポキシシラン(エポキシシリカ)を利用した。実験D−Fは実施例2のシリカ−アミノシラン(アミノシリカ)のナノ粒子を利用した。実験G、H、及びIは1対1混合(重量について)のエポキシシラン及びアミノシランのナノ粒子を利用した。調製されたシリカのナノ粒子に対するTG13の比率(重量について)は、表1の各ケースで示され、結果として、1000時間の塩水噴霧処理後のけがき線の横断開口部のミリメータでの距離で示されている。
【0080】
実験Jは塗装したアルミニウムパネルがナノ粒子なしで1%のTG13溶液だけで処理され、本実施例に述べたように熱硬化された場合の実行である。
【0081】
実験Kは下地塗装なしの塗装パネルに関し、塗装は裸の合金上に存在した。
【0082】
結果はTG13と有機シラン調製されたシリカのナノ粒子との組合せでアルミニウムの事前処理を行った実験A−Iが、純TG13の事前処理と比較して改善した塗装吸着結果と、塗装が介在する事前処理層なしにアルミニウム合金へ塗布された場合のパネル上で大きな改善された結果とを提供することを示している。
【0083】
【表1】

【実施例7】
【0084】
5重量パーセントのTG14(米国特許第6,867,318号)及び、実施例1の0.5重量パーセントのエポキシシラン調製されたシリカが、比較可能な方法で生成された、4Hの鉛筆硬度試験結果を有した純TG14フィルム(6,867,318 B1号)と対照的に、米国特許第鉛筆硬度試験で8Hを超える硬度を有するフィルムを生成した。双方のフィルムは250°Fで15分間焼かれた。向上した硬度は調製したシリカによって与えられた剥離の抵抗性を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機シランで調製されたシリカのナノ粒子を生成する方法であって:
酸性条件下でアルカリシリケートを加水分解して、ケイ酸分散を取得するステップと;
酸性条件下でヒドロキシル及び/又は加水分散性の基を有する有機シランを前記分散に添加するステップと;
前記分散のpHを少なくとも8に上げて、前記有機シランとケイ酸との縮合に、シリカと前記有機シランとの凝集体を具えるナノ粒子を形成させるステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記ケイ酸分散が前記pHを上げる前に、ケイ酸分子につき約10以下のケイ素原子の平均値を有するケイ酸分子を具え、前記分散のpHは少なくとも10まで上げられることを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記有機シランが、式(R)Si(Rの物質を具え、Rが(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有する有機ラジカルであり、Rが加水分解可能な基あるいはアルキル基であり、前記R基の少なくとも2つが加水分解可能な基であり、aは1又は2であり、bは2又は3であり、aとbとの合計が4であることを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記有機シランが、式

の物質を具え、Rが加水分解可能な基であり、Rが炭化水素ラジカルであり、Rが2価の有機ラジカルであり、cは2又は3であり、dは0又は1であり、各ケイ素原子について前記cとdが合計3になることを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項5に記載の方法において、Rが(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有することを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、形成されたナノ粒子が1ミクロン以下の平均サイズを有することを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項1に記載のプロセスによって生成されるナノ粒子の分散。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、前記有機シランがアリルトリアルコキシシラン、グリシドキシトリアルコキシシラン、及びアミノアルキルトリアルコキシシランのうちの1つ、あるいはそれらの組合せであることを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、前記アルカリシリケートが酸性pHでのケイ酸に生じる陽イオン交換によって、加水分解されることを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、形成されたナノ粒子が5乃至150nmの平均サイズを有することを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、平均サイズ2乃至200nmのシリカのシード粒子がpHを上げる前に前記ケイ酸−有機シリカの分散に添加されることを特徴とする方法。
【請求項12】
金属表面用の保護コーティングであって:
(a)請求項1に記載の方法によって生成される、1部の有機シランで調製されたシリカのナノ粒子と;
(b)0.3乃至3部の、(1)複数のアミン基が、鎖内の少なくとも4の中間部の原子によって前記アミン基の窒素原子を分離している炭化水素及び炭化水素エーテル基からなる群から選択される少なくとも1のラジカルに結合されたポリアミンを具える化合物と、(2)前記アミン基と共有結合反応して結合する、複数のケイ素結合した加水分解可能な基とケイ素結合した有機基とを有し、更に加水分解可能な基を具えるシランと、
の反応生成物と、
を具え、1分子につき2.5乃至3.5のシラン基の平均値を具える反応生成物分子を提供することを特徴とする保護コーティング。
【請求項13】
請求項12に記載の保護コーティングにおいて、前記有機シランで調製されたシリカの前記有機シランが、アミノアルキルトリアルコキシシランを具えることを特徴とする保護コーティング。
【請求項14】
請求項12に記載の保護コーティングにおいて、前記記有機シランで調製されたシリカの前記有機シランが、3−アミノプロピルトリアルコキシシランと3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランとの混合物を具えることを特徴とする保護コーティング。
【請求項15】
請求項12に記載の保護コーティングにおいて、成分(b)が実質的に3:1のモル比の3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとC,C,C−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミンとの反応生成物を具えることを特徴とする保護コーティング。
【請求項16】
有機シランで調製されたシリカのナノ粒子が、1ミクロン以下の粒子サイズを有し、前記有機シランが前記ナノ粒子の全容量の少なくとも実質的部分にわたり存在し、前記ナノ粒子のちょうど表面には存在しないことを特徴とするシリカのナノ粒子。
【請求項17】
粒子サイズが200nm以下であることを特徴とする、請求項16に記載のシリカのナノ粒子。
【請求項18】
請求項16に記載のシリカのナノ粒子において、前記有機シランが、式(R)Si(Rの物質を具え、Rが(1)窒素、(2)酸素、(3)硫黄、及び(4)少なくとも1の不飽和炭素−炭素結合のうちの少なくとも1つを具える反応基を有する有機ラジカルであり、Rが加水分解可能な基であり、aは1又は2であり、bは2又は3であり、aとbとの合計が4であることを特徴とするシリカのナノ粒子。
【請求項19】
請求項16に記載のシリカのナノ粒子において、前記有機シランが式

の物質を具え、Rが加水分解可能な基であり、Rが炭化水素ラジカルであり、Rが2価の有機ラジカルであり、cは2又は3であり、dは0又は1であり、各ケイ素原子について前記cとdが合計3になることを特徴とするシリカのナノ粒子。
【請求項20】
粒子サイズが5乃至100nmであることを特徴とする請求項16に記載のシリカのナノ粒子。
【請求項21】
請求項16に記載のナノ粒子を具える透明な水溶性コロイド溶液。
【請求項22】
シランフリーで主容量を有することを特徴とする請求項16に記載のシリカのナノ粒子。

【公表番号】特表2009−538821(P2009−538821A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−513393(P2009−513393)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/069648
【国際公開番号】WO2007/143416
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(507248837)ナルコ カンパニー (91)
【Fターム(参考)】