説明

有機電界発光表示装置及びその電源供給方法

【課題】低電力表示モードにおいて、直流電源発生器の代わりに駆動集積回路から高電圧と低電圧を供給して有機電界発光表示パネルを動作させ、低電力表示モードであるときに直流電源発生器を用いて発生される不必要な待機電力の消耗を除去することにある。
【解決手段】第1電源として第1高電圧ELVDD1および第1低電圧ELVSS1を供給する第1電源供給部140と、第2電源として第2高電圧ELVDD2および第2低電圧ELVSS2を供給する第2電源供給部150と、標準表示モードには、第1電源供給部140から第1電源が供給され、低電力表示モードでは前記第2電源供給部150から第2電源が供給される有機電界発光表示パネル130と、を含む有機電界発光表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機電界発光表示装置及びその電源供給方法に関し、より詳しくは、低電力表示モードにおいて、直流電源発生器の代わりに駆動集積回路から高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)を供給して有機電界発光表示パネルを動作させる有機電界発光表示装置及びその電源供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有機電界発光表示装置は、蛍光性または燐光性有機化合物を電気的に励起させて発光する表示装置として、N×M個の有機電界発光素子を駆動して映像を表示する。このような有機電界発光素子は、アノード(ITO)、有機薄膜、カソード(Metal)の構造を備える。有機薄膜は、電子と正孔との結合を介して光を発光する発光層(EMitting Layer:EML)、電子を輸送する電子輸送層(Electron Transport Layer:ETL)、及び正孔を輸送する正孔輸送層(Hole Transport Layer:HTL)を含む多層構造から構成され、また別途の電子を注入する電子注入層(Electron Injecting Layer:EIL)及び正孔を注入する正孔注入層(Hole Injecting LayerHIL)を含む。
【0003】
最近では、陰極線管に比べて重さと体積が小さな各種の発光表示装置が開発されており、特に発光効率、輝度及び視野角が優れて応答速度が早い有機電界発光表示装置が注目されている。このような有機電界発光表示装置は、パーソナルコンピューター、携帯電話機、PDAなどの携帯情報端末機などの表示装置、または各種情報機器の表示装置として用いられている。
【0004】
このような有機電界発光表示装置は、駆動回路及び画像を表示するパネルと前記パネルを制御する制御部及び前記パネルに直流電源を印加する直流電源発生器などが備えられる。
【0005】
前記有機電界発光表示装置の直流電源発生器は、初期入力電源としてバッテリーなどの低電圧を用いるため、入力電源より高い有機電界発光素子を発光させる電圧を生成するためにはこの初期電源を所望電圧に変換させなければならない。すなわち、有機電界発光素子を発光させるためには、高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)を同時に生成する構造を有しなければならなく、このような高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)を生成するための直流電源発生器は複数の素子で構成されることによって電力消費量が増加する。また、直流電源発生器は、待機電力(quiescent current)が大きいので、有機電界発光表示パネルが低電力表示モードで動作するときはパネルに印加される電力より待機電力による電力消費が大きいという問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、低電力表示モードにおいて、直流電源発生器の代わりに駆動集積回路から供給される高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)で有機電界発光表示パネルを動作させて、低電力表示モードのときに直流電源発生器を用いて発生される不必要な待機電力の消耗を除去することができる有機電界発光表示装置及びその電源供給方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、低電力表示モードで駆動集積回路から生成された既存の電圧である初期化電圧、接地及びガンマ補正部に印加される電圧などを有機電界発光表示パネルを駆動する高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)に用いることによって、駆動集積回路に別途のチャージポンプを追加せず、低電力表示モードに有機電界発光表示パネルを駆動することができる有機電界発光表示装置及びその電源供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために本発明による有機電界発光表示装置は、第1電源として第1高電圧および第1低電圧を供給する第1電源供給部と、第2電源として第2高電圧および第2低電圧を供給する第2電源供給部と、標準表示モードには、前記第1電源供給部から第1電源が供給され、低電力表示モードでは前記第2電源供給部から第2電源が供給される有機電界発光表示パネルとを含むことができる。
【0009】
また、前記第1電源供給部と前記有機電界発光表示パネルとの間に第1高電圧が印加されることを遮断する第1スイッチング素子及び前記第1電源供給部と前記有機電界発光表示パネルとの間に第1低電圧が印加されることを遮断する第2スイッチング素子をさらに含むことができる。
【0010】
さらに、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子とのオン/オフを制御する信号は、前記第2電源供給部から印加されることができる。
【0011】
前記第2電源供給部から印加される前記第2電源である第2高電圧と第2低電圧の差は、前記第1電源供給部から印加される前記第1電源である第1高電圧と第1低電圧の差より小さくすることもできる。
【0012】
前記第2電源供給部は、前記有機電界発光表示パネルの表示モードが前記標準表示モードであるか、または前記低電力表示モードであるかを判断するモード判断部と、前記モード判断部によって前記標準表示モードに判断される場合は前記第1電源供給部を動作させ、低電力表示モードに判断される場合は前記第2電源供給部を動作させる電源制御部と、前記電源制御部の制御によって初期電源が印加されて前記第2電源を生成する電源生成部とを含むことができる。
【0013】
前記電源制御部は、前記第1電源供給部を動作させるとき、前記第2電源供給部の動作を停止させ、前記第2電源供給部を動作させるとき、前記第1電源供給部の動作を停止させることができる。
【0014】
前記電源生成部は、前記印加された初期電源を昇圧して前記第2高電圧を出力する昇圧部と、前記印加された初期電源を減圧して前記第2低電圧を出力する減圧部とを含むことができる。
【0015】
前記第2電源供給部は、前記第2高電圧が印加されて前記有機電界発光表示パネルに出力される映像のガンマ値を補正するガンマ補正部をさらに含むことができる。
【0016】
前記第2低電圧は、前記有機電界発光表示パネルの画素に印加されて画素の容量性素子に保存された電圧を初期化させる初期化電圧であることができる。
【0017】
前記第2低電圧は、前記有機電界発光表示パネルに印加される接地電圧を用いることができる。
【0018】
前記第2電源供給部は、前記有機電界発光表示パネルと同一な基板に形成されることを特徴とする。
【0019】
有機電界発光表示パネルの現在の表示モードが直前のフレームの表示モードと同一であるかどうかを比べる表示モード比較段階と、前記表示モードが変更された場合、標準表示モードから低電力表示モードに変更されたか、または低電力表示モードから標準表示モードに変更されたかどうかを判断する表示モード判断段階と、前記表示モード判断段階で前記標準表示モードから前記低電力表示モードに変更されば、前記表示モード判断段階の後に前記有機電界発光表示パネルに第2電源を供給するために第2電源供給部の電源生成部をターンオンさせる第2電源供給段階と、前記有機電界発光表示パネルに第1電源の供給を遮断するために第1電源供給部と、第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子をターンオフさせる第1電源遮断段階とを含むことができる。
【0020】
前記第2電源供給段階は、前記第2電源供給部の前記電源生成部に第2イネーブル信号を印加し、前記電源生成部をターンオンさせることを特徴とする。
【0021】
前記第1電源遮断段階は、前記第1電源供給部をターンオフさせる第1電源供給部オフ段階と、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子にスイッチング信号を印加して前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子をターンオフさせるスイッチング素子オフ段階とを含むことができる。
【0022】
前記スイッチング素子オフ段階は、前記第1電源供給部オフ段階の後に一フレームのデータ信号が前記有機電界発光表示パネルに印加された後に行われることができる。
【0023】
前記一フレームのデータ信号は、ブラック映像のデータ信号であることができる。
【0024】
前記第2電源供給段階と前記第1電源遮断段階は、前記有機電界発光表示装置に同期信号が印加され、前記有機電界発光表示パネルにデータ信号が印加される期間以外の期間に行われることができる。
【0025】
前記表示モード判断段階で、前記低電力表示モードから前記標準表示モードに変更されば、前記表示モード判断段階以後に前記有機電界発光表示パネルに第1電源を供給するために第1電源供給部をターンオンさせる第1電源供給段階及び前記有機電界発光表示パネルに第2電源が供給されることを遮断するために第2電源供給部の電源生成部をターンオフさせる第2電源遮断段階を含むことができる。
【0026】
前記第1電源供給段階は、前記第1電源供給部に第1イネーブル信号を印加し、前記第1電源供給部をターンオンさせる第1電源供給部オン段階と、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子にスイッチング信号を印加して前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子をターンオンさせるスイッチング素子オン段階とを含むことができる。
【0027】
前記スイッチング素子オン段階は、前記第1電源供給部オン段階以後に一フレームのデータ信号が前記有機電界発光表示装置に印加された後に行われることができる。
【0028】
前記第1電源供給段階と前記第2電源遮断段階は、前記有機電界発光表示装置に同期信号が印加され、前記有機電界発光表示パネルにデータ信号が印加される期間以外の期間に行われることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の有機電界発光表示装置及びその電源供給方法によれば、低電力表示モードにおいて直流電源発生器の代わりに駆動集積回路を用いて画素が発光するための電圧である高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)を有機電界発光表示パネルに印加することで、低電力表示モードであるときに直流電源発生器を用いて発生される不必要な待機電力の消耗を除去することができる。
【0030】
また、本発明の有機電界発光表示装置及びその電源供給方法によれば、低電力表示モードにおいて駆動集積回路から生成された既存の電圧である初期化電圧、接地及びガンマ補正部に印加される電圧などを有機電界発光表示パネルを駆動する高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)に用いることによって、駆動集積回路に別途のチャージポンプを追加せず、低電力表示モードで有機電界発光表示パネルを駆動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の属する技術分野の通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0032】
ここで、本発明の実施形態において、類似の構成及び動作を有する部分について同様な図面符号を付けた。また、いずれかの部分が他の部分と電気的に連結(electrically coupled)されていることは、直接的に連結されている場合のみならず、その中間に他の素子を間に置いて連結されている場合も含む。
【0033】
図1には、本発明の実施形態による有機電界発光表示装置の基本構成を示すブロック図が示されている。
【0034】
図1に示すように、有機電界発光表示装置100は、走査駆動部110、データ駆動部120及び有機電界発光表示パネル(以下、「パネル」と称する)130を含むことができる。また、有機電界発光表示装置100は、電源供給部140,150(図3参照)をさらに含むことができ、電源供給部140,150については、図3を用いて後述する。
【0035】
走査駆動部110は、走査線(Scan[1]、Scan[2]、…、Scan[n])を介してパネル130に走査信号を順次に供給することができる。
【0036】
データ駆動部120は、データ線(Data[1]、Data[2]、…、Data[m])を介してパネル130にデータ信号を供給することができる。
【0037】
パネル130は、行方向に配列されている複数の走査線(Scan[1]、Scan[2]、…、Scan[n])と、列方向に配列される複数のデータ線(Data[1]、Data[2]、…、Data[m])と、複数の走査線(Scan[1]、Scan[2]、…、Scan[n])及びデータ線(Data[1]、Data[2]、…、Data[m])によって定義される画素回路(Pixel)131を含むことができる。
【0038】
ここで、画素回路131は、隣り合う2つの走査線と隣り合う2つのデータ線によって定義される画素領域に形成できる。上述のように走査線(Scan[1]、Scan[2]、…、Scan[n])には、走査駆動部110から走査信号が供給され、データ線(Data[1]、Data[2]、…、Data[m])にはデータ駆動部120からデータ信号が供給される。
【0039】
図2には、図1の有機電界発光表示装置100の画素回路131が示されている。以下で説明する画素回路は、図1に図示された有機電界発光表示装置100に含まれる複数の画素回路のうち1つの画素回路(Pixel)を意味する。
【0040】
図2に示すように、本発明による有機電界発光表示装置100の画素回路131は、第1走査線(Scan[n])、第2走査線(Scan[n−1])、データ線(Data[m])、高電圧線(ELVDD)、低電圧線(ELVSS)、初期化線(Vinit)、第1スイッチングトランジスタS1、第2スイッチングトランジスタS2、駆動トランジスタM1、容量性素子C1及び有機電界発光素子(OLED)を含むことができる。
【0041】
第1走査線(Scan[n])は、発光させようとする有機電界発光素子(OLED)を選択する走査信号を第1スイッチングトランジスタS1の制御電極に供給する役割を有する。このような第1走査線(Scan[n])は、走査信号を生成する走査駆動部110(図1参照)に電気的に連結される。
【0042】
第2走査線(Scan[n−1])は、第1走査線(Scan[n])より先に選択されるn−1番目の走査線を共通に連結して利用するということで、Scan[n−1]と表示した。第2走査線(Scan[n−1])は、初期化電圧(Vinit)を有機電界発光素子(OLED)に印加するように第2スイッチングトランジスタS2の動作を制御する。
【0043】
データ線(Data[m])は、発光輝度に比例するデータ信号(電圧)を容量性素子C1の第2電極及び駆動トランジスタM1の制御電極に供給する役割を有する。このようなデータ線(Data[m])は、データ信号を生成するデータ駆動部120(図1参照)に電気的に連結される。
【0044】
高電圧線(ELVDD)は、高電圧が有機電界発光素子(OLED)に供給されるようにする。このような高電圧線(ELVDD)は、高電圧を供給する第1電源供給部140(図3参照)または第2電源供給部150(図3参照)に連結される。
【0045】
低電圧線(ELVSS)は、低電圧が有機電界発光素子(OLED)に供給されるようにする。このような低電圧線(ELVSS)は、低電圧を供給する第1電源供給部140(図3参照)または第2電源供給部150(図3参照)に連結される。ここで、前記高電圧は、通常、低電圧に比べてハイレベル(high level)であることができる。
【0046】
初期化線(Vinit)は、初期化電圧が容量性素子C1に印加されるようにする。
【0047】
前記初期化電圧は、現在のフレームの一つ前のフレームに容量性素子C1に保存されていた電圧を初期化させる。前記初期化電圧は、第2電源供給部150(図3参照)から印加されることができる。このとき、前記初期化電圧は、前記低電圧と同一な電圧であることができる。
【0048】
第1スイッチングトランジスタS1は、第1電極(ドレイン電極またはソース電極)がデータ線(Data[m])に電気的に連結され、第2電極(ソース電極またはドレイン電極)が駆動トランジスタM1の制御電極(ゲート電極)に電気的に連結され、制御電極が第1走査線(Scan[n])に電気的に連結される。このような第1スイッチングトランジスタS1は、ターンオンされれば、データ信号を容量性素子C1の第2電極及び駆動トランジスタM1の制御電極に供給する。
【0049】
第2スイッチングトランジスタS2は、第1電極が初期化線(Vinit)に電気的に連結され、第2電極が駆動トランジスタM1の制御電極に電気的に連結され、制御電極が第2走査線(Scan[n−1])に電気的に連結される。このような第2スイッチングトランジスタS2は、第2走査線(Scan[n−1])を介して制御電極にローレベルの走査信号が印加されれば、ターンオンされ、容量性素子C1に保存されていた電圧を初期化させる。
【0050】
駆動トランジスタM1は、第1電極が高電圧線(ELVDD)に電気的に連結され、第2電極が有機電界発光素子(OLED)のアノードに電気的に連結され、制御電極が第1スイッチングトランジスタS1の第2電極に電気的に連結される。このような駆動トランジスタM1は、P型チャネルトランジスタとして制御電極を介してローレベル(または、マイナス電圧)のデータ信号が印加されば、高電圧線(ELVDD)から一定量の電流を有機電界発光素子(OLED)の方に供給する役割を有する。前記ローレベル(または、マイナス電圧)のデータ信号は、容量性素子C1の第2電極に供給されて容量性素子C1を充電させるので、第1スイッチングトランジスタS1がターンオフされても一定時間の間に容量性素子C1の充電電圧によって駆動トランジスタM1の制御電極にローレベル(または、マイナス電圧)のデータ信号が継続して印加される。
【0051】
図3には、本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示すブロック図が示されている。
【0052】
図3に示すように、有機電界発光表示装置100は、有機電界発光表示パネル(パネル)130、第1電源供給部140、第2電源供給部150、第1スイッチング素子SW1及び第2スイッチング素子SW2を含む。有機電界発光表示装置100は、さらに、図1に示された走査駆動部とデータ駆動部等が有機電界発光表示パネル130を動作するために連結できるが、このような走査駆動部とデータ駆動部は図1で説明したので、図3の図面には省略されている。以下、第1高電圧端子と第1高電圧はELVDD1として、第1低電圧端子と第1低電圧はELVSS1として、第2高電圧端子と第2高電圧はELVDD2として、第2低電圧端子と第2低電圧はELVSS2としてそれぞれの電圧端子と電圧は同一な図面符号を用いた。
【0053】
パネル130は、電源供給部140,150から電圧(ELVDD、ELVSS)が供給されて、それぞれの画素回路131(図1参照)に供給する。それぞれの画素回路131(図2参照)は、高電圧(ELVDD)と低電圧(ELVSS)が供給され、高電圧(ELVDD)から有機電界発光素子を経由して低電圧(ELVSS)に駆動電流が流れる。前記駆動電流は、画素回路131(図1参照)に印加されるデータ信号に対応して有機電界発光素子(OLED)を発光させる。
【0054】
第1電源供給部140は、第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)がスイッチング素子(SW1、SW2)を介してパネル130に電気的に連結される。第1電源供給部140は、パネル130に第1電源(ELVDD1、ELVSS1)である第1高電圧(ELVDD1)と第1低電圧(ELVSS1)を供給する。第1電源供給部140は、パネル130が一般的な映像表示モード、すなわち、標準表示モードに動作する場合には、第2電源供給部150から印加される第1イネーブル信号(Enable1)が印加されてパネル130に電圧を供給する。また、第1電源供給部140は、パネル130が一部分のみ動作する場合のような低電力表示モードに動作する場合には、パネル130に供給する電圧を遮断する。第1電源供給部140は、直流電源発生器で直流直流コンバータ(DC−DC Converter)を用いることができる。ここで、携帯用端末機などに採用される有機電界発光表示装置100は、初期入力電源としてバッテリーなどの低電圧を用いるため、入力電源より高い有機電界発光素子131を発光させる電圧を生成するためには、この初期電源を所望電圧に昇圧または減圧する変換を必要とする。すなわち、有機電界発光素子131を発光させるためには、電圧差の大きい第1高電圧(ELVDD1)と第1低電圧(ELVSS1)を同時に生成する構造を有しなければならなく、このような第1電源供給部140は複数の素子で構成されることによって電力消費量が増加する。このような第1電源供給部140は、待機電力(quiescent current)が大きいため、パネル130が低電力表示モードで動作するときはパネル130に印加される電力より、待機電力による電力消費が大きい。このような第1電源供給部140は、パネル130の表示モードが低電力表示モードであるときに消費する待機電力の消費を回避するために、標準表示モードにのみ第1電源(ELVDD1、ELVSS1)をパネル130に供給する。
【0055】
第2電源供給部150は、第2高電圧端子(ELVDD2)と第2低電圧端子(ELVSS2)がパネル130に電気的に連結され、低電力表示モードに第2電源(ELVDD2、ELVSS2)である第2高電圧(ELVDD2)と第2低電圧(ELVSS2)をパネル130に供給する。第2電源(ELVDD2、ELVSS2)の電圧差は、第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)の電圧差より小さい。しかし、第2電源供給部150は、パネル130が部分動作して小電力でも動作することができる低電力表示モードに第2電源(ELVDD2、ELVSS2)をパネル130に印加するので、パネル130は第2電源(ELVDD2、ELVSS2)の電圧差が小さくても動作することができる。このように低電力表示モードには、第2電源供給部150を利用してパネル130に電圧を供給するので、第1電源供給部140が動作するときに発生される待機電力のような電力の消費を減らすことができる。
【0056】
第2電源供給部150は、有機電界発光表示装置100内の駆動集積回路(Driver Integrated Circuit:Driver IC)内に形成でき、駆動集積回路(Driver IC)はトランジスタのような単一素子で形成可能なので、パネル130と同一基板に集積されて形成できる。このとき、第2電源(ELVDD2、ELVSS2)は、駆動集積回路(Driver IC)内のチャージポンプ(Charge Pump)を利用して入力電圧である初期電圧(Vin)を昇圧または減圧して生成することができる。
【0057】
第2高電圧(ELVDD2)は、データ駆動部120のガンマ値を調節及び補正するガンマ補正部に印加される電圧と同一な電圧を用いることができる。また、第2低電圧(ELVSS2)は、画素回路131(図2参照)に印加される初期化電圧(Vinit)と同一な電圧を用いることができる。また、第2低電圧(ELVSS2)は、有機電界発光表示装置100に形成されたグラウンドリング(ground ring)に連結された接地(GND)電圧を用いることもできる。このように第2電源供給部150の第2電源(ELVDD2、ELVSS2)として、パネル130で使用している電圧を利用すれば、別途のチャージポンプ(Charge Pump)を形成しなくても良いので、第2電源供給部150の大きさを減少することができる。または、第2低電圧(ELVSS2)は、別途のチャージポンプ(Charge Pump)を利用して入力電圧である初期電圧(Vin)を減圧してさらに低い電圧を生成して用いることもできる。
【0058】
一般的に用いられる有機電界発光表示装置は、第1電源供給部140からパネル130に印加される第1高電圧(ELVDD1)が約4.6Vであり、第2高電圧(ELVSS1)が約−5.4Vとして、2つの電圧差は10Vの差がある。また、第2電源供給部150から生成され、ガンマ補正部に印加される電圧は約4.2Vであり、初期化電圧(Vinit)は約−2.0Vである。また、第2低電圧(ELVSS2)は、別途のチャージポンプ(Charge Pump)を用いて減圧すれば、−4.0Vの電圧を生成することもできる。このように生成された電圧において、第2高電圧(ELVDD2)はガンマ補正部に印加される電圧(4.2V)を用いて、第2低電圧(ELVSS2)は別途のチャージポンプを用いて生成された電圧(−4.0V)、初期化電圧(−2.0V)または接地電圧(0V)を用いることができる。このとき、パネル130に印加される第2高電圧(ELVDD2)と第2低電圧(ELVSS2)の電圧差は、第2高電圧(ELVDD2)が4.2Vであり、第2低電圧(ELVSS2)が別途のチャージポンプを用いて生成された電圧(−4.0V)を用いる場合は8.2Vであり、初期化電圧を用いる場合は6.2Vであり、接地電圧を用いる場合は4.2Vになる。第2高電圧(ELVDD2)と第2低電圧(ELVSS2)の電圧差は、低電力表示モードにパネル130に電圧を供給するので、第1電源供給部140から印加される第1高電圧(ELVDD1)と第1低電圧(ELVSS1)の差の電圧(10V)より小さな電圧(8.2V、6.2V、4.2V)を用いてもパネル130を駆動することができる。
【0059】
第1スイッチング素子SW1は、第1電源供給部140の第1高電圧端子(ELVDD1)とパネル130との間に電気的に連結される。第1スイッチング素子SW1は、パネル130が低電力表示モード以外の動作モードである標準表示モードにターンオンされて第1高電圧(ELVDD1)をパネル130に供給する。このとき、第1スイッチング素子SW1は、制御電極が第2電源供給部150と電気的に連結され、スイッチング信号SWが印加されてパネル130が標準表示モードであるときにターンオンされる。
【0060】
第2スイッチング素子SW2は、第1電源供給部140の第1低電圧端子(ELVSS1)とパネル130との間に電気的に連結される。第2スイッチング素子SW2は、パネル130が低電力表示モード以外の動作モードである標準表示モードにターンオンされて第1低電圧(ELVSS1)をパネル130に伝達する。このとき、第2スイッチング素子SW2は、制御電極が第2電源供給部150と電気的に連結され、スイッチング信号SWが印加されてパネル130が標準表示モードであるときにターンオンされ、第1スイッチング素子SW1と同一に動作する。
【0061】
第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2は、低電力表示モードにターンオフされて第2電源供給部150で第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が第1電源供給部140の第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)を介して第1電源供給部140に印加されることを遮断する。このような第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2がない場合、低電力表示モードに第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加されるとき、第1電源供給部140の出力端子である第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)を介して、第1電源供給部140に第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が印加される。しかし、第1電源供給部140の第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)が高インピーダンス(impedance)状態であれば、第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が出力端子である第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)を介して第1電源供給部140に印加されなくなる。したがって、第1電源供給部140の第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)が高インピーダンス(impedance)状態であれば、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2を第1電源供給部140とパネル130との間に電気的に連結しなくても、第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が第1電源供給部140に印加されることを遮断することができる。すなわち、第1高電圧端子(ELVDD1)と第1低電圧端子(ELVSS1)が高インピーダンス(impedance)状態であれば、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2を省略しても、第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が第1電源供給部140に印加されることを遮断することができる。
【0062】
図4には、図3の第2電源供給部の構成を示すブロック図が示されている。
【0063】
図4に示すように、第2電源供給部150は、モード判断部151、電源制御部152、電源生成部153、ガンマ補正部154及びタイミング制御部155を含む。
【0064】
モード判断部151は、パネル130と電源制御部152との間に連結され、パネル130の表示モードが標準表示モードであるか、または低電力表示モードであるかを判断する。前記判断されたモードを電源制御部152に伝達する。このとき、モード判断部151は、直前のフレームにおけるパネル130の表示モードと、現在のフレームにおけるパネル130の表示モードとを比較して前記表示モードが同一である場合に、第1電源供給部140と第2電源供給部150は前のフレームと同一に動作するようになる。
【0065】
電源制御部152は、モード判断部151と電源生成部153との間に連結され、モード判断部151から伝達されるモード信号によって電源生成部153に第2イネーブル信号(Enable2)を印加して電源生成部153の動作を制御する。このとき、電源制御部152は、第1電源供給部140と電気的に連結され、第1電源供給部140(図3参照)に第1イネーブル信号(Enable1)を印加して第1電源供給部140の動作を制御する。また、電源制御部152は、第1スイッチング素子SW1(図3参照)と第2スイッチング素子SW2(図3参照)の制御電極と電気的に連結され、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2にスイッチング信号SWを印加して第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2の動作を制御する。
【0066】
電源生成部153は、昇圧部153aと減圧部153bとを含む。昇圧部153aは、初期電源(Vin)を昇圧して第2高電圧(ELVDD2)を生成し、減圧部153bは初期電源(Vin)を減圧して第2低電圧(ELVSS2)を生成し、第2電源(ELVDD2、ELVSS2)をパネル130に供給する。電源生成部153は、電源制御部152から第2イネーブル信号(Enable2)が印加されてパネル130の表示モードが低電力表示モードであるときに動作し、標準表示モードであるときには動作が遮断される。
【0067】
電源生成部153の昇圧部153aから出力される第2高電圧(ELVDD2)は、ガンマ補正部154に印加される。すなわち、第2電源供給部150は、ガンマ補正部154に印加される電圧と同一な電圧を第2高電圧(ELVDD2)に用いて別途の昇圧部を形成しなくても良いので、第2電源供給部150の大きさを減少することができる。電源生成部153の減圧部153bから出力される第2低電圧(ELVSS2)は、画素回路131(図2参照)に印加される初期化電圧(Vinit)と同一な電圧、有機電界発光表示装置100に形成されたグラウンドリング(ground ring)に連結された接地(GND)電圧または別途に減圧部153bで用いて生成した電圧を用いることができる。このとき、第2低電圧(ELVSS2)は、初期化電圧(Vinit)または接地(GND)電圧と同一な電圧を用いれば、別途の減圧部153bを形成しなくても良いので、第2電源供給部150の大きさを減少することができる。
【0068】
なお、電源生成部153は、昇圧部153aと減圧部153b以外に走査駆動部110(図1参照)、データ駆動部120(図1参照)及びパネル130に印加される電圧を生成する別途の昇圧部と減圧部をさらに含むことができる。
【0069】
ガンマ補正部154は、電源生成部153とデータ駆動部120との間に連結され、電源生成部153から第2高電圧(ELVDD2)が印加され、データ駆動部120から印加されるデータ電圧(Data_in)のガンマ値を補正して補正されたデータ電圧(Data_out)をデータ駆動部120に出力する。
【0070】
タイミング制御部155は、有機電界発光表示装置100の走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150と連結される。タイミング制御部155は、同期信号(Sync)を生成して走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150に同期信号(Sync)を供給する。同期信号(Sync)は、走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150に同一の時間に一フレームのスタートを知らせる信号である。
【0071】
図5は、本発明の他の実施形態による有機電界発光表示装置の電源供給方法を示したフローを示す。
【0072】
図5に示すように、本発明の実施形態による有機電界発光表示装置100の電源供給方法は、表示モード比較段階S1、表示モード判断段階S2、第2電源供給段階S31、第1電源遮断段階S41、第1電源供給段階S32及び第2電源遮断段階S42を含む。ここで、第2電源供給段階S31と第1電源遮断段階S41は、表示モード判断段階S2で表示モードが標準表示モードから低電力表示モードに変更されたときの電源供給手順であり、第1電源供給段階S32と第2電源遮断段階S42は表示モード判断段階S2で表示モードが低電力表示モードから標準表示モードに変更されたときの電源供給手順である。このとき、第2電源供給段階S31、第1電源遮断段階S41、第1電源供給段階S32及び第2電源遮断段階S42は、走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150に同一な時間に一フレームのスタートを知らせる信号である同期信号(Sync)が印加される期間に行われ、この期間は、パネル130にデータ信号が印加される期間以外の期間T11,T21(図6a及び図6b参照)である。
【0073】
表示モード比較段階S1では、パネル130の現在の表示モードが前のフレーム(以前フレーム)の表示モードと同一な表示モードであるかどうかを比較する。このとき、以前フレームと同一な表示モードの場合には、以前フレームと同一な電源が繰り返し供給される。また、以前フレームと同一な表示モードではない場合には、次の処理段階である表示モード判断段階S2に移る。
【0074】
表示モード判断段階S2では、パネル130の表示モードが標準表示モードから低電力表示モードに変更された場合、第2電源供給段階S31に処理が移るようになり、低電力表示モードから標準表示モードに変更された場合、第1電源供給段階S32に処理が移る。すなわち、パネル130の表示モードが低電力表示モードに変更された場合には、第2電源供給部150を介してパネル130に電源を供給し、標準表示モードに変更された場合には第1電源供給部140を介してパネル130に電源を供給する。
【0075】
第2電源供給段階S31では、表示モード判断段階S2からパネル130の表示モードが標準表示モードから低電力表示モードに変更されたと判断されば、第2電源供給部150は第2イネーブル信号(Enable2)が印加されてオンされ、パネル130に第2電源(ELVDD2、ELVSS2)を供給する。第2電源供給段階S31が進行される以前フレームには、パネル130の表示モードが標準表示モードだったので、パネル130には第1電源供給部140から第1電源(ELVDD1、ELVSS1)が印加されている。よって、第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加されば、第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)とがショート(short)される。このとき、前記ショート(short)によって第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)で第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)に電圧変化が行われ、パネル130に印加される電圧がショート(short)によって小さく変更されるので、電圧変化による画面異常を防止することができる。
【0076】
第1電源遮断段階S41では、第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)とが第2電源供給段階S31でショートされた後に第1電源供給部140をオフさせる。第1電源遮断段階S41は、第1電源供給部140をオフさせる第1電源供給部オフ段階S41aと、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2をオフさせるスイッチング素子オフ段階S41bとを含む。スイッチング素子オフ段階S41bは、第1電源供給部140とパネル130との間に電気的に連結されたスイッチング素子(SW1、SW2)がターンオフされて第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加されるときに第1電源供給部140に漏洩電流(leakage current)が流れることを遮断することができる。また、スイッチング素子オフ段階S41bは、第1電源供給部オフ段階S41a以後に一フレームのデータ信号がパネル130に印加された後に行われる。このとき、第1電源供給部オフ段階S41aとスイッチング素子オフ段階S41bとの間には、パネル130に一フレームのデータ信号が入力されるが、このとき、パネル130全体にブラックイメージのデータ信号を印加すれば、表示モードが変更されるときに電圧変化によってパネル130の画面異常を防止することができる。
【0077】
第1電源供給段階S32では、表示モード判断段階S2からパネル130の表示モードが低電力表示モードから標準表示モードに変更されたと判断されば、第1電源供給部140は第1イネーブル信号(Enable1)が印加されてオンされ、第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2とがオンされてパネル130に第1電源(ELVDD1、ELVSS1)を供給する。第1電源供給段階S32は、第1電源供給部140をオンさせる第1電源供給部オン段階S32aと、第1スイッチング素子SW1および第2スイッチング素子SW2をオンさせるスイッチング素子オン段階S32bとを含む。第1電源供給部オン段階S32aでは、第1電源供給部140は第1イネーブル信号(Enable1)が印加されることによりオンされて第1スイッチング素子SW1と第2スイッチング素子SW2で第1電源(ELVDD1、ELVSS1)を印加する。スイッチング素子オン段階S32bは、第1電源供給部140とパネル130との間に電気的に連結されたスイッチング素子(SW1、SW2)がターンオンされてパネル130に第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)を供給する。また、スイッチング素子オン段階S32bは、第1電源供給部オン段階S32a以後に一フレームのデータ信号がパネル130に印加された後に行われる。このとき、第1電源供給部オン段階S32aとスイッチング素子オン段階S32bとの間には、パネル130に一フレームのデータ信号が入力されるが、このとき、パネル130全体にブラックイメージのデータ信号を印加すれば、表示モードが変更されるときに電圧変化によってパネル130の画面異常を防止することができる。第1電源供給段階S32が進行される以前フレームには、パネル130の表示モードが低電力表示モードだったので、パネル130には第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が印加されている。よって、第1電源供給部140から第1電源(ELVDD1、ELVSS1)がパネル130に印加されば、第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)と第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)がショート(short)される。このとき、ショート(short)によって第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)で第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)に電圧変化が行われ、パネル130に印加される電圧がショート(short)によって小さく変更されるので、電圧変化による画面異常を防止することができる。
【0078】
第2電源遮断段階S42では、第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が第1電源供給段階S32からショートされた後に第2電源供給部150をオフさせて第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加されることを遮断する期間である。第2電源遮断段階S42では、第1電源供給段階S32で第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がショートされた後に、第2電源供給部150をオフさせるので、電圧変更による画面異常を阻むことができる。
【0079】
図6aないし図6bには、図3の有機電界発光表示装置の電源供給方法に関するタイミング図が示されている。前記有機電界発光表示装置のタイミング図は、図5の有機電界発光表示装置の電源供給方法を示した手順図であり、第2電源供給段階S31、第1電源遮断段階S41、第1電源供給段階S32及び第2電源遮断段階S42を示したタイミング図である。このとき、図6aの有機電界発光表示装置のタイミング図は、第2電源供給段階S31と第1電源遮断段階S41を示したタイミング図であり、図6bの有機電界発光表示装置のタイミング図は第1電源供給段階S32と第2電源遮断段階S42を示したタイミング図である。
【0080】
図6aに示すように、有機電界発光表示装置のタイミング図において、一フレーム(1frame)は同期信号入力期間(T11a)とデータ信号入力期間(T12a)とを含む。同期信号入力期間(T11a、T21a)は、走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150に同一な時間に一フレームのスタートを知らせる信号である同期信号(Sync)が印加される期間である。データ信号入力期間(T12a、T22a)は、パネル130にデータ信号が印加されてパネル130の画素回路131が動作して有機電界発光素子(OLED)が発光する期間である。第2電源供給段階S31と第1電源遮断段階S41は、全部同期信号入力期間(T11a、T21a)に行われる。
【0081】
先ず、パネル130の表示モードが標準表示モードから低電力表示モードに変更されれば、第1期間(T1a)が経過された後に第1電源供給部140から印加された第1電源(ELVDD1、ELVSS1)が遮断される。このとき、第1期間(T1a)の間、第2電源供給部150がオンされてパネル130に第2電源(ELVDD2、ELVSS2)を印加する。すなわち、第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加された後に第1電源供給部140から印加された第1電源(ELVDD1、ELVSS1)が遮断されて第2期間(T1b)の間に第1電源供給部140の第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150の第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に同時に印加される。このとき、第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)で第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)に電圧変化が行われ、パネル130に印加される電圧が小さく変更されるので、電圧変化による画面異常を防止することができる。
【0082】
パネル130の表示モードが標準表示モードから低電力表示モードに変更された後に一フレーム(1frame)が経った後、第3期間(T1c)が経過された後にスイッチング素子(SW1、SW2)がターンオフされる。スイッチング素子(SW1、SW2)がターンオフされて第2電源供給部150から第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に印加されるときに第1電源供給部140に漏洩電流(leakage current)が流れることを遮断することができる。このとき、一フレーム(1frame)のデータ信号入力期間(T12a)にブラックイメージのデータ信号を印加すれば、表示モードが変更されるときに電圧変化によってパネル130の画面異常を防止することができる。
【0083】
図6bに示すように、有機電界発光表示装置のタイミング図は、一フレーム(1frame)が同期信号入力期間(T11b)とデータ信号入力期間(T12b)とを含む。同期信号入力期間(T11b、T21b)は、走査駆動部110、データ駆動部120、パネル130及び電源供給部140,150に同一な時間に一フレームのスタートを知らせる信号である同期信号(Sync)が印加される期間である。データ信号入力期間(T12b、T22b)は、パネル130にデータ信号が印加されてパネル130の画素回路131が動作して有機電界発光素子(OLED)が発光する期間である。第1電源供給段階S32と第2電源遮断段階S42は、全部同期信号入力期間(T11b、T21b)に行われる。
【0084】
先ず、パネル130の表示モードが低電力表示モードから標準表示モードに変更されれば、第1期間(T2a)が経過された後に第1電源供給部140がターンオンされて第1電源(ELVDD1、ELVSS1)がスイッチング素子(SW1、SW2)に印加される。このとき、スイッチング素子(SW1、SW2)は、ターンオフされていてパネル130には第1電源供給部140の第1電源(ELVDD1、ELVSS1)が供給されない。
【0085】
パネル130の表示モードが低電力表示モードから標準表示モードに変更された後に一フレーム(1frame)が経った後、第3期間(T2c)が経過された後にスイッチング素子(SW1、SW2)がターンオンされる。すなわち、パネル130の表示モードが低電力表示モードから標準表示モードに変更された後に一フレーム(1frame)と、第3期間(T2c)が経過された後に第1電源供給部140の第1電源(ELVDD1、ELVSS1)がパネル130に供給される。このとき、一フレーム(1frame)のデータ信号入力期間(T12b)にブラックイメージのデータ信号を印加すれば、表示モードが変更されるときに電圧変化によってパネル130の画面異常を防止することができる。また、第3期間(T2c)で、第4期間(T2d)が経過された後に第2電源供給部150からパネル130に印加された第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が遮断される。すなわち、第1電源供給部140から第1電源(ELVDD1、ELVSS1)がパネル130に印加された後、第2電源供給部150から印加された第2電源(ELVDD2、ELVSS2)が遮断されるので、第4期間(T2d)の間は第1電源供給部140の第1電源(ELVDD1、ELVSS1)と第2電源供給部150の第2電源(ELVDD2、ELVSS2)がパネル130に同時に印加される。このとき、第2電源供給部150から印加される第2電源(ELVDD2、ELVSS2)で第1電源供給部140から印加される第1電源(ELVDD1、ELVSS1)に電圧変化が行われ、パネル130に印加される電圧が小さく変更されるので、電圧変化による画面異常を防止することができる。
【0086】
以上、本発明は、有機電界発光表示装置を実施するための一実施形態に過ぎず、上述した特定の好適な実施例に限定されるものではなく、特許請求範囲から請求する本発明の基本概念に基づき、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、様々な実施変形が可能であり、そのような変形は本発明の特許請求範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明による有機電界発光表示装置の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1の有機電界発光表示装置の画素回路が示されている。
【図3】本発明の一実施形態による有機電界発光表示装置を示すブロック図である。
【図4】図3の第2電源供給部の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態による有機電界発光表示装置の電源供給方法を示した手順図である。
【図6a】図3の有機電界発光表示装置の電源供給方法に関するタイミング図である。
【図6b】図3の有機電界発光表示装置の電源供給方法に関するタイミング図である。
【符号の説明】
【0088】
100 有機電界発光表示装置、
110 走査駆動部、
120 データ駆動部、
130 有機電界発光表示パネル、
131 画素(Pixel)、
140 第1電源供給部、
150 第2電源供給部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源として第1高電圧および第1低電圧を供給する第1電源供給部と、
第2電源として第2高電圧および第2低電圧を供給する第2電源供給部と、
標準表示モードには、前記第1電源供給部から前記第1電源が供給され、低電力表示モードでは前記第2電源供給部から前記第2電源が供給される有機電界発光表示パネルと、
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第1電源供給部と前記有機電界発光表示パネルとの間に第1高電圧が印加されることを遮断する第1スイッチング素子と、
前記第1電源供給部と前記有機電界発光表示パネルとの間に第1低電圧が印加されることを遮断する第2スイッチング素子と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項3】
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子のオン/オフを制御する信号は、前記第2電源供給部から印加されることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項4】
前記第2電源供給部から印加される前記第2電源である第2高電圧と第2低電圧の差は、前記第1電源供給部から印加される前記第1電源である第1高電圧と第1低電圧の差より小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項5】
前記第2電源供給部は、前記有機電界発光表示パネルの表示モードが前記標準表示モードであるか、または前記低電力表示モードであるかを判断するモード判断部と、
前記モード判断部によって前記標準表示モードに判断される場合は前記第1電源供給部を動作させ、低電力表示モードに判断される場合は前記第2電源供給部を動作させる電源制御部と、
前記電源制御部の制御によって初期電源が印加されて前記第2電源を生成する電源生成部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項6】
前記電源制御部は、前記第1電源供給部を動作させるとき場合には前記第2電源供給部の動作を停止させ、前記第2電源供給部を動作させるとき場合には前記第1電源供給部の動作を停止させることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項7】
前記電源生成部は、前記印加された初期電源を昇圧して前記第2高電圧を出力する昇圧部と、
前記印加された初期電源を減圧して前記第2低電圧を出力する減圧部と、
を含んでなることを特徴とする請求項5に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項8】
前記第2電源供給部は、前記第2高電圧が印加されて前記有機電界発光表示パネルに出力される映像のガンマ値を補正するガンマ補正部をさらに含んでなることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項9】
前記第2低電圧は、前記有機電界発光表示パネルの画素に印加されて画素の容量性素子に保存された電圧を初期化させる初期化電圧であることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項10】
前記第2低電圧は、前記有機電界発光表示パネルに印加される接地電圧を用いることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第2電源供給部は、前記有機電界発光表示パネルと同一な基板に形成されることを特徴とする請求項1に記載の有機電界発光表示装置。
【請求項12】
有機電界発光表示パネルの現在のフレームの表示モードが直前のフレームの表示モードと同一であるかを比べる表示モード比較段階と、
前記表示モードが変更された場合、標準表示モードから低電力表示モードに変更されたか、または低電力表示モードから標準表示モードに変更されたかを判断する表示モード判断段階と、
前記表示モード判断段階で前記標準表示モードから前記低電力表示モードに変更される場合、前記表示モード判断段階の後に前記有機電界発光表示パネルに第2電源を供給するために第2電源供給部の電源生成部をターンオンさせる第2電源供給段階と、
前記有機電界発光表示パネルに第1電源の供給を遮断するために第1電源供給部と第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子をターンオフさせる第1電源遮断段階と、
を含むことを特徴とする有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項13】
前記第2電源供給段階は、前記第2電源供給部の前記電源生成部に第2イネーブル信号を印加し、前記電源生成部をターンオンさせることを特徴とする請求項12に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項14】
前記第1電源遮断段階は、前記第1電源供給部をターンオフさせる第1電源供給部オフ段階と、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子にスイッチング信号を印加して前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子をターンオフさせるスイッチング素子オフ段階と、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項15】
前記スイッチング素子オフ段階は、前記第1電源供給部オフ段階の後に一フレームのデータ信号が前記有機電界発光表示パネルに印加された後に進行されることを特徴とする請求項14に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項16】
前記一フレームのデータ信号は、ブラック映像のデータ信号であることを特徴とする請求項15に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項17】
前記第2電源供給段階と前記第1電源遮断段階は、前記有機電界発光表示装置に同期信号が印加され、前記有機電界発光表示パネルにデータ信号が印加される期間以外の期間に行われることを特徴とする請求項12に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項18】
前記表示モード判断段階で、前記低電力表示モードから前記標準表示モードに変更される場合、前記表示モード判断段階以後に前記有機電界発光表示パネルに第1電源を供給するために第1電源供給部をターンオンさせる第1電源供給段階と、
前記有機電界発光表示パネルに第2電源が供給されることを遮断するために第2電源供給部の電源生成部をターンオフさせる第2電源遮断段階と、
を含むことを特徴とする請求項12に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項19】
前記第1電源供給段階は、前記第1電源供給部に第1イネーブル信号を印加し、前記第1電源供給部をターンオンさせる第1電源供給部オン段階と、
前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子にスイッチング信号を印加して前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子をターンオンさせるスイッチング素子オン段階と、
を含むことを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項20】
前記スイッチング素子オン段階は、前記第1電源供給部オン段階の後に一フレームのデータ信号が前記有機電界発光表示装置に印加された後に行われることを特徴とする請求項19に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項21】
前記一フレームのデータ信号は、ブラック映像のデータ信号であることを特徴とする請求項20に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。
【請求項22】
前記第1電源供給段階と前記第2電源遮断段階は、前記有機電界発光表示装置に同期信号が印加され、前記有機電界発光表示パネルにデータ信号が印加される期間以外の期間に行われることを特徴とする請求項18に記載の有機電界発光表示装置の電源供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2009−109984(P2009−109984A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208202(P2008−208202)
【出願日】平成20年8月12日(2008.8.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】