説明

有機ELディスプレイ

【課題】 基板のたわみを防止する手段を有する有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】 有機EL素子アレイを有する基材と梁と、両者を回動可能に接続する接続部材とを有する有機ELディスプレイを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有機ELディスプレイにかかわる。
【背景技術】
【0002】
可撓性の基材上に有機EL素子アレイを表示部として設けている有機ELディスプレイが例えば特許文献1に知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−281086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
可撓性の基材上に有機EL素子アレイが配置されているため、基材が必要以上に撓むと有機EL素子アレイが破壊される可能性がある。
【0005】
よって本発明は基材が必要以上に撓むことを防いだ有機ELディスプレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって本発明は、表示部に配置されている有機EL素子アレイと、前記有機EL素子アレイを配置する基材と、
前記基材の一辺に配置されている可動部と、前記可動部を介して前記基材の前記一辺を支持する梁とを有することを特徴とする有機ELディスプレイを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、梁により基材が支持されているので基材の曲がりを防ぐことが出来、有機EL素子アレイの破壊を防ぐことが出来る。更に梁に対して基材が可動である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
本実施の形態に係る有機ELディスプレイの模式図を図1に示す。
【0009】
符号1は表示部である有機EL素子アレイ、2は基材、3は梁、4は可動部材、5はつまみ、6はスイッチである。
【0010】
有機EL素子アレイ1は複数の有機EL素子からなるもので、フルカラー表示可能な表示画面である。
【0011】
有機EL素子アレイ1は基材2上に配置されている。基材は自重で容易に撓むような可撓性材料であっても良いし、あるいは手で力を加えることで撓む程度の部材であっても良い。あるいは手による力程度では容易に撓まない程度の部材であっても良い。部材はその厚みや材料を適宜決めればよい。
【0012】
基材2の一辺に可動部4が配置されている。そして可動部4を介して梁3と基材2とが接続されている。可動部4はシート状の可撓性部材であっても良いしあるいはちょうつがいのような構造物でもよい。梁3は前記一辺方向に沿って配置されている。
【0013】
本実施形態に係る有機ELディスプレイは表示部が略長方形形状であり、梁は長尺方向に沿って配置されている。梁3が撓まない構造であるので梁に接続されている基材は長尺方向において撓むことを防ぐことが出来る。
【0014】
本実施形態に係る有機ELディスプレイは基材の一辺のみに梁を設けている。したがって対向する長辺においては基材が可撓性である場合撓ませることが出来る。
【0015】
本実施形態に係る有機ELディスプレイは、短辺に梁を設けていない。したがって短辺方向においては基材が可撓性である場合撓ませることが出来るので梁に対して表示部である有機EL素子アレイをページのようにめくることが出来る。
【0016】
本実施形態に係る有機ELディスプレイは有機EL素子アレイの画像を表示させる制御部あるいは電源の少なくとも何れか一方を梁に設けても良い。その結果制御部あるいは電源の少なくとも一方が撓まない梁により外部からの力から保護される。
【0017】
本実施形態に係る有機ELディスプレイは基材につまみ5を設けても良い。つまみ5を設けることで表示部である有機EL素子アレイを梁3に対して容易に回動させることが出来る。なお、つまみ部にスイッチ6を設けても良い。
【0018】
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係る有機ELディスプレイは、別の前記有機ELディスプレイと接続する接続部を梁に有することを特徴とする。それ以外は第1の実施の形態と同じである。
【0019】
図2は本実施の形態に係る複数の有機ELディスプレイを接続させた状態を示す模式図である。接続部は不図示であるが、図示するように2枚の有機ELディスプレイが梁3において互いに接続されており、各有機ELディスプレイの一辺がそれぞれ揃うように接続されている。このような接続が出来ることで梁を背表紙とみなし、表示部をページとみなす有機ELディスプレイによる本を提供することが出来る。
【0020】
このような構成において有機ELディスプレイが有用な理由は有機ELディスプレイが液晶ディスプレイとことなり、バックライトが不要で薄いという利点がある。それ以外に液晶に比べて視野角変化がほとんどなく、したがって本のページを少しだけ開く動作であってもわずかの隙間から2枚の表示部を同時に明瞭に眺めることが可能であるという利点もある。
【0021】
本実施の形態に係る有機ELディスプレイは一枚の基材2の表裏面それぞれに有機EL素子アレイを設けて基材2の両面で表示可能な構成にしても良い。両面はそれぞれ個別にひ表示が出来ても良いしあるいは同じ表示が出来ても良い。同じ表示の場合各面の画像が鏡像関係になっている画像でも良い。
【0022】
本実施の形態に係る有機ELディスプレイでは2枚の有機ELディスプレイを挙げて説明したが、3枚以上の有機ELディスプレイを互いに接続する構成でも良い。
【0023】
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る有機ELディスプレイは複数枚の有機ELディスプレイを面内方向に並べて複数の有機EL素子アレイによりひとつの画像を表示することを特徴とする。それ以外は第1の実施の形態と同じである。
【0024】
その様子を図3に示す。図3は2枚の有機ELディスプレイを長尺方向に横に並べて同一画像を表示している状態を示す模式図である。
【0025】
ひとつの画像を表示する場合、画像情報の発信源は何れか一方の有機ELディスプレイあるいは不図示の別体の画像情報発信源であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】第1の実施の形態に係る有機ELディスプレイを示す模式図である。
【図2】第2の実施の形態に係る有機ELディスプレイを示す模式図である。
【図3】第3の実施の形態に係る有機ELディスプレイを示す模式図である。
【符号の説明】
【0027】
1 表示部である有機EL素子アレイ
2 基材
3 梁
4 可動部材
5 つまみ
6 スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に配置されている有機EL素子アレイと、前記有機EL素子アレイを配置する基材と、
前記基材の一辺に配置されている可動部材と、前記可動部を介して前記基材の前記一辺を支持する梁とを有することを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項2】
前記梁は別の前記有機ELディスプレイの梁と前記基材の一辺の方向において接続する接続部を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項3】
前記梁は前記有機EL素子アレイの表示を制御するための制御回路を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項4】
前記梁は前記有機EL素子アレイの電源を有していることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−134699(P2006−134699A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322070(P2004−322070)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】