有機EL表示装置及びその製造方法
【課題】上部透明電極とその補助電極を備えるとともに、高い開口率を有し、しかも容易に製造することができる有機EL表示装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板12と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極14と、該下部電極上に配置された絶縁層18と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極28と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層26と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極20と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁24とを有し、前記上部電極と前記上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置10。
【解決手段】基板12と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極14と、該下部電極上に配置された絶縁層18と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極28と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層26と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極20と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁24とを有し、前記上部電極と前記上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置10。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型の表示装置として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の開発が進んでいる。
図9は、有機EL表示装置の表示パネルの構成の一例を概略的に示している。この有機EL表示パネル30は、基板31上に、有機EL素子として、陽極(下部電極)32、正孔輸送層33、発光層34、電子輸送層35、陰極(上部電極)36が形成され、さらにその上に、酸素や水分による有機EL素子の劣化等を防ぐため、保護層(封止部材)37が設けられている。
【0003】
このような構成の有機EL表示パネル30を備えた有機EL表示装置を製造する場合、例えば以下のような工程が行われる。
ガラス等の透明基板31上に真空蒸着によりITO等の透明な陽極(引出電極)32を形成し、次いで絶縁層や隔壁(図示せず)を形成する。そして、シャドーマスクを用いて、正孔輸送層33、発光層34、電子輸送層35等を真空蒸着(マスク蒸着)により所定の位置に順次成膜した後、Al、MgAg等の陰極36を成膜する。なお、有機EL層38は、図9に示したような構成に限らず、例えば輸送層33,35が無いもの、電極32,36と輸送層33,35との間に注入層を設けたもの、あるいは発光層等を直列に積層させた、いわゆるマルチフォトンエミッション素子など種々のタイプがある。
【0004】
下部電極(陽極)32と上部電極(陰極)36との間に電圧を選択的に印加することにより発光層34が発光し、発光層34からの光は陽極32を通して透明基板31から取り出される。このように透明基板31側から発光層34の光を取り出す表示パネルはボトムエミッション型と呼ばれる。
一方、上部電極として透明な電極を用い、上部電極側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション構造の有機EL表示パネルも開発されている。
【0005】
透明有機EL表示パネルや、トップエミッション構造の有機EL表示パネル等において、上部電極及び上部電極配線にITO等の透明電極材料を用いた場合、そのような透明電極材料は抵抗が高く、陰極配線部での電圧降下が大きくなり、素子に十分な電圧を印加できないためパネルの輝度が低下してしまう。その対策として、上部電極に接続する補助電極を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
図10は、補助電極を形成した従来の有機EL表示パネルの構成の一例を示し、図11は、この有機EL表示パネル70のA−A´断面を概略的に示している。この有機EL表示パネル70では、基板71上に下部電極72と、絶縁層77を順次形成した後、発光領域の1つの角部で内側に突出するように上部電極用補助電極74が形成されている。そして、絶縁隔壁76、有機EL層73、上部電極75が順次形成され、補助電極74の発光領域の内側に突出する部分74aと上部電極75とが接続している(特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−203196号公報
【特許文献2】特開2005−235491号公報
【特許文献3】特開2005−267991号公報
【特許文献4】特開2004−103582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように補助電極の一部が発光領域の内側に突出するように形成すると、開口部が狭まり、画素有効領域が小さくなり、また、製造工程が複雑になるという問題がある。
このような問題を解決するため、本発明は、上部透明電極とその補助電極を備えるとともに、高い開口率を有し、しかも容易に製造することができる有機EL表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では以下の有機EL表示装置及びその製造方法が提供される。
【0010】
<1> 基板と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極と、該下部電極上に配置された絶縁層と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁とを有し、前記上部電極と上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
【0011】
<2> 前記上部電極用補助電極が、前記絶縁隔壁を隔てて形成されていることを特徴とする<1>に記載の有機EL表示装置。
【0012】
<3> 前記下部電極及び前記上部透明電極に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極を有し、該引出電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機EL表示装置。
【0013】
<4> 前記下部電極に接続された下部電極用補助電極を有し、該下部電極用補助電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0014】
<5> 前記上部透明電極が、ITOにより形成されていることを特徴とする<1>ないし<4>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0015】
<6> 前記上部電極用補助電極が、Mo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることを特徴とする<5>に記載の有機EL表示装置。
【0016】
<7> 前記下部電極が、透明電極であることを特徴とする<1>ないし<6>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0017】
<8> <1>ないし<7>のいずれかに記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記下部電極と、前記絶縁層と、前記上部電極用補助電極と、前記絶縁隔壁と、前記有機EL層と、前記上部透明電極とを順次形成する工程を含み、前記上部透明電極をスパッタ法により形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【0018】
<9> 少なくとも前記有機EL層の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することを特徴とする<8>に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上部透明電極とその補助電極を備えるとともに、高い開口率を有し、しかも容易に製造することができる有機EL表示装置及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る有機EL表示装置について具体的に説明する。
図1A、図1B、及び図1Cは、本発明に係る有機EL表示装置を構成する有機EL表示パネルの一例を概略的に示している。本発明に係る有機EL表示パネル10は、図1Bに示されるように、絶縁隔壁24の幅が上部で拡大しており、上部電極28と上部電極用補助電極20が、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側(絶縁隔壁24の中心部に近い側)で接続していることを主な特徴としている。以下、このような本発明に係る有機EL表示パネル10についてその製造方法とともに説明する。
【0021】
<基板>
まず、基板12上に下部電極(陽極)14をストライプ状に形成する。図2A及び図2Bは、基板12上にストライプ状に形成した下部電極14のパターンの一例を示している。
基板12としては、ガラス、樹脂等の透明基板を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の樹脂基板を好適に用いることができる。
【0022】
また、トップエミッション構造の有機EL表示装置を製造する場合には、基板側から発光を取り出す必要がないため、金属からなる不透明基板を用いることができる。例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板を用いれば、高いガスバリア性を有するものとなる。なお、このような金属製の基板を用いる場合には、基板12と下部電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設けておく。
【0023】
<下部電極>
基板12上に形成する下部電極14としては、有機EL素子の陽極を構成する公知の材料、例えば、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)、アルミニウムやガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO、GZO)等の導電性金属酸化物を好適に用いることができる。なお、トップエミッション型の有機EL表示装置を製造する場合には、下部電極14は透明である必要はないが、透明な有機EL表示パネル10を備えた有機EL表示装置を製造する場合には、下部電極14は透明電極を採用する必要があり、導電性、透明性等の点でITOが好ましい。
基板12上にストライプ状の下部電極(陽極)14を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法により所望のパターンに形成することができる。なお、下部電極14とともに同じ材料で上部電極(陰極)用引出配線16を同時に形成してもよい。
【0024】
下部電極(陽極)14の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1μm程度、特に50nm〜200nmの範囲内で形成することができる。このような厚みを有する陽極14であれば、有機EL素子の陽極14として十分に機能するとともに、可視光の透過率を十分高くすることができる。
【0025】
<絶縁層>
下部電極14を形成した後、絶縁層18を形成する。図3A及び図3Bは、絶縁層18の配置パターンの一例を示している。
絶縁層18を構成する材料としては、公知の絶縁材料を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスフッ素樹脂等を用いることができる。透過型の有機EL表示パネルを備えた有機EL表示装置を製造する場合には可視光に対して光透過性を有する材料が用いられる。絶縁層18を形成する方法としては、上記のような絶縁材料を基板12上に塗布し、フォトリソグラフィーにより所定のパターンに形成すればよい。また、絶縁層18として無機膜を使用する場合もある。その時に使用される無機膜としては、例えば、酸化シリコンSiOx、窒化シリコンSiNx、酸化タンタルTaOx、窒素タンタルTaNx等の酸化膜や窒化膜を用いることができる。無機膜の成膜には、スッパタ法、CVD法による真空蒸着等を用い、成膜後にフォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングすることで絶縁層18を所定のパターンに形成する。なお、本発明では、後に形成する上部電極28と上部電極用補助電極20とを、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続させるため、絶縁層18は比較的狭い幅で形成することができる。絶縁層18の幅を狭くすることで開口率を高くすることができる。
絶縁層18の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、100nm〜10μm程度、特に200nm〜2μmの範囲内で形成することができる。
【0026】
<上部電極用補助電極>
絶縁層18を形成した後、絶縁層18上に上部電極用補助電極20を形成する。図4A及び図4Bは、上部電極用補助電極20の配置パターンの一例を示している。
上部電極用補助電極20は、後述の上部透明電極28より抵抗が小さい材料で形成し、上部透明電極28がITOである場合、ITOとのコンタクト性の観点からMo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることが好ましい。フォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングすることで絶縁層18上に所望のパターン形状の上部電極用補助電極20を形成することができる。本発明では、上部電極用補助電極20と後に形成する上部透明電極28とを、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続させるため、上部電極用補助電極20を比較的狭い幅で形成することができる。また、例えば図4Aに示すように、後に形成する絶縁隔壁24によって隔てられるように上部電極用補助電極20を形成すれば、補助電極20を介した上部電極間のショートを防ぐことができる。
上部電極用補助電極20の厚さに関しては、後に形成する絶縁隔壁24の高さ、有機EL層26及び上部電極28の厚さにもよるが、50nm〜5μm、好ましくは50nm〜500nmの範囲内とすることができる。
【0027】
上部電極用補助電極20を形成する際、下部電極14に接続された下部電極用補助電極22、あるいは下部電極14及び上部透明電極28に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極22を同時に形成することもできる。上部電極用補助電極20と、下部電極用補助電極22あるいは引出電極22を同じ材料により同時に形成すれば、工程を簡略化することができる。
【0028】
<絶縁隔壁>
上部電極用補助電極20を形成した後、絶縁隔壁24を形成する。図5A及び図5Bは、絶縁隔壁24の配置パターンの一例を示している。
図5Bに示されるように、絶縁隔壁24は、上部で幅が拡大し、幅が最も拡大している部分25が上部電極用補助電極20の上方に位置するように形成する。絶縁隔壁24を形成する方法としては、公知の感光性樹脂を用い、フォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングにより不溶な部分を除去することができる。これにより、逆テーパ形状の断面を有する絶縁隔壁24を形成することができる。また、ポジ型感光性樹脂を絶縁隔壁24に用いた場合は、露光条件を調整することにより、エッチングを行うことなく、逆テーパ形状を得ることができる。なお、図5Bに示されるように、2本の上部電極用補助電極20を隔てるように絶縁隔壁24を形成すれば、前記したように補助電極20を介した上部電極(陰極)28間のショートを防ぐことができる。
【0029】
絶縁隔壁24の高さは特に限定されるものではなく、0.2μm〜100μm程度、好ましくは1μm〜8μm、より好ましくは2μm〜6μm程度の範囲内であれば、容易に形成することができる上、絶縁隔壁24の根元の幅dと最上部の幅Dとの差を比較的大きくすることができ、後述の上部電極28と上部電極用補助電極20との接続を確保し易くなる。なお、上部電極28と上部電極用補助電極20との接続を確保し易くするため、絶縁隔壁24の根元の幅dと上部の最大幅Dとの差が、1〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、より好ましくは5〜10μmとなるように絶縁隔壁24を形成することが好ましい。
【0030】
<有機EL層>
絶縁隔壁24を形成した後、有機EL層26を形成する。図6A及び図6Bは、有機EL層26が形成された状態を概略的に示している。本発明では、少なくとも有機EL層26の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することができる。例えば、ベタマスクを用いて真空熱抵抗加熱蒸着法により正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順次成膜する。この場合、ストライブマスクや画素個別マスクを用いてのマスク蒸着のような精密なアライメントを行う必要がなく、有機EL層を容易に形成することができる。このようにストライブマスクや画素独立マスクを用いずにベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により各層を形成すれば、図6Bに示されるように、有機EL層26が、下部電極(陽極)14、絶縁隔壁24、及び上部電極用補助電極20の上にほぼ均一に形成される。ただし、上部電極用補助電極20の上面の一部は絶縁隔壁24の最大幅部25に隠れているため、それより内側の部分には有機EL層26はほとんど形成されず、上部電極用補助電極20が露出した状態となる。
【0031】
正孔輸送層に使用する材料としては、例えばカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
発光層に含有されるホスト材料としては、例えばカルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、前述の正孔輸送層、後述の電子輸送層として例示されている材料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
電子輸送層に使用する材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
<上部透明電極>
有機EL層26を形成した後、ストライプ状の複数の下部電極14と交差する方向にストライプ状の上部透明電極28を形成する。上部透明電極28を形成する方法としては、スパッタ蒸着法が好適である。上部透明電極28を構成する材料からなるターゲットにアルゴンイオンビームを照射して有機EL層26上に成膜する。上部透明電極28の材料としては、導電性、透明性等の点からITOが好ましい。スパッタ蒸着法により成膜すれば、真空加熱蒸着よりもカバレッジが良く、ターゲットから放出された材料は絶縁隔壁24の最大幅部25の下側にも回り込んで堆積する。従って、上部電極用補助電極20上の有機EL層26が形成されていない部分にも上部透明電極28が形成される。これにより、上部電極28と上部電極用補助電極20を、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25の内側(絶縁隔壁24の中心部に近い側)で接続させることができる。
【0035】
<封止部材>
上部透明電極28を形成した後、水分や酸素による有機EL素子の劣化を抑制するため、必要に応じて封止部材(保護層)により有機EL素子を被覆する。封止部材としては、例えば、ガラス、プラスチック等を用いることができる。
【0036】
上記のような工程により有機EL表示パネル10を製造すれば、絶縁層18と補助電極20を細く(狭く)形成しても、絶縁隔壁24の最大幅部25の下で上部透明電極28とその補助電極20との接続を確保することができるため、補助電極20により上部透明電極28の電圧降下を抑制することができる。また、下部電極14と上部透明電極28との間に配置された有機EL層26が画素となり、各画素は、図1Aに見られるように矩形となる。従って、上記のように製造された有機EL表示パネル10は、高い開口率を有するものとなり、このような有機EL表示パネル10を備えた有機EL表示装置は、高輝度かつ高精細の表示が可能となる。
【0037】
図7は、本発明に係る有機EL表示パネルの他の態様を示している。この有機EL表示パネル50では、絶縁層58上に、絶縁隔壁24と上部電極用補助電極52がそれぞれ左右に分かれるように形成されている。そして、下部電極(陽極)14上及び補助電極52上に有機EL層26と上部電極(陰極)28とが順次形成されており、この場合も、上部電極28と上部電極用補助電極52は、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層58との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続している。すなわち、図7に示すような構成の有機EL表示パネル50でも、絶縁隔壁24の最大幅部25の下で上部透明電極28とその補助電極52との接続を確保することができるため、絶縁層58と補助電極52を細く形成しておくことができ、開口率を高くすることができる。
【0038】
図8は、本発明に係る有機EL表示パネルのさらに他の態様を示している。この有機EL表示パネル60では、絶縁層68上に上部電極用補助電極62が形成され、さらに上部電極用補助電極62上に絶縁隔壁24が形成されている。そして、下部電極(陽極)14上及び補助電極62上に有機EL層26と上部透明電極(陰極)28とが順次形成されており、この場合も、上部電極28と上部電極用補助電極62は、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層68との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続している。しかも、この有機EL表示パネル60は、補助電極62上に絶縁隔壁24が形成されているため、絶縁層68を一層狭く形成することができ、開口率をより高くすることができる。
【0039】
以上のように本発明に係る有機EL表示パネルは、上部透明電極とその補助電極とが、絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続しているため、開口率が高くなり、このような有機EL表示パネルを備えた有機EL表示装置は、高輝度かつ高精細の表示が可能となる。また、本発明によれば、有機EL層を形成する際、ストライブマスクや画素個別マスクを用いる必要が無いため、高精度なアライメント機構を必要としないので有機EL層及び上部電極用補助電極を容易に形成することができる。さらに、上部電極(陰極)用補助電極が基板側に予め形成されるので、上部電極(陰極)形成後に補助配線を形成する必要がなく、例えば、下部電極(陽極)用の補助電極および引出電極を形成する工程で上部電極(陰極)用補助電極を一緒に形成することもできる。従って、製造が容易であり、低消費電力、かつ、高輝度の有機EL表示装置を提供することができる。
【0040】
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば絶縁隔壁の形状は、上部が拡径していれば図5B等に示すような上部に向けて連続的に拡径する逆テーパ形状に限らず、例えば上部に向けて段階的に拡径した形状や、いわゆるオーバーハングとしてもよい。
また、上部電極が陰極の場合について説明したが、例えばトップエミッション型の有機EL表示装置であって、上部電極として陽極を用いる場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明に係る有機EL表示装置の要部となるパネルの一例を示す概略平面図である。
【図1B】図1Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図1C】図1Aに示すパネルのB−B´線部分断面図である。
【図2A】下部電極(陽極)の配置の一例を示す概略平面図である。
【図2B】図2Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図3A】絶縁層の配置の一例を示す概略平面図である。
【図3B】図3Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図4A】絶縁隔壁の配置の一例を示す概略平面図である。
【図4B】図4Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図5A】有機EL層の配置の一例を示す概略平面図である。
【図5B】図5Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図6A】従来の有機EL表示装置のパネルの一例を示す概略平面図である。
【図6B】図6Aに示すパネルのA−A´線断面図である。
【図7】本発明に係る有機EL表示パネルの他の例を概略的に示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る有機EL表示パネルのさらに他の例を概略的に示す部分断面図である。
【図9】有機EL表示パネルの構成の一例を示す概略断面図である。
【図10】上部電極用補助電極を備えた従来の有機EL表示パネルの構成の一例を示す概略平面図である。
【図11】図10のA−A´断面を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10・・・有機EL表示パネル
12・・・基板
14・・・下部電極(陽極)
16・・・上部電極(陰極)用引出配線
18・・・絶縁層
20・・・上部電極用補助電極
22・・・補助電極(引出電極)
24・・・絶縁隔壁
25・・・最大幅部
26・・・有機EL層
28・・・上部透明電極(陰極)
30・・・有機EL表示パネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL表示装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型の表示装置として、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置の開発が進んでいる。
図9は、有機EL表示装置の表示パネルの構成の一例を概略的に示している。この有機EL表示パネル30は、基板31上に、有機EL素子として、陽極(下部電極)32、正孔輸送層33、発光層34、電子輸送層35、陰極(上部電極)36が形成され、さらにその上に、酸素や水分による有機EL素子の劣化等を防ぐため、保護層(封止部材)37が設けられている。
【0003】
このような構成の有機EL表示パネル30を備えた有機EL表示装置を製造する場合、例えば以下のような工程が行われる。
ガラス等の透明基板31上に真空蒸着によりITO等の透明な陽極(引出電極)32を形成し、次いで絶縁層や隔壁(図示せず)を形成する。そして、シャドーマスクを用いて、正孔輸送層33、発光層34、電子輸送層35等を真空蒸着(マスク蒸着)により所定の位置に順次成膜した後、Al、MgAg等の陰極36を成膜する。なお、有機EL層38は、図9に示したような構成に限らず、例えば輸送層33,35が無いもの、電極32,36と輸送層33,35との間に注入層を設けたもの、あるいは発光層等を直列に積層させた、いわゆるマルチフォトンエミッション素子など種々のタイプがある。
【0004】
下部電極(陽極)32と上部電極(陰極)36との間に電圧を選択的に印加することにより発光層34が発光し、発光層34からの光は陽極32を通して透明基板31から取り出される。このように透明基板31側から発光層34の光を取り出す表示パネルはボトムエミッション型と呼ばれる。
一方、上部電極として透明な電極を用い、上部電極側から光を取り出す、いわゆるトップエミッション構造の有機EL表示パネルも開発されている。
【0005】
透明有機EL表示パネルや、トップエミッション構造の有機EL表示パネル等において、上部電極及び上部電極配線にITO等の透明電極材料を用いた場合、そのような透明電極材料は抵抗が高く、陰極配線部での電圧降下が大きくなり、素子に十分な電圧を印加できないためパネルの輝度が低下してしまう。その対策として、上部電極に接続する補助電極を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0006】
図10は、補助電極を形成した従来の有機EL表示パネルの構成の一例を示し、図11は、この有機EL表示パネル70のA−A´断面を概略的に示している。この有機EL表示パネル70では、基板71上に下部電極72と、絶縁層77を順次形成した後、発光領域の1つの角部で内側に突出するように上部電極用補助電極74が形成されている。そして、絶縁隔壁76、有機EL層73、上部電極75が順次形成され、補助電極74の発光領域の内側に突出する部分74aと上部電極75とが接続している(特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2005−203196号公報
【特許文献2】特開2005−235491号公報
【特許文献3】特開2005−267991号公報
【特許文献4】特開2004−103582号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように補助電極の一部が発光領域の内側に突出するように形成すると、開口部が狭まり、画素有効領域が小さくなり、また、製造工程が複雑になるという問題がある。
このような問題を解決するため、本発明は、上部透明電極とその補助電極を備えるとともに、高い開口率を有し、しかも容易に製造することができる有機EL表示装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明では以下の有機EL表示装置及びその製造方法が提供される。
【0010】
<1> 基板と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極と、該下部電極上に配置された絶縁層と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁とを有し、前記上部電極と上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
【0011】
<2> 前記上部電極用補助電極が、前記絶縁隔壁を隔てて形成されていることを特徴とする<1>に記載の有機EL表示装置。
【0012】
<3> 前記下部電極及び前記上部透明電極に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極を有し、該引出電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする<1>又は<2>に記載の有機EL表示装置。
【0013】
<4> 前記下部電極に接続された下部電極用補助電極を有し、該下部電極用補助電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする<1>ないし<3>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0014】
<5> 前記上部透明電極が、ITOにより形成されていることを特徴とする<1>ないし<4>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0015】
<6> 前記上部電極用補助電極が、Mo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることを特徴とする<5>に記載の有機EL表示装置。
【0016】
<7> 前記下部電極が、透明電極であることを特徴とする<1>ないし<6>のいずれかに記載の有機EL表示装置。
【0017】
<8> <1>ないし<7>のいずれかに記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記下部電極と、前記絶縁層と、前記上部電極用補助電極と、前記絶縁隔壁と、前記有機EL層と、前記上部透明電極とを順次形成する工程を含み、前記上部透明電極をスパッタ法により形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【0018】
<9> 少なくとも前記有機EL層の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することを特徴とする<8>に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上部透明電極とその補助電極を備えるとともに、高い開口率を有し、しかも容易に製造することができる有機EL表示装置及びその製造方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明に係る有機EL表示装置について具体的に説明する。
図1A、図1B、及び図1Cは、本発明に係る有機EL表示装置を構成する有機EL表示パネルの一例を概略的に示している。本発明に係る有機EL表示パネル10は、図1Bに示されるように、絶縁隔壁24の幅が上部で拡大しており、上部電極28と上部電極用補助電極20が、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側(絶縁隔壁24の中心部に近い側)で接続していることを主な特徴としている。以下、このような本発明に係る有機EL表示パネル10についてその製造方法とともに説明する。
【0021】
<基板>
まず、基板12上に下部電極(陽極)14をストライプ状に形成する。図2A及び図2Bは、基板12上にストライプ状に形成した下部電極14のパターンの一例を示している。
基板12としては、ガラス、樹脂等の透明基板を用いることができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の樹脂基板を好適に用いることができる。
【0022】
また、トップエミッション構造の有機EL表示装置を製造する場合には、基板側から発光を取り出す必要がないため、金属からなる不透明基板を用いることができる。例えば、ステンレス、Fe、Al、Ni、Co、Cuやこれらの合金等の金属基板を用いれば、高いガスバリア性を有するものとなる。なお、このような金属製の基板を用いる場合には、基板12と下部電極14との間に電気絶縁性を確保するための絶縁膜を設けておく。
【0023】
<下部電極>
基板12上に形成する下部電極14としては、有機EL素子の陽極を構成する公知の材料、例えば、アンチモンやフッ素等をドープした酸化錫(ATO、FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)、アルミニウムやガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO、GZO)等の導電性金属酸化物を好適に用いることができる。なお、トップエミッション型の有機EL表示装置を製造する場合には、下部電極14は透明である必要はないが、透明な有機EL表示パネル10を備えた有機EL表示装置を製造する場合には、下部電極14は透明電極を採用する必要があり、導電性、透明性等の点でITOが好ましい。
基板12上にストライプ状の下部電極(陽極)14を形成する方法としては、フォトリソグラフィー法により所望のパターンに形成することができる。なお、下部電極14とともに同じ材料で上部電極(陰極)用引出配線16を同時に形成してもよい。
【0024】
下部電極(陽極)14の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、10nm〜1μm程度、特に50nm〜200nmの範囲内で形成することができる。このような厚みを有する陽極14であれば、有機EL素子の陽極14として十分に機能するとともに、可視光の透過率を十分高くすることができる。
【0025】
<絶縁層>
下部電極14を形成した後、絶縁層18を形成する。図3A及び図3Bは、絶縁層18の配置パターンの一例を示している。
絶縁層18を構成する材料としては、公知の絶縁材料を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスフッ素樹脂等を用いることができる。透過型の有機EL表示パネルを備えた有機EL表示装置を製造する場合には可視光に対して光透過性を有する材料が用いられる。絶縁層18を形成する方法としては、上記のような絶縁材料を基板12上に塗布し、フォトリソグラフィーにより所定のパターンに形成すればよい。また、絶縁層18として無機膜を使用する場合もある。その時に使用される無機膜としては、例えば、酸化シリコンSiOx、窒化シリコンSiNx、酸化タンタルTaOx、窒素タンタルTaNx等の酸化膜や窒化膜を用いることができる。無機膜の成膜には、スッパタ法、CVD法による真空蒸着等を用い、成膜後にフォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングすることで絶縁層18を所定のパターンに形成する。なお、本発明では、後に形成する上部電極28と上部電極用補助電極20とを、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続させるため、絶縁層18は比較的狭い幅で形成することができる。絶縁層18の幅を狭くすることで開口率を高くすることができる。
絶縁層18の厚さは特に限定されるものではないが、例えば、100nm〜10μm程度、特に200nm〜2μmの範囲内で形成することができる。
【0026】
<上部電極用補助電極>
絶縁層18を形成した後、絶縁層18上に上部電極用補助電極20を形成する。図4A及び図4Bは、上部電極用補助電極20の配置パターンの一例を示している。
上部電極用補助電極20は、後述の上部透明電極28より抵抗が小さい材料で形成し、上部透明電極28がITOである場合、ITOとのコンタクト性の観点からMo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることが好ましい。フォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングすることで絶縁層18上に所望のパターン形状の上部電極用補助電極20を形成することができる。本発明では、上部電極用補助電極20と後に形成する上部透明電極28とを、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続させるため、上部電極用補助電極20を比較的狭い幅で形成することができる。また、例えば図4Aに示すように、後に形成する絶縁隔壁24によって隔てられるように上部電極用補助電極20を形成すれば、補助電極20を介した上部電極間のショートを防ぐことができる。
上部電極用補助電極20の厚さに関しては、後に形成する絶縁隔壁24の高さ、有機EL層26及び上部電極28の厚さにもよるが、50nm〜5μm、好ましくは50nm〜500nmの範囲内とすることができる。
【0027】
上部電極用補助電極20を形成する際、下部電極14に接続された下部電極用補助電極22、あるいは下部電極14及び上部透明電極28に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極22を同時に形成することもできる。上部電極用補助電極20と、下部電極用補助電極22あるいは引出電極22を同じ材料により同時に形成すれば、工程を簡略化することができる。
【0028】
<絶縁隔壁>
上部電極用補助電極20を形成した後、絶縁隔壁24を形成する。図5A及び図5Bは、絶縁隔壁24の配置パターンの一例を示している。
図5Bに示されるように、絶縁隔壁24は、上部で幅が拡大し、幅が最も拡大している部分25が上部電極用補助電極20の上方に位置するように形成する。絶縁隔壁24を形成する方法としては、公知の感光性樹脂を用い、フォトリソグラフィーによるパターニング後、エッチングにより不溶な部分を除去することができる。これにより、逆テーパ形状の断面を有する絶縁隔壁24を形成することができる。また、ポジ型感光性樹脂を絶縁隔壁24に用いた場合は、露光条件を調整することにより、エッチングを行うことなく、逆テーパ形状を得ることができる。なお、図5Bに示されるように、2本の上部電極用補助電極20を隔てるように絶縁隔壁24を形成すれば、前記したように補助電極20を介した上部電極(陰極)28間のショートを防ぐことができる。
【0029】
絶縁隔壁24の高さは特に限定されるものではなく、0.2μm〜100μm程度、好ましくは1μm〜8μm、より好ましくは2μm〜6μm程度の範囲内であれば、容易に形成することができる上、絶縁隔壁24の根元の幅dと最上部の幅Dとの差を比較的大きくすることができ、後述の上部電極28と上部電極用補助電極20との接続を確保し易くなる。なお、上部電極28と上部電極用補助電極20との接続を確保し易くするため、絶縁隔壁24の根元の幅dと上部の最大幅Dとの差が、1〜50μm、好ましくは2μm〜20μm、より好ましくは5〜10μmとなるように絶縁隔壁24を形成することが好ましい。
【0030】
<有機EL層>
絶縁隔壁24を形成した後、有機EL層26を形成する。図6A及び図6Bは、有機EL層26が形成された状態を概略的に示している。本発明では、少なくとも有機EL層26の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することができる。例えば、ベタマスクを用いて真空熱抵抗加熱蒸着法により正孔輸送層、発光層、電子輸送層を順次成膜する。この場合、ストライブマスクや画素個別マスクを用いてのマスク蒸着のような精密なアライメントを行う必要がなく、有機EL層を容易に形成することができる。このようにストライブマスクや画素独立マスクを用いずにベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により各層を形成すれば、図6Bに示されるように、有機EL層26が、下部電極(陽極)14、絶縁隔壁24、及び上部電極用補助電極20の上にほぼ均一に形成される。ただし、上部電極用補助電極20の上面の一部は絶縁隔壁24の最大幅部25に隠れているため、それより内側の部分には有機EL層26はほとんど形成されず、上部電極用補助電極20が露出した状態となる。
【0031】
正孔輸送層に使用する材料としては、例えばカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリディン系化合物、ポルフィリン系化合物、有機シラン誘導体、カーボン、フェニルアゾールやフェニルアジンを配位子に有するIr錯体に代表される各種金属錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは1種であっても2種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は1種であっても2種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。
発光層に含有されるホスト材料としては、例えばカルバゾール骨格を有するもの、ジアリールアミン骨格を有するもの、ピリジン骨格を有するもの、ピラジン骨格を有するもの、トリアジン骨格を有するもの及びアリールシラン骨格を有するものや、前述の正孔輸送層、後述の電子輸送層として例示されている材料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
電子輸送層に使用する材料としては、例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8−キノリノール誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン誘導体、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
<上部透明電極>
有機EL層26を形成した後、ストライプ状の複数の下部電極14と交差する方向にストライプ状の上部透明電極28を形成する。上部透明電極28を形成する方法としては、スパッタ蒸着法が好適である。上部透明電極28を構成する材料からなるターゲットにアルゴンイオンビームを照射して有機EL層26上に成膜する。上部透明電極28の材料としては、導電性、透明性等の点からITOが好ましい。スパッタ蒸着法により成膜すれば、真空加熱蒸着よりもカバレッジが良く、ターゲットから放出された材料は絶縁隔壁24の最大幅部25の下側にも回り込んで堆積する。従って、上部電極用補助電極20上の有機EL層26が形成されていない部分にも上部透明電極28が形成される。これにより、上部電極28と上部電極用補助電極20を、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層18との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25の内側(絶縁隔壁24の中心部に近い側)で接続させることができる。
【0035】
<封止部材>
上部透明電極28を形成した後、水分や酸素による有機EL素子の劣化を抑制するため、必要に応じて封止部材(保護層)により有機EL素子を被覆する。封止部材としては、例えば、ガラス、プラスチック等を用いることができる。
【0036】
上記のような工程により有機EL表示パネル10を製造すれば、絶縁層18と補助電極20を細く(狭く)形成しても、絶縁隔壁24の最大幅部25の下で上部透明電極28とその補助電極20との接続を確保することができるため、補助電極20により上部透明電極28の電圧降下を抑制することができる。また、下部電極14と上部透明電極28との間に配置された有機EL層26が画素となり、各画素は、図1Aに見られるように矩形となる。従って、上記のように製造された有機EL表示パネル10は、高い開口率を有するものとなり、このような有機EL表示パネル10を備えた有機EL表示装置は、高輝度かつ高精細の表示が可能となる。
【0037】
図7は、本発明に係る有機EL表示パネルの他の態様を示している。この有機EL表示パネル50では、絶縁層58上に、絶縁隔壁24と上部電極用補助電極52がそれぞれ左右に分かれるように形成されている。そして、下部電極(陽極)14上及び補助電極52上に有機EL層26と上部電極(陰極)28とが順次形成されており、この場合も、上部電極28と上部電極用補助電極52は、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層58との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続している。すなわち、図7に示すような構成の有機EL表示パネル50でも、絶縁隔壁24の最大幅部25の下で上部透明電極28とその補助電極52との接続を確保することができるため、絶縁層58と補助電極52を細く形成しておくことができ、開口率を高くすることができる。
【0038】
図8は、本発明に係る有機EL表示パネルのさらに他の態様を示している。この有機EL表示パネル60では、絶縁層68上に上部電極用補助電極62が形成され、さらに上部電極用補助電極62上に絶縁隔壁24が形成されている。そして、下部電極(陽極)14上及び補助電極62上に有機EL層26と上部透明電極(陰極)28とが順次形成されており、この場合も、上部電極28と上部電極用補助電極62は、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25と絶縁層68との間であって、絶縁隔壁24の幅が最も拡大している部分25よりも内側で接続している。しかも、この有機EL表示パネル60は、補助電極62上に絶縁隔壁24が形成されているため、絶縁層68を一層狭く形成することができ、開口率をより高くすることができる。
【0039】
以上のように本発明に係る有機EL表示パネルは、上部透明電極とその補助電極とが、絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続しているため、開口率が高くなり、このような有機EL表示パネルを備えた有機EL表示装置は、高輝度かつ高精細の表示が可能となる。また、本発明によれば、有機EL層を形成する際、ストライブマスクや画素個別マスクを用いる必要が無いため、高精度なアライメント機構を必要としないので有機EL層及び上部電極用補助電極を容易に形成することができる。さらに、上部電極(陰極)用補助電極が基板側に予め形成されるので、上部電極(陰極)形成後に補助配線を形成する必要がなく、例えば、下部電極(陽極)用の補助電極および引出電極を形成する工程で上部電極(陰極)用補助電極を一緒に形成することもできる。従って、製造が容易であり、低消費電力、かつ、高輝度の有機EL表示装置を提供することができる。
【0040】
以上、本発明について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば絶縁隔壁の形状は、上部が拡径していれば図5B等に示すような上部に向けて連続的に拡径する逆テーパ形状に限らず、例えば上部に向けて段階的に拡径した形状や、いわゆるオーバーハングとしてもよい。
また、上部電極が陰極の場合について説明したが、例えばトップエミッション型の有機EL表示装置であって、上部電極として陽極を用いる場合にも本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1A】本発明に係る有機EL表示装置の要部となるパネルの一例を示す概略平面図である。
【図1B】図1Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図1C】図1Aに示すパネルのB−B´線部分断面図である。
【図2A】下部電極(陽極)の配置の一例を示す概略平面図である。
【図2B】図2Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図3A】絶縁層の配置の一例を示す概略平面図である。
【図3B】図3Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図4A】絶縁隔壁の配置の一例を示す概略平面図である。
【図4B】図4Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図5A】有機EL層の配置の一例を示す概略平面図である。
【図5B】図5Aに示すパネルのA−A´線部分断面図である。
【図6A】従来の有機EL表示装置のパネルの一例を示す概略平面図である。
【図6B】図6Aに示すパネルのA−A´線断面図である。
【図7】本発明に係る有機EL表示パネルの他の例を概略的に示す部分断面図である。
【図8】本発明に係る有機EL表示パネルのさらに他の例を概略的に示す部分断面図である。
【図9】有機EL表示パネルの構成の一例を示す概略断面図である。
【図10】上部電極用補助電極を備えた従来の有機EL表示パネルの構成の一例を示す概略平面図である。
【図11】図10のA−A´断面を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0042】
10・・・有機EL表示パネル
12・・・基板
14・・・下部電極(陽極)
16・・・上部電極(陰極)用引出配線
18・・・絶縁層
20・・・上部電極用補助電極
22・・・補助電極(引出電極)
24・・・絶縁隔壁
25・・・最大幅部
26・・・有機EL層
28・・・上部透明電極(陰極)
30・・・有機EL表示パネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極と、該下部電極上に配置された絶縁層と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁とを有し、前記上部電極と上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
前記上部電極用補助電極が、前記絶縁隔壁を隔てて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
前記下部電極及び前記上部透明電極に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極を有し、該引出電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
前記下部電極に接続された下部電極用補助電極を有し、該下部電極用補助電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項5】
前記上部透明電極が、ITOにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項6】
前記上部電極用補助電極が、Mo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置。
【請求項7】
前記下部電極が、透明電極であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記下部電極と、前記絶縁層と、前記上部電極用補助電極と、前記絶縁隔壁と、前記有機EL層と、前記上部透明電極とを順次形成する工程を含み、前記上部透明電極をスパッタ法により形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【請求項9】
少なくとも前記有機EL層の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することを特徴とする請求項8に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【請求項1】
基板と、該基板上にストライプ状に配置された下部電極と、該下部電極上に配置された絶縁層と、前記下部電極と交差する方向にストライプ状に配置された上部透明電極と、前記下部電極と前記上部透明電極との間に配置された有機EL層と、前記絶縁層上に配置され、前記上部透明電極と接続する上部電極用補助電極と、前記絶縁層上又は前記上部電極用補助電極上に配置され、上部で幅が拡大している絶縁隔壁とを有し、前記上部電極と上部電極用補助電極とが、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分と前記絶縁層との間であって、前記絶縁隔壁の幅が最も拡大している部分よりも内側で接続していることを特徴とする有機EL表示装置。
【請求項2】
前記上部電極用補助電極が、前記絶縁隔壁を隔てて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL表示装置。
【請求項3】
前記下部電極及び前記上部透明電極に外部駆動回路からの信号を伝える引出電極を有し、該引出電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL表示装置。
【請求項4】
前記下部電極に接続された下部電極用補助電極を有し、該下部電極用補助電極が前記上部電極用補助電極と同じ材料により形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項5】
前記上部透明電極が、ITOにより形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項6】
前記上部電極用補助電極が、Mo、Cr、及びTiの少なくともいずれか一種を含むものであることを特徴とする請求項5に記載の有機EL表示装置。
【請求項7】
前記下部電極が、透明電極であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の有機EL表示装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の有機EL表示装置を製造する方法であって、前記下部電極と、前記絶縁層と、前記上部電極用補助電極と、前記絶縁隔壁と、前記有機EL層と、前記上部透明電極とを順次形成する工程を含み、前記上部透明電極をスパッタ法により形成することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【請求項9】
少なくとも前記有機EL層の一部を、ベタマスクを用いて真空加熱蒸着法により形成することを特徴とする請求項8に記載の有機EL表示装置の製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−84541(P2008−84541A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−259564(P2006−259564)
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月25日(2006.9.25)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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