説明

有機EL装置、有機EL装置の製造方法及び電子機器

【課題】 機能部の表面を平坦にすると共に、機能部を均一に乾燥することが可能な有機EL装置、有機EL装置の製造方法及び電子機器を提供すること。
【解決手段】 機能部30からの距離がほぼ一定になるように液体保持部37が設けられているので、機能部30と液体保持部37に保持される溶媒50との距離が均一になる。また、溶媒50を保持する保持幅t2が均一になるように液体保持部37が設けられているので、当該液体保持部37に保持される溶媒50が不規則なパターンになることは無い。したがって、機能部30に沿った部分で溶媒分子の分圧を均一にすることができるので、機能部30を均一に乾燥させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置、有機EL装置の製造方法及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL装置は、例えば基板に隔壁が設けられ、当該隔壁で区画された部分に発光部等を含む機能部が設けられた構成となっている。この機能部を形成する手法の一つとして、液滴吐出法が知られている。液滴吐出法は、有機発光材料等を溶媒に溶解した液体材料を隔壁で区画された部分に吐出し、溶媒を蒸発させて機能部を形成する手法である。
【0003】
例えばアクティブマトリクス型の有機EL装置等のように基板上に複数の機能部を配列する場合、基板の周辺部分に配置された機能部は、中央部分に配置された機能部に比べて溶媒分子の分圧が小さくなることがある。溶媒分子の分圧が小さいと、機能部から蒸発する溶媒の蒸発速度が大きくなり、溶媒が急激に蒸発するため、形成される機能部の表面が平坦にならない。機能部の表面が平坦でないと、有機EL装置において、その部分の表示特性が低くなってしまう。
【0004】
これに対して、周辺部分の機能部から蒸発する溶媒の蒸発速度を抑えて機能部の表面を平坦にする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の記載によれば、基板上の領域のうち、機能部が形成される領域の外側の領域を表示に寄与しないダミー領域とし、機能部を形成する際に当該ダミー領域に液体材料の溶媒を滴下して、周辺部分の溶媒分子の分圧を大きくしている。溶媒分子の分圧を大きくすることで、溶媒が急激に蒸発するのを抑えている。
【特許文献1】特開2002−222695号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ダミー領域には隔壁で区画された部分が無く、平坦な面に直接溶媒を滴下することになる。このため、滴下された溶媒同士がくっついてしまい、溶媒の大きさが不均一になる。また、隔壁で区画されない平坦な面に滴下された溶媒は不規則なパターンに形成されやすく、平面視した状態で機能部との距離が不均一になる。この結果、溶媒分子の分圧がダミー領域の中で不均一になり、機能部を均一に乾燥することができなくなってしまう。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、機能部の表面を平坦にすると共に、機能部を均一に乾燥することが可能な有機EL装置、有機EL装置の製造方法及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る有機EL装置は、基板と、前記基板上に設けられた隔壁と、前記隔壁に区画されるように設けられ、光を発光する発光部を含む機能部と、平面視した状態で前記機能部からの距離がほぼ一定になるように前記機能部に沿って設けられ、液体を保持可能に形成されており、前記液体を保持する部分が前記機能部に沿う方向に対してほぼ等しい幅を有する液体保持部とを具備することを特徴とする。
ここで、「平面視」とは、平面に対して垂直な方向から見ることをいい、ここでは、例えば基板面に対して垂直な方向から見ることをいう。
【0008】
本発明では、液体を保持することが可能な液体保持部が機能部に沿って設けられているので、例えば液滴吐出法により隔壁に区画された部分に液体材料を吐出して機能部を形成する際においては、この液体保持部に液体材料の溶媒等を保持させておくことにより、機能部に沿った部分で溶媒分子の分圧を大きくすることができる。これにより、機能部から溶媒が急激に蒸発するのを抑えることができ、機能部の表面を平坦にすることができる。
【0009】
一方、機能部からの距離がほぼ一定になるように液体保持部が設けられているので、機能部と液体保持部に保持される溶媒との距離が均一になる。また、液体を保持する部分が前記機能部に沿う方向に対してほぼ等しい幅を有するように液体保持部が設けられているので、当該液体保持部に保持される溶媒が不規則なパターンになることは無い。これにより、機能部に沿った部分で溶媒分子の分圧を均一にすることができるので、機能部を均一に乾燥することができる。
【0010】
また、前記機能部が複数設けられており、前記液体保持部が、前記複数の機能部の間の領域に設けられていることが好ましい。
分圧の分布は、吐出された液体材料の溶媒が蒸発する部分で高くなる。機能部の間の領域には液体材料が吐出されず、それだけ分圧が低くなっている。機能部の間の領域での分圧は、機能部が形成される領域の外側の領域での分圧に比べれば高いとはいうものの、液体材料を乾燥する際に影響し乾燥が不均一になるおそれがある。本発明では、機能部の間にも液体保持部を設けるようにしたので、液体材料を乾燥する際のかかる影響を防ぐことができる。
【0011】
また、前記液体保持部が、前記隔壁に設けられていることが好ましい。
液体保持部を隔壁に設けることにより、隔壁と液体保持部とを一体的に形成することができる。
【0012】
また、前記液体保持部が、前記隔壁に設けられた溝であることが好ましい。
隔壁を形成する工程では、通常は一度レジストを形成し、当該レジストのうち液体材料を吐出する部分をパターニングして削るように形成する。本発明によれば、当該パターニングする工程において、液体材料を吐出する部分と溝部とを一度にパターニングすることができるという利点がある。
【0013】
また、前記液体保持部が、前記液体保持部が、前記隔壁に設けられた一対の土手の間に形成された部分であることが好ましい。
液滴吐出法により吐出された液体材料を乾燥する際、液体保持部に保持されている溶媒は残らず蒸発させる必要がある。本発明では、隔壁に形成された溝ではなく、溶媒が隔壁に設けられた一対の土手の間に保持されているので、例えば溝部に保持されている場合よりも蒸発させやすくなる。
【0014】
また、前記液体保持部が、前記隔壁に形成された親液性の領域であることが好ましい。
液滴吐出法を行う場合、液体材料を吐出する前に、隔壁のうち機能部を形成する部分に親液処理を施して液体材料が付着しやすい状態にしておく。また、隔壁の表面等、液体材料を付着させない部分に撥液処理を施して液体材料がなじみにくい状態にしておく。本発明によれば、上記親液処理を行うのと同時に液体保持部を形成することができるので、隔壁に溝や土手を設ける必要も無く、簡単に形成することができる。
【0015】
本発明の別の観点に係る有機EL装置の製造方法は、光を発光する発光部を含む機能部を区画する隔壁を基板上に形成する工程と、平面視した状態で前記機能部からの距離がほぼ一定になるように前記機能部に沿い、かつ、前記液体を保持する部分が前記機能部に沿う方向に対してほぼ等しい幅を有する液体保持部を形成する工程と、前記隔壁に区画される部分に、前記機能部を構成する材料を含んだ液体材料を吐出する工程と、前記液体材料に含まれる液体を前記液体保持部に保持させる工程と、前記液体材料に含まれる液体を除去して、前記機能部を形成する工程とを具備することを特徴とする。
【0016】
本発明では、液体保持部に、液体材料に含まれる液体を保持しておくことで、機能部に沿った部分で溶媒分子の分圧を大きくすることができ、機能部から溶媒が急激に蒸発するのを抑えることができる。これにより、隔壁に区画された部分の液体材料を除去する際においては、機能部の表面を平坦にすることができる。
【0017】
一方、機能部からの距離がほぼ一定になるように液体保持部が設けられているので、機能部と液体保持部に保持される液体との距離が均一になる。また、液体を保持する保持幅が均一になるように液体保持部が設けられているので、当該液体保持部に保持される液体が不規則なパターンになることは無い。これにより、機能部に沿った部分で溶媒分子の分圧を均一にすることができ、液体材料から液体を除去した場合に機能部の表面が不均一になることは無い。
【0018】
なお、「前記隔壁に区画される部分に、前記機能部を構成する材料を含んだ液体材料を吐出する工程」と、「前記液体材料に含まれる液体を前記液体保持部に保持させる工程」とについては、ともに「前記液体材料に含まれる液体を除去して、前記機能部を形成する工程」の前に行われるが、両者のうちいずれを先に行っても良いし、可能であれば同時に行っても良い。
【0019】
本発明の別の観点に係る電子機器は、上記の有機EL装置又は上記の有機EL装置の製造方法により製造された有機EL装置を搭載したことを特徴とする。
本発明では、機能部の表面を平坦にすると共に、機能部を均一に乾燥することが可能な有機EL装置を搭載したので、表示ムラが無く、表示特性の高い電子機器を得ることができる。
【0020】
また、例えば感光性ドラムを露光するラインヘッドモジュールに用いられる有機EL装置、例えば機能部が2列に並んだ有機EL装置を液滴吐出法により形成する場合、機能部の端と中央部とでは溶媒の分圧が異なる。機能部が均一に乾燥されなければ、感光性ドラムの露光が不均一になってしまう。特に機能部が2列しかない有機EL装置だと、当該機能部の乾燥が不均一であった場合の発光特性の低下が甚だしい。
【0021】
本発明によれば、このような有機EL装置の機能部を形成する工程で液体材料を吐出する際に、当該機能部を形成するための溶媒を液体保持部に保持させておくことができるので、機能部を均一に乾燥することができる。このため、有機EL装置の発光特性の低下を防ぐことができ、感光ドラムを均一に露光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。
【0023】
図1は、有機EL装置1の全体構成を概略的に示す斜視図である。
有機EL装置1は、基板2に配線や絶縁層等が形成された基体10と、この基体10上に形成された有機EL素子部3と、基体10の端部2aに取り付けられた駆動部4と、有機EL素子部3及び基体10を覆う封止部5とを有しており、駆動部4から供給される電気信号に応じて有機EL素子部3が発光することで、画像や動画等を表示できるようになっている。
【0024】
本実施形態では、薄膜トランジスタ(Thin film Transistor:TFT)が形成されたアクティブマトリクス型であり、有機EL素子部3により発生した光が基体10を透過して取り出されるボトムエミッション型である有機EL装置1を例に挙げて説明する。
【0025】
図2は、有機EL装置1の平面図である。この図では、有機EL素子部3及び封止部5を省略している。
同図に示すように、基体10は、画素部7(一点鎖線内の領域)と周縁部8(当該一点鎖線の外の領域)とに区画されており、画素部7内では、実表示領域P(二点鎖線内の領域)とダミー領域Q(一点鎖線と二点鎖線との間の領域)とに更に区画されている。画素部7の実表示領域Pは、当該発光領域14からの光が通過する画素領域Kを有している。
【0026】
図3は、有機EL装置1のA−A断面を概略的に示す図である。図4は、有機EL装置1のB−B断面を概略的に示す図である。
図3及び図4に示すように、基体10の構成要素である基板2は、例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等からなる透明基板である。本実施形態に係る有機EL装置1はボトムエミッション型のものであり、光を取り出すには基板2を透明にする必要がある。基板2の表面2bには、下地として例えばSiO等の透明な下地保護層11が形成されている。
【0027】
画素部7の実表示領域Pでは、下地保護層11上に、シリコン膜12、第1絶縁層(ゲート絶縁層)13、ゲート電極15a、第2絶縁層16、ソース電極17a、ドレイン電極18、第3絶縁層19が形成されている。また、画素部7のダミー領域Qでは、下地保護層11上に、走査駆動回路20、データ駆動回路21、検査回路22等が形成されており、駆動部4に接続されるように電源線(図示せず)が形成されている。
【0028】
シリコン膜12は、チャネル領域、ソース領域及びドレイン領域を有する駆動用トランジスタである。シリコン膜12のうち、ゲート絶縁層13を挟んでゲート電極15aと重なる領域がチャネル領域12aである。チャネル領域12aのソース側には、低濃度ソース領域12b及び高濃度ソース領域12sが形成され、チャネル領域12aのドレイン側には、低濃度ドレイン領域12c及び高濃度ドレイン領域12dが形成されている。このようにシリコン膜12は、LDD(Light Doped Drain)構造になっている。
【0029】
高濃度ソース領域12s及び高濃度ドレイン領域12dには、ゲート絶縁層13と第2絶縁層16とを連通して開孔されたコンタクトホール23、24が形成されている。一方、高濃度ドレイン領域12d側には、ドレイン電極18に接続されるように、第3絶縁層19を貫通してコンタクトホール25が形成されている。
ゲート絶縁層13は、例えばSiOやSiN等で形成された透明な層であり、シリコン膜12とゲート電極15aとを絶縁している。
【0030】
ゲート電極15aは、例えばアルミニウムや銅等により形成されており、走査線15に接続されている。ソース電極17aは、ゲート電極15aと同様にアルミニウムや銅等により形成されており、データ線17に接続されている。ソース電極17aは、コンタクトホール23を介して高濃度ソース領域12sに接続されている。また、ドレイン電極18は、高濃度ドレイン領域12dに接続されている。
【0031】
第2絶縁層16は、主にSiOからなる透明な層であり、ゲート電極15a、ソース電極17a及びドレイン電極18をそれぞれ絶縁している。
第3絶縁層19は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とし、ソース電極17aとドレイン電極18及びコンタクトホール25とを絶縁している。なお、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiOなどを用いることもできる。
【0032】
また、ダミー領域Qに設けられる走査駆動回路20は、シフトレジスタ等のメモリや信号レベルを変換するレベルシフタ等の回路を有しており、走査線15に接続されている。データ駆動回路21は、このシフトレジスタ、レベルシフタの他、ビデオラインやアナログシフタ等の回路を有しており、データ線17に接続されている。走査駆動回路20及びデータ駆動回路21は、駆動制御信号線28a、28bを介して駆動部4に接続されており、当該駆動部4の制御により走査線15及びデータ線17に電気信号を出力するようになっている。検査回路22は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であり、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)等を備え、製造途中や出荷時の表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。また、走査駆動回路20、データ駆動回路21及び検査回路22は、駆動電源線29a、29bを介して電源に接続されている。
【0033】
周縁部8には、有機EL素子3に接続する接続用配線27が形成されている。この接続用配線27は駆動部4に接続されており、当該接続用配線27を介して駆動部4からの電気信号を有機EL素子3に供給することができるようになっている。
【0034】
一方、有機EL素子3は、陽極31と、正孔注入層32と、発光部33と(以下、正孔注入層32と発光部33とをまとめて「機能部30」と表記することがある。)、共通電極(陰極)34と、画素開口膜35と、有機バンク層36とを有している。これらは上述した基体10上に積層されている。
【0035】
陽極31は、正孔注入層32に正孔を注入する透明な電極であり、例えばITO(Indium Tin Oxide)等から形成されている。当該陽極31は、コンタクトホール25を介してドレイン電極18に接続されており、正孔注入層32を圧迫するように、凸状に形成されている。
【0036】
発光部33は、正孔注入層32からの正孔と陰極34からの電子とが結合して光を発する層であり、例えば低分子材料や高分子材料等により形成されている。発光部33には、赤色光を発する層(33R)、緑色光を発する層(33G)、青色光を発する層(33B)の3種類がある。このような発光部33からの光が正孔注入層32、陽極31及び基体10を透過することで、基板2の実表示領域Pに画像や動画等が表示されるようになっている。
【0037】
陰極34は、駆動部4からの電気信号に応じて発光部33に電子を注入する層であり、例えばカルシウム等の金属により形成されている。陰極34は、実表示領域Pおよびダミー領域Qの総面積より広い面積を備え、それぞれの領域を覆うように形成されたもので、有機EL素子3の外側を覆った状態で基体10上に形成されている。この陰極34は、接続用配線27に接続されており、当該接続用配線27を介して駆動部4に接続されている。製造時の陰極34の腐食防止のため、陰極34の上層部に例えばアルミニウム等の保護層を形成してもよい。
【0038】
画素開口膜35は、例えばSiO等からなる絶縁膜である。この画素開口膜35は、壁面35bで囲まれた開口部35aにおいて陽極31からの正孔の移動を可能にすると共に、開口部35aが設けられない部位での正孔の移動が起こらないようにしている。
【0039】
有機バンク層36は、正孔注入層32や発光部33をインクジェット法等の液滴吐出法で形成する際の隔壁である。また、隣接する正孔注入層32及び発光部33の間で電子の移動が起こらないようにする絶縁層である。有機バンク層36は、例えばアクリルやポリイミド等の耐熱性・耐溶性のある材料で形成されており、各正孔注入層32及び発光部33を遮断している。有機バンク層36には、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とが形成されている。
【0040】
有機バンク層36の厚さは、1.0μm〜3.0μmの範囲が好ましく、特に2μm程度が好ましい。有機バンク層36層の厚さが1.0μm未満だと、発光層33の液体材料を吐出したときに、液体材料があふれてしまうおそれがあるので好ましくない。この厚さが3.0μm以上を超えると、有機バンク層36と発光部33との段差が大きくなり、陰極34とのステップカバレッジを確保できなくなる場合があるので好ましくない。また、有機バンク層36には、液体保持部37が設けられている。
【0041】
液体保持部37は、有機バンク層36の表層部に溝状に形成されたもので、当該有機バンク層36の上面36cに開口を有したものであり、図2に示すようにX方向に延在するように設けられている。
【0042】
当該溝のこのような構成のもとに、液体保持部37は液体を保持することができるようになっている。液体保持部37の深さT1は、1.0μm〜5.0μmとなるような範囲が好ましい。
【0043】
図5は、有機EL装置1の表示部の一部を拡大して示す平面図である。
同図に示すように、各機能部30を構成する発光部33が、液体保持部37と均一の間隔t1となるように配置されており、当該t1は、10μm〜50μmの範囲になっている。
また、液体保持部37の幅(Y方向の長さ)t2は、1.0μm〜5.0μmの範囲になっており、X方向に沿って均一になるように形成されている。
【0044】
次に、このように構成された有機EL装置1を製造する工程を説明する。
図6は、有機EL装置1の製造工程を示すフローチャートである。基体10及び有機EL素子3の画素部7の領域を形成する工程を中心に説明し、周縁部8を形成する工程の説明は省略する。
【0045】
本実施形態において正孔注入層32及び発光部33を形成する際には、正孔注入層32の材料及び発光部33の材料を溶媒に溶解させ、所定の場所に滴下する液滴吐出法を行っている。正孔注入層32及び発光部33の材料が有機材料であるため、例えば正孔注入層32及び発光部33に共通する有機溶媒が用いられる。
【0046】
基板2にTFT素子や絶縁膜等を形成することにより、基体10を形成する工程について説明する(ST1)。
公知の方法により基板2に下地保護層11を形成する。当該下地保護層11の上に、シリコン膜12を形成し、レーザーアニールしてポリシリコン化する。ポリシリコン化されたシリコン膜12をゲート絶縁層13で覆った後、ゲート電極15aを形成し、その上に再びゲート絶縁層13を形成する。また、ソース側のコンタクトホール23をパターニングして形成する。
【0047】
次に、第2絶縁層16を形成し、コンタクトホール24及びこのコンタクトホール24に接続するソース電極17aをパターニングして形成する。第2絶縁層16上には、ソース電極17a及びドレイン電極18をパターニングして形成する。当該ソース電極17a及びドレイン電極18上には第3絶縁層19を形成し、ドレイン側のコンタクトホール25をパターニングして形成する。
このように、基体10が形成される。
【0048】
次に、有機EL素子3を形成する工程を説明する(ST2〜ST9)。
基体10のほぼ全面を覆うように透明な導電膜を形成し、陽極31が所定の領域に形成されるようにこの導電膜をパターニングする(ST2)。同時にダミー領域Qのダミーパターン(図示せず)も形成する。画素領域Kでコンタクトホール25と陽極31とを接続し、陽極とドレイン電極18とを導通させる。
【0049】
次に、第3絶縁層19上に画素開口膜35を形成する(ST3)。画素開口膜35は、壁面35bで囲まれた開口部35aが形成されるように、例えば陽極31に重ねて形成する。
【0050】
次に、図7に示すように、画素開口膜35上に有機バンク層36を形成する(ST4)。アクリル樹脂やポリイミド等の樹脂からなる材料を溶媒に溶解したレジストをスピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布してレジスト層38を形成し(図7(a))、フォトリソグラフィ技術等によりパターニングして、開口部35a及び液体保持部37を所定のパターンに形成する(図7(b))。
【0051】
次に、全面を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱してプラズマ処理を施す(ST5)。大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするOプラズマ処理により、有機バンク層36の壁面36c、液体保持部37、陽極31の上面31a及び画素開口膜35の上面35c(図3参照)をそれぞれ親液性にする。また、大気雰囲気中で四フッ化メタンを反応ガスとするCFプラズマ処理により、有機バンク層36の上面36eおよび壁面36cを撥液性にする。その後、各部を室温まで冷却する。
【0052】
次に、図8に示すように、インクジェット法等の液滴吐出法により、液体保持部37内に有機溶媒50を吐出する(ST6)。当該有機溶媒50は、正孔注入層32の材料を溶解する溶媒である。液体保持部37の内面はST5でプラズマ処理されているため親液性になっており、有機溶媒50は、当該液体保持部37の内面に広がるように保持される。
【0053】
次に、例えば液滴吐出法や、スピンコート法などにより、正孔注入層32を形成する(ST7)。吐出された液滴は、親液化処理がなされた陽極31上で広がって開口部35a内に満たされる。その一方で、撥液化処理された有機バンク層36の上面では液滴がはじかれて付着しない。なお、本工程以降では、酸化を防止するため、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うのが好ましい。
【0054】
次に、液滴を吐出したら、当該液滴と溶媒50とを一括して乾燥する。例えば、室温のまま数分〜10分程度かけて常圧から100Paまで減圧すると、溶媒50が蒸発して液体保持部37が空になると共に、液滴中の溶媒が蒸発して正孔注入層32が形成される。なお、常圧から100Paに減圧するまでの時間については、短すぎると突沸が起こりやすくなり、長すぎると膜厚の均一性が低下する。このため、突沸が起こらず、膜厚が均一になるような時間に設定すればよい。正孔注入層32が形成された後、さらに減圧し、蒸発した溶媒を除去するようにしても良い。
【0055】
正孔注入層32を形成したら、インクジェット法等の液滴吐出法により、液体保持部37内に有機溶媒51を吐出する(ST8)。当該有機溶媒51は、正孔注入層32の材料を溶解する溶媒である。液体保持部37の内面はST5でプラズマ処理されているため親液性になっており、有機溶媒50は、当該液体保持部37の内面に広がるように保持される。
【0056】
次に、図9に示すように、正孔注入層32上に、例えばインクジェット法等の液滴吐出法や、スピンコート法などにより液滴60を吐出する(ST9)。液滴60を吐出したら、図10に示すように、溶媒50及び液滴60を一括して乾燥する。例えば、室温のまま数分〜10分程度かけて常圧から100Paまで減圧すると、溶媒50が蒸発して液体保持部37が空になると共に、図11に示すように、液滴60中の溶媒が蒸発して発光部33が形成される。
【0057】
なお、正孔注入層32の形成時と同様に、常圧から100Paに減圧するまでの時間については、短すぎると突沸が起こりやすくなり、長すぎると膜厚の均一性が低下する。このため、突沸が起こらず、膜厚が均一になるような時間に設定すればよい。発光部33が形成された後、さらに減圧し、蒸発した溶媒を除去するようにしても良い。
【0058】
発光部33を形成したら、例えば蒸着法等の物理的気相蒸着法によりカルシウムを成膜して陰極34を形成する(ST10)。陰極34が、発光部33、有機バンク層36の上面36e、有機バンク層36の壁面36cの一部を覆い、上述した接続用配線27に接続されるように形成する。なお、陰極34上に陰極保護層を形成させる場合には、蒸着法等の物理的気相蒸着法により陰極34上に例えばアルミニウム等を成膜する。このようにして、有機EL素子3を形成する。
基体10及び有機EL素子3を形成したら、当該基体10及び有機EL素子3のほぼ全体を封止部5により缶封止して有機EL装置1が完成する(ST11)。
【0059】
本実施形態によれば、液体を保持することが可能な液体保持部37が機能部30に沿って設けられているので、例えば液滴吐出法により有機バンク層36に区画された部分に液滴60を吐出して機能部30を形成する工程においては、この液体保持部37に溶媒50を保持しておくことにより、機能部30に沿った部分で溶媒分子の分圧を大きくすることができる。これにより、機能部30から溶媒が急激に蒸発するのを抑えることができ、機能部30の表面を平坦にすることができる。
【0060】
一方、機能部30からの距離がほぼ一定になるように液体保持部37が設けられているので、機能部30と液体保持部37に保持される溶媒50との距離が均一になる。また、溶媒50を保持する保持幅t2が均一になるように液体保持部37が設けられているので、当該液体保持部37に保持される溶媒50が不規則なパターンになることは無い。これにより、機能部30に沿った部分で溶媒分子の分圧を均一にすることができ、機能部30を均一に乾燥させることができる。
【0061】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第1実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態では、液体保持部の構成が第1実施形態と異なっているため、この点を中心に説明する。
【0062】
図12は、本実施形態に係る有機EL装置101の一部(有機EL素子)の構成を示す断面図である。
有機EL素子103は、陽極131と、正孔注入層132と、発光部133と、共通電極(陰極)134と、画素開口膜135と、有機バンク層136と、液体保持部137とを有している。
【0063】
陽極131、正孔注入層132、発光部133、陰極134、画素開口膜135については、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
有機バンク層136は、正孔注入層132や発光部133をインクジェット法等の液滴吐出法で形成する際の隔壁である。また、隣接する正孔注入層132及び発光部133の間で電子の移動が起こらないようにする絶縁層である。
【0064】
液体保持部137は、第1実施形態とは異なり、平行に設けられた土手部分137a及び土手部分137bが有機バンク層136の上面136cに設けられている。この平行な土手部分137aと土手部分137bとで挟まれた部分137cに液体を保持することができるようになっている。液体保持部137の深さT2は、1.0μm〜5.0μmの範囲が好ましい。
【0065】
図13は、有機EL装置1の有機バンク層136を拡大して示す平面図である。
同図に示すように、各発光部133(発光部133R、発光部133G及び発光部133B)が、液体保持部137と均一の間隔t3となるように配置されており、当該t3は、10μm〜50μmの範囲になっている。また、液体保持部137の幅(Y方向の長さ)t4は、10μm〜50μmの範囲になっており、X方向に沿って均一になるように形成されている。
【0066】
液滴吐出法により吐出された液体材料を乾燥する際、液体保持部137に保持されている溶媒は残らず蒸発させる必要がある。本実施形態では、溶媒が有機バンク層136の上面136cに保持されているので、例えば溝部に保持されている場合よりも蒸発しやすくなる。
【0067】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。上記各実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。また、第1実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態では、液体保持部の構成が第1実施形態と異なっているため、この点を中心に説明する。
【0068】
図14は、本実施形態に係る有機EL装置201の一部(有機EL素子)の構成を示す断面図である。
有機EL素子203は、陽極231と、正孔注入層232と、発光部233と、共通電極(陰極)234と、画素開口膜235と、有機バンク層236と、液体保持部237とを有している。
【0069】
陽極231、正孔注入層232、発光部233、陰極234、画素開口膜235については、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
有機バンク層236は、正孔注入層232や発光部233をインクジェット法等の液滴吐出法で形成する際の隔壁である。また、隣接する正孔注入層232及び発光部233の間で電子の移動が起こらないようにする絶縁層である。
【0070】
液体保持部237は、第1実施形態とは異なり、有機バンク層236の上面236cの一部分が親液性になっており、当該親液性の部分以外の部分が撥液性になっている。正孔注入層232及び発光部233を形成するときに、親液性の部分に当該正孔注入層232及び発光部233の溶媒を保持することができるようになっている。
【0071】
図15は、有機EL装置201の有機バンク層236を拡大して示す平面図である。
同図に示すように、各発光部233が、液体保持部237と均一の間隔t5となるように配置されており、当該t5は、10μm〜50μmの範囲になっている。また、液体保持部237の幅(Y方向の長さ)t6は、1.0μm〜5.0μmの範囲になっており、X方向に沿って均一になるように形成されている。
【0072】
液滴吐出法を行う場合、液体材料を吐出する前に、有機バンク層236のうち発光部233を形成する部分には親液処理を施して液体材料が付着しやすい状態にしておく。また、有機バンク層236の上面236cなど、液体材料を付着させない部分には撥液処理を施して液体材料がなじみにくい状態にしておく。
【0073】
本発明によれば、有機バンク層236の上面236cに形成された親液性の高い領域(すなわち、液体保持部237)で液体を保持させることができるので、上記親液処理を行うのと同時に液体保持部237を形成することができる。これにより、有機バンク層236に溝や土手を設ける必要も無く、液体保持部237を簡単に形成することができる。
【0074】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。上記各実施形態と同様、以下の図では、各部材を認識可能な大きさとするため、縮尺を適宜変更している。本実施形態では、有機EL装置をラインヘッドモジュールに搭載した例について説明する。
【0075】
図16は、ラインヘッドモジュール301の使用形態を示す図である。
同図に示すように、ラインヘッドモジュール301は、被露光部となる感光体ドラム302へ光を照射して当該感光体ドラム302を露光するものであり、ヘッドケース303と、ラインヘッド304と、レンズアレイ305とを主体として構成されている。
【0076】
ヘッドケース303は、ラインヘッド304およびレンズアレイ305の外周部を支持する支持部材であり、例えばアルミニウム等の剛性材料により形成されている。レンズアレイ305は、例えばセルフォック(登録商標)レンズアレイ(日本板硝子社の商品名)と同様の構成をしている円柱状のレンズ素子であり、光を正立等倍して結像させるものである。
【0077】
ラインヘッド304は、感光体ドラム302へ光を照射する光源であり、図17に示すように、有機EL装置310と、当該有機EL装置310を駆動する複数の駆動素子314aからなる駆動素子群314と、当該駆動素子群314による駆動を制御する制御回路315とを主体として構成されている。
【0078】
有機EL装置310は、図18に示すように、矩形の素子基板312と、当該素子基板312上に有機EL素子313aを複数配列してなる有機EL素子列313と、当該発光素子列313の配列方向に沿うように設けられた液体保持部337を有している。各発光素子313aは、陽極、正孔注入層、発光部(正孔注入層と発光部とを合わせて「機能部333」と表記することがある)、陰極を有しており、素子基板312上に例えば千鳥状に2列配置されている。
【0079】
液体保持部337は、X方向に延在する帯状の溝であり、例えば素子基板312上に設けられた隔壁(有機バンク層等)の上に形成されているものである。当該液体保持部337の溝に液体を保持することができるようになっている。液体保持部337と列313bに配置された機能部333との距離t7と、液体保持部337と列313cに配置された機能部333との平面的な距離t8とはほぼ等しくなっている。当該距離t7及びt8は、例えば10μm〜50μmの範囲になっている。
【0080】
液体保持部237の幅(Y方向の長さ)t9は、1.0μm〜5.0μmの範囲になるように形成されている。なお、当該液体保持部337は、列313bに配置された有機素子列と列313cに配置された有機素子列との間に設けられていても良い。
【0081】
ラインヘッドモジュールに用いられる有機EL装置のように、例えば有機EL素子313aが2列に並んだ有機EL装置310の機能部333を液滴吐出法により形成する場合、機能部333の端部と中央部とでは溶媒の分圧が異なる。機能部333が均一に乾燥されなければ、感光性ドラム302の露光が不均一になってしまう。特に有機EL素子313aが2列しかない有機EL装置310だと、機能部333の乾燥が不均一であった場合の表示特性の低下が甚だしい。
【0082】
本実施形態によれば、このような有機EL装置310の有機EL素子313aを形成する工程で、液体材料を吐出する際に機能部333を形成するための溶媒を液体保持部337に保持させておくことができるので、当該機能部333を均一に乾燥することができる。このため、有機EL装置310の表示特性の低下を防ぐことができ、感光ドラム302を均一に露光することができる。
【0083】
(携帯電話)
次に、本発明に係る電子機器について、携帯電話を例に挙げて説明する。
図19は、携帯電話400の全体構成を示す斜視図である。
携帯電話400は、筺体401、複数の操作ボタンが設けられた操作部402、画像や動画、文字等を表示する表示部403を有する。表示部403には、本発明に係る有機EL装置1、101、201が搭載される。
このように、機能部の表面を平坦にすると共に、機能部を均一に乾燥することが可能な有機EL装置が搭載されているので、表示にムラのない電子機器を得ることができる。
【0084】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
図20は、有機EL装置1の一部の構成を示す図であり、図5に対応している。
同図に示すように、機能部30の形状が円形や楕円形等の場合、液体保持部37を、例えば当該円形又は楕円形の外周に沿うような形状に形成することもできる。
【0085】
また、機能部30の形状が円形や楕円形の場合でも、液体保持部37が当該機能部30の列に沿った帯状の溝となるように形成しても良い。
また、当該液体保持部37が帯状の溝では無く、断続的な溝となるように形成しても勿論構わない。
【0086】
また、上記実施形態では、有機EL装置1、101、201についてはボトムエミッション型の有機EL装置を例に挙げて説明したが、例えばトップエミッション型であっても勿論本発明の適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係る有機EL装置の構成を示す平面図である。
【図3】本実施形態に係る有機EL装置の構成を示す断面図(その1)である。
【図4】本実施形態に係る有機EL装置の構成を示す断面図(その2)である。
【図5】本実施形態に係る有機EL装置の一部の構成を示す平面図である。
【図6】本実施形態に係る有機EL装置の製造方法を示すフローチャートである。
【図7】有機EL装置の製造過程を示す断面図(その1)である。
【図8】有機EL装置の製造過程を示す断面図(その2)である。
【図9】有機EL装置の製造過程を示す断面図(その3)である。
【図10】有機EL装置の製造過程を示す断面図(その4)である。
【図11】有機EL装置の製造過程を示す断面図(その5)である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る有機EL装置の構成を示す断面図である。
【図13】本実施形態に係る有機EL装置の一部の構成を示す平面図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る有機EL装置の構成を示す断面図である。
【図15】本実施形態に係る有機EL装置の一部の構成を示す平面図である。
【図16】本発明の第4実施形態に係るラインヘッドモジュールの構成を示す図である。
【図17】本実施形態に係るラインヘッドモジュールの構成を示す平面図である。
【図18】本実施形態に係るラインヘッドモジュールの要部の構成を示す平面図である。
【図19】本発明に係る電子機器(携帯電話)の構成を示す平面図である。
【図20】本発明に係る有機EL装置の別の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
【0088】
1、101、201、310…有機EL装置 37…液体保持部 50…溶媒 60…液滴 37、137、237、337…液体保持部 301…ラインヘッドモュール 400…携帯電話


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に設けられた隔壁と、
前記隔壁に区画されるように設けられ、光を発光する発光部を含む機能部と、
平面視した状態で前記機能部からの距離がほぼ一定になるように前記機能部に沿って設けられ、液体を保持可能に形成されており、前記液体を保持する部分が前記機能部に沿う方向に対してほぼ等しい幅を有する液体保持部と
を具備することを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記機能部が複数設けられており、
前記液体保持部が、前記複数の機能部の間の領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記液体保持部が、前記隔壁に設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記液体保持部が、前記隔壁に設けられた溝であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記液体保持部が、前記隔壁に設けられた一対の土手の間に形成された部分であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記液体保持部が、前記隔壁に形成された親液性の領域であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL装置。
【請求項7】
光を発光する発光部を含む機能部を区画する隔壁を基板上に形成する工程と、
平面視した状態で前記機能部からの距離がほぼ一定になるように前記機能部に沿い、かつ、前記液体を保持する部分が前記機能部に沿う方向に対してほぼ等しい幅を有する液体保持部を形成する工程と、
前記隔壁に区画される部分に、前記機能部を構成する材料を含んだ液体材料を吐出する工程と、
前記液体材料に含まれる液体を前記液体保持部に保持させる工程と、
前記液体材料に含まれる液体を除去して、前記機能部を形成する工程と
を具備することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のうちいずれか一項に記載の有機EL装置又は請求項7に記載の有機EL装置の製造方法により製造された有機EL装置を搭載したことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−252838(P2006−252838A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64985(P2005−64985)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】