説明

有機EL装置および電子機器

【課題】 有機EL素子内部の電荷の蓄積を解消することで寿命及び発光の低下を抑制し、実効的な発光時間を短くすることなく表示を行うことが可能となる。
【解決手段】 対向する陽極23と陰極50との間に、少なくとも発光層60を備えた有機EL装置であって、陽極と発光層との間に陽極バッファ層70を備え、そして陰極と発光層との間に陰極バッファ層52を備えており、極性の異なる電圧が交互に印加された場合の正バイアス、負バイアスいずれにおいても常に発光が得られる。陽極バッファ層及び陰極バッファ層は、エチレンジオキシチオフェンを含む高分子化合物であることが望ましい。また、陽極バッファ層と陰極バッファ層は同一の材料を用いることが望ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機EL装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、有機EL装置を構成する発光素子は、陽極と陰極との間に有機発光性材料を薄膜形成した構造となっている。そして、両電極から注入された電子と正孔とが発光層内で再結合し、励起したエネルギーが発光として放出される機構となっている。
【0003】
このような発光素子において、通常、有機化合物層は1μmを下回るほどの薄膜で形成される。また、発光素子は、有機化合物層そのものが光を放出する自発光型の素子であるため、従来の液晶ディスプレイに用いられているようなバックライトも必要ない。したがって、発光素子は極めて薄型軽量に作製できることが大きな利点である。有機化合物層の厚みを100nm程度の均一な超薄膜とし、また、有機化合物層に対するキャリア注入障壁を小さくするような電極材料を選択し、さらにはヘテロ構造(積層構造)を導入することによって、5.5Vで100cd/m2の十分な輝度が達成されたという報告がある(非特許文献1)。
【0004】
しかし、このような発光素子において、常に一定方向のバイアスが印加される直流駆動を用いる場合には、素子内部に電荷が蓄積されるため、発光寿命および輝度が低下するといった問題が生じる。
【0005】
これに関して、例えば特開2004−114506号公報(特許文献1)等に開示されているように、発光時に発光素子に印加される駆動電圧、すなわち順バイアスと、この電圧に対して逆極性となる逆バイアスとを交互に印加する交流駆動を用いた報告がなされている。
【0006】
これは、交流駆動によって有機化合物層に極性の異なる電圧が交互に印加されることにより、素子の内部における電荷の蓄積が緩和されるために、発光寿命および輝度の低下を抑えることができるというものである。
【非特許文献1】Appl. Phys. Lett., 51, 913 (1987).
【特許文献1】特開2004−114506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、交流駆動により発光素子を駆動する場合において、発光素子は通常、陽極、発光層、および陰極からなる積層構造を有しているため、陽極側から正の電圧が印加され、陰極側に負の電圧が印加されたとき、すなわち順バイアスが印加された時にのみ発光が得られる。つまり、交流駆動を用いて逆バイアスが印加されたときには、発光素子は発光しないことになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、陽極と発光層との間に陽極バッファ層、陰極と発光層との間に陰極バッファ層、極性の異なる順バイアス電圧と逆バイアス電圧が前記陽極と前記陰極とに交互に印加される駆動手段と、を備え、前記陽極バッファ層と前記陰極バッファ層が同一の材料からなることを特徴とする。
この時、前記陽極バッファ層及び陰極バッファ層の電荷輸送特性及び発光層との間の電荷注入特性が等しく、順バイアス印加時の発光特性と逆バイアス印加時の発光特性がおおよそ対称になる。
【0009】
また、前記陽極に使用する材料の仕事関数と前記陰極に使用する材料の仕事関数との差が0.5eVより小さいことが望ましく、この仕事関数の差が小さければ小さいほど望ましい。
この時、前記陽極と前記陽極バッファ層及び前記陰極と前記陰極バッファ層との間の電荷注入特性の差が小さく、順バイアス印加時の発光特性と逆バイアス印加時の発光特性がおおよそ対称になる。
【0010】
なお、前記陽極バッファ層及び陰極バッファ層は導電性材料からなることが望ましく、特に、導電性高分子からなることが望ましい。
【0011】
また、前記導電性材料は、エチレンジオキシチオフェンを含む高分子化合物からなることが望ましい。
【0012】
なお、前記導電性材料は、PEDOT/PSSであってもよい。
【0013】
また、前記陽極バッファ層及び陰極バッファ層のシート抵抗値が100Ωcmよりも小さいことが望ましい。
この範囲よりもシート抵抗値が大きい場合、電荷の注入が困難となり発光特性が低下する。
【0014】
また、前記駆動手段において、前記順バイアスの電圧の絶対値と前記逆バイアスの電圧の絶対値が等しいことが望ましい。さらには、前記順バイアス印加する時間と前記逆バイアスを印加する時間が等しいことが望ましい。
この駆動手段を採用することで、発光素子内部における電荷の蓄積が効率良く解消され、発光寿命および輝度の低下を抑えることができるというものである。さらには、順バイアス印加時の輝度と逆バイアス印加時の輝度の違いによるちらつきを抑制することができる。
【0015】
以上の様にして、極性の異なる電圧が交互に印加された場合の順バイアス、逆イアスいずれにおいても常に発光が得られているために、実効的な発光時間を短くすることなく表示を行うことが可能となる。よって、表示が暗くなるといった問題を解決することができる。
【0016】
一方、本発明の電子機器は、上述した有機EL装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、良好な表示特性を有する電子機器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を詳しく説明する。なお、この実施の形態は、本発明の一部の態様を示すものであり、本発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
【0018】
[有機EL装置]
まず、本発明の有機EL装置の一実施形態を説明する。
【0019】
(等価回路)
図1は、本実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図であり、図1において符号1は有機EL装置である。この有機EL装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とからなる配線構成を有し、走査線101と信号線102との各交点付近に画素領域Xを形成したものである。信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
【0020】
さらに、画素領域X各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用TFT112と、このスイッチング用TFT112を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、該保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT123と、この駆動用TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに該電源線103から駆動電流が流れ込む画素電極(電極)23と、この画素電極23と共通陰極(電極)50との間に挟み込まれた機能層110とが設けられている。このような画素電極23と共通陰極50と機能層110とにより、発光素子、すなわち有機EL素子が構成されている。
【0021】
このような構成の有機EL装置1によれば、走査線101が駆動されてスイッチング用TFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて、駆動用TFT123のオン・オフ状態が決まる。そして、駆動用TFT123のチャネルを介して電源線103から画素電極23に電流が流れ、さらに機能層110を介して共通陰極50に電流が流れる。すると、機能層110は、これを流れる電流量に応じて発光する。
【0022】
次に、本実施形態の有機EL装置1の具体的な態様を、図2〜5を参照して説明する。なお、図2は有機EL装置1の構成を模式的に示す平面図である。
【0023】
(平面構成)
図2に示すように本実施形態の有機EL装置1は、光透過性と電気絶縁性とを備える基板20と、スイッチング用TFT(図示せず)に接続された画素電極が基板20上にマトリックス状に配置されてなる画素電極域(図示せず)と、画素電極域の周囲に配置されるとともに各画素電極に接続される電源線と、少なくとも画素電極域上に位置する平面視ほぼ矩形の画素部3(図2中一点鎖線枠内)とを備えて構成されている。なお、本実施形態において画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線および二点鎖線の間の領域)とに区画されている。
【0024】
実表示領域4には、それぞれ画素電極を有する発光素子R、G、BがA−B方向およびC−D方向に規則的に配置されている。
また、実表示領域4の図2中両側には、走査線駆動回路80、80が配置されている。この走査線駆動回路80、80は、ダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
【0025】
また、実表示領域4の図2中上方側には検査回路90が配置されており、この検査回路90はダミー領域5の下層側に配置されて設けられている。この検査回路90は、有機EL装置1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段(図示せず)を備え、製造途中や出荷時における表示装置の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。
【0026】
走査線駆動回路80および検査回路90の駆動電圧は、所定の電源部から駆動電圧導通部310(図3参照)および駆動電圧導通部340(図4参照)を介して印加されている。また、これら走査線駆動回路80および検査回路90への駆動制御信号および駆動電圧は、この有機EL装置1の作動制御を司る所定のメインドライバなどから駆動制御信号導通部320(図3参照)および駆動電圧導通部350(図4参照)を介して送信および印加されるようになっている。なお、この場合の駆動制御信号とは、走査線駆動回路80および検査回路90が信号を出力する際の制御に関連するメインドライバなどからの指令信号である。
【0027】
(断面構成)
図3は図2のA−B線に沿う断面図、図4は図2のC−D線に沿う断面図、図6は図3の要部拡大断面図である。図5は図6の素子部分を簡略化したものである。図3、図4に示すように、有機EL装置1は、基板20と封止基板30とが封止樹脂40を介して貼り合わされてなるものである。基板20、封止基板30および封止樹脂40で囲まれた領域においては、封止基板30の内面に水分や酸素を吸収するゲッター剤45が貼着されている。また、その空間部は窒素ガスが充填されて窒素ガス充填層46となっている。このような構成のもとに、有機EL装置1内部に水分や酸素が浸透するのが抑制され、これにより有機EL装置1はその長寿命化が図られたものとなっている。
【0028】
基板20としては、いわゆるトップエミッション型の有機EL装置の場合、この基板20の対向側である封止基板30側から発光光を取り出す構成であるので、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えば、アルミナ等のセラミック、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したものの他に、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられる。
また、いわゆるボトムエミッション型の有機EL装置の場合には、基板20側から発光光を取り出す構成であるので、基板20としては、透明あるいは半透明のものが採用される。例えば、ガラス、石英、樹脂(プラスチック、プラスチックフィルム)等が挙げられ、特にガラス基板が好適に用いられる。なお、本実施形態では、基板20側から発光光を取り出すボトムエミッション型とし、よって基板20としては透明あるいは半透明のものを用いるようにする。
【0029】
封止基板30としては、例えば電気絶縁性を有する板状部材を採用することができる。また、封止樹脂40は、例えば熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂からなるものであり、特に熱硬化樹脂の一種であるエポキシ樹脂よりなっているのが好ましい。
【0030】
また、図5に示すように、基板20上には、画素電極23を駆動するための駆動用TFT123などを含む回路部11が設けられている。この回路部11は基板20上に形成されたものである。すなわち、基板20の表面にはSiO2を主体とする下地保護層281が下地として形成され、その上にはシリコン層241が形成されている。このシリコン層241の表面には、SiO2および/またはSiNを主体とするゲート絶縁層282が形成されている。
【0031】
また、前記シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域241aとされている。なお、このゲート電極242は、図示しない走査線101の一部である。一方、シリコン層241を覆い、ゲート電極242を形成したゲート絶縁層282の表面には、SiO2を主体とする第1層間絶縁層283が形成されている。
【0032】
また、シリコン層241のうち、チャネル領域241aのソース側には、低濃度ソース領域241bおよび高濃度ソース領域241Sが設けられる一方、チャネル領域241aのドレイン側には低濃度ドレイン領域241cおよび高濃度ドレイン領域241Dが設けられて、いわゆるLDD(Light Doped Drain )構造となっている。これらのうち、高濃度ソース領域241Sは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール243aを介して、ソース電極243に接続されている。このソース電極243は、前述した電源線103(図1参照、図6においてはソース電極243の位置に紙面垂直方向に延在する)の一部として構成されている。一方、高濃度ドレイン領域241Dは、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホール244aを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。
【0033】
ソース電極243およびドレイン電極244が形成された第1層間絶縁層283の上層は、例えばアクリル系の樹脂成分を主体とする第2層間絶縁層284によって覆われている。この第2層間絶縁層284は、アクリル系の絶縁膜以外の材料、例えば、SiN、SiO2などを用いることもできる。そして、ITOからなる画素電極23が、この第2層間絶縁層284の表面上に形成されるとともに、該第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール23aを介してドレイン電極244に接続されている。すなわち、画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241の高濃度ドレイン領域241Dに接続されている。
以上に説明した基板20から第2層間絶縁層284までの層が、回路部11を構成するものとなっている。
【0034】
なお、走査線駆動回路80および検査回路90(図2参照)に含まれるTFT(駆動回路用TFT)、すなわち、例えばこれらの駆動回路のうち、シフトレジスタに含まれるインバータを構成するNチャネル型又はPチャネル型のTFTは、画素電極23と接続されていない点を除いて前記駆動用TFT123と同様の構造とされている。
【0035】
画素電極23が形成された第2層間絶縁層284の表面は、画素電極23と、例えばSiO2などの親液性材料を主体とする親液性制御層25と、アクリル樹脂やポリイミド樹脂などからなる有機バンク層221とによって覆われている。なお、本実施形態における親液性制御層25の「親液性」とは、少なくとも有機バンク層221を構成するアクリル樹脂やポリイミド樹脂などの材料と比べて親液性が高いことを意味するものとする。そして、親液性制御層25に設けられた開口部25aおよび有機バンク層221に設けられた開口部221aの開口内部が、画素領域を構成している。なお、各色表示領域(画素領域)の境界には、金属クロムをスパッタリングなどにて成膜した図示略のBM(ブラックマトリクス)が、有機バンク層221と親液性制御層25との間に位置して形成されている。
【0036】
(発光素子)
そして、各画素領域における画素電極23の上方には、発光素子(有機EL素子)R、G、Bが設けられている。発光素子R、G、Bは、陽極として機能する画素電極23と、陽極バッファ層70と、有機EL物質からなる発光層60(60R、60G、60B)と、陰極バッファ層52共通陰極50とが順に形成されたことによって構成されている。そして、このような構成のもとに発光素子R、G、Bは、正バイアス印加時には、陽極バッファ層70から注入された正孔と、陰極バッファ層52から注入された電子とが発光層60で結合することにより、赤色、緑色あるいは青色の発光をなすようになっている。また、逆バイアス印加時には、陽極バッファ層70から注入された電子と、陰極バッファ層52から注入された正孔とが発光層60で結合することにより、赤色、緑色あるいは青色の発光をなすようになっている。
【0037】
陽極として機能する画素電極23は、本例ではボトムエミッション型であることから透明導電材料によって形成されている。透明導電材料としてはITOが好適とされるが、これ以外にも、例えば酸化インジウム・酸化亜鉛系アモルファス透明導電膜(Indium Zinc Oxide :IZO/アイ・ゼット・オー)(登録商標))(出光興産社製)等を用いることができる。なお、本実施形態ではITOを用いるものとする。また、トップエミッション型である場合には、特に光透過性を備えた材料を採用する必要はなく、例えばITOの下層側にAl等を設けて反射層として用いることもできる。
【0038】
陽極バッファ層70の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水やイソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものが好適に用いられる。
【0039】
陽極バッファ層70のシート抵抗値は100Ωcmよりも小さいことが望ましく、本実施形態では0.1Ωcm以下のものが好適に用いられる。
【0040】
発光層60を形成するための材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。また、本実施形態では、フルカラー表示を行うべく、その発光波長帯域が光の三原色にそれぞれ対応して形成されている。すなわち、発光波長帯域が赤色に対応した発光層60R、緑色に対応した発光層60G、青色に対応した発光層60Bの三つの発光層により、1画素が構成され、これらが階調して発光することにより、有機EL装置1が全体としてフルカラー表示をなすようになっている。
【0041】
発光層60の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
なお、「高分子」とは、分子量が数百程度の所謂「低分子」よりも分子量の大きい重合体を意味し、上述の高分子材料には、一般に高分子と呼ばれる分子量10000以上の重合体の他に、分子量が10000以下のオリゴマーと呼ばれる低重合体が含まれる。
【0042】
なお、本実施形態では、赤色の発光層60Rの形成材料としてMEHPPV(ポリ(3−メトキシ 6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の発光層60Rの形成材料としてポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の発光層60Rの形成材料としてポリジオクチルフルオレンを用いている。また、これら各発光層60については、特にその厚さについては制限がなく、また各色毎に好ましい厚さも変わるものの、例えば青色発光層60Bの厚さとしては、60〜70nm程度とするのが好ましい。
【0043】
陰極バッファ層52の構成材料としては、陽極バッファ層70と同様、特に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、すなわち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水やイソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものが好適に用いられる。
【0044】
陰極バッファ層52のシート抵抗値は100Ωcmよりも小さいことが望ましく、本実施形態では0.1Ωcm以下のものが好適に用いられる。
【0045】
また、陰極バッファ層52と陽極バッファ層70の構成材料及び成膜条件を同一とすることが好ましい。
【0046】
共通陰極50は、図2ないし図4に示すように、実表示領域4およびダミー領域5の総面積より広い面積を備え、それぞれを覆うように形成されたものである。
共通陰極50は化学的に安定な導電性材料であれば特に限定されることなく、任意のもの、例えば金属や合金などが使用可能である。特に、前期画素電極23に用いた材料の仕事関数との差が0.5eVより小さいことが望ましく、具体的にはAu(金)、Ni(ニッケル)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)などが好適に用いられる。この共通陰極50の厚さとしては、100nm〜500nm程度とするのが好ましく、特に200nm程度とするのが好ましい。100nm未満では保護機能が十分に得られないおそれがあり、また500nmを越えると製造時における熱的負荷が高くなり、発光層60に劣化や変質等の悪影響を及ぼすおそれがあるからである。なお、本実施形態ではAuによって陰極50を形成している。また、特にトップエミッション型の有機EL装置とする場合には、十分に薄い陰極50を形成してこれに透光性を持たせることが可能であり、あるいは透光性を有するITO等の導電性材料を用いて陰極50を形成することも可能である。
【0047】
このような構成からなる有機EL装置1にあっては、陽極バッファ層及び陰極バッファ層によって、極性の異なる電圧が交互に印加された場合のいずれにおいても常に発光が得られる。したがって、電荷の蓄積による寿命及び発光の低下を抑制し、実効的な発光時間を短くすることなく表示を行うことが可能となる。
【0048】
[有機EL装置の製造方法]
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法の一例を、図6および図7を参照して説明する。なお、図6および図7に示す各断面図は、図2中のA−B線の断面図に対応しており、各製造工程順に示している。
まず、図6(a)に示すように、基板20上の回路部11の表面に、画素電極23を形成する。具体的には、まず基板20の全面を覆うように、ITO等の導電材料からなる導電膜を形成する。その際、第2層間絶縁層284のコンタクトホール23aの内部に導電材料を充填してコンタクトを形成する。そして、この導電膜をパターニングすることにより画素電極23を形成するとともに、コンタクトを介して駆動用TFT123のドレイン電極244に導通させる。これと同時に、ダミー領域のダミーパターン26も形成する。なお図3および図4では、画素電極23およびダミーパターン26を総称して画素電極23としている。
【0049】
なおダミーパターン26は、実表示領域に形成されている画素電極23と同様に島状に形成されているが、第2層間絶縁層284を介して下層のメタル配線へ接続しない構成とされている。もちろん、表示領域に形成されている画素電極23とは異なる形状であってもよい。なお、この場合、ダミーパターン26は少なくとも前記駆動電圧導通部310(340)の上方に位置するものも含むものとする。
【0050】
次いで、図6(b)に示すように、画素電極23、ダミーパターン26上、および第2層間絶縁層284上に、絶縁層である親液性制御層25を形成する。なお、画素電極23においては一部が開口する態様にて親液性制御層25を形成し、開口部25a(図3も参照)において画素電極23からの正孔移動が可能とされている。続いて、親液性制御層25において、異なる2つの画素電極23の間に位置して形成された凹状部に、BM(図示せず)を形成する。具体的には、親液性制御層25の前記凹状部に対して、金属クロムを用いスパッタリング法にて成膜する。
【0051】
次いで、図6(c)に示すように、親液性制御層25の所定位置、詳しくは前記BMを覆うように有機バンク層221を形成する。具体的な有機バンク層221の形成方法としては、例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂などのレジストを溶媒に溶解したものを、スピンコート法、ディップコート法などの各種塗布法により塗布して有機質層を形成する。なお、有機質層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチングなどによってパターニングし易いものであればどのようなものでもよい。
続いて、有機質層をフォトリソグラフィ技術、エッチング技術を用いてパターニングし、有機質層にバンク開口部221aを形成することにより、開口部221aに壁面を有した有機バンク層221を形成する。なお、この場合、有機バンク層221は、少なくとも前記駆動制御信号導通部320の上方に位置するものを含むものとする。
【0052】
次いで、有機バンク層221の表面に、親液性を示す領域と、撥液性を示す領域とを形成する。本実施形態においては、プラズマ処理によって各領域を形成するものとする。そのプラズマ処理は、予備加熱工程と、有機バンク層221の上面および開口部221aの壁面ならびに画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25の上面をそれぞれ親液性にする親インク化工程と、有機バンク層の上面および開口部の壁面を撥液性にする撥インク化工程と、冷却工程とによって構成される。
【0053】
すなわち、基材(バンクなどを含む基板20)を所定温度、例えば70〜80℃程度に加熱し、次いで親インク化工程として大気圧下で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。次いで、撥インク化工程として大気圧下で4フッ化メタンを反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行い、その後、プラズマ処理のために加熱された基材を室温まで冷却することで、親液性および撥液性が所定箇所に付与されることとなる。
【0054】
なお、このCF4プラズマ処理においては、画素電極23の電極面23cおよび親液性制御層25についても多少の影響を受けるが、画素電極23の材料であるITOおよび親液性制御層25の構成材料であるSiO2、TiO2などはフッ素に対する親和性に乏しいため、親インク化工程で付与された水酸基がフッ素基で置換されることがなく、親液性が保たれる。
【0055】
次いで陽極バッファ層形成工程によって陽極バッファ層70を形成する。この陽極バッファ層形成工程では、液滴吐出法として、特にインクジェット法が好適に採用される。すなわち、このインクジェット法により、陽極バッファ層形成材料を電極面23c上に選択的に配し、これを塗布する。その後、乾燥処理および熱処理を行い、電極23上に陽極バッファ層70を形成する。陽極バッファ層70の形成材料としては、前記のPEDOT/PSSを水やイソプロピルアルコールなどの極性溶媒に溶解させたものが用いられる。
【0056】
ここで、このインクジェット法による陽極バッファ層70の形成にあたっては、まず、インクジェットヘッド(図示略)に陽極バッファ層形成材料を充填し、インクジェットヘッドと基材(基板20)とを相対移動させながら、インクジェットヘッドの吐出ノズルを親液性制御層25に形成された前記開口部25a内に位置する電極面23cに対向させる。そして、1滴当たりの液量が制御された液滴を吐出ノズルから電極面23cに吐出する。次に、吐出後の液滴を乾燥処理し、正孔注入層材料に含まれる分散媒や溶媒を蒸発させることにより、陽極バッファ層70を形成する。
【0057】
このとき、吐出ノズルから吐出された液滴は、親液性処理がなされた電極面23c上にて広がり、親液性制御層25の開口部25a内に満たされる。その一方で、撥インク処理された有機バンク層221の上面では、液滴がはじかれて付着しない。したがって、液滴が所定の吐出位置からずれて、液滴の一部が有機バンク層221の表面にかかったとしても、該表面が液滴で濡れることがなく、弾かれた液滴が親液性制御層25の開口部25a内に引き込まれる。焼成温度としては100℃〜200℃の範囲とするのが好ましく、特に100℃程度とするのが好ましい。100℃未満では、形成材料が十分に硬化せず、その上に発光層の形成材料が設けられると、形成材料どうしが混ざり合ってしまうおそれがあるからである。また、含有する溶媒が完全に除去できないおそれもある。一方、200℃を越えると、形成材料が熱により変質し劣化してしまうおそれがあるからである。また、後述の陰極バッファ層52と同一の形成材料を使用することが望ましく、さらには成膜方法、特に焼成温度も同一にすることが好ましい。この点、導電性材料としてPEDOT/PSSを採用すれば、100℃×10分程度の条件で焼成することが可能である。
なお、この陽極バッファ層形成工程以降では、各種の形成材料や形成した要素の酸化・吸湿を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0058】
次いで、図7(d)に示すように、発光層形成工程による発光層60の形成を行う。この発光層形成工程では、前記の陽極バッファ層70の形成と同様に、液滴吐出法であるインクジェット法が好適に採用される。すなわち、インクジェット法により、発光層形成材料を陽極バッファ層70上に吐出し、その後、乾燥処理および熱処理を行うことにより、有機バンク層221に形成された開口部221a内に発光層60を形成する。この発光層60の形成は、その色毎に行う。なお、インクジェット法(液滴吐出法)を用いることにより、発光層60の形成材料を、所定位置、すなわち画素領域のみに選択的に配置することが可能であり、また個々の位置において吐出量を変えることも可能である。また、前記発光層形成工程では、陽極バッファ層70の再溶解を防止するため、発光層形成材料に用いる溶媒として、正孔注入層70に対して不溶な無極性溶媒を用いる。
【0059】
次いで、図7(e)に示すように、陰極バッファ層52を形成する。陰極バッファ層52の形成工程では、まず発光層60および有機バンク層221を覆うように陰極バッファ層52を形成する。陰極バッファ層52の形成は、陰極バッファ層52の構成材料を含む液状体を塗布することによって行う。陰極バッファ層52の形成材料として前記PEDOT/PSSを採用する場合には、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水やイソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させる。
【0060】
このように、分散媒または溶媒として極性物質を採用すれば、塗布された液状体に対する発光層60の再溶解を抑制することが可能になる。なお、例外的に発光層60が前記極性物質に溶出してしまう場合には、分散媒または溶媒としてトルエン、キシレン、ベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、テトラデカン、イソオクタンなどの非極性物質を用いてもよい。
【0061】
そして、上記のように作製した液状体を、発光層60および有機バンク層221の表面に塗布する。塗布法にはスピンコート法などを採用することができるが、発光層60や陽極バッファ層70と同様にインクジェット法を採用することも可能である。さらに、塗布された液状体を乾燥および焼成することにより、陰極バッファ層52の被膜を形成する。陰極バッファ層52の成膜温度は、150℃以下とすることが望ましい。150℃を超える温度で熱処理を行うと、有機物によって構成される発光層60の機能を低下させるおそれがあるからである。この点、導電性材料としてPEDOT/PSSを採用すれば、100℃×10分程度の条件で焼成することが可能であり、発光層60に対するダメージを抑制することができる。
【0062】
次いで、陰極50を形成する。陰極50には、空気中で安定に使用できる導電性材料であれば限定はないが、陽極との仕事関数差が小さい材料が望ましい。陽極にITOを用いた場合であれば、Au(金)を用いることが可能である。
【0063】
その後、図7(f)に示すように、封止基板30により基板20の表面を封止する。この封止工程では、内側にゲッター剤45を貼り付けた封止基板30を、基板20に対して封止樹脂40により接着する。この封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うのが好ましい。これにより、基板20、封止基板30および封止樹脂40によって包囲される空間に、不活性ガスが気密封止される。
以上により、本実施形態の有機EL装置1が形成される。
【0064】
以上に詳述したように、本実施形態の有機EL装置およびその製造方法では、陽極バッファ層70及び陰極バッファ層52を導電性高分子によって構成した。この構成によれば、極性の異なる電圧が交互に印加された場合の順バイアス、逆バイアスいずれにおいても、常に発光が得られている。したがって、電荷の蓄積による寿命及び発光の低下を抑制し、実効的な発光時間を短くすることなく表示を行うことが可能となる。
【0065】
[電子機器]
次に、本発明の電子機器について、図8を用いて説明する。図8は、本実施形態の有機EL装置を備えた携帯電話の斜視図である。図8において符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は表示部を示している。この携帯電話1000は、本実施形態の有機EL装置からなる表示部1001を備えているので、良好な表示特性を発揮することができる。
【0066】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、上記実施形態では発光層60に高分子材料を用いたが、この代わりに低分子材料を用いることもできる。また、上述の回路部11の構成はほんの一例であり、これ以外の構成を採ることも可能である。
【実施例1】
【0067】
ガラス基板の上面にITOからなる陽極電極を形成し、その上面にPEDOT/PSSからなる陽極バッファ層を形成した後、100℃のホットプレート上で10分間焼成を行った。その上面にポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を用いて発光層を形成した。
その発光層の上面に、PEDOT/PSSからなる陰極バッファ層を形成した後、100℃のホットプレート上で10分間焼成を行った。
陽極バッファ層及び陰極バッファ層に使用したPEDOT/PSSのシート抵抗値はいずれも0.02Ωcmであった。
その陰極バッファ層の上面に陰極となる金を2000Å真空蒸着により成膜した。真空蒸着には、窒素雰囲気のグローブボックス内に配置された真空蒸着装置を使用した。蒸着開始時の真空度は4×10-6torr程度である。
その後、封止基板により全体を封止した。
このように形成した有機EL装置において、ITOとAuの間に順バイアスを印加、すなわちITOが陽極、Auが陰極となるようにバイアスを印加させた際、10V以下の電圧で良好に発光した。また、ITOとAuの間に逆バイアス、すなわち、ITOが陰極、Auが陽極となるようにバイアスを印加させた際、10V以下の電圧で良好に発光した。
【0068】
[比較例1]
実施例1と同様に発光層までを形成した。
その発光層の上面に、PEDOT/PSSからなる陰極バッファ層を形成した後、100℃のホットプレート上で10分間焼成を行った。
陽極バッファ層に用いたPEDOT/PSSの抵抗値は0.02Ωcmであり、陰極バッファ層に用いたPEDOT/PSSの抵抗値は1×105Ωcmであった。
このように形成した有機EL装置において、ITOとAuの間に順バイアスを印加させた際、約13Vの電圧で発光が見られた。しかし、ITOとAuの間に逆バイアスを印加させた際には、18Vにおいても発光は見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施形態の有機EL装置の配線構造を示す模式図である。
【図2】実施形態の有機EL装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図3】図2のA−B線に沿う側面断面図である。
【図4】図2のC−D線に沿う側面断面図である。
【図5】図3の要部拡大断面図である。
【図6】有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面図である。
【図7】有機EL装置の製造方法を工程順に説明する断面図である。
【図8】実施形態の有機EL装置を備えた携帯電話の斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
23陽極 50陰極 52陰極バッファ層 60発光層 70陰極バッファ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する陽極と陰極との間に、少なくとも発光層を備えた有機EL装置であって、
前記陽極と発光層との間に陽極バッファ層と、
前記陰極と発光層との間に陰極バッファ層と、
極性の異なる順バイアス電圧と逆バイアス電圧が前記陽極と前記陰極とに交互に印加される駆動手段と、を備え、
前記陽極バッファ層と陰極バッファ層とが同一の材料からなることを特徴とする有機EL装置。
【請求項2】
前記陽極に使用する材料の仕事関数と前記陰極に使用する材料の仕事関数との差が0.5eVより小さいことを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
【請求項3】
前記陽極バッファ層及び前記陰極バッファ層が導電性材料からなることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項4】
前記陽極バッファ層及び前記陰極バッファ層が導電性高分子からなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項5】
前記陽極バッファ層及び前記陰極バッファ層が、エチレンジオキシチオフェンを含む高分子化合物からなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項6】
前記陽極バッファ層及び前記陰極バッファ層がPEDOT/PSSからなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項7】
前記陽極バッファ層及び前記陰極バッファ層のシート抵抗値が100Ωcmよりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項8】
前記順バイアス電圧の絶対値と前記逆バイアス電圧の絶対値が等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項9】
前記順バイアス電圧を印加する時間と前記逆バイアス電圧を印加する時間が等しいことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の有機EL装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の有機EL装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−190715(P2006−190715A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−381988(P2004−381988)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】