説明

木質ペレット燃焼装置

【課題】 灰除去専用の装置を燃焼部に用いることなく、しかも燃焼室から舞い上がる灰を確実に収集する低価格の木質ペレット燃焼装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 燃焼室2内の木質ペレットaが燃焼する燃焼皿13の燃焼皿通気口を14上昇する通風を、一時的に増風し、燃焼皿13上に堆積する燃焼灰を浮遊状態にして上昇する増風された通風と共に排風部6に流入させると共に、排風部6に設けられた遠心分離装置25によって灰bと燃焼風Cを分離し、灰bを灰回収容器29に回収し、燃焼風Cは排気ダクト22より機外に排出する構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流木又は間伐材を粉砕圧縮加工して作った木質ペレットを燃料としてもちいる木質ペレット燃焼装置において、燃焼により生じる灰の除去に係わる木質ペレット燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から使用されている固体燃料の石炭や、石油を燃焼して暖房に使用する燃焼装置、暖房機等は、二酸化炭素等の温室効果ガスによる地球温暖化の問題で、温室効果ガスの発生をより少なくする資源への転換が急務となっている。
【0003】
特に近年、環境問題に有効であるとされているバイオマスの燃料として木質ペレットが注目され、間伐材・大鋸屑・流木等の今まで焼却廃棄されていた木質材を木質ペレットとして粒状化し、燃焼装置・暖房機に利用され始め、実開昭58−190301号(特許文献1)に記する固形燃料ストーブが公知となっている。
【0004】
木質ペレットを燃焼燃料として使用する上で、問題となるのが灰の除去である。なお、ペレット化する木質によってもその灰の量は異なり、木の表皮を除いた木部だけで作られるペレット(ホワイトペレット)の場合、灰分は約1%であり、流木から生成されたペレットの灰分は約1〜2%、木の表皮(樹皮)だけで生成されるペレット(バークペレット)の灰分に至っては約4〜5%とペレットに生成する木質によっても排出される灰量は異なるものである。
【0005】
従来では木質ペレット燃焼装置、特にペレットストーブの燃料としてホワイトペレットを主に使用されていたが、製材所等から廃棄される樹皮の部分の有効利用が注目され、また価格の面からもバークペレットの使用が近年注目されている。
【0006】
バークペレットの使用は、燃焼部に多くの灰が発生して良好な燃焼を維持出来ない不具合が発生し、その除去が課題となっており、実開昭60−128136号公報(特許文献2)のように、燃焼炉底部のロストルを揺動・振動させて灰を落下させる装置を設けたもの、特開2004−191010号公報(特許文献3)のように燃焼室の灰処理板のスリット部から凹凸部を有する回転材を回転させて灰を灰処理板上から掻き落す装置を備えたもの、特開2004−138256号公報(特許文献4)では筒状の回転体を燃焼部として燃焼部自体を回転させて灰を落下除去しようとするものも既に公知である。また、燃焼時に燃焼部から舞い上がった灰を収集する排気室を燃焼部の上方に設けた構成も公知である(特開2004−191014号公報(特許文献5))。
【0007】
【特許文献1】実開昭58−190301号公報
【特許文献2】実開昭60−128136号公報
【特許文献3】特開2004−191010号公報
【特許文献4】特開2004−138256号公報
【特許文献5】特開2004−191014号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前掲の特許文献1、特許文献2及び特許文献3に紹介する灰の除去装置によれば、燃焼部で発生した灰を確実に燃焼部の灰回収箱に収納することが出来るが、燃焼中の小径のペレットや高温の炭化物まで灰回収箱内に投入し、灰回収箱自体を高温にしてしまうので安全性に劣るものであり、また灰の除去専用の装置を新たに設置しているので、構造が複雑になってコスト的にも上昇し、低価格の木質ペレットストーブを提供することが難しくなっていた。
【0009】
特許文献5に紹介する装置によれば、燃焼ガスと共に大気中に放出される灰を燃焼室上方に設けた排気室にパッフル板を設けて排気の流れをUターンさせ灰を排気室の底部に堆積させて、機外に灰の飛散を防止しようとするものである。しかしながら排気室の底部に堆積した灰の上方を排風が常に通過する構成であって、排風が強風である場合若しくは、堆積した灰の層が厚い場合など、排風によって灰は外部に排出される可能性がある。
【0010】
そこで本発明では、灰除去専用の装置を燃焼部に用いることなく、しかも燃焼室から舞い上がる灰を確実に収集する低価格の木質ペレット燃焼装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は請求項1ないし請求項6に係る木質ペレット燃焼装置を提案する。
【0012】
即ち、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置は、装置本体内に燃焼室と燃料タンクと、燃料タンクから木質ペレット燃料を燃焼室に搬送する燃料供給手段を設け、燃焼室の上方に熱交換部と燃焼風排気口を備え、前記燃焼風排気口には燃焼風が流入する排風部を接続した木質ペレット燃焼装置において、燃焼室内の木質ペレットが燃焼する燃焼皿の燃焼皿通気口を上昇する通風を、一時的に増風し、燃焼皿上に堆積する燃焼灰を浮遊状態にすることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置において、燃焼室内で浮遊状態となった燃焼灰は、燃焼皿通気口を上昇する増風された通風と共に排風部に流入させることを特徴とするものである。
【0014】
請求項3記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1又は請求項2記載の木質ペレット燃焼装置において、燃焼皿通気口を上昇する通風の一時的な増風は、連続燃焼中の一定の間隔で定期的に行なわれることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1又は請求項2記載の木質ペレット燃焼装置において、燃焼皿通気口を上昇する通風の一時的な増風は、消火動作中の一定時間内に行なわれることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1、2、3又は請求項4記載の木質ペレット燃焼装置において、排風部には一時的に増風した通風量相当の集塵能力を有する遠心分離装置を設けたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項6記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1、2、3又は請求項5記載の木質ペレット燃焼装置において、一時的に燃焼皿通気口の通風を増風させると同時、又は増風時間内の一定時間のどちらかに、燃料供給手段から燃焼室内の燃焼皿上に、ペレット燃料を供給して燃焼皿上の堆積した燃焼灰を舞い上がらせることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る木質ペレット燃焼装置によれば、燃焼部に堆積する灰を灰除去の専用の装置を燃焼部に設けることがないので、構造が簡略化されしかも製造コストが低減されよって、低価格の木質ペレット燃焼装置を提供することが出来る。
【0019】
また、燃焼部で発生する灰は排風と共に遠心分離装置で回収され機外に灰が飛散するのを防止すると共に、燃焼部下方に設けられた灰回収箱に比重の重い物質以外堆積しないので、木質ペレット燃焼装置から灰回収箱を取り出し、中身を廃棄する場合、灰回収箱を本体から取り外し、廃棄場所まで移動する間、微粉末粒子の飛散が無く、作業環境と居住環境を良好に保つものである。
【0020】
なお、バークペレットなどの樹皮を多く含んだペレットを燃焼させた場合、燃焼後の灰が堆積し、その灰が高温なって溶けてガラス状のクリンカとなり、通気口を塞いで不完全燃焼を発生させていたが、本発明では燃焼後の灰は一定時間増風した排風と共に燃焼室から排出されてしまうので、クリンカ状の物質に変形しにくいので通気口を塞ぐ可能性が低く、安定した燃焼を行なうことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1には、本発明に係る木質ペレット燃焼装置の第1の実施の形態を示している。図2には、本発明に係る木質ペレット燃焼装置の実施する第2の形態の実施例1を、そして図3は第2の形態の実施例2を、図4は第2の形態の実施例3を、図5は第2の形態の実施例4を、図6は第3の実施の形態を、図7は第1の実施の形態を示すフローチャート図である。
【0022】
図1において、1はペレットストーブである。aは木質ペレットであって、ペレットストーブ1内には木質ペレットaが燃焼する燃焼室2とその上方には熱交換部5が設けられている。燃焼室2の上方には燃焼風排気口7が設けられ燃焼風を排風部6へ流通させている。燃焼室2には隣接して燃料タンク3を備え、燃料タンク3から燃焼室2へ木質ペレットaを供給する燃料供給手段4が燃料タンク3に密接して備えられている。図1に示す燃料タンク3はペレットストーブ1の上方までその空間を有していて、ペレットストーブ1の上面が扉となって燃料タンク3内に木質ペレットaが投入できる構成であると良い(図示せず)。
【0023】
燃料タンク3の下端を構成する底面板10が投入口9に向かって傾斜し、燃料供給手段4のスクリューコンベア8の投入口9に木質ペレットaが漏れなく投入できるようになっている。スクリューコンベア8の上端には燃焼室2内へ木質ペレットaを投入する投入シュート11と投入シュート11内に外気を通風させるための通気口12が設けてあり、この通気口12は投入シュート11の途中に設けられていてもよい。なお、スクリューコンベア8の動力はモータ24の回転によって得られる。
【0024】
燃焼室2の下方には、投入シュート11より落下した木質ペレットaが燃焼する燃焼皿13が設けられ、そしてこの燃焼皿13には燃焼皿通気孔14を有しているものである。この燃焼皿通気孔14は木質ペレットaが落下しない間隙を保って燃焼皿13の略全面に前後左右どちらかの方向に長方形の形状で開口しているものである。また燃焼皿13の側面には点火装置15があり、この点火装置15は長細の筒内にヒータ16が備えられ、長細筒内を通過する空気をヒータ16によって高温(約250℃以上)にしてその高温の空気を木質ペレットaに当てることによって着火する構造になっている。
【0025】
燃焼室2の壁面と燃料タンク3及び燃料供給手段4とは冷却空間17を隔てて構成されていて、その冷却空間は外気が流通するようになっていると良い。
【0026】
燃焼室2の底部には燃焼皿13で燃焼後に発生し燃焼風と共に排出されない比重の重い灰が、燃焼皿通気孔14から落下し灰回収箱31に溜まるようになっている。
【0027】
また燃焼室2の中間から上部にかけて燃焼室2を前後に縦断する熱交換部5が設けられている。この熱交換部5は複数の放熱管18からなり、外気を圧送ファン19で放熱管18内に供給し、熱交換をして温風吹き出し口20から温風を機外に供給する。
【0028】
燃焼室2の上方の熱風排気口7に接続されている排風部6には吸引ファン21が備えられ、燃焼風を吸引し、排気ダクト22から機外に燃焼風を排気している。なお、排気ダクト22又は吸引ファン21の出入り口のどちらかに温度センサ23を備えている。
【0029】
吸引ファン21の動作によって外気が直接又は冷却空間17を経由して燃焼室2の燃焼皿通気孔14及び、点火装置15内を、そして外気の一部が投入シュート11を経由して燃焼室2内に達する。燃料タンク3からスクリューコンベア8を経由して燃焼室2内に木質ペレットaが投入され点火装置15によって着火し、燃焼皿通気孔14からの送風で木質ペレットaが安定し燃焼を続ける。その後この燃焼風は熱交換部5で熱交換され燃焼風排気口7から吸引ファン21を通過し、排気ダクト22から機外に排気される。
【0030】
上記のモータ24、ヒータ16、圧送ファン19、吸引ファン21及び温度センサ23は制御部32につながれ、図7に示すようにそれぞれが制御されている。以下、図7のフローチャートにそって動作説明を行なう。
【0031】
運転ONと共にヒータ16に通電を行ない、通電が規定の時間経過したら予熱完了と判断し、モータ24を稼動して燃焼皿13上に燃料供給を行なう。その後、設定時間経過後に吸引ファン21を起動させ、燃焼皿13上に木質ペレットaを設定時間供給後、燃料の供給を停止しする。温度センサ23で排気される温度が設定温度(40℃)到達時に燃焼を検出したものとみなし、圧送ファン19を稼動すると共に、設定の間隔で、設定時間の範囲でモータ24に通電し、燃焼燃料の供給を定期的におこない、その後温度センサ23の温度が設定温度より下降しなければ安定燃焼と判断してヒータ16への通電を停止する。
【0032】
安定燃焼中の暖房の温度調節として、燃料供給を3段階の調節ができるようになっており、その供給量の調節に伴って吸引ファンの風量も3段階に制御される。燃料供給「大」では燃焼皿通気孔14を上昇する風速は約2〜3m/s、「中」での風速は「大」の風速の約80%、「小」での風速は「大」の風速の約70%となっている。
【0033】
安定燃焼運転から設定時間が経過の後、掃除運転が開始される。この掃除運転では燃料が供給されていない時間に開始され、吸引ファン21の回転数を上げ、燃焼皿通気孔14を上昇通風する風の風速が約4〜5m/sになるようになっている。また、燃焼皿通気孔14を上昇通風する風でも吹き飛ばされない燃焼皿13に堆積している灰を、掃除運転終了直前にペレット燃料を落下供給させることで拡散させて舞い上がらせ、上昇通風によって燃焼皿13上から除去するものである。掃除運転を行なう前には燃焼皿13内の燃焼中の木質ペレットaの量が少ないほど効果が表れるので、安定燃焼中に定期的に行なわれる燃料の供給のタイミングを掃除運転前には停止時間を若干長く保って燃焼皿13上の木質ペレットaの燃焼が終了間近になるようにし、掃除運転終了直前に投入される燃料の供給の速さ若しくは増量して供給してもよく、急速供給又は増量供給によって灰を除去する効果が上昇するものである。
【0034】
本装置の運転を終了する場合(停止ボタン)、燃料供給が停止し、温度センサ23の検出温度が設定の温度(40℃)以下になるまで、吸引ファン21と圧送ファン19の稼動を継続させる。温度センサ23の検出が設定温度以下即ちOFFになったら、圧送ファン19を停止し吸引ファン21の回転を掃除運転状態と同等まで上げ、燃焼皿通気孔14を通過する風量を上昇させて、燃焼皿13上に堆積する灰を燃焼皿13上から除去するものである。
【0035】
図2には、木質ペレット燃焼装置の第2の実施の形態に係る実施例1を示す。ペレットストーブ1内に、燃料タンク3、燃料供給手段4、燃焼室2及び熱交換部5を第1の実施の形態と同様な構成で設けていて、排風部6に遠心分離装置25を備えたものである。この遠心分離装置25は灰bを含む燃焼風Cを流入させて、流入方向から180度旋回させるダクト内面に、円弧になった円弧面26を備え、円弧面26で反転したダクトは円弧面26に沿って設けられた灰ダクト27と、円弧面26から離れた排風ダクト28の2層に分離され、灰ダクト27の先端には外部との通気性がない灰回収容器29が設けられて、排風ダクト28には吸引ファン21が繋がれ、吸引ファン21から排気ダクト22を経て燃焼風は機外に排出されていく。なお、灰回収容器29は本装置が稼動していない場合において取り外しが行なえ、容器内の灰bを容易に除去できるものである。
【0036】
吸引ファン21の作用によって、燃焼室2の燃焼風排気口7から排風部6の遠心分離装置25のダクト内を流入してきた灰bを含んだ燃焼風Cは、円弧面26を通過する際、灰bは円弧面26に沿って旋回し、灰ダクト27に導かれ灰回収容器29内に堆積するものである。そして燃焼風Cは排風ダクト28を通過して吸引ファン21から排気ダクト22を経由して機外に排出される。
【0037】
上記遠心分離装置24の分離能力は、本装置の掃除運転(燃焼皿通気孔14を通過する風速が約4〜5m/s)の風量で灰を燃焼風から分離できる能力を持つものであって、通常の安定燃焼の場合の燃焼風から灰を分離できることは通常考えられることである。
【0038】
図3には、図2の木質ペレット燃焼装置の第2の実施の形態の他例を示す実施例2である。図3では、燃焼風Cを吸引ファン21に通してから遠心分離装置25に送り、その後排気ダクト22から排気される構成を示している。
【0039】
燃焼室2の燃焼排気口7からの灰bを含んだ燃焼風Cを吸引ファン21に導き、その後遠心分離装置25に供給し、円弧面26で排風を反転させると共に、円弧面26に沿って旋回する灰bは灰ダクト27に移行し、外部と通風の無い灰回収容器29内に堆積するようになっている。遠心分離装置25の円弧面26で灰bを分離された燃焼風Cは排風ダクト28を流通して排気ダクト22から機外に排出される。
【0040】
この図3の遠心分離装置25も、図2のものと同様に、その分離能力は本装置の掃除運転(燃焼皿通気孔14を通過する風速が約4〜5m/s)の風量で灰を燃焼風から分離できる能力を持つものであって、安定燃焼の場合の燃焼風から灰を分離できることは無論可能である。
【0041】
図4には、木質ペレット燃焼装置の第2の実施の形態の他例を示す実施例3を示すものである。図4では遠心分離装置25にサイクロン30を用いて灰bを回収(集塵)しようとするものであって、燃焼室2の燃焼風排風口7からサイクロン30内に灰bと燃焼風Cを投入し、サイクロン30内で灰bと燃焼風Cを分離し、灰bはサイクロン下端の灰回収容器29に、そして燃焼風Cはサイクロン中心部のダクトと接合した吸引ファン21を経て、ペレットストーブ1の外部の排気ダクト22から機外に排出される構成にしたものである。
【0042】
なお、遠心分離装置25以外は実施例1及び2の構成と同等であって、遠心分離装置25のサイクロン30の分離集塵能力も掃除運転時の風量であっても対応できる分離能力を有する。
【0043】
図5には、木質ペレット燃焼装置の第2の実施の形態の他例を示す実施例4を示すものである。図4と同様に、図5でも遠心分離装置25にサイクロン30を用いて灰bを回収(集塵)しようとするものであって、燃焼室2の燃焼風排風口7から灰bと燃焼風Cを吸引ファン21に投入し、吸引ファン21からサイクロン30内に供給して灰bと燃焼風Cを分離し、灰bはサイクロン下端の灰回収容器29に、そして燃焼風Cはサイクロン中心部の排気ダクト22からペレットストーブ1の機外に排出される構成にしたものである。
【0044】
なお、遠心分離装置25の分離集塵能力も前述と同様である。
【0045】
図6には本発明に係る木質ペレット燃焼装置の第3の実施の形態を示したものである。図6では、図5の本発明の第2の実施の形態の実施例4の状態において、遠心分離装置25のサイクロン27をペレットストーブ1の本体外に設けた構成であって、しかもサイクロン30を屋外に設置した状態を示すものである。
【0046】
吸引ファン21から送られた灰bを含む燃焼風Cは、屋外に設けられた遠心分離装置25であるサイクロン30に通風され、灰bはサイクロン30の底に設けられた外部と通気性に無い灰回収容器29内に堆積し、灰bと分離された燃焼風Cは排気ダクト22からサイクロン30外に排気される。
【0047】
図6の第3の実施の形態であっても、むろんサイクロン30の分離能力はペレットストーブ1の掃除運転で排気される燃焼風Cから灰bを容易に分離出来る能力を有する構成であって、通常の安定燃焼運転中では余裕を持って燃焼風Cから灰bを除去できるものである。しかも、灰回収容器29が屋外に設けられているので、この灰回収容器29を取り外し、内部の回収(集塵)した灰bを居住環境を汚すことなく取り出すことが可能である。
【0048】
図6では遠心分離装置25としてサイクロン30を用いているが、図2図3が示す円弧面26を備えた遠心分離装置であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明に係る木質ペレット燃焼装置は主としてペレットストーブに有効な手段であるが、木質以外のペレットも燃料として燃焼可能なペレットボイラーにおいても有効な除灰の手段であって、ペレットを使用する全ての燃焼装置に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る木質ペレット燃焼装置の第1の実施の形態を示す。
【図2】本発明に係る木質ペレット燃焼装置の第2の実施の形態に係る実施例1を示す。
【図3】第2の形態の実施例2を示す。
【図4】第2の形態の実施例3を示す。
【図5】第2の形態の実施例4を示す。
【図6】第3の実施の形態示す。
【図7】第1の実施の形態を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ペレットストーブ
2 燃焼室
3 燃料タンク
4 燃料供給手段
5 熱交換部
6 排風部
7 燃焼風排気口
8 スクリューコンベア
9 投入口
10 底面板
11 投入シュート
12 通気口
13 燃焼皿
14 燃焼皿通気孔
15 点火装置
16 ヒータ
17 冷却空間
18 放熱管
19 圧送ファン
20 温風吹き出し口
21 吸引ファン
22 排気ダクト
23 温度センサ
24 モータ
25 遠心分離装置
26 円弧面
27 灰ダクト
28 排風ダクト
29 灰回収容器
30 サイクロン
31 灰回収箱
32 制御部
a 木質ペレット
b 灰
C 燃焼風

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体内に燃焼室と燃料タンクと、燃料タンクから木質ペレット燃料を燃焼室に搬送する燃料供給手段を設け、燃焼室の上方に熱交換部と燃焼風排気口を備え、前記燃焼風排気口には燃焼風が流入する排風部を接続した木質ペレット燃焼装置において、
燃焼室内の木質ペレットが燃焼する燃焼皿の燃焼皿通気口を上昇する通風を、一時的に増風し、燃焼皿上に堆積する燃焼灰を浮遊状態にすることを特徴とする木質ペレット燃焼装置。
【請求項2】
燃焼室内で浮遊状態となった燃焼灰は、燃焼皿通気口を上昇する増風された通風と共に排風部に流入させることを特徴とする、請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項3】
燃焼皿通気口を上昇する通風の一時的な増風は、連続燃焼中の一定の間隔で定期的に行なわれることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項4】
燃焼皿通気口を上昇する通風の一時的な増風は、消火動作中の一定時間内に行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項5】
排風部には一時的に増風した通風量相当の集塵能力を有する遠心分離装置を設けたことを特徴とする、請求項1、2、3又は請求項4記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項6】
一時的に燃焼皿通気口の通風を増風させると同時、又は増風時間内の一定時間のどちらかに、燃料供給手段から燃焼室内の燃焼皿上に、ペレット燃料を供給して燃焼皿上の堆積した燃焼灰を舞い上がらせることを特徴とする、請求項1、2、3又は請求項5記載の木質ペレット燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−234302(P2006−234302A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−50739(P2005−50739)
【出願日】平成17年2月25日(2005.2.25)
【出願人】(000001465)金子農機株式会社 (53)
【Fターム(参考)】