説明

木質ペレット燃焼装置

【課題】駆動手段を別途追加しなくても燃焼部における火によって搬送路の燃焼部とは反対側へ向けて木質ペレットが延焼することを抑制する。
【解決手段】ペレットストーブ10では、上モータ24及び下モータ25が間欠的に駆動されることで、木質ペレット14が、上スクリュー20及び下スクリュー22によりホッパ16から上パイプ19、シュート28及び下パイプ21を介してロストル32上に搬送されて、燃焼される。ここで、上モータ24が間欠的に駆動される際に、上モータ24の駆動が停止されると、上スクリュー20が所定回転位置に停止されて、シャッタ70の周壁70Cがシュート28の上面を遮断する。このため、ロストル32上での木質ペレット14の燃焼による火によって下パイプ21からシュート28及び上パイプ19を介してホッパ16へ向けて木質ペレット14が延焼することを確実に防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質ペレットを燃焼させる木質ペレット燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の木質ペレット燃焼装置(ペレットストーブ)では、木質ペレットが上スクリュー及び下スクリューによって上パイプ、シュート及び下パイプを介してロストル上に搬送されて、ロストル上において木質ペレットが燃焼される。
【0003】
また、ロストル上において木質ペレットが燃焼される前には、下パイプのロストル側の一端(開口)を、モータの駆動により、閉塞部材が閉塞可能にされている。
【0004】
ここで、この木質ペレット燃焼装置において、仮に、下パイプの一端を閉塞部材が閉塞することで、ロストル上における木質ペレットの燃焼による火によって下パイプからシュートを介して上パイプへ向けて木質ペレットが延焼すること(逆火)を抑制可能にされたとする。
【0005】
しかしながら、この場合には、閉塞部材を駆動するモータが別途必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−30859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記事実を考慮し、駆動手段を別途追加しなくても燃焼部における火によって搬送路の燃焼部とは反対側へ向けて木質ペレットが延焼すること(逆火)を抑制できる木質ペレット燃焼装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置は、木質ペレットが供給される搬送路と、前記搬送路に設けられ、前記搬送路に供給された木質ペレットを回転されることで搬送する搬送スクリューと、前記搬送スクリューが搬送した木質ペレットが燃焼される燃焼部と、前記搬送スクリューに設けられ、前記搬送スクリューの所定回転位置において前記搬送路を遮断する遮断手段と、を備えている。
【0009】
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置において、前記搬送スクリューは、所定回転位置において一時的に停止されつつ回転される。
【0010】
請求項3に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1又は請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置において、前記搬送スクリューは、第1スクリューと第2スクリューとを有し、前記遮断手段は、前記第1スクリューと前記第2スクリューとの間の前記搬送路を遮断する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送路に搬送スクリューが設けられており、搬送路に供給された木質ペレットを搬送スクリューが回転されることで搬送する。さらに、搬送スクリューが搬送した木質ペレットが燃焼部において燃焼される。
【0012】
ここで、搬送スクリューに遮断手段が設けられており、搬送スクリューの所定回転位置において遮断手段が搬送路を遮断する。このため、燃焼部における火によって搬送路の燃焼部とは反対側へ向けて木質ペレットが延焼すること(逆火)を抑制できる。
【0013】
さらに、上述の如く、遮断手段が搬送スクリューに設けられているため、遮断手段が搬送スクリューと共に駆動される。これにより、遮断手段を駆動する駆動手段を別途追加する必要をなくすことができる。
【0014】
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送スクリューが所定回転位置において一時的に停止されつつ回転される。このため、遮断手段が搬送路を効果的に遮断でき、搬送路の燃焼部とは反対側へ向けて木質ペレットが延焼することを効果的に抑制できる。
【0015】
請求項3に記載の木質ペレット燃焼装置では、搬送スクリューが第1スクリューと第2スクリューとを有している。
【0016】
ここで、遮断手段が第1スクリューと第2スクリューとの間の搬送路を遮断する。このため、遮断手段が搬送路を適切に遮断でき、搬送路の燃焼部とは反対側へ向けて木質ペレットが延焼することを適切に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係るペレットストーブを示す右方から見た断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るペレットストーブを示す上方から見た断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るペレットストーブの主要部を示す前斜め右方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るペレットストーブの上スクリューを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るペレットストーブにおけるシュートの遮断状況を示す右方から見た断面図である。
【図6】(A)及び(B)は、本発明の実施の形態に係るペレットストーブにおける上スクリューのシャッタを示す断面図であり、(A)は、前方から見た図(図5のA−A線断面図)であり、(B)は、後方から見た図(図5のB−B線断面図)である。
【図7】本発明の実施の形態に係るペレットストーブにおけるシュートの開放状況を示す右方から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、本発明の実施の形態に係る木質ペレット燃焼装置としてのペレットストーブ10が右方から見た断面図にて示されており、図2には、ペレットストーブ10が上方から見た断面図にて示されている。なお、図面では、ペレットストーブ10の前方を矢印FRで示し、ペレットストーブ10の右方を矢印RHで示し、上方を矢印UPで示している。
【0019】
本実施の形態に係るペレットストーブ10は、中空の直方体状に形成された筐体12を備えている。筐体12の内部には、供給手段としての燃料タンクとされるホッパ16が設けられている。このホッパ16の内部には、間伐材等を粉砕圧縮加工して作った加工燃料である木質ペレット14が貯蔵されている。なお、本実施の形態では、木質ペレット14は、直径が4mm〜7mm程度、長さが5mm〜20mm程度とされている。
【0020】
図3に示されるように、ホッパ16の下方には、搬送手段としての燃料搬送装置18が設けられている。
【0021】
燃料搬送装置18の上部には、搬送路を構成する第1搬送路としての上パイプ19が設けられており、上パイプ19は、有底円筒状に形成されている。上パイプ19は、軸線方向がペレットストーブ10の前後方向に沿い且つ底壁がペレットストーブ10の前方側を向いた状態で配置されており、後端側がホッパ16の下端部に連結されている。上パイプ19の内部は、ホッパ16の内部に連通しており、上パイプ19の内部には、ホッパ16内の木質ペレット14が流下して供給されるようになっている。
【0022】
また、上パイプ19の内部には、搬送スクリューを構成する第1スクリューとしての上スクリュー20(定量繰出用スクリュー)が設けられている(図4参照)。
【0023】
上スクリュー20は、上パイプ19に対して同軸的に配置されたシャフト20Aを有している。シャフト20Aの軸線方向一端部(後端部)は、図示しない減速機構を介して、駆動手段を構成する第1駆動手段としての上モータ24に接続されており、上モータ24の駆動力によって、シャフト20Aが回転されて、上スクリュー20が回転されるようになっている。上モータ24は、所謂ワイパモータにされており、上モータ24の駆動が停止された際には、上スクリュー20が所定回転位置に停止される。このため、上モータ24は、間欠的に駆動されることで、上スクリュー20を所定回転位置において一時的に停止させつつ回転させる。
【0024】
シャフト20Aの前端部以外における外周部には、螺旋状の羽根20B(所謂スパイラー)が一体的に設けられている。この羽根20Bの外径寸法は、上パイプ19の内径寸法よりも僅かに小さく形成されており、羽根20Bがシャフト20Aと共に軸線周り一方へ回転されると、上パイプ19の内部に供給された木質ペレット14が、羽根20Bによって上パイプ19の前端側(矢印FR側)へと搬送されるようになっている。
【0025】
シャフト20Aの前端部の外周には、遮断手段としてのシャッタ70が一体的に設けられている。シャッタ70は、略半円柱形の容器状にされており、シャッタ70には、前側の前壁70Aと、後側の後壁70Bと、前壁70Aと後壁70Bとの間の周壁70Cが設けられている。図6の(A)及び(B)に示されるように、前壁70Aは、略半円板状(図6(B)に2点鎖線で示されるように円板状でもよい)にされ、後壁70Bは、長尺板状にされ、周壁70Cは、略半円筒状にされており、シャッタ70は、前壁70A及び後壁70Bにおいて、シャフト20Aに固定されている。前壁70Aと後壁70Bと周壁70Cとの間には、矩形状の入出口72が形成されており、入出口72は、シャッタ70内を径方向に開口させている。後壁70Bと周壁70Cとの間には、略半円状の侵入口74が形成されており、侵入口74は、シャッタ70内を軸方向に開口させている。また、図3に示されるように、シャッタ70は、シャフト20Aと同軸的に配置されると共に、半径が上パイプ19の内周面の半径より僅かに小さくされており、周壁70Cは、上パイプ19の内周面に沿って配置されて、上パイプ19の内周面に略嵌合されている。
【0026】
上パイプ19の前端部の下側には、シュート28が連結されている。シュート28は、上下両端部が開口した箱状(角筒状)に形成されており、内部が上パイプ19内に連通している。
【0027】
図5に示されるように、上スクリュー20が所定回転位置に回転された際には、シャッタ70の周壁70Cの周方向中央がシュート28の上パイプ19周方向中央に配置されて、シャッタ70の周壁70Cがシュート28の上面全体を遮断する。このため、上スクリュー20の羽根20Bによって上パイプ19の前端側へ木質ペレット14が搬送されても、木質ペレット14は、シャッタ70の侵入口74及び入出口72からシャッタ70内に侵入されるものの、シャッタ70の周壁70Cによってシュート28内への侵入(流下)が阻止される。
【0028】
一方、特に図7に示されるように、上スクリュー20が所定回転位置以外に回転された際には、シャッタ70の周壁70Cがシュート28の上面の遮断を解除可能にされて、シュート28の上面が開放可能にされる。このため、上スクリュー20の羽根20Bによって上パイプ19の前端側へ木質ペレット14が搬送されることで、木質ペレット14(シャッタ70内に侵入された木質ペレット14を含む)が、シュート28内に侵入(流下)する。
【0029】
図3に示されるように、シュート28の下方には、搬送路を構成する第2搬送路としての下パイプ21が設けられており、下パイプ21は、円筒状に形成されている。下パイプ21は、軸線方向がペレットストーブ10の前後方向に沿う状態で配置されており、軸線方向中間部の上側にシュート28の下端部が連結されている。下パイプ21の内部は、シュート28の内部に連通しており、シュート28内に侵入してシュート28内を流下した木質ペレット14は、下パイプ21の内部に供給されるようになっている。
【0030】
下パイプ21の内部には、搬送スクリューを構成する第2スクリューとしての下スクリュー22が配置されている。
【0031】
下スクリュー22は、下パイプ21に対して同軸的に配置されたシャフト22Aを有している。シャフト22Aの軸線方向一端部(後端部)は、図示しない減速機構を介して、駆動手段を構成する第2駆動手段としての下モータ25に接続されており、下モータ25の駆動力によって、シャフト22Aが回転されて、下スクリュー22が回転されるようになっている。下モータ25は、所謂ワイパモータにされており、下モータ25の駆動が停止された際には、下スクリュー22が所定回転位置に停止される。このため、下モータ25は、間欠的に駆動されることで、下スクリュー22を所定回転位置において一時的に停止させつつ回転させる。
【0032】
シャフト22Aの外周部には、螺旋状の羽根22B(所謂スパイラー)が一体的に設けられている。この羽根22Bの外径寸法は、下パイプ21の内径寸法よりも僅かに小さく形成されており、羽根22Bがシャフト22Aと共に軸線周り一方へ回転されると、下パイプ21の内部に供給された木質ペレット14が、羽根22Bによって下パイプ21の前端側(矢印FR側)へと搬送されるようになっている。
【0033】
なお、シャフト22Aの軸線方向中間部には、シュート28の後側壁の下方において、径方向外側へ向けて鍔状に突出した鍔部22Cが設けられている。この鍔部22Cは、外周部が下パイプ21と同心状に形成されて下パイプ21の内周面に近接して配置されている。このため、下パイプ21内に供給された木質ペレット14は、鍔部22Cに干渉することで下パイプ21の後端側への移動を制限されるようになっている。
【0034】
図1及び図2に示されるように、下パイプ21の前端部は、筐体12の内部を前後に仕切る仕切板48に形成された貫通孔に挿入されている。このため、下パイプ21の内部は、仕切板48を介して燃料搬送装置18と反対側で筐体12内に設けられた燃焼室30に連通している。燃焼室30には、燃焼部としての平板状のロストル32(燃焼棚)が配置されており、下スクリュー22の羽根22Bによって下パイプ21の前端側へと搬送された木質ペレット14は、ロストル32の上面に供給(搬送)されるようになっている(図1の矢印A参照)。
【0035】
ロストル32の下方には、着火手段としての棒状の電気ヒーター34が設けられている。電気ヒーター34は、所謂「セラミックヒーター」とされており、ロストル32の板面に対して所定角度傾斜した状態で配置されている。この電気ヒーター34は、ロストル32の下面に固定されたステーを介してロストル32の下面に固定されている。
【0036】
電気ヒーター34の先端部は、ロストル32に形成された貫通孔36に挿通されて、ロストル32の上面から所定量突出している。このため、上述の如くロストル32の上面に木質ペレット14が供給されると、電気ヒーター34の先端部が木質ペレット14によって覆われるようになっている。
【0037】
ロストル32には、複数の空気噴孔40が形成されており、燃料搬送装置18の下方に設置されたファン42(送風機)から空気取入室44に送風された空気(1次空気、図1の矢印B参照)が、空気噴孔40を通過して燃焼室30へ送風(通風)されるようになっている。
【0038】
また、ファン42から送風された空気は、空気通路46にも流入し(図1の矢印C参照)、仕切板48に形成された空気噴孔50から燃焼室30内へ送風される(2次空気)。さらに、空気通路46に流入した空気は、燃料搬送装置18側へ分岐した空気戻通路52へも流入し、燃料搬送装置18のシュート28上方から噴出されるようになっている。
【0039】
ここで、上述した燃料搬送装置18の上モータ24、下モータ25、電気ヒーター34、及びファン42は、図示しない配線を介して制御装置38に接続されている。制御装置38は、所定の制御プログラムに従って、上モータ24、下モータ25、電気ヒーター34、及びファン42の作動を制御するようになっている。
【0040】
具体的には、制御装置38は、ペレットストーブ10に搭載された図示しない運転スイッチが「ON」にされると、ファン42を作動させると共に、電気ヒーター34への通電を開始する。
【0041】
さらに、制御装置38は、燃料搬送装置18を作動させて、上モータ24及び下モータ25を駆動させることで、ホッパ16内の木質ペレット14をロストル32の上面に搬送する。これにより、電気ヒーター34の先端部が木質ペレット14によって覆われる。
【0042】
このとき、電気ヒーター34は、通電によって発熱しているため、電気ヒーター34の先端部を覆う木質ペレット14が加熱されて着火(点火)する。なお、制御装置38は、電気ヒーター34への通電を開始してから所定時間経過すると(木質ペレット14が着火されてから暫くすると)、電気ヒーター34への通電を遮断するようになっている。また、ロストル32の上面側には、ファン42から送風された1次空気が供給されており、これにより、ロストル32上面の木質ペレット14が燃焼するようになっている。
【0043】
そして、このようにロストル32上面の木質ペレット14が燃焼しているときには、制御装置38は、上モータ24及び下モータ25を間欠的に駆動させて、ホッパ16内の木質ペレット14を順次ロストル32の上面に搬送する。これにより、ロストル32の上面における木質ペレット14の燃焼状態が維持されるようになっている。
【0044】
一方、ロストル32の上方には、上側から見てコ字状に形成された遮熱板35が設けられている。この遮熱板35は、木質ペレット14の燃焼によりロストル32の上方に立ち上る炎の熱が筐体12の側壁に伝わることを抑制するようになっている。
【0045】
なお、木質ペレット14の燃焼により燃焼室30内に乾溜可燃性ガスが充満し、木質ペレット14の燃焼を阻害することがあるが、ファン42から送気され、空気噴孔50から燃焼室30内へ噴出される前述した2次空気により、前記乾溜可燃性ガスの燃焼が促進されるようになっている。
【0046】
また、ファン42から送気され、空気通路46及び空気戻通路52を通って燃料搬送装置18のシュート28上方から噴出される空気は、燃焼室30内に発生した燃焼ガスが、燃料搬送装置18側へ逆流することを防止する。
【0047】
さらに、燃焼室30の上方において、筐体12の上壁には、筒状に形成された煙筒62が設けられている。この煙筒62の筒内は、燃焼室30の内部に連通している。また、燃焼室30の内部には、平板材によって形成されたバッフルプレート64が設けられており、筐体の側壁12とバッフルプレート64との間にガス通路66が形成されている。ガス通路66内には、複数の貫通孔が形成された板状の多孔板68が設けられており、燃焼室30内に発生した排気ガスは、ガス通路66及び煙筒62の筒内を介してペレットストーブ10の外部に排気され、煙筒62に接続された図示しない排気管を介して、例えば屋外に排出される構成となっている。
【0048】
また、ロストル32の下方には、灰受皿58が配設されており、燃焼された木質ペレット14の燃えカス(灰)は、上スクリュー20及び下スクリュー22によって新たにロストル32上に補充される木質ペレット14によって押し出され、灰受皿58内に落下する。なお、ロストル32と灰受皿58との間には、ロストル32から落下した灰を灰受皿58内に案内するガイド枠60が設けられている。また、木質ペレット14は、燃え尽きても粉末状にはならず、原形を少し残した形で灰になるので、ロストル32の空気噴孔40から落下する灰は僅かであるが、空気噴孔40から空気取入室44内に落下した木質ペレット14の灰も、灰受皿58内に落下するようになっている。
【0049】
次に、本実施の形態の作用について説明する。
【0050】
上記構成のペレットストーブ10では、図示しない運転スイッチが「ON」にされると、制御装置38がファン42を作動させると共に電気ヒーター34への通電を開始する。さらに、制御装置38が上モータ24及び下モータ25を駆動させることで、上スクリュー20及び下スクリュー22が回転されて、ホッパ16内の木質ペレット14が上パイプ19、シュート28及び下パイプ21を介してロストル32の上面に搬送される。これにより、電気ヒーター34の先端部が木質ペレット14によって覆われる。
【0051】
このとき、電気ヒーター34は、通電によって発熱しているため、電気ヒーター34の先端部を覆う木質ペレット14が加熱されて着火(点火)する。また、ロストル32の上面側には、ファン42から送風された1次空気が供給されており、これにより、ロストル32上面の木質ペレット14が燃焼するようになっている。
【0052】
そして、このようにロストル32上面の木質ペレット14が燃焼しているときには、制御装置38が上モータ24及び下モータ25を間欠的に駆動させることで、上スクリュー20及び下スクリュー22が間欠的に回転されて、ホッパ16内の木質ペレット14が上パイプ19、シュート28及び下パイプ21を介してロストル32の上面に搬送される。これにより、ロストル32の上面における木質ペレット14の燃焼状態が維持される。
【0053】
ここで、上モータ24及び下モータ25が、ワイパモータにされており、上モータ24及び下モータ25が間欠的に駆動される際に、上モータ24及び下モータ25の駆動が停止されると、それぞれ上スクリュー20及び下スクリュー22が所定回転位置に停止される。
【0054】
このため、制御装置38が上モータ24及び下モータ25の所定時間毎の通電回数を制御することで、上スクリュー20及び下スクリュー22の所定時間毎の回転数を制御できて、木質ペレット14のロストル32上面への搬送量を制御できる。これにより、上モータ24及び下モータ25の通電時間を制御することで上スクリュー20及び下スクリュー22の回転量を制御して木質ペレット14のロストル32上面への搬送量を制御する場合に比し、木質ペレット14のロストル32上面への搬送量を容易に制御できる。
【0055】
また、上モータ24の駆動が停止される毎に、上スクリュー20が所定回転位置に停止されて、シャッタ70の周壁70Cがシュート28の上面全体を遮断する。これにより、ペレットストーブ10の外部から煙筒62内及びガス通路66を介して燃焼室30へ強い風が長時間流入されて燃焼室30内の排気ガスが下パイプ21内へ流入(逆流)される場合でも、ロストル32の上面における木質ペレット14の燃焼による火によって下パイプ21からシュート28及び上パイプ19を介してホッパ16へ向けて木質ペレット14が延焼すること(逆火)を確実に防止できる。
【0056】
しかも、シュート28が上パイプ19内の木質ペレット14と下パイプ21内の木質ペレット14とを分離しており、木質ペレット14が流下して停滞しないシュート28内をシャッタ70の周壁70Cが遮断する。これにより、下パイプ21からシュート28及び上パイプ19を介してホッパ16へ向けて木質ペレット14が延焼することを一層確実に防止できる。
【0057】
また、シャッタ70が上スクリュー20に設けられているため、シャッタ70が上スクリュー20と一体に上モータ24によって駆動される。これにより、シャッタ70を駆動する駆動手段を別途追加する必要をなくすことができる。
【0058】
しかも、下パイプ21からシュート28及び上パイプ19を介してホッパ16へ向けて木質ペレット14が延焼することをペレットストーブ10内の温度や気圧の変化により検知する安全装置が必ずしも必要ない。これにより、構成を簡単にできる。
【0059】
なお、本実施の形態では、上モータ24及び下モータ25をワイパモータにしたが、上モータ24及び下モータ25の通電時間に対応して上モータ24及び下モータ25の回転量が変化する構成にしてもよい。この場合、上モータ24及び下モータ25の回転位置(上スクリュー20及び下スクリュー22の回転位置でもよい)を検出する検出手段(スイッチ又はセンサ)を設けることで、制御装置38が検出手段の検出結果に基づき上スクリュー20及び下スクリュー22を所定回転位置に一時的に停止させることができる。
【0060】
また、本実施の形態では、本発明をペレットストーブに対して適用した場合について説明したが、これに限らず、本発明は木質ペレットを燃料として用いるボイラー等に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 ペレットストーブ(木質ペレット燃焼装置)
14 木質ペレット
19 上パイプ(搬送路)
20 上スクリュー(搬送スクリュー、第1スクリュー)
21 下パイプ(搬送路)
22 下スクリュー(搬送スクリュー、第2スクリュー)
28 シュート(搬送路)
32 ロストル(燃焼部)
70 シャッタ(遮断手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
木質ペレットが供給される搬送路と、
前記搬送路に設けられ、前記搬送路に供給された木質ペレットを回転されることで搬送する搬送スクリューと、
前記搬送スクリューが搬送した木質ペレットが燃焼される燃焼部と、
前記搬送スクリューに設けられ、前記搬送スクリューの所定回転位置において前記搬送路を遮断する遮断手段と、
を備えた木質ペレット燃焼装置。
【請求項2】
前記搬送スクリューは、所定回転位置において一時的に停止されつつ回転される請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。
【請求項3】
前記搬送スクリューは、第1スクリューと第2スクリューとを有し、前記遮断手段は、前記第1スクリューと前記第2スクリューとの間の前記搬送路を遮断する請求項1又は請求項2記載の木質ペレット燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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